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カテゴリー「AC/DC」の18件の記事

2020年11月13日 (金)

AC/DC『POWER UP』(2020)

2020年11月13日にリリースされたAC/DC通算16枚目(オーストラリア国内では17枚目)のオリジナルアルバム。

前作『ROCK OR BUST』(2014年)からちょうど6年ぶりの新作となります。同作はその前の『BLACK ICE』(2008年)からも6年というスパンで届けられているので、このリリース間隔はもはや定番なのかもしれません。

しかし、バンドにとってこの6年は非常に波乱万丈な期間であり、正直僕自身『ROCK OR BUST』がラストアルバムになるんだろうな……と思っていたくらい。詳細については前作のレビューにて触れているので、そちらにてご確認を。

ここ1年ほど、秘密裏で今作の制作が進められており、都度都度SNSにそのレコーディング情報のすっぱぬきが飛び込んできましたが、どうやらブライアン・ジョンソン(Vo)、アンガス・ヤング(G)、スティーヴィー・ヤング(G)、クリフ・ウィリアムズ(B)、フィル・ラッド(Dr)という前作と同じ布陣でレコーディングしていることが明らかになると、いよいよその期待感はマックスにまで高まるわけです。

10月にリードトラック「Shot In The Dark」が公開された際、「これぞAC/DC!」と言わんばかりのキャッチーかつストロングスタイルのハードロックサウンドに、思わずガッツポーズをとってしまったものです。しかも、初公開されたのがエディ・ヴァン・ヘイレンの亡くなった当日だったこともあり、どれだけこの曲に救われたことか……。

それからしばらくして、本作をひと足先に聴く機会を得ました。リリースまでの半月強、どれだけこのアルバムをリピートしたことでしょう。それくらい、どこから切り取ってもシンプルでキャッチーで、ハードでパワフル……AC/DCそのものであり、全12曲41分があっという間に感じられるほど夢中になってしまう1枚なのです。

『ROCK OR BUST』は2〜3分前後の楽曲を中心に、全11曲で34分というびっくりするくらい短いアルバムでした。それはそれでよかったですし、今思えば“丸裸のAC/DC”ってくらいにロックンロールなアルバムだったと思います。それは裏を返せば、マルコム・ヤング(G)との最後のコラボレーションを経て、バンドの原点へと立ち返ることを意味したのかもしれません。

ところが、本作ではそのマルコムとのコラボで生み出されたネタを元に、「王道のAC/DC」を純化させる作業にこだわった。その結果、わかりやすさがより際立つ内容になったのではないかなと。この「マンネリなのに飽きが来ない」不思議なバランス感は、そういった努力の賜物なのかもしれません。

ポップでわかりやすい曲もあればリフ一発ですべてを持っていく曲もあるし、ライブでの盛り上がり必至のアップチューンも、一緒にシンガロングしたくなるアンセムも、全部揃っている。完全無欠のAC/DCを体現した本作は、間違いなく『BACK IN BLACK』(1980年)以降の集大成であり、『THE RAZORS EDGE』(1990年)以降の最高傑作だと断言できるものです。

これだからロックはやめられないのよ。

 


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2020年11月11日 (水)

AC/DC『LIVE』(1992)

1992年10月下旬にリリースされたAC/DCのライブアルバム。日本盤は同年11月上旬に発売されています。

本作は全14曲入りCD1枚ものと、計23曲入りのCD2枚組コレクターズ・エディションの2仕様が流通していますが、ここでは2枚組バージョンについて触れていきます。

本作は1990年秋に発表されたオリジナルアルバム『THE RAZORS EDGE』を携えたワールドツアーから、同年8月のドニントン・パークでの『MONSTERS OF ROCK』でのヘッドライン公演を筆頭にイギリス、カナダ、ロシアでのライブ音源をまとめたもの。実際のライブのセットリストに添いながらも日替わりで披露された楽曲も含まれた、いわゆるライブベストアルバムとなっております。

当時の編成はブライアン・ジョンソン(Vo)、アンガス・ヤング(G)、マルコム・ヤング(G)、クリフ・ウィリアムズ(B)、そしてクリス・スレイド(Dr)というオリジナルアルバムでは『THE RAZORS EDGE』のみの編成。クリスのドラミングによる影響もあってか、アッパーな曲ではよりBPMが上がっており、「Whole Lotta Rosie」や「Let There Be Rock」ではどこかパンクロック的な香りすら感じらえる、この時期ならではの演奏を楽しむことができます。フィル・ラッド(Dr)在籍時には考えられないようなビート感ですが、僕はこの性急なAC/DCも嫌いじゃありません。

また、ボン・スコット(Vo)在籍時のライブアルバム『IF YOU WANT BLOOD YOU'VE GOT IT』(1978年)と比べると、収録されている楽曲のハードロック度やヘヴィさが増し増しになっており、ボン・スコット在籍時のブルージーな楽曲やシンプルなロックンロールですら重さが備わっている。ボーカリストが変わったことでバンド自体が徐々に変質していったのを、収録楽曲からも伺えるはずです。

それと、前作からの10数年でAC/DCという存在がどんどん巨大化していき、気づけば8万人のスタジアムで演奏するようなビッグネームになっていたという事実もこのアルバムには刻まれております。まあそのへんは映像版(ドニントン・パークでのライブ映像作品)でより明確に確認することができることでしょう。もちろん、音源でもそのビッグなサウンドと聴衆たちの大歓声(随所に挿入される“アンガス”コールなど)からなんとなく理解できることでしょう。

収録曲に関しては文句のつけようのない、オールタイムベスト的内容です。『THE RAZORS EDGE』からの楽曲が多いのは当たり前の話ですが、同作自体久々の大ヒット作品だったので、そりゃそうなりますよね。オープニング「Thunderstruck」でのワクワク感からラストの「For Those About To Rock (We Salute You)」でのアグレッシヴさまで、気の抜きどころのない130分をぶっ続けでご堪能あれ。

 


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2020年11月 6日 (金)

AC/DC『IF YOU WANT BLOOD YOU'VE GOT IT』(1978)

1978年10月にリリースされたAC/DC初のライブアルバム。

『ギター殺人事件 AC/DC流血ライヴ』の邦題で長きにわたり親しまれている本作は、当時の最新アルバム『POWERAGE』(1978年)リリース直前の1978年4月30日にグラスゴーのApollo Theatreにてライブレコーディングされたもの。今作のあとに出世作『HIGHWAY TO HELL』(1979年)を発表しているのもあり、本作はそれ以前のAC/DCにおけるベストヒット的内容と言えるでしょう。

ボックスセット同梱作品を除けば、本作がボン・スコット(Vo)在籍時唯一のライブアルバムであり、次のライブ作品『LIVE』(1992年)までは本作こそがAC/DC最強のライブアルバムとして親しまれてきました。まあ、そもそも『LIVE』はブライアン・ジョンソン(Vo)が歌っているので、同じ曲が含まれているとはいえ別モノと切り分けて考えるのが妥当かと思います。

ちなみにこの4月30日にグラスゴー公演では全12曲が披露されており、そのうち10曲をアルバムに収録(カットされたのは「Dog Eat Dog」と「Filling Thing」)。曲順は一部異なるものの(実際のライブでは2曲目だった「Problem Child」がアルバムでは5曲目など)、アルバムの構成としては非常に流れもよく、ロックンロールバンドとしてのAC/DCをベストな形で表現しているように映ります。

そう、この時期のAC/DCはハードロックというよりはハードブギー、もっと言えばシンプルにロックンロールバンドなんですよ。オープニングを飾る「Riff Raff」とかハードロック調ではあるものの、コードなんてシンプルなブルース進行ですし(LED ZEPPELINの「Rock And Roll」に通ずるものがありますよね)、「Bad Boy Boogie」から「The Jack」の流れなんてまさに王道ロックンロールですから。ハードロック色が強まったのって、結局ブライアン加入後の『BACK IN BLACK』(1980年)以降なんじゃないかな。だから、先の『LIVE』と切り分けて考えるのは当然なのです。

全10曲で約53分(アナログ1枚もの)は当時で考えると長尺ですし、アナログ盤で聴くラストの「Rocker」の音の悪さといったら、それはそれは(笑)。ですが、「Whole Lotta Rosie」以降の後半の熱量は特筆すべきものがあります。実際のライブとは異なる流れながらも、そのあとに当時の最新曲「Rock 'N' Roll Damnation」と初期の代表曲「High Voltage」を挟んで「Let There Be Rock」「Rocker」へと続く構成は最高以外の何ものでもありません。これ以上はないでしょ?ってくらい、究極の流れなのです。高校生のときから何百回、何千回とこの流れに興奮したことか。

アンガス・ヤング(G)のギタープレイの凄みやボン・スコットのフロントマンとしてのカリスマ性も存分に伝わる本作、初期AC/DCの入門編としてオススメの1枚です。

 


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2020年11月 5日 (木)

AC/DC『WHO MADE WHO』(1986)

1986年5月下旬にリリースされたAC/DC初のコンピレーションアルバム。

本作はスティーヴン・キングが自らの短編作品を初めて自ら監督・映像化した映画『Maximum Overdrive(地獄のデビル・トラック)』のサウンドトラックとして制作されたもの。キング自身がAC/DCのファンであることから実現した企画で、アルバムには全9曲され、うち3曲が本作のために制作された新曲です。

タイトルトラック「Who Made Who」は本作のために用意された新曲のひとつで、AC/DCのポップサイドが強く表出した良曲。当時、よくMTVでこの曲のMVが流れていたので、そこで初めてAC/DCというバンドを認識した記憶があります。実際、初めてちゃんと聴いたアルバムも本作でしたしね(レンタルにて。初めて盤で購入したのは次作『BLOW UP YOUR VIDEO』です)。

そのほかの新曲2曲「D.T.」「Chase The Ace」はAC/DCには珍しいインストゥルメンタルナンバー。おそらく映画のサウンドトラックとして制作されたものかと思いますが、実際に使用されたのでしょうか(実は映画、未見なんですよね。キングのファンですが、自身が失敗作と認めるものをわざわざ探してまで観るのもねえ……)。どちらも、まあ“らしい”っちゃあらしい仕上がりですが、マストで聴くべき楽曲とも言い難い。本作に関してはタイトルトラックの印象が強いので、ほかの新曲はおまけ程度という認識かな。

で、これら3曲以外の6曲はボン・スコット(Vo)時代の「Ride On」含む既発ナンバーで構成。「You Shook Me All Night Long」「Hells Bells」(『BACK IN BLACK』収録)、「For Those About To Rock (We Salute You)」(同タイトルアルバム収録)、「Sink The Pink」「Shake Your Foundations」(『FLY ON THE WALL』収録)と直近の3作からのシングル曲が中心で、なぜか1983年の『FLICK OF THE SWITCH』からは1曲も選ばれず。まあそういう内容ということもあって、本アルバムは80年代前半のAC/DCを手軽に楽しめる“セミ・ベストアルバム”的作品として、長きにわたり重宝されてきた1枚でもあります。

結果、当時はチャート上では全米33位と低調でしたが、セールス的には現在までに500万枚を超えるセールスを記録。のちに全キャリアを総括するようなライブアルバム『LIVE』(1992年)や映画『Iron Man 2(アイアンマン2)』のサウンドトラックも発売されていますが、しばらくは本作が(アメリカでは)AC/DC入門編的な1枚だったようです。

「Who Made Who」って今聴くと、ポップなわりに硬質なミックスなんですよね。ヘッドフォンで聴くとズシズシと体に響くドラムの音が気持ちよいし、かつアンガス・ヤング(G)のギタープレイも派手だし。この曲のスタジオ音源が聴けるのは本作だけなので(ボックスセット『BACKTRACKS』配信バージョンには12インチ・ロングバージョン収録)、そういった意味でもファンは一度は手を出しておくべき1枚だと思います。

 


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2020年11月 3日 (火)

AC/DC『FOR THOSE ABOUT TO ROCK (WE SALUTE YOU)』(1981)

AC/DCが1981年11月にリリースした7thアルバム(海外にて。本国オーストラリアでは通算8枚目)。日本では『悪魔の招待状』の邦題でおなじみの1枚です(タイトル、悪魔とまったく関係ないんですけどね)。

ブライアン・ジョンソンを新たなフロントマンに迎え、亡きボン・スコットの追悼盤として制作された前作『BACK IN BLACK』(1980年)が全米4位まで上昇。現在までにアメリカでは2500万枚以上ものセールスを誇るメガヒット作として知られています。その勢いのまま、1年4ヶ月という短いスパンで届けられた本作は初の全米1位を獲得。セールスは前作より劣るものの、それでも400万枚を超えるヒットアルバムとなりました。

前々作『HIGHWAY TO HELL』(1979年)から3作連続でロバート・ジョン・マット・ラングがプロデュースを手がけた本作は、特に前作でのタイトで音の密度が高いミックスをさらに洗練させた、キリキリした高い音圧が魅力のヘヴィ・ロックンロールアルバムに仕上げられています。これ、最初はアナログ盤で聴いたと記憶しているんだけど、冒頭の「For Those About To Rock (We Salute You)」や「Inject The Venom」での迫力ある音像や音の密度に鳥肌を立てた記憶があります。特に大砲の音をフィーチャーした前者の豪快さは圧巻で、その後CDで聴いたときは「……あれ、ショボくない?」とがっかりしましたが、最新のリマスター音源は“あのとき”により近づいた音になったんじゃないかと思います。

本作から今でもライブで披露されているのは表題曲ぐらいで(しかも、ライブのエンディングでおなじみの1曲ですしね)、それ以外の楽曲の印象が非常に薄いアルバムかもしれません。事実、僕自身も10〜20代の頃は「『BACK IN BLACK』と比べると変にシリアスすぎて、通して聴くのがキビシイんだよなぁ」なんて思っていたし、その後しばらくは「AC/DCで真っ先に聴くべきアルバムではないよ」なんて触れて回ったくらい。ですが、そこそこ大人になってから聴き返したらカッコいいのなんの。意外と悪くないんですよ(当たり前か、『BACK IN BLACK』の後釜として制作されたんだから)。

確かに「Highway To Hell」や「You Shook Me All Night Long」のようなキャッチーさには欠けるものの、上記のような楽曲や「Snowballed」「Breaking The Rules」、本作中で比較的ポップなタッチの「C.O.D.」、ラストを豪快に飾る「Spellbound」など良曲も多数。メロディの詰めが甘いのは制作期間の短さにもよるでしょうし、『BACK IN BLACK』制作時のようにメンバーを駆り立てる大きな出来事もなかったことも影響して、こういう内容で収まったんでしょうね。もう半年時間を与えていたら、さらなる名盤になったのかな……いや、わかりませんが。

ただ、ピークである『BACK IN BLACK』を最後に少しずつ右肩下がりが始まったのは間違いない事実でして、本作のヒットを最後にバンドはしばらく低迷期に突入してしまいます。それについては、また別の機会に。

 


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2020年10月 1日 (木)

AC/DC『BALLBREAKER』(1995)

1995年9月末にリリースされたAC/DCの12thアルバム(本国オーストラリアでは13作目)。日本盤は同年10月上旬に発売されました。

ドラマーにクリス・スレイドを迎えた前作『THE RAZORS EDGE』(1990年)は全米2位と、『BACK IN BLACK』(1980年/全米4位)や『FOR THOSE ABOUT TO ROCK WE SALUTE YOU』(1981年/同1位)に並ぶ数字を叩き出し、セールス的にも全米のみで現在までに500万枚突破という大成功を収めました。また、同作を携えたワールドツアーも好評を博し、その模様を収めたライブアルバム『AC/DC LIVE』(1992年)も300万枚超の売り上げで、バンドは第二の全盛期を迎えます。

1993年にはアーノルド・シュワルツェネッガー主演映画『ラスト・アクション・ヒーロー』のサウンドトラックに、リック・ルービン(RED HOT CHILI PEPPERSSLAYERTHE BLACK CROWESなど)をプロデューサーに迎えた新曲「Big Gun」を提供。バンドとして非常にノリにノッた様子が伺えました。と同時に、この頃から「次のアルバムはリック・ルービンがプロデュースを担当する」という情報が出回り始めます。

そして、同作のレコーディングに入った頃、1983年に脱退したフィル・ラッド(Dr)にドラマーが交代。70年代半ばから80年代初頭の黄金期メンバーが出揃った形で、約5年ぶりのアルバムが制作されることになります。

リック・ルービンのほか、前作にも携わったマイク・フレイザーがコ・プロデュース&ミックスで参加。これにより、サウンド的には『THE RAZORS EDGE』のタイトさを保ちつつも、スタジアムロック的なファットさが減退し、90年代半ばというグランジ〜オルタナ全盛期のフィットしたドライな質感でまとめられています。

楽曲自体は前作ほどのキャッチーは感じられず、最初こそ「地味だな」と不安を覚える内容かもしれません。それは「You Shook Me All Night Long」や「Who Made Who」「Moneytalks」といったパーティロック調の楽曲が排除されていること、「Let There Be Rock」「Heatseeker」「Fire Your Guns」のようなファストチューンが用意されておらずミディアム〜スローテンポで統一された作風であることも大きく影響しています。また、メロディセンスも『THE RAZORS EDGE』や続く「Big Gun」ほどストレートにわかりやすいものが少ない。リリース当時は本作、以前ほど聴き込まなかった記憶があります。きっと、当時来日公演が実現していたら、その評価も少しは変わったのかな?

しかし、リリースから25年経った今聴くと、不思議と楽しめる自分がいるんです。あれ、いいじゃんこれ……と。確かに『THE RAZORS EDGE』ほどの即効性はないかもしれません。しかし、“『BACK IN BLACK』的なAC/DC”を求める2000年代以降の彼らのアルバムに慣れた耳には、十分すぎるほどに“わかりやすく”感じられる。時の流れがそうさせたのか、それとも自分が成長した(年取った)のか……なんにせよ、うれしい驚きでした。

まあそれでも、彼らのキャリアの中では地味な部類の作品に入ると思います。だけど、「Hard As A Rock」「Cover You In Oil」「Burnin' Alive」「Hail Caesar」「Caught With Your Pants Down」「Whiskey On The Rocks」など、いい曲も決して少なくない。AC/DCの魅力にハマってしまった体なら文句なしに楽しめる1枚だと思います。

なお、そんな本作は全米4位まで上昇し、200万枚以上を売り上げるヒット作に。本国オーストラリアでは『BACK IN BLACK』以来15年ぶりにチャート1位を獲得しています。

 


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2020年1月12日 (日)

祝ご成人(1999年4月〜2000年3月発売の洋楽アルバム20選)

新成人の皆さん、おめでとうございます。2014年度に初めて執筆したこの“洋楽版成人アルバム”企画、今年で6回目となります。毎年この時期にこの企画をやることで、温故知新というよりは「自分の20年前の音楽ライフはどんなだったか」を思い返す上で非常に重要なコンテンツになりつつあります。

しかも、前回(1998年4月〜1999年3月)から当サイトの前身サイトがスタートした時期(1998年12月)と被っていることもあり、選出時いろいろ感慨深いものがあったりするのですから、長く続けてみるものですね。

さて、企画説明です。この1月に成人式を迎えたの皆さんが生まれた年(学年的に1999年4月〜2000年3月の期間)にリリースされた洋楽アルバムの中から、個人的思い入れが強い作品のうちSpotifyやApple Musicで試聴可能なものを20枚ピックアップしました。

でも、どれも名盤ばかりですし、もしまだ聴いたことがないという作品がありましたら、この機会にチェックしてみてはどうでしょう。特に、現在20歳の方々は「これ、自分が生まれた年に出たんだ」とかいろいろ感慨深いものがあるような気もしますし。ちなみに、作品の並びはすべてアルファベット順です。(2014年度の新成人編はこちら、2015年度の新成人編はこちら、2016年度の新成人編はこちら、2017年度の新成人編はこちら、2018年度の新成人編はこちらです)

 

AC/DC『STIFF UPPER LIP』(2000年2月発売)(Spotify)(レビュー

ATARI TEENAGE RIOT『60 SECOND WIPE OUT』(1999年5月発売)(Spotify)(レビュー

BUCKCHERRY『BUCKCHERRY』(1999年4月発売)(Spotify)(レビュー

THE CHEMICAL BROTHERS『SURRENDER』(1999年6月発売)(Spotify)(レビュー

CIBO MATTO『STEREO☆TYPE A』(1999年6月発売)(Spotify

D'ANGELO『VOODOO』(2000年1月発売)(Spotify

THE DILLINGER ESCAPE PLAN『CALCULATING INFINITY』(1999年9月発売)(Spotify

DISTURBED『THE SICKNESS』(2000年3月発売/US)(Spotify)(レビュー

THE FLAMING LIPS『THE SOFT BULLETIN』(1999年5月発売)(Spotify

FOUNTAINS OF WAYNE『UTOPIA PARKWAY』(1999年4月発売)(Spotify)(レビュー

 

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2020年1月 2日 (木)

banned songs of US radio after 9.11

つい先日、昨年の9月11日に配信されたKERRNG!の記事「HERE ARE THE 164 SONGS THAT WERE BANNED FROM AMERICAN RADIO AFTER 9/11」がTwitterで流れてきたんですね。このリスト自体、これまでも完全版・不完全版問わずさまざまな形で流出していたと思いますし、実際僕も学生時代に湾岸戦争をテーマに「表現の自由」や「自主規制」について卒論を書いていたので、常に気になってチェックしていました。今回の記事も特別目新しさはなかったのですが、急にふと「そういえば、卒論書いてた90年代前半は実際にそういう曲を全部聴くのに相当苦労したけど、今ってストリーミングサービスがあるし、もしかしてこのリストの曲全部聴けるんじゃないかな……」と思ったんですね。

で、実際にプレイリストを作ってみようと思い、検索を開始……始めたのが明け方だったのですが、気づいたら1、2時間でプレイリスト完成。記事中に登場する曲名やアーティスト名に多少の間違いがあったので、ネット上で公開されている同様の記事(結局Wikipediaが一番便利でした)とも照らし合わせつつ、完全なるプレイリストを完成させました。

さすがに全曲ありました。すごいですね、Spotify(今回はApple Music版は作成せず。だって2つも作るの時間かかるし)。RAGE AGAINST THE MACHINEのみ全曲放送禁止だったので、本来なら彼らの楽曲はすべて入れるべきなんでしょうけど、それだと埒が明かないので各アルバムから主要ナンバー1曲ずつ、計4曲を入れることにしました。そこに「Knockin' On Heaven's Door」のみボブ・ディラン版とGUNS N' ROSES版の2曲を用意して、全168曲/11時間14分というアホほど長いプレイリストが完成したわけです(笑)。

一応、アーティスト名アルファベット順、複数の曲がリストにあるアーティストに関しては曲名もアルファベット順で並べてあります。なので、AC/DCみたいにいきなり7曲も続いてしまうこともありますが、シャッフル再生すると普通にラジオ感覚で楽しめるのではないでしょうか……しかも、いい曲ばかりですし。

こんなご時世だからこそ、こういった楽曲を手軽に楽しめる自由をかみしめつつ、今の生活に感謝したいと思います。またいつ、これらの楽曲やほかのヒット曲が放送禁止になるか、本当にわかりませんしね(しかも、あの当時よりも状況的には最悪ですから)。

 

※ブラウザ(記事上)でプレイリストを再生すると100曲しか表示されないようなので、プレイヤー右上のSpotifyロゴをクリックして、自身のSpotifyプレイヤーで再生することをオススメします。

2019年6月27日 (木)

AC/DC『BLACK ICE』(2008)

2008年10月にリリースされた、AC/DC通算14枚目(オーストラリア国内では15枚目)のオリジナルアルバム。前作『STIFF UPPER LIP』(2000年)から約8年半という全キャリアの中でもっとも長いスパンを経て発表された本作は、アメリカでは『FOR THOSE ABOUT TO ROCK WE SALUTE YOU』(1981年)以来実に27年ぶりの1位を獲得。そのほかにも本国オーストラリアやイギリス、カナダ、フランスなど29カ国で1位に輝いた、(現時点での)2000年代を代表する1枚です。

プロデューサーに初めてブレンダン・オブライエン(AEROSMITHPEARL JAMRAGE AGAINST THE MACHINEなど)を迎えて制作した本作は、全15曲で約56分とオリジナルアルバムとしては過去最長。じゃあ聴くのが大変かといいますと、まったくそんなことはなく、どの曲も3〜4分台で相変わらずのAC/DC節が終始貫かれており、カッコいいロックンロールがぎっしり凝縮された濃厚な作品集と言えます。

正直、ブライアン・ジョンソン(Vo)、アンガス・ヤング(G)、マルコム・ヤング(G)、クリフ・ウィリアムズ(B)、フィル・ラッド(Dr)という黄金期が復活して以降の2枚……『BALLBREAKER』(1995年)と『STIFF UPPER LIP』は「悪くはないけど、最高とまでは言い切れない」彼らにしては並な作品でした。いや、どれも“らしい”作風なんだけど、音源だけじゃ理解しきれない、ライブを体験しないとキツいかな……と思えてくるような“若干地味”なものばかりだったんですよね(だからこそ、『STIFF UPPER LIP』は来日公演をようやく目にすることができて、印象が少し良くなったわけですが)。

で、それと比べて今回の『BLACK ICE』はといいますと、全体的に軽やかさやキャッチーさが増しているように感じられました。『THE RAZORS EDGE』(1990年)みたいにどキャッチーではないですが、それでも同作に匹敵する“わかりやすさ”が備わっている。アップテンポの曲が1曲もなくったって、ここまでやれるんだぞ?という気概も感じられるし、ミドルテンポの中にも多少の上下を付けて変化を与えている。

聴く人が聴けばマンネリの一言で片付けられてしまうかもしれない。それはもう仕方ない、その人にとってAC/DCというバンドの本質がまったく必要としないものなのでしょう。けど、ロックンロールが好きで、AC/DCというバンドに多少なりとも魅力を感じたことがあるリスナーなら、このアルバムって最初から最後まで気持ちよく楽しめるものなんじゃないでしょうか。それこそオープニングの「Rock N Roll Train」のキャッチーさから、エンディングを飾るタイトルトラック「Black Ice」のヘヴィさまで、ノリノリでね。

思えば、本作を携えたさいたまスーパーアリーナ公演(2010年3月)が現時点で最後の来日なんですよね。あの巨大な機関車が登場する「Rock N Roll Train」でのオープニング、懐かしいなあ……。

黄金期ラインナップによる最後のオリジナル作品、そして同ラインナップでの最後の来日。いろいろ感慨深い記憶を残す1枚です。

 


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2019年4月29日 (月)

AC/DC『LET THERE BE ROCK』(1977)

本国オーストラリアで1977年3月、それ以外の国で同年7月に発表されたAC/DCの3rdアルバム(本国では4作目)。イギリスで初めてチャートインし、最高17位という好記録を残した、バンドにとって海外でブレイクするきっかけを作った重要な1枚です。

ボン・スコット(Vo)在籍時の初期作品の中では本作と『HIGHWAY TO HELL』(1979年)が初心者向けのスタジオアルバムと言えるぐらい、現在もライブで披露される機会の多い名曲が豊富な内容。タイトルトラックはもちろんのこと、GUNS N' ROSESもカバーした「Whole Lotta Rosie」、グルーヴィーな「Dog Eat Dog」やこれぞAC/DC!と言いたくなる「Bad Boy Boogie」や「Hell Ain't A Bad Place To Be」など、捨て曲一切なし。全8曲、40数分と決して長い内容ではないですが、その密度は曲数や収録時間の数倍濃いものとなっています。

……と、ここまで書いて、すでに本作について伝えたいことは全部伝えてしまったような気がします(笑)。ってくらい、「読む前に、まず聴け!」と断言したくなる1枚。AC/DCとはなんぞや?と問われたときに、まずはこれを差し出すぐらいの傑作だと思っています。

確かにブライアン・ジョンソン(Vo)以降のヘヴィメタル的な重さや鋭さは皆無ですし、ポップさという重要な要素もここではまだ弱い気がします。しかし、1977年というイギリスでパンクロックが勃発したタイミングに、本作が17位という好記録を残しているという事実。そこにこのアルバムが現在まで愛され続ける秘密か隠されている気がするのですが、どうでしょう?

パンクよりも密度が濃いし、なんなら旧時代然としたスタイルのサウンドです。だけども、パンクロックにも通ずる衝動性はしっかり体現されている。そういった「シンプルに、ただカッコいいことをデカイ音で鳴らす」という姿勢が、当時のキッズに受け入れられたのでしょうか。あるいは、パンクスの陰に隠れてしまったハードロックキッズたちが「これこそが俺たちが今求める音!」と無言の意思表示をした結果がこの数字だったのか。できることなら1977年のイギリスに行って、AC/DCのライブ会場を覗いてみたいものです。

ギターを弾く人にとっては、本作は名ギターリフの宝庫でもあるんじゃないかな。シンプルだけどインパクトが強いリフの数々と、アンガス&マルコムのヤング兄弟によるリフのユニゾンや微妙に異なるフレーズが重なったときの気持ち良さなど、楽器弾き観点でも聴きどころ満載な1枚。ヘッドフォンを付けて爆音で聴くのもいいですが、AC/DCに関してはとにかくスピーカーを通して、可能な限りデカイ音で聴いてほしいな。それが一番、魅力がダイレクトに伝わるはずなので。

 


▼AC/DC『LET THERE BE ROCK』
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