2007/12/10

ANTHEM "IMMORTAL TOUR" FINAL@川崎CLUB CITTA' (2007.12.8)

前日に続き、再び80年代モードです。いやいや、たまたまこんな結果になってしまったんですよ、本当に。ANTHEMは80年代から大好きなバンドでしたし、現時点での新作「IMMORTAL」についてはリリース当時にこういう感想を書いてますし。アルバムが出るたびにしっかりと評価してきたつもりです。ただ、毎回タイミングが悪くて、再結成してからは一度もライブを観れてなかったんですよね。今年の「LOUD PARK 07」も直前に行けなくなってしまって、彼らの勇姿を目にすることができなくて残念な思いをしたものです。

そんなところ、数日前に仕事としてライブレポートの依頼がきまして。そりゃ即答ですよ、「行きます!」って。

彼らのライブを観たのは、1992年の日清パワーステーションでのラストライブが最後。ホントにあれから15年ぶりなんですね。もっと言えば、坂本英三時代なんて、1987年のホールライブ以来だからねぇ、まる20年ですか。ひゃーっ、そりゃ僕もANTHEMも歳取るはずだ。

会場はクラブチッタ。今の彼らにとってはホームグラウンドと呼ぶにふさわしいハコですよね。そんな素敵な環境で彼らのライブを本当にひさしぶりに観たんだけど……過去の比にならないほどにカッコよかった! まず今回のツアーは昨年のアルバム「IMMORTAL」の完成形を見せるという意味合いの内容なんだけど、セットリストは頭から11曲目まで「IMMORTAL」からの楽曲で占められてるんです。要するに、曲順こそアルバムとは異なるものの、いわゆる全曲披露という形。途中、ギターソロやらドラムソロも挿入されたり、「SOUL MOTOR」の前にはCREAMバージョンの「Crossroads」セッションがあったりと、とにかく終始見どころ満載でした。

まず最初に彼らが音を出した瞬間に感じたのが……胃の中まで火傷するような感覚、というか、ものすごい威圧感や息苦しさ。呼吸をすると、内臓や気管が火傷か凍傷でも起こすんじゃかなろうか、というくらいに異様な空気を肌で感じました。そのくらい、純度200%のメタル。坂本英三のMCはアニメタル以降の彼らしくコミカルだったりするんだけど、曲になると異常なくらいに重苦しくなるわけ。でも、その空気が嫌じゃなかったりするんだから、俺も心底メタル好きだなぁと思ったりして。

ライブで「IMMORTAL」からのナンバーを聴いて思ったのは、やっぱりこの人たちは他のメタルバンドとは一線を画する存在だなぁということ。日本の若手バンドや同年代のバンドとも違うし、海外で今流行ってるような音とも違う。完全なオリジナルなんだよね。前作「ETERNAL WARRIOR」は現在のスタイルのひとつの完成形だったはずなのに、「IMMORTAL」ではさらにその上をいくようなアルバムを作り上げちゃったよなぁ、と改めて実感させられました。いやぁ、圧巻ですよ。

その後は「SHADOW WALK」といった森川時代の名曲や、20年ぶりに坂本Voで聴くことができた名曲中の名曲「BOUND TO BREAK」、さらにはANTHEM版「Painkiller」と個人的に思っている「ONSLAUGHT」まで登場し、本編終了。この時点で約100分くらい経過してたのかな。

でも、その後アンコールが3回もあって、しかも新旧の名曲をバランスよく取り混ぜているんだから、もう片時も目が離せない状態ですよ。「MACHINE MADE DOG」から「NIGHT AFTER NIGHT」、泣きメロが素晴らしい「RUNNING BLOOD」、そして最後の最後は彼らのテーマ曲ともいえる「WILD ANTHEM」! 約2時間半にわたる濃厚なメタルタイムは、会場の大合唱で幕を閉じたのでした。

来年には恐らく新しいアルバムも発売されるANTHEM。デビュー22年目(途中8年は解散してましたけど)のベテランバンドだけど、次もさらに重厚で、いい意味で「落ち着きのない」ヘヴィメタルアルバムを届けてくれることでしょう。そして、そんな新作を引っさげた次のライブツアーにもぜひ参加したいと思います。今度はプライベートでね。


<SETLIST>
01. IMMORTAL BIND
02. ROAD TO NOWHERE
03. MOB GROOVE
04. GUITAR SOLO 〜 THE BEGINNING
05. IGNITE
06. FREAK OUT
07. INSOMNIA
08. UNKNOWN WORLD
09. CROSS ROAD 〜 SOUL MOTOR
10. BASS SOLO 〜 ECHOES IN THE DARK
11. BETRAYER 〜 DRUM SOLO 〜 BETRAYER
12. GOTTA GO
13. SHADOW WALK
14. BOUND TO BREAK
15. ONSLAUGHT
---ENCORE 1---
16. MACHINE MADE DOG
17. NIGHT AFTER NIGHT
---ENCORE 2---
18. OVERLOAD
19. RUNNING BLOOD
---ENCORE 3---
20. DEMON'S RIDE
21. WILD ANTHEM



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投稿: 2007 12 10 02:09 午前 [2007年のライブ, ANTHEM] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/09/23

ANTHEM『IMMORTAL』(2006)

 ANTHEM通算11作目、再結成後4作目となる「IMMORTAL」。そうか、復活してから現メンバーでのアルバムもこれで4枚目、そして5年以上経つわけか。前作「ETERNAL WARRIOR」で行き着くところまで行ったなぁという気がしたんだけど、あれから2年。まだまだ行けますよ、このオッサンたちは。

 いわゆる'80年代のジャパメタ全盛期。俺はLOUDNESSよりもVOW WOWの方が好きだったし、もっと言えばANTHEMが一番好きだったのね。しかも坂本英三時代の3枚が本当に大好きで(いや、森川時代も素晴らしかったけど)。でも周りにはANTHEMファンは一切おらず、みんなLOUDNESSだ、EARTHSHAKERだ、とメジャーな方に興味を示して。もちろんANTHEMもメジャーバンドだったんだけどさ。

 '90年代のメタル不遇の時代、俺はLOUDNESSに参加した柴田も観てるし、練馬マッチョマンやANIMETALの坂本も観てるのね。そりゃ複雑な心境だったよ。でも、それから5年後にまさかまたこのふたりが一緒にバンドを組む、しかもANTHEMという形で復活するとは思いもしなかったんだけどさ。

 ま、そんな思い出話はどうでもいいや。このアルバムの話だよね。

 いろんなところで「1stから数えて、これこそ最高傑作!」なんていう声を耳にするけど、それも納得の完成度。前作で感じられた新たな要素も感じさせつつ、でもそれは単なる味付けでしかなく、全体を覆うのは暑苦しいまでのメタルサウンド。いくらオリジナルメンバーでLOUDNESSが復活しようが、いくらEARTHSHAKERが地道に活躍しようが、今のANTHEMには太刀打ちできないと思う。それくらいの気合いと熱量が毎回アルバムから感じられるし。その限界ギリギリさを強く意識させたのが、前作だったんだけど、あれから2年経って発表されたこの「IMMORTAL」はさらにその上を行ってるんだわ。柴田の書く曲も、坂本のボーカルも、清水のギターも、本間のドラムも過去最高の緊張感を保ってるし、最初から最後までその緊張の糸が切れない。1曲目 "IMMORTAL BIND" からインスト "INSOMNIA" までの7曲のテンションはハンパないし、続く8曲目 "UNKNOWN WORLD" からラスト "ROAD TO NOWHERE" で再び登り詰めてく感じはとにかく圧巻。ここまで「普通の」ヘヴィメタルを、説得力を持って演奏できるのはもはや日本じゃ彼らだけなんじゃないか……淋しいけどそんな気さえさせる、強力な1枚です。

 ホント、彼らみたいなバンドこそ「LOUD PARK 06」に出演すべきだと思うんだけどなぁ。日本を代表する「現役感を常に持った」ヘヴィメタルバンドはLOUDNESSじゃないよ、ANTHEMだよ。それか、IRON MAIDENと対バンライブやってほしい。

 奇しくも同じ時期に、IRON MAIDENとANTHEMが新作を発表。ともに過去と未来をしっかり見据えた内容だけに、今後もガキどもに負けずにメタルしまくってほしいです、はい。



▼ANTHEM「IMMORTAL」(amazon:日本盤

投稿: 2006 09 23 12:10 午前 [2006年の作品, ANTHEM] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2003/09/14

ANTHEM『HEAVY METAL ANTHEM』(2000)

メタル離れして久しいけど、そんな俺でもこの数年結構な頻度で聴いてるのがこのアルバム。いや、ベスト盤的内容ってのも大きいんだけど、なによりもその参加メンバーであったり、新しい解釈でプレイされた(特にギターね)楽曲の数々の素晴らしさに心打たれるわけで。今でもこういうタイプの音楽が楽しめるってことは、心底メタルを嫌いになれないってことなのか、それとも単に「楽しかった10代の頃」を懐かしんでるだけなのか‥‥。

日本が世界に誇る(と言い切っても過言ではない)パワーメタルバンドANTHEM。彼等は92年に解散してるわけですが(そのラストライヴとなった日清パワーステーションでの公演には自分も足を運びました)、その後各メンバーはアニメタルでANTHEM時代以上の成功を手中にしてしまったり、あるいは'80年代はライバルだったLOUDNESSに加入してしまったり等、とにかく誰ひとりとして「ANTHEMを引き継」ごうとしなかったわけです。俺ね、80年代の日本のヘヴィメタルバンド(所謂「ジャパメタ」バンド)の中で一番好きだったのが、このANTHEMだったんですよ。特にボーカルが坂本英三だった初期の3枚の頃ね。この頃への思い入れの強さはハンパじゃなかったですよ。その後、森川之雄という素晴らしい才能を迎えてリリースされた名盤の数々も捨てがたいんですが、やはり初期の野暮ったい程のパワーメタルが好きだったんですよ。ジャーマンメタルに通ずる野暮ったさ? ACCEPT辺りを彷彿させるね。ああいうのが格好良かったんですよ。

そんな彼等が00年、奇跡的な復活をするわけですよ。ま、最初はアルバム1枚のプロジェクトとしてですけどね。それがこの『HEAVY METAL ANTHEM』というアルバムでして。所謂企画モノとしてスタートしたんですが、企画モノ故の豪華さがとにかくスゴイわけで。

ベースは勿論この人、柴田直人。当たり前です、この人のバンドですから。IRON MAIDENでいうところのスティーヴ・ハリスですからね、全てにおいて。ドラムも同じく大内 'MAD' 貴雅。最近じゃTHE YELLOW MONKEYのヒーセのバンドでも叩いてますよね。ギターは末期ANTHEMを支えた若き才能(って俺と同い年だっけ?)、清水昭男。解散後はSHY BLUEってバンドやったり、TOKIOとかに曲書いたりして生計を立ててたようです。そしてシンガー‥‥これこそ夢のような組み合わせなわけでして‥‥RAINBOW等で活躍したHM/HR界の大御所、グラハム・ボネットなんですよ。これがどういう意味か判りますか?

勿論「HM/HR界の大御所が、日本の伝説的メタルバンドで歌う」という驚きもあるわけですが、それ以上に‥‥古いファンからすると‥‥ANTHEMの、そして柴田のルーツのひとつであるRAINBOW。その「オリジナルの血」が混入するわけですよ。元々後期ANTHEMの楽曲ってのは、森川という「和製グラハム」の歌を活かす為にワザと憧れのRAINBOW的スタイルを取っていたこともあるんですね。そう、意識的にルーツを表出させていたという。つまりですよ、そういう楽曲を本家本元が歌うわけですよ!? どういうことになるか判りますよね??

選曲はほぼ森川時代のグレイテストヒッツ的なもので、坂本時代が好きな俺としてはたった1曲(「Show Must Go On!」)しか選ばれていないことに不満を覚えたりもしたわけですが、やっぱりこの組み合わせでこの選曲、納得しなきゃなりませんよ、これ聴いちゃったらさ。ちなみにオリジナルの歌詞は殆どが日本語なわけですが、グラハムが歌うに当たって全て英語詞に直されてるので、洋楽メタルしかダメって人にもオススメです。

グラハムは終わったと言われて早10年以上。確かに80年代前半までの輝きや艶やかさは今の彼からは強く感じられません。しかし、このアルバムでのグラハムは最も得意とするジャンルの音楽を、最も得意とする歌い方で表現している。そりゃRAINBOW時代やMSG時代と比べれば劣るかもしれませんが、少なくともこの10数年の中では最も素晴らしい仕事をしてるんじゃないでしょうか? ま、その10数年まともに彼の仕事ぶりを追ってきたわけではないので、コアなファンから「全然ダメじゃんか!」と反論されてしまうと、ちょっと‥‥少なくとも俺はイケてると思うんだけど。

曲の素晴らしさは言うまでもなく。日本人らしいワビサビが感じられる繊細な様式美の世界観を、欧米人が力でねじ伏せるかのような表現をする。大味のパワーメタルのようで、実は奥が深い。坂本や森川が歌うANTHEMとも違う、ちょっとだけ「世界に肩を並べた」と錯覚してしまう1枚に仕上がってます。いや、これをこのまま海外に輸出しても全然大丈夫だと思うけど。言語の問題もないわけだし、音楽的にも需要があるはずだし。これ、このまま向こうでリリースすれば良かったのにね?

ま、結局このメンツではライヴを数回やったのみで終わり、柴田は再びバンドを本格的に再始動させることを考え、結果として柴田と清水に加え、坂本が復帰し、大内の代わりに元E.Z.O.~LOUDNESSの本間大嗣が加わった形でパーマネントな活動を再開するわけです。

海外のメタルは好きなのにジャパメタとか嫌ってる人、X JAPAN以降の日本のハードロックに興味を失ってしまった人、偏見捨てて聴いてみ。そんなの吹っ飛ぶから。「Gypsy Ways (Win, Lose Or Draw)」とか「Cryin' Heart」とか「Hunting Time」の素晴らしさに泣くからさ。けどね‥‥上記3曲に関しては、その後に必ずオリジナル版も聴いて欲しいんだな。森川による日本語版の方も。グラハム以上だからさ、全てにおいて。



▼ANTHEM『HEAVY METAL ANTHEM』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2003 09 14 12:00 午前 [2000年の作品, ANTHEM, Graham Bonnet] | 固定リンク