2003/04/08

APHEX TWIN『RICHARD D. JAMES ALBUM』(1996)

このジャケット、一度見たら絶対に忘れないよね。ある意味、KING CRIMSON『クリムゾン・キングの宮殿』に匹敵するインパクト大の顔ジャケ。いや、あっちは絵なのに対し、こっちはアルバムの主であるリチャードD・ジェイムズことAPHEX TWINの素顔なんだから。この悪意に満ちた笑顔。そして(ある意味)そのジャケット同様の内容。この音にして、このジャケットあり、みたいな。ホント、絵と音がピッタリ一致したアルバムだと思います。

APHEX TWINが1996年秋にリリースしたこのアルバム。APHEX TWINにおける名盤はそれまで(いや、今でもか?)「SELECTED AMBIENT WORKS」シリーズだ、みたいに言われてた(る?)んだけど、確かにそれらのアルバムも今聴いてもホントに素晴らしいし、その後のテクノ・シーンに大きな影響を与えたと思うんだけど‥‥個人的に一番好きなのが、実はこのアルバム前後‥‥つまりこの『RICHARD D. JAMES ALBUM』の前作にあたる『…I CARE BECAUSE YOU DO』(95年)以降のアルバムなんですよね。リスニング系というか音響系的なアンビエントものよりも、単純にこの「知的さとキチガイさとの紙一重」な感じが好きなんですね。もっと言っちゃえば、このアルバムで聴けるドリルンベース・サウンドや、そこに乗る美しいメロディであったり、所々に挿入されるオーケストレーションだったり、そういう「美」的なものと「汚物」的なものとを融合させた独自の音楽性が個人的にツボだったりするわけです。ま、このアルバムが好きって人は大体そういった点が好きだ、と言うと思うんですが。そして何よりも、俺がこのアルバムで初めてAPHEX TWINを知ったってのも大きいのかもしれませんね。しかも第一印象、今とは正反対でかなり悪かったんですけどね‥‥

アルバムがリリースされてから半年以上経った97年初夏。当時俺は仕事もしないでプー生活を送っていて、しかもほぼ引き篭もり気味な毎日。そんな中、ある1通のダイレクトメールが届きます。それが「FUJI ROCK FESTIVAL」初年度の告知。レッチリやレイジといった中にMAD CAPSULE MARKETSやGREEN DAY、WEEZER、FOO FIGHTERS、そして何故か当時LUNA SEAだったSUGIZOの名前もあったりして‥‥気づけば友人と共にチケットを申し込んでたんですね、プーにも関わらず。

で、その出演者の中にAPHEX TWINの名前もあったわけ。俺は名前しか知らなくて、一緒に行く予定だった友人がたまたまテクノ系強くて「これ、絶対に気に入るから聴いてみ」といって貸してくれたのが、この『RICHARD D. JAMES ALBUM』だったんですよ。んで、聴いてみるんですが‥‥何故か受け付けなかったんですね。同じく出演が決まっていたAPHEX TWINの盟友SQUAREPUSHERの方は一発で気に入ったのに‥‥今でも何故あの時受け付けなかったのか、正直判りません。

その後、APHEX TWINとはシングル『COME TO DADDY』や『WINDOWLICKER』といったシングルとの付き合いはあったものの、アルバムに手を出すのはもっと時間が経ってから‥‥多分00年頃だったかな。近所のCD屋のワゴンセールでこの『RICHARD D. JAMES ALBUM』が売られていたわけですね。で、何故か買ってしまったんですよ、聴いた当時は気に入らなかったくせして。300円だったから、ってのもあると思うんですが‥‥急にこのジャケットに惹かれてしまったんですね。そして、その内容すら全く覚えていなかった俺は、再びこのアルバムをプレイヤーに載せる訳ですが‥‥まんまとハマってしまうわけです。その後は上記の通り、一通りのアルバムを揃えるに至るわけです。当然、現時点での新作『DRUKQS』(01年)や、先日リリースされたリミックス・ワーク集『26 MIXES FOR CASH』(03年)も買いましたし、01年のエレクトラグライドや02年の朝霧JAMでもリチャードのDJプレイを生体験し、その訳判らなさに更に惹かれていったわけです。

しかし、俺が一番この人に興味を持った切っ掛けが、実は音そのもの以上に‥‥俺と同い年(1971年生まれ)という点だったということは、ここだけの話にしておいてくださいね?

再びアルバムの話に戻りますが‥‥正直、このアルバムでストレートに踊り狂うことは難しいと思うんですよ。踊り難いリズムパターン、所々分断されるリズム‥‥テクノというと規則的なビートがまずあって、そこにシンセのメロディやら何やらのウワモノが載るというイメージがあると思うんですが、そういう既成概念を覆すのがAPHEX TWINの音楽‥‥というか、既にAPHEX TWINというひとつのジャンルが出来上がってしまってると言っていいと思います。そしてそういったデタラメなリズムの上に載るウワモノ‥‥シンセのメロディだったり児童コーラスだったりオーケストレーションだったり‥‥の美しさ。その対比が常にこの人の中には存在する。「Peek 824545201」のような暴力的なリズムを持った曲の後に「Fingerbib」みたいな美しいメロディを持った曲が登場する、この辺りに惹かれるわけですよ。どっちか一方だけではダメなんですね。いや、そういう両極端なのも好きなんですが(ある意味、リチャードのDJプレイは極端過ぎですからね)‥‥とにかく、このアルバムを聴いて判断してもらうのが一番ですね。テクノのひとつの流れをまたしても作ってしまった重要作品ですからね(そしてその流れは、エレクトロニカと繋がっていくわけで)。

リチャードの曲に合わせてフロアで踊るのも好きなんですが‥‥やっぱりどうしても「ベッドルーム・テクノ」っていうイメージが強いですよね。密室で、ヘッドフォン使って聴く方がこのアルバムには合ってるんじゃないか、と‥‥そういう意味では、実はこの人のやってることって『SELECTED AMBIENT WORKS』シリーズ時代から一貫してるのかな?なんて思ったりして‥‥。



▼APHEX TWIN『RICHARD D. JAMES ALBUM』
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投稿: 2003 04 08 12:00 午前 [1996年の作品, Aphex Twin] | 固定リンク

2002/10/01

「Camp in 朝霧 Jam It's a beautiful day」DAY 1@静岡・朝霧アリーナ(2002年9月28日)

  朝4時半起床。マジで遠足前夜の小学生の如く寝付きが悪い。結局「タモリ倶楽部」を最後まで観てしまい、そのまま勢いで「美少女教育2」最終回も観る。結局、3時間ちょっとの睡眠時間。目覚まし時計を止めたまま、10分程寝てしまうも、すぐに気付き飛び起きる。顔洗って、チケットと荷物の確認を今一度行い、5時に車へ荷物を運び、そのまま出発。

  やはり今日の天気は雨。強く降ったり小雨になったり、時々止んだり。日本列島全体に雨雲が被った状態らしく、こんな日本列島の端っこでさえ強く降ったりしてるんだから、富士山の周りなんて、もう‥‥朝から鬱気味。

  とりあえず、千葉市内の某駅で同行者のともえさんを拾う為、一般道で向かおうと思ったものの、出足が少し遅れたのと雨天のお陰で、だいぶ時間を食う。結局、途中から高速を使い、無事約束の7時前には到着。逢ったのは初めてだったものの、お互いに一発で判っちゃった。そりゃそうでしょう、こんな時期にキャンプに行きそうな格好した奴ら、そうはいないだろうし。
  初対面の挨拶もそこそこに、とりあえずそのまま東京駅まで向かう。もうひとりの同行者、くみこさんを拾うために。ここからはずっと京葉道路を使う。車中で今年のフジロックが互いに不完全燃焼だった話、テクノはいいよねって話、キャンプ経験豊かなともえさんの話(弟さんがボーイスカウトだったこともあり、いろいろ詳しかったりする)、WIREに行けなかった俺の為に今年の会場内はこんな感じだったという話題等を、UNDERWORLDの新譜をバックに小1時間程語り明かす。途中、事故渋滞に巻き込まれ、結局錦糸町で高速を下り、そこから一般道で東京駅へ向かう。ま、約束の待ち合わせ時間が8時半だったので、それでもかなり早く着く計算なんだけど。結局、都内も雨のせいかそこそこ混雑してたので、何だかんだで8時20分頃に駅前到着。フジロックの時同様、みずほ銀行前(旧・富士銀行前。フジロックだけに富士銀行前集合だったというのはここだけの話)に一時停車し、連絡を取る。10分後、無事くみこさん到着。挨拶もそこそこに、荷物を車に積み込み、カーナビを朝霧高原にセット。さぁ、いざ出発。

  永福辺りまで一般道で進み、そこへ向かうまでに皇居周辺や国会議事堂、最高裁判所などを通過。ちょっとした都内観光気分。くみこさんも元々千葉の人で、ふたりは中学~高校の同級生なのだそう。歳は俺の5~6歳程下。3人共通の話題といえば、ソウルフラワー。去年のフジロック、3人共ステージ真ん前の最前列で観てた事が発覚。そこでニアミスしていたとは。

  首都高から中央道へ入り、雨は本降りに。朝早かったこともあって、皆ちゃんとした食事をしてなかったので、途中のパーキングで一旦休憩。しかもよりによって「石川」PA。雨だろうが、さすがに観光バスは多い。行楽地へ向かう親子もかなり見受けられる。朝霧ジャムへ向かうであろうロッカー達はここでは判断不可能。とりあえず軽食を取り、30分後に出発。ここでカーステのCDをUNDERWORLDからソウルフラワー「SCREWBALL COMEDY」に変える。3人大盛り上がりで大合唱。去年のフジの帰り道、このCDを聴きながら首都高で朝焼けを見て泣きそうになったっけ、なんて話をしつつ。

  河口湖ICに近づくにつれ、雨足が強まり、若干霧も出てくる。しかしICを下りた途端に雨は上がる。この時点でまだ11時前後。折角のキャンプなので、バーベキューなり何なり、ちょっとした料理を現地でしようということになり、IC付近にあったスーパー「セイフー」で買い物をすることに。車を降り、空を見上げると雲の隙間から晴れ間が‥‥これはもしかしたら‥‥気持ちがかなり盛り上がる。

  さすが河口湖近隣ってこともあり、スーパー入り口付近にキャンプ用のガスコンロやバーベキューセット等が売られている。そこで我々は豚汁を現地で作ることに。安いガスコンロ(2,000円弱)と、長ネギ1本、水煮されたゴボウ+ニンジンのパック、豚肉、パックのインスタントみそ汁、更に現地で酒代がかからないようにと紙パックの焼酎&割るためのウーロン茶やカルピスを購入。更に上のフロアの100円ショップで鍋やおたま、紙食器類を購入。俺も買い忘れていたテント内に敷く薄い銀マットを購入。
  スーパー内で地元のケーブルネットを使ったインターネット無料体験が行われていて、高校生2人組が何やらやっている。ふとモニターを覗くと、2ちゃんねるの娘。狼板。ここにまで来て2ちゃんて。

  さて、気を取り直し、いざ朝霧高原へ。カーステで鳴るソウルフラワーは更に音量が大きくなる。道はどんどん登りになっていき、河口湖周辺を通過。雨は降ったり止んだり。途中から霧がかなり濃くなり、湖が見えるはずの場所も、霧で見通しが最悪で何も見えず。そうした悪天候のためか俺の気の緩みからか、途中で道を間違えたらしく、本来国道139号線を走っていなければならないところを、何故か71号線だったか何か全然違う道を走っていることに気付く。ナビを信じていたがために何の疑いもなかったが、持参した去年の朝霧ジャムのフライヤーに載っている地図とはかなり違うところを走っていることに今更気付いてしまい、途中停車して、ナビを再設定。けど、結局近道を通っていたらしく、そのままでも無事会場に着けたのに設定し直すもんだから、ちょっと遠回りすることに。途中で、既に会場入りしている彼女達の友人から電話が入り、現地は雨が降ったり止んだりで、駐車場に入るのに1時間もかかっているとの情報が。こりゃ最悪の事態にならなきゃいいけど‥‥

  12時40分頃、無事会場周辺に到着。が、反対車線がかなり渋滞している。何これ? 看板の表示に沿って進み、本来の駐車場入り口から入場する。牧草地といった風景が目に入るものの、5メートル先から霧で何も見えない状態。あちゃ。駐車出来ると安心したのも束の間、途中でスタッフに「ここでUターンして、さっきと反対車線に向かって走り、スタッフの指示に従ってください」と言われ愕然とする。そうか、あの渋滞はそういう意味だったのか。会場入りして知ったのだけど、この悪天候のせいで、本来使うはずだった駐車場がぬかるんでしまい、車が入れないような状態で使えなくなり、緊急に駐車施設を地元からいろいろ借り回っていたそうな。一番早くに着いた人達なんて、会場からかなり離れた駐車施設まで誘導され、会場までシャトルバスで移動することになったそうだし。で、俺らはまだいい方で、会場裏側の道路にずら~っと一列、路上駐車させられることに。けどさ、これもまた大渋滞で、何だかんだで結局1時間近く駐車待ちすることに。途中、京都から友人と参戦したzipperくんから電話が。既にテントを張った、会場は霧が濃く、ステージが全く見えないとの情報を貰う。その場で3人して「それって天神山でのフジロックみたいじゃん」と退き気味に。ま、あれと違うのは、今回は台風じゃないから、まだマシってこと。1時半過ぎに、ようやく駐車完了。会場まで徒歩5分程の場所だったので、正直助かった。まずはテント道具だけ持って会場入りすることに。彼女達も2人用のテントを持参していたものの、この雨の中さすがにテント二つを張る気力もなく、結局俺のテントに3人で過ごすことに。ま、夜寝るだけだし問題ないでしょう。大体俺だって寝不足&長距離運転の疲れ&踊り疲れて、変な気起こすこともないだろうし。

  会場全体をざっと見渡した感じでは、確かに天神山でのフジロックに近い印象。つまり、ステージ後方にそのままテントを張ってもよく、他にもテントを張る場所は沢山ある。ステージの作りや会場内の雰囲気は、苗場以降のフジロック、フィールド・オブ・ヘブンをそのまま持ってきたような印象。お香の匂いが既に充満していて、それだけでウキウキ気味。3人共興奮しながらステージに向かって歩き出す。が‥‥本当に霧が濃い。雨は、まぁ本降りまでいかず、バラバラ降りっぱなし状態。既に会場入りしていた彼女達の友人、名古屋のあいちゃんと対面。彼女達は去年のフジロックで出逢い、その後去年のWIRE、今年のフジやWIREで再会していたそうな。挨拶もそこそこに、初のテント張りに挑戦。いきなり5人用の大型テントをひとりで張るのは無理があるとは判っていながらも、これ買っちゃうし‥‥けど今回は経験者のともえさんにだいぶ助けてもらい、無事20分でテント張り完了。テントを張ってる最中にスマッシュの大将こと、日高社長が登場。既にステージ前には人が集まっている。ステージの上に誰がいるとか、そういうのは霧で確認不可能。唯一、ステージ上の照明が霧と雨の中、幻想的な空間を作ってくれている。大将は「今日は最高の天気」と宣う。本当、最高の天気だよ‥‥思えば、俺はフェスに出向くようになってから、こういう本格的な雨には遭遇したことがなく、ある種過酷といえる環境・状況で初キャンプをすることになったのは、今後のフェス人生に於けるターニングポイントになるかも‥‥と行く前からずっと思っていた。もしここで満足のいく生活が出来れば、来年のフジは間違いなくキャンプすることになるだろう。それを占う意味でも、今回の朝霧ジャムは自分にとって重要になるに違いない。時計は14時を回り、テント張りをしながらライヴはスタートすることになる。


◎PE'Z

  ブラスを含んだジャズロックバンド、というイメージを持っていたが、まったくその通りの音だった。残念ながらステージ上でどういったメンツで、どういうライヴが繰り広げられいたかは全く確認出来ず(霧で5メートル先は全く見えなくなってた)。作業をしながら音を聴いてたけど、踊るにはもってこいの音。唯一知ってる曲(最近のシングル)が一番最後に演奏されたが、やっぱりカッコイイ。アルバム買おうと思ったけど、CCCDなのでスルーしたんだよな。確か去年のフジに出て、ヘブンでやったんだよね。うん、こういう雰囲気にピッタリのバンド。もっと余裕がある時に楽しみたかったなぁ。

  PE'Zの最中にテント張りが終わり、zipperくんに電話する。すぐに俺に気付き、半年以上振りの再会を果たす。久し振りのライヴ&野外フェスは初体験の彼。やはり雨にちょっと面食らってるような印象を受けるも、この空間・雰囲気はかなり気に入った様子。そりゃそうだろう。俺だって会場に入った瞬間に「苗場フジを越えた!」と実感したもの、まだライヴ観る前に、会場内を探索する前に。既に駐車場入りでの混雑は忘れている。その位、最高のシチュエーション!

  ライヴが終わった頃、zipperくんと別れ、俺達は車へリュック等の荷物を取りに戻る。しかし、霧のお陰で道を間違え、何だかんだで20分程歩き回る。周りが似てるような場所ばかりだし、更に霧濃いし。

  テントに再び戻り、荷物を置いて雨具を脱ぎ一段落。恐らくこの日の気温、10度前後だったと思う。河口湖IC付近で15度だったから、更に標高の高い&常に雨が降ってる&霧が濃い朝霧高原はもっと低いに違いない。雨の中、濡れながらテントを張ったのでさすがに身体が冷えている。そこで早速お酒で身体を温めることに。いきなりテント内で3人して呑み始める。買った焼酎は25度。それをウーロン茶やらカルピスやらで割るんだけど‥‥明らかに焼酎が紙コップに半分以上入ってる気が‥‥だって焼酎の味しかしないし、ただ色が付いただけだし。けどそんなことお構いなし。盛り上がった気持ちを抑えきれない俺達は乾杯をして、一気に飲み干す。疲れと寝不足から、すぐに酔いが回る。つうかこれ、かなり強いよ。我慢出来ずにみんな横になる。更に寒かったので、早くも寝袋を出して、清志郎まで仮眠することに。


◎LAUREL AITKEN

  つうわけで、テントの中で音をちょっと聴いたのみ。70歳の爺様によるレゲエ/スカ。ほろ酔いを越えた泥酔状態の中、ホントに夢見心地で聴くものの‥‥ゴメンナサイ、殆ど記憶にないです。ただ、MCが非常に聞きやすい、簡単な英語だったということくらいしか覚えてません。去年&今年のフジでクロージングバンドのメンバーとして参加してたSANDOKANも来てたらしいけど‥‥

  酔うと眠くならないで、むしろ目が冴えてしまう俺。結局ウトウト状態のまま清志郎の時間に。大将がまた喋ってる。それによると、清志郎は自転車で途中まで来たものの、この雨のせいで引き返してしまった、今日は出ません、もう清志郎は友達じゃない、その代わり名古屋(大阪だったかな?)では名が知られた期待の新人が来てます、最後にみんなで「清志郎のバカヤロー!」って叫びましょう、等々。内心「清志郎出ないなら、もう1時間寝られる」そう思って寝袋を頭まで被る。目が覚めていたくみこさんもそう思ったらしく、一旦起きあがったものの、また横になる。

  しかし、ステージから聞こえてきた声は、声色を変えているものの、明らかに清志郎その人の声だった‥‥しかももうひとりのメンバーとショートコントしてるし(!)。パシッっていうハリセンで叩く音が聞こえた瞬間、バッと起きあがり、そのまま雨の中ステージ近くへ向かう。寝ていたともえさんを起こし、3人で初めてステージ前方へ向かう


◎忌野清志郎

  フジロックには1998年から皆勤賞、しかも今年のフジには4日間連続出場、それだけでは飽きたらず、深夜会場内で即興ライヴを行う等のゲリラライヴまでした清志郎。しかし、俺がフジロックでちゃんと彼のステージを観たのは、1999年の苗場のみ。あの"君が代"騒動直前のことだ(しかもこの日がその「君が代」初披露だったはず)。その後、去年の4月に武道館で行われたイベントや、今年のフジでの即興ライヴ等は観てるんだけど‥‥ステージ上には変な被り物をした男がふたり。ひとりはギターを弾き、ひとりはリズムマシーンを操りながらタンバリンを叩く。ダイドーのCMで唄ったあの曲からステージがスタート。がしかし、一旦我々はそのままステージをスルーして、レストランエリアへ。丁度、清志郎は"イマジン"を唄い始める。一通り見回った後に、たき火をしていたスタッフとそれを手伝うお客の兄ちゃんがいたので、世間話を。雨のせいで薪が湿り、なかなか火がつかないらしい。清志郎の歌をバックに一緒に手伝う。その内、関西弁のカワイイ子(ZONEの真ん中のボーカルの子似)も加わり、四苦八苦。清志郎が"空がまた暗くなる"を唄い始める。一緒に口ずさみながら、みんなで火を点ける。ボランティアで参加してる地元のオバチャンのアドバイスの元、何とか少しだけ火が点く。それを見て安心、「お仕事頑張ってください」とスタッフ達に声をかけ、ステージに戻る。清志郎は"SWEET LOVIN'"を唄っている。アコギなんだけど、ソロパートになるとオーバードライヴかけたりしてソロ弾きまくり。ステージ前は人だかり。足下は芝生なんだけど、人が歩き回るもんだから、既に場所によっては泥沼状態。暗くなった足下を恐る恐る確認しながら、前へ前へと進む。すると清志郎はあのリフを弾き始める‥‥"雨上がりの夜空に"! ホントにこの頃には雨は上がっていた。みんな大合唱、俺もたまらずステージ前まで進み、踊りまくり、唄いまくり。なにげに10年近く振りの「雨上がり」だ。空は雲に覆われ星は見えなかったものの、霧は少しずつ晴れ、後方に張られたテント達やオーディエンスの顔が手に取るように見えた。スゲエ!

  一番最後はお約束の"君が代"。オーバードライヴでは飽き足らず、ワウまで使う清志郎。アドリブは去年の武道館の時と一緒で、お客は大盛り上がり大会。「愛してる」という言葉が薄っぺらくなった昨今、この人がステージから放つ「みんな、愛してるぜ」だけは一生信用できると思う。もう俺的には、2日間の元は取ったも同然の2曲だった。

  ライヴが終わり、女の子達3人と別行動になり、再びzipperくんと連絡を取り、しばし歓談。フジロックの話や今の清志郎の話など話題は尽きず。ふと空を見上げると、なんとビックリ。月や星が見えるじゃないか! 正しく清志郎マジック。などと感動していた中、気付けばROVOがスタートしていた。


◎ROVO

  フジに出演しているものの、いつもスルーしてきた。朝霧直前にライヴ盤が出たものの、買いそびれてしまい、結局俺はデトコペとのスプリット・シングル1枚しか聴いていない。そう、殆ど知らない状態で彼等に接することになったのだけど‥‥これがかなり好みのバンドだった。ツインドラム&ツインキーボード(内ひとりはサンプラー等を駆使するDJ的役割)&ギター&ベース&バイオリンという編成(だったはず。俺の位置から確認出来たのはこのメンバーのみ)。ニューロックというか、アブストラクト的というか、非常に最近のMOGWAIなんかと近い印象を受けた。人力テクノ的ナンバーが多く、ヘッドフォンで聴いても楽しいだろうし、クラブのような薄暗い狭い空間で聴いても楽しいだろうし、こうやって壮大な自然の中で聴いても気持ちいい。単純に自分の好みってのも大きいだろうけど、こういう神秘的な音がこの日の朝霧の空気(真っ暗闇の中、霧の濃い状態)とマッチしてたってのも大きい。山本精一のギターワークも幻想的だったけど、やはりこのバンドの要はツインドラムと、そこに被さる勝井祐二のバイオリンだと思う。ツインドラムによるドラムソロなんて圧巻だったし。タイプは違うけど、デトコペと通ずる「熱」を感じる。デトコペが「陽」ならROVOは「陰」。そんな印象。後でちゃんとアルバムチェックします。

  ROVOを聴きながら、この日初めてのちゃんとした食事を取る。ラーメン食べたけど、普通に旨かったッス。ROVOが終わって会場内をブラブラしていると、ともえさんから電話が。いよいよ豚汁を作るので戻って来てとのこと。テント前に戻ると、タープ内には既にガスコンロと材料がセッティングされていた。2チームに別れて、くみこさん&あいさんが下準備、俺とともえさんが野菜洗い&水準備をすることに。しかし、長ネギ持って会場内を彷徨く俺って。

  寒さのせいかコンロの火力のせいか、なかなかお湯が沸かず時間がかかる中、TORTOISEがスタートする。


◎TORTOISE

  最新作「STANDARD」しか聴いたことがないので、これ1枚で彼等をイメージすると、ちょっと違った印象を受けるステージだった。とにかくカッコイイ。メンバーが曲によって楽器を持ち替えたり、ギターが入らないでグロッケンを二人で弾いてたりとか、ツインドラムになったりとか。曲もフュージョンぽい和み系から、ポリリズム多用の人力アブストラクト的ナンバーまで。ジャズ~スカ~ロック~ポストロックと、この日の出演者は音楽的にバラバラだったけど、ROVOからTORTOISEの流れはとても自然だった。ギターロック YEAH!とか言ってる人には無縁の世界だと思うんだけど、やっぱりこういう環境にはミッシェルもOASISも要らないと思うし、むしろこういう音やジャムバンド的なスタイルの方がマッチしている。フジロックが雑多な音楽性を有するなら、朝霧ジャムはもっと狭い、限定されたスタイルでいいと思う。本来ならTORTOISEのようなバンドってフジのヘブンにピッタリなんだろうけど、今年の状況を考えると、朝霧ジャムで正解だったと思う。ROVOの時も思ったけど、霧で照明が霞みがかった状況がまた、夢の中にいるような幻想的な空間を作り出していて、更にTORTOISEのサウンドがそこに追い打ちをかけるように幻想的。うわっ、来年はここでMOGWAI とか見たいです、マジで。

Asagiri03

Asagiri04

  TORTOISEを観ながら、我々4人は豚汁を食べながら再び焼酎を呑み、身体を十分に温め深夜のダンステントに備える。22時過ぎにメインステージでのライヴが終了。三度大将が出てきて、今日はこれでおしまい、これから22時半にDJステージの方で朝5時半までDJがあるので、体力余ってる奴らはそっちに集合、それ以外の人はテントでゆっくりして、朝まで身体を休めてくれ、明日は10時から地元の和太鼓ステージでスタートするから、とメッセージを残す。

  酒で完全に酔っ払った我々4人は後片づけもそこそこに、23時頃にDJフィールドの方へ向かう。足下は真っ暗で、完全な山道。途中、何度も転びそうになりながら、約10分程で会場に到着。両方のステージが交互or同時進行ではなく、あくまでライヴステージは22時に終了し、そこから朝まではDJフィールドのみで音を鳴らす。メインステージ周辺は真っ暗になって、寝たい人はこっちで寝ればいいし、たき火も一晩中絶やさずに点いているので、寒さをしのぎたい人や宿のない人はここで暖をとればいい。フジみたいに5時になったら会場を追い出されることもないので、寒ささえ何とかなれば生きていける。ここはそうい場所なのだ(但し、絶対に10度は下るので、野宿組はかなりの覚悟が必要。マジで死にかねないし、そういう過酷な状況だったとだけ付け加えておきます)。

  既にDJフィールドには人だかりで、皆踊り狂っていた。会場規模でいったら、メインステージはフジのグリーンをちょっと縮小した広さの中に、ヘブンクラスのステージが設置してあるイメージで、DJフィールドは規模的にはヘブンと同クラスだった。ステージといっても、完全なるDJブースのみ。俺らが到着した時には既にDJ AYASHIGEがスタートしていた。


◎DJ AYASHIGE

  WRENCHのボーカルによるDJプレイ。WRENCH自体がポストロック的というか、非常にクラブシーンを意識したサウンドなのは、メンバーのこういう課外活動によるものなのだという事がよくわかった。どちらかというとトランス的な曲が多く(トランスっていってもエイベックス的なパラパラ踊りそうなトランスに非ず)、非常に踊りやすく盛り上がった。既に少しずつ疲れが出てきていたものの、最後まで気持ちよく踊れた。

  途中、女の子達が前の方まで突き進んでしまい、気付けばひとりで踊っていた。そうこうするうちに、いよいよこの日のお目当て、APHEX TWINのDJプレイだ。


◎APHEX TWIN

  去年のエレグラではマックのパワーブック1台で全てを済ませたこの男、今回はちゃんとDJらしくプレイしてました。が、相変わらず机にしがみつくような低い姿勢で、物思いに耽る難しい顔でのDJプレイ。曲は自分の曲も含め、古めのテクノ/ハウスナンバーをリチャード風に料理していた。全体の構成は去年のエレグラに非常に近い感じ(ゆったり目のリズムで踊りにくいナンバー→高速ビートのハイパーナンバーという流れ)。APHEXが始まる頃にともえさんが俺を捜し出し、ふたりしてステージに一番近い位置まで移動し、リチャードを観察しながら踊り狂う。二人共相当疲れていたにも関わらず、最後まで踊り倒し。俺なんて途中、踊りながら寝てたし。

  リチャードのプレイが予定時間よりも10分近く早く終わり、今度は田中フミヤの出番‥‥さすが、ステージ近くはギャル率高し。フミヤ君はいつの間にやらDJ界の王子様になっていた。


◎田中フミヤ

  さすがフミヤ。この日のプレイは如何にも「フミアート」といった趣向で、「TRUE LOVE」やらチェッカーズナンバーのメドレーで会場をどよめかせていました‥‥ってそれはフミヤ違い。本当は、いきなり地味にスタートして(しかも踊り難い)、まりんの曲等をプレイしてました。徐々に盛り上げていってるんだけど、こっちは既にガソリン切れ。女の子達はちょっと休んだら、またすぐに踊りに戻ってといった具合。俺は明日の帰りの運転のこととか考えて、2時過ぎにテントに戻ることにした。

  既に雨は止み、空には月だけでなく星もちらほら見え始めていた。DJフィールド内のトイレに入ろうとすると、何故かカメラを持って何かを待ちかまえる人が多い。何、俺の小便してるところを隠し撮り?なんて寝惚けていると、目の前のトイレから馬鹿デカイ外人が出てくる‥‥って、リチャード・D・ジェームズさん(APHEX TWINね)じゃないですか! 思わずその場でチビりそうになりました。出てきた瞬間、みんなカシャカシャ写真取りまくり。気付けば同行した女の子達もカシャカシャ。あれはマジでビビッた。

  みんなで一旦テントに戻り、女性陣はまた呑み始め、俺は運転疲れもあるので先に休むといってテントに隠る。ウトウトし始めた頃に、DJ EYE(BOREDOMSの山塚アイさんね)のプレイがスタートしていたらしいけど‥‥フミヤとのつなぎ目が全く判らない程に自然だった。で、気付けば3時前には爆睡状態に。

投稿: 2002 10 01 04:18 午前 [2002年のライブ, Aphex Twin, PE'Z, ROVO, Tortoise, Wrench, 忌野清志郎, 朝霧 Jam, 田中フミヤ] | 固定リンク

2001/12/09

ELECTRAGLIDE 2001@幕張メッセ国際展示場(2001年11月30日)

  今年もやるだろうとは思っていたが、正直そのメンツの見当がつかなかった「ELECTRAGLIDE 2001」。まぁメンツに関係なく行こうとは思っていたが‥‥実際に発表されたメンツは、まぁ俺にとっては昨年のUNDERWORLDクラスこそいないものの、それに匹敵するクラスのDJやバンドが全9組も出演することとなった。参加者はBUFFALO DAUGHTER, PLAID, APHEX TWIN, MOUSE ON MARS(以上バンドorユニット)、HOWIE B, RICHARD MARSHALL, FATBOY SLIM, DARREN EMERSON, LAURENT GARNIER(以上DJ)。その手の筋では皆有名どころなんだろうけど、俺はPLAIDとLAURENT GARNIERは名前すらも知らなかった。これも何かの縁だ、先入観なしに楽しむことにしよう。

  会場に20:30に到着。昨年は19:50頃に幕張メッセの駐車場に到着した頃には、結構車が入っていたように感じたが、今日はこの時間でも会場に一番近いブロックに駐車する事が出来た。噂ではチケットが全く売れていないと聞いたが、やはり本当なのだろうか? 車内で仮眠を30分程取り、21時ジャストに入場口へ向かう。とにかくお客の年齢層が低い。恐らく皆10代~20代前半といった印象を受ける。俺だけか、30代で単独参加は?(苦笑)まぁいいさ、今日は黙々と鬱憤晴らしに踊るのさっ(笑)

  入り口周辺で多少並んだものの、10分と経たない内に入場出来た。入場口は幾つかあったらしいが、駐車場側はそんなに混んだという印象は受けなかった(Fujirockers.orgの掲示板では「入場が全然スムーズじゃなかった」というのを幾つも目にしたので。もしかしたら、海浜幕張駅側の入場口のことか?)。

  会場内は昨年の教訓を生かし、レイアウトが大幅に変わっていた。仕切で会場内を3分割してるのは前回と同様だしライヴスペースとDJスペースの位置も一緒なのだが、向きが変わっていたし、出入り口も中央スペースを交差するような形になっていた。更にDJスペースもかなり広く取られていて(前回はDJスペース内にも飲食店があった)ライヴスペース側とほぼ一緒の印象を受けた。これは今回DJ陣に超大物(FATBOY SLIMやDARREN EMERSON等)がいることも大いに関係してるのだろう。こりゃ今晩は楽しみだ。同行者がいない分、我が儘な俺は自分のペースで楽しむことができるしな。さて、相変わらず物販テントの前で大行列を作ってる奴らを後目に、俺は早速DJスペースで身体を暖めることにしよう。


◎HOWIE B(21:00~23:00)

  その名前はBJORKの作品やU2のアルバム「POP」等で目にしていたが、音やDJプレイを耳にするのは今回が初めて。まぁ最初ってことなので、肩の力を抜いてDJプレイに向かってるんだろうな、お客もホントの前の方にしかいないし‥‥と思いながら軽く身体を慣らしながら踊っていたら、途中からかなりアップテンポの曲が続いたり、スクラッチや高度な小技を披露してフロアを煽る。HOWIE B本人もブースからステージ前に出てきて踊ったりして、更にフロアを沸かす。こりゃ面白い。こういう人なんだね、この人。最初はガラガラだったフロアも、入場者が増えるに従ってどんどん膨れあがり、BUFFALO DAUGHTERを観ようとフロアを後にした21:40頃にはあの広いフロアの半分以上が埋まっていた。肩慣らしのつもりだったのに、かなり本気で汗をかいてしまった俺。いやぁ、最初から飛ばし気味。つうか今晩はマジで楽しい夜になりそうだ。


◎BUFFALO DAUGHTER(21:45~22:45)

  今回も車での来場って事もあって、禁酒宣言を誓った俺。どこまでナチュラルハイになれるか‥‥先日購入した新作「I」もかなり素晴らしかったBUFFALO DAUGHTER(以下、DBと略)。前作も当時かなり聴き込んだが、今度のはそれを上回る勢いで聴き込んでいる。俺的には'80年代KING CRIMSONに共通するものを持ったバンドだな?なんて思っていて、例えばクリムゾンでいうロバート・フリップの担当を、BDではムーグ山本がDJやサンプリングで補っているように感じる。曲調的にもかなり浮遊感を強く感じさせるものが多く、そんな中に時々登場するゴリゴリした破壊音にハッとさせられたり。

  勿論、ライヴもそういったイメージを更に増長させるもので、俺は一発で好きになった。選曲は出たばかりの新作と前作「NEW ROCK」から半々といったところか。ロートーンボーカルのシュガー吉永(Gt)とハイトーン/ファルセットの大野由美子(Ba & Key)との絡みがまた絶妙で、ゆったりした曲調に合わせたかのようなステージ後方スクリーンの映像がまたいい出来で、その空気に身体を委ねるだけでトリップ出来てしまう。バンドの演奏もカッチリした中に、アドリブっぽいインタープレイが入ってきて、今日の出演者の中ではかなり異質の存在だ(バンド形態もBDだけだったし)。テクノ/ダンスミュージックというよりは、プログレのイメージが強いな。昨年のUNDERWORLD同様、この人達もかなり先鋭的な「プログレ・ロック」に取り組んでるバンドのようだ。そういう意味では最近のRADIOHEAD辺りが好きな人にも受け入れられる要素十分だ。

  来年1月に本ツアーがあるみたいだから、是非行こうかと思っている。かなりオススメだ、これは。


◎PLAID(23:15~00:30)

  激しく踊るというよりは、浮遊しながらトリップしたという感じのBD。ちょっと小腹が減ったので、何か食べ物を求めて真ん中のスペースへ。どの飲食店も長蛇の列だ。物販関係はまだ凄いことになってるし。タイラーメンを探したのだが、それっぽい店はあったものの、そうとう並ばなきゃならなさそうだったので諦め、代わりにホットドッグを食べることに。それでも10分近くは並んだが。

  PLAIDは名前しかしらなかったが興味があったので、速攻で胃に詰め込み再びライヴスペースへ戻る。予定よりも15分スタートが早まっていたので既に始まっていた。テクノというよりはエレクトロニカ的印象を受けた。それでもかなり踊りやすく、聴きやすい。独特なシンセ音が耳に残り、かなり印象に残った。途中、曲のつなぎ目の空白が気になったりもしたが、それでもかなり気持ちよく踊らせてもらった。また疲れたら、床にそのまま座り込んで目を瞑り、身体中の神経を音に収集させ、身を委ねてみたり。大音量にも関わらず、かなり気持ちよかった。

  映像も凝ったものが多く、終盤に登場した中に'80年代のアーティストをおちょくったものがあって笑えた。EURHYTHMICSやDURAN DURAN、マイケル・ジャクソン、マドンナ、プリンス、ボーイ・ジョージ等々‥‥そういったアーティスト達が最後はパックマンに食べられてしまうという、かなり笑えるモノで、実際それをバックに流れる音もどことなく'80年代オマージュの匂いがして、またニヤリとしたりして。

  気付けば後半はずっと座ったまま脳で聴いてた感じだが、それでも気持ちよかったことには違いない。これも後でCD探して「買い」だな?


◎FATBOY SLIM(00:00~02:00)

  アルバムは1枚だけ持っているものの、何故か印象が悪いノーマン・クック。これまでずっと「嫌い」と公言してきたが‥‥実はこの日、ステージ近くには行かなかったものの、APHEX TWINを待っている間、真ん中のスペースで踊ってしまった事を告白しておこう(笑)。だってさ"It Began In Afrika"とか、何曲かケミカルの曲をいじってかけてるんだもん(苦笑)。そりゃ踊るなっていう方が酷だよ。トイレに並んでたら、いきなりケミカルだもん。そのまま走り出したよ、俺(実はこの日何曲もケミカルの曲をかけたのは、当のCHEMICAL BROTHERSご本人達がご来場してたことも関係してるようだ。ノーマン出番最後にはケミカルの2人がステージに登場、挨拶して帰ったというし)。


◎APHEX TWIN(01:00~03:30)

  実際には1時前にもうスタートしてしまったエイフェックス。真ん中のフロアで踊ってたら、ライヴスペースからも轟音が聞こえてくるから、焦った焦った。走って戻ったら‥‥後ろの方まで人、人、人。更にFATBOY SLIMもフロア後方まで人の海‥‥去年より人が少ないなんて、絶対に嘘だ。こりゃ2万人近くは入ってるね。誰だよ、デマ流したのは?

  かろうじて中盤よりも前まで移動して、狂ったように踊る。ステージには殆ど光は当たらず、そのパソコンやミキサーをいじってる男が本当にリチャードなのかどうかの判断がつかない。スクリーンにも時々ステージ後方から撮ってる映像が映るものの、その男は常に背中しか写らない。リチャードの事だから、案外本人はステージ袖で酒でも呑んでのんきにくつろいでて、実はステージ上の男はアシスタントだった、なんて事も冗談抜きであり得るからな。何せ'97年のフジロックでは犬小屋の中でDJプレイ、一度も中から出てこなかった人なのだから(笑)。

  意外と前半はまともな音作り・構成の曲が続き、非常に踊りやすかった。途中、何度か袖から誰か判らないけど、男性/女性入り乱れて踊りに現れたりしたが、実はその中にSQUAREPUSHERことトム・ジェンキンソンがいた事を、帰宅後知った。マジかよ!?(苦笑)

  バックに流れる映像も、如何にもあの「APHEX TWIN」という印象の、人を食ったかのような映像。プールで泳ぐリチャードが海パンからイチモツを‥‥と思ったらソーセージか何かだったり(笑)、それを他の男がくわえたりとか(爆)是非今後DVDか何かでリリースしてもらいたいものだ。

  その「マッド振り」に合わせるかのように、後半は我々がイメージするあの「APHEX TWIN」的なブチ切れ気味な曲・プレイが目白押し。途中、SQUAREPUSHERみたいな曲もあったなぁ‥‥って今にして思えば、当の本人が側にいたんだから、そのものだったのだろう。クドイくらいのエンディングで、さすがにみんな疲れ気味だったが、とにかく2時間半、大汗流して踊り倒させてもらいましたさ、ええ。さすがに最後の1時間は自棄になってたけどね(笑)


◎DARREN EMERSON(02:00~04:00)

  APHEX TWINで力尽き、ミネラルウォーターを売店で購入し、真ん中のフロアの床に座り込んで一服。ダレン・エマーソンのプレイもかなり盛り上がっている。脇から覗き込むように聴いていたが、エイフェックスもあれだけ後ろまで人がいたのに、こっちも同じくらいの大盛り上がり。そりゃそうだわ、この人元UNDERWORLDだしな。もう疲れ切ってて音に集中することすら出来なかったが、かなり気持ちよさげなハイテンションプレイだったことだけは記憶に残っている。ってその姿すら拝んでいないんだけどな?(苦笑)

  昨年の倍は踊ったわ、俺。さすがに前日風邪で会社休んだ人間には堪える(当たり前だって/苦笑)。本当はこのまま4時からのMOUSE ON MARSも観たかったんだけど、土日寝込むのも嫌だったし、土曜は朝10時にちょっとした用事があったので、4時10分前には会場を後にした。残念だけど、これから高速乗って帰らなきゃならないもんな‥‥帰りの車中では勿論「モーニング娘。」を大音量で聴き、一緒に唄いながら帰った事は言うまでもない(爆)。


◎最後に

  前回は朝5時までだったはずだけど、今回は7時までやるのね(汗)。さすがに最後の最後までいる人はそんなにいないだろうけど‥‥本当に楽しかった。去年もORBITALとの出会いとかそれなりに収穫はあったものの、今回は目に/耳にしたアーティスト/DJはどれも素晴らしかったし、実際に音源欲しいな?と思わせるものばかりだった。個人的に大健闘はやはりBUFFALO DAUGHTERとPLAIDだろうか。勿論APHEX TWINもよかったし、期待してなかったHOWIE Bも、嫌いだったFATBOY SLIMでさえも良く思えた(さすがにこの人の音源は欲しいとは思わなかったが/苦笑)。これは最初から、「楽しませてもらおう」精神ではなく、逆にこっちから楽しんでやろう的精神だったのが功を奏したのかもしれない。

  会場内の問題も今年は昨年以上にいろいろあった。途中退場したら再入場出来ない事。これは昨年同様で、結局治安の問題とかも絡んでくるのかもしれない(けどこの夏に同会場で行われたサマソニのオールナイト版「SONIC MANIA」では入退場自由だったと聞く。この辺はプロモーターの考え方の違いだろう)。

  それに関係するかのように、人が昨年以上に入ってたことによる、途中での飲食物の売り切れ。さすがに前回以上に長丁場、昨年経験してる人は「中にもいろいろあるから、メシ食わないで行こう」と思った人だっているだろう(俺もそう思って食わないで行こうとしたが、さすがに我慢出来なくなって途中のSAでそば食ってから行ったけど)。しかも出口付近の売店は朝まで営業してくれていて、お菓子やパン、焼きそば等を販売していた。それすらも一旦退場しないと買えない/食えない。確かにモノを食いに来てるんじゃないから仕方ないと言えば仕方ないが、この辺は新しい課題として来年に繋げて欲しい。

  更にゴミの問題。これは去年よりは酷くなかったと思うが、またペットボトルを捨てる場所が見つからなくて、一苦労した。最終的には買った店の人に渡したが(受け取る時も渋々受け取っていた)。だったら売るな!とか思うが‥‥どうなんだろう。まぁ我々がフジロックのようなある意味「至れり尽くせり」な空間に慣れてしまったことも関係してるんだろうけど、ちょっと気分悪かったな。タバコの投げ捨て、床への灰捨てとかも気になったし(さすがの俺も今回は携帯灰皿持っていったけど、みんなその辺のクラブで吸ってる感覚なんだろうね。罪悪感とか全くないと思うし。ちなみに同じように携帯灰皿を使用してる人、去年は結構見受けられたけど、今年は全く目につかなかった)、捨てる場所なくて、トイレのゴミ箱にペットボトル捨ててる人も山程いた。去年のトイレの状況は覚えてないけど、今年は酷かったように思う。特に女性が可哀想だったな。我慢できずに、男の子に連れられて男子トイレの個室使ってる娘もいたし(しかも立ち小便してる俺達とその女の子との気まずさといったら‥‥)。トイレの数は決まってるんだからフジや夏フェスみたいにはいかないけど、これもせめて入退場自由にしてくれれば、メッセロビーのトイレを使うことが出来るんだか(そうすると、外のトイレも汚れて苦情が来るんだろうな、きっと。それを恐れての策なのか?)。

  個人的には昨年以上に問題が山積みのような気がするけど、アクトは全て素晴らしいものだったと思う。来年も行くか?と問われれば‥‥きっとアクトの有名無名にとらわれず、必ず行くと思う。

  あ、その前に「WIRE」に行きたいんだけどね?(笑)

投稿: 2001 12 09 05:20 午前 [2001年のライブ, Aphex Twin, Buffalo Daughter, ELECTRAGLIDE, Fatboy Slim] | 固定リンク