2017/04/14

ARMORED SAINT『WIN HANDS DOWN』(2015)

ARMORED SAINTが2015年に発表した、通算7枚目のオリジナルアルバム。編成はジョン・ブッシュ(Vo)、ジョーイ・ヴェラ(B)、ゴンゾ・サンドヴァル(Dr)、フィル・サンドヴァル(G)、ジェフ・ダンカン(G)というデヴィッド・プリチャード(G / 1990年没)亡きあと不動の5人。ジョン・ブッシュのANTHRAX加入で動きが止まった(ていうか解散)時期もありましたが、1999年に再結成して以降は地道な活動を続けているようです。

本作は2010年発売の6thアルバム『LA RAZA』に続く5年ぶりの新作ですが、これが非常に素晴らしい内容でして。ぶっちゃけ、このバンドは1st『MARCH OF THE SAINT』(1984年)と現編成最初の『SYMBOL OF SALVATION』(1991年)以外まともに聴いてなかったのですが、この『WIN HANDS DOWN』はANTHRAXのジョン・ブッシュ参加作が好きな人、ヨーロッパ(主にイギリス)寄りのパワーメタルが好きな人なら絶対に気にいる1枚だと思います。

切れ味鋭いリフとパワフルなジョンの声が塊になって、適度な疾走感を伴い突進してくるようなオープニング曲「Win Hands Down」をはじめ、どこをどう切り取っても隙のない作風。1曲の中での起承転結もかなり練られており、聴き応えのあるものばかり。7分超えの「Muscle Memory」や「In An Instant」など、とてもドラマチックな楽曲も多く、1980年代初頭にLAで誕生しながらも正統派メタルの血筋を受け継ぐこのバンドの特異性はこういう部分に色濃く現れているなと、改めて実感した次第です。

そういえば、アルバム中もっとも荒くれパワーメタルな「With A Full Head Of Stream」にはゲストボーカルとして、パール・アデイ(ミート・ローフの娘で、ANTHRAXのスコット・イアンの嫁)が参加して華を添え……るとは言い難いほどパワフルな歌声を聴かせてくれます。この掛け合いもまたカッコよいし、なおかつその歌を盛り立てる楽器隊の演奏・アレンジも抜群。そこからドラマチックな大作「In An Instant」へと続く構成も素晴らしいし、ピアノとアコースティックギターを取り入れたバラード「Dive」、力で捩伏せる「Up Yours」で締めくくる流れも最高の一言。日本盤には「Dive」の“Deep Remix”という蛇足が加えられているので、できることならオリジナルの全9曲のみできっちり締めくくりたいです。

昨年秋には『LOUD PARK 2016』で待望の初来日も実現。とても熱狂的に迎え入れられ、大好評だったようですね。つい先日、ライブアルバム『CARPE NOCTUM』も発売されたばかりなので、オールタイムベスト的な同作とあわせてこの『WIN HANDS DOWN』に触れてみてはどうでしょう。



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投稿: 2017 04 14 12:00 午前 [2015年の作品, Armored Saint] | 固定リンク