2005/01/23

ASH@SHIBUYA-AX(1/17)

 1月17日(月)に、ASH来日公演初日@SHIBUYA-AXに行ってきました。実はASHを観るのはまだ二度目でして、しかも前回観たのは1999年のフジロック@苗場ですから‥‥5年半振りですか‥‥去年のフジでは「どうせすっげー込み合うんだろうな」と思ってわざと避けたんですよね。「アルバムがすっげー良かったから、今度は絶対に単独公演行こう」って。

 そうなんですよ‥‥昨年出た4作目「MELTDOWN」というアルバム。「MY BEST OF 2004」にこそ選ばなかったものの、実はかなり好きな作品でして。昨年よく聴いた1枚なんですよね。ASH自体は元々、そこまで好きってバンドではなかったんですが(特に「TRAILER EP」や1stフルアルバム「1997」の頃はね)、現在の編成‥‥シャーロットが加入して以降のASH、曲でいうと "A Life Less Ordinary" 以降、2ndアルバム「NU-CLEAR SOUNDS」辺りからすっごい好きになりましてね。この時の来日公演(1998年12月)には直前まで行く気満々だったんですが、直前になって仕事が被って行けなくて。だから翌年のフジロックは正に「念願の。待望の」という言葉がピッタリのライヴだったんですよ。

 けどね。その後は全然機会がなくて。というよりも、ASH自体が2001年まで来日しなかったし、その頃は俺自身がASHそのものに興味を見出せずにいた時期で。結局今年まで一切観る機会に恵まれなかったわけですよ。

 今回のライヴですが‥‥観る前に、アルバムの初回盤に付いていたライヴ盤(「MELTDOWN」収録の11曲を全て演奏し、そこに代表曲を数曲交えたセットリスト)を聴いていたので、何となく想像はついてたんですが、以前観た時以上にガチッとした演奏を聴かせる、非常にタイトなバンドに成長してましたね。どうしても初期のイメージだと、もっとヒョロッとした印象があったんだけど、シャーロット加入後のASHはどんどんタフな要素を兼ね備えていってますよね。それが一気に爆発したのが「MELTDOWN」なのかな、と。アルバムと同様、今回のライヴでも同じように感じましたね。

 ていうかさ。ホントにライヴは熱過ぎ。客も、ASH側も。シャーロットの(いろんな意味で)肉感的なプレイや、実年齢以上に見た目が老け込んできてる男性陣のズッシリしたプレイが、とにかく出す音ひとつひとつが重くて、濃い。古い曲でも、初期の頃みたいな溌剌さ「だけ」みたいな青臭さが薄らいで、もっとしたたかさみたいなものが感じられるんだよね。とにかくいいバンドに成長したと思いますよ。

 個人的には「どれだけ新作から演奏するか?」ってのがキーポイントだったんですが、下のセットリストを見てもらえば判るように、全11曲(日本盤ボーナストラック除く)中8曲も演奏されてるんですよね。で、要所要所に "Girl From Mars"、"Oh Yeah"、"Goldfinger" といった初期の名曲達、"Cherry Bomb"、"Walking Barefoot" といった非シングル曲もありつつも、その全てがベストアルバムに収録されているものばかりというゴージャスさ。正直、「MELTDOWN」と「INTERGALACTIC SONIC 7"s」さえ聴いていけば、初心者でも楽しめるという内容(ま、他の日はアンコールをいろいろ変えてたみたいだけど)。非常に判りやすくて、いいと思うよ。

 個人的には、ASHを見直す最初の切っ掛けとなった "A Life Less Ordinary" と、その二度目の切っ掛けとなった "Burn Baby Burn"、そして新作の中でも特に好きな "Evil Eye" と "Vampire Love" が聴けただけで大満足。あとはおまけよ‥‥そのおまけが、いきなりライヴ2曲目で "Girl From Mars" だったり、中盤で "Kung Fu" が飛び出したりするんだから、超豪華なおまけだよな。特に "Kung Fu" での客の盛り上がりっぷり(前方は大モッシュ大会になってたからな)はハンパじゃなかったし。やはり前作「FREE ALL ANGELS」はここ日本でも大人気なようです。何故以前の「BEST OF 2001」のアルバム部門で1位を取れたのか、これでようやく納得できたよ。

 全部で90分がちょっと欠ける長さも程よかったし、更にもう1公演観たくなるような、そんなクセになるライヴでした。こりゃ年明けから2005年ベストライヴ最有力候補に遭遇しちまったなぁ。また夏に来日しないかなぁ‥‥


01. Meltdown
02. Girl From Mars
03. Cherry Bomb
04. Evil Eye
05. Clones
06. Shining Light
07. Renegade Cavalcade
08. Detonator
09. Oh Yeah
10. Starcrossed
11. Kung Fu
12. Vampire Love
13. A Life Less Ordinary
14. Walking Barefoot
15. Orpheus
--ENCORE--
16. Goldfinger
17. Wild Surf
18. Burn Baby Burn



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投稿: 2005 01 23 12:00 午前 [2005年のライブ, Ash] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/06/10

ASH『MELTDOWN』(2004)

ASH約3年振り、通算4作目となるアルバム『MELTDOWN』は前評判通り、これまでで一番ヘヴィな音像を持った作品に仕上がっています。時代の流れに迎合した、と批判することもできますが、そこはASHのこと、それでもポップなメロディはしっかり健在です。

今回のアルバムはアメリカ(LA)で録音され、製作陣にもこれまでと違った人選(FOO FIGHTERSを手掛けたプロデューサーに、RAGE AGAINST THE MACHINEやTHE MARS VOLTA等を手掛けたミキサーを起用。ま、ミキサーはMUSEの新作も手掛けてますが)で臨んだ意欲作となっていて、それはまぁ聴いてもらえばすぐにお判りいただけると思いますが‥‥前作での良い意味で「肩の力が抜けた」攻めの姿勢が、このアルバムではガチで攻めまくってる姿勢に一転してます。気合い入りまくり、攻撃しまくり‥‥要するにリフの応酬、ダウンチューニング、重いリズム、弦楽器の歪み具合‥‥これを指して「アメリカナイズしてしまった」とは言いたくありませんが、まぁそう言われても仕方がないかなぁ、という内容でして。

かくいう俺も、最初にこのアルバムからの楽曲(ネット限定でリリースされていた「Clones」や「Orpheus」等)を聴いた時、思わず「うわーっ、まるでSMASHING PUNPKINSみたいだなぁ~」と唸ってしまった程で‥‥ここでいう「スマパンぽい」というのは、彼らのラスト作となった『MACHINA』での作風・アプローチに似てる、かな?と感じまして‥‥ネット巡回すると、実際にそういう声が結構見られるので、あー同じように感じてる人意外といるのね、と関心したものです。

が、アルバム全体を通して聴くと、そこまでスマパンぽいというわけではなく、そこにはしっかりこれまで積み上げてきた「ASHらしさ」が散りばめられていましたよ。ま、前作『FREE ALL ANGELS』で聴かれたような「胸キュン青春ポップ」路線はかなり減退してしまいましたが、これが「20代後半の彼ら」がより「リアル」に感じられるもの、そして今の彼らに最も適した表現方法なんでしょう。それを否定する気はありません。ここまでくると、むしろ「好みのサウンドか否か」の問題だと思うので‥‥そういう意味ではこのアルバム、非常に好みであります。だって、スマパンが好きな俺が言うんだから、ねぇ?(えーっ!?)

なんていう冗談はさておき、適度にポップさを保ち、それでいて全体的な「ロック比重」は過去最高に高いこの新作。個人的に最も気に入っている点は、シャーロットのコーラスの比重が過去最高に高くなっていること。セカンドアルバム制作前後に加入し、適度に曲も書き、ステージではカッコカワイイ感じで華を添えてきた彼女、前作でもその片鱗はあったのですが、ここにきて完全に「シンガー」としての見せ場が増えてます。しっかりしたコーラス、時々メインボーカルのティム以上に目立ってしまう箇所もあり、思わずニンマリ。それが影響してなのか、彼女はこの夏に初のソロアルバムをリリースするそうです(勿論ボーカルは全部彼女!)。ソングライターとして、そしてシンガーとしてのエゴが出てきたのか、単に「ASHに合わない曲」が沢山出来たからなのか‥‥まぁそれはアルバムを聴いて判断してみましょうや。

とにかく。昨今のロックンロール・リバイバルとも、従来のブリットポップとも、そしてパワーポップやギターポップ的なものとも違う、新しい道を進もうとしている彼ら。ある意味、MUSEやTHE DARKNESS辺りと同じ枠で括ってしまいたくなる1枚なんですが‥‥なんてこと書くと、古くからのファンから怒られてしまうのでしょうか。まぁ要するに、最高にカッコいいロックンロールアルバムだってことですよ!

最後に。このアルバムをこれから買う方へ。絶対に初回盤をゲットしてください。通常盤と違い、初回盤にはボーナスディスクが付いた2枚組仕様になってるので。しかも新作からの楽曲を全曲演奏したライヴ音源ですよ! 更に数曲、前作や過去の代表曲まで追加されててかなり贅沢な1枚になってます。日本盤だと更に2曲追加されてて、まるでフルライヴを聴いてるかのような錯覚に陥ります。スタジオ版とライヴ版との違いも楽しめるし、更に「ライヴ観てみたいなー」って気持ちに絶対なるはず。さぁ、迷わず初回盤をゲット!



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投稿: 2004 06 10 12:00 午前 [2004年の作品, Ash] | 固定リンク

2004/03/06

ASH『FREE ALL ANGELS』(2001)

前作『NU-CLEAR SOUNDS』から約3年振り、2001年春にリリースされたASH通算3枚目のオリジナル・フルアルバム『FREE ALL ANGELS』。「とみぃの宮殿」にて行われたアンケート企画「BEST OF 2001」の「ALBUM OF 2001」で1位を獲得しただけでなく、この年の各音楽雑誌でも大絶賛、そしてそういった年間企画の上位に入賞した大ヒット作であります。

元々は俺、ASHというバンドにそこまで熱心ではなくて。それは今現在においてもそうなんだけど‥‥それは見た目のインパクトだったり(ごく普通の少年達が楽器を持ちました、といった風貌)、曲のインパクトだったり、そういったものが自分に訴えてくるには弱かったのね。98年にトリオから4人組に変わり、紅一点であるシャーロット嬢が加入したことで多少華が増えた感はあるんだけど‥‥特にデビュー当時のイギリスのロックシーンがそういう流れだったからかもしれないけど‥‥普通のアンチャン達がバンド始めちゃいました的な雰囲気は常につきまとい、結局俺がこのバンドに夢中になるってことな過去一度もなくて。ライヴは一度観てみたいって思ってて、それは99年のフジロックで実現したわけだけど。実際に観ても、その印象は変わらなくてね。逆に一層そういったイメージが強くなった感じがして。

人によって「ロックはビジュアルが命!」っていう要素を大切にすると思うし、俺もそれは「バンド/アーティストによりけり」とは判っていながらも、「折角こんなにカッコいいサウンドや曲を聴かせてくれるのに‥‥勿体ない」とどこか割り切れない気持ちがあって。だから世間で絶賛されたこの『FREE ALL ANGELS』に対しても「いいアルバムだよね。でも‥‥」っていう感じで、イマイチのめり込めなくてさ。

一昨年、彼らの10年に渡る歴史を総括するベスト盤がリリースされ、俺の中でASHに対する再評価があって。あここまでいい曲を連発できた奇跡、そして俺が如何に彼らに対して偏見を持っていたかという事実に気づかされて‥‥凹んだ、というか‥‥反省しました。

さすがに最近は大人になったこともあり、見せ方も以前より上手になってきたこのバンド。もうすぐ4作目となる『MELTDOWN』がリリースされるわけですが、その前にこの3作目を再評価しておこうと思いまして。

大ヒットしたシングル曲「Shining Light」や名パワーポップナンバー「Burn Baby Burn」を含むこのアルバム。結局それ以外にも3曲シングルカットされ、計5曲がイギリスのシングルチャートのトップ20入りしたという事実が全てを物語っていると思います(当然アルバムも1位を記録)。そういったシングルヒットといった事実からも判るように、このアルバムに収録されている楽曲の大半が「シングル向け」とも取れるようなメロウでポップなロックチューンで占められています。セカンド『NU-CLEAR SOUNDS』が気負った印象の強い硬派なサウンドだったのに対し、このサードではもっと軽やかで、且つしなやかなポップチューンで埋め尽くされていて、耳障りは非常によい作風となっています。適度にノイジーなサウンドも含みつつ、メロウなバラードではストリングスを導入したりして、そういう意味ではファースと『1977』に近いイメージがありますが、やはりそこは「大人」としての成長や余裕が感じられて、初期衝動性重視のファーストとの大きな違いが見られます。ま、当たり前か。とにかくよく出来た「ギターポップ/ギターロック」アルバムである、と。

ただ‥‥だからこそ、印象に残らない‥‥という言い方もできるんですね。いろんな意味で「優等生的」なんですよ、このバンドは。そこが鼻につくのがASH最大の欠点ではないかと。凄く頑張ってるんだけど、全部我々がイメージする「ASHらしさ」の枠からはみ出していない。だからこそ聴いていて安心でき、特に大好きなわけでもないけど「まぁいいアルバムだよね‥‥」とかいって、年間ベストの数枚の中に入れてしまう。結果、気づいたら1位になってました‥‥みたいな。まぁこの考えこそ偏見以外のなにものでもないわけですが、俺にとってのASHって常にそういうイメージがつきまとっているわけですよ。

けど、楽曲の良さには嘘はないですよ。1曲1曲を取り出せば本当に素晴らしい楽曲ばかりだし、特に前述の「Burn Baby Burn」は超名曲だと思いますし。俺内では「A Life Less Ordinary」を超えましたからね。実際当時、DJやるときによくかけましたし。

どうしてもこのバンドには「あと一歩!」という気持ちがあるんですが、その「一歩」を踏み越えた時、本当の意味で怖い存在になると思いますよ‥‥だからこそ、バンド史上最高にヘヴィな作品という噂のニューアルバム『MELTDOWN』に過剰な期待をしているわけです。

‥‥意外とさ、こういった『FREE ALL ANGELS』みたいなアルバムが、10年後も普通に聴かれていて、「本当にいいアルバムだよね!」とか言われてるのかもしれませんね。毒はないけど普遍性を持った楽曲が沢山詰まっているという意味では、TEENAGE FANCLUBの『BANDWAGONESQUE』や『GRAND PRIX』に近い位置にある作品なのかも。



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投稿: 2004 03 06 12:00 午前 [2001年の作品, Ash] | 固定リンク