2006/09/29

AUDIOSLAVE『REVELATIONS』(2006)

 前作「OUT OF EXILE」から1年3ヶ月で届いちゃった、AUDIOSLAVEの3枚目「REVALATIONS」。バンドの状態がすこぶる良い状態だからこそ、この短期間で仕上げちゃったんだろうね。実際、前作に伴うツアーもそんなに長いことやらず、ちゃっちゃと切り上げてこの作品に向かっていったようだし。その充実ぶりが伺える、前作以上にバラエティ豊かな傑作に仕上がっていると思います。

 このバンドの良さは、RAGE AGAINST THE MACHINEが単に「歌える」シンガーを手に入れたというだけではなく、「歌えるシンガーを手に入れたから、オーソドックスなハードロックをプレイする」というところにあると思うんですが、今回はそこにファンキーさが強調され(例えば5曲目の "Original Fire" なんてまさにそれだよね)、ポップなナンバー(例えば "Until We Fall" 辺りの楽曲)も増えている。尖り具合は残念ながらアルバムを重ねる毎に弱くなってるんだけど、このバンドの場合はそれでいいんだろうね。正直まだライブを実際に観ていないんで、現在どういうステージを繰り広げているのかわからないけど(とっととライブDVD観ようよ俺)、なんだか2ndからこのアルバムを続けて聴いたらこれでいいような気がしてきた。

 クリス・コーネルは今や新007の主題歌を担当するようなアメリカを代表するシンガーにまで登り詰めてしまっているし、ギターのトム・モレロは政治的な活動は別ユニットでやっているし、いろんな意味で現在バランスが良くて、完全に攻めの状況にあるんだろうなぁ。それがしっかりアルバムで形にできているんだから、やっぱりすごいわ。

 楽曲に関しては個人的にはまったく問題なし。ただ、ギター……正直に書くと、いくら何でもリフが単調すぎるんじゃないかな?という気も。もうちょっと派手に弾きまくってもいいと思うんだけどなぁ。その辺はボーカルとのバランスを取ってのことなんだろうけど……宝の持ち腐れな気がする。1曲くらい手数の多いソロとかメチャメチャ決めまくりのリフ(簡単に真似できないようなやつね)があってもいいよね。そこだけが勿体ないかな。ところどころに過去のモレロ節を感じさせるプレイは挿入されているし、グルーヴィーなリフプレイは相変わらずなんだけどさ。

 ま、最後に今後への課題を書いてみたけど(って偉そうなw)、それは俺がこのバンドを本当に好きで「ずっとこのまま続いてほしい」と思っているからこその苦言なんだけどね。だって、誰もがこのバンド、アルバム1枚で終わると思ってたんじゃないの??



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投稿: 2006 09 29 08:18 午後 [2006年の作品, Audioslave, Rage Against The Machine, Soundgarden] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/05/25

AUDIOSLAVE『OUT OF EXILE』(2005)

 AUDIOSLAVEの2ndアルバム「OUT OF EXILE」が予想してた以上に素晴らしかったので、急遽更新の予定を変更して、今日はこのアルバムの素晴らしさについて語ってみたいと思います。

 もう聴きましたか、このアルバム? ってまだ店頭に並んでから1日、手にしてる人の数なんてたかが知れてますよね。それこそコアなファン以外は‥‥みんな同日発売のOASISに走っちゃってるんじゃないでしょうか。

 いや。今はそれでいいですよ。きっとこれを読んだ後に気が変わるかもしれないしさ。

 まず‥‥1stアルバムついてもう一度整理しておきましょう。「とみぃの宮殿」時代に書いた1stアルバムのレビューを今一度、読み返してみようじゃないですか。何ならそれと併せてCDを引っ張り出して聴きながら読むのもいいかも

 ここで俺は何点かポイントを挙げています。それは‥‥

・サウンド的には「ZEP的オーソドックスなハードロック」
・想定の範囲内のサウンド。だから大きな驚きも衝撃もなかった
・「‥‥正直、こんな程度なのかな‥‥」とさえ感じた程
・クリス・コーネルの声の衰えにはがっかりしたが、曲は声に合ったものが多い
・メロウなミドルチューンこそがこの組み合わせ最大の産物かも
・"Like A Stone" タイプの曲が今後の彼等にとって大きな武器になるだろう

‥‥以上、こんな感じでしょうか。

 正直この組み合わせだったら誰もが「もの凄いアルバムになるに違いない!」と思ったでしょうけど、古くから両バンドに精通してるファンからすれば、この組み合わせであの「古典的ともいえるオーソドックスなHR」は想定の範囲内の出来。枠からはみ出ることもなく、非常に優等生的な作品だったんですよね。だからなのか、俺もそこまで聴き込んだという記憶もないし、ライヴではRAGE AGAINST THE MACHINEの曲もSOUNDGARDENの曲もやらない、と耳にして、更に興味を失っていたんですよね。

 ところが。この2ndアルバムリリース前に行われたライヴでは、以下のようなセットリストでライヴをやってるようなんですよ。

01. Your Time Has Come
02. Set It Off
03. Like A Stone
04. Spoonman [SOUNDGARDEN]
05. Be Yourself
06. War Pigs Tease
07. Bulls On Parade [RATM/Instrumental]
08. Sleep Now In The Fire [RATM]
09. Black Hole Sun [SOUNDGARDEN/Acoustic solo]
10. Show Me How To Live
11. Killing In The Name [RATM]
12. Cochise

12曲中、SOUNDGARDENの曲が2曲(日によっては "Outshine" をプレイする日もあるそうな)、RATMの曲が3曲(内1曲はクリス抜きでのインストバージョン)‥‥セットリストの約半数を彼等が過去在籍したバンドの曲なんですよ。頑に演奏してこなかった歴代バンドの名曲達を‥‥

 恐らく、1stを作って、長期間のツアーに出て、互いを更に理解し合い、バンドとしても、そして人間/友人としても、ビジネスパートナーとしてもより密な関係になれたんでしょうね。だからこそ、そういった「憑き物」が落ちたのかもしれない‥‥ダフ・マッケイガン(元GUNS N'ROSES、現VELVET REVOLVER)がAUDIOSLAVEに対して「何故(SOUNDGARDENやRATMの曲を)演奏しないんだ? ファンの気持ちになれば(それらを期待してるってことが)判るだろうに」とコメントしてたのが印象的でしたが(VELVET REVOLVERはGN'RとSTONE TEMPLE PILOTSの混合バンド。ライヴでは両バンドの曲も演奏します)、いよいよここにきて封印と解いた、ということは‥‥「AUDIOSLAVE」として納得できる、確立された音楽が完成したということを意味するんじゃないでしょうか?

 そして、それこそがこの「OUT OF EXILE」というアルバムなんだ、と。

 ゴメンなさい、前降り長過ぎですね。

 とにかく、前作で満足出来なかった人間の多くが、このアルバムを前にして、手に汗握るんじゃないでしょうか。だってさ、曲がとにかく良いし、演奏も良い。歌も無理なく、クリスらしさを上手く表現できてる。前作制作時には「AUDIOSLAVEとして一度もライヴの経験がなかった」状態だったことを思えば、今回はある程度互いの手の内を理解した状態で制作に挑んだわけですから‥‥悪くなるはずがない。だって、何だかんだいってここにはSOUNDGARDENのメインソングライターと、RATMのアンサンブルの要(というかそのもの)が揃ってるんだよ。

 曲‥‥特にメロディの充実度には目を見張るものがあると思います。上に書いた「"Like A Stone" タイプの曲が今後の彼等にとって大きな武器になるだろう」というポイントも、アルバムからのリーダートラックに "Be Yourself" が選ばれた時点で、あーバンドとしてもよく理解してるんだな、と納得できたし、それ以外の‥‥そう、それ以外の曲がとにかく凄く良いのですよ。もう1曲目 "Your Time Has Come" からハードドライヴィングしまくり、続く "Out Of Exile" ではRATM直結のグルーヴィーHR全開。ボーカルもハイトーンやシャウトに頼ることなく、完全に「クリス・コーネルの節回し」が独特なバックに馴染んでる。前作では上手く噛み合ってなかったり、メロの節回しがあと一歩だったりと、非常に残念な箇所が幾つかあったわけですが、今回に関しては(通しで2回聴いた限りでは)それが見当たらないし。いい具合に「感」が戻ってきたんじゃないでしょうか(思えばクリスはSOUNDGARDEN解散以降、ソロでのライヴはあったものの、こういう形でのバンドは5年近く経験がなかったわけですからね)。

 演奏も見事に「らしさ」を残しつつ、更に「歌」をバックアップする「引き」の要素も強まってる。でも決して地味なんじゃなくて、実は結構派手なプレイしてたりするんだよね。そう聞こえないのは、完全にひとつの楽曲として調和されたものが多いからなんじゃないかな。曲作りやリハーサルにそれだけ時間をかけたことも大きいだろうし、やはり長期のツアー経験がものを言ってるんじゃないでしょうかね。

 いやー参った。"Be Yourself" を最初聴いた時は「やはりこの路線を強調してきたか‥‥」と嬉しく思ったのと同時に、どんどんハードロック色‥‥クリスやRATM残党組が最も得意とするであろう表現方法‥‥が後退してくのかなぁ、と危惧していたんですが、とんだ取り越し苦労でした。曲の配置、構成、曲調のバラエティやバランスも良いし、12曲(日本盤は+2曲)という曲数も丁度良いし(前作は似たタイプのミドルチューンが多い14曲入り)。

 これはアメリカでもバカ売れするんじゃないの? 日本じゃ過去に在籍した両バンドの内、RATMの方が知名度上で、SOUNDGARDENは結局1度の来日(しかも全米ナンバー1になる直前の来日な。俺も行ったけど)しか実現しなかったからか、マニアックなファンしか着いてない気がするし‥‥そういったカルト的な知名度を跳ね返すような、大きなブレイクを期待したい‥‥と思ってた矢先に、サマソニへの出演決定!?(日本盤にその旨を伝えるステッカーが貼られてます) NINE INCH NAILSが出る日の「VERY SPECIAL GUEST」ってやはりAUDIOSLAVEのことだったか! 何となくそうじゃないか、とは予想してたけど。嬉しい。素直に嬉しい。野外で、このサウンドを体感できるんだから。日本人は幸せだと思うよ。

 さて、アルバムも3周目に突入。もっとボリューム上げて聴き込みますよー!



▼AUDIOSLAVE「OUT OF EXILE」(amazon:日本盤US盤

投稿: 2005 05 25 12:05 午前 [2005年の作品, Audioslave, Rage Against The Machine, Soundgarden] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/03/24

AUDIOSLAVE、5月に新作発表

AUDIOSLAVE Announce New Album Title.(BLABBERMOUTH.NET)

 2002年末のファーストアルバム、そして翌年1月の衝撃的なZepp公演以来、ここ日本では音沙汰がなかった状態の元RAGE AGAINST THE MACHINE組+元SOUNDGARDENのシンガーによるスーパーバンド、AUDIOSLAVE。2年半振りのセカンドアルバムのタイトルが「OUT OF EXILE」に決定、5/24にアメリカにてリリースされることになりました(日本盤は5/11に先行発売予定)。ちなみに前作はRATMが所属していた『EPIC』からのリリースでしたが、今回はクリス・コーネルがSOUNDGARDEN〜ソロで所属する『INTERSCOPE』からのリリースとなります。契約形態が「各レーベルから交互に」なのか「各レーベルで1枚ずつ」なのかは判りません。次があればまぁどちらかからリリースされるでしょう(そういえば1stの時は、「EPIC」「INTERSCOPE」両レーベルから同じ内容のアルバムがそれぞれリリースされる、なんて話もありましたが)。

 今回もプロデューサーはリック・ルービンが務め、"Doesn't Remind Me"、"Out Of Exile"、"The Curse"、"#1 Zero"、"Your Time Has Come" といったタイトルの楽曲が収録される予定だそうです。

 この他にも "Be Yourself" という曲が収録されているようで、既にオフィシャルサイトにてフル試聴可能となっております(こちら。リンク先に飛ぶといきなり "Be Yourself" がスタートするので注意)。この曲がアルバムからのリーダートラックになるのでしょうか。前作の延長線上にあるメロウな歌モノで、更に曲として煮詰めた感が強いですね。まぁRATMのファンは納得しないかもしれませんが、クリスのファンは納得のいく内容じゃないでしょうか(結局AUDIOSLAVEの1stってクリスのソロの延長って感じだしね)。



▼AUDIOSLAVE「OUT OF EXILE」(amazon:5/11リリース)

投稿: 2005 03 24 12:00 午前 [Audioslave, Rage Against The Machine, Soundgarden] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/03/17

AUDIOSLAVE『AUDIOSLAVE』(2002)

2000年秋に空中分解してしまったRAGE AGAINST THE MACHINEの楽器隊が、元SOUNDGARDEN、当時はソロとして活動していたシンガー、クリス・コーネルと共にスタジオ入りし、リック・ルービンをプロデューサーに迎えてレコーディングしている、といった噂が2001年から出回っていたのはご存じでしょう。実際その後本当にレコーディングに突入し、2002年前半には新バンド「CIVILLIAN」としてのデビューアルバムがリリースされる予定でした。が、何故か急にクリスがバンドを脱退、予定されていた「OZZ FEST」への出演をキャンセルしたという話題が。ここで完全に立ち消えたはずだったこのバンド、結局クリスとRATM残党という同じ顔ぶれで新たに「AUDIOSLAVE」という名前で活動再開、同年11月にいよいよ話題のファーストアルバムがリリースされたのでした。

既にリリースから1年半近く経っているし、「何を今更‥‥」という気もしないでもないんだけど、いやいや、今だからこそ語ろうじゃないですか、このバンドについて‥‥。

俺は89年にSOUNDGARDENの『LOUDER THAN LOVE』を聴いて彼らに興味を持ち、91年の『BADMOTORFINGER』で完全に彼らにハマッったくちで、94年春に行われた来日公演にも足を運んだ程好きなバンドでした。一方RATMに関しても最初こそ印象がよくなかったものの、97年に前年夏のレディング・フェスでのライヴ映像を観て衝撃を受け、彼らにハマっていった人間です。どちらも好きだけど、どちらかというとSOUNDGARDEN側の人間である、ということを先に書いておきます。

聴く前から恐らく多くの人がAUDIOSLAVEが出すであろう「音」を、何となくでも想像できていたと思うんですよ。ヒップホップ版LED ZEPPELIN的な側面を持つRATMと、そのZEP以上にZEPらしいスタイル/音楽性を持っていたバンド・SOUNDGARDENのシンガーが合流することで、間違いなくZEP的オーソドックスなハードロックを再現するであろう、と。

実際にアルバムから聞こえてきたサウンドは、ほぼその想像に近いものでした。だから特に大きな驚きや衝撃もなく、納得ずくでアルバムと向き合うことができました。と同時に、「‥‥正直、こんな程度なのかな‥‥」と思ったのもまた事実でして。やはりこの組み合わせ、期待はかなり大きかったんですよ。特にSOUNDGARDENをリアルタイムで通過してない若い子にとっては、ある意味「伝説の存在」だったクリス(というのは言い過ぎかな?)が、当時リアルタイムでトップにいたロックバンド(RATM)と合体するということで、俺以上に期待してたんじゃないかな?

何がいけない、というわけじゃない。決してこの組み合わせは間違ってないと思うし、実際かなりしっくりきてると思う。思うんだけど‥‥まだまだこんなもんじゃないよね?と。特にクリスな。彼の声の衰え(枯れ具合)には正直ショックを隠し切れませんでした。確かにSOUNDGARDEN晩年もハスキーではあったけど、もっとハイトーンがすっきりと出たはずなのに‥‥ソロになってから落ち着いたトーンの楽曲ばかりだったのは、これも関係あったとか!?と疑ってしまう程、全盛期の輝きは見受けられませんでした。

しかし、じゃあそんなに酷いかというと、実は‥‥1曲目「Cochise」みたいな声を張り上げる曲では厳しいものがあるものの、例えば5曲目「Like A Stone」のようなトーンの曲になると逆に「このサウンドにこの声じゃなきゃいけない」という説得力を強く感じるわけ。4曲目「What You Are」みたいなモロにSOUNDGARDEN的な楽曲でもそうだけど‥‥要するにバンドとして、まだ「今のクリスの魅力」を最大限に発揮する方法を模索してる最中なのかな、と。いきなりスタジオ入りして、互いの手札を見せ合って作ったであろうファーストアルバム。そういう意味では「新しい武器」を手に入れたというよりは、これまで使っていた武器の「合わせ技」といった印象が強いかも。良い意味でも、そして悪い意味でもね。

「跳ねないレイジ」「ヒップホップ色のないレイジ」とか「サイケじゃないSOUNDGARDEN」「ドンヨリしてないSOUNDGARDEN」といった表現もできると思うけど、個人的には「シアトルの湿った空気」を「カリフォルニアの太陽」で照らしたような、そんな要素をこのバンドから既に感じています。カリフォルニア特有の陽気さや豪快さと、一年中曇りか雨というイメージが強いシアトルの繊細さや湿り気の融合‥‥それがAUDIOSLAVE「らしさ」とするなら、上に挙げたような「Like A Stone」みたいな楽曲が今後の彼らにとって大きな武器になることは間違いないでしょう。

しかし、そうはいっても彼らはロックバンド。より「らしい」豪快なロックも追求してくれると思いますよ。クリスに無理のない形でね(けど楽器隊には無理して欲しい‥‥という我が儘も言ってみたりして)。どちらにしろ、早ければ年内にはセカンドアルバムが期待できそうですから、その答えは意外と早く我々に届けられそうですけどね‥‥。



▼AUDIOSLAVE『AUDIOSLAVE』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2004 03 17 12:00 午前 [2002年の作品, Audioslave, Rage Against The Machine, Soundgarden] | 固定リンク