2018年6月17日 (日)

AVENGED SEVENFOLD『WAKING THE FALLEN』(2003)

2003年8月にリリースされた、AVENGED SEVENFOLDの2ndアルバム。彼らは続く2005年の3rdアルバム『CITY OF EVIL』でメジャーデビュー、一気にブレイクするのですが、この『WAKING THE FALLEN』はそんな彼らの“爆発前夜”の様子が余すところなく凝縮された力作に仕上がっています。

『CITY OF EVIL』で彼らを知った自分にとって、本作は完全に後追いで聴いた1枚。当時からライブでの定番曲だった「Unholy Confessions」や、来日公演でも披露されていた「Remenissions」「Second Heartbeat」「I Won't See You Tonight Part 1」などを耳にし、「インディーズ時代にも良い曲あるじゃん」と思い手にしたアルバムでした。あ、でもちゃんと聴いたのは『AVENGED SEVENFOLD』(2007年)のツアーのときだから、結構遅かったのか。

サウンドプロダクションに関しては、メジャー後の諸作品と比べものにならないくらいチープなものですが、楽曲自体は『CITY OF EVIL』の原型と呼べるような良曲ばかり。いや、リスナーによっては『CITY OF EVIL』よりも良いと思えるのではないか?と感じる1枚かもしれません。

スクリーモ以降のHR/HMというよりは、エモやパンク、そしてPANTERAなどの90年代ヘヴィネス系の要素もたっぷり取り入れられており、どの曲にもしっかりした歌メロとツインリードギターの名フレーズがフィーチャーされている。ところどころにメロディックデスメタルからの影響も感じられる。『CITY OF EVIL』に近いはずなのに、どこか別モノのように感じられるのは、こういった“ルーツからの直接的影響”がくっきり見えるからかもしれません。

トータル68分と非常に長いアルバムですが、聴いていて飽きがこないのは、そういった点も大きく作用しているように思います。まあ、なんといってもどの曲もフックが効いていて飽きさせない作りというのが非常に大きいのですが。

『CITY OF EVIL』以降は“新世代のGUNS N' ROSES”みたいに余計な表現がひとり歩きしてしまい、どうしてもイメージと実像がしっくりこない印象もありましたが、『WAKING THE FALLEN』時代の彼らはもっと生々しくて、何がやりたいのかがしっかり見えてくる。そういった意味でも、本作が名盤と言われる理由がご理解いただけるのでしゃないでしょうか。

なお本作。2014年に『WAKING THE FALLEN: RESURRECTED』というタイトルで、『WAKING THE FALLEN』収録曲のデモやライブ音源、別テイクなどを集めたボーナスディスク付きで再発。同仕様は全米10位という好記録を残しています。



▼AVENGED SEVENFOLD『WAKING THE FALLEN』
(amazon:国内盤2CD / 海外盤CD / MP3

投稿: 2018 06 17 12:00 午前 [2003年の作品, Avenged Sevenfold] | 固定リンク

2009年12月30日 (水)

神様はまだ天国にミュージシャンを連れていかれるのか

JIMMY "THE REV" SULLIVAN | Avenged Sevenfold

なんでこんなにミュージシャンの訃報が続くんだろう……本当に狂ってるよ、2009年は。

レヴには昨年の1月と10月の来日時に、それぞれ一度ずつ会ったことがありました。といっても、最初のは“会った”にカウントされるのかどうか。

昨年1月、僕はザッキーとシニスターのギタリスト2人にインタビューしたのですが、その際インタビュールームにレヴが酔っぱらって何度か入ってきたりして(笑)。丁度ツアーが終わった後で、メンバーはお酒も入ってかなりご機嫌モード。レヴは日本酒を相当呑んでいて、顔が真っ赤。「サーキ、サーキ!(sake/酒のこと)」と連呼してて、ザッキーもシニスターも苦笑いモードだったのが今でも思い出されます。

次に会ったのは、10月に「LOUD PARK 08」で再来日した際。ライブ後にザッキーと少し話をしていたら(1月の取材のことを覚えていてくれたらしい)、そこにレヴもいて。「あのとき、日本酒呑んで相当酔ってたね?」と拙い英語でレヴに話しかけたら、はにかんで「Sorry...」って言ったんだよな。それが最初で最後の会話でした。

AVENGED SEVENFOLDのライブを観たことがある人ならば、レヴが彼らにとって欠かせない存在なのはおわかりでしょう。恐らく2010年に向けて、そろそろ新作の準備を進めようとしてた頃だと思うんですが……確実に次のアルバムで化けるバンドだと思っていたので、この訃報には正直僕も動揺してます。いや、朝から動揺しまくりです。

なんなんだろう、今年は……あと2日、何もなく終わってくれ……。




▼AVENGED SEVENFOLD「CITY OF EVIL」
(amazon:日本盤US盤


▼AVENGED SEVENFOLD「AVENGED SEVENFOLD」
(amazon:日本盤US盤

投稿: 2009 12 30 04:03 午前 [Avenged Sevenfold, 「R.I.P.」] | 固定リンク | トラックバック

2007年12月 6日 (木)

AVENGED SEVENFOLD『AVENGED SEVENFOLD』(2007)

いやぁ、開き直ったなぁ……というのが第一印象。前作「CITY OF EVIL」で昨年日本デビューを果たして、そのままサマソニにも出演。メタルファンのみならず、幅広い層にアピールする絶好の機会を得て、うまいことブレイクしたA7Xがセルフタイトルの新作を発表しました。ご存じのとおり、アメリカでもこのアルバムで大ブレイクを果たし(ビルボード・アルバムチャートでトップ10入りを記録)、ただいま絶好調!といったところでしょうか。

いわゆるメタルコア/スクリーモなどの流れにあるバンドの中では、もっとも日本人の琴線に触れるメロディを持つ彼ら。アメリカのバンドなのに北欧/ジャーマンメタルかよ!?というような臭いメロディを発し、なのに「第2のMOTLEY CRUE」とか「第2のGUNS N'ROSES」という触れ込みで売られちゃってる。ま、その辺のアンバランスさもアメリカらしいっちゃあらしいですけどね。

本作のサウンドは、前作で聴けた路線の延長線上にあるものだと思います。すでに下火になりつつあるこの手の路線ですが、さらに押し進めて暑苦しさ全開のナンバーを聴かせてくれます。ただ、さすがにそこは経験を積んだバンドだけあって、非常にアレンジなどが練り込まれているんですよね。単なる一発屋では終わらないぜ!という意気込みが感じられる、勢いも重量感も兼ね備えた強力な作品といっていいでしょう。

ただ……新鮮さは皆無。すでに10年近く活動しているバンドですが、ここまでフレッシュさがなくていいものかと心配もしてしまいますが、まぁこれはこれでいいんでしょうね。なんていうか……彼らは今後もMOTLEY CRUEにもGN'Rにもなれないと思います。なれなくて当然なんですよ、だってA7Xなんだから。でも、彼らならではの魅力を維持したまま、このポジションを守り続けてくれるんじゃないか……そう願ってるんですけどね。決して「全米で800万枚突破!」というアーティストにはならないと思うし、ならなくていいんじゃないかと。こういうオーセンティックはHM/HRを聴いていると、ついそう思っちゃうんですよね。



▼AVENGED SEVENFOLD『AVENGED SEVENFOLD』
(amazon:日本盤US盤US盤w/DVD

投稿: 2007 12 06 12:05 午前 [2007年の作品, Avenged Sevenfold] | 固定リンク | トラックバック

2006年5月20日 (土)

AVENGED SEVENFOLD『CITY OF EVIL』(2005)

 正直な話、AVENGED SEVENFOLDなんてバンド、サマソニへの出演が決まらなければ知らなかったわけですよ、俺。すでにアルバムを3枚も出していて、そのいずれもが日本国内盤が出てないんだもん。そりゃ知りませんわな。だけど彼らの最新作「CITY OF EVIL」が全米チャートのトップ50入りして、セールスも100万枚近くまでいってるわけで。なのに日本ではほとんど話題にもならず、実際最新作はメジャー移籍第1弾にも関わらず、日本のワーナーは完全スルーだったしね。ホントひどい話ですよ!

 けどまぁ、こうやって6月には日本盤リリースも決まったわけで、ようやくこういう形で紹介できるようになったと。ま、日本盤が出なくても紹介してたけどね。ただ、一応5〜6月にはリリースされると聞いていたんで、それにあわせて紹介しようかと思ってここまで引っ張ってみました。実際には3月頃に買ったんだけど。

 なんつーか、彼らはインディーズ時代はもっとパンク寄りで、ボーカルも結構スクリーミングしてる感じだったのに(後で過去の音源もチェックしました)、このメジャー作では完全に歌い上げ系に専念してるんだよね。変なデス声も一切なし。しかもギターがツインリード決めまくり、大袈裟な展開は入るわ、曲は長いわで‥‥思わず「これ、ホントにアメリカのバンド? ジャーマンメタルなんじゃねーの?」と疑ってしまったほどに、アメリカっぽくない。ま、逆の見方をすれば、それだけ異質で個性的ともいえるんだけどね(アメリカでは、って意味で)。彼らは今、「2006年のGUNS N'ROSES」みたいに祭り上げられようとしてるんですわ。そのルックスもゴスメイクでキメてて、ちょっと見は確かにグラムロック系と言えなくもない。でも出してる音は‥‥えーっと、日本のX JAPANとか好きな人は、意外と気に入っちゃうんじゃないかな?ってくらいに、後半の曲の畳み掛け&ストリングスやコーラス隊を使った優雅な世界観は、とてもじゃないけどGN'Rとは言えないよね。どっちかっていったらMANOWARじゃんか、ってね。

 はい、ここまでのキーワードを読んでお尻の辺りがむず痒くなったそこのあなた! 絶対に気に入るから聴いてみなって。「BULLET FOR MY VALENTINEに対する、アメリカからの回答」なんてキャッチコピーもあるみたいだけど(どっちが先に世に出てんだよ!?って話もあるんだけど)、それもあながち外れてないよな、とも思ったり。当のBULLET FOR MY VALENTINEがそのGN'Rと一緒に全米ツアーやってるんだからね。方向性にブレはないな、と。実は密かに、サマソニで観るのを楽しみにしてるバンドのひとつなんだけどね。



▼AVENGED SEVENFOLD『CITY OF EVIL』
(amazon:US盤日本初回盤日本通常盤

投稿: 2006 05 20 12:15 午前 [2005年の作品, 2006年の作品, Avenged Sevenfold] | 固定リンク | トラックバック