2004/05/12

AVRIL LAVIGNE『LET GO』(2002)

今更うちでアヴリル・ラヴィーンを取り上げる必要があるのか、そしてその需要はあるのかどうか‥‥正直判らないんだけど、新作もリリース間近だし(って実は既に購入済みだったりしますが)、今週プロモーションで来日するし、夏には「SUMMER SONIC04」で2度目の来日公演を行うし、ってことで‥‥まずセカンドアルバムを取り上げる前に大ヒット作となったデビューアルバム『LET GO』について俺なりの感想を書いておこうかと思いまして。

2002年6月(日本は7月)にリリースされたデビューアルバム、先行シングル「Complicated」がいきなり全米シングルチャートのトップ10入りしてしまったもんだから、アルバムの方も初登場8位を記録、最高2位まで上昇し600万枚以上ものセールスを記録しています。また同アルバムからは他にも「Losing Grip」「Sk8er Bo」「I’m With You」がシングルカットされ、それぞれ大ヒットしています。

多分よく言われることだろうけど‥‥アラニス・モリセット以降の流れから登場したシンガーなんですよね(奇遇にもアラニスもアヴリルもカナダ出身)。アラニスが登場したのが95年、その後ミシェル・ブランチ等『アラニス以降』の流れを汲む女性ソロシンガーは沢山登場していますが、結局のところ手詰まり感が強く感じられ、しかも世の中の流れがロック的なものからよりR&B/ヒップホップ的なものへと移っていき、こういったシンガー達が苦戦するわけです。と同時にここ数年、ティーンエイジャーによるアイドルポップがアメリカでも流行し出し、TVのオーディション番組人気も手伝って、かなりの数のアイドルシンガー(男女問わず)がデビューし、チャート上でもそれなりに成功を収めています。

そんな中登場したのがアヴリル。彼女の音楽性はR&B色こそないものの、ロック/パンク的な色合いをよりポップな方向へと導き、ストリート的要素(ヒップホップ的な色合い)も取り込み、更には17歳でルックスも優れていたこともあって、気づいたら大きな成功を収めていた‥‥というのは言い過ぎかな? 俺にはそういう風に見えたんだよね、彼女の成功って。隙間産業って言い方はどうかと思うけど、すごく上手いやり方で成功したよなぁ、プロデューサーにしろスタッフにしろ上手いこと考えたなぁ、って関心したもの。

曲の制作にはアヴリルも関わってるみたいだけど(クレジットには一応全曲の共作者として彼女の名前が記されています)、基本的にはTHE MATRIXといったその筋では有名なソングライター/プロデュースチームが大きく関わった結果のポピュラリティーかな、という気も。基本的なものはアヴリルが書いているのかもしれないけど、それをまとめてビルドアップするのがそういった脇役達の仕事で、これがかなり大きいんじゃないかな。これだけ一流どころがいきなりデビューアルバムから参加してる辺りにいろんな政治色を感じたりもするけど、まぁ要するにそれだけ「売れる/いける」と周りが直感したから、ここまでお金を掛けてもらえたってのもあるんだろうな。そこはやはり彼女の魅力/才能あってこそ。じゃなきゃその辺のアイドルと何ら変わらないわけだし。

というわけで、曲に関しては文句なし。本当によく出来たポップロックがズラリと並んでおります。先に挙げたシングル曲は勿論のこと、他のアルバム曲に関しても基本的には「どれもシングルとして切っても大ヒット間違いなし!」な完成度。ひとつだけ難を言わせてもらえば、頭のシングル曲4連発以降の流れが、似たり寄ったりな点かな。似たようなテンポ、似たような曲調、似たような構成‥‥ミドルチューンが基本なんだけど、そんな中だからこそ「Sk8er Boi」みたいなアップテンポの曲は目立つわけで。パンキッシュなイメージもこれくらいしかないし。ライヴは観たことないんで想像でしか書けないけど‥‥GREEN DAYの「Basket Case」やMETALLICAの「Fuel」なんかをカバーしてるって聞いて、思わず納得しちゃったんだよね。要するに、盛り上げるためのアップテンポの曲が異常に少ない。もうちょっと曲のバリエーションに気を使ってもよかったんじゃないかな?という気が今となってはするわけですが、まぁこういう構成だから誰もが安心して聴けて、その結果大ヒットしたんだろうな‥‥とも思えるわけで。その辺りは続くセカンドアルバムで解消されていればいいんですが‥‥(購入したものの、現時点では未聴)

まぁそんなこと言っても、ここまで優れたアルバムってのもそうはないんだし、贅沢と言われてしまえばそれまでかな‥‥自分にとってはこれ、全然パンクではないし、ロックというわけでもなく、どっちかといえばポップスの範疇に入るんだけど、だからって劣るとか悪いってわけじゃなく、だからこそ優れモノなんだよなぁと感じるわけでして。EVANESCENCE辺りと同じ感覚で聴いてますね。ホント、売れるのがよく理解できるよ、こりゃ。



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投稿: 2004 05 12 12:00 午前 [2002年の作品, Avril Lavigne] | 固定リンク