2017/07/26

BACKYARD BABIES『BACKYARD BABIES』(2008)

2008年8月にリリースされた、BACKYARD BABIES通算6枚目のスタジオアルバム。前作『PEOPLE LIKE PEOPLE LIKE PEOPLE LIKE US』(2006年)でシンプルかつストレートな作風へとシフトチェンジした彼らですが、バンド名を冠した今作では2ndアルバム『TOTAL 13』(1998年)から前作までの集大成と呼べる豪快なハードロックを聴かせてくれます。

「Fuck Off And Die」という強烈なタイトルのオープニングトラックからして“お前、それ売れようと思ってないだろ?”と突っ込みたくなりますが(しかも本作からの1stシングルがこれなんだから)、ドレゲン(G, Vo)がメインボーカルを務める同曲がアルバム冒頭を飾ることにも驚かされます。しかし、この曲以降は通常運転。ニッケ(Vo, G)ボーカル曲が中心で、途中でニッケ&ドレゲンがツインボーカル体制で歌う曲も飛び出します。

『TOTAL 13』や『MAKING ENEMIES IS GOOD』(2001年)あたりの楽曲が好きな人なら一発で気にいる「Come Undone」や「Zoe Is A Weirdo」、ニッケらしさに満ち溢れたアメリカンロック調バラード「Abandon」Saved By The Bell」、GUNS N' ROSESのディジー・リードがピアノでゲスト参加した「Voodoo Love Bow」(ディジーはもう1曲、日本盤ボーナストラック「Saved By The Bell (Piano Version)」にも参加)、ド直球なパンクチューン「The Ship」「Where Were You」、マイナーコードのメロディがいかにも彼ららしい疾走ナンバー「Nomadic」と、BACKYARD BABIESのことが好きなら必ず引っかかりのある曲がずらりと並んでいます。“俺はこの時代が好き!”とこだわりが強いファンも多いでしょうが、そういった人たちを少なからず巻き込むという意味では、正真正銘の集大成アルバムなのかもしれませんね。

しかし、それが原因なのかわかりませんが……リリース当時はもの足りなさを感じたのも事実。どこかひとつ、突き抜けた部分があったら、と不満タラタラで、実はそこまで聴き込んでいなかったんです。でも、久しぶりにこのアルバムと向き合ってみたら、その“もの足りなさ”が逆に“バランス良さ”に感じられるのだから、本当に不思議なものです。きっと、自分は彼らにそれまで“Too Much”なものを求めすぎていたんだなと、そこで再確認したわけです。反省編成。

本作を完成させた彼らは翌2009年に結成20周年を迎えるも、無期限の活動休止に発表。ちょうど休止直前の2010年3月に実施された単独来日公演にも足を運びましたが、そこには悲壮感は一切なく、終始彼ららしいストイックかつ能天気なロックンロールパーティを展開しました。これならすぐに戻ってきてくれるな、と当時は楽観視したものですが、まさかそこから5年近くも間が空くなんてね(しかもニッケもドレゲンもソロアルバムは出すは、ドレゲンに至ってはMICHAEL MONROEのギタリストになるわで、やきもきしたものです)。



▼BACKYARD BABIES『BACKYARD BABIES』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / MP3

投稿: 2017 07 26 12:00 午前 [2008年の作品, Backyard Babies] | 固定リンク

2017/02/28

BACKYARD BABIES『FOUR BY FOUR』(2015)

活動停止から5年ぶり、オリジナルアルバムとしては前作『BACKYARD BABIES』(2008年)から実に7年ぶりのニューアルバム『FOUR BY FOUR』。メンバーはニッケ・ボルグ(Vo, G)、ドレゲン(G, Vo)、ヨハン・ブロムクウィスト(B)、ペダー・カールソン(Dr)という不動の4人のままで、前作からの空白を一切感じさせないBYB流ロックンロール満載のアルバムに仕上げられています。

これだけ長い期間バンドとして活動していないと、再始動した際バンドとしての感覚を取り戻すためにまずツアーをしたりするケースが多いですが、彼らの場合はいきなりこのアルバムの制作に突入。通常はここでぎこちなさが表出してしまったり気合いのみが空回りしてしまったりするものの、BYBに関しては本当に“しっくり”きたんでしょうか、先に書いたように7年の空白が嘘のような通常営業っぷりなんですよね。

とはいえ、7年前からまったく成長していないのかというとそうではなく、ニッケやドレゲンのソロ活動での成果もしっかり反映されている。スクラッチなどの遊びが入ったオープニングトラック「Th1rt3en Or Nothing」なんて、従来のBYBらしさと今までになかったカラーが絶妙なバランスでミックスされているし、大陸的なバラード「Bloody Tears」あたりは完全にニッケのカラーが反映されたもの(同曲のMVは来日時に東京で撮影されたもの。必見)。かと思えば、7分にもおよぶブルージーかつダークな「Walls」のような新境地ナンバーもある。バンドとしてしっかり成長し、前進していることはこれらの楽曲からも伺えるんじゃないでしょうか。

もちろん、それ以外の楽曲は従来のBYBらしさに満ち溢れたものばかり。「I'm On My Way To Save Your Rock 'n' Roll」の前のめり感、適度な哀愁味を携えた「White Light District」、USパンクからの影響も強い「Never Finish Anythi」といったナンバーのみならず、その他の楽曲も“これぞBYB”と呼べるものばかりです。古くからのファンはもちろんのこと、「BYBってどんなバンド?」と初めて接する人にも優しい内容と言えるでしょう。

ただ、ひとつだけ苦言を呈するならば……7年待たされて、たった9曲で34分という短さはなんなの!?と。古き良き時代のロックンロールアルバムならばこれが正解なんだろうけど、時は2015年。正直物足りなさを感じてしまったのも事実です。まぁやたらめったらと曲数多くて60分超えてたり、ライブで演奏しない曲ばかりの内容になるよりはマシなのかな。彼らなりに「こんな時代だからこそ……」というアンチ精神もあってこの構成だとしたら、それは素直に受け入れることにします。だって、無駄が一切ないんだから。

個人的に残念だったのは、仕事の関係で2015年秋の『LOUD PARK 15』に足を運べなかったこと。さらにその時期、耳の病気を患ってライブにもあまり足を運ぶことができず、無理して地方でのワンマン公演にも行けなかった……本当に悔しい限りです。しかしながら、『FOUR BY FOUR』を携えて行われたツアーから、2016年2月のストックホルム公演を完全収録したライブDVD&Blu-ray『LIVE AT CIRKUS』が3月3日にリリースされるので、こちらの到着を楽しみに待ちたいと思います。



▼BACKYARD BABIES『FOUR BY FOUR』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2017 02 28 12:00 午前 [2015年の作品, Backyard Babies] | 固定リンク

2015/01/31

Backyard Babiesの私的ベスト10(活動再開に寄せて)

Reunited BACKYARD BABIES Sign With GAIN MUSIC ENTERTAINMENT (BLABBERMOUTH)

2015年に活動再開することを去年発表していたBackyard Babies。ソニー傘下の「Gain Music Entertainment」と契約して、5月にシングル、8月にアルバムのリリースを予定しているそうです。このレーベル、ニッケのソロアルバムをリリースしていたんですね。そのつながりもあっての契約かしら。ちなみにほかの所属アーティスト、日本で知られてるところだとHardcore Superstar(マネジメント契約も)、Europe、Avatar、H.E.A.T、Crashdietあたりのようです。

さてさて……ずっと待ってました、この日を。2010年3月10日、今は亡きSHIBUYA-AXで観たのが最後。その後無期限の活動休止に突入して、ドレゲンはマイケル・モンローと一緒に活動したりソロアルバムを作ったり、ニッケはソロで何枚かアルバムも出したり。結局ドレゲンがマイケルと一緒に来日したのを観に行ったくらいで、ソロで来たときは「いやいや、BYBが復活するまでは……」と心を鬼にして観に行かなかったんだった。それがようやく復活。さすがにドレゲンまでソロアルバムを出したときは「ああ、もう活動再開はないかな」と思ったけど、いよいよこの日が来ましたね。フロントの2人はそれぞれソロで“らしい”音を鳴らしてたので、きっとライブも新作も問題ないでしょう。

ということで、今日はBYBの私的ベスト10をご紹介。曲順はなんとなくライブっぽい流れを意識してます。


1. People Like People Like People Like Us

2. Powderhead

3. Star War

4. Made Me Madman

5. The Mess Age (How Could I Be So Wrong)

6. Nomadic

7. Brand New Hate

8. Minus Celsius

9. Bombed (Out Of My Mind)

10. Babylon


気が付いたら1stアルバム以外からまんべんなく選んだ感じでしょうか。実は最初に選んだ10曲があまりに似たような曲ばかりで、正直躊躇してしまいました。「ああ、自分がBYBに求める音ってこういうのなんだ」とそこで初めて気付かされましたが、さすがに通して聴いたときにあまりにも面白みがなかったので半分削って、再度セレクトしたのがこの10曲。で、並べて聴いてみたらかなりしっくりきたので、最終的にこれでFIXとなりました。

ちなみにアルバム単位で一番好きなのは、5th「People Like People Like People Like Us」。最初は2nd「Total 13」か4th「Stockholm Syndrome」かなと思ってたけど、全部聴き返して今しっくりくるのが5thでした。いや、6th「Backyard Babies」もいいかも。日によっては3rd「Making Enemy Is Good」もいいんだよな。ああ……ということで、全部好きです。はい。



▼Backyard Babies「People Like People Like People Like Us」
(amazon:国内盤 / 輸入盤


ちなみにAmazonでは活休前にリリースした活動20周年記念ベストアルバム「Them XX」が、かなりお安く手に入ります。僕もこれ持ってなかったんですが、この値段だったので購入しました。初心者向けですが、あの曲も入ってなければこの曲も入ってないぞ!という不満はありますが、まあシングル曲はほぼ網羅されているので、BYB聴いてことないけど……って人は気軽に試してみてはどうでしょう。



▼Backyard Babies「Them XX」
(amazon:国内盤

投稿: 2015 01 31 05:02 午前 [Backyard Babies, 「再結成」, 「私的ベスト10」] | 固定リンク

2006/10/19

LOUD PARK 06 : DAY 1 (2006.10.14)

 はい、すでに1週間経とうとしてますが、先週末10月14〜15日に幕張メッセで開催されたメタルフェス「LOUD PARK 06」の簡易レポートを書こうと思います。正直言って、すんげー長いです。だって1日の演奏時間が11時間ですからね! さすがに初日から寝坊してw開演時間の11時には間に合わず、海浜幕張駅に着いたときには14時を軽く回っていたわけですが……

 というわけで、ここで一回切ります。後は「続きを読む」でガッツリ読んでやってください。ま、言うほど長くはないと思うけど。あと、さすがに2日分をまとめてひとつのエントリーにすると、いつ書き終わるかわからないので1日目と2日目で2回に分けてレポート書きます。その辺もご了承くださいまし。

 さ、んじゃ気合い入れていきますよー。モニターの前のみんな、メロイックサインの準備しておけーw

■DRAGOMFORCE [BIG ROCK STAGE]
 会場に入ったら彼らのパフォーマンスだった。後ろまでビッシリ人が入っていてビックリしたんだけど、その間に演奏終了。うーんと、メロスピっつーの、こういうの? 無駄に速いだけっていう気がしないでもないけど……要するに、タイプじゃないってことですわ。


■BACKYARD BABIES [GIGANTOUR STAGE]
 久しぶりにライブ観たけど、ヤベーかっこよすぎ! ドレゲンは別格として、ニッケもフロントマンとしてもの凄いオーラを発してたし、曲も新作中心で良かった。ところどころに過去の代表曲を挟んでいって、それも効果的だったし。途中、ドレゲンがママをステージに連れ出して、オーディエンスにハッピーバースディを歌わすというハプニングも(当日誕生日だったそうな。カワイイママでしたよ)。うん、とにかく最後までめっちゃ良かった。曲のバリエーションも広がってるし、今度はフルで観たいなぁ……って次の来日はニューアルバム出すまでなしか……

[SET LIST]
01. Poeple Like People Like People Like Us
02. Mess Age (How Could I Be So Wrong)
03. Blitzkrieg Loveshock
04. Look At You
05. Star War
06. Cockblocker Blues
07. We Go A Long Way Back
08. Roads
09. Highlights
10. Brand New Hate
11. Dysfunctional Professional


▼BACKYARD BABIES「PEOPLE LIKE PEOPLE LIKE PEOPLE LIKE US」(amazon:US盤日本盤


■CATHEDRAL [BIG ROCK STAGE]
 うわー、彼らも初来日以来だから13年ぶりとか? すんげー久しぶりに観たんだけど、リー・ドリアンのオジー(・オズボーン)化が進んでた。勿論これは良い意味で、彼らのルーツであるBLACK SABBATHにより近づいていたってことね。単なるコピーではなく、彼ら流のオリジナリティもしっかりしてるし、何よりもステージパフォーマンスや演奏が良い。とか言いながら、実は彼らの最近のアルバムはほとんど聴いてなかったんだけど、それでも違和感なくライブを見せてくれるのはさすがというか。恐れ入りました! 最後の "Ride"、"Hopkins (The Witchfinder General)" という懐かしの名曲2連発でグッときました。いやー、ホント最高!

[SET LIST]
01. Utopian Blaster
02. Soul Sacrifice
03. North Berwick Witch
04. Trials
05. Autumn Twilight
06. Skullflower
07. Corpsecycle
08. Upon Azrael's Wings
09. Ride
10. Hopkins (The Witchfinder General)


▼CATHEDRAL「THE GARDEN OF UNEARTHLY DELIGHTS」(amazon:US盤日本盤


■Dir en grey [GIGANTOUR STAGE]
 噂どおり自傷するパフォーマンスをするのね(後でファンの子に聞いたら、あの血は血糊だということを知らされました。なるほど、毎回あれやってたら身体が保たないわな)。良くも悪くも日本のバンドだね。演奏は悪くないけど、やはり欧米の他のバンドと比べると線が細い。それを個性と呼ぶ向きもあるけど、やっぱりパワー不足かな。この日はCATHEDRALとARCH ENEMYというパワープレイヤーに挟まれてたから、興味本位で覗いてた洋楽メタルファンにどう響いたか……
 新曲も披露されてたけど、これをシングルで切っちゃうんだ……どうなるんだろう?という興味も湧いたり。でも、あれだ。やっぱりメロウな「いかにもビジュアル系」という曲になると、場が冷えるというか空気が一変する。良くも悪くもね……否定したくはないけど、キツいよなぁとも思った。それが率直な感想です。今度は別の機会に観てみたいなぁ。

[SET LIST]
01. 朔-saku-
02. Agitated Screams Of Maggots
03. Beautiful Dirt
04. THE FINAL
05. 孤独に死す、故に孤独。
06. Merciless Cult
07. dead tree
08. OBSCURE
09. 凌辱の雨
10. CLEVER SLEAZOID
11. THE III D EMPIRE


▼Dir en grey「Withering to death.」(amazon:US盤UK盤日本盤


■ARCH ENEMY [BIG ROCK STAGE]
 実は初めて観るARCH ENEMY。アルバム1枚聴くのも正直キツいなぁと感じるタイプのバンドなんだけど、ライブでもそれは一緒で……要するに、歌以外の曲部分(演奏だったりアレンジだったり)は素晴らしいのに、ボーカルのデス声が一辺倒でつまんない……というのが俺のこのバンドに対する評価。いくらベストヒット的な選曲であっても、あれじゃ最後まで観るのは俺はキツいかな。というわけで、インストナンバー辺りでステージを去り、休憩に入りました。ワンマンを観に行くほど好きでもないので、今後またこういうイベントに出ない限りは観ることもないのかな……

[SET LIST]
00. Intro
01. Nemesis
02. Enemy Within
03. Dead Eyes See No Future
04. Out For Blood
05. Bury Me An Angel
06. The Imortal
07. Dead Bury Their Dead
08. Snowbound
09. Ravenous
10. We Will Rise
11. B.O.D. Outro


▼ARCH ENEMY「DOOMSDAY MACHINE」(amazon:US盤日本盤


■UNITED [ULTIMATE STAGE]
 実はなにげにこの日初めての「ULTIMATE STAGE」。彼らも7〜8年ぶりに観るんだよね。前に観たときは2代目ボーカルが入ってメジャーから2枚目だか3枚目のアルバムを出した後。いわゆる「モダン・ヘヴィネス」路線へと移行していった頃ね。それはそれで好きだったけど、正直に言えば「う〜ん……」という気持ちもあり、ライブを観る度に複雑な新曲だったなぁ……
 その後ボーカルが数回入れ替わり、ドラムも2度にわたって交代。気づけばストリングス隊以外は初見という今回のステージ。いやー、ビックリするくらいカッコ良かった! とにかく新曲の激スラッシュ路線が気持ちいい! ボーカルのNOBはドスの利いたデス声なんだけど、まったく新曲でも往年の代表曲でも違和感なかった。むしろ "REVENGER" とか "VIOLENCE JACK" 辺りは彼によって新たに現代的に生まれ変わってるね。そして "SNIPER"!! まさか2006年にこの曲を聴けるとは思いもしなかった。いやー、日本にもこんなに最強のスラッシュバンドがいることを思い出させてもらえただけでも、このフェスに来た甲斐があったってもんですよ。久しぶりに単独公演に行こうと思わせてくれたし、何よりも会場で新作「NINE」を即買いしちゃったからね。ホント再会できて嬉しかったです。

[SET LIST]
01. KILL YOUR SENSE
02. DEATHTRAP
03. MOSH CREW
04. BAD HABIT
05. UNDERSEA SUFFERING
06. SNIPER
07. HELL BREAKS LOOSE
08. VIOLENCE JACK
09. REVENGER
10. CROSS OVER THE LINE
11. UNITED


▼UNITED「NINE」(amazon:日本盤


■ANTHRAX [BIG ROCK STAGE]
 実はNAPALM DEATHまでの繋ぎで頭数曲しか観てません……つうか俺、ジョン・ブッシュ断固支持派なので、この再結成には反対なんですよ。結局'80年代の曲がメインで、'90年代以降の曲を眠らせてしまうわけですからね。別にジョン・ブッシュが "Indians" とか歌えてなかったわけじゃないのにね。
 ベラドナはあんまり違和感なかったけど、やっぱりダン・スピッツがね……orz

[SET LIST]
01. Indians
02. Got The Time
03. Caught In A Mosh
04. Antisocial
05. A Skeleton In The Closet
06. Efilnikufesin (N.F.L.)
07. Medusa
08. Metal Thrashing Mad
09. I Am The Law
10. Bring The Noise


▼ANTHRAX「ANTHROGY : NO HIT WONDERS 1985-1991」(amazon:US盤


■NAPALM DEATH [ULTIMATE STAGE]
 うわ……やっぱり帝王は帝王のままだった!! もう冒頭からスゴいことになってて(俺はステージ前方の、モッシュピットギリギリの辺りで観戦)、終始ヘドバンしまくり。途中、ステージ上をボーッと観てたら、もういい歳したオッサン4人が本気だしてもの凄い音出してるのを観て、ゴクリと生唾飲み込んで……そうこうしてたら、終盤の秒殺ソングメドレーですよ! "Scum" とか "You Suffer" まで聴けるとは思ってもみなかった。「LOUD PARK」レポートサイトに載ってるセットリストをそのまま引用してますが、ラストは違ったような記憶が(もう最後は俺もモッシュに加わってたので訳わかんなくなってたw)。にしても、あまりに「速すぎ」て、持ち時間の60分にも至らない40分強で全部終わったのには笑ったなぁ。さすがです、帝王!

[SET LIST]
01. Unchallenged
02. Suffer The Children
03. Silence
04. Instrments
05. Fatalist
06. Narcoleptic
07. When All It Said And Done
08. Puritannical
09. The Code Is Red
10. Continuing
11. Scum
12. Life
13. The Kill
14. Deciever
15. You Suffer
16. Nazi Punks Fuck Off


▼NAPALM DEATH「SMEAR CAMPAIGN」(amazon:US盤日本盤


■MEGADETH [GIGANTOUR STAGE]
 というわけで、NAPALM DEATHがあまりにも早く終わりすぎたため、MEGADETHを最初から観ることができました。正直、全然観る気はしてなかったんだけど……いざ観たら、やっぱ良かった。1990年だか91年だかの来日公演を観て以来なんだけど、当日はメンバーも違うし、その後のヒット曲・代表曲も増えてるんだけど、俺はあの頃の奴らがいろんな意味で大嫌いで(ただし音楽は別)、ライブからずーっと遠ざかってたんだけど、俺もデイヴ・ムステインも大人になってwちゃんと受け入れられるようになったんだね、現実を。「デイヴも〜」というのは……全然変わってないように見えて、しっかり大人になってる、良い意味で「丸く」なってるように感じられたから。演奏中は相変わらずのムステイン節なんだけど、やっぱりね……うん。なんか良かったなぁって感じられた。受け入れられた、素直に今のMEGADETHを。
 再結成後のアルバムは正直あんまり好きじゃないけど、次のアルバムには期待したいなぁ。このメンバーなら大丈夫なんじゃないか、そういう気がしたからさ。

[SET LIST]
01. Blackmail The Universe
02. Set The World Afire
03. Wake Up Dead
04. Skin O'My Teeth
05. Tornado Of Soul
06. Take No Prisoners
07. Devil's Island
08. Symphony Of Destruction
09. She Wolf
10. Hanger 18
11. Washington Is Next!! (New Song)
12. Peace Sells
--encore--
13. Holy Wars...The Panishment Due


▼MEGADETH「GREATEST HITS : BACK TO THE START」(amazon:US盤日本通常盤日本初回盤


 ここまでが初日。ホント1日の拘束時間が長いフェスなんで、ここで一旦切りますね。続きはまた後で。まぁ大したこと書いてないんだけどね……

 (To Be Continued...)

投稿: 2006 10 19 11:38 午後 [2006年のライブ, Anthrax, Arch Enemy, Backyard Babies, Cathedral, DIR EN GREY, DragonForce, LOUD PARK, Megadeth, Napalm Death, 「フェス」] | 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

2006/04/26

BACKYARD BABIES『PEOPLE LIKE PEOPLE LIKE PEOPLE LIKE US』(2006)

 BACKYARD BABIES、本領発揮といったところでしょうか? 多分ここ数年「あと一歩なんだよなぁ‥‥」と嘆いていた人、アメリカナイズされた(いや実際にはされてないんだけど)3rd「MAKING ENEMIES IS GOOD」や4th「STOCKHOLM SYNDROME」を駄作扱いしてた奴ら。みんなこの5thアルバムを聴いて、何を思うんだろうね。ま、せいぜい毒づけばいいんじゃないかな。

 スタジオアルバムとしては約2年半ぶり、間にライヴアルバム「LIVE LIVE IN PARIS」を出しているので、そんなに時間が経っているような気はしないですね。インターバル的には前作の時と同じなんですが。あと前作の時は「SONIC MANIA」で来日したり、その後単独公演でも来日してるから、余計そんな気がするのかも。ていうか、そんなことはどうでもいいですよ。

 ともかくこれは、2006年を代表する1枚に決定ですよ。ええ。

 かつてドレゲンが参加したTHE HELLACOPTERSでの盟友、ニッケ・アンダーソンが今回プロデュースを務めたこのアルバム。悪いわけがない。作風としては前作/前々作にあった音圧(装飾)を取っ払って、とにかく根っこにある「芯」が出るまですべてを削ぎ落としたかのようなロウ(生)なサウンドが印象的で、人によっては軽く聴こえてしまうかもしれないけど(実際、自分も最初聴いた時の印象が「軽いなぁ〜」だった)、何度も聴き込んでいると、これが必要不可欠なものなんだと理解できます。ていうか、これこそがBYBの持ち味じゃん、てね。

 あと、ニッケが絡んでるからってのも大きいんだろうけど、ここ数作のTHE HELLACOPTERSにも通ずる「枯れ」の要素が増えてる。枯れたとか書くとあまり良い印象がないかもしれないけど、実はその逆で、こういうのって自然に表出させること自体が難しいし、積み重ねて来たものが自然と出てるだけなんだよね。まぁBYB自体がすでに20年近く活動してるバンドなわけで、これまでの「テンパリ振り」とはひと味違った要素もここに来て引き出されてるかな、と。これは新しいプロデューサー=ニッケとの共同作業が大きく作用してるんでしょう。

 もうひたすら吹っ切れた感が強い楽曲。ド頭から突っ走り、中盤で聴かせる曲、先の「枯れた」感を存分に味あわせてくれるバラード、そしてAC/DCも真っ青なミドルチューン、さらに疾走、爆走、疾走‥‥みんな、こういうのを待ってたんじゃないの? 確かにここにあるサウンドは2nd「TOTAL 13」とは違う。ていうか、同じことに何の意味があるわけ? あれにこだわり続けてる心の狭い人(という言い方を敢えてさせてもらうね)を置いてけぼりにして、BYBは常に前進し続けてたわけでしょ。勿論、その方向性については人それぞれ感じ方だったり好みはあるだろうけど、少なくともこの5作目「PEOPLE LIKE PEOPLE LIKE PEOPLE LIKE US」(最高のタイトルだな!)はあの頃とは別の次元に到達しちゃってるし。どっちが上でどっちが下とか、そういう問題じゃなく、このアルバムは純粋にロックンロールアルバムとして優れてると思います。もうこれ以上、言葉は必要ないでしょ? あとは聴くだけ。聴けばいいよ。丁度日本盤も出たところだし。

 俺はこのアルバム、スウェーデン盤が入荷した4/17からひたすら聴き続けて、すでに10日近く経っちゃってるわけですが‥‥BYBのアルバムでここまで聴き込んだの、久し振りだよ。もちろん今までのアルバムも大好きだったけど、これはドンズバっていうか、自分の趣味に一番近いから。あー、あとは来日だけだね。これをライヴでどう再現するか‥‥ってこのままなんだろうね。多分一番ライヴに近いサウンドだと思う。だからこそ、すっごい楽しみなんだけど。


 
▼BACKYARD BABIES「PEOPLE LIKE PEOPLE LIKE PEOPLE LIKE US」(amazon:US盤EU盤日本盤

投稿: 2006 04 26 12:10 午前 [2006年の作品, Backyard Babies, LOUD PARK] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/03/31

BACKYARD BABIES『LIVE LIVE IN PARIS』(2005)

 BACKYARD BABIES初のライヴアルバム。「LIVE LIVE IN PARIS」と書いて「リヴ・ライヴ〜」と読ませるらしい。ジャケには『[liv][laiv]』ってちゃんと発音の仕方が書いてあるしな。

 「TOTAL 13」で日本デビューした彼等。恐らく殆どのファンがあのアルバムにやられて現在に至ってるか、既にその当時のファンは離れちゃってるかのどちらかだと思うんだけど‥‥アルバムリリースのサイクルが長いバンドなんだよね。大体3年に1枚の割合だよね。まぁ海外ではデビューアルバムから2nd「TOTAL 13」まで4年かかってるから、それを思えばね‥‥ってデビュー12年でオリジナルアルバム4枚ってのも凄いな。しかも決してメジャーで大ブレイクしてるようなバンドじゃなくて、かろうじて自国スウェーデンで1位を取るような感じなのにね。

 でさ、その「TOTAL 13」に魅せられたファンってのは、その後の2枚‥‥メジャーである「BMG SWEDEN」移籍後の「MAKING ENEMIES IS GOOD」と「STOCKHOLM SYNDROME」には納得してないって人が多いみたいで。曰く『初期衝動性が減退した』『パンク色が薄れてガチガチに作り込まれた作品になってる』『メジャーに魂を売った』‥‥まぁ言いたいことはよく判りますよ。あのアルバムにおける彼等は神がかってましたから。

 思うに、ここ2枚のアルバムに足りなかった要素‥‥生々しさであり危うさだったんじゃないかな、と。勿論「MAKING〜」にも「STOCKHOLM〜」にもそれなりの危うさは存在してたと思うんですが、どうしても『作品としての完成度』を重視した結果、カッチリした作りにならざるを得なかったのかな、と思うわけで。勿論、それはそれで正しい判断だったと思うし、だからこそライヴではそれらの楽曲がまた違った聴こえ方をしたり、逆にあーこの曲はアルバムの方が良かったな、なんて曲もあったりして。

 でもそんな問題点も、このライヴアルバムで解消されたんじゃないかな? 「TOTAL 13」以降の3枚のアルバムからの曲が中心となる、所謂ベスト盤的内容になってるし(まぁ「STOCKHOLM〜」リリース後のツアーだから、このアルバムからの曲が多くならざるを得ないのは仕方ないけど)、古い曲も新しい曲も同じスタイル‥‥つまり『ライヴバンド・BACKYARD BABIES』として表現されてるわけですよ。曲の作りは確かに変わってますよ。"Made Me Madman" と "A Song For The Outcast" とじゃメロディの運び方なりアレンジなりに‥‥恐らく方向性の違いなのだろうけど‥‥多少の違いはありますよ。でも、一環してるんですよね、こうやって通して聴くと。

‥‥とここまで書いてみて、やっぱりそんなのどうでもよくなった(苦笑)。

 いや、今ね、このアルバムを聴きながらこれを書いてるんですが‥‥文句無しにカッコいいし。それ以上でもそれ以下でもないですよ。曲のアレンジだの善し悪しだの、どのアルバムの曲の方が疾走感があって、どのアルバムの曲がタルいとか、そんなことが言いたいんじゃないのよ。『BACKYARD BABIESらしさ』が最も色濃く表れた作品だよね、やはり。ライヴバンドなんだよ、何だかんだいって。って当たり前の話だけど。

 どんなにスタジオテイクで凝ったものを録音しようが、いざステージに立てば勢いと力で押し切るパワーゲーム。それが彼等のライヴでしょ。事実、17曲(日本盤。内1曲目はイントロなので実質16曲か)もやっていながら実際には60分に満たないんだから。ここにもう2〜3曲足すと、昨年の来日公演と同じセットリストになるらしいよ(本編に "You Tell Me You Love Me You Lie"、アンコール1曲目に "Everybody Ready" が演奏されてます)。そう考えると‥‥多分実際のライヴは90分にも満たない、ホント70分とか80分程度に凝縮したライヴなんだろうね。いや、これだけ飛ばされたらさ‥‥十分だよね。つーか彼等が一時のGUNS N'ROSESみたいに3時間近くも演奏するなんて、今は考えられないけどね。

 1本のライヴをほぼノーカットに近い状態で収めたライヴ盤。だからこその生々しさがあるし、客の反応もハンパじゃない。しかも地元じゃないのにね‥‥パリだよ、パリ! 英語圏じゃないし。つーかBYBだってスウェーデンじゃん! 何だそれ、ちゃんと英語でMCしてるし!!

 とにかく、勢いがあって男臭くて哀愁味もしっかり備わったカッコいいロケンロールが聴きたかったら、迷わずこのライヴアルバムを聴けばいいよ。

 最後に。アルバム初回仕様にはDVD付きがあるんだけど、このDVD「JETLAG -THE MOVIE」がとにかくイイ! 本国スウェーデンではDVD単品として今年頭にリリースされたもので(日本でも一部専門店で見かけます)、60分に及ぶバンドのヒストリー・ドキュメント映画なのよ。勿論ライヴ映像やPVも断片的ながら収録されてるし。当然ながら字幕入り。これで通常盤に800円足しただけの値段なんだから‥‥迷わず初回盤でしょ! つーかこのDVDがホント泣ける。男泣き。カッコ良過ぎ!

 やっぱりロックンロールはカッコ良くなきゃ。墓まで持って行きたいライヴアルバム。



▼BACKYARD BABIES「LIVE LIVE IN PARIS」(amazon:DVD付通常盤

投稿: 2005 03 31 12:31 午前 [2005年の作品, Backyard Babies] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/02/27

BACKYARD BABIES『STOCKHOLM SYNDROME』(2003)

作『MAKING ENEMIES IS GOOD』から約2年半振りに届けられた、BACKYARD BABIES通算4作目のオリジナルアルバム『STOCKHOLM SYNDROME』。日本でその地位を確立したセカンド『TOTAL 13』と比べて明らかにスピード感を抑えたその作風に賛否両論だったけど、今回はどうだろう‥‥スピード感とか爆走ロックにこだわるファンにとっては今度のアルバムも期待を裏切る内容なのかもしれないね。けどさ、そうじゃねぇだろ?と。そういった点でここ日本でブレイクしたからといって、それを水増しし続けて作品を重ねていくことを選ばなかった時点で、俺はこのバンドを信用できると思ったし、何よりもソングライティングの能力がアルバムを重ねる毎に向上し続けているんだから‥‥そこに焦点を当てた場合、このアルバムは間違いなく過去最高の完成度を誇る1枚と呼んでいいと思います。

今回のアルバムの面白い点って、俺はそういった楽曲面での向上と、そして「聴く人によっていろんな聴こえ方をする」という点だと思うのね。例えばさ、俺はこのアルバムを「80年代末以降に登場したアメリカン・パンクの流れを汲む」作風だと思ってるのね。ところが、別に人に言わせると「LAメタル的」だと解釈され、また別の人は「オルタナの延長線上にあるダークな作風」と解釈し、またある人は「北欧らしさをこれでもかと強調したポップなロックンロール」と解釈。自分の周りの人間だけでも、これだけバラバラな解釈をしてるわけですよ。で、全員の言ってる意味も理解できるのね。確かにそういった要素も十分感じるし。けど、絶対にそれだけに固執してるわけでもない。恐らくそういった路線を狙ってるようで、実は全く狙っていない‥‥限定しないからこそ人によっていろんな解釈ができ、いろんな魅力が見えてくる。そんなアルバムじゃないですかね、これ。

で、メロディーだけを抜き出してみると、確かに「哀愁漂う北欧さしさを強調」してるようにも感じられる。けど俺の場合、特に今回のアルバムの楽曲を聴いてると、例えばアメリカのBAD RELIGION辺りに共通する色合いを感じるのね。そこから「80年代末以降に登場したアメリカン・パンクの流れを汲む」作風と解釈したんだけど。勿論、BAD RELIGIONだけでなく、いろんなバンドからの要素も感じるわけですよ。それは決して借り物じゃなくて、ちゃんと「BACKYARD BABIESのオリジナル」として昇華できてるからさすがなわけで。

確かに、ここにセカンドにあったようなスピード感が加われば無敵だったかもしれません。けど、2003年の彼らはそれを選ばなかった。何故なら「周りがやってるから」でしょうね‥‥他人と同じことをやっても‥‥っていう「別に俺等はそれがなくても勝ち続けられるぜ?」的な自信の表れとでもいいましょうか、とにかくそんな心強さをアルバム全体から感じるわけ。速い曲もあるにはあるけど、アルバムの核を形成するのはあくまでミドルテンポの楽曲達。ミドルテンポにすることで、更にメロディの素晴らしさを際立たせようという試みなのか‥‥だとしたら、思いっきり大成功してますよね。シングルにもなった「Minus Celsius」という曲があるんですが‥‥これ、完璧過ぎませんか? 前作以降、彼らが目指していたモノの完成形がこれなんじゃないか?と思える程、素晴らし過ぎるんですよ。マイナーキーで、アッパーミドルテンポで、適度に隙間があって、メロウで、ギターがカッコ良くて、男臭くて‥‥俺が今、このバンドに求める要素の全てがこの曲に凝縮されているんです。名曲。名曲中の名曲。誰が何と言おうと絶対に食い下がらないからね。名曲なんだからさ。

勿論、他にもいい曲が沢山あるし、適度にスピード感がある曲も後半に進むに連れて登場するし、前作に引き続きドレゲンがリードボーカルを取る「One Sound」もある。AC/DC的なノリを持つ「Friends」ではゲストとしてマイケル・モンロー(HANOI ROCKS)、今は亡きジョーイ・ラモーン(RAMONES)、昨年のフジロックにも出演したダンコ・ジョーンズ、タイラ(DOGS D'AMOR)、ニナ・パーソン(THE CARDIGANS)、コリー・クラーク(元WARRIOR SOUL)がそれぞれ数小節分の歌詞を書き、それぞれのパートを自ら歌っていて、コーラスにTHE HELLACOPTERSやL7のメンバーが参加しているという、正に曲名通りの「酒呑み友達によるパーティーチューン」に仕上がってるし、ノリ的に一辺倒だった気がする前作と違いかなりバラエティ豊かに仕上げたように感じます。これもアメリカ人プロデューサー、ジョー・バレッシによるところが大きいのでしょう。そして、そういったことが上手く影響したのか、前作以上に「Roll」しまくってる作品に仕上がった。これもスピードを抑えた結果なのかもしれませんね。

多分、このアルバムも賛否両論激しいんでしょうね。けどそれくらいでいいと思いますよ。全然話題にならない/印象に残らないアルバムではない、強過ぎる程の個性を持った作品集なんだからね。



▼BACKYARD BABIES『STOCKHOLM SYNDROME』
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投稿: 2004 02 27 12:00 午前 [2003年の作品, Backyard Babies] | 固定リンク

2004/01/16

BACKYARD BABIES『TOTAL 13』(1998)

例えば普段「BURRN!」を読んでたりとか、THE WiLDHEARTS系統のバンドに興味を持っている人なら間違いなく知っているバンドなんだけど、逆に「rockin'on」しか読んでないようなUKロック中心に音楽を聴いてるような人には殆ど無名な存在。それが今のBACKYARD BABIESの立ち位置なのかな?なんていう気がしますが、どうでしょうか? 間もなく日本でも4枚目のアルバムをリリースする彼らが、ここ日本でその名前を知らしめることになる第一歩、日本デビュー作(通算2作目)となったのがこの『TOTAL 13』というアルバム。

彼らはスウェーデンの4人組バンドで、既にスウェーデン国内では知らない人はいないと言われる程の知名度。初期のTHE HELLACOPTERSのメンバーでもあったドレゲン(このアルバムリリース前後まで2バンドを掛け持ち)が同じスウェーデンの人気者、THE CARDIGANSのメンバーと共にユニットをやったりしたこともあり、その辺で名前を耳にしたことがあるかもしれませんが、実際にこいつらがどんなバンドなのかを知ってる人‥‥正直、どれくらいいるんでしょうね?

上にも書いたように、THE WiLDHEARTSやTHE HELLACOPTERS辺りと同じ枠に括られることの多いバンドですが、まぁ早い話がパンキッシュだけどポップな要素も存分に備わった暴走ロックンロール・バンドといったところでしょうか。元々はGUNS N'ROSESみたいになりたかったようですが、このセカンドアルバムを聴いていると上記のバンド以外にもMOTORHEADだったりHANOI ROCKSだったりイギー・ポップだったり‥‥そういったバッドボーイズ・ロックンロールの系譜にあるサウンドが爆音で詰め込まれています。疾走感があって、それでいてヘヴィで、だけどメロディアスでポップ。LAのバンドともUKのバンドとも、勿論日本のバンドとも違う。これが「北欧らしさ」なのかどうかは判りませんが、とにかく独特な色を持ったバンドなのは確かで、そのセンスは意外と我々日本人に共通するものがあったりで、何故彼らがここ日本でいち早く受け入れられたかが何となく理解できます。勿論、彼らの成功の陰にはジンジャー(THE WiLDHEARTS)の口コミ等があったのも事実ですが。

THE HELLACOPTERS程ガレージ色が強くなく、THE WiLDHEARTSよりもストレート。そういった意味では、これらのバンドの中で最も成功に近い位置にいるバンドなのも確か。実際、このアルバムの後にメジャーレーベルに移籍、『MAKING ENEMIES IS GOOD』という非常にアメリカナイズされたアルバムも製作された程ですしね(ま、結局現時点においても大成功は収めていないわけですが)。

とにかく。上記に挙げたようなバンドを普段聴いてる人は間違いなくBACKYARD BABIESも聴いてるはずでしょうから、今回はこれまで縁のなかった人に対してオススメしたいと思います。

US産のメロコアに飽き飽きしている人、湿っぽくて暗いUKロックに我慢ならない人、THE HIVESに続く北欧の新星を探している人、「自分世代のGUNS N'ROSESやNIRVANA」を求める10代の子達。そういった人達を満足させる可能性を十分に秘めた存在。それがこのBACKYARD BABIESだと俺は思っています。限られたコミュニティーの中だけでしか話題にされず、これまで日の目を見なかっただけで、今このアルバムを手にしたらきっと‥‥ハマると思うんですよ。ミドルテンポの楽曲中心だった『MAKING ENEMIES IS GOOD』よりも、パンキッシュで疾走感あるこのセカンドの方が伝わりやすいと思うし、実際にここ日本でもこのアルバムを聴いてファンになったっていうミュージシャンも多いようですよ。SADSの清春もこのバンドが好きだと公言してるし(サードでは推薦文も書いてたしね)、元THEE MICHELLE GUN ELEPHANTのチバユウスケも好きみたいで、自身のDJプレイでもこのアルバムからかけたりしてますしね(ってミッシェルは99年に富士急で行われた「OUT OF HELL」で共演してるんだっけ!?)

海外でもそれは同様で、上に挙げたジンジャーやTHE HELLACOPTERSの面々、このアルバムの日本盤やUS盤にもボーナストラックとして収録された「Rocker」という曲でデュエットも果たしたHANOI ROCKSのマイケル・モンローも気に入っているそうだし、生前ジョーイ・ラモーンも何かで彼らに対してコメントしてましたよね。アンダーグラウンドで有名、HM/HR界で有名‥‥そんな狭いカテゴリーの中に収めておくには勿体ない存在。それがBACKYARD BABIESなのですよ。

幸運にもこの1月末~2月頭にかけて幕張と大阪で行われる「SONIC MANIA」への出演も決まり、後は来場した未知の音楽ファンに対していつも通りカッコいいステージをやってくれさえすればいいんです‥‥要は切っ掛けさえさればいいんだから。もしソニマニに行こうと思ってる人で、これを読んで彼らに興味を持ったら、まずはこの『TOTAL 13』を手に取ってみてください。そこで気に入ったら間もなくリリースされる4作目『STOCKHOLM SYNDROME』を聴けばいいんですから‥‥。

とにかく聴けや!



▼BACKYARD BABIES『TOTAL 13』
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投稿: 2004 01 16 12:00 午前 [1998年の作品, Backyard Babies] | 固定リンク

2003/04/21

SUPER$HiT 666『SUPER$HiT 666』(2000)

もしあなたがロックンロール大好きっ子だったなら。そしてそんなロックンロールの中でも疾走感があってノイジーでそれでいてメロディアスでけど最終的には暴力的な、そんなロックンロールを求めているのなら、迷わずこのアルバムを手にすればいいと思います。この6曲入り、約18分に及ぶ爆音の嵐のようなミニアルバムを聴いても何も感じないのなら、きっとあなたは‥‥本当はロックンロールが好きじゃなかったんですよ。ええ、間違いなく。そんなセリフすら出てきてしまう程、とにかく凄いアルバム。

だってね、メンツがハンパじゃないもの。爆走ロックンロールに精通している人なら勿論このバンド(というかユニットですかね)のことはご存じでしょうけど、知らない人の為に紹介しておきますと‥‥ギター&ボーカルにジンジャー(THE WiLDHEARTS / SiLVER GiNGER 5)、同じくギター&ボーカルにドレゲン(BACKYARD BABIES / 初期のTHE HELLACOPTERSのメンバーとしても知られている)、ドラム&ボーカルにニッケ・ロイヤル(THE HELLACOPTERS)、そしてベースにトーマス・スコグスバーグ(BACKYARD BABIESやTHE HELLACOPTERS等を手掛ける、北欧爆走ロック界では有名なプロデューサー)‥‥この4人によって形成されているのが、このバンドSUPERSHIT 666。なんて馬鹿馬鹿しいバンド名だろう。「SHIT」に「SUPER」がついて、更に西洋では不吉な数字といわれる「666(獣の数字とか言ってたな)」まで付けるタチの悪さ。これほどバンド名と音とが一致してることも少ないよね。

元々はTHE WiLDHEARTSを解散したジンジャーが、ドレゲンと共に何かやろうってことになり、だったらニッケも誘おう、そしてどうせなら「ニッケがドラムを叩く姿を見たい」というリクエストから、ENTOMBED(ニッケが'90年代中盤まで在籍していたデスメタル・バンド。途中からTHE HELLACOPTERSをサイドバンドとして結成し、掛け持ちで活動していたが、後に脱退。その後ENTOMBEDは爆走系バンドへと進化していく)時代は素晴らしいドラマーだったことを我々に再認識させるいい切っ掛け作りとなったのでした‥‥こんなイージーな流れで結成され、ほんの短期間で録音され、まず'99年末に日英でリリースされたオムニバス盤「UP IN FLAMES」に"You Smell Canadian"が先行収録され、話題を呼び、'00年初頭にいよいよこのアルバムがリリースされました。

たった6曲しか入っていないと思うかもしれませんが、この6曲がもうメチャクチャ魅力的な曲ばかり。1曲目"Wire Out"の疾走感からしてググッとくるし、2曲目の"Fast One"なんてまんまMOTORHEADの "Overkill" だし(特にエンディングで、まんまのフレーズまで登場する程)、3曲目"Dangermind"はIGGY POPのSTOOGESを彷彿させるノリだし、先述の"You Smell Canadian"なんて、まんまジーン・シモンズが歌ってそうなKISSナンバーだし、後にBACKYARD BABIESによってセルフカバーされた"Star War Jr."もメロディが素晴らしい名曲中の名曲だし、最後の"Crank It Up!"はニューヨークの爆走バンドTHE RODSの爆走カバー。たった18分、アッという間なんだけど、異常に密度の濃い瞬間を味わうことができます。

基本的にはジンジャー、ドレゲン、ニッケの3人がそれぞれボーカルを取り、あるはツインボーカルだったりするんですが、ボーカル自体にかなりディストーション気味のエフェクトがかかっている為、コアなファン以外はなかなか区別がつかないかもしれませんが‥‥聴いてるうちにその違いが見えてくるはずです。ですのでここでは誰がどの曲を歌ってるという解説まではしません(単に俺が面倒なだけ/笑)。けど‥‥THE WiLDHEARTS、BACKYARD BABIES、THE HELLACOPTERSをそれぞれ聴いてきている人なら判るはず。

そうそう、ゲストコーラスで同じくBACKYARD BABIESからボーカルのニッケ・ボルグと、先頃再結成した3 COLOURS REDのクリス・マコーマック(WiLDHEATSのベース、ダニーの実弟)が参加してる点も、爆走系好きにはたまらない要素ではないでしょうか?(ま、一聴しただけでは、ホントにニッケとクリスが歌ってるのか判断出来ませんけどね)

ジンジャーに関して言えば、THE WiLDHEATSの1回目の解散('98年秋)から正式な再結成('01年春)までの数年間に、ソロやSiLVER GiNGER 5のようなバンドを結成して活動してきましたが、結局このSUPERSHIT666での仕事が一番優れた内容だったというのは、何だか皮肉というか‥‥ま、脇を固める(というか、ここではあくまでジンジャーが脇役なんですが)ニッケ・ロイヤルもドレゲンもクセの強いシンガー/ソングライターですからね。それが見事に化学反応を起こした成功例といえるでしょう。ジンジャー自身は今後もSUPERSHIT 666としてフルアルバムを作りたいという構想があるようですが、なかなか全員のスケジュールが揃わないのと、興味をそれ程持ってないメンバーがいる(苦笑)点等でなかなか上手くいかないようですね(だってグラマラスなハードロックを嫌うニッケがいるのに、ジンジャーは「ベースにニッキー・シックス(MOTLEY CRUE)を起用したい」とか宣ってるんだからさぁ)。ま、今後また新しい音源が聴けるようなことがあれば、それはそれで万々歳ですけどね!

たった6曲入り、20分にも満たない作品集なのに、2000年の10枚に選んでしまう程、このアルバムには「ロックの何たるか」が濃縮されて詰まってます。傑作。つうかこれ以上の解説はいいから、みんなCD屋に走りなってば!



▼SUPER$HiT 666『SUPER$HiT 666』
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投稿: 2003 04 21 04:57 午後 [2000年の作品, Backyard Babies, Ginger Wildheart, Hellacopters, The, Super$hit 666, Wildhearts, The] | 固定リンク

2001/06/19

BACKYARD BABIES『MAKING ENEMIES IS GOOD』(2001)

BACKYARD BABIES(以下BYBと略)通算3枚目、まる3年振りと「3ずくめ」な ニューアルバム。プロデュースは前作同様、「爆走ロケンロー界にこの人あり」なプロデューサー、トーマス・スコグスバーグ(初期THE HELLACOPTERSのプロデュースやSUPER$HiT666のベース&プロデュースで有名)。今回からレーベルを「BMG」に移したことによって、よりワールドワイドな展開を図ろうと考えているらしく、レコーディングもストックホルムの他にアメリカ(あのYOSHIKI所有のスタジオだとか)やイギリス等で行われた。更にミックスには有名どころのランディ・ストーブ(ボブ・ロックの愛弟子でMETALLICAやBON JOVIのミックスを手掛ける)とジョー・バレッシを起用。プロモーションにもかなり力を入れているようで、既に母国スウェーデンでは初登場ナンバー1を記録し、これからイギリスやアメリカでも売り出そうと気合い十分。

さて、このアルバムを最初聴き始めた時‥‥「あちゃ~」と正直思った。BYBの良さが十分活かされていないと思ったのだ。BYBといえば、あの活きのいい爆走ぶりと湿り気のある哀愁のメロディー。それがいきなり1曲目「I Love To Roll」‥‥ミディアムテンポの、カラッとした音作り。めちゃくちゃアメリカンな空気感なのだ。しかも続く2曲目「Payback」も同じテンポ。聴く前から「今回はどんな暴れっぷりなんだろう?」と期待してたので、肩すかしを食らう。3曲目「Brand New Hate」になってようやく「らしさ」を感じられるようになるのだが、これってジンジャー(THE WiLDHEARTS)が作曲に絡んでるんだ? 聴きようによってはWiLDHEARTSっぽいなぁ‥‥その後もアルバムはミディアム中心に進んでいく。「うわぁ~かったるいかも」なんて思ってしまったが、いざ15曲(本編13曲、ボーナストラック2曲)を聴き終えた時はなんと‥‥充実感でいっぱいだったりした。「ああ、これでいいのか」って。

実は俺、BYBって好きだけど‥‥これまでは、そこまでのめり込む程ではなかった。前作『TOTAL 13』はいいアルバムだと思うし、実際よくできた曲が多くて今でも聴くことが多いのだけど‥‥アルバムとして考えると、ちょっと辛いなぁって思うことが多々あって。本来の持ち味である「疾走感のある爆走ロケンロー」は好きなんだけど、ずっと攻めてばっかりというイメージが強くて、ボーナストラックを除く13曲を聴き終えた時点で、止めてしまうことも多かった。「何だよこいつ、結局BYBの良さを何も判ってないんじゃないの!?」と思われるかもしれない。いや、実際そうかもしれない。そこまで爆走ロケンローに強い思い入れがあるわけでもないし(そういえば俺、初期HELLACOPTERSに対しても、多くの人が特徴として挙げる点が好きではなかったしなぁ)、単純に曲がよくてカッコイイから好きなわけで。そういう意味では昨今のメロコアとかと同じ扱いかもしれないな、俺にとって。

そういう点からすると、実は今回のアルバムって「俺好み」な作りだったんだわ。最初は先入観があったから面食らったけど、トータルとして今までの彼らのアルバムで一番楽しめるものとなった。

曲に関しては、文句つけようがないだろう。ミディアム~スロウが大半を占めるが、やはりそこはBYB。重いし、それなりに殺傷力がある(他の爆走バンドとはタイプが違うが)。メロディーは文句なしにポップだし、ドレゲンのギターも相変わらずいい味出してる。特に今作はニッケ・ボルグのボーカルが非常にいい感じだ。掠れ具合やブレスがマイケル・モンローっぽくて、俺的には大絶賛。しかも今回、特に実感したのは‥‥楽曲がかなりHANOI ROCKS的だということ。このアルバムからボーカルだけ消してマイケルに歌入れ直させたら、完全にマイケルのソロとして成立すると思う(けどハノイにはならないと思う、残念ながら)。特に12曲目「Painkiller」や4曲目「Colours」みたいなバラードタイプの曲、ぴったりだと思うのだが。

音の質感は今までで一番ビッグプロダクション‥‥というか、メジャーのそれなのだ、今回。ミックスもかなりアメリカンなカラッとした印象で、それが湿り気のあるメロディーに相反して浮いてるのかというと、意外とそうでもない。メロコアのそれ、とまでは言わないが、意外と共通するものはあると思う。そういえば、初回特典として封入されていたイラストステッカーだが、これ恐らくOFFSPRINGなんかのジャケットを描いてる人の作品だと思うのだが‥‥そうか、きっとそういう売り出し方をしたいんだな?

俺は「売れよう」「売れたい」と思うことはごく自然なことだと思うので、否定しない。まぁ前作までのような音で大成功してくれたら、それはそれで痛快だとは思うが‥‥これは売れる音だと思うし、売れなきゃいけないと思う。いや、レコード会社は売らなきゃいけないと思うよ、マジで。そこまでの思いを込めて作られたアルバムだと思うし。だってレコーディングに1年費やしてるんだからさ。

そうそう、このアルバムの話題のひとつとして挙げられるのが、SUPER$HIT666でお馴染みの「Star War Jr」のカヴァー。BYBバージョンはシンプルに「Star War」ってタイトルに変わってるが、アレンジなどはそのまんま。ボーカルもこの曲のみドレゲンだし。ただ、やっぱりS$666バージョンを先に聴いてることと、あの爆走ぶりが素晴らしすぎたので、どうもBYBバージョンの方は「ごく普通の仕上がり」という印象を受ける。とはいっても、これも高水準なんだけど。

さて、タイトルにも書いたように‥‥ドレゲンはこのアルバムのことを「21世紀の『APPETITE FOR DESTRUCTION』だ!」は言ってるらしい。『APPETITE FOR DESTRUCTION』とはご存じの通り、GUNS N'ROSESが1987年にリリースしたデビューアルバムのこと。確かドレゲンは前作の時も同様の発言をしていたような気がするが‥‥このアルバムが内容的に『APPETITE FOR DESTRUCTION』に匹敵するとは正直思えないが(それだけ思い入れも強いアルバムだし、時代背景も違うからね、比べようがないってのが正直な気持ちなんだけど)、それに匹敵するだけのセールスをアメリカで記録できる‥‥その可能性だけは十分に秘めた1枚だと思う。まぁロックが売れる時代ではないので、それ相当の覚悟が必要だと思うが(徹底したプロモーションにハードなツアー)。これだけいいアルバムを作ったんだから、何とかして結果を出してもらいたい。折角「天下無敵!」なんて邦題つけてもらったんだからさぁ?

最後に‥‥このアルバムって、やっぱり前作までの疾走パターンの楽曲が好きだって人にはイマイチって映るのかな? 俺はね、この『MAKING ENEMIES IS GOOD』ってそれまでの2枚のアルバムにはないものがあると思う。それこそがこの新作の魅力だと信じている。

「ROCK」はあっても「ROLL」があるのか?


全てはそこだと確信している。



▼BACKYARD BABIES『MAKING ENEMIES IS GOOD』
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投稿: 2001 06 19 12:00 午前 [2001年の作品, Backyard Babies] | 固定リンク