2017/03/20

RED DRAGON CARTEL『RED DRAGON CARTEL』(2013)

HAREM SCAREM、オジー・オズボーンと続いたので(『TRIBUTE』は3月19日に紹介しようとは決めていましたが、その前にHAREM SCAREMを取り上げるというこの流れは意図的ではありませんでした)、今回はその2つが絶妙な形で合体したRED DRAGON CARTELを紹介したいと思います。

RED DRAGON CARTELはオジー・バンドの二代目ギタリスト、ジェイク・E・リーがBADLANDSの2ndアルバム『VOODOO HIGHWAY』(1991年)以来22年ぶりに本格始動させたバンドRED DRAGON CARTELの1stアルバム。日本では2013年12月、海外では2014年1月にリリースされています。アルバムではHAREM SCAREMのドラマー、ダレン・スミスが大半の楽曲でボーカルを務めていますが、4曲でゲストボーカルも採用。「Feeder」にはロビン・ザンダー(CHEAP TRICK)、「Wasted」にはポール・ディアーノ(元IRON MAIDEN)、「Big Mouth」にはマリア・ブリンク(IN THIS MOMENT)、「Redeem Me」にはサス・ジョーダンと男女/ジャンル問わずさまざまなシンガーがジェイクの楽曲を歌っています。

1曲目「Deceive」の冒頭、オジーの「Bark At The Moon」を彷彿とさせるカミソリギターリフに歓喜したHR/HMリスナーは非常に多いのではないでしょうか。僕も間違いなくそのひとりで、それにつづくダレンのハスキーなボーカル含め非常にカッコよくて「これは期待できる!」とすぐに確信。もちろんその確信に間違いはなく、曲によってはインダストリアル調のアレンジを含むものもありますが、基本的にはジェイクのキャリアを知っている人なら納得できるものばかりでした。しかもBADLANDSで傾倒したブルースロックではなく、オジー・バンド在籍時を思わせる楽曲やプレイも豊富で、「ようやくこっちの畑に戻ってきてくれた!」とアルバムを聴き進めるうちに頰が緩んでいったものです。

「Wasted」でのモダンなアレンジはどことなく最近のオジーにも通ずるものがあるし、「War Machine」なんて完全にBLACK SABBATHリスペクトなアレンジだし。そりゃそうだ、本作のエグゼクティヴ・プロデューサー&ミキサーはオジーの近作を手がけるケヴィン・チャーコなんだから。それにザックはオジーの代表作『BARK AT THE MOON』(1983年)、『THE ULTIMATE SIN』(1986年)のメインソングライターでもあるわけで、“オジーっぽさ”がゼロなわけない。ダレンがライブでもボーカルを務めていることから、この形態がバンドとしては正しいんだろうけど、アルバム制作時はそこまでパーマネントなものとしては考えてなかったから、こういう作品になったのかもしれないですね(そのダレンも一時、バンドを脱退していますし。ますますバンド感が薄いような)。

オジーやサバスが好き、特にジェイク時代が好きという人なら間違いなく気に入る1枚。オジーっぽい曲を女性ボーカルが歌うと……という興味深い試みも楽しめますし。バンドっぽさは本当に希薄だけど、HR/HMファンならジェイク・E・リーというアーティストの実験の場として素直に受け入れられるはずです。



▼RED DRAGON CARTEL『RED DRAGON CARTEL』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2017 03 20 12:00 午前 [2013年の作品, Badlands, Cheap Trick, Harem Scarem, Ozzy Osbourne, Red Dragon Cartel] | 固定リンク

2017/02/05

BADLANDS『BADLANDS』(1989)

『BARK AT THE MOON』(1983年)、『THE ULTIMATE SIN』(1986年)とオジー・オズボーンのアルバム2作にギタリストとして参加したジェイク・E・リーが、オジーのもとを離れて結成したのがこのBADLANDSというバンド。1989年に本作『BADLANDS』で華々しいデビューを飾ります。

当時のメンバーはジェイクのほか、レイ・ギラン(Vo)、グレッグ・チェイソン(B)、エリック・シンガー(Dr)。レイはバンド脱退後の1993年に死去、エリックは本作のツアー後にバンドを離れ、アリス・クーパー・バンドを経てKISSに加入します。

さて、1989年初夏にリリースされた本作。ジェイクがリーダーシップを取るバンドということで、『BARK AT THE MOON』や『THE ULTIMATE SIN』のようなサウンドを想像したと思いますが、全体を覆うのはアメリカ南部の香りがするブルースベースのハードロック。ロバート・プラントばりのハイトーンボーカルを聴かせるレイ・ギランの個性を生かしつつ、ジェイクはソロ以外では弾きすぎない、曲ありきの作品作りに挑んでいます。

とはいえ、そこはジェイクのこと。印象的でカッコいいギターリフから始まる「High Wire」から始まり、ラジオやMTVでのウケを狙ったポップな「Dreams In The Dark」、曲中のインタープレイにゾクゾクする「Winter's Call」など、随所でジェイクならではのギタープレイを楽しむことができます。これも全部、かっちりとベースを固めるリズム隊と圧倒的迫力のボーカルがあってこそ好き放題弾けるというもの。もちろん楽曲自体の出来も水準以上なので、単なる「ギタリストウケを狙った作品」で終わらずに済んでいます。

曲間に入るアコースティック小楽曲「Jade's Song」もあれば、bayfm『POWER ROCK TODAY』のジングルでもおなじみのアップチューン「Hard Driver」もあるし、ハネ気味のリズムが心地よいブルースナンバー「Rumblin' Train」、LED ZEPPELINを現代的なアレンジで再現させたような「Devil's Stomp」、スローブルース調バラード「Seasons」、グルーヴィーな「Ball & Chain」もある。ブルースを軸にしたハードロックナンバーの数々は、確かにそれ以前のジェイクのカラーとは異なるけど、これはこれで最高にカッコいいと思うんです。

続く2ndアルバム『VOODOO HIGHWAY』(1991年)では本作に若干あったモダンさが減退し、より土着的なサウンドを聴かせてくれるのですが、リリース翌年にバンドは解散。1998年には3rdアルバム制作に向けて録音されたデモ音源をベースにした未発表曲集『DUSK』も発売されています。残念ながらBADLANDSの作品は廃盤になっているものが大半なので、中古で見つけたら必ずゲットしておくことをオススメします。



▼BADLANDS『BADLANDS』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2017 02 05 12:00 午前 [1989年の作品, Badlands] | 固定リンク

2005/07/13

寝る前にこれ聴け!(3)

 えーっと、急ではありますが、9月18日(日/祝前日)にDJイベントやります。「AIN'T IT FUN」とはまた違った、濃ゆいイベントです‥‥題して「MOTLEY CRUE NIGHT」というクラブイベントを‥‥11月のモトリー・オリジナルメンバーでの来日を記念して、HM/HRややさぐれロケンローを中心としたイベントを一晩中やります。詳細はまた後日に発表しますが、メタル熱復活がこんなところにまで影響を及ぼそうとは‥‥怖いです自分でも。

 そんな感じで、11月の「AIN'T IT FUN」Vol.2まで、こちらのイベントで楽しんでください。遊びなし、相当マジな内容でいきますんで。

 さて本題。まだまだ続く「夜のオカズ」。 今夜のテーマは「1989年のスーパーグループ」です。


・BLUE MURDER「BLUE MURDER」('89)
 ジョン・サイクス(元THIN LIZZY〜WHITESNAKE等)、カーマイン・アピス、トニー・フランクリンという鉄壁のトリオによるデビュー盤。本来はドラムがコージー・パウエル、ボーカルにレイ・ギランが入るはずだったんだけど、いろいろあってこの3人で落ち着いたのね。
 とにかく、モダンでテクニカルなハードロックが聴けます。WHITESNAKE程湿っぽくなく、乾いた感じが曲から漂ってます。ちなみにボブ・ロックのプロデュース。ホント、正に「ギターアルバム」といった印象。今でも好きな1枚。


▼BLUE MURDER「BLUE MURDER」(amazon


・BADLANDS「BADLANDS」('89)
 元オジー・オズボーン・バンドのジェイク・E・リーによるニューバンド。ボーカルがBLUE MURDERをクビになったレイ・ギラン、ドラムにその後KISS入りするエリック・シンガーがいたりで、興味深い。
 ジェイクの「らしい」ストラト・サウンドが魅力的。意外にもZEP的ブルーズ・ロックが好きだということがここで判明、ボーカルもロバート・プラントばりのハイトーンで対抗。凄く時代を感じさせる1枚じゃないかな。久々聴いたらホント良かった。


▼BADLANDS「BADLANDS」(amazon


・MR.BIG「MR.BIG」('89)
 元TALAS〜デイヴ・リー・ロス・バンドのビリー・シーン、元RACER-Xのポール・ギルバートによるニューバンド。ボーカルはVAN HALENにも誘われたことのあるエリック・マーティン。
 まだMR.BIGが「Big in Japan」になる前の、本当の意味での「ルーツロック」的な音を鳴らしてた名盤。ギター&ベースによるユニゾンプレイもさることながら、とにかく曲が良い。その後のポップ路線とは違った、枯れつつも派手という相反する要素を見事に融合した1枚に仕上がってる、と思う。評価的には2ndなのかな、やっぱり。けど "Anything For You" がある時点で、俺的にはこっちの方が上。まだポール・ギルバートの色が濃く表出する前の、「ビリー・シーンのバンド」だった頃の、輝かしき1枚。


▼MR.BIG「MR.BIG」(amazon


 というわけで、同期デビューの「有名プレイヤーによるスーパー新人バンド」を集めてみたんだけど、BADLANDSが久々聴いたらすげーカッコ良かった!

投稿: 2005 07 13 11:00 午後 [1989年の作品, Badlands, Blue Murder, Mr. Big] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック