カテゴリー「Beatles, the」の9件の記事

2019年1月 8日 (火)

THE BEATLES『ABBEY ROAD』(1969)

1969年秋にリリースされた、THE BEATLES通算11枚目のスタジオアルバム(のちに公式作品化された『MAGICAL MYSTERY TOUR』を除くと10枚目)。発表は次の『LET IT BE』(1970年)のほうが後ですが、レコーディング自体は『LET IT BE』のセッション(“Get Back Sessions”)を経て行われているので、こちらが正真正銘のラストアルバムと言われていました(その後、新たに1970年の音源が見つかり、改めて『LET IT BE』がラスト作に)。当然ながらアメリカやイギリスではNo.1を獲得しており、特にアメリカでは現在までに1200万枚を超える最大のヒット作となっています(1968年発売の前作『THE BEATLES』は1900万枚を売り上げていますが、こちらは2枚組なので実質950万セットということになります)。

上記のように、“Get Back Sessions”で手応えを得られなかったビートルズは、「最後にしっかりしたアルバムを1枚作ろう」として今作の制作に臨みます。その気合いが、アルバム終盤のメドレー(特に「Golden Slumbers」からの流れ)に表れているように思います。といっても、これはポール・マッカートニー主導で制作されたようなものなので、絶賛しているのがポール自身というのがなんとも(笑)。ジョン・レノンは同メドレーが収められたアナログB面に関しては「雑多で好きじゃない」的な発言を残していましたしね。

じゃあ、アナログA面に当たるM-1「Come Together」からM-6「I Want You (She's So Heavy)」まではどうかといいますと……確かに良いんですよ。ジョン主導のダルなロック「Come Together」は言うまでもなく、続くジョージ・ハリスン作の「Something」といい、ポール渾身のボーカル楽しめるロッカバラード「Oh! Darling」といい、リンゴ・スターらしさがにじみ出たポップソング「Octopus's Garden」といい。そして、A面ラストを締めくくる8分近いヘヴィブルース「I Want You (She's So Heavy)」。後期ビートルズの良い部分が凝縮されているんですよね。

こんな充実しているんだもん、そりゃB面はね……と思いきや、実はB面も素晴らしいのですよ。いきなりジョージの名曲「Here Comes The Sun」から始まり、賛美歌のような美しさを感じさせる「Because」、終わりの始まりそのものな「You Never Give Me Your Money」、その後のメドレーへと良き橋渡しとなる「Sun King」などなど……思えば、B面って「Because」からすでに始まっているんですよね、壮大なメドレーが。特に「Sun King」から「The End」までは、1〜2分の楽曲で切れ目なくつながっているんですから。ジョンもある程度意図していたとはいえ、ポールが我が物顔で自画自賛するのに耐えられず、先の否定的発言につながったのかしら。もし今も生きていたら……いや、やめましょうか、たら・れば話は。

そんなこんなで、どうしても後半のメドレーに目が耳が行きがちですが、個人的にはこのアルバムは「ジョージ・ハリスンの才能が一気に爆発した1枚」と捉えています。すでに前作の時点でその兆候はあったわけですが、この作品の頃にはジョージのソングライティング力はジョンやポールに匹敵するレベルにまで到達していたわけですから。しかも最後の最後に。皮肉なものですね。

そういえば、去年はホワイト・アルバムのボックスセットが後半に発売されましたけど、本作も同様の形で復刻されるんですかね……気になるところです。



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2018年11月23日 (金)

PAUL McCARTNEY FRESHEN UP JAPAN TOUR 2018@東京ドーム(2018年11月1日)

Img_3736おそらくこれが最後の来日なんじゃないかという気もしているので、時間が経ったものの記録として残しておこうかなと。なので、ひっそりと載せておきます(笑)。

ポール・マッカートニーのライブを初めて観たのは、『OFF THE GROUND』(1993年)を携え行われた二度目の来日となった「THE NEW WORLD TOUR 1993」での東京ドーム。そこからしばらく時間が空いて、2010年代に入ってからは2013年以降毎回観てるんじゃないかな(中止となった2015年は日本武道館公演のチケットも確保していましたし)。なので、前回が2017年4月だから1年半ぶりと非常に有り難みがないわけでして。とはいえ、今回は5年ぶりの新作『EGYPT STATION』を引っさげてのツアーですし、それに……毎回毎回思うわけですが、「これが最後の来日かも……」と。特に2015年に体調不良で中止になって以来、その思いはより強いものになり、毎回行くかどうかギリギリまで悩みながらも、なんだかんだで足を運んでしまうという。完全に思うツボですね、はい。

そんなわけで、公演数日前にチケットを購入して東京ドーム2日目へ。年々チケットを買うタイミングがギリギリになっているので、当然座席も回を重ねるごとにステージからどんどん遠くなっていくという。今回なんて、完全なる点空席でしたからね。ま、そのおかげでじっくり座って楽しめたわけですが。

18時半スタートの予定が、なんだかんだで19時前後に会場暗転。ほぼ昨年のツアーと似たような演出のもと、ビートルズの「A Hard Day's Night」からライブはスタート。相変わらず、ライブ序盤の東京ドームは音が小さいな、なんて思いながらビール片手に名曲を堪能していくわけですが……頭4曲終わった時点で、ものすごい既視感に気づくわけです。


「あれ……前回とセトリ、まったく一緒じゃね?」


そうなんです。僕が昨年観た2017年4月28日の東京ドーム公演と、セットリストがほぼほぼ一緒だったのです頭4曲に関してはまったく同じ。そこに『EGYPT STATION』からの新曲を数曲散りばめつつ……ああ(苦笑)。今回のドーム初日はちょっとセトリが違ったようですが、個人的好みは今回のほうだったので結果オーライなんですが。まあ、良い曲、良いセトリはいつ何度観ても楽しいって結論でよろしいのではないでしょうか。

ポール御大の声はまあまあ出てるほう。そりゃあ5年前と比べたら確実に高音の伸びや深みが衰えているものの、それでもキーを下げることなく、ある曲ではベースで、ある曲ではエレキギター、ある曲ではアコギ、ある曲ではピアノ、ある曲ではウクレレと……どんだけエネルギッシュでアクティブな76歳だよ!とツッコミ入れつつ、名曲の数々をビール飲みながら味わいました。

Img_3740「Got To Get You Into My Life」ではブラス隊がアリーナ客席内から登場したり(あれ、ブラスって前回いましたっけ? ちょっと記憶が曖昧)、お客をステージに上げたりと今回のツアーならではの演出もあり。それでも、基本的には前回と一緒。ジミヘンパートも、ジョージ・ハリスンパート(「Something」)もまったく同じで、新鮮味はやっぱり皆無。でも、ビートルズ曲もポールのソロもWINGSナンバーも30年以上何十回、何百回とリピートしてきたものなのに、やっぱり生で聴くと印象が変わってくるんだから不思議です。

そんな僕ですが、やっぱり「Band On The Run」や「Back In The U.S.S.R.」が始まればテンションが上がるし、もはやガンズの持ちネタと化している「Live And Let Die」を聴けば一緒に歌うし、ベタだと思いつつも「Let It Be」や「Hey Jude」には涙腺が緩む。これはもう業みたいなものです。

そして、アンコール。久しぶりに聴く「I Saw Her Standing There」はやっぱりカッコいいし、「Helter Skelter」でのポールのシャウトには鳥肌が立った。で、「Golden Slumbers」「Carry That Weight」「The End」とおなじみのクライマックス。もはや有り難みすら感じなくなったこのエンディングも、やっぱり生で観たらジワジワくるから不思議。これはもう、DNAレベルで感動することが刷り込まれているんでしょうね。だったら仕方ない。

ライブ中盤で披露された「From Me To You」にはさすがにグッと来ましたし(そこから続く、前回も演奏した「Love Me Do」もしかり)、「Maybe I'm Amazed」は何度聴こうが色褪せることのない名曲中の名曲だし。そういったロック/ポップスの50年史を今もこうやって生で楽しめるのは、なんだかんだで幸せ以外の何者でもないわけです。また来年も来日するんじゃないかとか、毎回一緒なのに劣化したポールに2万近く払うのはいかがなものかとか、いろいろ意見があるのもわかります。けど、それでも足を運んでしまうのは、なんと言おうと業なのです。だから、毎回毎回「これが最後」と思いながらも高いチケット代を払って、会場でビールを飲みながら歌い楽しむ。そういう接し方が自分には合っているのかなと。

それともうひとつ。これは完全に個人的事情ですが、自分は数年前に耳を患い、その際ビートルズが雑音にしか聞こえず「これはもうライター引退なのかな……」と本気で泣いたことがありました。それを思えば、こうやって来日のたびにライブに足を運べるのはラッキーなことだし、「人生みっけもん」だなと。「ああ、まだこの曲で感動できるんだ」と確認しに東京ドームまで足を運んでいる気すらします。この気持ちだけは絶対に忘れたくないな。そういう意味では、現在のスタンスの原点を確認しにいく作業の一環でもあるのかもしれません。


[SETLIST]
01. A Hard Day's Night
02. Junior's Farm
03. Can't Buy Me Love
04. Letting Go
05. Who Cares
06. Got To Get You Into My Life
07. Come On To Me
08. Let Me Roll It
09. I've Got A Feeling
10. Let 'Em In
11. My Valentine
12. 1985
13. Maybe I'm Amazed
14. We Can Work It Out
15. In Spite Of All the Danger
16. From Me To You
17. Love Me Do
18. Blackbird
19. Here Today
20. Queenie Eye
21. Lady Madonna
22. Eleanor Rigby
23. Fuh You
24. Being For The Benefit Of Mr. Kite!
25. Something
26. Ob-La-Di, Ob-La-Da
27. Band On The Run
28. Back In The U.S.S.R.
29. Let It Be
30. Live And Let Die
31. Hey Jude
<ENCORE>
32. I Saw Her Standing There
33. Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise)
34. Helter Skelter
35. Golden Slumbers
36. Carry That Weight
37. The End


2018年1月 8日 (月)

THE BEATLES『THE BEATLES (THE WHITE ALBUM)』(1968)

1968年11月に発表された、THE BEATLES通算10作目のオリジナルアルバム(のちに公式作品化された『MAGICAL MYSTERY TOUR』を除くと9枚目)。彼らにとって初の2枚組作品で、全30曲が93分にわたり収録されています。また、ジョン・レノンポール・マッカートニーの楽曲のみならず、ジョージ・ハリスンが4曲、リンゴ・スターも1曲書き下ろしており、特にレノン&マッカートニーとハリスンノ個性が色濃く表れた意欲作、いや、異色作に仕上がっています。

「ホワイト・アルバム」の愛称で知られる本作は、オリジナルアルバムでいうと前作『SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND』の次の作品ということで、タイミング的にはライブ活動を停止してスタジオワークに没頭していた時期。前作はロックバンドのフォーマットにこだわらない、サイケデリック感を強調したポップアルバムでしたが、今作ではロックバンド感が復活。冒頭の「Back In The U.S.S.R.」や「Birthday」はライブを想定したかのようなドライブ感を味わえます。かと思えば、「Happiness Is A Warm Gun」みたいに1曲の中に複数の楽曲が存在するかのようなアレンジのロックチューンがあったり、「Helter Skelter」のようなハードロックまで存在する。もう、本当にやりたい放題。才能の爆発ってこういうことを言うんでしょうかね。


(本作収録の「Revolution 1」とはバージョンが異なりますが、同時期の作品ということで)

もちろん、ポップな楽曲も健在で、ポールによる「Ob-La-Di,Ob-La-Da」「Blackbird」、ジョンによる「Julia」みたいな楽曲もある。かと思うと、完全なるコラージュナンバー「Revolution 9」があったりで、もう支離滅裂。アルバムとしての構成がどこまで生かされているのか、怪しいったらありゃしない。

そんな中で、個性を一気に開花させているのがジョージ。エリック・クラプトンをリードギターに迎えた「While My Guitar Gently Weeps」や美しいアコースティック感とサイケデリックさが混在する「Long, Long, Long」など、オリジナリティあふれる楽曲を多数用意し、レノン&マッカートニーの暴走に追いつこうとしています。

いわゆるシングルヒットナンバーは皆無だし(国によっては「Ob-La-Di,Ob-La-Da」と「While My Guitar Gently Weeps」が両A面でシングルカットされたようですが)、全部を理解しようとすると頭が混乱するけど、実は過去50〜60年のロック史/ポップミュージック史のすべてがここに凝縮されているんじゃないか、ここに青写真が存在するんじゃないかと思うわけで。誰も彼もが好き放題すればこれができるってわけではないし、もちろん狙って作れるものでもない。あの時代に、あの4人の個性が爆発したからこそ奇跡的に生まれた。そんないびつな作品集なんじゃないでしょうか。



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2017年6月14日 (水)

THE BEATLES『SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND』(1967/2017)

THE BEATLESが今から50年前の1967年5月26日(UK。USでは6月2日)にリリースした、通算8枚目のオリジナルアルバム。前年をもってライブ活動を停止した彼らが、ライブでの披露を前提とせず、ひとつのスタジオ作品としてとことん作り込んだ最初の作品が本作でした。

……なんて説明は今さらいりませんよね。

思えばビートルズの諸作品が初CD化されたのが、本作がリリースされてから20年後の1987年。それ以前は当然のようにアナログ盤だったわけで、今みたいに「これが正規のオリジナルアルバム」という概念が国によって異なったり、アルバム未収録のシングル曲を集めた編集盤がたくさん出ていたりで、正直どれから聴いていいかわからなかったというのが中学生時代の自分。結果、オリジナルアルバムではない編集盤を最初に手に取ったわけですが、高校に入ったと同時にこのCD化。当然周りの自称・ビートルマニアな友人から『PLEASE PLEASE ME』や『WITH THE BEATLES』のCDを借りて、カセットにダビングして聴いていたのです。

で、ちょうど夏くらいにこの『SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND』がようやくCD化。当時の音楽誌などで「ビートルズの最高傑作」なんて触れ込みもあり、最初に買うならこれにしようと、夏休みのバイト代から本作を購入。つまり、僕が初めて購入したビートルズのCDが本作だったわけです。

いわゆるヒットシングル皆無、初期の「She Loves You」や「Help」とも違うし、「Yesterday」や「Let It Be」ともちょっと違う。今ならサイケデリックがなんちゃら〜と言語化できるけど、あの当時は「Lucy In The Sky With Diamond」の浮遊感も「Within You Without You」のインドっぽさも、どこかコミカルな「When I'm Sixty-Four」の魅力にも、そしてラストの「A Day In The Life」のすごさも理解できておらず。ただ、オープニングの「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」のガレージロック感?にはカッコ良さを見出し、そこを何度もリピートしていたものです。

その後、何度も聴き返すうちにメロディが頭に入ってきて、気づいたらアルバムをまるごとリピートして聴き返していた。けど、周りのロック仲間には勧めることなく、ひとり家で聴いていた……そんなアルバムでした。

初版のCDは今でも家にあるし、その後の最新リマスター盤も購入。そしてつい先日、本作の最新ステレオミックス盤+未発表テイクからなる50周年記念エディションも発売。つまり、初めて聴いてから30年近くもの歳月が流れたわけです。ひぃ。

最初のリマスター盤のときにも音の分離の良さに驚かされましたが、今回はそれに加えて低音がかなり効いたミックスに。ドラムとベース(特にバスドラの鳴り)の質感・バランスがより現代的になったことによって、とても50年前の音とは思えない仕上がりに変わったように感じました。「A Day In The Life」冒頭のアコギの繊細な鳴りなんて、すごく今っぽいしね。

と同時にこのアルバムの音、現代のテクノロジーで真似ようと思っても再現できないんじゃないだろうか……と思わせられる、改めて奇跡の音なんじゃないかなと久しぶりに聴き返して実感しました。

僕が購入したのは、2枚組仕様のほう。さすがに“ハコ”のほうは断念しました。ディスク2にはアルバムの未発表テイクをたんまり収録。『ANTHOLOGY』シリーズの延長として楽しみましたが、どういう過程を経て完成品となっていくのかが伺えて、それはそれとして面白かったです。音もスタジオ盤より生々しさが強まっていて、個人的には好み。ですが、もちろん万人にはオススメしませんけど。

あと、ラストに収録されている「Strawberry Fields Forever」(こちらは2015年発売『THE BEATLES 1』リマスター盤のステレオミックス)と「Penny Lane」(こちらは最新ステレオミックス)はやっぱり素晴らしいと思います。『THE BEATLES 1』リマスター盤は今でもよく聴いてますが、今後もこの『SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND』デラックス盤とあわせて聴き続けることでしょう。というか、聴き続けます。はい。

と、今回はほぼ思い出話でお届けしました……。



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2004年11月 7日 (日)

とみぃ洋楽100番勝負(81)

●第81回:「Here Comes The Sun」 THE BEATLES ('69)

 凄くアホっぽい話かもしれないけど、俺は専門学校にBEATLESで入学して、BEATLESで卒業したようなもんなのね、マジな話。

 入学の推薦試験での面接で、如何に自分がBEATLESを、そしてジョン・レノンを愛してるかを力説した時に、面接官に「何か歌える?」みたいに挑発されて思わず歌った "Imagine"(丁度'91年の湾岸戦争時)といい、卒業の課題で弾き語りをした "Here Comes The Sun" といい‥‥全部繋がってるんだよね、この頃の俺にとって。

 勿論 "Here Comes The Sun" はジョンの曲ではなくて、ジョージ・ハリスンがBEATLESの事実上最後の録音作品集となった「ABBEY ROAD」の中に残した1曲。この曲は'91年の秋にジョージが来日して東京ドームでやったライヴでも演奏されてて、そこで触れて「畜生、なんていい曲なんだよ!」って驚いた1曲。この頃、まだ「ABBEY ROAD」って聴いてなかったんだよ。んで、すぐにアルバム買って聴いて‥‥

 ジョージは決して目立った存在じゃなかったし、ソングライターとしても遅咲きだったんだよね。中期以降、どんどんと個性・実力をつけていって、「ホワイト・アルバム」前後で開花して、最後の最後に "Somethings" と "Here Comes The Sun" という名曲を残すんだから‥‥個人的にはアルバム後半のメドレーやジョンの楽曲も(勿論ポールのもね)素晴らしいと思うんだけど、やはりジョージの曲があるとないとでは大きな違いだな、と。それくらいジョージの個性ありきの1枚だと力説したい。

 卒業も決まって、1月から暇を持て余してた俺は、まぁ既にバイトしてたんだけど(就職しないでバンドで食ってくって決めてたからね)、冬期講座をわざわざ取ってさ。その中に「BEATLESで学ぶ英語講座」みたいな講義があって。毎回彼等の曲を1〜2曲取り上げて、それを解釈しながらリリース当時の歴史やBEATLESのことを学んでいき、最後に外人講師のギターに合わせてみんなでその歌をうたう‥‥そういう講義。面白いでしょ?

 で、最後の課題で「好きな曲を、好きな形で歌ってください」というのがあって。俺が選んだのがこの曲だったと。丁度バンドのレコーディング時期と重なっててさ。早朝からバイト、午後遅くに講義、夜から深夜までレコーディングみたいな生活が半月くらい続いたけど、本当に思い出深い1曲になったな、と。

 だからこそ‥‥ジョージの死には相当なショックを受けましたよ。丁度今頃だよね‥‥もう3年近く経つのかな‥‥久し振りにアコギを引っ張り出して、弾き語ってみようかしら‥‥



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2004年10月 9日 (土)

とみぃ洋楽100番勝負(51)

●第51回:「Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band」 THE BEATLES ('67)

 そうそう、俺が高校1年の時に初めてBEATLESの全オリジナルアルバムが初CD化されたんだよね。CDってものが普及し始めてきて、このCD化が切っ掛けで更に一般的になっていったような‥‥CDラジカセなるものが普及し出したのも、多分この頃からだったんじゃなかったっけ? よく身の回りに「CDラジカセ+BEATLESのCD」っていう組み合わせ、多かったし。

 んで、'87年の春頃から毎月2枚くらいずつ、ファースト「PLEASE PLEASE ME」辺りからCD化されてくんですが‥‥夏頃かな、このアルバムがリリースされたのって。凄いインパクトだったんでよく覚えてるよ。だって、俺が初めて買ったBEATLESのCDがこれだから(次が「PLEASE PLEASE ME」)。シングルになったような超メジャー曲は一切入ってない、決して最初に手を出すような代物ではなかったんだけど(ま、それまでにBEATLESはベスト盤とかで知ってたけどね)、妙に「発売25周年記念で初CD化!」みたいな煽り文句にやられてね‥‥今じゃ全然珍しくない紙サックケースと別冊ブックレットが凄く豪華に映ってね。

 ‥‥で、このサイケな世界にわずか16才の俺はやられちゃうわけですよ。そりゃまぁ、その前にLED ZEPPELINとかジミヘン辺りでそういった世界に魅せられてたってのもあるんだけど、その究極型でしたね、これは。アルバム1枚まるごとで1曲みたいな作りだし、所謂「コンセプト・アルバム」ってものを聴いたのもこの時が初めてだし。プログレに魅せられるのはもうちょっと後だしね。

 けどさ。それ以上に衝撃だったのが‥‥BEATLESってこんなにカッコいいロックンロールバンドだったんだ、ってことを認識できたことかな。このアルバム冒頭の1曲目のカッコいいことといったら‥‥俺がその後、グラムとかそういった方面に進んでいくのは、もしかしたらこのアルバムの影響も強いのかもしれないね。それくらいこの頃の俺にとって重要な1枚。少なくとも、「ABBEY ROAD」とか「REVOLVER」を聴くまでは、これがBEATLESの最高傑作だと信じて疑わなかった程だから。



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2004年8月23日 (月)

とみぃ洋楽100番勝負(4)

●第4回「She Loves You」 THE BEATLES('63)

 多分初めて「BEATLES」というものを意識して聴いたのがこの曲であって、初めて買ったBEATLESのレコードのA面1曲目がこの曲だった、と。

 BEATLESは自分の人生の節目節目に自分内でムーブメントを作ってきてるんだけど、多分一番最初のムーブメントを作ったのがこの頃の曲。所謂「初期のポップで勢いのあるロックンロール」路線ね。ま、耳障りが良くて勢いのある曲が、小学生だった自分にフィットしたんでしょうね。

 MONKEESの後、やはりどうしても「BEATLES」という名前が自分の前に立ちはだかってね。小3〜4の頃か。当時の「おはスタ」でもMONKEESと対で取り上げられてたしね(そう、当時はこういうのも取り上げてたのよ、子供番組で)。

 オリジナルアルバム未収録のこのシングルナンバーですが、当時はまだアナログ時代で、日本オリジナル編集のアルバムってのが沢山あったんですよ。で俺が買ったのが「ベスト30」とかいうシングル曲30曲が入ったベスト盤。勿論オールタイム・ベストね。だから端折ってるヒット曲も多いんだけど、まぁ入門編にはもってこいかな。10年くらい前にアナログ盤が再発された記憶があるけど‥‥

 ジョンもポールも凄いと思ったけど(ジョージの凄さに気づくまでにはあと10年近くかかるわけですが)、当時一番の衝撃はズバリ、リンゴの独特なリズム感だったと。それだけはよーく覚えてるよ。

 多分BEATLESは100曲の中に何曲かランキングするんだろうな‥‥って今これ書いてる時点では、まだ100曲全部決めてないのよ。その時の行き当たりばったりだから。



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2003年12月 3日 (水)

THE BEATLES『LET IT BE...NAKED』(2003)

このアルバムを語る上でいろんな情報を書いておくべきなのかもしれないし、むしろそういった事実を踏まえた上で語られるべき作品なんでしょうけど‥‥ゴメン、今日はそういうの、一切抜きで。むしろ今回のは‥‥暴言に近い物言いをすると思うので、読んでて不快に感じる箇所もあるかと思います。予めご了承ください。

さてさて。ビートルズのニューアルバムです。ま、ニューアルバムという言い方に多少語弊があるかと思いますが、実際そういう表現で扱われることが多いのもまた事実。確かに「ニュー」アルバムですよ、これは。

ご存じの通り、33年前にリリースされたビートルズのラストアルバム『LET IT BE』を“本来の形”に近づけたとされるアルバム、それが今回リリースされた『LET IT BE...NAKED』。名前通り、本当に“裸”になったのかどうか‥‥個人的見解を記しておくと、「ドラマ性を持たせ一般流通目的でソフト編集されたアイドルAV」が「ヘア出し中出し無修正!こんな生々しいのが見たかった!的裏ビデオ」という風に編集前の形でリリースされたと思ったら、実際には「ヘアは出てるけど薄ボカシ入り、しかもゴム付きで本番なし!」だった‥‥みたいな感じでしょうか?(非常に判りにくく、且つ下品な例えで申し訳ないッス)

オリジナル(フィル・スペクターがプロデュースしたものを、敢えて「オリジナル」とします)の『LET IT BE』が上記のような「ラストアルバムとして、そしてあの無機質な同名ドキュメント映画のサウンドトラックとして成り立たせる為に、過剰なまでにドラマチックに演出し、尚かつ殺伐さを抑えてウワモノを被せた」作品だとすると、今回の『LET IT BE...NAKED』って本当の意味での“NAKED”ではないですよね。判る人には判ると思いますが、ひとつの楽曲の中にいろんなテイクが混在していて、いわば“サイボーグ”と化してるわけですよ。ブートなんかでも流通していた音源と聴き比べてもそれは顕著で、そういった意味では“作られた裸”‥‥つまり「無修正といいつつ、薄ボカシ入ってるじゃんか!」だとか「ナマ本番とかいって、ゴム付けて、しかも実際には挿入してないし!」といった詐欺紛いの謳い文句だったりするわけです。その辺に対しての憤りみたいなものは、確かに感じます。

けどね‥‥だから何?ってことですよ。じゃあこのアルバムが質の悪いものなのかというと、全然そんなことはなく、むしろこの生々しいミックス(音の粒が粗く、ボーカルがオリジナルよりも前に出てる)は下手なガレージバンドより何万倍もカッコイイじゃないの? 言っちゃ悪いけど、結局オリジナル盤リリースから33年経っても、このアルバムを超えるようなバンド/作品って数える程しかなかったってことなんじゃないの? その駄目押しとしてカッコ良さ重視の編集盤が制作された、と。自分にとってこのアルバムの存在意義、その程度で十分よ。あとは音が全てを物語ってくれるから。

曲の良さについては今更ここに書くこともないでしょう。むしろハードロッキンな「Dig A Pony」や 「I've Got A Feeling」、「One After 999」とか聴いちゃうと、改めて『LET IT BE』っていいアルバムだったんだな、と再確認しちゃうわけよ。装飾をそぎ落とした「Let It Be」や「The Long And Winding Road」については好き嫌いとかあると思うけどね。個人的にはフィル・スペクター・バージョンに慣れ親しんだせいか、あっちの方が好きかも。ただ『LET IT BE...NAKED』というアルバムに関していえば、こっちのテイクで正解だと思うけどね。

最近このアルバムに対して、したり顔で「“NAKED”とかいって編集しまくりだからダメ」とか「結局オリジナルの方がいいに決まってる」とか言ってる人、見かけるでしょ? ちゃんと聴かないでほざいてる奴らは問題外。つうかそんな奴らに「音楽ファン」とか「ロックファン」とか軽々しく名乗って欲しくないね! そしてオリジナルを尊重するあまりに今作を否定する輩。気持ちは判るけど、結局あなた達も「最近のつんく♂はだめぽ、モーニング娘。はもう終わったよ」とかいって今あるもの全てを否定しようとする一部のモーヲタと同類。俺から言わせりゃ同じよ! だってメンバーが『オリジナルアルバム』と言い切ったところで、どうあがいても今作は編集盤以外の何ものでもないわけですよ? ポール・マッカートニーが公式アルバムと言ったから? 冗談じゃない! 「楽しみ方がひとつ増えた」くらいの軽い心構えができないもんかね‥‥。

何度も言うけど、下らない能書きたれて、大して聴きもしないで文句タラタラな奴らなんか信用するな! 自分の耳を信じろ! 自分が良いと感じたもの、それが全てなんだからさ。



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2003年9月21日 (日)

THE BEATLES『LET IT BE』(1970)

最初に取り上げるビートルズのアルバムがラストアルバムとなった『LET IT BE』というひねくれ具合が如何にもうちらしいといえばうちらしいのかなぁ、と。まぁ切っ掛けはこの『LET IT BE』がオリジナルバージョンで蘇るというニュースだったりするわけですが。ファンの間では有名なこのエピソード、その「フィル・スペクター」バージョンの方を今回紹介したいと思います。

つうかさ、高校生の頃からポール・マッカートニーの2度目の来日公演(93年秋)まで日本のファンクラブ(当時は「ビートルズ・シネクラブ」)に入ってたような人間からすれば、彼等の作品で嫌いなアルバムなんてないわけですよ。つうか愚問だってば。ま、そりゃ多少「好き」の度合いや思い入れの違いは生じますけど、概ねどれも10代~20代前半に聴き込んだものばかり。だからここ数年は意識してアルバムを聴き返すというようなことはしてなかったんですよ。『1』も未だに買ってないしね。

というわけで、このアルバム。細かい説明は要らないですよね? そういうの、もっと詳しいファンサイトが沢山あるわけだし、俺よりも知識豊富な人は沢山いるだろうから、俺はちょっと違った書き方をするとしますか。

つうかね‥‥改めてビートルズについて語るのって、何か気恥ずかしいというか‥‥難しいんですわ。ROLLING STONESやAEROSMITHについて書く方がどんなに気が楽か(ま、その割りに全然書こうって気にならないわけですが)。ビートルズについて何か書いてる文章って、どこか気難しそうなのが多いじゃないですか(俺の思い込みかもしれないけど)。だからね、ちょっと変なことでも書こうもんなら吊し上げられそうな気がしてね‥‥被害妄想ですかね? だから敢えて書かない、というのと、何か書きたいという意欲が湧かなかったというのが正直なところでして。

で、何で今になって書いてみようかと思ったのか‥‥勢いってのもありますが、まぁ切っ掛けは上に書いた通り。今なら何か書けるかな、と。で、さっきからずっとアルバムを大音量でリピートしてる最中なんですよ。

あれですよね、このアルバムって要するに時代を先取りした「リミックス盤」なわけですよね。けどそのオリジナルバージョンより先に発表されてしまったという。まぁリミックスという言い方が気に入らないなら「再構築盤」とでもいいましょうか。ライヴ録音に近い音源(中にはまんまライヴ録音もあるわけですが)を完全に他人(それまでの作品作りに携わってこなかった赤の他人)任せで仕上げてしまうという。ミュージシャン本人の想定していたモノとは全く別物が出来上がる可能性が非常に高い、いわば博打仕事ですよね。けど、あの時期(末期)の彼等にはそうせざるを得ない事情があった、と。歴史ってやつは本当に面白い。時にミラクルを起こし、時に残酷であったり。

やっぱり俺にとって「Let It Be」や「The Long And Winding Road」っていうと、このバージョンなんですよね(まぁ「Let It Be」はシングルバージョンもあるわけですが)。ポールが気に入ってなかろうが、俺にとっての、ビートルズの「Let It Be」や「The Long And Winding Road」はこの『LET IT BE』というアルバムに収録されたバージョンなわけですよ。

そういった要素もありつつ、非常に生々しくてダウナーなロックンロールを聴かせてくれるのもこのアルバム。これがバンド末期の悪状況が生んだ産物なのだとしたら、個人的にはこの路線でもうちょっと他の音源を聴いてみたいな。これ以前の数作が非常に作り込まれた作品集であったりメンバー個々の色が濃く現れた楽曲だったりしたのに対して、ここでは痛々しいまでに「バンドとしてのビートルズ」に拘ってるんですよ。で、普通のバンドだったらそれが聴くに耐えないような代物になるはずなのに、やっぱりこの人達は普通じゃなかった。ジョン・レノンとポールのコラボレート(とはいいながらも、どの楽曲も殆どがジョン/ポール単独で書かれたものですが)といい、最後の最後までメキメキと成長し続けたジョージ・ハリスンといい。リンゴ・スターの色が薄いのは、「バンドの一員」としてドラムに徹した結果でしょう。脇を固めるキーボードのビリー・プレストン(他にもストーンズ等で有名)の仕事振りも目を見張るものがあるし。何だかんだ言って、やっぱりいいアルバムだと思うんですよね。

そりゃね、俺の中での重要度合いで語ればそんなに高い位置にいるアルバムではないですけど、こうやってたまに引っ張り出して聴くと何かしら新しい発見があるのがビートルズ。何年経っても、何十回、何百回聴いても聴く度にそういった発見があるバンドなんて、他にどれくらいいるよ? 小馬鹿にしてビートルズを避けて通過する人も多いと聞きますが、これを機にベスト盤ではなくてオリジナルアルバムに手を出してみては如何でしょうか?



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