2000/05/07

BERNARD BUTLER JAPAN TOUR 2000@赤坂BLITZ(2000年2月27日)

バーニーの動く姿は昨年のフジロックで初めて目にした。不幸な事に、SUEDE時代の彼の勇姿はブラウン管の中でしか目にする機会はなかった。何故か‥‥まぁタイミングが悪かったのだろう。結局最初の来日にしか同行してないわけだし。一昨年の単独来日にも足を運んでいない。何故なら、彼のファーストアルバム『PEOPLE MOVE ON』を聴いたのが、彼が帰国した後だったからだ。けど、「次は絶対に!」っていう風にはならなかったのも、また事実。やはり全ては99年のフジロック3日目だ。本人は「調子が良くなかった」と言ってたそうだが‥‥「じゃあ、絶好調のステージはどんな事になってんだ!?」ってくらいに良かったんだけどなぁ、俺にとっては

以前、掲示板でだったか他のアーティストについて書いた時だったかは忘れたが、俺は'90年代を代表する英国3大ギターヒーローとして、元KULA SHAKERのクリスピアン・ミルズ、MANIC STREET PREACHERSのジェームズ・ディーン・ブラッドフィールド、そしてバーナード・バトラーの名前を挙げていたはずだ。いや、もしかしたらバーニーではなく、元STONE ROSESのジョン・スクワイアだったかもしれない。まぁジョンは厳密には80年代末期に登場してるので、ここに入れるべきではないかもしれない。(活躍したのは90年代だから、まぁいいか?)この際、クリスピアン、ジェームズ、バーニーの3人に正式決定させてもらうよ!(笑)彼等の共通点は、①ボーカリスト兼ギタリストである、②リズムギターだけでなく、リードを取らせても天下一品、③スタイルが非常に70年代的、だという事である。多少こじつけの感もなきにしもあらずだが(苦笑)そういう事である。何で俺が彼等を愛するかが、この辺から伺えるかもね?

さって、前置きが長くなったが、1週間前になって急遽決定したライヴ行き。タダ観とはいえ、やっぱり交通費をかけて行くわけだから、それなりのものを見せてもらわないとね?(笑)そんな気持ちで開演時間10分前に会場に到着。インビテーションカードがかなりの数出回っていたと聞いて「そんなに客、入ってないのかな?」と少々不安になったものの、いざスタートしてみれば8割強は入ってたんじゃないの?って印象を受けた。同じ時期に来日してるOASISやPRIMAL SCREAMに食われただの、噂だけはいろいろ耳にしたが、ファン層って被ってないんじゃないの? 唯一、イギリス人ってだけじゃないか、共通項って? むしろジェフ・バックリーや、俺がバーニーの新譜を聴いた時の第一印象として挙げたカナダのロン・セクスミスあたりのファンが足を運んだんじゃないだろうか?(事実、客入れBGMでは両者の曲がかかっていた)そして勿論、SUEDEのファンもね?

ステージ上のメンバーは前回、前々回と変わっておらず、新作もこのメンバーで作られたそうな。その傑作『FRIENDS AND LOVERS』を中心に進行したライヴ‥‥文句なしっ! これ以上、何て言えばいいのさ!?へっ、「こんなのレビューでもレポートでもない!」だって!? 当たり前じゃんか!(爆)いいんだよ、これで。

歌が上手い、ギターも上手い、ルックスがいい、元人気バンドのメンバー‥‥欲しい要素は全て持っている。でも、彼がステージ上でアピールするのは最初の2項目だけ。それも「これでもかっ!」って位にアピールするのではなく、ごく自然に、下手したら地味ぃ~な位にしかアピールしない。なのに聴き手の心の中にしみ込んでくる。「感情に訴えかける音楽」とは正にこの事だろう。時に情熱的に、時に優しさで包み込むように、時に聴いてるこっちまでが悲しくなる位にブルージーに。彼の歌・プレイは正直であり、そして繊細だと思う。だからこそ、それが聴き手にダイレクトに伝わるのだ。

そんな彼の感情が更にダイレクトに伝わったのが、アンコールでのアコースティックセットだった。噂には聞いていたが、こんなにも素晴らしいものだとは‥‥バーニーよりも先走って、お客がキメのパートを唄ってしまう一幕もあったが、それは御愛嬌。そういうのはライヴならではのものだ。微笑ましいじゃないか?(これが嫌!って感じるのなら、家でCDでも聴いてればいい、自分の思い通りに。あの場ではあれは全くうざったく感じなかったな、俺は。それにあれはある種お約束みたいなもんなんでしょ?)

バーニー自身は勿論だが、その彼を支えるバンドのメンバーもまた素晴らしかった。波長が合っているのか、それとも彼が指示してその通りにプレイしてるだけなのか‥‥いや、違うな。間違いなくそれだけの実力を持った強者ばかりだと思う。

きっと彼のやってるような音楽は頂点に立つ事はないのかもしれない。けど、なくなってはいけないタイプの音楽である。ジャンル的にこれを「ブルーズ」と呼ぶには多少語弊があるかもしれないが‥‥こういう音楽こそが、現代における「ブルーズ」なのではないだろうか? エリック・クラプトンだったと思うが、彼はこう言った。「ブルーズとはプログレッシヴな音楽だ」と。そう、型としてのブルーズは保守的かもしれない‥‥けど、これをブルーズの発展系と呼ぶ事は出来ないだろうか?

彼はこの先もずっと、こういうジャンルの音楽を奏でていくだろう。是非そうして欲しいものだ。そして、急激にではなく、地味ぃ~に成長していって欲しいものだ。それが彼にはぴったりだと思うから。ショービズ界の波に巻き込まれず、独自の歩幅で活動していって欲しいものである。


<セットリスト>
01. Friends And Lovers
02. You Must Go On
03. Cocoon
04. You Just Know
05. Change Of Heart
06. I'd Do It Again If I Could
07. It's Alright
08. No Easy Way Out
09. Let's Go Away
10. What Happend To Me
11. Autograph
12. Not Alone
—ENCORE—
13. My Domain (Acoustic)
14. Woman I Know (Acoustic)
15. The Sea (Acoustic)
16. Stay
—ENCORE—
17. More Than I Thought

投稿: 2000 05 07 12:00 午前 [2000年のライブ, Bernard Butler] | 固定リンク

1999/09/10

「FUJI ROCK FESTIVAL '99」DAY 3@苗場スキー場(1999年8月1日)

  無事フジロック・ライブレポ、完結編です。


CATATONIA (at GREEN STAGE / 11:20~12:10)

  SKUNK ANANSIE同様、今回秘かに期待していたのがこのCATATONIA。今年初旬に来日の噂もあったようだが、ようやくこういう形ででも来日してくれたことを嬉しく思う。このバンド、切っ掛けさえあれば絶対にここ日本でも人気が出るはずなのだから。すでに英国ではアルバムがナンバー1、ヒット曲も数々持ち、ライブも満員にしている。が、ここ日本での彼等の知名度はと言えば『カルト的人気のウェールズバンド』『マニックス、ステフォニと同郷』『ヒット曲が「Xファイル」の主人公を歌った曲』とか、その程度のもの。すでに2枚のアルバムを全英ナンバー1にしているというのに。

  この日のタイムテーブルだが、実際には予定より1時間遅れで始まった。俺はちょっと車の中で休んでいてすっかりCATATONIAの事を忘れていて、会場に着いたのは12時半近くだった。が、よく話を聞けば今始まったばかりだと言う

  Voのセリーズ(ウェールズ語ではケリスと読むのか)の男勝りなステージングに多くのオーディエンスが引き付けられている。ワインボトル片手に歌うなんて武勇伝もあるくらいだしな。しかも、演奏がしっかりしてるし、曲も良い。フロントマンがカリスマ的で、バックは‥‥華、一切なし。まぁそこを「今のイギリスらしい」と言ってしまえばそれまでだが。


◎ASH (at GREEN STAGE / 12:40~13:30)

  実は4人編成になってから観るのは初めてだったりする。ただ、いい曲やってるバンドの音が分厚くなった、そしてステージに華がある、ボーカルが歌に集中できる。そういう意味では、ホントに面白いライブだと思った。が、3日目はお客が少なかったせいもあって、最前ブロックでさえ一杯にならなかった。本当に勿体ない。


◎ラフィータフィー忌野清志郎 (at GREEN STAGE / 14:00~14:40)

  忌野清志郎、今回は「ラフィータフィー」という特別なバンドを従えての参戦。2年連続かぁ。前回はいきなり「雨上がりの夜空に」から始まったそうだけど、今回はバンド名と同タイトルのソロアルバムをリリースしたばかりなので、そこからの曲が中心だった。初めて聴く曲ばかりなのだけど、初めて聴いた気がしない曲ばかり。

  バンドメンバーには元村八分のドラマーやあのブームタウン・ラッツのギタリストまで参加してて、それでいて出す音はシンプルなR&R。カッコよすぎ。ラスト前になって登場したのが、現在話題沸騰中の「君が代」パンクバージョン。最初に歌い出しを聴いた瞬間、鳥肌が立った。そして次の瞬間、側にいた人たちと顔を見合わせ大爆笑したよ。だってさ、世間ではやれ「国旗・国家法令案」だので大騒ぎしてるのに、それを嘲笑うかのようなパンクバージョン。しかも村八分のメンバーやイギリス人がバックを支えてるってのも洒落がきいてる。

  この曲のせいでアルバムが発売中止になったりしたけど、何がいけない? だってアメリカではジミヘンが自分の国歌をイカしたバージョンで聞かせてるし、QUEENもイギリス国家、やってるよね? でも今まで、日本で「君が代」をこういう形でプレイしたミュージシャン、いなかったじゃん。そうすることがまるで「ダサい」っていうイメージ、なかった? 清志郎がそれをやってしまった、と。いや、清志郎だからできたんだよ、カッコよくさ。そういう洒落が判らない人間がレコード制作に携わってるんだから……。


◎OCEAN COLOUR SCENE (at GREEN STAGE / 15:10~16:10)

  実はこのライブの最中、うとうとしてた。疲れがピークまできてたってこと。特に印象に残ってないんだけど、ヒット曲プラスこの秋にリリース予定の新作からも何曲か演奏されてたな。演奏は上手い、歌も上手い。以上。って、それほど印象に残らなかったというのが、正直な感想。


◎BERNARD BUTLER (at GREEN STAGE / 16:50~17:50)

  あとで聞いたところによると、この日のバーニーのコンディションは最悪だったそう。にもかかわらず、あそこまで素晴らしいプレイ/歌を聴かせた彼に、この日のベストアクト賞をあげたい。いや、3日間通してでも3本指に入る素晴らしさでしたよ。

  特に印象に残ったのは、「Autograph」での鬼気迫るギタープレイ。そのへんの下手なハードロックギタリストよりもアグレッシヴかつエモーショナル。正直、鳥肌立った。この頃から空には雨雲が立ち込めていたのだけど、あの天気がまた雰囲気を作り出していて。夏の思い出のひとつとして心の中に永遠に残ることでしょう。HOLEの代役として急きょ数週間前に来日が決まったのだけど、バーニーでよかったね?というのが正直な感想。


◎JOE STRUMMER and THE MESCALEROS (at GREEN STAGE / 18:40~19:50)

  ステージにいたのは紛れもなく、あのTHE CLASHにいたジョー・ストラマーその人であり、その音楽であった。これ以上何を言えばいい? そう言わせるだけのステージだった。感涙。


◎ZZ TOP (at GREEN STAGE / 20:40~22:00)

  感涙した後のボーナスといったところだろうか。俺たちのようなモロMTV世代にとっては馴染み深い彼らだが、今の若い人達にとっては「車のCMのヒゲ親父ども」くらいなんだろうな。

  実際のステージを観るのは今回が初めてだが、観てよかったと思う。これぞロック、これぞエンタテンメント。バーニーからの3連チャン、玄人受けしそうなアーティストばかりが目に付くが、3日目を観た人こそが真の意味での「フジロック・サバイバー」なのかもしれない。何となく、そう思ってしまった。

  それにしても、知らない知らないと思っていたけど、結構知ってたんだな、彼らの曲。そういやぁ昔バンドでもカバーした事あったのをふと思い出した。


◎TODOS TUS MUERTOS (at GREEN STAGE / 22:30~23:00)

  初日ではあまりいなかった客も、今日は本当の最後の最後ということもあってか、大歓迎で迎えられ、みんな祭りの余韻を味わっているように感じられた。内容は初日とまったく同じだったけど、インパクトの点ではやはり初日が勝っている感じだった。

投稿: 1999 09 10 12:00 午前 [1999年のライブ, Ash, Bernard Butler, Catatonia, FUJI ROCK FESTIVAL, Joe Strummer & The Mescaleros, Ocean Colour Scene, Todos Tus Muertos, ZZ Top, 忌野清志郎] | 固定リンク