カテゴリー「Bernard Butler」の5件の記事

2020年6月14日 (日)

MANIC STREET PREACHERS『THE HOLY BIBLE 20』(2014)

2014年12月にリリースされた、MANIC STREET PREACHERSの3rdアルバム『THE HOLY BIBLE』(1994年)の20周年記念エディション。日本盤未発売。

1994年8月に発売された『THE HOLY BIBLE』は、オリジナルメンバーのリッチー・エドワーズ(G)を含む4人編成としては最後の作品。2004年12月には本作のリリース20周年を祝して、最新リマスター盤+当時完全未発表だったUSリミックスバージョンの『THE HOLY BIBLE』+未発表のデモやライブ音源の2枚組CDと、ライブ映像やテレビ出演時の映像を含むDVDからなる3枚組エディションが発売されており、『THE HOLY BIBLE』のデラックス盤としてはこれが2作目にあたります(日本盤限定で2009年、シングルC/W曲を追加した2枚組紙ジャケ・エディションも発売されています)。

20周年盤は『THE HOLY BIBLE』の最新リマスター盤(DISC 1)、『THE HOLY BIBLE』USリミックスの最新リマスター盤(DISC 2)、シングルのカップリング&リミックス集(DISC 2)、ライブ音源やBBCセッションなどをまとめたライブ集(DISC 4)のCD4枚組に『THE HOLY BIBLE』最新リマスターのアナログ盤、写真集を同梱したボックスセットとなっており、これさえあれば『THE HOLY BIBLE』期のマニックスの音源は完璧!と呼べる内容……だと思っていたんです。ところが、10周年エディションに含まれていたデモやライブ音源は20周年ボックスには未収録。ありゃりゃ……と思ったら、最近気づいたんですが、デジタル版およびストリーミング版には新たにDISC 5が追加されており、こちらに10周年エディションのみで聴くことができた音源がまとめられており、映像を除けば確実にこのデジタル版で網羅することができます。

ということで、豪華な箱やアナログ盤、写真集などが欲しい人はフィジカル(ボックスセット)で購入し、音源だけあればいいという方はiTunesやAmazon Musicなどでデジタル版を購入すればいいかなと(Amazon Musicは6000円ですべて手に入りますしね)。

名盤『THE HOLY BIBLE』に関しては、19年前に熱と愛がこもったテキストを残していますので、そちらに譲ります。最新リマスターでは音の生々しさとダイナミズムはより極まっているんじゃないでしょうか。1994年当時の若干チープなサウンドも、実はこのスタイルにはぴったりなので、どちらが最高とは断言し難いのですが……。

で、今回はUSリミックスを中心に書いていこうかなと思います。このUSリミックス、その名のとおり1994年当時にアメリカでのリリースに向けてトム・ロード・アルジがリミックスを担当したもの。最終的には契約などの関係でUSリリースが実現せず、2004年までお蔵入りされていたわけですが、当時はオリジナル版よりもリバーブが効いてウェットさが増したリミックスに「!?」と疑問を感じたものですが、何度か聴いていると意外と悪くないことにも気づきます。質感的には前作『GOLD AGAINST THE SOUL』(1993年)で展開したアリーナロック的なものに若干近づけたかったのかな。でも、グランジ全盛だった1994年だからこそ、オリジナル版の『THE HOLY BIBLE』は光り輝いたわけで、そこの読みは実際のところどうだったんだろう?と思わざるを得ません。結果、リリースは叶わなかったわけですが、もしUSリミックス版があの当時世に放たれていたら、少しは歴史が変わったのでしょうか。

ギターの音像/押し引きがオリジナル版以上にメリハリが効いていて、ドラムのタイトさも嫌いじゃないし、「Yes」のエンディングや「She Is Suffering」のエフェクトなどオリジナル版にはないものも追加されており、そのへんの聴き比べも非常に面白いんじゃないでしょうか。

DISC 3にはシングルのカップリングで聴くことができた「Too Cold Here」や「Love Torn Us Under」などの隠れた名曲などを網羅。このへんは続く『EVERYTHING MUSG GO』(1996年)への布石だったんだなと気づかされる部分もあるので、改めて興味深いものがあると思います。このほか、オリジナル・リリース時の日本盤にボーナストラックとして収められたライブ音源や、バーナード・バトラー(G)がゲスト参加したSUEDE「The Drowners」のカバーライブ音源、THE CHEMICAL BROTEHRSなどによるリミックス音源、さらには「Revol」の未発表バージョンも聴くことができます。

DSIC 4はリリース当時、英BBCで収録されたAstoriaでのライブ音源や、2014年にBBC Radio 4のために収録されたスタジオライブ音源4曲を収録。Astoriaでのライブはフルスケール収録ではありませんが、それでも全13曲とかなりボリューミーな内容となっています。そして、新録のスタジオライブはすべてアコースティックアレンジを施されたもので、「This Is Yesterday」といったいかにもな楽曲のほか、「Faster」や「P.C.P.」などパンキッシュな楽曲が日和ることなくアコースティックバージョンで生まれ変わっています。これはこれで今のマニックスらしくて、個人的には嫌いじゃないかな。

『THE HOLY BIBLE』をこれから初めて聴く人には、まず13曲入りのオリジナル版をオススメします。ストリーミングなら1994年のオリジナル版も2014年のリマスター版も両方聴けますので、どちらから入ってもいいかな。で、本作を気に入ってマニックスというバンドを十分理解した上で、このボックスを存分に味わうといいんじゃないでしょうか。なので、まずは10数枚におよぶオリジナルアルバムを先に堪能して、デラックス・エディションは余生のお楽しみとして残しておいてもいいと思いますよ(笑)。

 


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2019年6月 7日 (金)

SUEDE『DOG MAN STAR』(1994)

1994年10月に発表された、SUEDEの2ndアルバム。

デビューアルバム『SUEDE』(1993年)はブリットポップ前夜のリリースながらも全英1位を獲得し、早くもトップバンドの仲間入りを果たします。と同時に、ブレット・アンダーソン(Vo)のスキャンダラスな発言が一人歩きすることで、音楽面以上にそちら側で話題になることも増え、そういった状況に嫌気がさしたバーナード・バトラー(G)は2ndアルバム完成直前にバンドを脱退。ギターのレコーディングはすでに完了していたこともあり、本作『DOG MAN STAR』はバーナード在籍時最後のスタジオ作品となってしまいました。

アルバムリリースと前後して、オーディションを経て新ギタリストのリチャード・オークスが加入。当時まだ17歳というその年齢に驚かされましたが、個人的には「バーナードのいないSUEDEなんて……」という思いが強く、この時期の彼らに対しては消極的だったことをよく覚えています。

しかし、それと作品の完成度は別の話。1stアルバムも確かに素晴らしい内容ですが、現在までにおいてSUEDEというバンドのなんたるかが的確に表現されているのが実はこの2ndアルバムではないかと信じています。それくらい寸分の隙もない、徹底した完成度の1枚なのです。

いわゆるギターロック然としたイメージの強かった前作と比べると、本作はその要素も残しつつ(「Heroin」「New Generation」など)、よりダークでディープな方向へと突き進んでいます。どこか黒魔術を思わせる不気味なオープニングトラック「Introduction The Band」や、重量級のロッカバラード「This Hollywood Life」なんて、前作では考えられなかった方向性でしょう。ブラスセクションをフィーチャーした「We Are The Pigs」もまた然り。

ですが、本作最大の聴きどころ(山場)は多数用意されたスローナンバー、これなのですよ。前半だったら超名曲の「The Wild Ones」や「The Power」といったドラマチックでセンチメンタルな楽曲群は、グラムロック期のデヴィッド・ボウイと完全に重なるし、後半のクライマックスとなる「The 2 Of Us」から「Still Life」までの4曲の流れは本当に壮絶なものがあるし、中でも9分半にもわたる「The Asphalt World」のアレンジ(およびバーナードのギタープレイ)・構成は圧巻の一言です。この後半のためだけに本作を購入しても決して損しないと言い切れるほど、名作中の名作なのです。

ここで初期のスタイルを完璧な形で完結させてしまったSUEDE。ギタリストの交代ということもあり、この後の方向性を模索することになるのは仕方ないわけですが、にも関わらず次作『COMING UP』(1996年)で新たな最盛期を築き上げてしまうのですから、本当にこの時期の彼らは神がかっていたわけです。

 


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2018年1月 9日 (火)

BERNARD BUTLER『PEOPLE MOVE ON』(1998)

SUEDEのギタリスト、バーナード・バトラーが1998年春にリリースした初のソロアルバム。本作ではギター、ソングライティグのみならずボーカルやプロデュースも手がけており、マルチアーティストぶりが存分に発揮された力作に仕上がっています。

SUEDEで2枚のアルバム(1993年の『SUEDE』、1994年の『DOG MAN STAR』)に携わったあと、1995年にMcALMONT AND BUTLER名義でも活動を行うものの、シングル2枚を発表したあとに分裂(解散後にアルバム発売)。しばらく音沙汰がなかったものの、1998年に入ると1月にシングル「Stay」(全英12位)、3月に「Not Alone」(全英27位)を連続リリースし、4月にこのアルバムを発表。アルバムは全英11位とまずまずの成果を残しました。

楽曲的はSUEDEなどで聴けたエモーショナルさが凝縮されたものが多く、ギタープレイは“あの”バーナード・バトラーそのもの。時に泣きまくり、時にのたうち回る。けど、楽曲のトーンが全体的に抑えめであることから、派手に暴れることはなく、あくまでこの世界観の中でできる最大限の派手なプレイを聴かせてくれます。中でも9分近い「Autograph」は圧巻の一言。緩急を効かせたアレンジの上で、ボリュームを巧みにコントロールしたギタープレイを聴かせるバーニー、最高です。

一方のボーカルですが、これが意外と悪くない。抑揚を抑えることで無駄にエモくなりすぎず、落ち着いて楽しむことができる。むしろ、ギターが泣きまくっているので、歌まで感情的になることがない……そこでバランスを取っているんでしょうかね。

とにかく、曲が良い。先行シングル「Stay」「Not Alone」がともに名曲すぎるのです。ストリングスを効果的に取り入れた「Not Alone」なんて、時代を超えたスタンダードナンバーとして愛されるべき1曲だと思いますし、歌メロのみならずスライドギターも泣きまくりな「A Change Of Heart」(本作からの第3弾シングル)も良いし。この人、本当にすごいソングライターですね。

ということで、本作はいわゆるギタリストのソロアルバムとしてではなく、ギターのうまいブリットポップ寄りシンガーソングライターの作品として楽しんでもらいたい1枚です。

ちなみに彼のソロステージは1999年夏のフジロックと、翌2000年2月の単独公演を観ているのですが、どちらも素晴らしかった記憶が残っています。また、1999年秋にリリースした2ndソロアルバム『FRIENDS AND LOVERS』も本作に負けず劣らずの内容。こちらも機会があったらチェックしてみてください。



▼BERNARD BUTLER『PEOPLE MOVE ON』
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2000年5月 7日 (日)

BERNARD BUTLER JAPAN TOUR 2000@赤坂BLITZ(2000年2月27日)

バーニーの動く姿は昨年のフジロックで初めて目にした。不幸な事に、SUEDE時代の彼の勇姿はブラウン管の中でしか目にする機会はなかった。何故か‥‥まぁタイミングが悪かったのだろう。結局最初の来日にしか同行してないわけだし。一昨年の単独来日にも足を運んでいない。何故なら、彼のファーストアルバム『PEOPLE MOVE ON』を聴いたのが、彼が帰国した後だったからだ。けど、「次は絶対に!」っていう風にはならなかったのも、また事実。やはり全ては99年のフジロック3日目だ。本人は「調子が良くなかった」と言ってたそうだが‥‥「じゃあ、絶好調のステージはどんな事になってんだ!?」ってくらいに良かったんだけどなぁ、俺にとっては

以前、掲示板でだったか他のアーティストについて書いた時だったかは忘れたが、俺は'90年代を代表する英国3大ギターヒーローとして、元KULA SHAKERのクリスピアン・ミルズ、MANIC STREET PREACHERSのジェームズ・ディーン・ブラッドフィールド、そしてバーナード・バトラーの名前を挙げていたはずだ。いや、もしかしたらバーニーではなく、元STONE ROSESのジョン・スクワイアだったかもしれない。まぁジョンは厳密には80年代末期に登場してるので、ここに入れるべきではないかもしれない。(活躍したのは90年代だから、まぁいいか?)この際、クリスピアン、ジェームズ、バーニーの3人に正式決定させてもらうよ!(笑)彼等の共通点は、①ボーカリスト兼ギタリストである、②リズムギターだけでなく、リードを取らせても天下一品、③スタイルが非常に70年代的、だという事である。多少こじつけの感もなきにしもあらずだが(苦笑)そういう事である。何で俺が彼等を愛するかが、この辺から伺えるかもね?

さって、前置きが長くなったが、1週間前になって急遽決定したライヴ行き。タダ観とはいえ、やっぱり交通費をかけて行くわけだから、それなりのものを見せてもらわないとね?(笑)そんな気持ちで開演時間10分前に会場に到着。インビテーションカードがかなりの数出回っていたと聞いて「そんなに客、入ってないのかな?」と少々不安になったものの、いざスタートしてみれば8割強は入ってたんじゃないの?って印象を受けた。同じ時期に来日してるOASISやPRIMAL SCREAMに食われただの、噂だけはいろいろ耳にしたが、ファン層って被ってないんじゃないの? 唯一、イギリス人ってだけじゃないか、共通項って? むしろジェフ・バックリーや、俺がバーニーの新譜を聴いた時の第一印象として挙げたカナダのロン・セクスミスあたりのファンが足を運んだんじゃないだろうか?(事実、客入れBGMでは両者の曲がかかっていた)そして勿論、SUEDEのファンもね?

ステージ上のメンバーは前回、前々回と変わっておらず、新作もこのメンバーで作られたそうな。その傑作『FRIENDS AND LOVERS』を中心に進行したライヴ‥‥文句なしっ! これ以上、何て言えばいいのさ!?へっ、「こんなのレビューでもレポートでもない!」だって!? 当たり前じゃんか!(爆)いいんだよ、これで。

歌が上手い、ギターも上手い、ルックスがいい、元人気バンドのメンバー‥‥欲しい要素は全て持っている。でも、彼がステージ上でアピールするのは最初の2項目だけ。それも「これでもかっ!」って位にアピールするのではなく、ごく自然に、下手したら地味ぃ~な位にしかアピールしない。なのに聴き手の心の中にしみ込んでくる。「感情に訴えかける音楽」とは正にこの事だろう。時に情熱的に、時に優しさで包み込むように、時に聴いてるこっちまでが悲しくなる位にブルージーに。彼の歌・プレイは正直であり、そして繊細だと思う。だからこそ、それが聴き手にダイレクトに伝わるのだ。

そんな彼の感情が更にダイレクトに伝わったのが、アンコールでのアコースティックセットだった。噂には聞いていたが、こんなにも素晴らしいものだとは‥‥バーニーよりも先走って、お客がキメのパートを唄ってしまう一幕もあったが、それは御愛嬌。そういうのはライヴならではのものだ。微笑ましいじゃないか?(これが嫌!って感じるのなら、家でCDでも聴いてればいい、自分の思い通りに。あの場ではあれは全くうざったく感じなかったな、俺は。それにあれはある種お約束みたいなもんなんでしょ?)

バーニー自身は勿論だが、その彼を支えるバンドのメンバーもまた素晴らしかった。波長が合っているのか、それとも彼が指示してその通りにプレイしてるだけなのか‥‥いや、違うな。間違いなくそれだけの実力を持った強者ばかりだと思う。

きっと彼のやってるような音楽は頂点に立つ事はないのかもしれない。けど、なくなってはいけないタイプの音楽である。ジャンル的にこれを「ブルーズ」と呼ぶには多少語弊があるかもしれないが‥‥こういう音楽こそが、現代における「ブルーズ」なのではないだろうか? エリック・クラプトンだったと思うが、彼はこう言った。「ブルーズとはプログレッシヴな音楽だ」と。そう、型としてのブルーズは保守的かもしれない‥‥けど、これをブルーズの発展系と呼ぶ事は出来ないだろうか?

彼はこの先もずっと、こういうジャンルの音楽を奏でていくだろう。是非そうして欲しいものだ。そして、急激にではなく、地味ぃ~に成長していって欲しいものだ。それが彼にはぴったりだと思うから。ショービズ界の波に巻き込まれず、独自の歩幅で活動していって欲しいものである。


<セットリスト>
01. Friends And Lovers
02. You Must Go On
03. Cocoon
04. You Just Know
05. Change Of Heart
06. I'd Do It Again If I Could
07. It's Alright
08. No Easy Way Out
09. Let's Go Away
10. What Happend To Me
11. Autograph
12. Not Alone
—ENCORE—
13. My Domain (Acoustic)
14. Woman I Know (Acoustic)
15. The Sea (Acoustic)
16. Stay
—ENCORE—
17. More Than I Thought

1999年9月10日 (金)

「FUJI ROCK FESTIVAL '99」DAY 3@苗場スキー場(1999年8月1日)

  無事フジロック・ライブレポ、完結編です。


CATATONIA (at GREEN STAGE / 11:20~12:10)

  SKUNK ANANSIE同様、今回秘かに期待していたのがこのCATATONIA。今年初旬に来日の噂もあったようだが、ようやくこういう形ででも来日してくれたことを嬉しく思う。このバンド、切っ掛けさえあれば絶対にここ日本でも人気が出るはずなのだから。すでに英国ではアルバムがナンバー1、ヒット曲も数々持ち、ライブも満員にしている。が、ここ日本での彼等の知名度はと言えば『カルト的人気のウェールズバンド』『マニックス、ステフォニと同郷』『ヒット曲が「Xファイル」の主人公を歌った曲』とか、その程度のもの。すでに2枚のアルバムを全英ナンバー1にしているというのに。

  この日のタイムテーブルだが、実際には予定より1時間遅れで始まった。俺はちょっと車の中で休んでいてすっかりCATATONIAの事を忘れていて、会場に着いたのは12時半近くだった。が、よく話を聞けば今始まったばかりだと言う

  Voのセリーズ(ウェールズ語ではケリスと読むのか)の男勝りなステージングに多くのオーディエンスが引き付けられている。ワインボトル片手に歌うなんて武勇伝もあるくらいだしな。しかも、演奏がしっかりしてるし、曲も良い。フロントマンがカリスマ的で、バックは‥‥華、一切なし。まぁそこを「今のイギリスらしい」と言ってしまえばそれまでだが。


◎ASH (at GREEN STAGE / 12:40~13:30)

  実は4人編成になってから観るのは初めてだったりする。ただ、いい曲やってるバンドの音が分厚くなった、そしてステージに華がある、ボーカルが歌に集中できる。そういう意味では、ホントに面白いライブだと思った。が、3日目はお客が少なかったせいもあって、最前ブロックでさえ一杯にならなかった。本当に勿体ない。


◎ラフィータフィー忌野清志郎 (at GREEN STAGE / 14:00~14:40)

  忌野清志郎、今回は「ラフィータフィー」という特別なバンドを従えての参戦。2年連続かぁ。前回はいきなり「雨上がりの夜空に」から始まったそうだけど、今回はバンド名と同タイトルのソロアルバムをリリースしたばかりなので、そこからの曲が中心だった。初めて聴く曲ばかりなのだけど、初めて聴いた気がしない曲ばかり。

  バンドメンバーには元村八分のドラマーやあのブームタウン・ラッツのギタリストまで参加してて、それでいて出す音はシンプルなR&R。カッコよすぎ。ラスト前になって登場したのが、現在話題沸騰中の「君が代」パンクバージョン。最初に歌い出しを聴いた瞬間、鳥肌が立った。そして次の瞬間、側にいた人たちと顔を見合わせ大爆笑したよ。だってさ、世間ではやれ「国旗・国家法令案」だので大騒ぎしてるのに、それを嘲笑うかのようなパンクバージョン。しかも村八分のメンバーやイギリス人がバックを支えてるってのも洒落がきいてる。

  この曲のせいでアルバムが発売中止になったりしたけど、何がいけない? だってアメリカではジミヘンが自分の国歌をイカしたバージョンで聞かせてるし、QUEENもイギリス国家、やってるよね? でも今まで、日本で「君が代」をこういう形でプレイしたミュージシャン、いなかったじゃん。そうすることがまるで「ダサい」っていうイメージ、なかった? 清志郎がそれをやってしまった、と。いや、清志郎だからできたんだよ、カッコよくさ。そういう洒落が判らない人間がレコード制作に携わってるんだから……。


◎OCEAN COLOUR SCENE (at GREEN STAGE / 15:10~16:10)

  実はこのライブの最中、うとうとしてた。疲れがピークまできてたってこと。特に印象に残ってないんだけど、ヒット曲プラスこの秋にリリース予定の新作からも何曲か演奏されてたな。演奏は上手い、歌も上手い。以上。って、それほど印象に残らなかったというのが、正直な感想。


◎BERNARD BUTLER (at GREEN STAGE / 16:50~17:50)

  あとで聞いたところによると、この日のバーニーのコンディションは最悪だったそう。にもかかわらず、あそこまで素晴らしいプレイ/歌を聴かせた彼に、この日のベストアクト賞をあげたい。いや、3日間通してでも3本指に入る素晴らしさでしたよ。

  特に印象に残ったのは、「Autograph」での鬼気迫るギタープレイ。そのへんの下手なハードロックギタリストよりもアグレッシヴかつエモーショナル。正直、鳥肌立った。この頃から空には雨雲が立ち込めていたのだけど、あの天気がまた雰囲気を作り出していて。夏の思い出のひとつとして心の中に永遠に残ることでしょう。HOLEの代役として急きょ数週間前に来日が決まったのだけど、バーニーでよかったね?というのが正直な感想。


◎JOE STRUMMER and THE MESCALEROS (at GREEN STAGE / 18:40~19:50)

  ステージにいたのは紛れもなく、あのTHE CLASHにいたジョー・ストラマーその人であり、その音楽であった。これ以上何を言えばいい? そう言わせるだけのステージだった。感涙。


◎ZZ TOP (at GREEN STAGE / 20:40~22:00)

  感涙した後のボーナスといったところだろうか。俺たちのようなモロMTV世代にとっては馴染み深い彼らだが、今の若い人達にとっては「車のCMのヒゲ親父ども」くらいなんだろうな。

  実際のステージを観るのは今回が初めてだが、観てよかったと思う。これぞロック、これぞエンタテンメント。バーニーからの3連チャン、玄人受けしそうなアーティストばかりが目に付くが、3日目を観た人こそが真の意味での「フジロック・サバイバー」なのかもしれない。何となく、そう思ってしまった。

  それにしても、知らない知らないと思っていたけど、結構知ってたんだな、彼らの曲。そういやぁ昔バンドでもカバーした事あったのをふと思い出した。


◎TODOS TUS MUERTOS (at GREEN STAGE / 22:30~23:00)

  初日ではあまりいなかった客も、今日は本当の最後の最後ということもあってか、大歓迎で迎えられ、みんな祭りの余韻を味わっているように感じられた。内容は初日とまったく同じだったけど、インパクトの点ではやはり初日が勝っている感じだった。

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