2018年4月29日 (日)

BILLY IDOL『REBEL YELL』(1983)

そして『反逆のアイドル』は今年で35周年……やっぱりこういう邦題文化って素敵。

パンクバンドGENERATION Xのフロントマンだったビリー・アイドルが、1983年11月に発表した2ndフルアルバム。「Rebel Yell」(全米46位、全英62位)、「Eyes Without A Face」(全米4位、全英18位)、「Flesh For Fantasy」(全米29位、全英54位)、「Catch My Fall」(全米50位)とヒット曲が多数生まれ、アルバム自体も全米6位、200万枚以上を売り上げる好成績を残しています(一方でイギリスでは36位止まり)。

前作『BILLY IDOL』(1982年)の延長線上にあるポップでわかりやすいロックを軸にした作風ですが、本作ではとにかくビリーの相方スティーヴ・スティーヴンス(G)の才能が一気に開花したことで、そのサウンドはより独創的なものへと進化しています。

それはオープニングを飾る「Rebel Yell」1曲取り上げてもおわかりいただけるかと思います。オープニングのフィンガーピッキングを用いたリフ、バッキングひとつとっても派手ですし、おもちゃの光線銃をフィーチャーした独特なギターソロなんて圧巻の一言。これがあるとないとでは大きく異なりますよね。

かと思えば、アダルトな雰囲気の「Eyes Without A Face」があったり、キャッチーな「Catch My Fall」があったり、ヘヴィなギターリフが印象的な「Flesh For Fantasy」があったり。さらに疾走感に満ち溢れたハードロック「Blue Highway」や「(Do Not) Stand In The Shadows」、ニューウェイブの影響下にある不思議なバラード「The Dead Next Door」もある。これを元パンクロッカーがやっているのかと思うと複雑な気持ちにもなりますが、隣に立つハードロックギタリストの影響が強いんだろうなと考えれば不思議と納得できるんですよね。

ビリーは決して器用なシンガーではありませんし、パンク出身ということもあってか、変に作り込まれた楽曲よりもシンプルな楽曲のほうがその歌声が映える気がします。そういう意味では、本作における「Eyes Without A Face」「Flesh For Fantasy」あたりがギリギリのラインなのかなと思ったり。あと、アクが強すぎるがあまり、極端にポップ過ぎてもダメという。

そのへんのことを相方がよく理解していたからこそ、こういう奇跡的な1枚を作ることができたんでしょうね。実際、スティーヴが抜けたあとの作品はいろいろやろうとして失敗してますし。難しいものですね。



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投稿: 2018 04 29 12:00 午前 [1983年の作品, Billy Idol, Steve Stevens] | 固定リンク

2004年10月 1日 (金)

とみぃ洋楽100番勝負(43)

●第43回:「Mony Mony」 BILLY IDOL ('87)

 パンクなのか、ロカビリーなのか、はたまたメタルなのか‥‥何なんだ、この男は!?って数年来、ずっと思ってたわけですよ。「REBEL YELL」は確かに好きなアルバムだし、曲も良いし、ビリーの歌声も独特でクセになるし、そして何より、その傍らにいるギタリスト、スティーヴ・スティーヴンスがずっと気になって気になって。3作目「WHIPLASH SMILE」の頃にはビリー本人以上にスティーヴの方が好きになってましたからね。

 そんなスティーヴの才能や魅力が一気に開花したのが、この "Mony Mony" のライヴテイクなわけですよ。ライヴバージョンなんだけど、明らかにギターは録り直されてるよね? 独特なアーミングやハーモニクスがすっげークセになるし、所々登場するエフェクト(ピコピコなるオモチャの拳銃あるでしょ。あれをピックアップに近づけて鳴らすわけ)やクラシカルなプレイ(この人のクラシックギタープレイはハンパじゃないっすよ)に仰け反ったり。それまで聴いてきたギタリストとは、明らかに違うタイプだし。

 しかも、GENERATION Xっつーパンクバンドのシンガー(=ビリー・アイドル)の隣に、こんな変わり者がいるんだから。その事実がまた面白くて。

 "Mony Mony" 自体は'60年代にヒットしたポップスのカバーなので、勿論曲自体は非常に親しみやすい名曲なんだけど、これをこの二人が味付けするんだから‥‥タフで猥雑なイメージに様変わりしちゃってるわけですよ。しかもこの頃のビリーのバンドのキーボードって、確か性転換した「元」男性でしたからね‥‥って曲と全然関係ないけど。

 そうそう、同じ'87年にリリースされたマイケル・ジャクソンのアルバム「BAD」にも、スティーヴは参加してるんだよね。エディ・ヴァン・ヘイレンの次はスティーヴか‥‥って感動したよ、あの頃。さすがマイコー、いいモノ持ってるよな、って。

 更にスティーヴはその数年後に、俺の大ヒーローであるマイケル・モンローとバンドを組むことになるんだよね。この二人が雑誌の表紙を並んで飾った時には、思わず本屋で失禁しそうになったよ!

 けど‥‥アルバムリリース直前に、仇である(当時は元)MOTLEY CRUEのヴィンス・ニールのソロアルバム&バンドに参加、引き抜かれちゃうんだよね‥‥この時の俺の複雑な心境を、どう言葉で表現したら上手く伝わるのか‥‥

 '90年代後半から暫く、氷室京介のアルバム&ツアーに参加したり、古巣のビリー・アイドルの元に戻って映画「スピード」の主題歌を大ヒットさせたり、まぁその後もいろいろと活躍してくれてますよ。最近はちょっと見かけてないですけど‥‥ってこれ、ビリーの曲評だよな?



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投稿: 2004 10 01 12:10 午前 [1987年の作品, Billy Idol, 「100番勝負」] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック