2017/06/07

THE BLACK CROWES『SHAKE YOUR MONEY MAKER』(1990)

アメリカ・ジョージア州出身のロックバンド、THE BLACK CROWESが1990年初頭にリリースした1stアルバム。全米4位まで上昇し、500万枚以上を売り上げた出世作です。特に本作からのシングル「Hard To Handle」(オーティス・レディングのカバー)が全米26位のヒットになったことを機にブレイクし、他にも「She Talks To Angels」(全米30位)、「Jealous Again」(全米75位)といったヒット曲が生まれました。その後の彼らはよりディープな方向へと進んでいったため、こういったヒットシングルが複数生まれたのは本作と、続く2ndアルバム『THE SOUTHERN HARMONY AND MUSICAL COMPANION』(1992年)までとなります。

前回のTHE QUIREBOYSの際にも触れましたが、シーンがよりオーガニックなサウンドを求め始めた中、アメリカから登場したのがこのTHE BLACK CROWES。よくROLLING STONESあたりと比較されましたが、それよりも彼らの場合はアメリカ南部出身のロックバンド……LYNYRD SKYNYRDやTHE ALLMAN BROTHERS BAND、あるいはTHE GEORGIA SATELLITESや初期のZZ TOPのほうが近いような気がします。きっと本作のレコーディングにストーンズのサポートピアニスト、チャック・リーヴェルが参加していたことやオーティスをカバーしていることで、当初はストーンズと比較しがちだったんでしょうね。

彼らの全キャリアの中でもっとも聴きやすいのが本作で、のちのセッション色濃厚な作品群と比べればどの曲もシンプルかつコンパクト。なおかつキャッチーで、適度なハードさもある。そのへんはBON JOVIやGUNS N' ROSESが好きというリスナーにもアピールするかもしれません。特にオープニングを飾る「Twice As Hard」あたりは、モロにハードロック的手法ですしね。

かと思えばストーンズにも通ずるソウルフルなバラード「Sister Luck」「Seeing Things」、切ないアコースティックバラード「She Talks To Angels」もあって聴き応えもある。ホンキートンク調ピアノが心地よいR&R「Jealous Again」もあれば、軽快なカントリーロック「Thick n' Thin」もあるし、適度にハードなど直球の「Struttin' Blues」もある。エンディングの「Stare It Cold」もひたすらカッコ良いしね。音自体は隙だらけなんだけど、作品としては隙が感じられない完璧なロックンロールアルバムに仕上がっています。

サザンロックってちょっと敷居が高いとかとっつきにくいという印象がある人、わかります。若い頃の自分もそうでしたから。でも、このアルバムからTHE BLACK CROWESの作品を追っていけば、そのディープな世界にじわじわと入り込むことができるかもしれません。あるいは「ここまでならOK」という自分の中での基準値もわかるのではないでしょうか。そういう意味では本作は、入門編的1枚と呼んで差し支えないでしょう。



▼THE BLACK CROWES『SHAKE YOUR MONEY MAKER』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2017 06 07 12:00 午前 [1990年の作品, Black Crowes, The] | 固定リンク