2018年2月 4日 (日)

BLACK VEIL BRIDES『VALE』(2018)

セルフタイトル作『BLACK VEIL BRIDES』(2014年)から3年3ヶ月ぶりとなる、BLACK VEIL BRIDES通算5作のオリジナルアルバム。2010年のデビュー以来、ほぼ1〜2年間隔でアルバムを量産し続けてきた彼らですが、今回は意外と間が空いたなという印象。とはいえ、その間にフロントマンのアンディ・ビアサックがANDY BLACK名義での初ソロ作『THE SHADOW SIDE』(2016年)を発表したりサマソニで来日したりしてたので、アンディ自身はかなり働いてたわけです。

勝負作となった前作『BLACK VEIL BRIDES』はかなりヘヴィな仕上がりで、個人的にもお気に入りの1枚だったのですが、国内盤がリリースされなかったためここ日本では一部で地味な盛り上がりをしたのみ。結局来日公演も実現しなかったんじゃないかな。思えば初来日公演が東日本大震災で中止になったりと、ここ日本では踏んだり蹴ったりのイメージが強いバンドですが、だからこそもうちょっと丁寧に応援してあげてほしい気がします。

ですが、今作も今のところ国内盤リリースの予定なし。そういえばANDY BLACKのアルバムも国内盤未発売でしたもんね。だったらということで、ここでしっかり紹介しておきたいと思います。

デビュー時の、初期MOTLEY CRUEを彷彿とさせるヴィジュアルとゴス/メタルコアの影響下にあるサウンドから徐々に正統派HR/HM路線へと移行していったBVBですが、本作はハードなギターリフを取り入れつつもボーカルラインは非常にポップというバランス感に優れた楽曲集に仕上げられています。イメージ的にはAVENGED SEVENFOLD(A7X)に近いのかな。あそこまでメタリックで大作路線ではないですが、聴きやすさ・とっつきやすさという点においては共通するものが多いと思います。これが現代的なアメリカンHR/HMのスタンダードということなんでしょうかね。

もともとアンディのキーがそこまで高くはないので、ロー&ミドルを軸にした歌メロのおかげでどうしてもメタルっぽくは聞こえなかったのですが、今作に関してはそこにポップ&キャッチーさが強まったことでより親しみやすさが増した気がします。ギターリフや全体の音像こそHR/HM的ではあるものの、ここ日本だったらJ-POPやアニソンの範疇にも収まってしまうのではないか、というくらいキャッチー。ゴリゴリのメタルはちょっと……という人にもオススメできる1枚だと思います。

先にA7Xほど大作主義ではないと書きましたが、そんな本作にも1曲だけ、8分半におよぶドラマチックな大作「Dead Man Walking (Overture II)」が収録されています。この曲もヘヴィメタル的というよりはアニソン的なシンフォニックさに近いイメージも。適度なゴシックテイストやハードさを取り入れつつも、根がポップな人たちなのかもしれないですね。

ANDY BLACKのアルバムよりは激しく、かといって前作よりはポップ。過去の作品と比較するなら、3枚目の『WRETCHED AND DIVINE: THE STORY OF THE WILD ONES』(2013年)がもっとも近いかもしれません。なので、同作がお気に入りという人には入っていきやすいでしょうし、前作みたいなヘヴィ路線でハマった人にはちょっとヤワに感じられる1枚かもしれません。バランス取るのって本当に難しいですね。

さて、ここまでキャッチーなアルバムを作ったのですから、あとは来日に期待したいところ。国内盤は出ていないものの、ANDY BLACKのときみたいにサマソニやラウパーなどフェスでの来日に期待しておきましょう。



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投稿: 2018 02 04 12:00 午前 [2018年の作品, Black Veil Brides] | 固定リンク

2016年12月16日 (金)

ANDY BLACK『THE SHADOW SIDE』(2016)

BLACK VEIL BRIDESのフロントマン、アンディ・ビアサックによる“アンディ・ブラック”名義での初ソロアルバム。ゴスや80年代のLAメタルにも通ずるファッションと、エモ/スクリーモと往年のHR/HMを融合させたバンドでのサウンドとは異なり、このソロ作では落ち着いたトーンの“大人のロック”を聞かせてくれます。といっても、そこは単なるAORで完結しておらず、しっかり毒っ気も散りばめられています。

バンドのアクが強いぶん、このソロ作はさらっと聴けてしまい、物足りなさを感じるリスナーも多いかもしれません。バンドと切り離して楽しめる人なら、迷わずオススメしたい1枚。ゴスやダークな要素を取り入れたメタル/ラウド系バンドのメンバーが作るソロ作としては、非常に理想的な作品だと個人的には感じています。そして何より、どの曲もキャッチーというのは非常に強い。このポップセンスをバンドで100%生かしてしまうと、それはそれで問題になってくるでしょうし、アーティストとしての才能の吐け口として今後も定期的にソロ作を作ってくれると嬉しいです。とはいえ、BLACK VEIL BRIDESも確実に継続してもらわないと困りますが。

そういえばこの夏、サマソニで来日した際にステージをちらっと観ましたが、ちょうどGENERATION Xの「Dancing With Myself」をカバーしてるところに出くわしまして。思えばバンドでもビリー・アイドルの「Rebel Yell」をカバーしてましたし、目指すところはそこなのかな……と思ったのでした。うん、“HR/HM界のビリー・アイドル”。悪くないよね。すでにそういうポジション、いそうだけど。

ちなみに今作、日本盤は2016年12月時点で未発売。BLACK VEIL BRIDES自体も2014年の最新作『BLACK VEIL BRIDES』は国内盤のリリースがなかったし……寂しいもんですね。



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投稿: 2016 12 16 12:00 午前 [2016年の作品, Andy Black, Black Veil Brides] | 固定リンク