2004/07/05

BLANKEY JET CITY『LOVE FLASH FEVER』(1997)

掲示板の方で「とみぃさんってブランキーってあんまり好きじゃないんですか? レビューにもブランキーは一枚もないですし……」という声があったので、思わず取り上げることにしてみました、BLANKEY JET CITY。とりあえずどれを最初に取り上げようかと考えてみたんですが‥‥そりゃね、各アルバムを聴くと、それらがリリースされた当時のいろんな思い出が蘇ってきて、いろいろ浸っちゃうんですけどね‥‥そういうの抜きに考えても、個人的にはこれがベストなんじゃないかな?と思えるのが、97年にリリースされた通算7作目(ベスト盤『SIX』を除く)のオリジナルアルバム『LOVE FLASH FEVER』。

えーっと、ブランキーに対してそれほど強い思い入れとか持たない俺なんですが、それでも言わせてもらえば‥‥。


このアルバムがリリースされた97年当時、これを越えるような日本のロックアルバムって後はTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの『chicken zombies』くらいしかなかったんじゃないの?


とね。本気で当時は思ってたんですよ。そのくらい「開けた」アルバムだったんじゃないかな、と。

この「開けた」っていう言葉、取りようによってはいろいろ解釈できると思いますが、別に彼らがこのアルバムによって一気にメジャーになったとか売れ線になったとか、そういった類の意味じゃないですよ?(ってそんなのは音を聴けば判ると思いますけどね)

それまで‥‥セカンド『BANG!』から土屋昌巳(元・一風堂/元JAPAN)をプロデューサーに向かえ二人三脚でアルバム制作を行ってきた彼らが、各種ソロ活動を経てレコード会社を移籍、心機一転の状況下で初のセルフプロデュースで制作されたのがこのアルバム。けどね、だからといって何が変わったとか、そいういった要素はこれといって感じられる、ある意味で「ブランキーのまま」なんだけど、1曲1曲の純度がより高まり、より濃くなってるのは過去のアルバムと比べても大きな特徴と呼べるかも。例えば先行シングルとなった名曲「ガソリンの揺れかた」ひとつをとってみても‥‥歌/演奏、全てにおいて尋常じゃないテンションで表現されてるじゃない? でさ、当時のブランキーって意図的か否かは知らないけど、よくテレビの音楽番組にも顔を出すようになったじゃない、移籍を機に。ま、このアルバム以降にはよりポップな作風も取り入れていったから、それはそれでアリなんだけど‥‥正直、お茶の間に「ガソリンの揺れかた」がいきなり流れ出した時の衝撃といったら‥‥同じく、ミッシェルも同時期にテレビ出演が増えてるんだよね、97年頃から。で、この97年ってのが曲者なのかもね‥‥フジロックが始まったのもこの年だし。後に同フェスで同年(00年)に日本人アーティストとしては現時点においても唯一(唯二?)一番大きいステージでヘッドライナーを経験してるのもこのふたつのバンドのみ。興味深くないですか?

ちょっと脱線しちゃったけど‥‥非常に「深化」した楽曲が10曲詰まった作品集であり、どれか1曲が欠けても成り立たない、ギリギリのラインに立つアルバムという印象が強いのね。1曲を取り出して聴くということがあまりない(いや、シングル曲に関しては別だけど)のも、個人的にはこのアルバムの特徴というか特色というか。俺にしてみると、この曲目で、この曲順で聴かないとダメなのね。思い入れが殆どないとか言ってたけど、それはアーティストに関してであって、「優れたロックアルバム」という観点で語ると、やっぱりこれは重要な作品だったよなぁ、と今更ながらに思うわけでして。

久し振りに引っ張り出して聴いてみたけど、やっぱりカッコいい。このヒンヤリした刺々しさが時々痛々しくもあるんだけど、でもそれが次第に病みつきになる。そんなアルバムですよね。

と同時に‥‥これと同等、あるいは同レベルのものを今の3人に求めてしまうのは酷かもな‥‥とも思ってしまうわけで。特にベンジーはね‥‥ソングライターでありフロントマンだっただけに、余計ね。



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投稿: 2004 07 05 12:00 午前 [1997年の作品, BLANKEY JET CITY] | 固定リンク