カテゴリー「Quiet Riot」の6件の記事

2019年3月24日 (日)

QUIET RIOT『CONDITION CRITICAL』(1984)

1984年7月発売の、QUIET RIOT通算2作目(日本のみ4作目)のオリジナルアルバム。前作『METAL HEALTH』(1983年)がいきなり全米1位を獲得し、600万枚を超えるセールスを記録したことを受け、1年4ヶ月という短いスパンで制作。全米15位、トータル100万枚と前作には到底及ばない結果しか残せませんでしたが、『METAL HEALTH』と併せて初期の彼らを語る上では欠かせない1枚と言えます。

とにかく本作は前作の焼き直し、あるいは「同じヒット作をもう1枚作ろう!」という商魂が丸見え(笑)。さすがにリスナーもバカじゃないので、「前のを薄めた内容なら『METAL HEALTH』だけで十分だわ、ほかにも新しくて良いバンドがたくさんいるしね!」と思ったかどうかわかりませんが、すべては結果として数字に表れているわけですね。

冒頭を飾るヘヴィな「Sing Of The Times」からして、前作における「Metal Health (Bang Your Head)」の延長線上にある1曲。だからといって悪いわけではないですし、これはこれで良い曲なんですよ。で、続くM-2「Mama Weer All Crazee Now」は前作における「Cum On Feel The Noize」同様、SLADEのカバー。なにもそこまで真似なくても……と思うのですが、これも原曲の良さ大前提なので、なかなかの出来。シングルカットもされましたが、全米5位の「Cum On Feel The Noize」とは比べものにならない全米51位止まり。嗚呼。

で、『METAL HEALTH』ならここからマイナー調のミドルナンバー「Don't Wanna Let You Go」、能天気なパーティチューン「Slick Black Cadillac」と続くわけですが、この『CONDITION CRITICAL』では「Party All Night」「Stomp Your Heads, Clap Your Feet」といったパーティソング2連発。つまりバンドは「カラッとしたアップチューンがウケた」と認識していたのでしょう。アルバム冒頭からそういったカラーの強い楽曲が続くことで、軸は定まったけど幅は狭くなったことを提示することになるわけです。

5曲目にようやくメジャーコードのパワーバラード「Winners Take All」が登場しますが、これもそれ以前の4曲からの流れに沿ったもので、アルバムのカラーにぴったり。もうちょっと“憂い”があったら良かったんだけどなあ。

後半もヘヴィなミドルナンバー「Conditional Critical」や前のめりなファストチューン「Scream And Shout」、これぞ“LAメタル”な「Red Alert」、マイナーキーの美メロハードロック「Bad Boy」、シンガロングしたくなるアップテンポの「(We Were) Born To Rock」となかなかの良曲揃いなのですが、やはり『METAL HEALTH』と比較したら弱さが否めない。なぜなんでしょうね。

個人的に『METAL HEALTH』の良さって、のちに“LAメタル”と括られることになるパーティ感の強いポップでキャッチーな楽曲とミドルテンポ&ファストなメタルナンバー、そして適度な“憂い”が感じられるミディアムナンバーとバラードにあったと思っています。そのバランス感が絶妙だったからこそ、アルバムとしてもヒットしたのではないでしょうか。

ところが、この『CONDITION CRITICAL』からは“憂い”の部分が一気に減退し、パーティ感ばかりを強調してしまった。それが当時のカリフォルニアの空気だと言ってしまえばそれまでですが、にしてもメガヒット作の次に出す勝負作としてはちょっと弱いのではないでしょうか。1年数ヶ月という短いスパンで完成させねばならなず、深く考える余裕が足りなかったのも敗因と言えるでしょう。

1曲1曲は悪くないのに、アルバムとして(しかも『METAL HEALTH』の次作として)聴くと物足りなさを感じる。非常にかわいそうな作品と言えますし、ここでコケたことが続く『QR III』(1986年)以降の失速につながるのですから、罪作りな1枚ですね。



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2017年11月24日 (金)

APPICE『SINISTER』(2017)

ロック/メタル界隈では知らない者はいない名ドラマー、カーマイン&ヴィニーのアピス兄弟がAPPICE名義でタッグを組んだ初のスタジオアルバム。ハードロックをベースに、2人の個性的なドラミング(曲によっては左右にパンされている!)を存分に味わえます。

もちろん楽曲自体の出来もなかなかのもので、楽曲ごとにクレイグ・ゴールディ(元DIO)、トニー・フランクリン(元BLUE MURDER)、ロビン・マッコーリー(元McAULEY SCHENKER GROUP)、ポール・ショーティノ(ROUGH CUTT、元QUIET RIOT)、ジョエル・ホークストラ(WHITESNAKE)、ロン・サール(SONS OF APOLLO)、ミック・スウェダ(BULLETBOYS)、フィル・スーザン(元OZZY OSBOURNE)、エリク・ノーランダ(LANA LANE)など名だたるシンガー/プレイヤーがゲスト参加した豪華な内容。

収録曲にはツインドラムによるバトルプレイで構成された「Drum Wars」や、カーマインが過去に在籍したBLUE MURDERの名曲「Riot」のセルフカバー、ヴィニーが在籍経験を持つBLACK SABBATHの名曲メドレー「Sabbath Mash」もあったり、意外と聴き応え満載の1枚です。

※このレビューは本作リリース時、『TV BROS.』に掲載されものを加筆・修正して掲載しています。



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2017年11月 4日 (土)

QUIET RIOT『METAL HEALTH』(1983)

1983年春に発表された、QUIET RIOTの記念すべき全米デビューアルバム。彼らは70年代、ランディ・ローズを含む編成で『QUIET RIOT』(1977年)、『QUIET RIOT II』(1978年)の2枚を日本でのみ発表していますが、ワールドワイドデビューという意味ではこの『METAL HEALTH』が1stアルバムになるわけです。

時代背景的には、ちょうどこの頃からアメリカでHR/HMがウケ始め、このQUIET RIOTとDEF LEPPARDが全米チャートの上位にランクイン。『METAL HEALTH』は当時としては異例の全米1位を獲得し、600万枚以上を売り上げました。ちなみに、DEF LEPPARDも1983年に発表した3rdアルバム『PYROMANIA』が全米2位に輝き、現在までに1000万枚以上ものセールスを記録していることはご存知のとおり。この2バンドの大成功が、後続たちへ道を切り開いたと言っても過言ではありません(もちろん、それ以外の要素も存在しますが、話が長くなるのでここでは割愛させてください)。

QUIET RIOTはL.A.メタルにカテゴライズされたバンドですが、聴いてもらえばわかるように「適度にハードで適度にポップ」という絶妙なバランス感で成り立つ楽曲&サウンドが魅力。しかもカバー曲(SLADEのヒット曲「Cum On Feel The Noize」)をシングルカットすることで、ラジオヒットやMTVでのヘヴィローテーションに後押しされチャート的にも成功を収め(全米5位)、HR/HMファン以外にも浸透していったわけです。これは先のDEF LEPPARDも同様で、MTVのスタートによってミュージックビデオ(つまりヴィジュアル)が重要視される時代が到来したことで、見た目が派手なHR/HMバンド側に風向きが変わっていったわけですね。

「Cum On Feel The Noize」のみならず、派手なパーティソング「Slick Black Cadillac」、ハードだけどメロディアスで口ずさみたくなる「Metal Health (Bang Your Head)」、泣きメロを伴った疾走ナンバー「Breathless」、ヘヴィメタル寄りのファストチューン「Run For Cover」、穏やかなミディアムチューン「Don't Wanna Let You Go」、故ランディ・ローズに捧げるピアノバラード「Thunderbird」など、とにかくキャッチーで親しみやすい曲が豊富。B級感皆無で、一聴して「こりゃあ売れるわ」と頷ける内容です。

彼らの場合、このデビュー作の出来が良すぎたのが不幸だったといいましょうか、続く『CONDITION CRITICAL』(1984年)以降、一気に失速してしまいます。今みたいに3年に1枚でも許される時代ならまだしも、当時は毎年のようにアルバムを発表していた時代ですから、ツアー三昧で曲作りも追いつかなかったんでしょうね。そういった意味でも、大成功は収めたものの不運なバンドだったのかもしれませんね。



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2017年5月 8日 (月)

QUIET RIOT『QR III』(1986)

アメリカのハードロックバンドQUIET RIOTが1986年夏に発表した、メジャー通算3作目のオリジナルアルバム。彼らは70年代にここ日本のみで2枚のアルバムを発表しているので(当時はかのランディ・ローズが在籍していたことでも知られています)、それらを含めるならば通算5作目ということになりますが、まぁここは便宜上3rdアルバムとして扱うことにします。

1983年に発表されたメジャー1作目『METAL HEALTH』が全米No.1を獲得し、600万枚を超えるセールスを記録。また同作からのシングル「Cum On Feel The Noize」(SLADEのカバー)も全米5位まで上昇するなど、まさにその後本格化するL.A.メタルブームの先駆けとなったQUIET RIOT。続く1984年の2ndアルバム『CONDITION CRITICAL』も全米15位、100万枚を超えるセールスとなり、『METAL HEALTH』で得た成功の恩恵を受けることができました。ただ、『CONDITION CRITICAL』でも同じSLADEの「Mama Weer All Crazee Now」(全米51位)をカバーするなど、 “カバー曲で当てた一発屋”的イメージを拭い去れずにいました。

そんなQUIET RIOTが続く3rdアルバムでは、カバー曲に一切頼らないアルバム制作を実施。ハードさとポップさを適度に兼ね備えたバンドの個性を、この『QR III』という作品でより極めようとします。

本作ではルディ・サーゾ(B)が脱退し、新たにチャック・ライトが加入。曲作りも前作でのケヴィン・ダブロウ(Vo)独占体制から、ベースインスト「Bass Case」以外の楽曲すべてにケヴィン、チャック、カルロス・カヴァーゾ(G)、フランキー・バネリ(Dr)が名前を連ねる形にシフトチェンジしています。

オープニングの「Main Attraction」は本作を代表するような1曲で、シンセリフを前面に打ち出した爽やか且つ疾走感の強いナンバー。かと思えば「The Wild And The Young」のようにヘヴィながらもシンガロングできるアンセムもあるし、ヘヴィさにファンキーさを掛け合わせた「Down And Dirty」、哀愁のメロディがグッとくるバラード「Twilight Hotel」「Still Of The Night」、軽やかなHRサウンドに泣きメロを乗せた「Slave To Love」など良曲満載。80年代のカリフォルニアの絵が自然と思い浮かびそうなビッグサウンドとキラキラしたシンセ、カルロス・カヴァーゾの適度に弾きまくるギターソロ、そして大勢での大合唱必須のコーラス。あの時代、僕たちが求めていたアリーナロックそのものがここにあったのです。

しかし、作品ごとにセールスを落としていったQUIET RIOT。本作は全米31位と低調に終わり、ヒットシングルを生み出すこともできませんでした。純粋に作品が評価される以前に、バンドの評価(特にケヴィンのビッグマウスぶり)が悪影響を及ぼし、のちにケヴィンはバンドから追い出されてしまうのでした。

(その後については、続く4thアルバム『QR』のレビューをご覧ください)



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2017年1月 3日 (火)

QUIET RIOT『QR』(1988)

QUIET RIOTの作品を取り上げるなら、まず最初にUSデビュー作であり最大のヒット作でもある『METAL HEALTH』(1983年)でしょう。まったく異論はありません。がしかし、個人的にケヴィン・ダブロウ(Vo)が唯一参加していない1988年の4thアルバム(日本限定でリリースされた2枚のアルバムを含めると6枚目)『QR』も捨て難いんです。

『METAL HEALTH』で大ブレイクするものの、その後バンドはリリースを重ねるごとにセールスを落としていくのですが、それに反比例するようにケヴィン・ダブロウのわがまま振りは加速。これに嫌気が差した他のメンバーはケヴィンをバンドから解雇、新たにROUGH CUTTのフロントマン、ポール・ショーティノを迎え、さらにベースもチャック・ライトからショーン・マクナブへとメンバーチェンジし、ポール、ショーン、フランキー・バネリ(Dr)、カルロス・カヴァーゾ(G)という編成で制作されたのがこの『QR』です。

QUIET RIOTというと、「Cum On Feel The Noize」での陽気なイメージで語られることが多いですが、そもそも『METAL HEALTH』のタイトルのようにメタリックな要素も持ち合わせたバンドなわけで。そういった同作のタイトルトラックなどはまさにそういう楽曲だったわけですが、世間の求めるQUIET RIOT像は陽気なアメリカンHRバンドだったのです。そのジレンマと真正面から向き合い、本来自分たちがやりたかったこと、そしてポール・ショーティノという稀代のシンガーを手に入れたからこそできること、これらが見事に形として表されたのが今作なのです。

MVにもなったオープニングトラック「Stay With Me Tonight」(当時よくTBS『PURE ROCK』でもオンエアされてましたね)で聴かせるブルージーな歌声と、カルロス・カヴァーゾの生き生きとしたギタープレイ。最初に聴いたときは「これがあのQUIET RIOTか!?」と度肝を抜かれました。ちょうどこの頃、KINGDOM COMEの登場もあってか「LED ZEPPELINクローン」バンドが次々に登場していた時期で、この新生QUIET RIOTもそう見られてしまいがちでしたが、彼らの場合は「もろZEP」というよりは「ZEPからの影響を随所に感じさせるアメリカンHR」と呼んだほうが正しい気がします。

作風的には前作『QR III』(1986年)の延長線上にあるのですが、シンセ類を抑えたこと、ボーカルの節回しがブルージーなのが功を奏し、高水準のハードロックアルバムに仕上がっています。それに今こうやって聴き返すと、意外と『QR III』にも通ずるポップさも感じられますしね。とにかくギタープレイが生き生きとしてるのが素晴らしくて、個人的には『METAL HEALTH』の次に好きな作品です。

ただ、残念ながら本作は以前のようは成功を収めることはできませんでした。今でもこのアルバムに対する評価はそれほど高くないようですが、本作が他の諸作と同じように「QUIET RIOTのアルバム」として純粋に評価されることを願わんばかりです。



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2004年8月26日 (木)

とみぃ洋楽100番勝負(7)

●第7回「Cum On Feel The Noize」 QUIET RIOT('83)

 DEF LEPPARDの次に手を出したのが、これ。単純にこの曲がヒットしてたからってのもあるんだけど。あと全米ナンバー1でしたっけ、この曲が収録された「METAL HEALTH」ってアルバム。そういう事実に後押しされたのかな。やっぱり子供心に「ビルボードチャート1位!」ってのは大きく響きますからね。特に俺、チャートっ子でしたから。「FM STATION」とか「FM FAN」の全米チャートを毎回切り取ってファイルしたり、気になる曲の順位を表にして記録したりとかしてましたから。チャートオタクですよ。

 で、この曲。ご存知の人もいるかと思いますが、イギリスのグラムバンド、SLADEが'70年代にヒットさせた曲のカバー。後にOASISもカバーしてますよね。だから一度は耳にしたことあるかな、と。

 もう単純に曲が良い。当たり前か。VAN HALENの "Oh, Pretty Woman" と同じパターンですね。原曲を見事にハードロック化して、カッコ良くなった成功パターンの一例ですね。ま、この曲の成功があったからその後の「LAメタル」が繁栄したんですけどね。それだけでもないか。

 ケヴィン・ダブロウの歌は今聴いてもどうかと思いますが、個人的にはギターのカルロス・カヴァーゾのプレイがね。ランディ・ローズの後任として加入してるわけですが、完全に別ものだし比べるのも双方に失礼というか。俺は好きですよ、この人のプレイ。特にこの曲のギターソロ、印象深いしね。個人的に最良のギターソロって「メロディを口ずさめる」ものが一番だと思ってるんでね、俺。

 ま、このバンドはアルバム出す度にドンドンとスケールダウンしてったわけですが‥‥個人的にはボーカルがポール・ショーティノ(元ROUGH CUTTでしたっけ)に変わった後のアルバムも含めて好きだったんですけどねぇ‥‥ま、再結成後は本気で糞でしたけど。



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