最初にBLURの出演が発表された時点で、今年は2日とも行こうと決意し、先行でチケットを確保。しかし、夏が近づくにつれて今年の尋常じゃない猛暑ぶりに不安を覚えるわけですが……。さて、2023年のサマソニはどんな感じだったんでしょう。レポというよりもメモ程度に受け取ってもらえると幸いです。
●8月19日(土)
■SUMMIT All Stars(MARINE STAGE)
NewJeansで早々にマリンスタジアムに到着したのですが……スタンド席の座席、熱すぎ!(笑) なるべく日陰を探して退避しつつ、普段あまり接することのない国内ヒップホップシーンの一部を味わいました。ノンアル状態だったけど偏見なく、気持ちよく楽しめましたよ。
■NewJeans(MARINE STAGE)
で、肝心のNewJeans。曲の良さはさることながら、パフォーマンスは……平均的かな。悪くはないけど、ステージ慣れしていない感も多々見受けられたし、何よりこの猛暑にメンバーがついていけてない印象もあり。やりたいことはわかるんだけど、あとひとつといったところか。
■PassCode(PACIFIC STAGE)
久しぶりに観たけど、現編成もだいぶ板についた感。ラウドなバンドサウンドをバックに、気持ちよく楽しめた。ただ、突き抜けるにはプラスアルファというかSomething Specialというか、あとひとつ何かが足りない気も。海外に行けばいいとかそういう問題ではなく、ね。
■GABRIELS(MOUNTAIN STAGE)
まったく予習せずに触れた、大収穫のひとつ。いわゆるモダンでジャジーなソウルなんだけど、アメリカンエンタメの強さを改めて実感させられたパフォーマンスに圧倒された。とにかく歌の力よ。これは音源よりもステージを観たほうが一発でハマるやつですね。これだからフェスは面白い。
■HONNE(MOUNTAIN STAGE)
マリンスタジアムに移動するため、頭数曲だけ。音源よりもバンド感が強まっており、好みだったな。
■FALL OUT BOY(MARINE STAGE)
ずいぶん久しぶりに観たけど、改めて知ってる曲ばかりで驚いた。シンガロングまで含めてライブが完成する、まさに現場に足を運ばないとその魅力を完全に理解できない。そういった意味では、彼らのようなバンドはコロナが明けてようやく本領発揮といったところでしょうか。あと、彼らはポップパンクの文脈で語るのではなく、エモを通過したアリーナロック/スタジアムロックとして語るべきだなとも思いました。
■BLUR(MARINE STAGE)
直前に8年ぶりのアルバム『THE BALLAD OF DARREN』を発表したものの、サマソニも海外でのフェス同様にグレイテストヒッツ的なセトリで臨むのかなと思っていたら、オープニングから新曲「St. Charles Square」で始まるもんだからびっくり。新作から5曲も披露していたことからもわかるように「意外と新作モードなんだな」と、思わず唸ってしまいました。
とはいえ、それ以外はグレイテストヒッツモード(+α)。いつぶりだよ?ってくらい久しぶりに生で聴けた「Country House」をはじめとする名曲群に加えて「Trimm Trabb」や「Villa Rosie」、『MODERN LIFE IS RUBBISH』(1993年)のインタールードを披露するサービスぶり。ああ、やっぱりこのバンド大好きだ……1999年夏のフジロックぶりに実現した、グレアム・コクソンを含む編成での来日公演(僕が彼らを観るのもそれ以来)、満喫しました。
セットリスト
01. St. Charles Square
02. Popscene
03. Beetlebum
04. Goodbye Albert
05. Trimm Trabb
06. Villa Rosie
07. Coffee & TV
08. Country House
09. Parklife
10. To The End
11. Barbaric
12. Girls & Boys
13. Advert
14. Song 2
15. The Heights
16. This Is A Low
17. Tender
18. The Narcissist
19. The Universal
●8月20日(日)
■METALVERSE(MOUNTAIN STAGE)
今年に入ってからのBABYMETALのライブにたびたび登場していた謎の存在、ついに本格的なお披露目。サウンド的にはメタルの枠からはみ出たものも少なくなく、メンバーも歌唱する子以外(全部で5人くらいいたのかな)は固定なのか流動的なのかも不明。新たな何かが始まるぞ!という期待感だけは十分伝わりました。
■NOVA TWINS(MOUNTAIN STAGE)
個人的2日目メインアクト、待望の初来日。サポートドラマーを含むトリオ編成で、音源どおりゴリゴリしたアグレッシヴなラウドサウンドで、かつ動きも華やか。メイツとモノノフが多く集っていることもあってか、非常に盛り上がりました。気づいたら、後ろまでお客さんパンパンだったな。
セットリスト
01. Fire & Ice
02. Cleopatra
03. Taxi
04. Puzzles
05. K.M.B.
06. Sleep Paralysis
07. Antagonist
08. Choose Your Fighter
■ももいろクローバーZ(MOUNTAIN STAGE)
気づいたら、4人になってから初めて観る気が(そんなことないか)。安定のバンド編成、しかもマーティ・フリードマン(G)を含む編成で、もはや王道エンタメの装い。なんの不安もない。ただ、最近の楽曲の弱さだけは弱点か。なかなか難しいですね。
■THE SNUTS(SONIC STAGE)
期待してフロアに足を運んだけど、思っていた以上にスペシャル要素が感じられず。よくあるギターロックバンドのひとつ、といった印象でとどまり。数曲で移動してしまいました。
■WILLOW(MOUNTAIN STAGE)
マシンガン・ケリーの「Emo Girl」やYUNGBLUD「Memories」などへの客演で名前を目にしていたアクト。最近のPARAMOREやPVRISの流れを汲むサウンド、楽曲でめちゃくちゃ好み。まだ22歳なんでしよ? 将来有望すぎる。
■THE KID LAROI(MARINE STAGE)
この日唯一のマリンスタジアム。昨日より暑くない……と思ったものの気持ち悪い蒸しっぷりで、で用意した水分も飲み果たし、やはり数曲で退散。ノリの良い曲が多いものの、若さだけが印象的だったかな。
■女王蜂(PACIFIC STAGE)
『推しの子』のあとだけに注目度も高く、客入りも上場。こういうときの女王蜂は本当に強い。今日も一寸の隙もなし。完璧でした。
■EVANESCENCE(MOUNTAIN STAGE)
そういえばコロナ禍に入る直前、和楽器バンドのゲストとしてエイミー・リーが来日して、大阪でインタビューしたんだよな。翌月に控えた『DOWNLOAD JAPAN』の話もしたっけ。そういう意味でも、非常に感慨深いライブでした。最新作『THE BITTER TRUTH』(2021年)からの楽曲を中心に、今年リリース20周年を迎えたデビュー作『FALLEN』(2003年)の名曲群を交えた、まったく無駄のないセットリスト。楽しくないわけがない。熱心なファンも少なくなく、それなりにシンガロングも起こっていたけど、日本での人気/認知度はまだまだか。フェスでもこういうバンドの集客が形にならないと、単独来日は難しいんだろうな……なんて悲しい気持ちにもなったものの、個人的には大満足。
セットリスト
00. Artifact/The Turn
01. Broken Pieces Shine
02. What You Want
03. Going Under
04. Take Cover
05. Call Me When You're Sober
06. Lithium
07. Wasted On You
08. Whisper
09. End Of The Dream
10. Better Without You
11. Imaginary
12. Use My Voice
13. My Immortal
14. Bring Me To Life
■BABYMETAL(MOUNTAIN STAGE)
MOMOMETALが正式メンバーになってから初観覧(前回は召喚される直前でしたから)。とはいえ、この3人でのステージは今に始まったことではないので、安定感は抜群。セトリ的には春に観たワンマンのショートバージョンといったところか。しかし、今回は直近リリースの新曲「メタり!!」が加わっているので、だいぶ印象が異なるかも。直近のアルバム『THE OTHER ONE』(2023年)がシリアスモードだっただけに、ようやく“あの”BABYMETALが戻ってきた感濃厚。いつも以上にあっという間に感じられたな(実際短かったんだけど)。ケンドリック・ラマーではなくこちらを選んで正解だったのか、ライブが始まる前は迷いもあったけど、結果大正解。2日間の締めくくりにふさわしいアクトでした。
セットリスト
01. BABYMETAL DEATH
02. ギミチョコ!!
03. PA PA YA!!
04. Distortion
05. BxMxC
06. MAYA
07. Monochrome
08. メタり!!
09. メギツネ
10. ヘドバンギャー!!
11. Road of Resistance
12. イジメ、ダメ、ゼッタイ