2005/02/25

「SONICMANIA05」雑感 (2)

 さてと。初日レポからまた数日経ってしまいましたが、ここからが本番ですよ!(何のよ)

 開催から既に2週間以上経ってしまいましたが、それでも最後まで書き切ります。しかもこっちの方が初日より更に濃くて、更に長いです。だって思い入れが強いアーティストばかりだからさ(と同時に、全然興味のないアーティストも多かったけど)。

8146658_38 その前に‥‥今回初めてソニマニに行って驚いたこと。ソニマニのリストバンド(入場券代わりのバンド)って紙製なのね。

 ちょっと見難いかもしれないけどこれ、ビニールコーティングされた紙製のリストバンドなんですね。まぁ確かに濡れても破れないし、逆に終った後に取り外そうとしてみたら、なかなか破れない。意外と頑丈でしたよ。経費削減なのか何なのか判りませんが、こんなところにも『都市型フェス』っぽさが。ま、真夏にこれ使ったらどうなるか判りませんけどね(意外と大量の発汗でもろくなったりしてね)。

 それでは、今日も濃いやつ長いやつ、いってみますか‥‥時間がある時に、心して読むように!

■THE DAY 2 (2/6)

 この日の出演者はそれこそニューウェーブ系からダンスアクト、ヒップホップときて、最後はハードロックですからね‥‥全然色の統一性はないですよね? なんか最後の最後まで一枠が決まらなくて、結局DJでお茶を濁したり、ブッキングがいろいろ大変そうでしたが‥‥

 前夜、3時近くまでラジオの生放送があったので、起きたら9時前。確実に開場時間には間に合わないし、恐らくオープニングアクトの1組目にも間に合わないでしょう‥‥もう諦めた。多少疲れが出て来てるし、この際オープニングアクト2番手の椿屋四重奏までに間に合えばいいや‥‥そう思いながら、安全運転で会場である幕張メッセまで車をブッ飛ばしたのでした(言ってることとやってること、正反対ですから)。

 会場入りしたのが丁度正午。若干遅れ気味でステージが始まり、無事最初から観る事ができました。


■椿屋四重奏
 ずっと「よんじゅうそう」だと勘違いしてた。「しじゅうそう」なのね。MCでそれを知って、軽くショックを受けたのと恥ずかしい気持ちになって下向いちゃったりで、いろいろ忙しかったです。この2年近く、もの凄い勘違いをしてたなぁ‥‥と。
 いやー、朝イチで観るには丁度いい、程良いサウンドですね。こりゃ朝からビールが進むわ(早くも1杯目を飲み干す)。音源よりも骨太感じ。もっとソフトな印象があったんだけど、ロックロックしてますね、ライヴは。アルバム、好きなんですよね、結構‥‥ずっと観たかったので、今日観れて良かったッスよ。アルバム以上にいいバンドだって判ったし。大収穫だね。今度は単独で観たいなぁ。


▼椿屋四重奏「深紅なる肖像」(amazon


■初日との変更点が‥‥
 そういえば、今日は「アーティストの意向によりペットボトルの販売はなし」ってアナウンスがあったなぁ‥‥マンソンだな、間違いなく。けどペットボトル、売ってる店もあるのね。ブロック内への持ち込みが禁止みたい。紙コップに移してる店もあるし、ペットのまま売る店もある。徹底してない感じ。
 ペットボトルの件、張り紙があった。マンソンとVELVET REVOLVERがノーと言ってるそうな。確かに過去、ステージに物投げ込まれてスコット・ウェイランドが切れた、なんてこともあったしな。それにサマソニでJB(ジェームズ・ブラウン)のステージにペットボトルが投げ込まれて激怒、途中で数十分中断したこともあったね。みんな、もちつこうや。


■THE DEPARTURE
 2004年1月に結成された、イギリス出身の5人組。昨年4月には早くもTHE KILLERSの前座を務めたり、最近ではFRANZ FERDINANDやBLOC PARTYと同じ括りで語られることの多い、期待の大型新人みたいです。
 さすが期待されてるだけあって、結成1年にしては曲とかアレンジがまとまってるかな、と。たださ、もうポストパンクとかニューウェーブはお腹いっぱいだよね、正直な話。プラスアルファがあれば別だけど。正直ルックスがなぁ(ボーカルだけスーツ着たお坊ちゃん風で、残りのメンバーは如何にもロック好き!って感じのちぐはぐ感。ま、そこがイギリスっぽいんだけど)‥‥曲は文句ないんだけどさ。既にシングルで数曲聴いてたし、ライヴもそのシングル曲 "Be My Enemy" からスタートしていい感じだったんだけど‥‥長く感じてしまったのね、途中で。なんだろ‥‥凄く退屈に感じちゃって。またアルバムとか聴いたら印象変わるのかもしれないけど、今は75点くらいかな、と。
 サマソニでまた夏に戻ってくるそうだから、それまでにはアルバムも出るだろうね。きっと東芝とクリマンが躍起になって盛り上げてくれるだろうから、俺が大騒ぎしなくても大丈夫だろうけど。


▼THE DEPARTURE「ALL MAPPED OUT」EP (amazon


■GOLDIE LOOKIN CHAIN
 うじむし・いんだ・はーうす!ですよ!
 っつーわけで、バカサイコーな訳ですよ。「うじむし」やら「母ちゃんチンポくわえた」とか、そんな歌ばかり。しかも8人いて全員がMC、DJがいないという。この無駄な感じが何とも言えねー。さすが「イギリスのビースティー」って言われるだけあるわ。無条件で好き。メンバーが唐突にステージに出てきて、その勢いに押されて気づいたら最前近くにまで走ってて、最後まで汗だくで踊りましたー。これは是非また観たい。日本盤は3月リリースみたいなんで(俺は昨年末にUK盤購入)是非聴いてみてください‥‥というか、対訳読んで笑ってくださいや。オゲレツサイコーっ!!!


▼GOLDIE LOOKIN CHAIN「GREATEST HITS」(amazon


■SPARTA
 元AT THE DRIVE-INの、昨日のTHE MARS VOLTA以外の非アフロ組3人+新しいボーカル。SPARTAには最初聴いた時からずっと苦手意識があったんだけど、ライヴ観ても印象変わらなかった。悪くないけど、深みのない普通のハードロックかな。MARSが強烈なだけに薄味に感じるんだよね。元ATDIとかMARSといったものがなければ、多分好きだったかも。演奏にその片鱗が感じられるだけに、残念。
 ま‥‥そうは言っても、あんまり好きじゃないのかも。


▼SPARTA「PORCELAIN」(amazon


■KOTTONMOUTH KINGS
 ちょっと苦手意識のあるバンドなので、前半は食事しに行って、後半後ろの方で座ってボーッとみてたけど‥‥意外に悪くなかったなぁ。バカバカしさは最高だし(「さわげ」と書いたつもりのプラカード代わりの段ボール。けど実際には「わさげ」だというアホっぷり)、曲も単調だけど悪くなかったし‥‥要するに「パンクなのかヒップホップなのか、どちらかはっきりしてくれませんか?」って意識がずっとあったんだろうね。実際曲聴いてステージ観たら「いいんじゃない?」って思えたんだから、それだけでも収穫か。
 けど‥‥今日出演したバンドの中では、最も「進んで聴く」タイプではないよな、と。


▼KOTTONMOUTH KINGS「ROLLIN' STONED」(amazon


■BOOM BOOM SATELLITES
 久し振りにライヴ観たけど、相変わらずカッコ良かったし、たった3人でもデカイ舞台が似合うような存在に成長したなぁと。とにかく終始ロックしまくり。なのに観てるこっちはダンスしまくり、みたいな。出す音のひとつひとつが死ぬ程カッコ良いし、佇まいも非常にロック。あーこういうバンドが日本にもいるんだよ、ってことが他の出演者にも示せたかな、と。
 恐らく間もなくリリースされる新作からの曲がメインだったと思うんだけど、そういう意味ではファンにとってもファン以外の人にとっても非常に「アウェイ」色が強いわけですが、そんなの屁とも思わないぜ的な独走感がたまりませんでしたね。とにかく全てにおいて最高だったと思います。
 あー新作、スッゲー楽しみだわ。


▼BOOM BOOM SATELLITES「PHOTON」[UK EDITION](amazon


■JUNO REACTOR
 過去フジロックでも遭遇してるのに、ちゃんと、しかもじっくり観るのは今回が初めて。そういうこともあってかなり期待してたのね。いや、実際にはその後に控えるVELVET REVOLVERやMARILYN MANSONが気になって、少し意識が外に向いてたりもしたんだけど‥‥
 この前にプレイされたザビエルのDJは殆ど観てなくて。単純に前日からの疲れとかあって、フロアから離れて少し地べたに座り込んでて。JUNOの演奏時間直前にフロアに潜り込んで。
 んでさ‥‥気が気じゃなかったはずなのに、気づいたら終始笑顔で踊りまくってるわけですよ。だってさ、あんな楽しそうなステージ(というかショーだなもはや)を見せつけられたらさぁ。ロックの躍動感、テクノの反復性からくる高揚感、そして「シルク・ド・ソレイユ」ばりのショー要素。あれを楽しめないって言ったら嘘になるね。つーかもっとテクノテクノした音だと思ってたら、ライヴは完全にロックのそれなのね。そして非常にパーカッシヴ! 腰にクるんだな、腰に。すっげー気持ちいい。野外で楽しめたらこれ、最高だろうなぁ‥‥何で数年前のフジで俺、彼等をスルーしちゃったんだろう。まぁ他に観たいのがあったからだろうけど。それにしても、ホントにいいステージだった。VELVET REVOLVER前に身体が暖まりましたよ!



▼JUNO REACTOR「LABYRINTH」(amazon


■VELVET REVOLVER
 考えてみたら俺、元GN'R組を観るのも10年近く振りだし(多分最初のSLASH’S SNAKEPITや、ダフに関してはソロツアー以来だから‥‥丁度10年振り?)、スコットに関してはストテン初来日以来だけに、これはもう念願の、待望の「初来日」なわけですよ。去年のソニマニだって、最初彼等が出るって話があったから俺、行こうと思ってたんだから(で、スコットが逮捕されて、更にSLIPKNOTもキャンセルになって止めたんだよな)。
 かなり前の方を陣取って数十分待ったんですが‥‥待ち時間をこんなに長く感じたのは、この2日間で初めてですよ。実際には2~30分程度だったんだろうけど、とにかくもう客の盛り上がりや興奮度がハンパじゃなくて‥‥恐らく大半が「オリジナルGN'R」やストテンを未体験の10代~20代前半の子達なんだろうね。外人客も半ばGN’Rを観に来たような感じでさ‥‥とにかく尋常じゃないわけ。
 で‥‥ようやく登場したバンド。アルバム通りのスタートなんだけど‥‥ステージ前方のモニタースピーカーの上に立ってベースのイントロを弾くダフの姿にスポットライトが当たった瞬間、もう全身の毛穴という毛穴が開きまくって、鳥肌立ちまくり。血の気がサーッと引いてく感じ? この感覚、久しくなかったよなぁ‥‥多分初めてGN'RをNHKホールで観た時以来? いや違うな、「彼等」がいた頃のGN'Rは(そのスタイルは違っていても)何時だってカッコ良かったし、常に頭が真っ白になるくらいカッコ良かったから。
 スラッシュのギタープレイも相変わらずで、とにかく嬉しくて目頭が熱くなってきたよ。そうそう、スラッシュってこういう風にギターを弾く奴だったよな、って当たり前の事実を再認識したり、マットのドラムもGN'Rではちょっと苦手意識があったのに、このTHE CULTやこのバンドでだと全然違和感がないし、むしろこういうドラムじゃなきゃいかんでしょ!ってくらいに説得力がある。やっぱ俺、こういう派手なドラマーが好きだわ。そして‥‥もうひとりのギタリスト、デイヴも的確にバックを支える。常に一歩後ろに下がってプレイしてる感じだったけど、そのプレイスタイルは熱い。時々スラッシュとのギターソロ掛け合いがあったりで、ここでもアグレッシヴなプレイで好印象。過去スラッシュが一緒にやってきたギタリスト(イジーとかギルビーとか)とはタイプが全然違うけど、VELVET REVOLVERというバンドのスタイルを考えると、彼が一番適切なプレイヤーなんだろうな、と実感。非常に納得させられたステージでした。
 そして肝心のスコット‥‥やっぱりこの男、カリスマだよ。最初ステージに出てきた時は思わず「へっ、アクセルのコスプレ!?」と思っちゃったけど、気づいたら上半身裸で、そのガリガリに痩せた容姿を披露。アクセルとは違った妖しさや魅力を持ち備えたフロントマンで、一瞬たりとも目が離せないタイプかな。今のアクセルがあんな(‥‥)なだけに比較はしたくないんだけど‥‥とにかくカッコイイ。
 曲に関してはアルバム「CONTRABAND」の曲を7~8割、そこにGN'R “It's So Easy” とストテン “Sex Type Thing” が加わる感じ。とにかく “It's So Easy” の盛り上がりがハンパじゃなくてさ。この日演奏されたどの曲よりも盛り上がってた。当たり前か、あのイントロは間違いなくダフが弾いてるものなんだから。ギターだってそうだしな。けど‥‥ストテンの曲での盛り上がりのなさ、あれはなんなの!? やっと生で聴けたこの曲に一番興奮してたのは、何を隠そうこの俺ですよ! ひとり飛び上がって盛り上がってたら、周りが「‥‥何この曲!?」みたいな顔をしてるのよ。んで、気づいたら俺だけ飛び跳ねてて‥‥浮きまくりですよ! 丁度ストテンのベスト盤に付いてたDVD収録の同曲ライヴテイクと同じような煽りパートとかあって、とにかく格好良かった。これら2曲を含め、本編最後の “Set Me Free” の盛り上がりは、やはり震えましたね。いや震えなきゃ嘘だ!
 トリ前にも関わらずしっかりアンコールまでやる辺りはさすがというか。よくマンソンが許可したよな‥‥とか思ったけど、仲いいのか両者は!? とにかく、約70分に渡る念願のライヴ。最高でした。最高以外の言葉が思い浮かばない。
 けど‥‥ひとつだけ苦言を。このまま順調に活動してって欲しいから言うけど、GN'Rやストテンに頼らない、究極の1曲を次のアルバムで期待します。“Set Me Free” も “Slither” も “Fall To Pieces” も確かにいい曲だけど、過去彼等が書いてきた曲の域にはまだ達してないよね。このバンドのケミストリーは恐らく今回のツアーを経験することで更にもの凄いものになるはずだから(いやそうじゃなきゃ困るし!)‥‥年末に予定されてるセカンドに大いに期待したいわけですよ!

 [SETLIST]
   01. Sucker Train Blues
   02. Do It For The Kids
   03. Headspace
   04. Fall To Pieces
   05. Dirty Little Thing
   06. Superhuman
   07. Big Machine
   08. It's So Easy [GUNS N'ROSES]
   09. Sex Type Thing [STONE TEMPLE PILOTS]
   10. Set Me Free
  --ENCORE--
   11. Slither


▼VELVET REVOLVER「CONTRABAND - JAPAN TOUR SPECIAL EDITION-」(amazon


■MARILYN MANSON
 実はマンソンを観るのは初来日(’97年初頭)以来だから‥‥かれこれ8年振りくらいになるわけですよ。しかも前回観た時はオンエアとかそんなクラスのハコ(!)でしたしね‥‥ホント大きくなったもんだ。いや、あの時点で既に海外では大物だったんだけどね。その後日本では夏フェスの大トリで来たり、NKホールみたいな大会場を埋めるような単独公演で何度も来てたけど、どうしても都合が合わなくてね。そこにきて今回、ベスト盤を引っ提げてのツアーってことで、非常に楽しみにしてたわけ。
 んで実際、すっげー楽しかったわけですよ。ベスト盤ツアーだけあって、ヒット曲・有名曲のオンパレードなわけで、そりゃ知らない曲なんてないわけですよ。さすがにいきなり “The Love Song” で始まった時はおおっ!?って思ったけど(しかもあのシャンデリアみたいなのを片手に持って、それをブーラブラさせながら歌ってましたからね)その後の選曲は至極まっとうなもの。特に “Irresponsible Hate Anthem” からの怒濤の流れは圧巻じゃないですか。けど、グレイテストヒッツ・ツアーを実施することでひとつの弱点(といっていいのやら)に気づいてしまったのもまた事実でして‥‥マンソンのシングル曲って意外と似通ったタイプの曲が多いよね? いや、気づいてはいたけど、改めてこうやって並べられると、リズムパターンにしろメロディにしろ、ちょっとワンパターンかな?という気がするんだけど‥‥そういう意味ではそれを打破しようとした「MECHANICAL ANIMALS」ってアルバムが凄く好きだったんだけど‥‥あそこからの曲、3曲だけだったし(しかもシングル曲がメイン。そりゃ仕方ないか)。かろうじて “Great Big White World” をやってくれたのが救いというか。
 そういえば新しいギタリストが加わってたんだっけ。以前のジョン5はトリッキーなプレイを信条とするタイプだったけど、今度の奴はオーソドックスなプレイをするタイプかな、と。まだマンソン入りしてそれほど日が経ってないからか、どこかぎこちなさを感じたけど‥‥あと、テクニカルなプレイは苦手なのかな?なんか上手いこと端折ってる気がしたんだけど‥‥それは気のせいかな?
 選曲に関しては、まぁ上に書いたような類似点を除けば全然文句なし。むしろ視覚要素含めて(セットリストにメモしてある[シャンデリア]とかいうのは、その曲の時にマンソンがやってたアトラクションね)十分に満足させられましたよ。おなかいっぱい。つーか‥‥次のアルバムがどんな感じになるのか判らないけど、そのツアーでもう一回観たいなぁ。今度のギタリストがどんなプレイをするのか見当つかないけど。

  [SETLIST]
   00. Prelude (The Family Trip)
   01. The Love Song [シャンデリア]
   02. Irresponsible Hate Anthem
   03. Disposable Teens
   04. mOBSCENE
   05. Tourniquet [竹馬松葉杖]
   06. Personal Jesus [DEPECHE MODE]
   07. Great Big White World
   08. Tainted Love [SOFT CELL]
   09. The Fight Song
   10. The Nobodies
   11. The Dope Show
   12. Rock Is Dead
   13. The Golden Age Of Grotesque
   14. Sweet Dreams [EURYTHMICS]
   15. The Beautiful People
  --ENCORE--
   16. Antichrist Superstar [街宣塔]


▼MARILYN MANSON「LEST WE FORGET : THE BEST OF」(amazon


■総評
 初ソニマニだったわけですが、行く前はすっげーネガティブな感情があったのに、いざ終わってみると「いやーっ、いいイベントだった」と関心してる自分がいるわけ。結局この手の『冬フェス』と呼ばれるイベントは、年末の「COUNTDOWN JAPAN」含めて『メンツ次第』なわけですよ。それだけ魅力的なメンツが集められれば、そのイベントは成功したも同然なわけ。だってソニマニにしろCDJにしろ、夏フェスで培ったノウハウがあるわけだから、余程のことがなければ失敗しないわけでしょ。毎年同じような形態で、前年の反省点だけ修正していけば、そんなに不満が挙がることもないだろうし。そして首都圏で行われる『都市型フェス』って意味でも、これは間違いなく正しい形なんだと思います。

 けどなぁ‥‥やっぱり心のどこかで、こういった屋内イベントを『フェスティバル』と認めたくなかったりもするわけで‥‥何度も言うけど、やっぱ屋外で、大自然の中で、それこそキャンプしながら(半ば生活しながら)過ごすのが『本来のフェスの形』っていう気持ちがあるからさ。勿論、ここまで多様化すればいろんな形があっていいし、それぞれが自分の生活スタイルに合ったフェスを選んでいけばいいだけだから、全然問題はないんだけどね。ただ俺は、毎年は行きませんよ、ってだけの話ですよ。ホントそれだけ。来年も確実にソニマニ行くよ!とは言い切れないのは、そういうワケ。そりゃ、魅力的なメンツが沢山集まれば、心動かされるけどね。

 まぁ‥‥何だかんだ文句言いながらも、非常に楽しめた2日間でした、と。チケット代の元は取ったよな、と。そういうことです。

投稿: 2005 02 25 11:00 午前 [2005年のライブ, BOOM BOOM SATELLITES, Departure, The, Goldie Lookin Chain, Juno Reactor, Kottonmouth Kings, Marilyn Manson, Sparta, Velvet Revolver, 「フェス」, 椿屋四重奏] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2001/08/18

「ROCK IN JAPAN FESTIVAL '01」DAY 2@茨城・国営ひたち海浜公園(2001年8月4日)

  昨年スタートした「rockin'on」社主催の(と思ってたら違って、企画がrockin'on、主催はニッポン放送、運営ディスクガレージとパンフに書いてある)国内アーティスト最大規模のフェス『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』。昨年は2日目が台風に見舞われ、最後まで続けることができなかった(演奏できなかったアーティストは、そこでベールを脱ぐ予定だったAJICOと、生涯初ライヴのはずだった中村一義の2組)。今年は日付を8月中頃から頭に移し、2日間から3日間に延び、「ロックか否か?」と批判的な声が大きかったゆずやミスチルの出演、更に出演アーティストの中には海外のバンドの名前もある。さて、一体どういうことになるのだろうか‥‥

  というわけで、俺が参加した2日目(8/4)と3日目(8/5)をレポートしてみたいと思う。20代最後のライヴという意味では、非常に印象に残る、いいライヴを見せてくれるバンドが多かった‥‥まぁ例の如く、全部いつも通りにやるとなかなか終わらないので(笑)、かなり簡単な紹介になると思うが、そこはご了承を‥‥


◎ゆず (at GRASS STAGE)

  さて、ゆずである。初の生ゆず。つうよりも、そもそも彼らを好意的に受け入れるようになったのは昨年からなので、それ以前の楽曲にも興味があったし、何より先日のドーム公演をたったふたり(歌とギターとハーモニカのみ)で行ったことから、何となくRIJFでも「弾き語り」でやってくれるんじゃないかと密かに期待していた。

  いきなりラジオ体操第一の音楽が流れ始めた時には失笑したが(どうやら、ゆずのライヴ開始前のお約束らしい)、いざステージに北川と岩沢のふたりが登城すると「あぁ、始まるんだ」とワクワクしてくる。やっぱりふたりだけのようだ。岩沢は白Tシャツに「ROCK AND ROLL」タオルを頭に巻き、北川はこの日のために作った「SAKU」Tシャツのパクリ(桜庭選手のオフィTね)で「YUZU」、オリジナルが「39」なのに対し、北川のは「804」という、単に今日の日付の入った、他に使いようのない無駄な(笑)Tシャツに、「フォークデュオ」と書かれた手ぬぐいを頭に巻いている。俺的にはこれで「あり」だった(笑)。

  いきなり北川の軽快なトークからスタートし(笑)俺が知らなかった曲を2曲(恐らく初期の曲だろうか?)披露。両方北川がリード。如何にもフォークソングといった感じだが、悪くない。この炎天下の中聴いてると、ふとそよ風が吹くとそれが心地よく感じられる。もう1曲北川が新作より"シャララン"を唄った後に、今度は岩沢リードでヒット曲"飛べない鳥"を披露。いい曲だとは常々思っていたが、こうやって装飾をできる限り減らした、まさしく歌とギターとハーモニーのみで綴られる歌の世界が、この青空にマッチして気持ちいい。しかも岩沢の声の伸びが抜群に良い。ハスキーな北川とは対照的で、本当に清々しい(前は苦手だったくせに/苦笑)。

  続く"心のままに"ではふたり向き合ってギターをかき鳴らしながらスタートするのだが、北川がミスる。堪えられなくなり、ふたりして笑う。こっちまで笑顔になっちまう。プロとしてあるまじき行為なんだけど、今日は特別。それにしても‥‥この2曲で俺は完全にノックアウト状態。マジ泣けた(実際には泣いてないけど)。

  大の苦手だと思い込んでた"夏色"も気持ちよく聴けたし(前フリの北川トークのお陰もあるかも)、最新シングル"3カウント"も改めて聴くと、やはりいい曲だと感じる。そしてお待ちかねの"嗚呼、青春の日々"。もうこの時点で俺が聴きたかった新作「トビラ」からの曲は全部聴けたようなもんだ。やっぱりこの曲の歌詞は泣ける。男泣きの世界。オープニングじゃなかったら、マジ泣きしてそうな勢い。ホントいい。

  何故か岩沢が"蛍の光"を弾き出し、それに合わせて北川がパチンコ屋の閉店の挨拶の如く、またお近くに寄った際には是非声をかけてやって下さい的トーク(笑)をかます。そして最後にもう1曲‥‥ってことで、ファーストアルバムの"てっぺん"で勢いよく終了。初めて聴いた曲だけど、非常に攻撃的な歌詞だなと感じる。どうしても柔なイメージがあった彼ら、決してここ数年で硬派に鞍替えしたわけではなかった。ストリートからスタートした時点で、彼らは地面から上を睨みつけていたのだ。

  「ロック」と銘打たれたフェスで、しかもミリオンクラスのアーティストが前座をする。そしてやるのはフォーク‥‥これ、3日間通しての出演者の中で、ある意味最も「パンク」だと思うんだけど‥‥彼らの新作にはかなりハードは曲も収録されているし、それはロックの範疇に入るものだと思う。しかし、精神性だけを取ってみれば、その辺のヘヴィロックバンドよりもよっぽど「パンク」だと思う。オフィシャルの掲示板でウダウダ言ってる奴らは、彼らの演奏を観て聴いて、何も感じなかったのだろうか? オープニングから最高のステージを観てしまった。こりゃ濃い2日間になりそうだ‥‥


01. する~
02. 贈る詩
03. シャララン
04. 飛べない鳥
05. 心のままに
06. 夏色
07. 3カウント
08. 嗚呼、青春の日々
09. 蛍の光
10. てっぺん


◎MO'SOME TONEBENDER (at LAKE STAGE)

  フジでは無愛想な印象だった彼らも、今日は熱心なファンに支えられいつも通りの演奏ができたようだ。MCも前回よりも冷たい感じがしなかったし。終わりも唐突な感じがせず、ちゃんと「ありがとう」って言ってたし。何かまた違う一面を観た感じで、興味深かった。

  演奏された楽曲はフジにかなり近い感じ。ただ曲順は全く違っていたし、9月にもうリリースされる新作(しかもメジャーから!)からも2曲披露されていた。曲名はオフィシャルサイトでのBBSで、メンバー自身が書き込んでいたものなので、間違いないはず。

  前回は全く知らない状態で挑んだので衝撃もその分大きかったが、今回は「DAWN ROCK」と「echo」をこの1週間何度も聴き込んだので、なかり余裕を持って楽しむことができた。前回はスタンディングだったので、今回は後方のシート席でまったりと‥‥(笑)

  ただ、レイクステージ出演のアーティスト全般に言えるんだけど‥‥音が悪すぎ。特にこういうバンドにはキツかったんじゃないかな? それを抜きにすれば、かなりいいステージだったと思う。リズム隊がしっかりしてるので、ギター&ボーカルの調子さえよければかなり安定したステージを毎回観せてくれるんじゃないかな? 今度は是非、単独で味わってみたいものだ。


01. FLOWER
02. 9
03. パルス玉
04. PARADE
05. 冷たいコード(新曲)
06. echo
07. 壊れてるよ
08. DAWN ROCK
09. HigH(新曲)


◎PEALOUT (at LAKE STAGE)

  一昨年のフジロック以降‥‥シングル"爆裂世界"以降のPEALOUTはマジで凄いと思っていた。だからずっと観たかったんだけど‥‥チャンスがなかなかなかった。一昨年、昨年とフジには出演してるので、さすがに今年はなかった。フジ直前にズボンズとのカップリングツアーがあったが、それも日程的にきつかったので、諦めた。そしてRIJFに出演と耳にした時、絶対に観てやろうと心に決めていた。

  体力が回復したので、スタンディングエリアに入り、踊る準備をしていたら‥‥いきなり1曲目から"心臓が動き出すとき"だもんなぁ‥‥反則だって! 思いっきり踊り、暴れたさ。それにしても‥‥マジでカッコイイ! 下手なUK勢を聴くよりも、最近はMO'SOME TONEBENDERとかPEALOUTといったバンドを聴いていた方が心地よい‥‥決して日本語だからとか、そういうのは全く関係ない。単純にそのサウンドに惹かれるのだ。

  そして続けざまに、ルースターズのカヴァー"C.M.C."! ルースターズのトリビュートアルバムに収録されていたナンバーをこんなところで、しかも初ライヴで聴けるとは‥‥個人的にここでグッときて、最前ブロックまで進んでしまった(笑)。そのくらい、キてた。当然、サビパートでは拳を振り上げ、唄い叫んだ。

  続いて、10月にリリースされるという新曲"ソウルライダー"が披露。アップテンポの、ニューアルバムの路線に近いポップなメロディーを持ったロックナンバー。続けざまにそのニューアルバムから"JET DESIRE"がプレイされ、ここまでの流れは本当完璧。フェスの掴みとしては完璧じゃなかろうか?

  ちょっとしたMCも挟みつつ(ドラムの高橋が主にしゃべるのだが、「レイク・エンジェルです」ってのはちょっと滑ってました。レイクステージだけに‥‥すかさず「伝わったよ」と近藤のフォローが入ってたのが、ちょっと泣けた/笑)、OASISのカヴァーでもお馴染み、BEATLESの"I AM THE WALRUS"の直線的ビートロックバージョンをプレイ。今までもやってたの? 知らなかったけど、ちょっとこれはこれで好き。考えてみれば、PEALOUTはついこの間まで英語詞で活動してたんだから、こういうカヴァーも当たり前っていえば当たり前なんだわな‥‥なんて妙に納得してみたりして。

  ここで近藤がベースを置き、エレピの前に座る。ギターの岡崎はギブソン・エクスプローラーからフェンダーのプレシジョンベースに持ち変える。ここからはピアノ曲パートのようだ。こうやって後半にまとめてやってくれると、楽器チェンジの無駄な空白が減って、テンションも落とすことはない。お見事。そんなこんんなでニューアルバムから"HEIDI"(そう、「アルプスの少女ハイジ」をイメージした曲だ)。途中で近藤がブルースハープを吹き、テンションは一気に上がる。そこに間髪入れずに名曲"爆裂世界"! 正直、空からの暑さとステージからの熱さで、失禁寸前でした(苦笑)。血管切れそうな程にハイテンション。さっきまでのバテ気味の俺はどこへやら‥‥"FLY HIGH"を挟み、最後に"BEAT FOR YOUR RIGHT"で終了。40分程度のステージだったが、大好きな新作と前作からの曲、そして知ってるカヴァー曲中心に進められたことで、個人的には大満足だった。これならフルステージ観てみたいよ。こんなことなら先月の「激ロック」withズボンズ、観ておけばよかった‥‥(涙)


01. 心臓が動き出すとき
02. C.M.C(cover of ROOSTERZ)
03. ソウルライダー(新曲)
04. JET DESIRE
05. I AM THE WALRUS(cover of BEATLES)
06. HEIDI
07. 爆裂世界~世界に追い越されても~
08. FLY HIGH
09. BEAT FOR YOUR RIGHT


◎SUPERCAR (at GRASS STAGE)

  結局フジでは全く観ることもなく(しかも30分で終わったそうだし)、考えてみれば2年振りに観るスーパーカー。その2年の間にこのバンドも随分と変わったものだ‥‥新曲ではとうとうギターレスだもんなぁ(苦笑)。新作やその周辺のシングル、大好きなだけに今日のステージはとても期待していた(しかも1時間も観れるしね)。

  まずはアルバムオープニングのインスト"Changes"に乗せてメンバーがステージに登場する。メンバー4人の他に、サポートのドラマーが1人。彼がシンセドラムを叩くようだ。そして実質1曲目となったのが、いきなり"White Surf Style 5."! のっけから大歓声‥‥のはずだが、俺の周辺は棒立ち状態。盛り下がってるし‥‥明らかに「場所取り」ですな、民生orミスチルの。責めるつもりはないけど‥‥がっかり。こんなに素晴らしい、テンションの高い演奏や楽曲を突きつけられても、何も感じないなんて‥‥「ロックファン」ではないんだね、君達は‥‥「民生ファン」であり「ミスチルファン」でしかないんだね、きっと‥‥いろんな意味で憤りを感じた瞬間だった。

  基本的にニューアルバム「Futurama」からの楽曲が殆どで、それらがアルバム通り忠実に再現されていく。ドラム2人の意味も、ライヴを通して聴くと妙に納得できた。それにしても、このバンド。いつからMC担当がミキちゃんになったの?(笑)個人的にはそっちの方が嬉しいけど♪ 当然この日も、あの2年前の「悪夢」(苦笑/詳しくは、'99年6月のライヴレポ参照)同様、ミキちゃんコールを飛ばす俺‥‥30目前ですが、全然恥ずかしくはないです。むしろ、前へ前へと積極的です。いいんです、もう引き返せませんから‥‥(涙)

  やはり圧巻だったのは、"Karma"~"FAIRWAY"の流れ、そして新作以外からの"Be"。ギターノイズの渦、カオス状態の中、ステージからひとり、またひとりという風に消えていき、最後に床に置かれたギターだけが残る。正直、スーパーカーごときで(って別にバカにしてたわけじゃないけど)こんなにググッとくるとは思ってもみなかった。これまで俺にとってのスーパーカーはポップな楽曲にミキちゃん、それだけだった(笑)。正直、ギターレスになろうがテクノに走ろうが、曲が親しみやすいものであれば何の文句もない。けど‥‥今日この日のステージは、2年前のあのブリッツ公演を忘れさせるくらいに素晴らしいものだと思った。これは成長なのか、単に変化しただけなのか‥‥自分達にできることしかやってこなかったイメージのある初期と比べて、今の彼らからは試行錯誤だとかチャレンジだとか、そういった「前進したい」という心意気みたいなものを感じる。それが個々のソロ活動だったりDJだったりするのだろう。既に「ロックバンド」という形態をも取っ払って「自分達が気持ちよくなれる、いい曲を作りたい」っていう、至極シンプルな結論に達したのかもしれない。俺はそれを支持するし、今後も見守っていきたいと思う。また機会があったら観たいなぁ‥‥そう思わせるに十分なアクトだった。お見事!


01. Changes
02. White Surf style 5.
03. ReSTARTER
04. Baby Once More
05. Strobolights
06. PLAYSTAR VISTA
07. Seven Front
08. Karma
09. FAIRWAY
10. BE


◎JJ72 (at GRASS STAGE)

  ライヴ開始前に再び渋谷陽一が現れ、「彼らはこのためだけに来日した。イギリスではメディアで大絶賛の新人で、そこら中で引っ張りだこ。そんな彼らに対して暖かい拍手で迎えてあげてください」という、とても日本一売れている音楽雑誌社の社長の発言とは思えないような言葉を耳にして、絶句。しらけることが判ってるなら、何で呼ぶの? 前日のジョンスペだって、散々だったっていう話じゃないか!? そんなくらいなら呼ぶなよ‥‥マジで怒りを覚えた。

  そして、ステージにメンバーが現れる。バンドメンバー3人と、サポートのキーボードひとりの計4人。ボーカルの声の線が細く、それでいてかなり高音。最近、この手のボーカル、多いよな‥‥マニックス云々ってポップをレコード屋で目にしたが、単にプロデューサーが一緒、3人編成って位しか共通項は見受けられない。悪くはないけど‥‥はっきり言って、こんなんじゃアルバム2~3枚で消えるな、そう感じた。よくいる「今年のブライテスト・ホープ」ってやつだろう。しかしここ数年、この手のバンドがどれだけ生き残ってる? MUSEのような力強さ(音楽的にではなく、バンドとしての)を感じさせることもなく、個性のようなものも感じることができなかった。周りが完全に無関心を決め込んでいるという環境も災いしているのだろう‥‥正直、個人的には何の接点も感じられなかったし、今後も必要ないだろうと思った。好きな人には申し訳ないが、こういうバンドばっかりだから、英国ギターロックシーンに面白味を感じられなくなったんだろうなぁ‥‥と何となくそんなことまで考えてしまった。

  それにしても、お客の寒いこと、寒いこと。曲中は完全に棒立ち、曲が終わるとお情け程度の拍手ときたもんだ。曲間、シーンとしてたもんなぁ‥‥声援もなければ、キャーって声もなし。本当、この日一番の静寂を感じたよ。


01. OCTOBER SWIMMER
02. LONG WAY SOUTH
03. SURRENDER
04. FORMULAE
05. SNOW
06. ALGERIA
07. DESERTION (ACOUSTIC VER.)
08. WILLOW
09. OXYGEN
10. BUMBLE BEE


◎BOOM BOOM SATELLITES (at LAKE STAGE)

  今年のフジロック前夜祭にシークレットゲストとして出演し、俺を失望のどん底に陥れたブンブン。そういう噂は耳にしていたが、まさか本当だったとは‥‥行けたのに、前夜祭‥‥ガッカリ。そんななので、やっぱり今日は観ておこうということに。素晴らしいアルバム後のライヴだけに、やっぱりタイミング的にはいいんじゃないかなぁ‥‥

  驚いたことに、彼らのライヴはアルバム以上にロック然としていたこと。つうか、ありゃ完全にロックバンドだよ。下手すりゃヘヴィ系と言われても違和感ないもん。ダンサブルなロックバンドがテクノロジーを導入しました、しかもそれが機能的に上手くいってます‥‥そういうイメージのライヴだった。勿論アルバムからも、そういうロックアプローチを存分に味わうことができたが、こりゃライヴの方が数段素晴らしい。ドラムが素晴らしかったね、特に。ある意味、フュージョン的とも言えなくはないが、それよりはロックだね、ライヴ。

  タテノリもあれば、腰にググッとくるリズムもある。曲間も上手く繋ぎ、間を空かせることがない(この辺がDJ感覚っていうか、ダンスバンドなんだなぁと実感させた瞬間だった)‥‥聴き手を全く飽きさせない。特にキーボード/コンピューター/ベースの中野がよかったなぁ。コンピューターいじってる最中、曲の途中でいきなり前に出てきて踊って暴れて客を煽るし(笑)。何で彼らが海外でウケたのか‥‥その理由が何となく見えた一時だった。薄暗いクラブで踊るのもいいけど、夕焼けバックに野外でこの手の音楽で踊るのも、また気持ちいいね♪


01. SHINKYOKU(新曲)
02. SOLILOQUY
03. DIG THE NEW BREED
04. SINKER
05. PUSH EJECT
06. SCATTERING MONKEY


◎MR.CHILDREN (at GRASS STAGE)

  さぁ、ミスチルですよ、奥さん!(笑)ミスチルがフェスに出演する‥‥それだけで俺はこのRIJF行きを決めたようなもんなんだから‥‥5月中旬の発表後、すぐに振込したもんなぁ(笑)。そのくらい、俺はミスチルがフェスに出演することを熱望していたし、ぴったりだと思っていた。どうせならフジロックに‥‥とも思ったが、まぁそれは現実問題として難しいだろう。エゾロック(RISING SUN ROCK FESTIVAL)だったらまだなきにしもあらずだが。珍しく今年の夏、ミスチルは夏のスタジアム(野外)ツアーを決行している。その一環としての出演ということになるのだが、果たしてセットリストはどういうものになるのだろうか? 先日発売されたばかりの2枚のベスト盤を中心としたものになるのだろうか、それとも「rockin'on」リスナーを意識した「ロック然」としたものになるのか‥‥どっちにしろ「ミスチルなんかロックじゃねぇ」とのさばる輩を黙らせなくてはならない、そう、今日の彼らにはそうした命題が課せられていたのだった。

  予定のスタート時間を30分遅れ(19時スタート予定だったが、実際にはこの日、セッティング等で徐々に徐々にと遅れていき、結果30分押しとなってしまった)、照明が消える。大歓声‥‥真ん中よりはかなり前の方に陣取っていたのだが、後ろを振り返ると‥‥人の海。前の週に苗場で体験したOASISを彷彿とさせる、そんな人混みだった。そして例の如く、後ろから押され、どさくさ紛れにけっこう前の方まで流れていった。メンバーの顔を目視できるポジション。こんな位置で彼らを観るの、どれくらい振りだろうか?
  暗転した場内に流れ始めたのは、アルバム「深海」のオープニングを飾るSE"Dive"‥‥おいおい、ま、まさか‥‥「あれ」をやるのか???

  メンバーがひとり、またひとりとステージ上に登場。最後に赤いTシャツに黒い皮パンツを履いた桜井が登場する。風貌的には半年前にさいたまスーパーアリーナで観たときと余り変わらない姿で(髪の長さも前と同じくらいかな)、見た目かなり気合い入ってるように感じられる。アコースティックギターを受け取り‥‥ということは、やっぱり「あれ」から始めるのかよ、おい‥‥!!!

  桜井がコードを弾く‥‥やはり、1曲目は「深海」から"シーラカンス"だ。すっげ‥‥鳥肌立ったよ。封印したとは言ってないが、明らかに演奏することを拒んでいたように思える「深海」からの曲をオープニングに、しかも「rockin'on」相手にぶつけてくるとは‥‥この男の決意みたいなもんを「これでもか!?」って位に感じた。4年半振りに演奏されるこの曲だが、前のような悲壮感や疲れは感じることはなく、むしろ力強さを更に感じる歌声だった。何度でも言うが、復活後の彼ら‥‥特に桜井は本当に調子がいいようで、この日の歌も最後まで完璧に近かった。後半のPINK FLOYD「吹けよ風、呼べよ嵐」的パート(笑)での川口氏のスライドプレイも4年半前以上にググッときたし‥‥ってここで書いておくが、サポート陣も半年前と全く同じ。つまり「DISCOVERY」ツアー以降の固定メンバーということになる。バンドとしてもかなり脂の乗りきった、安定感ある的確なプレイを聴かせてくれた。

  アルバム通りに"手紙"へと流れる。ピアノと桜井の歌だけという小バラード、既に数万人のオーディエンスの心を完全に鷲掴みしたようだ。つうか、本当に前みたいに痛々しさを感じさせない、聴いててググッとくるよなぁ、今日の「深海」楽曲群は。

  更にもう1曲「深海」から、シングルカットもされた"マシンガンをぶっ放せ"で、観客を煽る。と、ここまでベスト盤の楽曲は1曲もプレイされていない(笑)。完全に「rockin'on」相手の選曲ってことになるのだろうか?(後に判明したが、今回の野外ツアーでもこれらの「深海」メドレーはプレイされているそうだが、決してオープニングからというわけではない。これからスタートするってのは、やはり相手になめられたくないという気持ちが働いたのだろう)

  続いて、テクノ的4つ打ちサウンドが聞こえてきた。一瞬、新曲か?とも思ったが‥‥そこに桜井が歌を乗せる‥‥"ニシエヒガシエ"のニューアレンジだ。ワンコーラスそれで唄い切った後、バンドが加わりいつも通りのアレンジに戻る。最初はアコギを持っていたものの、バンドが加わってからはギターを置き、右へ左へといつものように動き回り、客を煽り、そしてセクシーなポーズ(笑)で女性達を悩殺する。きっと、ミスチルを"innocent world"や"シーソーゲーム"なんかのイメージで捉えていた人達にとって、まさかミスチルがこんなにも攻撃的なライヴをやるなんて思ってもみなかっただろう。ファンにしてみれば、これはいつも通りのことなのだが‥‥がしかし、今日の桜井はいつもとちょっとだけ違う。そう、笑顔が一度もないのだ。気負い過ぎだよ、って思えるくらいに今日の彼は熱い。考えてみれば、直前まで尊敬する奥田民生が演奏しているのだ。しかも彼らは、それをずっと袖から観ていたと聞く‥‥そりゃ負けられないよな。俺でもきっと、そうすると思うし。

  再びテクノチックなシーケンス音に導かれ、新たなアレンジの"光の射す方へ"を披露する。この曲でもワンコーラス終わった時点でバンドが加わり、いつも通りのアレンジへと戻っていく。考えてみれば、ここまでの5曲、まぁシングル曲が内3曲とはいえ‥‥「みんなが望むミスチル」をまだ演じていないんだよなぁ‥‥つまり、初期の"innocent~"や"抱きしめたい"といった、ベスト盤でいえば「肉(通称)」の方の曲をまだ1曲も披露してないのだ。しかし、それでも多くのオーディエンス‥‥ミスチル目当て以外の人達も含めて‥‥を惹きつけている。小川くんが後に「メガヒットバンドの恐ろしさを目の当たりにした」と語っていた通り、これが百戦錬磨、常に数万人ものオーディエンスを相手に戦ってきた、そしてチャート上では常に上位入り、ミリオンヒットを当たり前とされてきたバンドの「凄み」なのだ。まさかこういう時に、彼らが本領を発揮するとは思ってもみなかった。善戦するだろうとは思っていたが、ここまでやるとは‥‥ファンながら、あっぱれあっぱれと思ったよ。

  そして、遂にここで、あのピアノのメロディーが‥‥ここにきてようやく、メガヒット曲"Tomorrow never knows"が登場! 大歓声というよりも「オオォ~」っていう、低音に近い驚きの声がそこら中から上がる。相変わらずうざったい手拍子があったが、桜井が唄い出すとその手拍子もいつの間にかなくなり、みんな歌に聴き入ってしまっていた。そして‥‥気づくとそれが大合唱に変わっている。サビの「Wow~wow♪」では老若男女、誰彼問わずにみんなが唄う。これはある意味、OASISと同等の凄さを感じた。「俺は唄ってない!」と否定する人もいるだろう。しかし、そんなのがごく僅かだということは、あの日あの場所にいた何万もの(3万5千人と聞いているが‥‥)ミスチルに惹きつけられたオーディエンスが証明してくれるだろう。当日購入した公式パンフレットにも「OASISに対抗できるバンド、日本にはもはやミスチルしかいないのではないだろうか?」なんてことが書かれていたが、それは全面的に同意する。あれだけのメガヒット、そしてライヴをやれば動員数は常に下がることはなく、そして売れているからこそ貶す「自称・ロックファン」も多い。昔の方がよかったと嘆く「元・ファン」も数多く、そしてなんだかんだ言いながら多くの人間が代表曲を口ずさめる‥‥そんな「ロックバンド」は、俺が知る限りでは数少ない。少なくとも、ここ日本には‥‥どれだけいる? それを否定するのは誰にでもできる。しかし、何故彼らがロックなのか、何故彼らがこれだけ受け入れられるのかを真剣に考えたことがあるのだろうか? 口当たりのいい曲をシングルに持ってきてるから? そんなの、当たり前だろう。その為の「シングル」でしょ? アルバム聴けって、アルバム。「DISCOVERY」や「Q」を越えるアルバム、どれだけあるのさ!?

  さすがにね、俺‥‥この曲の時にマジ泣きしてしまった。どうしてもこの曲だけは、俺の涙腺を弱めるだけの何かを持っているようで‥‥まぁいろいろあったからなぁ、この数年。この曲にも助けられたし‥‥そんなことを考えながら、声を振り絞って一緒に唄う。俺の周りにいた、AIR JAM系のTシャツを着た少年達も口ずさんでたっけ。

  それにしても‥‥前回のツアーの時に感じられた「違和感」を、今日は全く感じられなかった。メンバー自身が楽しんでいるのが判ったし(そこに笑顔はなかったが)、惹きつけてやろうって意気込みも感じられた。そう考えると、前回の「温度差」ってのは、やはりそれだけ新作「Q」に対する自信の表れだったのかもしれない。「何でもっとみんな、新しい曲を求めてくれないんだよ!?こんなに素晴らしい曲ばかりなのに」っていう。それが受け手と送り手との間で空回りしてしまっていた。しかも会場は3万人前後も入るような、当時のツアーで最大のキャパシティー。上手く伝達していなかった‥‥今ならそう考えることができる。

  バンドは続けて、今月末に発表される新曲のカップリングとなる、"花-Memento-Mori-"のニューアレンジ・バージョンを披露した。原曲ではアコギだった桜井がエレキを持ち(しかも珍しくストラトだ)、代わりに川口氏がアコギにスイッチ。アレンジ的には'80年代前半の産業ハードロック・バラード的になっており、FORIGNER "Waiting For A Girl Like You"やJOURNEY "Who's Crying Now?"を彷彿とさせるピアノメインのアレンジに変わっていた。そしてサビになるとギターのパワーコードが入るという、ハードロックにありがちなバージョンだった。前のシンプルで、歌を伝えるのに十分な演奏とは違い、ここには単純に歌が持つ力強さをより強調したようなパワーを感じる。個人的な好みで言わせてもらえば‥‥やはりずっと親しんできたということもあって、どうしても新アレンジには馴染めなかった。まぁもうじきシングルもリリースされるので、それを聴き込んだ上で改めて発言することとしよう。けれど、オーディエンスにはこの大ヒット曲も好意的に受け入れられ、最後のサビではみんな大合唱となっていた。

  ここで初めて桜井がMCを取る。「できたばかりの新曲を演奏します」という言葉に続いて、いよいよ1年振りに発表される新曲"優しい歌"が披露される。浦氏のアコーディオンに続いてバンド全体の演奏に入る。曲調としては"名もなき詩"や"旅人"タイプといえる。タイトルとは裏腹に、歌詞には「甘えていた鏡の中の男に復讐を誓う」なんて尖った言葉もたびたび登場する。内容についての俺の解釈はまた後程、シングルレビューでやるのでここでは控えるが、これはある意味画期的な内容となっている。完全に「ああ、ベスト盤で一区切りつけたんだな。「Q」ってアルバムはそれだけメンバーにとっても重要な作品だったんだな」ってことを意識させる内容となっているからだ。

  桜井が途中、何度か袖の方に確認の合図を取っているように見えた‥‥残り時間の確認だろうか? 当初19時スタート予定だったことから、この日の彼らには90分近い演奏時間が与えられていたはずだ。しかし、実際には30分遅れでスタート。どう考えても、60分で終了せねばなるまい‥‥ということは‥‥時計に目をやる。現在スタートして約40分。どうやらこの曲で終了するようだ‥‥短い、短すぎる! これだけ素晴らしい楽曲と素晴らしい演奏を前にして、もう帰れっていうのか!? ソープに行って前戯だけ散々やって、いざ本番って時に「延長なしよ。もう終わり」と宣言されたようなもんだ、こりゃ!(笑/って行ったこと、ないですけどね、俺)桜井の「バイバァ~イ!」も今日だけは空しすぎる‥‥そりゃ、アンコールを求める声もいつも以上に大きくなるわな?

  暫くして、再び照明が明るくなる‥‥おおっ、さすがトリだ。ちゃんとアンコールが用意されているんじゃないか。さすがに桜井もこのときだけはホッとしたような笑顔。「今日出演した全バンドを代表して言わせてください。今日は本当にどうもありがとう!」ステージで微笑んでいるその男が桜井和寿だと確認できるような位置でミスチルを観ること自体久し振りだが、こんなにピュアなMCをかます桜井も随分久し振りじゃないかな?(いや、そうでもないか/苦笑)

  「月がキレイだね‥‥」と言って、ステージとは反対側にある月を指さす。みんな振り返る。本当に綺麗だ‥‥こんなに月を大きく感じたの、久しくないな。いや、こんなマジマジと月を見たのも随分なかった‥‥そして「次の曲は月とは前々関係ない曲なんですが‥‥」と言って桜井がギターをかき鳴らす‥‥アンコールとして選んだのは、復活後のミスチルにとってとても大切な曲と言える"終わりなき旅"だ。やはりここでも低音に近い「オオオォ~」っていう声が響く。どうやらこの曲で今日のフェス2日目を終えるようだ。この曲は今日を含めて3度ライヴで聴いているが、毎回違う表情を見せ、そして毎回ハズレがない。これだけ唄うことが難しい楽曲を、今日も桜井は全身の力を振り絞って唄う。そしてそれが痛い程に伝わってきて、また男泣き。ミスチルだけはひとりで観ようと決めていた。それは‥‥絶対に泣くから。ここ2回、確実に泣いてたからね、俺(苦笑)。だからひとりで行ってるんだよ、いつも。この曲、ここ数年の俺のテーマ曲みたいなもんだったから、尚更響く。30になっても、40になっても、壁にぶつかったら、俺はこの曲の歌詞を噛みしめて、再び前進しようと決めた。そしてこれを書いている今この瞬間も‥‥

  エンディングでは例の如く、ステージ上のメンバーが皆向かい合って一丸となり演奏する。ちょっとニール・ヤングみたいだ。そして演奏終了。この日一番の拍手が彼らに送られる。使命を果たした桜井に再び満面の笑みが戻った。「気を付けて帰ってね。バイバァ~イ!」と、いつもの桜井がそこにはいた。そのミスチルを、そして我々を祝福するかのように、花火が上がる。気づけば、今年初の花火だった。同じこの日、地元では花火大会だったが、俺にはこっちの方が似合ってる。今も、そしてこれからも‥‥

  結局、この日演奏された曲は全て今回のツアーで演奏されている楽曲群だが、それらを並び替えることによって、また厳選することによってここまで「rockin'on」リスナーをも圧倒することになるとは。いや、これは楽曲だけの力ではなく、バンドの気力がそれを上回ったということになるのだろう。久し振りにバンドの底力をまざまざと見せつけられた。圧巻。やっぱり桁違い。スケールが違うって。バカにする奴は死ぬまでそうやってればいい。桜井は自分達のことを「ポップをやっていく恐竜」と例えた。「恐竜」が何を意味するのか、ちょっとロックを好きな人間なら判るはずだ。彼らは選んだ、いや、決意したのだ。今後も「俺達はポップをやってくロックバンド」なんだってことを‥‥たった50分程度だったが、それを感じられただけでも、ひたちなかまで来た甲斐があったってもんだ。


01. Dive ~ シーラカンス
02. 手紙
03. マシンガンをぶっ放せ
04. ニシエヒガシエ
05. 光の射す方へ
06. Tomorrow never knows
07. 花 -Memento-Mori-(再録音バージョン)
08. 優しい歌(新曲)
  ---encore---
09. 終わりなき旅

投稿: 2001 08 18 03:49 午前 [2001年のライブ, BOOM BOOM SATELLITES, MO'SOME TONEBENDER, Mr.Children, PEALOUT, ROCK IN JAPAN FESTIVAL, ゆず, スーパーカー] | 固定リンク