BULLETS AND OCTANE『IN THE MOUTH OF THE YOUNG』(2006)
いやー、久しぶりに活きのいいアメリカン爆走ロックに出会った気がするよ。パンクでもなくメタルでもなく、かといって最近のエモやスクリーモ/メタルコアとも違う。純粋に爆走しまくるハードドライビン&ハードロッキンなロケンローバンド。いそうでいないんだよね、こういう単純明快なバカって。まぁアメリカくらい広けりゃ、探せばいるんだろうけど、これをメジャーのフィールドでやってる、しかもこれが2ndアルバムだっていうんだからね。嬉しくなっちゃうよ、ったく。
今回紹介するBULLETS AND OCTANEというバンド。上にも書いたように、このアルバム「IN THE MOUTH OF THE YOUNG」は彼らにとって2枚目のアルバムにあたるんだけど‥‥俺、前作が出たの、覚えてたわ。というのも、彼らのデビュー盤「REVERLY」のプロデューサーが、元CANDY~KILL FOR THRILLS~GUNS N'ROSESのギルビー・クラークだったんですよ。それで俺、記憶に残ってたのね。ま、今日の今日までその名前までは覚えてなかったわけですが(今回新作を買っていろいろ調べたら判ったという)。
んで、今回の新作。アメリカではデビュー盤が2004年9月にリリースされているんですが(日本盤は昨年4月)、約1年半ぶりのリリースとなりますね。前のアルバムがヒットしたという話を聞いてないのでアレですが、よくメジャーから落ちなかったなぁと。アメリカの「RCA / SONY BMG」はやる気なんですかね、こんなエロでやさぐれたジャケットのアルバムなのに。
前作ではギルビー・クラークという21世紀には非常に微妙な人選だったわけですが、今回はある意味ですごい組み合わせですよ。だってプロデュースがペイジ・ハミルトン(HELMET)、ミックスがケン・アンドリュース(元FAILURE~YEAR OF THE RABBIT)ですからね! その筋の人が聞いたら驚きそうな名前ですよね。んで、この組み合わせによる音がコレですから。極太で低音の効いた、歪みまくりのギターが暴走しまくるパンク/ロックンロールチューンが12曲。MOTORHEADも真っ青ってくらいに全編前のめりで突っ走ってます。ホント、頭が悪いとしか思えないくらい、バカのひとつ覚えと言わんばかりに、休みなく走ってます。勿論、中には聴かせる曲もありますよ。でも、それも「爆走ロケンロー」の範疇での話ですけど!
いやー、なんの予備知識もなく、ただジャケットに惹かれて手にしただけなんですよ、俺。試聴もしてないし。ジャケ買いですよ、マジで。んで裏ジャケ見たら、上のプロデュース&ミックスの人選ですよ。悪いわけがない。さらにその名前からは予想のつかなかった、まんまジャケ通りの音が40分鳴りっぱなしなわけですから。そりゃいいに決まってますよ!
多分こういうバンドは、ブルージーなミドルチューンをやらせても上手いはずなんですよ。だけど、あえて走りまくる。走りたくてたまんねーんだろうなぁ。やさぐれたい年頃なんですよ、きっと。最近、やたらと'80年代チックなロックバンドがアメリカに増えてるから、きっとその流れでこのバンドも取り上げられる機会が増えるんじゃないかな‥‥勿論、よい方向で取り上げてくれればいいんだけど。日本でもこの手のサウンド(そしてビジュアル)が好きなファンって多いし、絶対に需要があるはずだから、ぜひ早いとこ日本盤だして、来日させてあげてください。これはサマソニに合ってると思うんだけど。
このドロドロした濃いロケンローを、早く生で体験したいなぁ‥‥いやぁ、久しぶりにいいバンドに出会えた気がしたよ。
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