2009/12/26

追悼・志村正彦

本当、なんで今年はこんなにもミュージシャンの訃報が続くんだろうね。清志郎さんのときに肩を落とし、アベフトシのときに涙ぐみ、そして今回も……オフィシャルサイトでその一方を見つけたとき、変な汗が出てきて動悸が激しくなった。同僚に早く伝えなきゃって思うんだけど、なんて言っていいかわからない。言葉が出てこない。こんなこと初めてだった。

職業柄、その事実をニュースとして伝えなくてはいけない。この事実を再び文字に起こさなければならない。文字にしたらほんの数行で済んでしまう彼の訃報。普段だったら2分とかからないその入力さえも、異常にはかどらない。筆が重い……いや、キーボードを打つ指が鉛のように重く感じる。頭も働かない。いつもの数倍もの時間をかけて、事実のみを伝える記事を書いた。

書き終え公開された後、何とも言えない脱力感が僕を襲う。何も手に着かない。ボーッとしてしまうと涙が落ちてきてしまいそう。だから、結局原稿を書き始める。何も考えなくていいから、むしろ原稿に向き合っていたほうが楽なんだ。

Twitterでは彼の死を惜しむ声と、まったく関係のない話題が交差する。何となく自分自身の許容範囲を超えていたので、Twitterを閉じる。意味もなく怒りがこみ上げてくる。

結局その晩は、同僚たちと呑みに出かけた。たまたま仕事納めだったこともあったんだけど……非常に重苦しい空気が一部に漂ってた。結局口をつくのは志村くんの話。そして無理に明るく振る舞おうとして、さらに呑む。

4時前に帰宅して、吐く。吐くほど呑んでいなかったんだけど、部屋でひとりになったら急激な吐き気に襲われた。すべて吐き出したら、また怒りがこみ上げてきた。

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僕は志村くんには一度も会ったことはない。ライブもフェスやイベントで観る程度。でも、アルバムだけは異常に愛聴していたし、個人的には昨年発売の「TEENAGER」は2008年のベスト3に入る作品だった。今年出た「CHRONICLE」も悪くなかった。けど、きっと次の新作がすごいんだろうな……そう思わせる“開花前夜”を思わせる内容だったと思う。

何となくだけど、2010年にはインタビューできるんじゃないか。そんなことを漠然と考えていた。むしろ、それを望んでいた。一度はきちんといろんな話を聞いてみたいアーティストだったし、来年30代に突入する彼がこれからどんな音楽人生を歩んでいくのか。それを同時代を生きる者として一緒に体感したかった。

今、スペースシャワーTVで放送されてたフジファブリック特集を鑑賞しながら、これを書いてる。最新の「Anthem」あたりを聴くと、本当にこの人が次にどんな音楽を作り出していたのか、そればかりを想像してしまう。

今はこれ以上の言葉は出てこない。いとうせいこうさんがTwitterでつぶやいた「生きてるもんでなんとかやっていくしかない。」という言葉を噛みしめて、生き続けるしかない。今はそれしか言えない。




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投稿: 2009 12 26 11:24 午後 [「R.I.P.」, フジファブリック] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック