追悼・志村正彦
本当、なんで今年はこんなにもミュージシャンの訃報が続くんだろうね。清志郎さんのときに肩を落とし、アベフトシのときに涙ぐみ、そして今回も……オフィシャルサイトでその一方を見つけたとき、変な汗が出てきて動悸が激しくなった。同僚に早く伝えなきゃって思うんだけど、なんて言っていいかわからない。言葉が出てこない。こんなこと初めてだった。
職業柄、その事実をニュースとして伝えなくてはいけない。この事実を再び文字に起こさなければならない。文字にしたらほんの数行で済んでしまう彼の訃報。普段だったら2分とかからないその入力さえも、異常にはかどらない。筆が重い……いや、キーボードを打つ指が鉛のように重く感じる。頭も働かない。いつもの数倍もの時間をかけて、事実のみを伝える記事を書いた。
書き終え公開された後、何とも言えない脱力感が僕を襲う。何も手に着かない。ボーッとしてしまうと涙が落ちてきてしまいそう。だから、結局原稿を書き始める。何も考えなくていいから、むしろ原稿に向き合っていたほうが楽なんだ。
Twitterでは彼の死を惜しむ声と、まったく関係のない話題が交差する。何となく自分自身の許容範囲を超えていたので、Twitterを閉じる。意味もなく怒りがこみ上げてくる。
結局その晩は、同僚たちと呑みに出かけた。たまたま仕事納めだったこともあったんだけど……非常に重苦しい空気が一部に漂ってた。結局口をつくのは志村くんの話。そして無理に明るく振る舞おうとして、さらに呑む。
4時前に帰宅して、吐く。吐くほど呑んでいなかったんだけど、部屋でひとりになったら急激な吐き気に襲われた。すべて吐き出したら、また怒りがこみ上げてきた。
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