2007/11/01

後藤真希『How to use SEXY』(2007)

後藤真希がハロプロを卒業した。その経緯はこの際どうでもいい。彼女はすでにハロー!プロジェクトの一員ではないという事実がそこにあるのみ。だけど、その事実に対して何も感じない自分がいる。これもまた事実。

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ハロプロのCDを買うこと自体が半年ぶりのことなんですよ。どういうことかというと……ご想像どおり、ハロプロに対してまったく興味がなくなってしまったというのが本当のところ。いや、仕事で接するくらいで、日常の中にはほとんどといっていいほど、彼女たちの音楽が僕の中に入ってくることはなくなりました。そして、別に彼女たちの音楽がなくても、自分の生活はそれまでと何も変わらないし、特に寂しいと感じることもないわけです。まぁぜんぜん聴かないというわけではないし、どんなユニットが結成されてどんなアイテムが発表されてどんな曲調なのか……ということくらいは把握してるわけですが。

この後藤真希のアルバムだって、発売から1ヶ月以上経ってから買ったものだし、多分今回の一件がなければ自ら購入することはなかったと思います。だって、ハロプロのCDに3,000円費やすなら、もっと聴くべき国内アーティストがたくさんいるし、聴いておきたい海外のアーティストの輸入盤が2枚も買えちゃうし。

まぁそんな感じで、気まぐれに「ご祝儀」程度の気持ちで買ったこのCD。評価が高いのは知ってたんですが、確かに良い出来ですね。アルバムとして一本筋が通っている(R&B路線で貫かれている)ので、これまでみたいな「幕の内弁当」的な作風にはなっていない。でも、昨年の路線変更を考えればこれは当たり前の結果であって、ファンにとっても納得のいく1枚だと思います。

楽曲はすべてつんく♂によるもの。シングル曲3曲を除く、計7曲が新たにアルバム用に書き下ろされており、R&B路線の範疇内でのバラエティに富んだ楽曲が並んでいます。確かに「歌手・後藤真希」を上手く活かした内容だと思うし、確かにこれを今のハロプロ内でやろうとするには無理があるのかもしれませんね。

正直なところ、彼女が今後どんな音楽をやっていきたいのかは、本人にしかわかりません。結局、あの声明文を読んでも、卒業理由のひとつとなった「方向性の相違」が何を意味するのかも、現時点では明らかにされていませんし(現在のセクシーR&B路線のことを指すのか、それとも現状の「おこちゃま路線」なハロプロを指すのか)。でも、恐らくこのアルバムに示されていることが、彼女自身が一番やりたいことなんでしょう。昨年のライブには足を運びましたが、きっと今年のソロツアーもこのアルバムからのナンバーを中心に、かなり本格的なステージパフォーマンスを目にすることができたはずだと想像します。

少なくとも、このアルバムを地盤に……いや、これを最低ラインに、今後はアーティストとしてもっと羽ばたいてくれるはず。そう願って止みません……いや、それは嘘だな。言い過ぎ。そんなに興味ないもの。ゴメン。

とにかく、自分にとっても、そして後藤真希にとっても、最後にふさわしい快心の出来だと思います。



▼後藤真希「How to use SEXY」(amazon:日本盤w/DVD日本盤

投稿: 2007 11 01 02:22 午前 [2007年の作品, ハロー!プロジェクト, 後藤真希] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/12/18

後藤真希『プレミアムベスト①』(2005)

 今年の後藤真希は年頭に「3rd ステーション」(→レビュー)という非常に良く出来たポップアルバムをリリースし、更に「スッピンと涙。」(→レビュー)という、これまた非常に優れた楽曲をリリースし、数こそそれまでとは比較にならない程少なかったものの、非常に充実した1年だったんじゃないかな、と勝手に思ってます。

 んで、そんなリリースの少なかった今年を締めくくる作品として、ベスト盤がリリースされることになったわけですが‥‥ソロデビューから約5年、気づけば彼女も20才になって、確かにここでひと区切りつけるにはいいかもしれませんね。モーニング娘。や松浦亜弥以外にこうやってベスト盤を出せるのは、今や彼女くらいでしょうしね。

 基本的にはシングルコレクション的内容で、ソロデビュー曲 "愛のバカやろう" から最新シングル "スッピンと涙。" までの12曲(ミュージカル用の企画盤的色合いの「サントワマミー/君といつまでも」こまっとう後浦なつみの曲は収録されず。ま、後者2ユニットの曲は2nd、3rdアルバムでそれぞれカバーされてますしね)+DEF.DIVAのソロテイク、モーニング娘。のオーディションで歌い、初の紅白出演でも歌った "オリビアを聴きながら"、そしてアルバム用新曲の "「二十歳のプレミア」" の3曲を加えた計15曲という太っ腹な内容。これから後藤真希を聴こうって人(がどれだけいるか疑問ですが)にとってはうってつけの入門編となってます。

 が、そういった単なるコンピ盤として流してしまうには惜しい1枚でもあるわけでして‥‥例えば、シングル曲にもいろいろと仕掛けが施されてたりするんですね。全15曲中、既出曲のテイク違い/バージョン違いも含めると約半数の7曲が別テイクなり新録音だったりするんですよ。「シングル全部持ってるし、ベスト盤の類はいいや〜」と思ってスルーしようとしてたそこのアナタ。悪いことは言わないから買ってみなさい!

 1曲目の "愛のバカやろう(バカやろうVersion)" は基本的にはシングルと同テイクなんだけど、サビに行く前のブレイク部分に後藤自らの「‥‥バカやろう‥‥」っていう呟きが挿入されている新バージョン!‥‥って子供騙し同然なわけですが(苦笑)。問題はここからですよ。5曲目 "抱いてよ!PLEASE GO ON(2005夏ハロー!Version)" はなななんと! 夏のハロー!プロジェクトのコンサートからのライヴテイク! 曲自体はTV用のハーフサイズなのですが、ライヴならではの後藤の煽りやヲタの声援やPPPH(!!!)まで収められていて、臨場感は伝わってきます。ヲタ声の入ったライヴテイクをこういったアルバムに収録することに賛否あるかと思いますが、何故彼女が「ライヴが凄い!」と言われるのか、その片鱗を伺い知ることが出来る1曲になってるんじゃないかな? しかも選ばれた曲が、シングル曲では最もハードでアッパーな類。ちょっと久し振りに後藤コンに行きたくなったよ。

 2曲目に収められたDEF.DIVA "好きすぎて バカみたい" はアレンジこそシングルと同テイク(だよね?)なものの、ボーカルは完全に後藤ひとり。1曲目が5年前のテイクだから、その5年の成長というか時の流れを十分に感じさせるテイクだと思います。この配置は良いなぁ。「愛のバカやろう」から「好きすぎて バカみたい」っていうタイトルの流れも良い。

 12曲目からの4曲は全てこのアルバム用に録音されたであろうリテイク&新曲。"サヨナラのLOVE SONG(純情Version)" はバックトラックを一新し、ボーカルも再録音されたテイク。歌謡曲チックだったシングルテイクと違い、ここでは高橋諭一アレンジらしいポップな仕上がりで、これはこれでアリ。っつーか俺、こっちの新テイクの方が好きだ。ただ、フェイクを含めた歌い回しはシングルの方が好きだけどね。

 13曲目 "オリビアを聴きながら" も「2005 Version」ってことでアレンジ/ボーカル一新されたもの。そつなくこなしてるよなー、アレンジも歌も。昔の後藤だったらちょっと不安定なとこもあったはずなのに、軽く歌ってるんだよな、今だと。いい具合に肩の力が抜けてるっていうか。力入れるところでは思いっきり力んで、こういう曲ではサラリと流す。この5年の成長が伺える1曲じゃないでしょうかね。

 14曲目は彼女の2ndシングルとなった "溢れちゃう...BE IN LOVE" の3つ目のテイクとなる「プレミアムVersion」。オリジナルのシングルバージョンのアレンジが非常にアレだったため(要するに、海外の某アイドルの某曲にアレンジが激似してたってわけ。ま、インスパイヤでしょうけどね、あれも)、1stアルバム収録時にはアレンジを一新し、そして今回はR&Bバラード調に生まれ変わってます。これもアレンジは高橋諭一。3曲連続彼のアレンジで、いい仕事しまくり。ちょっと "SHALL WE LOVE?" の藤本美貴バージョンを思い出しました。

 スローな曲が3曲続いた後、アルバムを締めくくるのが完全新曲となる "「二十歳のプレミア」"。後藤らしい、元気のよいポップチューン。最後はこうやって締めるのが如何にも彼女らしいというか。シングルにはならないものの、アルバムの中の1曲としては十分な出来だと思います。

 とまぁ新曲/新テイクに関してのみコメントしましたが、全体を通して聴くと‥‥非常に流れが良いんですよね。単なるシングル曲の寄せ集めはなずなのに、意外と良い流れなんですよ。冒頭2曲の「バカ繋がり」も良いし、そこからストーンと落とす "手を握って歩きたい"、そして名バラード "スッピンと涙。" で最初の山場を作り、勢い良くライヴテイクの "抱いてよ!PLEASE GO ON"、それを受けてポップでキャッチーな曲が延々続く‥‥なんだ、後藤ってこんなにいい曲を沢山貰ってたんだ、と今回改めて実感したりしてね。

 以前、「迷走こそ後藤真希の美学」なんて言ってた俺だけど、その迷走の記録をこうやってひとまとめにした時に見えてきたもの‥‥それは決して「無駄」なんかじゃなかったってこと。非常に意味のある迷走だったんだな、と。ホント、いい歌い手に成長したもんだ。



▼後藤真希「プレミアムベスト(1)」(amazon

投稿: 2005 12 18 12:30 午前 [2005年の作品, ハロー!プロジェクト, 後藤真希] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/10/19

DEF.DIVA『好きすぎて バカみたい』(2005)

 さ、2日続けてハロプロ・ネタです。もはやここを観てる人の中には重度のモーヲタはいないかと思います(以前はいたんだろうけど。さすが離れてったんじゃないかな)が、単純に自分が楽しめる曲が続いたんで、んじゃいっちょ取り上げてみっかーみたいな肩の力の抜け具合で接しようかと思いまして。一部の「普通はもう聴かねーよ」とかウダウダ言ってるカッコ悪いヲタ崩れの方々はどうでもいいです。我が道を行きます。っていうかほっとけって話ですよ、ええ。

 2002年末に「ごまっとう」があって、あれはまぁ1位を記録したわけでして。んで去年は「後浦なつみ」っていうのがあって、そっちは曲がアレだったことも大いに災いし(ま、それ以前にハロプロ自体が下火だったってのが最大の敗因でしょうが)4位止まり、セールス的にも惨敗。しかもそのまま紅白に出て翌年にはツアー‥‥のはずが、安倍のあの件でうやむやになり、まぁツアーだけはこの4月に辛うじて開催。非常に中途半端な形で終らざるを得ませんでした。

 がしかし。まさか今年もやるとは思ってなかった。さすがに意表をつかれた。しかもメンツが‥‥「後浦なつみと石川梨華(美勇伝)」な仲間達による、その名も『DEF.DIVA』ですよ。『DEF.』はDeffinitiveを意味するスラングで、まぁDef Techにも使われてるので馴染みのある単語かもしれませんね。ただ個人的にはDEF LEPPARの方を思い浮かべたんですが(こちらはちょっと意味が違って、「deaf Leopard」=耳の不自由な豹を意味する造語)。となると‥‥『耳の不自由な歌姫』‥‥皮肉ですか? いやいや、そっちの意味じゃないよな、ゴメンゴメン。

 んで、安倍なつみ・後藤真希・松浦亜弥・石川梨華というメンツによるこのユニット。単なる紅白対策と取ることも出来るし、今年の夏のシャッフルに加わらなかった人気所を寄せ集めた「もうひとつのシャッフルユニット」とも受け取ることができる。どうせなら後浦なつみのままでいいんじゃねの?とも思うし、何故ここに石川が加わるのか、その必然性も感じられない。コンセプトもイマイチ中途半端だし。ま、ケチの付いた後浦なつみを立て直すために石川を引っ張って来ただけなんでしょうけど‥‥しかしよりによって石川かよ‥‥と皆一斉に思ったはず。だって『歌姫』なのにさ‥‥

 最初テレビで歌うを聴いた時も、石川が足を引っ張ってるなーって思ったのね。でも曲自体はなかなかだと思ったし、アレンジも嫌いじゃなかった。むしろこの4人が代わる代わる1フレーズずつ歌っていく様にはちょっと目を奪われたし。やはり一時代を築いた者達による、それなりのオーラと貫禄を感じるわけ。あと‥‥何だかんだで、石川がいる/いないでやっぱり大きく違うわけよ。しなやかさというか柔らかさが加わるわけね、このグループに。後浦なつみの時はどうしても「ガチンコ勝負!」的なものを感じてたけど、石川が入るだけでやっぱり空気が一変するんだわ。そこはさすがだと思った、うん。

 さて。早速CDの方を聴いてみたんですが‥‥うん、やっぱり印象良いよ。'80年代ユーロ歌謡をモチーフにしたアレンジも悪くないし、何度か転調するサビのアイディアもありきたりではあるけど面白いと思ったし。実はCDで聴いて初めて気づいたんだけど‥‥石川の歌声が入ることで、耳障りがよくなるというか、いい意味でアクセントになってるのね。他の3人がどちらかというとごっついイメージが強いから、そこにボーンとあの石川の声が飛び込んでくると、やはり耳を奪われるし、意識を持っていかれる。この起用は間違ってなかったのかもしれない。ていうか、石川が入るとしっかり『石川梨華の曲』になっちゃうのは相変わらずで、さすがだと思います。正直今の美勇伝の曲の13倍くらいは良いと思う。

 同時収録されたリミックステイクも悪くない。個人的には田中直による「CRAZY J-G JAZZリミックス」が気に入ったし、AKIRAによる「女王リミックス」もまずまずだと思うし。原曲の平田祥一郎といい、今のハロプロワークスを引っ張る名アレンジャー3人による豪華なディナーといった感じかしら、このシングル。

 でも難点も書いておかないと。石川の生かしどころは良かったとしても、他の3人が‥‥上手いだけで終ってる気がするのね。上手いこと個性が生かされてないというか。松浦は良くも悪くも埋もれちゃってるし(この子はこういうユニットになると、完全に「何分の一」に徹して埋もれちゃうんだよな)、安倍も後藤も(曲調のせいもあるんだろうけど)今回は肩の力が抜けてるような気が。ワーと割りが良くないのかなぁ‥‥う〜ん。それと、1曲ってのは勿体ない。ホントに単なるシャッフルの一環ならまだしも、『2005年を代表するスーパーユニット』とか何とかいうなら、もっと4人の個性を巧みに生かした曲を2〜3曲は用意して欲しかった。まぁこの手のスペシャルユニットの時は決まって1曲のみで、あとはリミックスで水増しするパターンなので判ってはいたけどさ(去年の後浦は例外だったんだな。本気でシツレンジャーに差し替えたのか‥‥その神経が理解できない)。

 「これが売れないともう後がない」とか「このメンツで1位取らなきゃ意味がない」とかいろいろ意見はあるだろうけど‥‥全部無意味でしょ。実際「もう終ってる」わけだし、1位だって‥‥今年に入って1位を取ったハロプロ楽曲、どれだけある? 去年はどうだった? ねっ、考えるだけ無駄だよ。単純にこの曲を好きか、楽しめるか。それで十分なんじゃないの? ホントにダメダメなら、もうとっくに消えてるって。



▼DEF.DIVA「好きすぎて バカみたい」(amazon

投稿: 2005 10 19 01:00 午前 [2005年の作品, DEF.DIVA, ハロー!プロジェクト, 安倍なつみ, 後藤真希, 松浦亜弥, 美勇伝] | 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

2005/07/07

後藤真希『スッピンと涙。』(2005)

 多分疲れてたんだと思う。日常でいろんな事があり過ぎて、それが自分の中で全部処理し切れてなかったんだろう、ふとした瞬間に感情の「弛み」が生じて、思ってもみない現象が生じてしまう‥‥そんなこと、たまにない? 俺は‥‥昨日、久し振りにあったよ。

 後藤真希、久し振りの‥‥というか、今年に入って最初のシングルとなる「スッピンと涙。」。実はこのシングルを買って帰って、いざ聴いてみたら‥‥正にこの状況に陥ってしまって。別にこの曲の中の主人公みたいに失恋したり何か大切なモノ/者を失ってしまったわけでもない。だけど、涙が止まらない。久し振りだ、こんなに抑え切れない感情の破裂‥‥

 それだけこの曲にパワーがあるとか、そういうことが言いたいんじゃないけど‥‥でも、少なからず、その片鱗はあるよね。うん。

 今年に入ってまずアルバムをリリースし、単独のツアーは行っていない彼女。後浦なつみ名義でのライヴやドラマへの出演等があって、そういう単独ツアーに出れない事情があるんだろうけど、非常に勿体ないと思ってた。それだけのクオリティーを持った作品だったと今でも思うし、実際今でもよく聴くアルバムの1枚だもの、「3rdステージョン」て。

 で、その流れを汲むと言ってもいいであろう‥‥いや、その決定版となり得る可能性を持った楽曲がここに誕生したわけですよ。しかし、この曲の作曲はつんく♂ではなく、かのKAN氏。彼らしい、非常にメロウで切ないピアノバラードに仕上がってるわけ。それをサポートするかの如く、非常に力の入った良い歌詞を書いたつんく♂。そこに「今の後藤真希」だからこそ成し得た歌が乗る‥‥そりゃ悪いわけがない。世が世だったら間違いなく彼女の代表曲になってただろうに。3年遅過ぎた、いやでも3年前なら絶対にこんな風に仕上がってないし彼女も歌い切れてなかった‥‥そんな1曲。間違いなく「3rdステージョン」があったからここに辿り着いた。

 AKIRAがアレンジを手掛けた "もしも終わりがあるのなら" も悪くない。ちょっと風変わりなリズムの取り方をしたメロディと、"スッピンと涙。" とはまた違った側面を見せる後藤の歌声がマッチした、佳曲に仕上がってる。けど、"スッピンと涙。" が強過ぎる、強力過ぎる。

 NHKの深夜ドラマのテーマ曲に起用されたものの、果たしてそこまでのタイアップ効果が望めるのかどうか、非常に疑問。そこにきて、テレビの歌番組への出演も殆どなし。勿体ない。ちゃんと売ってあげて欲しい。勿論露出がそれだけあれば絶対に売れるとは限らないし、ましてや今のハロプロの現状を考えれば‥‥非常に厳しいものがある。けど、だからこそ大切に、そして丁寧に扱ってあげて欲しい。そんな大切な1曲。俺にとっても、後藤にとっても、そして多くのファンにとっても、そうなり得る1曲。



▼後藤真希「スッピンと涙。」(amazon

投稿: 2005 07 07 01:23 午前 [2005年の作品, ハロー!プロジェクト, 後藤真希] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/02/24

後藤真希『3rd ステーション』(2005)

 後藤真希の1年1ヶ月振り、通算3作目のオリジナルアルバム「3rd ステーション」。ここまで毎年同じ時期に必ずアルバムをリリースし、気づけばシングルも12枚を数え、訳の判らない「ごまっとう」やら「後浦なつみ」等に引っ張り込まれ‥‥良くも悪くも、その活動は活発です。が、そのクオリティーに関して言えば(特にアルバムは)満足できるような代物ではありませんでした。

 最近になって前作「2 ペイント イット ゴールド」をまたよく聴くようになり、その良さがだいぶ見えてきたように思いますが、そんなんじゃダメなんですよね。即効性のある、とにかくファン以外をも巻き込むような話題作を作ってくれないと‥‥だって『後藤真希』なんだからさ。最近、よく身の回りにいる普通の方々(非ヲタって意味ね)から「後藤真希の良さだけは判らない」みたいなことを言われる機会が多いんですが、そんな層の心まで動かすような作品をね、本気になって作ってもらわないと、もうホントの意味で「ゴマキは終った」とか言われかねないわけですよ。

 そんな時期にリリースされるこのアルバム。前評判だけは非常に高く、またいろんなところで目にするつんく♂の解説からもかなり熱が入っていることが伺えたので、俺も久し振りに過剰な期待をしてみたわけですが‥‥

 これが、ホントに良かった! アルバム通して聴いて、こんなに満足したハロプロのアルバム、久しくなかったもの。いつも「あと一歩なぁ‥‥」って思ってたのに。いつも「あの曲がなければなぁ‥‥」って嘆いてたのに。これは頭からお尻まで、ホントに良いんですよ!

 というわけで、久し振りに全曲解説なるものをやってみたいと思います。それくらいやらないと、興奮が収まらないのよっ!



■M-1. エキゾなDISCO
 平田祥一郎アレンジによる、アッパー且つ少々アジアテイストを感じさせるダンスチューン。この曲の肝はやはり、終始ウィスパーボイスで歌われる後藤の声でしょう。非常に「エロ」を感じさせる1曲。可愛らしさとエロさの間を行き来する、絶妙なオープニングナンバー。ハロプロといえばアルバム1曲目は(主に最新)シングル曲、というセオリーがあった中でのこの冒険。掴みはオッケーでしょう。

■M-2. さよなら「友達にはなりたくないの」
 '04年11月リリースの12thシングル曲。作詞つんく、作曲たいせー、編曲が鈴木Daichi秀行という布陣。たいせー作曲ってことで最初それを知った時は文字通り「orz」だったわけですが、いざ聴いてみるとこれが悪くない。むしろつんく♂曲にか感じられない魅力すら見え隠れする。これはアレンジャーによるものが大きいのかな、と。Daichiアレンジというとどうしても聴き手側がネガに感じてしまう要素だったりするんですが、ここでは逆に「たいせー作曲」というネガ要素をDaichiが打ち消してるように思います。非常に後藤っぽい1曲かな。ただ、大絶賛する程ではないですが。Aメロ〜Bメロ前半の流れが非常に良いだけに、サビ前〜大サビのメロの弱さが足を引っ張ってる気が。勿体ない。

■M-3. 横浜蜃気楼
 '04年7月リリースの11thシングル曲。作詞つんく、作曲はたけ、アレンジ西田昌史(EARTHSHAKERのマーシー)という布陣のハードロックチューン。詳しくはこの辺を読むといいと思うよ

■M-4. シンガポール トランジット
 高橋諭一アレンジによる、ちょっとサイケな展開をみせるストレンジ・ポップ調な1曲。サビのコード進行とか面白いなぁ、如何にも「高橋諭一」印なアレンジに、思わずニンマリ。いや、メロも悪くないし、後藤の歌唱も「らしく」て、非常に好印象。ここまでの流れ、とてもいいんじゃないの? 全然外してないし。

■M-5. 来来!「幸福」
 田中直アレンジによる、パラパラが似合いそうなアッパーなダンスチューン。思わずBerryz工房辺りが歌った方が合ってるんじゃないの?と思うような曲調。けど、こういう頭悪そうな歌詞の曲もそつなく歌えてしまうのが、またこの子の魅力でもあるんだけどね(そう、良くも悪くもね)。でも‥‥いいんだよなぁ、これが。

■M-6. 渡良瀬橋(後藤Version)
 ご存知、森高千里のカバー。昨秋に松浦亜弥がシングル切ってるけど、それとは別アレンジ。この正月のハロプロ公演でも後藤はこの曲を歌ったそうだけど、正直なんでアルバムにまで‥‥って気持ちがあったのね。けどこのアルバムの流れで、そしてこのテイクを聴けばみんな納得するんじゃないかな。それくらい出来が良いのよ。松浦のように作り込んだドラマチックさが皆無で、非常に素朴でほのぼのとしたものなんだけど、それが彼女の歌声に合ってるのね。そして‥‥ここまでの6曲、それぞれの曲に合わせた歌い方/声、と使い分けてるんだわ、この子。恐るべし。
 それにしても‥‥最初クレジット見ないでアルバム聴いたんだけど、このアレンジがすぐに高橋諭一のものだって判りましたね。

■M-7. ポジティブ元気!
 ロックファンには問題の1曲だったんじゃないの? 鈴木Daichiと共にアレンジャーとして名を連ねているのが、あのニューロティカなんだから。ってことは演奏がロティカ?って普通思っちゃうもんねぇ。で曲名が "ボジティブ元気!" なんだからさ。ねぇ?
 で結論から言えば、演奏には参加してません。ただ、アレンジには名前が残っていることから、恐らく制作段階の途中でトラックの差し替えがあったか(ちなみにこの曲は、ストレートな疾走ビートパンク調で、ギター以外は打ち込み)あるいはロティカの曲のフレーズやアレンジを「引用」したから名前を載せてるのか。その真相は本人達に聞かないとわかりませんけど。残念。
 でも非常に「後藤のロックサイド」を上手く引き出した、よい曲だと思いますよ。打ち込みとはいえ、バックトラックも熱いし。彼女のライヴを観た事ある人なら、きっとこの曲がどんな風にステージで歌われるのか‥‥それを想像しただけで思わず興奮しちゃうんじゃないでしょうか。

■M-8. サヨナラのLOVE SONG
 '04年3月リリースの10thシングル。アレンジは古くから歌謡曲/アイドル方面を手掛け、現在もジャニーズ系等に携わる馬飼野康二。同時期に行われたミュージカル用の曲というのもあったけど、後藤にとってシングル初のスローチューンなんだよね。そういえばその前の紅白で "オリビアを聴きながら" を歌ったんだよね‥‥何となくその流れで聴くと納得できる1曲なんだよね。まぁベタ褒めする曲ではないけど、アルバムのこういう流れで聴くとシングル単発で聴いた時よりは印象が良いかな、と。小休止には丁度よい1曲。

■M-9. 恋愛戦隊シツレンジャー(後藤Version)
 昨年秋に「後浦なつみ」として安倍なつみ・松浦・後藤の3人でリリースしたシングル曲のソロバージョン。バックトラックは完全にアルバム用に作り替えられてて、これが‥‥良いんですよ、シングルのテイクより。シングルはそうる透&人時(元「黒夢」)というリズム隊を迎えた生バンドテイクだったんですが、非常に軽い音とチープなアレンジで軽い目眩がしたんですが(あれこそ宝の持ち腐れだな)、ここではシングルと同じアレンジャーである鈴木Daichiが全面打ち込み&ギターで遊びまくり。えーっと、布袋です。ギタリズムです。COMPLEXです。まんま。松浦の "奇跡の香りダンス" と同じ流れにある1曲。あそこまでの完成度はないけど、こっちはこっちで俺は好きよ。こうやって聴くと、この曲そんなに悪くなかったんだなぁ‥‥って気がしてきた。メロはポップで判りやすいし。要するにアレンジをもっとしっかりやれば‥‥いや、やっぱりコンセプトが一番の問題だったんだけどね!

■M-10. ステーション
 平田祥一郎アレンジによる、ちょっとBoA辺りを彷彿させるR&B調歌謡。でも今まで後藤がやってきたような似非R&B路線というよりも、もっとポップス寄りで全然「黒さ」は感じさせない曲調で、非常に聴きやすいです。そういえばこのアルバム、前作「2 ペイント イット ゴールド」を覆っていたような「R&B色」が非常に弱く、もっと1st「マッキングGOLD (1)」にあったようなポップ色を復活させ、尚かつライヴにみられるロック色を具体的に表現した作風だよなぁ、と。だから終始聴きやすいのかな、俺にとって。
 それと‥‥気づいてる人も多いかと思いますが、このアルバムの曲の配置が絶妙なんですよ。アッパーな曲の後にミディアム/スロウ曲、その後に再びロック系/アッパー系を持ってきて、またポップなミディアムチューン‥‥交互に出てくるんですよ。人によってはアルバムに対して「2〜3曲上げ上げの曲が続いて、その後にメロウな曲、そしてバラード」みたいな信条があったりするかもしれません(俺も最初はそう思ってた)。けど、この配置/流れが、このアルバムをよりカラフルなものに感じさせていて、それこそアルバムコンセプトであるところの「旅行」を体現してるんじゃないでしょうか。

■M-11. 19歳のひとり言
 高橋諭一によるアレンジ。最後を締めくくるのは、今年の9月で二十歳を迎える後藤に向けてつんく♂が送る、切ないバラードナンバー。これを聴いちゃうと、今回の後藤は本当に大事にされてるなぁ‥‥と感じるわけですよ。ここまでベタなバラードも初めてでしょうけど(前作の "涙の星" はピアノメインの音数が少ない曲ってことで、また別ですからね)、もしかしたら後藤はこういう曲をずっと待ってたんじゃないか‥‥って程にのびのびと歌ってるんですね。そしてつんく♂からすれば、こういう曲をすんなりと歌いこなせるようになるまで、彼女に対してベタなバラードをおあずけしてたんじゃないか、って思える程‥‥相思相愛の1曲に思えるんですよねぇ。いやぁ、いい締くくりじゃないですか。


■総評
 既にこちらのエントリで相当期待してることを書いてたわけですが、その期待を大きく上回る、非常に作り手の愛を感じる作品集に仕上がってました。それは楽曲面だけでなく、アートワーク等を含めたパッケージ面に至るまで全てにおいてです。結局これまで、ライトなファン(notヲタ)や後藤が気になる程度の一般層にとって、如何に気軽に店頭で手に取れるか、それを他人に勧められるか‥‥そういう点ではかなり厳しかったじゃないですか。後藤の顔ドアップ(1st)とか、オモチャみたいなギター持ったマンガチック(2nd)みたいなのとか。如何にもアイドルのアルバムです!と太鼓判を押したような、そんなパッケージング。良くも悪くも、首尾一貫してたじゃないですか。

 そういう意味で今度のは、今までで一番その辺をクリア出来てるんじゃないかと。「旅行」というテーマが軸にあって、曲順をそういう風に配置して、ジャケットのアートワークに至るまで「旅」をイメージさせる構成になっている。非常に「ポップ」な作りですよね。初回盤のジャケは遠目に見たら絶対にハロプロのそれだって気づかないだろうし。ここ最近のアートワークで一番好きだなぁ(ま、そうは言っても脳が半分麻痺してる人間の言うことなんで、アレですが。笑)。

 それとさ‥‥このアルバムを聴いて改めて感じたのは、後藤真希っていうのは顔の表情はアレだけど(以前よりはだいぶ豊かになったと思うけど)、声の表情ってのはホントにコロコロ変わる、多面性を持った歌い手だよなぁ、と。例えば‥‥松浦亜弥を一言で表すとすると『唱』、安倍なつみは『演』なんだけど、後藤はズバリ『声』そのものなんだよね。恐らくつんく♂自身もその辺を意識してアルバム曲を作ったんじゃないかと思うんだけど(じゃなきゃいきなりド頭に "エキゾなDISCO" みたいな冒険曲を持ってこないでしょ普通)。そしてこのアルバムは後藤のいろんな『声』色を楽しめるという意味で、一番彼女の『素』に近い作品なんじゃないかなぁ‥‥と思うんですが、如何でしょうか?

 ホントべた褒めだなぁ俺。けどなぁ‥‥多分売れないんだろうなぁ。勿体ないよ。今度のは、沢山の人に聴いてもらいたいなぁ‥‥そう思うわけですよ。だからこそ久し振りに(いや「TMQ-WEB」になってからは初めてか)こんな全曲解説をやってるわけですから。これ読んで少しでも興味を持った人、そして後藤のアルバムに興味はあるけどまだ迷ってる人、是非買ってあげてくださいよ。お願いします(ってファンでもない俺が何故にそこまで!?)。



▼後藤真希『3rd ステーション』(amazon

投稿: 2005 02 24 12:00 午前 [2005年の作品, ハロー!プロジェクト, 後藤真希] | 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

2005/02/21

「ロックなんて普通聴きませんよね?」

 久し振りのハロプロネタだな。っていうか、別に避けてた訳じゃないんですけどね‥‥何となく書く気にならなかったのと、いざ書こうと思っても筆が進まなかった、というのが真相なんですが。まぁ‥‥深い意味はないです、ええ。

 今月に入ってから、どういう訳か後藤真希のアルバムを結構な頻度で聴いています。前作「2 ペイント イット ゴールド」に対して『悪くはないけど、こんなもんじゃないだろ?』とか『あくまでヲタ向け、これじゃゴマキ、ゴマキって騒いでたような一般層は巻き込めない』なんていう苦言を呈した俺ですが、最近このセカンドをじっくり聴き込んでいて‥‥心に余裕があったからなんですかね、前とは違った聞こえかたをするんですよ。

 どうしてもシングル曲や、娘。やシャッフル曲のカバーにばかり耳が行きがちだったんですが、今回聴くに当たって特にじっくり聴き込んだのが、実はアルバム用の新曲群だったんですね。まぁヲタ的に評判のいいバラード "涙の星" は文句なしにいい曲だと思うんですが、それ以外の曲‥‥特に終盤2曲の "秘密" と "ペイント イット ゴールド" がね。地味にいいんですよね‥‥多分他のハロプロメンバーが歌ってたら、ホントに「ただの地味な曲」で終わってたんだろうけど、これを後藤が歌ったから「地味な中にも深さがある」なんて思えたんだろうなぁ‥‥と。急にそう思えるようになったんですよ。

 俺、決して後藤のファンというわけでもないし、どちらかと中立の立場だと思うんですが(そりゃ相当好意的な目で見てますけどね)、そんな俺が今とても楽しみにしてるのが、間もなくリリースされる彼女のサードアルバム「3rd ステーション」なんですよ。勿論、ニューロティカが参加した曲があるとか、そういった要素もあるんですけど‥‥全11曲中シングル曲が3曲+"渡良瀬橋" や後浦なつみの後藤バージョン=6曲がオリジナル新曲なんですよね。しかも新曲は全部つんく♂曲みたいですし。彼のコメントを読む限りでは、久し振りに気合いが感じられるし(ま、大抵は空回りしてるわけですが)。

 そこにきて、今売りの「rockin'on JAPAN」に後藤のインタビューが載っている、と。まぁ普通のインタビュー記事ではないですが、それでもこれは興味深いな、と。3年前の「ロックなんて普通聴きませんよね」発言を覚えてる人達からしても、この一連の流れは非常に面白く映ってるんじゃないですかね。だってそんな発言をしていた後藤が、今一番ハロプロの中で「ロック」を感じさせる存在になってしまってるじゃないですか。今やメロン記念日以上に「ロック」ですよね?

 さてさて‥‥明日には手に入るこの作品。一体どんなことになってるのか‥‥久し振りに過剰な期待を寄せてみたいと思います。



▼後藤真希「3rd ステーション」(amazon

投稿: 2005 02 21 10:46 午前 [ハロー!プロジェクト, 後藤真希] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/11/21

「迷走」こそ後藤真希の美学なり

 以前とみ宮の方で「ファンが語る99の後藤真希」というミニコミ誌の為にごっつぁん原稿を書いた、という話をしましたが、現在は売り切れ中で、既に読みたくても読めない人もいるようですね 。

 実はこのコラム、既にmixiの方には8月頭に先行アップしてたんですよ。まぁ「友人しか」読めない状態で、後に売り物として世に出ることを想定しての限定アップだったんですが、現在なかなか読めないということであれば、こういう形で公開してもなんら問題はないですよね? ってことで、ここにその原稿をアップしたいと思います。

 以下、原稿です。


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『「迷走」こそ後藤真希の美学なり』

 随分なタイトルかと思いますが、これがここ1年以上‥‥いや、モーニング娘。を卒業してソロになった後藤真希に対して一番感じていることです。

 「LOVEマシーン」での衝撃的なデビュー、それと対極にあるようなプッチモニ。しかし最初に手に入れたパブリックイメージ『ゴマキ』‥‥ちょっとワルっぽいスカしたイメージ‥‥は後のソロデビューにまで影響を及ぼし、結果つんく♂を含める制作スタッフにも後藤をどういった方向に進ませていけばいいのか、どういう曲が一番後藤を栄えさせるのかに迷いが見え、作品毎に試行錯誤の繰り返し。しかも後藤本人も与えられた課題(=楽曲やその世界観)をそつなくこなしてしまうもんだから、更に悪循環。そうこうしてる間に、世の『ゴマキ』に対する注目はどんどんと小さくなっていき、ファンの間のみで「ライヴが凄い!」という高評価が共通の認識としてある。このギャップこそが今の『後藤真希』であり、今の『ゴマキ』なんだよねぇ。

 後藤真希というのは『底なしの浴槽』みたいなものなのかもしれない‥‥と時々思うことがあります。与えられたお湯(=曲)をどんどんと貯め込むも、決して溢れることのない浴槽。普通の人間ならばある一定量を超えると溢れるか、底から古いお湯をどんどんと抜いていかなければ新しいお湯(=知識)を蓄積することができない。でもこれまでの後藤はその古いお湯‥‥モーニング時代から蓄積していった経験値‥‥を捨てることなく、更に新しいお湯も蓄えていく。例えそれが彼女のパブリックイメージ通りだろうが、そこからかけ離れたものだろうが、全部彼女にとって「正」として受け入れていく。そこにはネガティヴな要素は一切ない。そう、だからこそ後藤真希は凄いんですよ。

 迷走し続ける後藤真希。『ゴマキ』と『後藤真希』とのギャップに心揺れる時期はとうに越え、今ではその迷走さえ楽しんでいるように見える‥‥いつ『浴槽』がいっぱいになるのか、あるいはこのままいっぱいになることないまま進み続けるのか‥‥いや、必ず機が熟す時は来る。その時は‥‥考えただけで怖いね。今でさえああなんだから‥‥


  
▼後藤真希「さよなら「友達にはなりたくないの」」(amazon:初回盤通常盤シングルV

投稿: 2004 11 21 01:30 午前 [ハロー!プロジェクト, 後藤真希] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/10/06

後浦なつみ『恋愛戦隊シツレンジャー』(2004)

必ずしも「1+1+1」が「3」やそれ以上になるとは限らない。特に音楽の世界では常に共通の認識としてあるんじゃないのかな? 過去にいろんなバンドで名を馳せたアーティスト達が集ったスーパーバンドが誕生したからといって、それが必ず過去彼等が在籍したバンドを超えるような存在になるとは限らない。むしろそうなってしまうことの方が少ない。本当の意味での成功を手にするのは、ほんのひと握りの存在だけ。残念だけど、それが現実なんだよね。

 それはハロプロの世界においても同じ。過去「ごまっとう」というスーパーユニットを生み出したこともあったけど、あれはタイミング的にも絶妙だったんじゃないかな。ギリギリのタイミング‥‥ハロプロ人気がドンドン下り坂へと進み始める直前‥‥いや、その数歩を踏み出した後だったのかな。だからまだ成功を手にするできた。

 ところが今回はどうだろう‥‥明らかにタイミングとしては最悪だよね。もう後がない状況の中でのセッティング。周りからは「最後の最後に、一番やっちゃいけないことやっちゃった‥‥」みたいに言われる始末。しかもそのセンスも最悪だったもんだから、尚更批判的な声が目立つ。

 変なファッションで登場した「後浦なつみ」というユニット‥‥後藤真希、松浦亜弥、安倍なつみ、というハロプロ・ソロ組の稼ぎ頭3人をひとまとめにしてしまった、まるで「紅白対策」で即席に組ませてしまった感が強いこの組み合わせ。確かに「ごっちんとなっちの組み合わせがまた観れる!」という喜びはあったものの、今や既に時遅しといった印象は拭えないし‥‥

 これで曲が本気で素晴らしかったまだ良かったんだよね‥‥ところがさ‥‥

 後浦は完全に失敗だと思う、曲の差し替え。全然出来がいいもの、"LOVE LIKE CRAZY" の方が。「戦隊モノ」とかいう飾りが邪魔してる分、完全に一般リスナーを突き放してる感が強い "〜シツレンジャー" と比べれば、こっちの方が絶対にウケると思うんだけど。特に若い女の子達、こういうモダンR&B的な曲、好きじゃない。アレンジャーのAKIRAの仕事振りはさすがだと思うし、3人の個性のぶつかり合いという意味では完全にこっちの方が勝ってるよね?「LIKE CRAZY」だっけ、今回のコンセプト? 「CRAZY」の意味が違うもの、"〜シツレンジャー" と "LOVE LIKE CRAZY" とじゃ。

 あれでしょ、当初 "LOVE LIKE CRAZY" はデスチャ(DESTINY'S CHILD)とかあの辺の路線を狙ったわけでしょ。あの変なファッションといい。もっとちゃんとしたコンセプトを持ってれば、間違いなく成功したはずなのにね‥‥よりにもよって、あの「▼」な髪型はないよなぁ‥‥あれ、辻希美がコント(「ぴょ〜ん星人」とか「河童の花道」)でよくやる髪型と一緒じゃん。そりゃ3人とも嫌がるって。若い女の子なんだから。ビヨンセでも嫌がるよ、ありゃ。

 「1+1+1」が「3」やそれ以上になるには、勿論その「1」それぞれの力量も大切だけど、それを支える裏方の努力や才能も加味されるんじゃないの、こういう世界じゃ。だからこそ「3以上」になるんじゃないの? それに、「3」や「4」程度じゃ許されないよね、こんな最高の組み合わせなんだからさ‥‥ホント、安易な考えでいろいろ試みるのは面白いと思うけど、もうちょっとさ‥‥頑張ろうよ。尻に火着いてるんだからさ‥‥



▼後浦なつみ『恋愛戦隊シツレンジャー』
(amazon:初回盤通常盤シングルV

投稿: 2004 10 06 03:08 午前 [2004年の作品, ハロー!プロジェクト, 安倍なつみ, 後浦なつみ, 後藤真希, 松浦亜弥] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/07/08

後藤真希『横浜蜃気楼』(2004)

  後藤真希通算11枚目のシングルとなる「横浜蜃気楼」はいろんな意味で物議を醸し出してるようですね。まずこのシングル収録の2曲、作曲がこれまでのつんく♂ではないという点。今回の両楽曲の作曲に当たっているのは、つんく♂の元バンドメイトであるはたけが担当。しかもアレンジャーにEARTHSHAKERの西田昌史(マーシー)を採用という、かなりの異色作。

  つんく♂自信は「平成版デジハードロック」とかいうテーマを立て、それに合った人選ということではたけに声を掛けたようですが、マーシーってのがね‥‥俺世代にはちょっと感慨深い。最近EARTHSHAKERはつんく♂やモーニング娘。が在籍する「Zetima」にメジャー再移籍したようだし、その辺の繋がりもあるのかしら。

  で、いざ出来上がった曲ですが‥‥デジHRとはいうものの、まぁありがちな打ち込みロック路線ですよね。リズムトラックは完全に打ち込み、ギターとベースのみ生というバックトラック。はたけ作曲ってことでてっきり彼がギターを弾いてるのかと思ったら、「Masanori Mine」という名前が‥‥へっ、はたけの本名って「畠山某」だったよね!? で、ベースには「Koichi Teraswa」の名前が‥‥これって元BLIZARD/元SLYの寺沢功一ですよね? いやー、ビックリした。こんなところで名前を目にするとは‥‥ってことは、先の「Masanori Mine」ってのも、この手の人選かな?(で調べてみたら峰将典という表記で、昔のマーシーのソロアルバムにも参加した経緯があり、現在はAMIDAというバンドでギターを弾いてる人なようです)

  けどまぁ‥‥アレンジ自体は先にも書いた通り、そこまでハードロックしてないし、これまでの後藤を考えればまぁありがちかな?と思える展開を持つ佳曲。メロディがシンプルで覚えやすい、言い方を変えれば単調なんだけど‥‥まぁ最近つんく♂のメロに慣れ切ってたから、ある意味では新鮮かな、と。

  マーシーといえば、最近は横須賀ゆめなという女性シンガーを手掛けているんだよね。で、この子もモロにハードロック路線。あっちの方が本格的なイメージがあるけど、まぁこっちは所謂アイドルポップの範疇ですからね。それを考慮した上で考えると‥‥まぁ平均点は越えたかな、と。でも‥‥きっとこういうタイプの曲って、ライヴを積み重ねることで更に魅力を増すんだろうね。そういう意味では久し振りに後藤のライヴが観たいな、と素直に思いました。

  一方カップリングの "BLUE ISLAND" はお馴染み鈴木俊介のアレンジ。こちらもギターは鈴木が担当し、はたけの出番なし。あれれ??

  曲自体は1曲目よりもポップ色の強いメジャーキーのロック調ナンバー。ふと平家みちよの亡霊が見え隠れしたのは、ここだけのお話ってことで‥‥うん、悪くはないかな。けど特別良いというわけでもない。まぁカップリング曲かな、といった印象。後藤に合っているとは思うんだけど‥‥あと一息といった印象は拭えないかな。

  どうしてもね‥‥後藤の場合ってスタジオ音源で聴くと、あのライヴでの素晴らしさが完全には伝わらないのね。勿論彼女自身が「歌い切れて/こなせて」いないというのもあるんだけど‥‥そういう意味では今後、まずライヴ先行で新曲をバンバンやって、1~2ヶ月してからレコーディングしてリリース‥‥という形を取った方が彼女の魅力を存分に発揮できるんじゃないか‥‥なんて思うんですが、まぁアレですよ、ファンの勝手な妄想ですよね、はい。

  でもねぇ、それくらいやってもいいと思うし、それが出来るだけの実力の持ち主だと思うんですけどね。どうでしょう?



▼後藤真希『横浜蜃気楼』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2004 07 08 01:03 午前 [2004年の作品, ハロー!プロジェクト, 後藤真希] | 固定リンク

2004/03/03

後藤真希『②ペイント イット ゴールド』(2004)

  後藤真希のセカンドアルバム「②ペイント イット ゴールド」は前作「マッキングゴールド①」とは比べものにならない程の完成度を誇る良作に仕上がったと思います。思うんですが‥‥素直に「すっげーイイ!」とは言えないんだよね。多分、1年前の俺なら両手を挙げて大絶賛してたはずなんだけど‥‥いや、実際買ってから最初の1週間はホントにいいと思ってたのね。あの時、あの時点でちゃんとしたレビューを書いていたら、また違った感想・内容になったはずなんだけど‥‥ゴメン、やっぱり無理だし自分に嘘つけないからさ。正直に書こうと思います。どうやら多くのモーヲタの皆さんが、俺がこのアルバムについて何かコメントするのを期待してるみたいなんで‥‥読んでガッカリしたらゴメンね。でもさ、俺に無理して書かせた君らの責任も多少はあるんだからね!(と他人に責任転嫁)もうちょっと時間をおいてから、もっと気持ちが落ち着いてから書きたかったんだけど‥‥

  昨年リリースされた4枚のシングルがまずまずの出来だったので、それらを軸にしたアルバムになれば間違いなく良い作品になるだろう‥‥そう信じてたのね。新曲がたった4曲でも、モーニング娘。時代のセルフカバーやシャッフルユニットのソロバージョンが入ったとしても、それは揺るがないだろう、と。実際、最初に聴いた時は納得できる作品だと思ってた。しかし、時間が経つに連れてこう思うようになったのね‥‥実際に提示された作品は自分が想像していた基準点を上回ったとは言い難い、微妙なアルバムだ、と。ヲタ的観点からすれば「ちょっとダークなイメージがあるけど、統一感があってよくまとまった、非常に聴きやすい作品」ってことになるんでしょうけど、既に気持ちが離れつつある俺からすれば‥‥「やっぱりこれ聴いて喜べる/楽しめるのって、モーヲタだけだよなぁ‥‥」というね、書いてる方も読んでる方も非常に暗い気持ちになりそうな感想しか出てこなくて。悪くはない。むしろこれ聴いて楽しめる自分がここにいる。けどもう一方で「‥‥こんなもん? 後藤真希ってこの程度??」という疑問を持つ自分もいる。そしてそんなふたつの相反する気持ちを冷静に眺めながら「‥‥結局あれっしょ?いくら良いっていっても、モーニングとかに興味を持ってる人だけでしょ、進んで聴く人って?」と妙に醒めたことを言う自分もいて‥‥って全部俺本人には違いないんだけどさ。そういう「聴き手を複雑な気持ちにさせる」アルバムだなぁ、と。

  本来ならここで「全曲解説!」とかやるべきなんだろうけど、当然ながらそんな気にもなれず、こういう自分の中にある疑問を文章にしてお茶を濁してるわけなんですが‥‥けどあれですよ、例えばシングル曲以外のセルフカバーなんかは、よく出来てると思いますよ。よく出来てるけど、「Something Special」を感じ取れるかというと‥‥ね。判るでしょ? 新曲に関してはもうね‥‥更にその傾向が強いわけで。悪くないんだけど、果たしてこれを「後藤真希」が歌う必要があるのか、あるいは「後藤真希」の歌になっているのか‥‥この辺が今後の大きな課題のような気がするのね。

  多分これを読んでくれてるようなファンの子は、後藤のライヴにも足を運んだことがあると思うのね。だからこそ言いたいんだけど‥‥このアルバムとライヴを比べて、どう感じる?‥‥ねっ? 言ってる意味判るでしょ? つまりさ、そういうこと。「ライヴやるためにアルバム作ってるんだよ!」みたいなマンネリをモノともしないロックバンドならまだしも、一応は「ポップス」やってるわけでしょ。そういうジャンルってアルバムもライヴ同様に、あるいはそれ以上に重要なんじゃないの。なのにこのアルバム‥‥「アルバムの後藤真希」からは「ライヴでの後藤真希」を超えるような、あるいはそれ相当の凄みや迫力‥‥つまり魅力が全く伝わってこないのね。あの凄みは現場で体験した人にしか判らないと思う。そう、だからこそそれを「作品」にちゃんと詰め込むべきなんじゃないの?ってね。それはもうつんく♂をはじめ制作側の責任であり、そして後藤本人の実力不足でもあると。あの勢いを何故作品にまで持ち込めなかったのか‥‥時期的に絶対秋のツアーと重なってるはずなんですよ、このアルバムのレコーディングって。実際、秋ツアーでやってた曲(セルフカバーね)も入ってるのに、あの域には達してない。レコーディング作品だから、わざと押さえ気味に歌ってるのか‥‥あるいは‥‥

  もうね、後藤が今後生き残っていくには、あの凄みをお茶の間に思い知らせるしかないと思うんですよ。カワイイだけなら掃いて捨てる程いるわけですよね、アイドルの世界って。実際、デビュー当時の後藤には神がかった、何か特別なものを感じてたはずなんですね。けど、今の彼女はどうよ? 勿論カワイイよ。けど‥‥それ以外の魅力が上手く伝わらない。ファンならまだしも、一般層にとってはただの「ゴマキ」なわけ。このままフェードアウトしてしまうには本当に惜しい存在。既にハロプロには松浦亜弥もいる。今度は安倍なつみがソロになった。後藤以上に「モーニング娘。の顔」だった存在。そういった人達と肩を並べて競っていかなければいけない。更に‥‥今はソロ活動休止してるけど、藤本美貴という逸材もまだいるわけですから‥‥こういった人とは違った魅力を、どうやったら「閉じた世界」の外へ向けられるか‥‥つまり、それこそが今後の作品作りに繋がっていくはずなんです。60点の楽曲を力業で90点以上にまで持っていける松浦、ただそこにいるだけでオーラを感じさせる安倍、歌だけでなく喋りでも自己主張できる藤本。対外的にこういった「自分の見せ方」を知っているソロシンガー達との違いを、どうやってファン以外にも見せていくのか、そしてどうやったら「外側」にいる人間をも巻き込めるのか‥‥勿論つんく♂にも頑張りを見せて欲しいのは当然なのですが、やはり後藤本人がこれ以上に成長しない限りは‥‥先は厳しいと思います。

  ちょっと作品の評価からは外れた内容になってしまいましたが、やはり彼女からはまだまだいろんなものを引き出せるはずと信じているし、この作品程度で満足していたらね‥‥松浦や安倍のアルバムを聴いた後となると余計にね、そう思うわけですよ。本当にもどかしいアルバムだよ。



▼後藤真希『②ペイント イット ゴールド』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2004 03 03 12:46 午前 [2004年の作品, ハロー!プロジェクト, 後藤真希] | 固定リンク

2003/11/27

後藤真希『原色GAL 派手に行くべ!』(2003)

  後藤真希通算9枚目のシングルとなる「原色GAL 派手に行くべ!」。古くからのファンはこれを聴いていろいろ思うことがあるんじゃないですかね‥‥恐らく誰もが思い浮かべるであろうことだとは思いますが、ここでも敢えて書いてみたいと思います。

  タイトルナンバー "原色GAL 派手に行くべ!" という曲は、明らかにプッチモニでの後藤を意識して作られた(あるいはアレンジされた)楽曲だと思うんですね。イントロやエンディングでの布袋寅泰の "POISON" を彷彿させるギタープレイとリズムで「おお、ちょっとパンキッシュ!?」と思わせて(男性コーラスもそれっぽいしね)、歌い始めのサビでこれでもか!?ってくらいにキャッチーでポップでつんく♂らしいメロディを持ってくる。そしてAメロ~Bメロでの構成や挿入される「声ネタ」、これらが全て往年のプッチモニをイメージさせるようなものなんですね。いや、イメージさせるというよりもあからさまに狙ってるように感じますけどね。ちょっと素っ頓狂なんだけどカワイらしい後藤の歌い方も、"ちょこっとLOVE" や "ぴったりしたいX'mas!" といったコミカルな「女の子・後藤真希」を強くイメージさせるものだし、高橋諭一が手掛けたアレンジもプッチらしい「音のおもちゃ箱」的な騒がしいものだし(例えば松浦亜弥の一連のキラーチューンを思い浮かべてもらえば何となく想像つくでしょう)。結局空中分解してしまったかのような第三期プッチに代わり「私が引き継ぐから!」という強い意志というか力強さが存分に味わえる。恐らく今後のライヴでもキラーチューンとなるんじゃないですかね、これは。

  この曲を最初に聴いた時、そのコミカルな歌詞や振り付けも相俟って‥‥一瞬ですが、聞こえないはずの保田圭や吉澤ひとみ、あるいは市井紗耶香の歌声や踊る姿が聞こえてきたり見えてきたりしたような気がしたんですよ。ホント、それくらい「あの時代」がフラッシュバックしてきて‥‥けど、最終的にこれがただのノスタルジーで終わらなかったのは、ひとえに今の後藤が持つポテンシャルの高さのお陰じゃないかな、と。この1年で彼女は相当実力を付けたと思います。それは彼女のライヴを観たことのある人なら誰もが首を縦に振る事実でしょう。そんな1年の集大成としてこの曲を歌う。恐らくモーニング娘。卒業当時の彼女がこの曲を歌ったとしたら、ただのプッチモニ・リバイバルで終わっていたでしょう。もしかしたら「‥‥保田や吉澤がいないと淋しいなぁ」くらいの物足りなさを感じてたかもしれませんね。けど、実際には違った。それが「今の後藤真希」なわけですよ。

  一方カップリング曲 "恋人募集中" はロッカバラード調の8分の6拍子ヘヴィバラード。同じく高橋諭一によるアレンジで、ギター以外は全編打ち込みなんですが‥‥例えばBON JOVIとかAEROSMITHみたいなアメリカン・ハードロック・バンドがやりそうなロッカバラードといったイメージで、しっとりというよりは派手に歌い上げる後藤の歌を存分に味わえる1曲に仕上がってます。そういえば後藤、今回のシングルリリースに際して「そろそろバラードが歌いたかったんだけど‥‥」みたいな発言をしてたみたいですが、これを聞いて俺‥‥まぁ勝手な想像ですが、何故つんく♂が今回バラードを用意しなかったのを考えてみたんですよ。

  その前に‥‥後藤が公の場で歌ったバラード曲となると、自身のソロ曲となると昨年末にリリースされた "サン・トワ・マミー" と "君といつまでも" だけなんですよ。それ以外だと、テレビの歌番組で歌った "Who..."(浜崎あゆみ)と "Time goes by"(EVERY LITTLE THING)くらいでしょうか? これら2曲が彼女が大好きで、よくカラオケで歌う曲なんだそうです‥‥つまり「自信を持って他人に聴かせられる曲」として選んだのが、このバラード2曲なわけです。

  たったこれだけの情報で判断してしまうのは危険だというのは承知してますが、それでも言ってしまうと‥‥ほら、よく「俺/私、歌そこそこ上手いのよ。自信あるんだ」って他人に言い回る人程、勝負曲って感情を込めて歌い上げるバラードだったりしません? 今回の後藤の発言を耳にした時、そしてつんく♂が未だにバラードらしいバラードを彼女に用意しない事実に気づいた時、これを思い出したんですよ。

  言い方は悪いですが、今回の後藤の「そろそろバラードが歌いたかったんだけど‥‥」云々の発言って、考えようによっては「この1年でミュージカルもやった。ツアーも2回もやって大成功した。今のワタシ、相当イケてるんじゃない!?」ってな風にテングになりつつあるんじゃなかろうか、と‥‥いやいや、そんなことはないとは思ってますが。「今のワタシがバラード歌ったら、スゴイんじゃない!?」みたいな風に思ってたとしたら‥‥そりゃつんく♂も「まだまだや!」って焦らしますよね? 俺がつんく♂だったら焦らすもん、絶対に。シングルではまだ2~3枚先まで切らないと思う。アルバム用には‥‥微妙なところですね。来年1月末に待望のセカンドアルバムがリリースされるそうですが、今年リリースしたシングル4枚("うわさのSEXY GUY"、"スクランブル"、"抱いてよ!PLEASE GO ON"、"原色GAL 派手に行くべ!")を軸として、どこまで音楽的な枠を広げていくのか。ファーストアルバム「マッキングGOLD (1)」が非常に幅の狭い、遊びの少ない作風だったことを考えると、今回はバラードもありえなくないんだけど‥‥さて、どうなるんでしょうね?

  今回何故つんく♂がこういった楽曲を用意したか、それは本人にしか判りませんが‥‥きっと今年1年頑張った後藤に対する彼なりのご褒美みたいなもんだったんじゃないですかね? 今年最後の日に、ソロとしては初めてとなる紅白歌合戦があるし、年末年始の音楽番組にもいろいろと出演するでしょう。そこで歌い上げるような綺麗なバラードを用意するのではなくて、あくまで「後藤とバカ騒ぎしようぜ!」的な脳天気チューンを持ってくる。松浦だったり藤本美貴の場合は年末のリリースでは毎回ミディアムスロウ・ナンバーを用意してきましたが、あくまで後藤は後藤、そのシステムに則る必要はないわけです。「最も後藤らしいやり方で最高の1年を締め括る」‥‥そういう意味では、本当にピッタリで、そしてもってこいの1曲だと思います。その代わり、今後の伏線ともいえるようなロッカバラードをカップリングに用意して、しっかりと彼女の今現在の実力まで見せつける。十分じゃないですか!

  売れる/売れないは別として、俺はこのシングル大好きですよ。2曲ともバランス取れてるし。俺の中ではかなり上位にランキングするシングルですね。

  ま、この "原色GAL 派手に行くべ!" で紅白に挑むとは思いませんけど、それでも‥‥おめでとうございます!ってことで。ねっ?



▼後藤真希『原色GAL 派手に行くべ!』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2003 11 27 01:00 午前 [2003年の作品, ハロー!プロジェクト, 後藤真希] | 固定リンク

2003/09/07

後藤真希 コンサートツアー2003秋 セクシー! マッキングGOLD@市原市市民会館(2003年9月6日 夜公演)

  今回何故後藤真希の市原公演に足を運んだかというと、理由は幾つかあって、

①前回の春ツアーが絶賛に値する素晴らしいものだった
②ネット上にセットリスト等の情報が出回る前の、初日を観たかった
③単にメロン記念日が観たかった

‥‥え~っと、③ですスミマセン。冗談はさておき、6月の厚生年金会館が非常に素晴らしかったため、また秋も観たいと思ってたんですよ。で、東京公演にしようかなと考えてたんですが‥‥どうせなら初日を観よう、と。いつもセットリストを先に知ってしまうんで、ライヴ観てても「ああ、次はアレだな」とか先が読めちゃうからねぇ‥‥真っ新な初日を観れば「次は何を歌うんだ!?」っていうワクワク感が味わえるじゃないですか。だからね、ちょっと無理して市原まで行ったわけですよ。昼公演ではなくて夜公演を選んだのは特に理由があるわけではなくて、単により良い席が取れたのがたまたま夜公演だったという、ただそれだけ。6列目、殆ど完全に右側。隣は花道というそんな位置。ああ、ここまでごっちんやメロン記念日のメンバーがやって来るのか‥‥とか始まる前からワクワクしてね。正直冷静を保っていられるかどうか‥‥

  そんな感じで開演を迎えた俺。開演時間5分前に、それまで客入れS.E.として鳴っていたR&B調のダンスミュージックから、急に厳かなシンセサウンドが‥‥あっ、QUEENの "One Vision" だっ!! 偶然にもこの日、会場に向かう車中でこの曲から始まるQUEENのライヴアルバム「LIVE MAGIC」を聴いていたんですよ‥‥恐るべき偶然。イントロの段階で既に客、総立ちでオイオイ合いの手入れまくり。何もフレディ・マーキュリーの声に合わせてオイオイやらなくても‥‥

  曲がクライマックスを迎え、同時に音量もドンドン大きくなっていき、最後の「One Vision!」のコーラスが終わった瞬間に暗転、オープニングS.E.と共にスクリーンには後藤の幼い頃の写真が‥‥か、可愛い‥‥って別に俺、幼女好きとかそんなんじゃないですよ!(ここは力説)で、ある程度の年齢の写真が来て、最後に今の写真。ここで大歓声。そしてメロンの写真。最後にツアータイトルが‥‥それに合わせるかのように、聴き覚えのあるシンセの音が。おお、何といきなり"愛のバカやろう"、しかも「trance trip version」(シングルにc/w曲として収録されたトランス調リミックス)のイントロだよこれ! スゲェ、マジでビビッた。スクリーンには相変わらず後藤のシルエットだけ映ってて、曲に合わせて踊ってるんですよ。で、歌に入るところで舞台後方の高台から後藤がせり上がってくるという仕掛け。曲もここで普通のシングルバージョンのアレンジに。トランスリミックスはイントロだけでした。けどこれはちょっと意外性が感じられて個人的には嬉しかったな。後藤の歌はまずまずといった感じで、曲が弾けたタイプじゃなくて歌い上げるタイプなのだけど、まだ本調子かどうかの判断はつかず。そして2曲目にこれを持ってくるか!?という反則技、"やる気!IT'S EASY"。残念ながらメロンのバックダンスはありませんでした。後藤は完全にひとりで歌い切る。とにかくいい笑顔。

  2曲立て続けに歌った後、ようやくMCに。今日からツアーが始まったよ、パワー全開で行くからねーといった感じでしょうか。相変わらず「言わされてる」というよりも「自らの言葉で語ってる」といった印象は強いですね。うんうん、今日もいいライヴになりそうだ。

  3曲目は"溢れちゃう...BE IN LOVE"アルバムバージョンの方。ステージの真ん中にある中段舞台の床が回転するようになっていて、後藤が歩きながらダンスするんですが、床が動いてるもんだからまるでムーンウォークでもしてるかのような錯覚を受けたりして。いろいろセットも工夫されているようです。そして‥‥またまたこの位置にこの曲!?という"晴れた日のマリーン"が登場。ホント、セットリストの組み立て方が前回と完全に変わってて、初めて観るこちらとしても全然先が読めなくて。マジでドキドキしながら楽しんでましたよ。ここで舞台の左右にある花道に‥‥あ、目の前にごっちんが‥‥死にそうになった。マジで死ぬかと思った。とにかく、思った以上に小さいのな、後藤。更に細いし。けど足の筋肉しっかりしてるなぁ、とか。ってどこ観てるんですか俺。とにかく死にかかった。それだけはマジ。次来たらマジで命がないね俺。

  最初のクライマックスを迎えた後、前回同様スクリーンに絵日記調のアニメが。天気がいいんでピクニックに行こう、で自転車に乗りたくなったから借りよう、とかいうような感じで最後にオチがあるという‥‥ってこれだけじゃ意味判らないよね? 後はご自分の目で確かめてください。

  自転車が出てきたってことは、もしかして‥‥と思ってたけど、その予感は本当に的中。ずっとライヴで聴きたかった"特等席"のイントロがっ! すると舞台袖左側から、自転車に乗った後藤が‥‥っ! 普通に走ってきて右側で自転車停めて、籠に乗せてたマイクを持って歌い出すという‥‥前回のゴンドラ式ブランコに続くギミックというか見せ場‥‥なのかな? ファンならきっと「慢性的に萌え萌え((C)ムガさま)」なんでしょうね。気持ちは痛い程判る‥‥俺もまた死にかかったからさ(!)。舞台の段差に座ったりしながら歌うんですが、とにかくそれまでのアクティブな後藤とは正反対の、可愛らしい後藤を上手くアピールした1曲だなぁと。そして追い打ちをかけるように"手を握って歩きたい"ですよ。で、ふとここで気づくんですが‥‥ここまで、ずっとひとりで歌ってるんですよね。前回ならメロンがバックダンサーをしたりして華を添えてたんですが、今回は完全にひとりで歌い切ってる。ま、これはまた後で述べるので一旦この話は終わり。

  歌い終わると再びMC。シチュエーションコント風のMCなんですが、途中でメロンの4人がやっと登場。後藤の家にやって来るという設定らしく‥‥って説明は省きます。ホント、MCとかネタはこうやって書いてみると、面白味が上手く伝わらないと思うんで(単に俺の文章力不足なわけですが)。11月頃までツアーは続くと思うんで、どこかの公演で実際に目にするか、いずれリリースされるであろうDVDで確認してください。

  で、ここでオチと次の曲名をひっかけるわけですが‥‥そのタイトルが後藤の口から発せられた瞬間、頭が真っ白になりましたよ‥‥"未来の扉"って‥‥モーニング娘。のファーストアルバム「ファーストタイム」に収録されている、特別有名というわけでもない地味な1曲。後藤が加入する1年以上も前に発表されたこの曲を、メロンと一緒に嬉々として歌うわけですよ。2コーラス目をカットしたショートバージョンでしたが、それでも十分。歌い終わると「後藤が好きな曲を歌いました」と。本当に自分で選んだのか、それとも「言わされている」のかは判らないけど‥‥多分加入後のツアーで歌っていたはずだから、本当に好きだとしても何ら違和感がないわけで。けどなぁ、意外な曲を意外な人が歌うもんだから、ホントに驚いた。これだからセットリストを全く知らないでライヴに行くのは面白いんだよなぁ! これから行くって人でここ読んじゃった人、ご愁傷様でした。

  ここでメロンタイム。最初は来週リリースされる新曲"MI DA RA 摩天楼"のフルコーラス。まだ「Mステ」で歌ったのしか聴いたことなかったんだけど、これ楽曲として単純に好き。メロンぽくないという声も聞こえてきそうだけど、そもそも「メロンらしさ」って何さ? 第一このグループ、過去10枚のシングルどれもがてんでバラバラなタイプの楽曲じゃないの?‥‥ってこれ以上は近々やるレビューで書くとして。うん、歌パートも柴田あゆみメインなんだけど、それに匹敵するくらい斎藤瞳のパートが多いような。これもROMANS効果か? 村田めぐみのメガネも気になるし、大谷雅恵の腹(略)

  続いて"チャンス of LOVE"のショートバージョン。この曲はフルじゃなくて正解。6月の厚生年金会館の時はいきなりこの曲のフルバージョンから始まったもんだから、ちょっと‥‥って感じたし。で、今回のメロンはもう1曲あるんですよ! ここで各メンバー水を飲んだり衣装を脱いで軽装になったりして、最後は名曲"This is 運命"フルバージョン! しかもメロン、しっかりステージセットまで使っちゃってるのね。舞台中段(回転する舞台)が上方にせり上がってくのよ、KISSのドラムセットみたいに! 実はね、最初メロンが新曲を歌ってる時、客のリアクションが薄くて焦ったのよ。「あれっ、後藤ファンだけなのか!?」って。そしたら単に新曲が浸透してなかっただけで。次の2曲の盛り上がりはハンパじゃなかったし、特に"This is 運命"の盛り上がりは完全にメロン単独コンのそれでした。俺もこの日一番の盛り上がりを見せるわけです。ごっちんコンにも関わらず。

  メロンは完全に自分達の役割を、今出せる限り精一杯の力でそれを演じきりました。本当にいいグループになったもんだ。

  この熱いノリをそのまま受け継ぎ、後藤再登場。前回のツアー1曲目だった"うわさのSEXY GUY"。オープニングのサビを歌い終えると、舞台後方からジャンプして飛び出してくるという仕掛けが。とにかく今回、いろいろ工夫されてますね。今回は羽根は付いてませんでした。けど間違いなく女神。ありゃハンパじゃないね。そのまま"SHALL WE LOVE?"アルバムバージョンを歌った後に、また信じられない曲のイントロが鳴るわけです。聴き覚えのあるアコギのストローク。そう、俺が「3rd -LOVEパラダイス-」で一番好きだと言っても過言ではない1曲、"くちづけのその後"ですよ! うわーっ、モーニングの曲、今回は2曲も歌うのかよ!! じっくりこの曲を聴いてたんですが‥‥何かね、後藤の歌い方とか動きとか表情が、完全にモーニング時代のそれに戻ってるのね。ソロの曲の時は完全に「ソロシンガー・後藤真希」なんだけど、モーニングの2曲を歌う時は間違いなく「モーニング娘。の後藤真希」に戻っちゃってるのよ。勿論これは批判ではないですよ。むしろ嬉しいのよ、俺としては。ああ、どれだけ時間が経っても後藤は「モーニング娘。のメンバーだった後藤真希」なんだなぁ、本当にモーニングが好きだったんだなぁ、って。そんな事を考えながらこの曲に耳を傾け、そして後藤を暖かい眼差しで見つめていたのでした。こういうのを聴いちゃうと‥‥来年の今頃はきっと、安倍なつみも自身のソロコンサートで初期の曲をバンバン歌うのかなぁ、なんて考えてしまうわけですよ。中澤裕子も自分のライヴで初期の歌を歌ってるわけだし。そうやって巣立っていったメンバーが歴史の一片を引き継いでいってるんだなぁ‥‥

  多少感傷的な気持ちだったところに、後藤の煽りが入り、"盛り上がるしかないでしょ!"がスタート。ライヴのクライマックスに相応しい煽り系ロックナンバー。イントロや中盤のシンガロング・パートがCDの倍くらいに引き延ばされてて、一緒に盛り上がるに相応しいアレンジになってます。後藤も右に左にと走りまくり、歌もちょっと突っ込み気味になったり。そして最高潮のところにドロップされたのが、本編最後の曲となる最新シングル"抱いてよ!PLEASE GO ON"。1曲目がこの曲じゃなかった時点で、多分ラストなんだろうなぁ‥‥って思ってたら、本当に本編ラストでした。とにかく今回のライヴ、セットリストの組み立て方が上手い。曲も何だかんだいって沢山あるんだもんなぁ、後藤。アルバム曲もカットされ、前回歌われたシングルC/W曲もカットされてもまだ歌える曲がある。モーニングの歌もあるんだもん。この辺が松浦亜弥にもメロンにもない強みでしょうね。ごっちんコンが最強なわけ、よく判ったわ。残念ながらこの曲でのバックダンサー出演はなし。そう、ここまででメロンがバックダンサーやコーラスを務めたのはたった1曲のみ。前回のツアーは「初の単独ツアーだし、メロンと一緒にライヴを作り上げて盛り上げる」といった印象だったのに対し、今回は「あくまで『後藤真希』というひとりのシンガー」がメインとなるライヴ。確かに不安要素の強かった前回に対し、今回は「春ツアーの充実・大成功」という結果がまずあるわけ。そしてそれが後藤にとっても大きな自信になっていると。そういう意味では今回のツアーこそが後藤の真価を問うべきものになるんじゃないでしょうか? 最後まで観て、とにかくそういう印象を強く受けました。

  本編を終え、アンコールを求める声。すぐにステージに戻ってくる後藤。白い衣装を着た彼女は、あの名曲のタイトルを口にします。そう、シングルのC/W曲なのに既にライヴでは定番となりつつある"LIKE A GAME"。となると‥‥ああ、よかった。メロンも登場してくれた。この曲は春コンでもメロンがバックダンスを務め、後半にダンス合戦があるんですよ。今回もそんな感じなんですが、春とはちょっとフォーメーションが変わってたかな。それに後半のダンスバトルが短かったようにも感じられました。更に曲のテンポもちょっとゆっくり‥‥かな? なんか春コンの時はもっとアッパーな印象を受けたんですが。いや、悪くなかったですよ。アンコールだし終盤だし、そろそろ体力的にも‥‥って思ってたんだけど、全然そんな風には感じられませんでしたね、後藤のダンス。うん、良かった。

  で、ここでメロンが引っ込んでMC。市原は3年半振りくらいだという話を始めました。モーニングに入り立ての頃のツアーでこの会場でコンサートをやって、その時に保田圭の母親がモーニングのメンバーに、とおにぎりを作ってきてくれて、それが本当においしかったなぁってのを会場に着いて思い出しました、という話。モーニングに入った頃は13才だった後藤がもうすぐ18才になり、まさかここでこうやってソロでライヴを出来るようになるとは夢にも思わなかった、本当にみんなの応援のお陰ですありがとう‥‥といったようなことを話してたと思います。とにかく後藤、最後まで「自分の考えたことを、自分の言葉で語ってる」ように感じられました。やっぱり自分で考えてるんだよな、うん。だってあと1曲で終わりだっていうのに、随分と長々喋ってたもん。

  そして最後の最後は、既に名曲の仲間入りしたといってもいいであろう"スクランブル"。そうか、こういう終わり方もいいなぁ。本編はアッパーで攻撃的な曲で終わって、アンコールラストは明るくて大きなノリを持ったこの曲で終わる。後藤の二面性を見事に打ち出した選曲ではないでしょうか。最後のフェイク部分は何度聴いても鳥肌立つね。うん、最後までよく声が出てたと思います。

  というような感じで約100分に及ぶツアー初日の夜公演は無事終了。歌詞を間違えることもなく、また大きなハプニングもなく初日を終えることができました。

  何度も書くように、とにかく意外性の多いライヴだったなぁ、と。セットリスト知らなかったら本当に驚く内容だし、また選曲も本当にいいし、更にセットリストの組み立て方も上手い。考えてみると、"赤い日記帳" も今回は歌ってないんだよね。ホント、それだけ「歌うべき曲」「歌いたい曲」がまだまだ沢山あるってことでしょう。個人的にはもう1回、内容を完全に知っていても楽しめるライヴだと思いますね。

  ただね、後藤の調子はまだまだ本調子といったところまでは行ってないようにも感じられました。7~8分咲き、といった感じ。やっとエンジンがかかりだしたところでしょうから、1ヶ月後辺りのライヴ‥‥多分後藤の誕生日(9/23)辺りにはホントに凄いことになってると思いますよ。でも初日にしては上出来だと思ったし、他のハロー!プロジェクトのシンガー/ユニットと比べても、ここまで初日にやれる奴らは他にどれだけいるのかなぁ‥‥って思うわけですよ。まぁその辺は最初から「初日だし、完全に本調子ではないだろう」って判ってて観に行ったので、個人的には気にしてませんが。そういう意味からも、1~2ヶ月後にもう1回観てみたいなぁ、と素直に思います。

  というわけで、後藤は今回もホントに良かったです。絶対に行った人全てが満足するライヴだと思いますね。絶対に観るべきだと思いますよ!


[SETLIST]
01. 愛のバカやろう
02. やる気!IT'S EASY
—MC—
03. 溢れちゃう...BE IN LOVE
04. 晴れた日のマリーン
—VTR:絵日記コーナー—
05. 特等席
06. 手を握って歩きたい
—MC:途中でメロン記念日登場—
07. 未来の扉 [with メロン記念日]
08. MI DA RA 摩天楼 [メロン記念日]
09. チャンス of LOVE [メロン記念日]
10. This is 運命 [メロン記念日]
11. うわさのSEXY GUY
12. SHALL WE LOVE?
13. くちづけのその後
—MC—
14. 盛り上がるしかないでしょ!
15. 抱いてよ!PLEASE GO ON
—ENCORE—
16. LIKE A GAME [with メロン記念日]
—MC—
17. スクランブル



▼後藤真希『抱いてよ!PLEASE GO ON』
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投稿: 2003 09 07 01:16 午前 [2003年のライブ, ハロー!プロジェクト, メロン記念日, 後藤真希] | 固定リンク

2003/08/27

後藤真希『抱いてよ!PLEASE GO ON』(2003)

  後藤真希、今年3枚目、通算8作目のシングルとなる"抱いてよ!PLEASE GO ON"は、シングル曲として過去最速のBPMを記録するダンスナンバー。後藤本人が「みんながイメージする後藤」と言うように、歌詞にしろ曲調にしろ『ゴマキというパブリックイメージ』をそのまま形にしたかのような楽曲なんだけど‥‥これがね、いいんですよ。「またかよ‥‥いつも誉めてるし‥‥」と思われるでしょうけど、ホントにそう感じるんだから仕方ない。何つーか、そういった外野のパブリックイメージを逆手に取った、かなり攻撃的なナンバーなんですよ、これ。

  アレンジはカップリング曲"おふざけKISS"共に、お馴染み鈴木Daichi秀行。今年のシングルは全て彼が手掛けてるわけですが、意外と相性いいのかなぁ‥‥って気がしないでもない、かな? ま、確かにこれまでの楽曲では詰めの甘さが目立ってた彼ですが、ここ最近のアレンジ‥‥特にシャッフル以降は意外といい仕事してると思うんですよ、個人的に。今回の"抱いてよ!PLEASE GO ON"も、この手のアレンジとしてはかなり良い出来なんじゃないかな、と。系統的にソニンの"東京ミッドナイトロンリネス"と同じ流れにある楽曲だと思うんですが、こちらの方がより完成度が高い。いや、ソニンの方はああいう「狙い」だったとは思うんですが‥‥個人的には後藤の方に軍配を挙げたいかな、と。

  もうね、ボーカルパフォーマンスもかなり素晴らしいんですよ。この春に行われたツアーの成果が端的に表れてるんじゃなかろうか、と思うわけです。曲調もあるんだろうけど、こういう力んだ歌い方って妙に合ってるんだよね。特に後半の煽り部分なんて、もう‥‥

  歌詞もね、前作"スクランブル"とは正反対の女の子(というよりも、「女」か)で、前作が自然体で本来の彼女に近いものだとすると、こちらは他人が彼女に対してイメージする「後藤真希」像をそのまま演じたような形ですよね、良くも悪くも。今回、後藤自身が「みんながイメージする~」と語ってる辺り、確信犯なんじゃないかな?なんて思える程、躊躇や隙が一切なく完璧に演じきってますよね。その辺はビジュアルが一切ない音源の状態からも伺えるはずです。

  一方、カップリング曲"おふざけKISS"は、ミディアムテンポのラテン系。ボッサと呼んでいいんですか、こういうのも‥‥曲調だけなら中澤裕子やソニン辺りが歌っても違和感ないんですが、歌詞はやはり後藤っぽいというか。「ああ、何となくだけど、ゴマキってこういう感じかなっ?」って思っちゃうんでしょうかね、ファンでもない普通の人達って。だとしたら、制作側の思惑に見事ハマッてるという。まぁそういうのは個人的にどうでもいいんですが、こういうタイプの楽曲もこれまでの後藤にはなかったものだし、ここで聴けるパフォーマンスもまた今の彼女らしさを十分に堪能できるものなので、個人的にはかなり好きな部類です。

  多分、この9月からスタートする2度目の全国ツアー(現時点で全国20カ所、39公演)はこの"抱いてよ!PLEASE GO ON"からライヴがスタートすると思うんですが‥‥ピッタリじゃない、1曲目に? 間違いなくつんく♂が「こういう曲、ライヴに欲しいやんか?」とか言って作ったんだろうなぁ。1曲目じゃなかったら、本編終盤辺りとか(けど絶対にラストではないという、ねっ?)。

  散々「モーニング娘。を卒業したはいいけど、恵まれてない」と言われ続ける彼女。確かにアルバムはちょっと‥‥だったけどさ、"うわさのSEXY GUY"といい、"スクランブル"といい、個人的には彼女のこと(パーソナリティではなくて、実力的な部分)をよく判ってるな、と感じるんですけどね。与えられた課題を毎回見事にこなしてみせる後藤真希。そろそろ本格的に本領発揮しそうな予感。今度のツアーを経て、年末年始辺りが最初にピーク‥‥になるかも。



▼後藤真希『抱いてよ!PLEASE GO ON』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2003 08 27 12:58 午前 [2003年の作品, ハロー!プロジェクト, 後藤真希] | 固定リンク

2003/06/18

後藤真希『スクランブル』(2003)

  みんなこういう曲を待っていたんじゃないでしょうか? 後藤真希のソロ名義での7枚目のシングル「スクランブル」はカップリング曲含め、快心の出来となっております。

  今や「最もごっちんらしい名曲」として代表曲のひとつに数えられている "やる気!IT'S EASY" というポップで明るくて溌剌とした楽曲。それと相反する"うわさのSEXY GUY"みたいな似非セクシー路線。前者はファンが熱望する、そして「最も素の後藤真希に近い」というイメージであり、後者はそれ程詳しくなくても彼女の名前くらいは知ってるという一般人にとってのパブリックイメージ。それくらいの格差が常に後藤真希には付きまとっているわけです。モーニング娘。としての搭乗時のイメージが強烈過ぎた為、いくらプッチモニで年相応なことをやっても、その後のシャッフルユニットやソロデビュー曲 "愛のバカやろう" 等一連の流れによって、彼女のことをよく知らない人には更にそういうイメージが強く植え付けられていく。だから、いくら"手を握って歩きたい"みたいな子供受けしそうな童謡的ポップスを歌おうと、ミュージカル用に "サン・トワ・マミー" みたいなスタンダード曲をカバーしても、一般的には「違う」と判断されてしまう。いくら素晴らしいパフォーマンスを披露しようとも‥‥

  個人的には、その両方の面を持ち合わせ、尚かつそれを完璧にこなしてしまうのが「後藤真希」だと認識してるんですね。だから"うわさのSEXY GUY"も個人的には全然「アリ」だったし、むしろ好きな曲なのね。けどさ‥‥やっぱりこの曲を前にしてしまうと、そして笑顔で歌う彼女の姿を観てしまうと‥‥判るでしょ、俺の考えてること?

  タイトル曲"スクランブル"のアレンジはお馴染み鈴木Daichi秀行。オール打ち込み&ギター、全てDaichi氏の手によるものなんだけど、これが特に悪いアレンジでもないのよ。むしろ今回は曲調やメロディに助けられてるのかな。初期のモーニング娘。にあったようなポップチューン‥‥あえて例えれば "真夏の光線" とか、あのライン。後藤のソロなら "やる気!IT'S EASY" やアルバム「マッキングGOLD①」収録の "晴れた日のマリーン" の流れを組む、アップテンポで心弾むようなポップチューン。彼女の歌も素晴らしいし、なによりも昨今のつんく♂ワークスに多い「アーイェー」みたいなコーラスが皆無なのがいい。サウンド的にもストリングス系のシンセが前面に出ていて、Aメロのバックで鳴るディレイのかかったギターや、サビで盛り上げるのに一役買うブラス系シンセ等、普段だったら安っぽいと切り捨てそうなDaichiサウンドが、今回ばかりは上手く機能してるように感じられます。もっとも、これらの打ち込みサウンド(リズムやベース、更にブラスやストリングス)が全て生音だったら、この曲は本当の意味での「名曲」になっていたでしょう‥‥その点は残念。けど、現在のような状況の中でここまでやったんだから、個人的には高く評価したいと思います(あくまで「つんく♂ワークス」の括りの中での話ね)。

  カップリング曲"長電話"はSHO-1がアレンジ。過去のハロプロワークスでは主にリミックス仕事が多かった彼ですが、今回はタイトルチューンにも匹敵するポップチューンに仕上がっています。勿論元のメロディが最近のつんく♂作品の中でもかなり良い出来というのもあるんですが、上に挙げたような楽曲の流れを組む‥‥もっと言っちゃえば、 "やる気!IT'S EASY" とプッチモニの「ちょこっとLOVE」c/w曲の "DREAM & KISS" とを足して2で割ったようなアレンジ‥‥と言えば判ってもらえるでしょうか? そういう流れを組むシンセ主体の1曲。途中、ブレイク部で挿入されるごっちんのセリフが、曲のイメージと相反するような色っぽさを持っていて、これまた良い感じ。その後で暴れまくるギターソロも耳障りにはならない程度で、好印象。ホント、いい曲ですよ。

  アルバムや前回のシングルの時に、彼女が与えられる楽曲に対する不運振りについて書きましたが、これはある意味勝負曲、勝負作ではないでしょうか‥‥主演映画の主題歌だからってのもあるんでしょうが、やはりここらでモーニング娘。卒業後、本格的ソロ活動開始後の大きな一発が欲しいところなんですよね。「ごまっとう」がいい起爆剤になったものの、続くソロシングルが "サン・トワ・マミー" でしたからねぇ‥‥個人的には1位にしてあげたいものの、まぁ1位にならなくてもいいからロングヒットを飛ばしてもらいたいものです。それだけの作品だと思うしね。



▼後藤真希『スクランブル』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2003 06 18 12:55 午前 [2003年の作品, ハロー!プロジェクト, 後藤真希] | 固定リンク

2003/06/09

後藤真希 ファーストコンサートツアー2003春 ゴー! マッキングGOLD@東京厚生年金会館(2003年6月7日 夜公演)

  各所で大絶賛されている後藤真希初のソロコンサートツアー。2月のミュージカルも大絶賛だったんだけど、彼女の場合いつも前評判が高くなくて、実際に公演がスタートしてその内容に驚愕するってパターンが多いみたいだけど‥‥やっぱりソロになってから与えられる楽曲があれだからかなぁ‥‥いや、俺はそんなに悪くないとは思うんですが(アルバム曲ももう一歩って曲が多かったものの、曲順さえちゃんとしてればかなり高水準の作品だと思ってるし)。

  そんなわけで、本来はゲスト出演するメロン記念日目当てだったこの日のライヴも、日が経つに連れ、俺内でのごっちん再評価に繋がりそうな気がしてとても楽しみにしていました。更にちょっと前に放送されたミュージカル特番でのステージングも圧巻だったしね。メロンも春ツアー後久し振りに観るし、どれだけ成長してるか気になってたしさ。

  珍しくファンクラブで取ったら、1階15列目というまずまずの席。ま、2,000人程度の中ホールなので、これでもかなり前の方なような気が(実際には1階の真ん中辺なんだけど)。前が通路ってこともあり、非常に踊りやすい場所だし、13番ってことでかなり左寄り。ステージ脇に花道みたいなのが伸びてるんで、運が良ければここまで来てるれるかも‥‥ってな淡い期待を胸に、開演を待つ俺なのでした。

  10分近く遅れてスピーカーから大爆音が。俺、気を抜いてたのでかなりビックリ。と同時に場内暗転。既に会場はヒートアップ状態。スクリーンに過去のハロコン同様、ごっちんやメロンの映像が流れ、ステージ後方にある高台に羽根の生えたごっちんのシルエットが。当然1曲目は"うわさのSEXY GUY"。ライヴ1曲目に持ってこいなアッパーチューンで、ごっちんも既にノリノリ。とにかくごっちん、細いのなんのって。スクリーンなしの肉眼でも頬のこけ具合が確認できる程痩せちゃってるのね。ツアーや映画等のハードスケジュールが原因じゃ‥‥なんて言われてるけど、俺はこの人、非常にストイックな人だと思うのよ。んで、ツアーを重ねていく中でどんどん自分を追い込んでいい状態に持って行ってるんじゃないかな、と感じています。人にもよるけど、ツアー中はとにかく痩せていって、その状態がステージで歌うにはベスト状態になるって人もいるし(自分もバンド時代はそうだったし。月に4~5本ライヴがあった時なんて5キロは痩せたしね)。実際、この日の彼女は昼公演も全力で歌っていたと聞いていたにも関わらず、一切手を抜かず、声量が落ちることもない非常に素晴らしい歌を聴かせてくれました。

  スクリーン前で歌ってることもあって、スクリーンにごっちんのシルエット×2の映像が映されるんだけど、時々それがごっちんと重なると‥‥金色の衣装に羽根ってこともあり、キングギドラに見えちゃうんだよね。いや、いい意味で(いい意味!?)。神々しいというか、女神よマジ。

  歌い終わると、簡単なMCで自己紹介。これがカワイイのなんのって。モーニング娘。時代は他にもカワイイ系メンバーがいたこともあり、結構クールなイメージが強調されてたように思うんだけど(そして、観る側のそういう色眼鏡もあったしね)、この日のごっちん、MCの時は常にカワイイのよ。17歳の普通の女の子って感じで。いや、ああいう場所であんなに凄いステージをやってる時点で普通ではないんだけどさ。

  MCの後、金の衣装を脱ぎ"溢れちゃう...BE IN LOVE"と"デート注意報"を歌う。前者はアルバムバージョンだったこともあって、個人的には良かったなぁ、と。単純にこっちが好きなんですよ。後者はアルバム曲の中でも最もヘヴィな音像を持った1曲。アルバムではそれほど印象に残った曲ではなかったんだけど、ライヴで聴くといい感じ。最近の「ライヴを想定して書いてる」というつんく♂発言が頷ける話だわ。

  歌い終わると、後方からメロンの4人が登場。ここで俺、凍り付く‥‥忘れてた、斎藤さんの髪‥‥光の加減でオレンジが入ってるのかは判らなかったけど、明らかに金髪。そしてパーマ。無駄にゴージャス過ぎ。ごっちんに次の曲の衣装を渡して着替えてる間「メロンきねぇ~んびぃ~♪」と例の"メロン記念日のテーマ"を歌う4人。終始和やかな空気が流れてるはずなんだけど‥‥結局歌が始まるまで俺、凍ったままでした。それだけあの髪型には殺傷力があるってことですよ!

  メロンを含めた5人で昨年のシャッフルユニット曲"幸せですか?"を「セクシー8」ならぬ「セクシー5」で歌う。5人でダンスをすると、ごっちんとメロンのダンスにおける力量の差が一目瞭然。いや、メロンが劣るというよりも、メロンはあの4人での「グルーヴ」や「ノリ」があるんだけど、そこにごっちんという異物が入ることで‥‥余計にごっちんが引き立っちゃうのよ。つうかごっちんのキレの良さ、凄すぎ。モーニング時代もこうだったっけ?と不思議に思った程。それだけこのツアーで自信を付けていったってことか?

  ごっちんが着替えで引っ込み、その間をメロンが大喜利で繋ぐ。まぁ‥‥いつものメロンでした。この日は終始柴ちゃんが可愛かったなぁ‥‥常に俺の前の方にいたってのもあるんだろうけど。あ、村っちの美しさもハンパじゃなかった。ヤバかった。

  着替えが終わり、スポーティーな格好で戻ってきたごっちん。歌うは6/18リリースの新曲"スクランブル"。これが既に名曲の仲間入りしそうな、ポップでアッパーな楽曲。路線的には"やる気!IT'S EASY"の流れなんだろうけど、ホントこういう曲をもっと彼女に歌わすべきだなと再認識。これが売れなかったらまた事務所は「似非セクシー路線」に戻すんだろうか‥‥だったら絶対にヒットさせるべき!これ、1位にしてあげたいよ‥‥それくらいよく出来た楽曲でした。ただ、ライヴで聴くとバックトラックの薄っぺらい音像が気になりましたが(Daichiだろうな、これ‥‥と思ってたら、ホントにそうらしい)。

  そのまま"SHALL WE LOVE?"(アルバムバージョン)と"愛ってどんな×××?"と、アルバム「マッキングGOLD(1)」から2連発。とにかくダンスがあれだけ激しいのに、声量が全く落ちないのは圧巻。曲が終わると多少息切れしてるのは確認できるんだけど、けどまた歌い出すと全然そんなこと感じさせないし。恐るべし、ごっちん!

  ここで最近のハロプロではお馴染みの「VTRコーナー」が。続く"彼、旅行中なり"へのネタ振りなんだけど、これが結構楽しめました。ライヴ自体が非常にピースフルなものであったこともあり、こういうネタひとつひとつにも愛を感じましたね、作り手の。単なる時間稼ぎになってないし。メロンといいごっちんといい、本当にスタッフに恵まれているように思いましたね。

  んで、VTRが終わるとその"彼、旅行中なり"なんですが‥‥これがライヴ中盤の見せ場のひとつになっていて、天上からブランコが降りてくるんですよ。で、2コーラス目でそこに腰掛けて歌うんですが、そのブランコが天に昇っていくという‥‥命綱もつけないごっちんが心配で目が離せませんでしたよ!(いや、本当はミニスカートの中から覗く「見せパン」から目が離せなかったわけだが。銀でしたよ銀!)曲のまったりした雰囲気に合った、非常に素晴らしい見せ場だったと思いました。こうなると、次のツアーではワイヤーアクションが取り込まれるんじゃないか‥‥なんてね。

  そして続く"LIKE A GAME"も大きな見せ場でして。曲後半でメロンの4人が加わりダンスバトルをするんですね。ソロで踊るパートがあるんですが、斎藤&大谷、柴田&村田の組み合わせで踊った後にごっちんがソロで踊り、最後に5人でまた踊るんですが、これが圧巻。メロンのダンスはこの際置いといて、語られるべきはごっちん様のダンスですよ! この人、何時からこんなに凄いダンスをするようになったのさ!? スゲエ、とにかくスゲエ! もう感動しまクリスティだね! 曲の良さもあって(シングルのカップリングってことで地味な存在かもしれませんが、これは名曲ですよ!)、本当に盛り上がった。

  中盤の山場終え、ここでごっちんのMC。後藤母より毎回ツアー先に応援ファックスが送られてきて、それを読んでMCに絡めるという内容なんだけど、まぁファックスは「仕込み」だとしても‥‥それ以外のごっちんの喋りが全て自分の言葉で語られているんですよ。ハロプロ関係は殆どがMC込みで台本の存在を指摘されているわけですが、まぁ今回も大まかな構成はあるんだろうけど、それを話すごっちんの言葉は明らかに「後藤真希の言葉」で、自然体で語られているんですね。今回のツアーが大絶賛される理由のひとつにこのMCも含まれているわけですが、それも納得のいく内容でした。しかもこのMCが長い長い。5分近くひとりで喋ってたんじゃないでしょうか? 「ひとりでの喋りは苦手」と以前テレビか雑誌で語っていた彼女。その彼女がふつうにお客に語りかけるわけですよ。まるで目の前にいる家族か友人にでも話しかけるように。こりゃクセになるわな、ファンなら。そんなに後藤ヲタではなかった俺も、これには参ったもんね。

  そんな長いMCを終えた後に、いよいよ我らがメロン記念日の登場。まずは新曲"チャンス of LOVE"を。ライヴで聴くのは初ですが、ごっちんコン等で歌い込んだせいか、テレビ披露の時よりいい感じでした。しかもフルコーラスだったので、2コーラス目の斎藤ソロも長く聴けたし。柴っちの歌も以前よりも安定感が感じられ好印象。ただ曲調のせいもあってか、客の方は中途半端なノリ。俺の隣なんか完全に休憩タイムに入ってたしな!(怒)しかし、それもこの曲だけの話。続く"赤いフリージア"では再び会場がヒートアップ。ヒット曲はやっぱ強いね。運命や連打じゃなくてもここまで盛り上がれるようになったメロン、ホンモノですよ! とにかくこの日は柴田ば常に良かった。メロンコンでは常に彼女の歌の弱さを指摘してきた俺だけど、この日は声も出てたようだし(PAのせいだろうけど)音程もしっかりしてた。他のメンバーもね。トップ10シングル2枚の力は偉大だね。ホント、夏コンが楽しみになってきたよ。

  メロンが一端引っ込み、再び後方高台からごっちん登場。"やる気!IT'S EASY"を歌うわけですが‥‥その高台が更に高くなり‥‥高台のごっちんがいる床のところだけ更に上にせり上がっていくんですよ。KISSにおけるピーター・クリスのドラムソロみたいに。そして着替えが終わったメロンがその下で踊るんですね。今回のライヴでメロンはかなりの頻度でごっちんのダンスをサポートするわけですが、これも単なるバックダンサーに終わらず、いい意味でごっちんをサポートし、尚かつごっちんもメロンを盛り上げてるんですよ。単なるゲストというよりも、一緒に作り上げてる感が強く伝わってくる内容で、メロンヲタも終始楽しめるライヴだったんじゃないですかね?(そしてメロン目当てだったのが、ごっちんに心奪われてしまうという、ねっ?)1コーラス終わると地上まで降りてきて、ステージ前方で5人歌い踊る。そのままモーニング娘。時代の隠れた名曲"パパに似ている彼"を披露。これがね‥‥いいんですよ! だってさ、この曲って後藤加入前の曲なわけでしょ? 単純に彼女が「一番思い出深い曲」って事でよく名前が挙がる1曲を、こうやってソロコンサートで歌えるってのはホントに恵まれてるよな、と。メロンもコーラスをしっかり務めてたし、ごっちんも気持ちよく歌ってたし、そしてそれを聴く我々も意外な曲が聴けて嬉しかったし。ホント、いいライヴだよなぁ。

  メロンが再び引っ込み、「後半戦もまだまだ行くよー!」との気合い入れの後に"盛り上がるしかないでしょ!"~"晴れた日のマリーン"~"赤い日記帳"という、アルバム後半と同じ怒濤の流れ。"盛り上がるしかないでしょ!"ではロックコンサートばりの盛り上がりを見せ、中盤で長めに取られたシンガロング・パートでの煽りに興奮し、更にステージ脇の俺側の花道までやって来たりしてドキドキし、"晴れた日のマリーン"ではただただカワイイごっちんに目を奪われ、"赤い日記帳"では自分が観た9/22@横アリでの卒業ツアーを思い出し目頭が熱くなったり。声量も落ちず、動きも更に激しくなるばかり。ホント圧巻。

  最後のMCの後、「心を込めて歌います」といって本編最後の曲"手を握って歩きたい"を披露。これはシングルバージョンの方でした。ホントいい曲だなぁ、これ‥‥2コーラス目のサビ辺りでメロンが再び戻ってくるんだけど‥‥ごっちんがこの曲の時に着てた衣装(アーミールックにベレー帽、ホットパンツといった感じ)の水色バージョンを着てるのよ、4人が。特に柴っちが‥‥その幼さと衣装が見事にマッチし、観てるこっちがドキドキものでしたよ! 誰だよ、柴っちにこんな衣装を着させたのは! お前偉いよマジ。
  それにしてもね‥‥やっぱりこの曲の後半静かになる「愛してるぅ~♪」以下の行は、何度聴いてもマジ泣きできる。娘。コンでも泣いたけど、久し振りに生で聴いて鳥肌立つわ涙出るわで‥‥しかも「出会ったみんな ありがとう」のところでちょっと詰まったようになって、そこの歌詞を絶叫するもんだから、ホントに泣いちゃったじゃないか。ごっちん、あんたスゲエよマジで。惚れたね、本気で(だろ、行ったみんな?)。しかもさ、この曲の最後のリフレイン、CDよりも長めになってて、客に歌わすのよ。スクリーンに歌詞もちゃんと出て。これがね‥‥客も良い仕事するのよ。大合唱でさ。たった2,000人前後なのに、モーニングのコンサートにも負けてない、いやそれ以上に感じられる程の歌声と愛情。パフォーマーとオーディエンスの見事な相乗効果がここで結果となって表れたわけ。この日最高の盛り上がりはやっぱここでしょ!

  そんな風に最高に盛り上がった本編。アンコールを求める「ごーっちん、オイ!」の掛け声も本気度150%って感じ。こんなに熱いライヴ、メロンのファーストライヴ以来かも。

  そして戻ってきたごっちん。つっかえながらもまた自分の言葉でいろいろと語ってくれました。台本がない分、それが必要以上に長々と語られるわけだけど、彼女自身の言葉で語ってるせいか、全く長さを感じさせず、その喋るごっちんに惹き付けられちゃうのね。話術云々ではなくて、彼女の魅力なんだろうね、そういう「自然体」がさ。

  最後の最後に選んだ曲は、彼女のソロデビュー曲"愛のバカやろう"。アンコール待ちでちょっと休んだせいもあってか、歌声は更に強く響き、更に全く衰えを感じさせないのね。デビュー曲ってこともあるんだろうけど、本当に大切に、丁寧に歌っているのがしっかり伝わってきた。もう最後は踊るのを止めて、その歌をじっくりと聴いちゃいましたよ。ホント、土下座したくなったね、意味もなく。凄いよ、後藤真希ってシンガーは‥‥

  最後の最後には「最後にみんなに一言だけ伝えたいことがあります‥‥好きっ!」なんて叫んでステージを後にしたごっちん。正味100分に及ぶ、非常に充実したライヴでした。これを楽しめない人はヲタ辞めた方がいいんじゃない!?って思える程に素晴らしいライヴ。こんな時期だからこそ、これをモーニング娘。のファンに観て欲しいなぁ。今のモーニングが得たもの・失ったもの、そして後藤真希というシンガーのポテンシャルの凄さを体感して欲しいものです。

  更には‥‥もう今後、モーニング娘。にはこういった「シンガー」は誕生しないんじゃないか、と悲しい気持ちになったね。なっちやかおり、矢口辺りまではソロライヴをやれるだけの力量が備わってるだろうけど(ごっちん程までとは言わないけど、少なくともそれをこなせるだけの力量は備わってるでしょうね)、それ以降‥‥4期以降のメンバーが卒業してソロとしてやっていくとなると‥‥結局はソロでやってきた藤本美貴だけかなぁ、と。残念ながら、こういった逸材はもう現れないのかもしれませんね。

  そういうことを踏まえた上で改めて考えると、やはり後藤真希という存在はホントに「異物」だったんだなぁ、と。彼女の登場でその後のモーニングも変わったし、また彼女を失ったことで再びモーニングは変わった(変わらざるを得なかった)。その存在の凄さをモーニング娘。のライヴで感じるのではなくて、ごっちんのソロコンサートで感じることが出来たのが嬉しかった。期待されていたようで実はそこまで期待されなくなっていただけに、これは大きな収穫ですよ。

  間違いなく、彼女は大丈夫。このまま突っ走っていれば大丈夫だよ。ああ、秋コン行くつもりなかったけど、一般で取って観に行こうっと。今度は数カ所回ってみようかな?


[SETLIST]
01. うわさのSEXY GUY
—MC—
02. 溢れちゃう...BE IN LOVE
03. デート注意報
—MC:メロン記念日登場—
04. 幸せですか? [with メロン記念日]
—MC:メロン記念日—
05. スクランブル
06. SHALL WE LOVE?
07. 愛ってどんな×××?
—VTR :絵日記コーナー—
08. 彼、旅行中なり
09. LIKE A GAME [with メロン記念日]
—MC:後藤母からのFAX紹介—
10. チャンス of LOVE [メロン記念日]
11. 赤いフリージア [メロン記念日]
12. やる気!IT'S EASY [with メロン記念日]
13. パパに似ている彼 [with メロン記念日]
14. 盛り上がるしかないでしょ!
15. 晴れた日のマリーン
16. 赤い日記帳
—MC—
17. 手を握って歩きたい [with メロン記念日]
—ENCORE—
—MC—
18. 愛のバカやろう



▼後藤真希『マッキングGOLD①』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2003 06 09 01:08 午前 [2003年のライブ, ハロー!プロジェクト, モーニング娘。, 後藤真希] | 固定リンク

2003/03/19

後藤真希『うわさのSEXY GUY』(2003)

  初のソロアルバム「マッキングGOLD①」をリリース後、最初のリリースとなる(ミュージカルのサントラを除く)後藤真希のシングル(通算6作目)は、大型タイアップ付きの"うわさのSEXY GUY"をタイトルチューンに持ってきた1枚。これまでのごっちんに対する外部でのパブリックイメージに沿った曲調と呼べる、ちょっと大人っぽくて、それでいて下世話なアレンジを持った曲(アレンジは、やはり鈴木Daichi秀行)なんだけど‥‥結構、周りの評判はよろしくないようですが‥‥俺、あややの「ね~え?」よりもこっちの方が好きかも‥‥もしかしたら俺って、こういう下世話で安っぽいアレンジを持った単純な曲が好きなのかもしれない。カン梨華「色っぽい女 ~SEXY BABY~」とか、ああいった流れの楽曲がね。

  この曲もあくまであややとの比較の上で「劣っている」とか「後藤が可哀想」なんて声が挙がると思うんだけど、果たして本当にそうなのでしょうか?と俺は疑問に思ってるわけよ。そもそもベクトルの向きが違うじゃないですか、あややとごっちんとじゃ。宇多田ヒカルと浜崎あゆみ程に向きが違うし、GLAYとラルクくらいにベクトルの方向が違ってる。どっちがどう、という決めつけはあえてしませんが、違うというのはご理解いただけると思うんですね。で、そういうあややとごっちんだからこそ、同じ "SHALL WE LOVE?" (ごまっとう)を歌っても、また違った印象を受けるわけだし、歌い方や発声、声質に違いがあるからこそ、それぞれに合った楽曲というのがあるわけですよ。で、やっぱり「ね~え?」はごっちんには無理があると思うし、逆にあややにこの"うわさのSEXY GUY"を歌わせてもそれなりに歌いこなせるとは思うんですが、ごっちん程ハマらないと思うんですね(そりゃ、実際にやらせてみないと判りませんけどね)。

  更に、何だかんだ言ってもこういう曲をごっちんに歌わせてみると、意外としっくりくるというか、合ってるんですよね。聴く前から我々にも「ごっちんに対して事務所や外界はこういうイメージを持ってる」ってのが、ある程度深層心理の中に植え付けられてるわけですよ。だから口では「またこういう曲調かよ!」と憤りを言葉にしてみても、実はそこまで違和感を感じてるわけでもないんですよね。要するに、元となる楽曲さえしっかりしてれば、この子には何を歌わせてみても(ある程度)我々は納得できてしまうんですよ。それはごっちんの才能であり、そして何だかんだいいながらもつんく♂の手腕によるもなのではないか、と思うわけです。つまりね‥‥「マッキングGOLD①」で "やる気!IT'S EASY" や "晴れた日のマリーン" のような曲を少数ながらも与えつつ、その大半は我々が「?」と感じるような曲ばかり。ごっちんにすればこれらって、公開スパーリングみたいなもんなんじゃないですかね? 何だかそういう気がしてきた‥‥このシングルを聴いてて。

  そりゃね、このジャケットでも身につけてる今回の歌衣装(ゴマキデビルですか?)といい、背中に生えた羽根といい、あややの今回の歌同様、普通の人は引くわけですよ。普通に引きますよ、あんな羽根を生やされた日にゃ。そこにきて、時節柄タイムリーなのかどうなのか疑問な某スパイ映画風のリフ、中途半端なラテンアレンジ、相当無理がある字余りなサビ。やっつけ仕事的な楽曲と捉えることもできますが、これをごっちんが歌うと‥‥あら不思議、そこまで駄曲に聞こえないんですよね(って思ってるの、俺だけ?)。もしかしたら俺、今までのごっちんソロの中で一番好きかもしんない、この曲が。ある意味"手を握って歩きたい"をも超えたかも。勿論、楽曲単体の良さでいったら向こうなんだけど‥‥何ででしょうね?

  んで、カップリングは更に今までなかったような、ボサノバ・テイストのナンバー。今まで味わえなかったようなごっちんワールドを堪能できます。ホント、こんな声/歌い方をするごっちん、聴いたことなかったよね? 彼女の新たな魅力を感じさせる1曲ではないでしょうか。アルバムに入っていたら、アクセントとしてかなりいい役割を果たしたと思うんだけど‥‥今更言っても遅いけどね。いやぁ、これもいい曲。カップリングやアルバムの中の1曲という印象が強いですが、"うわさのSEXY GUY"と好対照なイメージが上手く機能してます。タイプは違うけど、共に「背伸びした感じ」がいい具合ではないかと思いますね。

  もしかしたら、後藤真希というシンガー/アーティストはこのままずっと、固定されたイメージを持たぬまま、あるいは我々が望む路線をスルリとかわしながら、どんどん先へと前進してくのかもしれませんね。で、気づいたら思ってもみなかったような高みまで達していたりして‥‥ってのは楽観的ですかね?



▼後藤真希『うわさのSEXY GUY』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2003 03 19 12:52 午前 [2003年の作品, ハロー!プロジェクト, 後藤真希] | 固定リンク

2003/02/27

後藤真希『マッキングGOLD①』(2003)

  後藤真希がモーニング娘。でデビューして早3年半。ソロデビューして約2年。モーニング娘。を卒業して約半年。そういう風に考えると、遅かったのか、それとも早すぎるくらいなのか‥‥ようやくごっちんのソロアルバムがリリースされました。

  が、その内容が‥‥全11曲中、シングル既発曲が4曲、そのシングル曲のバージョン違いが1曲(しかも既発曲と重複)、過去のユニット(シャッフルや「ごまっとう」)での曲のソロバージョンが2曲、そして残る4曲が新曲という、なんだかなぁ‥‥と思ってしまうような内容。デビュー曲 "愛のバカやろう" でさえもう2年も前の曲なのに、そこに3年も前のシャッフル曲("赤い日記帳")まで入れるなんて、どうかしてるよ!(ま、入れた理由も判らなくもないですが‥‥)

  というわけで、簡単ではありますが全曲解説をやってみたいと思います


M-1. 愛のバカやろう
  '01年3月リリースの、後藤真希としてのソロシングル第1弾。初登場1位を記録、約50万枚近くものセールスを記録しました。似非エスニック風ダンスサウンドに、ちょっと大人びた女の子的内容の歌詞という‥‥ある種、その前年に成功した "赤い日記帳"(シャッフルユニット「あか組4」のヒット曲)での路線の延長線上にある作風で、あそこでの成功をそのまま「これが後藤真希のキャラクター」と勘違いしたファンやスタッフが多かったのか、それとも一般的なパブリックイメージをそのまま曲にしてしまったのか‥‥リリース当時は正直「?」な曲でしたが、今こうやって聴いてみるといい曲なんですよね、不思議と。ただ、1曲目に持ってくるのはどうかな‥‥と個人的に思ったりして。

M-2. 手を握って歩きたい
  '02年5月リリースの通算3枚目となるシングルナンバー。詳しいレビューはこちらのシングルレビューを参照のこと。いきなり全然違う路線の楽曲が登場してビックリ。とても同じ女の子が歌ってるとは思えないよね? ま、そういう歌い分けが出来るってとこがごっちんの魅力でもあるんだけど‥‥この名曲がこのポジションってのは、正直曲の良さを100%引き出すことに失敗してるように思います。ま、細かいことは一番最後に述べますけどね‥‥

M-3. 愛ってどんな×××?
  このアルバム用の新曲その1。アレンジャーはAKIRA。如何にも彼らしい今風R&B調ポップソング。BoAとかあの辺を狙ったのか?ってのは邪推かな。ま、あんな感じの黒っぽいポップスです。後半にラップとも呼べないラップもどきが出てくるんですが、もうつんく♂が出しゃばり過ぎ。「アー、アー、イェー」だけ言ってりゃいいのに(エフェクトしてない生声なので、余計に耳に残る)。お陰で折角頑張ってごっちんがラップしてるのに、全然印象に残りやしない。ま、そういう曲です(どんなだよ!?)。ただ、悪い曲じゃないですけどね‥‥詰めが甘いっつうか‥‥ま、それはこのアルバムに収められた全ての新曲に言えることだし、それこそここ最近のハロプロ・ワークス大半に言えることなんですけどねぇ‥‥

M-4. 溢れちゃう...BE IN LOVE (A Passionate Mix)
  '01年9月リリースの通算2枚目となるソロシングル曲。当時はアメリカの某アイドルシンガーのヒット曲にそっくりなアレンジってことでかなり話題になりましたよね?(しかもPVもかなりの割合で激似だったし)そういう事情からか、ここではリミックスが施されていて(何故にこの曲だけ!?不自然じゃない??)、それを手掛けたのがSHO-1という人。過去にもごまっとう "SHALLWE LOVE?" やモーニング娘。"Do it! Now" のリミックスを手掛けてきた人。個人的にそれらのリミックスがかなり好みだったのですが、その期待通りの出来。ちょっとラテンテイストを加味しつつも、原曲よりも音数を減らしたことによってメロやコーラスを際立たせたアレンジはさすがだと思います。

M-5. デート注意報
  このアルバム用の新曲その2。アレンジャーは高橋諭一。ギターがザクザクした、かなりロック色の強いナンバー。高橋らしくないと言えなくもないけど、Bメロ~サビへの流れはやっぱり彼にしか表現できないアレンジかも。ドラムサウンドの独特な歪み具合は、一聴して彼のそれと判るんじゃないでしょうか? 肝心の曲は‥‥可もなく不可もなく、といった印象。つうかさ、なんでみんな、ごっちんにこういうマイナー調の曲(特にR&B寄り)を歌わせようとするのかね? パブリック・イメージに拘りすぎ。意外性が全然ないんだよね、このアルバムをここまで聴いた時点では。

M-6. SHALL WE LOVE? (後藤Version)
  '02年11月に「ごまっとう」がリリースした同名シングルの、後藤ソロバージョン。当然アレンジは全く変わっていて、ここではUZAという人が比較的原曲に近いイメージでリアレンジ。ま、当然この曲は後藤の為に作られたようなもんなので、こうやってソロで歌っても全然違和感ないし、むしろ安心して聴けるんですが‥‥逆に意外性や驚きもないんだよね。「ごまっとう」で聴いた時と、何ら変わらない印象。それ以上でもそれ以下でもなく。

M-7. やる気!IT'S EASY
  '02年8月リリースの通算4枚目となるソロシングル曲。結果として、モーニング娘。在籍時最後のシングル曲となったわけですが‥‥みんな、こういう曲を聴きたかったんじゃないの? ごっちんにはもっとこういう曲を歌って欲しかったはずなんだよね。"手を握って歩きたい" はちょっと対象年齢が低いかな?と感じる瞬間があったんだけど(アレンジ的な問題ね)、この曲は全然問題ないと思います。むしろ遅すぎたくらい。丁度この年、Tommy Feburary6がユーロビート歌謡でヒットを収めた後だけにね‥‥テレビやライヴでバックを務めるメロン記念日も豪華でした。

M-8. 盛り上がるしかないでしょ!
  アルバム用の新曲その3。アレンジャーは鈴木Daichi秀行。打ち込みメインのデジタルパンクとでもいいましょうか‥‥言っちゃあ悪いけど‥‥モーニング娘。の "ここにいるぜぇ!" のボツテイク‥‥いや、プッチモニの "WOW WOW WOW"(現時点ではリリース未定)を更に薄めたような印象なんですよ。勿論悪い意味で。見方によっては「DEF LEPPARDがカバーした "Action"(SWEETの名曲)的なアレンジ」とか「布袋寅泰っぽいデジロック風アレンジ」なんて表現も出来ると思うんですが、それにしてもバックトラックが安っぽすぎる。デモテープレベルなんですよね、これ‥‥なんでもっと重厚なサウンドに仕上げなかったんですかね? 例えば、これが鈴木俊介だったら、生バンドでバックトラックを録音したと思うんですよ。いや、Daichiが悪いってことじゃなくて‥‥これにOKを出したつんく♂に疑問を感じるわけですよ。嫌いじゃないだけに‥‥残念だよなぁ‥‥

M-9. 晴れた日のマリーン
  アルバム用の新曲その4。アレンジャーは同じくDaichi氏。路線としては "やる気!IT'S EASY" と同系統のユーロ歌謡。しかし、これが悪くないんですよね‥‥ただの二番煎じに終わってないという。メロが良いというのもあるんだけど、やっぱ何だかんだで、こういう曲調とごっちんの声が見事にマッチしてるんですよね。だから言ったじゃんか、もっとこういうアイドルポップ路線のごっちんが聴きたいんだって! アルバム後半、ここに来てようやく盛り上がり始めます。

M-10. 赤い日記帳 (後藤Version)
  '00年3月にリリースされた、ハロー!プロジェクト初のシャッフルユニットの内のひとつ、「あか組4」が発表したシングル "赤い日記帳" のセルフカバー。当時、加入間もないごっちんも参加していたので、ハロプロに疎い人でも憶えてる人、結構いるんじゃないでしょうか? あの曲のレビューにも書きましたが、当時のごっちんの歌唱はホントにどうしようもないものでした。が‥‥昨年9月のモーニング娘。卒業公演@横浜アリーナで歌われたこの曲は、本当に素晴らしいものでした。ごっちんの今後に一抹の不安を感じていた俺は、アリーナで聴いたこの曲、そしてごっちんの歌いっぷりに感動すらおぼえましたし。この曲をこうやってまた再録音して、アルバムにまで入れたというのは‥‥あざとい商売かもしれないけど、彼女のこの3年間の成長を知らしめるにはいい選曲ですね。ただ‥‥この手の楽曲がホント多すぎるんですよね、このアルバム‥‥そこが難点かな。

M-11. 手を握って歩きたい (Album Version)
  アルバム2曲目とは別アレンジ/別テイク。2002年9月23日の横浜アリーナ最終公演、一番最後に歌われたバージョンに比較的近いアレンジ、かな?(よく判らないって人は、その公演を収めたDVDを観ることをオススメします)あのね‥‥このバージョン、メチャクチャいいんですよ。アレンジは鈴木俊介。ねっ、この人がアレンジすると、こんなに手の込んだ作品になるんですよ。楽曲に対する時間のかけ方、愛情の込め方の違いなんですかね? シングルバージョンのコミカルで、それでいて愛に溢れたアレンジもいいんですが、もうこっちは完全に別格。名曲が更に名曲へと変化した瞬間を目撃してしまったかのような、そんなアレンジ。最後の2曲って結局、ごっちん卒業ライヴを彷彿させる構成なんですよね‥‥何でこういうことするかなぁ? ま、聴く人によっては涙ボロボロもんなんでしょうけどね‥‥まぁ、こういう配置しかないか。ま、名曲・名アレンジには違いないんで、万人に聴いて欲しい1曲ですね。


◎総評
  あのね‥‥俺、考えたんですよ、このアルバムの最大の欠点を。ただでさえ既発曲多くて、しかも音楽的にもてんでバラバラなのに、もうね、曲順が悪いんですよ。だから聴く側もどんどんネガに考えて(受け取って)しまう。なもんで折角のラスト2曲の並びで感動出来ない。小粒ながら折角いい曲があるんだから、それを何故最大限に活かそうとしないのか。

  というわけで、俺が考えた「マッキングGOLD①」の曲順を発表します。


◎後藤真希「マッキングGOLD①」とみぃ・セレクション
01. 手を握って歩きたい (Single Version)
02. やる気!IT'S EASY
03. 盛り上がるしかないでしょ!
04. デート注意報
05. 愛のバカやろう
06. 晴れた日のマリーン
07. 溢れちゃう...BE IN LOVE (A Passionate Mix)
08. 愛ってどんな×××?
09. SHALL WE LOVE? (後藤Version)
10. 赤い日記帳 (後藤Version)
11. 手を握って歩きたい (Album Version)


‥‥とまぁ、こんな感じ。かなり無理がある曲順かと思いますが、現行のオリジナルのよりはいいんじゃないの? ま、後半の流れは個人的に不満あるんですが、前半はこんな感じでいいと思うんですよ、掴み的に。あるいは "盛り上がるしかないでしょ!" と "愛のバカやろう" を入れ替えてもいいかなぁ、とか。前半をポップ/ロック色で盛り上げて、後半をR&B的なダンサブルナンバーでのせて、最後の2曲で歌を聴かせる(=成長を誇示する)‥‥やりようによっては、もっと評価出来るアルバムになったはずなんですよね。

  どうもスタッフは、まだごっちんの進むべき道、進ませる方向に迷いがあるようですね。変なカバーさせたりとかさ(ま、あれはミュージカル絡みだから仕方ないか)‥‥これだったらこの時期にアルバムを無理して出さないで、3月に出る新曲のリリースを待って、4~5月を目処にリリースすればよかったんじゃないのかな? もう1曲ポップなナンバーがあるだけで、全然印象が変わると思うんですけど‥‥

  結局、松浦亜弥と藤本美貴のソロアルバムに合わせて、無理矢理作りましたっていう悪い印象が残るんだよね、全体のイメージとしては。個々の楽曲は小粒ながら決して悪くないだけに、尚更残念だよなぁ‥‥ミキティの場合と違って「如何にシングル曲が優れていても、曲順次第でこうもイメージが変わる」ってことを示してしまった悪い例として、今後つんく♂及びスタッフはこれを肝に銘じて、続くセカンドアルバムは「後藤真希」のブランドに恥じない名作を、時間を掛けて丁寧に制作して欲しいものです。



▼後藤真希『マッキングGOLD①』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2003 02 27 12:42 午前 [2003年の作品, ハロー!プロジェクト, 後藤真希] | 固定リンク

2003/02/18

モーニング娘。『がんばっちゃえ!/ HEY!未来』(2003)

  2003年、モーニング娘。としての最初の音源リリースはCD形式ではなくて、DVDとVHSによる「シングルV」形式によるものでした。それがこの「がんばっちゃえ!/ HEY!未来」の、所謂ダブルAサイド・シングルなわけですが‥‥楽曲自体は昨年末から既に露出してるので、多くの人がご存じかと思いますが‥‥モーニング娘。&後藤真希が出演した映画「仔犬ダンの物語」の主題歌として使われた楽曲です。当初、映画のみの新曲として「リリース予定はない」とつんく♂Pは言っていましたが、そんなわけないですよね。というわけで、映画の公開が終わりつつある1月末にまずシングルVを、そして2月14日には映画のサウンドトラック形態のミニアルバム(これら2曲+インスト等を収録)、更には3月26日に予定されているモーニング娘。として通算5枚目となるオリジナルアルバムにも2曲共収録予定になってます(もしかしたら、アルバム用に別バージョンになる可能性がありますけどね)。

  今回のレビューにあたっては、当然アルバムはまだ出てないし、サントラ盤も買う予定はないので、唯一入手しているシングルVの音源を参考にいろいろ書いてみたいと思います(一応、当サイトとしてはこれを「通常のシングル」と同じように捉えてレビューしていきたいと思います)。

●がんばっちゃえ!(モーニング娘。とハロー!プロジェクト・キッズ+後藤真希)

  読んで字の如くのユニット名。要するに、映画製作が発表された時点ではまだごっちんはモーニング娘。のメンバーだったわけで(が、その製作発表記者会見が同時に卒業会見にもなったんですが)、そういう意味では「13人娘。+キッズ」と捉えることも出来ます。ま、確かにごっちんのパートは娘。時代と比べれば明らかに少ないので、あくまで主役は今の12人娘。だというのは歴然としてますが。
  作詞作曲は当然つんく、アレンジには昨年のシャッフルユニットや「Do it! Now」のC/W曲 "ちょっとイカしたPURE BOY" を手掛けてきたTATTOが担当。これまではラテン・テイストのアレンジが多かったものの、ここでは "でっかい宇宙に愛がある" に通ずるような、大らかなノリのポップソングに仕上がっています。恐らくバックトラックは打ち込み中心だと思うのですが、それほど安っぽさを感じさせない、ちゃんと「映画主題歌」というのを考えて作られているように感じます。
  ただ、正直映画の内容とはあまり関係のない歌詞なんですよね‥‥普通に、これまで通りの「モーニング娘。の新曲」といった印象。ただ、シングルのタイトルトラックになるようなタイプではなくて、どちらかというとカップリングやアルバムトラックといった、ちょっと地味目の1曲。勿論、悪くはないですよ。ただ、2002年の攻撃モードを考えると、ちょっと「??」って思うかも。アルバムの1曲として考えるなら、まっ、箸休めとしてアリかな、と思いますけどね。
  "でっかい宇宙に愛がある" との大きな違いは、まぁ楽曲の完成度というのも大いにありますが、それ以上にキッズが大きいと思います。個人的には、サビで入るキッズの無邪気な(ある意味、歌とはいえない)声がちょっと苦手なんですけどね‥‥ただ、これがなかったらもっと良くなるか、と問われれば、それも疑問なんですけど。ライヴでのパフォーマンスとか観ても、折角12人+1人も「娘。&元娘。」が広いステージ上にいるのに、キッズがいるお陰で全体の動きが小さくまとまって、モーニング娘。特有のダイナミズムのようなものがあまり感じられなかったんですよね。この辺は俺の中で、次の単独ツアーで披露された際での課題としておきましょう(とかいって、春コンでもキッズが出てきたりしてね)。

●HEY!未来(モーニング娘。)
  こちらは現編成、12人でのモーニング娘。のみの楽曲。作詞作曲はつんく、アレンジは既にハロプロではお馴染みの酒井ミキオが担当。と、ここで改めて考えてみると、酒井ミキオのモーニング娘。での初仕事ですね、これ。プッチモニに始まりミニモニ。、カン梨華、あややときて、やっと本体。俺、この人のポップセンスが以前から気に入ってたので、もっと早く聴きたいと思ってたんですよ。
  で、この曲。その酒井ミキオの名前から想像できるような、軽やかでポップなシャッフルナンバーとなっています。シャッフルというと、アルバム「4th『いきまっしょい!』」収録の "いいことある記念の瞬間" といった曲を思い出しますが、あそこまでモータウン色の強いものではなく、もっとモッタリした、ちょっと重いリズムなんですよね。多分、リズムトラックは生バンドによるものだと思うんですが、ドラムのタム回しとかが、チューニングや録音方法のせいもあって、非常にダイナミックで1音1音に重みを感じるんですね。例えば‥‥モータウンとサザンロック、それくらいの違いがあるように思います。そう、昔MY LITTLE LOVERにそのままズバリ "Shuffle" という楽曲がありましたが、正にあんなタイプの1曲です(実際、曲のイメージもあれに近いかも)。

  これら2曲の楽曲は12人編成のモーニング娘。特有の、「誰がセンター/リードを務めるでもなく、全員が一丸となって歌う」傾向にあるんですが、特にこっちはPVのイメージもあってか、本当に全員が入れ替わり立ち替わり歌ってるという印象ですね。ま、結局要所要所はなっちがキメるわけですけど、例えば「ここにいるぜぇ!」と比べると、あそこまでなっちの比重が高く感じないんですよね、この曲にしろ"がんばっちゃえ!"にしろ。本当に全員でパートを分け合って、仲良く歌ってるというイメージそのままの楽曲。ある人にとってはそれを「平和なモーニング」と感じ安心し、またある人にとっては「ぬるま湯に浸かった状態」と酷評する。受け取る側によって感じ方は様々かと思いますが‥‥確かに俺もその両方を感じるんですよね。"HEY!未来"はPVの印象もあって、12人が仲良さそうにしてるシーンを観ると「平和だなぁ~」と心休まるし、逆に"がんばっちゃえ!"を聴くと「‥‥鬱」ってなるし。複雑な2曲ですよね。けど、これがある意味「今のモーニング娘。」を端的に表した楽曲なのかもしれません。この表裏一体な感じが、ごっちんのいない、2003年2月時点でのモーニング娘。なんだと‥‥

  ただ、そうはいいながらも‥‥ここには本当の意味での「キラーチューン」がないんですよね。一応両A面みたいになってますが、そのどちらもこれまでのシングル・タイトルトラックと比べると、数歩劣るクオリティーだし。同じ両A面でも「ザ☆ピ~ス!/ でっかい宇宙に愛がある」は共にキラーチューン中のキラーチューンでしたからね。しかも "でっかい宇宙に愛がある" は24時間テレビにピッタリな壮大さがありましたが、"がんばっちゃえ!"にはそこまでの壮大さも、感動させる「何か」も足りないし‥‥決して駄曲というわけではないんですが、やはり勿体ないですよね、折角初のシングルVオンリーのリリースとなった楽曲達なのに。

  けど、そうはいっても、アルバムで聴いたら印象が変わるかもしれませんしね(逆に、他の新曲がこれよりもクオリティーが低いものだったら、更に凹みますが)。そういう意味では、ちょっと次のアルバム、期待してるんですけどねぇ‥‥あまり大きな期待をし過ぎても‥‥ねぇ?



▼モーニング娘。『がんばっちゃえ!/ HEY!未来』
(amazon:国内盤DVD

投稿: 2003 02 18 12:00 午前 [2003年の作品, ハロー!プロジェクト, モーニング娘。, 後藤真希] | 固定リンク

2002/05/13

後藤真希『手を握って歩きたい』(2002)

  どうやら世間一般では、後藤真希という女の子に対して「笑わない女の子」「クールでカッコイイ」というイメージがあるようで‥‥実は俺も今みたいに娘。にハマる前は、そういうイメージがあったのですよ、多少なりとも。けどね、知ってたんですよ、俺も‥‥プッチモニ「ちょこっとLOVE」で見せたあの笑顔こそが、ごっちん本来の持ち味だってことを。

  だから、ソロデビュー後の彼女に対するつんく♂の考え方や世間の考え方ってのが、どうにも俺には窮屈でならなかったわけです、特にヲタになったこの半年近くは。覚えてるんですよ、本能的に。ごっちんはよく笑う子だし、確かに自分から進んで前へ出ていくような子ではないかもしれないけど、なっちみたいなフロントマン然とはしてないかもしれないけど、それでも世間がイメージする「後藤真希」像は単なる固定観念に過ぎないって。曲の出来云々を別にして、俺はごっちんのソロ2枚目「溢れちゃう...BE IN LOVE」よりも、プッチモニの「ぴったりしたいX'mas!」の方が好きだったし、その表情や唄い方もずっとプッチの方が彼女らしいと思ってたし。

  そんな彼女が「あ、もしかしたら今後、変わってくんじゃないかな‥‥」と思える瞬間が何度かあって。それが正月ハロプロで「溢れちゃう...BE IN LOVE」を唄っている時の表情‥‥歌番組で観た記憶では、確かクールな、パブリックイメージをそのまま再現したような表情で唄ってたと思うんだけど‥‥はにかみながら、時に笑顔を見せて唄ってたんだよね。それがかなり強烈な印象に残ってて。福井で観た時以上に横浜はもっと笑顔見せてたし。彼女自身、そういうパブリックイメージがいい加減窮屈に感じてきてたんじゃないかな?

  そんな中、この曲が発表されたわけですが‥‥事前の情報では「アイドルらしいカワイイ曲」という話で。俺は常々、ごっちんには'80年代の浅香唯みたいな曲を唄わせたら面白いんじゃないか!?って発言してたんだけど、まぁ実際に出来上がった曲はそういうタイプではなく、どちらかというと「みんなのうた」とか「おかあさんといっしょ」なんかで流れそうな曲調なのですよ。あるいは、噂で挙がった「クレヨンしんちゃん」エンディングテーマなんかにピッタリな、ファミリーで楽しめるハッピーな曲調というか。明らかに対象年齢を下げてきてるなぁ‥‥と最初に聴いた時は思った。思ったんだけど‥‥


俺、この曲を初めてラジオで聴いた時、涙してしまって。


  曲後半、ブレイク後の「愛してる 素敵な人/素敵な家族/素敵な兄弟/ありがとう 素敵な思い出/出会ったみんな ありがとう」のフレーズで目頭が熱くなり‥‥決して当時、例の弟・ユウキの件があったからってわけでなく、何故か心にしみたのね。精神的に不安定だったのは確かで、相当仕事や生活に疲れてた時期だったんだけど、そういう時にふと心の中にこのフレーズが飛び込んで来て‥‥やられた、と思った。

  次に聴いたのは、4月末の春コンにて。4回観たけど、3回マジ泣きしたし(無言で涙ポロポロ。周りにヲタにはきっと頭オカシイ奴だと思われたことだろう)、残りの1回でも目頭熱くなったし。特にコンサートではごっちんがあの笑顔で5人の小学生の女の子達と楽しそうに唄い踊るわけですよ。あざといと言われれば確かにそれまでだけど、俺にはそう感じられずに、何か‥‥俺の中でこの曲がどんどん「ヤバい」存在になってったわけですよ。それ以前に、ラジオで1回聴いた時点で俺の中では「そうだ!We're ALIVE」とは対極にありながらも、既に名曲の仲間入りしていた訳ですが‥‥本当に力強い「歌」だなぁと思ったわけです。

  確かにね、この曲を酷評する人の意見も判るんですよ‥‥けどね、俺は自分のあの時の「涙」を信じてみたいんだ。

  この曲は今まで以上に売れないかもしれない。ただでさえ最近、ハロプロ関係のCDは底冷えが酷い上に、同日発売には宇多田ヒカルやCHEMISTRYやらがいるし(とりあえずデイリーでは3位につけてましたが)‥‥売れないかもしれない。けど、決して1位になることなくても、じわじわと、じわじわと売れて欲しいなぁ‥‥だってこの曲、時と場所を選ばず、ずっと唄い続けることが出来る曲だもの。この先、ごっちんの新曲がいつ出るのか知らないけど、俺は1年通してずっと唄い続けて欲しいなぁ、そう思うのね。これはそういう曲だと思うし。「後藤真希」っていうシンガーにとって、とっても意味のある、大切な歌にして欲しいのよ、これを。そしてこれはそういう曲だと思うし。ごっちんにとってもきっと辛い時期に唄わなきゃならない歌だと思うんだけど、だからこそずっと唄い続けて欲しいと思うのです。

  で、俺もずっと言い続けたいのよ。この曲"手を握って歩きたい"は名曲だって。

  あ、カップリング曲に対してもコメントを。"特等席"、こっちの方がアイドルっぽいかな。"手を握って歩きたい"の方は対象が大きな愛情だったけど、こっちはもっと個人的な、中高生っぽい内容だし。こういう歌詞をごっちんが唄うから意味があるんだよな、なっちや梨華ちゃんじゃなくてさ。うん、この曲も大好きだ。

  こうなってくると、本気で「後藤真希、ファーストソロアルバム」が聴きたくなってくる。"愛のバカやろう"も"溢れちゃう...BE IN LOVE"も悪くはないけど‥‥今度のシングルの路線を突き詰めてアルバム1枚作って欲しいなぁ。本体のアルバム、そしてミニモニ。のアルバムのリリース(6月末予定)と続いたので、今後タンポポやプッチモニのアルバムってのも予定されてるのかもしれないけど、是非ごっちんソロアルバムも、何なら6~7曲程度のミニアルバムでもいいんで、計画に入れてやって下さい! 本気で聴きたいんです! そっちが作らないなら、こっちにも考えがあるぞ!‥‥脳内で勝手に作ってやるっ!(壊)

‥‥ってそんな事が言いたいのではなくて、本当にいい曲なんです、今度のシングル、2曲共。俺の中では今年のベストを争う勢いです、そう、ウィアライと共に。

  あ~、人生がもう終わってる人とか、ない色気でせくしーべいべーしてる人はほっといてください。つうかひとつなかったことに。



▼後藤真希『手を握って歩きたい』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2002 05 13 12:49 午前 [2002年の作品, ハロー!プロジェクト, 後藤真希] | 固定リンク