2006/05/17

レミオロメン『HORIZON』(2006)

 レミオロメンのニューアルバムはこれまでのイメージを良くも悪くも裏切った、なんだかすごい作品に仕上がってます。前作から1年2ヶ月ぶり、通算3枚目のフルアルバムなんだけど‥‥ついに行き着くところまで行ったかな、というよりも、振り切っちゃったかな、という気がします。俺はメジャーデビュー後の2枚のアルバムは聴いてなくて、インディーズ時代の作品全部とメジャー後のシングル曲しか知らない程度の知識でこれを書いてるので、もしかしたらコアなファンからしたら見当違いなことを書いてる可能性もあるけど、それでも気になったことを書いておきたいと思います。

 リリース前にこのアルバムを聴く機会を得て、それ以来何度も繰り返し聴いていたんですが‥‥とにかくスゲーアルバムだな、と。バンドの力量が一気にレベルアップしたってのもあるんだろうけど、やはりプロデューサー・小林武史って男も改めてすごい奴だと思いましたね。小林が好きそうなプログレの要素も適度にアレンジに取り込みつつ、曲自体のクオリティも以前以上に煌びやかで多くの人に伝わりやすいものになってる。全体のバランスがすごく良いんですよね。通して聴いたとき、次々繰り出される楽曲にちょっとゾクゾクしたりもしてね。アルバムジャケットの色使いやイメージのせいもあるけど、これはもしかしたらMr.Childrenでいうところの「Atomic Heart」みたいな1枚になるんじゃないか‥‥そんな予感すら感じさせる作品だと。ていうのは言いすぎですかね?

 ただし、気になる点もあって。たとえばそれまで身近な「個」について歌っていた楽曲が多く感じられたのに、アルバムにはもっと壮大で大きなテーマを持つ楽曲が増えていること。この辺もミスチルの「Atomic Heart」っぽいと感じさせる一因なんですが。個人的には「雨上がり」「3月9日」で歌われているような世界観が好きだったので、ちょっと寂しい気もするんですけどね。その辺をファンがどう受け取るかで、今後の評価も変わってくるのかな、という気も。ま、どちらにせよ、これは良いアルバムには違いないですよ。

 「化けた」というよりは、変化の過程にあるような印象が強いこのアルバム。ひとつの「地平線」を超えて、次の目的地を探してるような、そんな時期なのかな。だとしたら、次の目的地を見つけた後に訪れる「この次のアルバム」はもっとすごいことになってるんじゃないか‥‥ミスチルとの比較でファンには大変申し訳ないですが‥‥あの人たちが「深海」にたどり着いたみたいに、ね。



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投稿: 2006 05 17 12:00 午後 [2006年の作品, レミオロメン] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2003/08/24

レミオロメン『電話』(2003)

  前回の「雨上がり」の時に「メジャーに行ってどこまで化けるのか、そして『駄目押しの決定打・その2』が今から気になって仕方ありません」と書いていた俺。そんな役割を十二分に果たすであろうレミオロメンの新シングル、「電話」。曲自体はメジャーデビュー決定前からライヴで演奏されていた楽曲で、先日のROCK IN JAPAN FES.でも演奏されていた2曲。予感めいたものは十分感じていましたが、改めて音源として聴いてみると、うん、これは売れるわ。そう実感するのです。

  メディア側も完全に売る態勢に入ってるしね、レコード会社含めて。うちの近所のCDショップでさえも、このシングルを大プッシュしてる程ですから。特に大きなタイアップが付いたわけでもなく、テレビ出演したわけでもないのにこの扱い。それはきっと「かの小林武史が関わっている」というポイントが大きく影響してるんでしょうね。彼が過去に手掛けたアーティストを考えれば、まぁそれも判らなくないですが。「雑誌で話題騒然」とか言われても、騒いでるのって「あの」雑誌でしょ‥‥騒げば騒ぐ程、うちを観てるような人達には悪影響なんじゃないかって気がしないでもないですが、ここはまぁ無視しましょう。

  さてさて、肝心の楽曲。まずタイトルトラックの"電話"を聴いての第一印象。とにかく「いきなりスケールがデカくなった」の一言に尽きると思います。それまでがインディー制作だったことも影響してか、小難しいことをやろうとしても録音状況や技術がそれに追いついていないように感じられた「雨上がり」までの音源。勿論曲の良さやバンドの良さは十分に伝わっていたんですが、今回のは今までの比じゃない位にデカい。多分小林プロデュースではないだろうけど、彼の元で仕事をしてきたスタッフが携わることによって、そこで培ったノウハウを今回レミオロメンに使った結果、予想以上の効果を発揮した、といったところでしょうか。曲は問題ない。このスケール感のデカさを上手く活かすアレンジもさすがだし、ボーカル・藤巻の歌声もホントにいい。ああ、これで完全に人気がホンモノになるわな。

  カップリングの"タクシードライバー"もグルーヴィーなロックチューンで、好印象。"電話"とはまた違ったタイプで、どっちかっていうと流れ的にはそれまでのインディー時代のものに近いかな、全てにおいて。まぁカップリング曲、アルバムの中の1曲といったタイプかな。

  多分、こういうタイプのロック(サウンドだったり、歌われている歌詞だったり)が苦手、興味の範囲外という人も多いでしょう。けど、もし貴方がこういったタイプのロックが好きなのに「雑誌で騒がれてるから」とか「BUMP OF CHICKENみたいだから嫌」といった理由で敬遠してるのなら、それは間違い。まずは偏見持たずに"電話"聴いてみな。現在、CSの音楽番組でもPVをよく目にするし、多分大手CDショップでも大プッシュしてるはずだから‥‥ちゃんと聴いて判断して欲しいな。バンドとしてもしっかりしてるし、この手のバンドの中ではとにかく面白い存在だと思うな。まぁ最後に判断を下すのは、聴いた貴方ですえけどね‥‥



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投稿: 2003 08 24 12:00 午前 [2003年の作品, レミオロメン] | 固定リンク

2003/06/06

レミオロメン『雨上がり』(2003)

  自分の耳を信じてるからこうやって取り上げるわけで。「rockin'on JAPAN」で騒いでるらしいね、今年の大型新人とかって。大型かどうかはこの際どうでもよく、確かに面白い存在だと思いますよ、このレミオロメンって。

  この3月にリリースされたファーストミニアルバム「フェスタ」を経て、5月にリリースされたファーストシングルがこの「雨上がり」。「フェスタ」の時点で何となくいいなぁ~程度だった気持ちが、"雨上がり"1曲で一気に突き抜けてしまったっていう点においては、BUMP OF CHICKENが「THE LIVING DEAD」からシングル「天体観測」で一気に化けたのと同じような衝撃を受けました。つうかこの曲、ホントにいいんだわ、うん。バンプとの比較で申し訳ないんだけど(実際メディアでは早くも「第二のバンプ」みたいな盛り上げ方してるみたいだしね。全然別のバンドなのに)、まずシンガーの声質が全く違う点。バンプみたいにハスキーなんだけどちょっと線が細い、おセンチなイメージがこのレミオロメンには全くないのね。太くて、ちょっと曇ったような声というか。まぁギターロックで等身大の自分達を歌うという点においては確かに共通しますが‥‥つうかさ、もう止めようや、そういう「第二の○×」ってのさ!

  疾走感があって溌剌としててポップで親しみやすいメロディがあって演奏もサウンドもしっかりしてる。そして日常のひとコマを切り取ったかのような歌詞。決して斬新ではないし、手垢のついた手法かもしれないけど、俺達はこういった楽曲を心のどこかで待っていたんじゃないだろうか? 革新的なロックを求めながらも、バンプの "天体観測" を大歓迎してしまうような、そんな感覚、みんなにはないかい? 俺にはあるよ。そして、現時点においてこの"雨上がり"は俺にとってそういう1曲なんだよね。

  カップリング曲"昭和"は、タイトルナンバーとはタイプの異なる、ミディアムテンポでマイナー調の1曲。何故「昭和」なのか‥‥歌詞からはその理由が伝わってこないんだけど、もしかしたらこのバンドにとって曲名ってそんなに重要なものじゃないのかなぁ、なんて思ったりして。ま、この曲のみに関しての話ですが。

  ミニアルバム「フェスタ」は確かに良い作品でしたが、決定打になるようなものではありませんでした。が、このシングルは間違いなくその決定打となることでしょう。そして彼等はこのシングルを最後にインディーズを離れ、夏にメジャーから音源をリリースします。既にこのシングルの時点でMr.ChildrenやMY LITTLE LOVERが所属する「烏龍舎」(プロデューサー・小林武史が運営する会社)と契約しているレミオロメン(シングルにもクレジットされてますしね)。一瞬「もしかして、このシングルって‥‥小林プロデュース!?」と勘ぐったりしましたが‥‥メジャーに行ってどこまで化けるのか、そして「駄目押しの決定打・その2」が今から気になって仕方ありません。それまではこのシングルとミニアルバムを聴いて更にその期待を高めつつ、いろんな人にこのバンドの良さを伝えていきたいと思います。



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投稿: 2003 06 06 12:00 午前 [2003年の作品, レミオロメン] | 固定リンク