カテゴリー「安倍なつみ」の19件の記事

2007年1月 6日 (土)

Hello! Project 2007 Winter 〜エルダークラブ The Celebration〜@中野サンプラザ(2007年1月5日)

オープニングで全員(ただしここでは矢口以外)晴れ着姿で登場。それで歌ったのが「ALL FOR ONE & ONE FOR ALL」でしょ。グッとくるに決まってるって。2曲目が後藤のアルバム曲っていうのが微妙だったけどね。

続いて安倍ソロで2曲。アルバム曲で盛り上げる。その後にカントリー。あさみとみうなが挨拶してから、晴れ着のまま最後のオリジナル曲「革命チックKISS」をフルコーラスで披露。ゆきどんの後に松浦がGAMの「メロディーズ」ピアノ独唱バージョンをしっとりと歌い上げ、その空気を引き継いだまま「dearest.」。

そしてドレスに着替えた裕ちゃんが「うらら」を披露。しっとりした空気を引き裂くように、メロン登場。会場が一気にメロンコンのように熱くなる。隣の席にいたヲタはずーっと静かだったのに、ここで一気に弾けてた。柴田ヲタかよw

かおりんが1曲歌った後になっちとごっちんが加わり、「モーニング娘。誕生10年記念隊」の話題となり、この3人でその新曲を歌う。初めて聴いたよ。前評判では「戦メリ」言われてたけど、そこまでそれっぽいとは思わなかったなぁ。さくら組の「さくら満開」の和楽器を中国モノに変えただけという気もするけど、曲時代はまずまずだと思う。歌詞は相変わらず意味ありそうでまったく内容がない歌詞だけど。今回の3人バージョンはかおりんがメイン(というか新垣と久住のパートも歌ってたっぽい)。そこが良かった(俺的に)。

その後にごっちん。アヤカと里田がエロダンサーズ。そのまま稲葉が加わり、太シス「ガタメキラ」。かっこよすぎ。子どもが歌うのとはわけが違うな。

曲が終わるとまことが「ここでモーニング娘。2期メンバーの2人が~」と言った途端に会場からどよめきが。ドレスを着て登場した矢口にみんな大興奮だよ。しかも圭ちゃんと「ウソつきあんた」を歌うんだもん。矢口、かなり緊張してる様子で、目にはうっすらと涙が……見えた気が。圭ちゃんの笑顔に支えられてたんだろうな、矢口……

フルで歌い切った後に、松浦が懐かしい「オシャレ!」を「ファーストキッス」バージョンで歌う。やっぱり「Naked Songs」でののっぺりしたアレンジじゃダメなんだよな。これよこれ。続いてちょっと興味深い「三角関係」(「ALL FOR ONE~」のカップリング)を稲葉・大谷・柴田・松浦の4人で披露。いい曲じゃんこれ……このままメロンの曲にしても違和感ないくらいにハマってたなぁ。

さらに続くは、モーニング娘。初期&2期メンバーの5人……中澤・飯田・安倍・保田・矢口による「未来の扉」。なんかね、矢口のダンスとか観てると懐かしくて嬉しくなっちゃうわけですよ。5人が5人、昔のクセそのままに踊ってるんだもん。かおりもさ、圭ちゃんもなっちも裕ちゃんもさ……この2曲だけのために1万円とか払ってもいいくらい(実際は2,300円だったけど。苦笑)。

なっちが「甘すぎた果実」を歌った後は、「カントリー娘。にアヤカとゆきどん」による「先輩~LOVE AGAIN~」。ほとんどをカントリーの3人で歌って、セリフはみうな。みうなかわいいよみうな。そこにメロンの4人が加わって「遠慮はなしよ!」で、会場がメロンコン状態。子どもが怖がってるってばw

ごっちんがひとりでストリップ、じゃなくて「SOME BOYS! TOUCH」を歌った後に「好きすぎて バカみたい」。1コーラス目はごっちんソロ、2コーラス目から安倍と松浦が加わり、即席「後浦なつみ」状態に。でもやっぱりスパイス(=石川の声)が足らないんだよねぇ。これはこれでカッコいいけど。

最後は全員(矢口抜き)で「感謝を込めて」という意味で、GAM「Thanks!」を……曲名言った瞬間に、客席から「えぇ……」という動揺の声がw。いや、俺もそう思ったから。でもじっくり聴いてみると、意外とこういう場面に合ってるのな。曲調は別として。Bメロは後浦なつみの3人で歌い分けてた。ていうかこれ、後浦の2ndシングルでよかったんじゃねーの?(ミキティごめんよミキティ)

……とまぁ、こんな長文を久しぶりに書かせるくらいに、もんのすごいコンサートだった。やっぱりこっちも観ておいてよかったよ。これから観る人、観るつもりなかったけどこれ読んで興味持った人、絶対に行っておけ。ヤフオクで値崩れしてるし、当日券も出てるし。矢口祭りですよ、アハハ。

これで次のハロコン(エルダコンか。だから来年の正月?)からは司会が矢口じゃなくて、加護になるとか……いやいやいや。とにかく、公の場で(ファンクラブイベントなどのような限られた場ではなく、誰もが観ることができる通常のコンサートという意味)矢口が元娘。のメンバーと肩を並べて歌ったという事実が嬉しいんですよ。何かが変わったのか、それとも変わってないのか正直わからないけど、ちょっとだけ肩の荷が降りたみたいに感じてるファンも多いんじゃないかな。

それにしても……約2年か、矢口がマイクをステージを降りてから。「未来の扉」を一緒に歌った5人の笑顔がすべてを物語ってたよな。いいコンサートだった。


[SET LIST]
01. ALL FOR ONE & ONE FOR ALL [全員]
02. 来来!「幸福」 [全員]
03. 日曜日 What's Going On [安倍なつみ]
04. 東京みちくさ [安倍なつみ]
05. 革命チックKISS [カントリー娘。]
06. お前の涙を俺にくれ [前田有紀]
07. メロディーズ (ピアノ独唱Version) [松浦亜弥]
08. dearest. [松浦亜弥]
09. うらら [中澤裕子]
10. お願い魅惑のターゲット [メロン記念日]
11. Papillon [飯田圭織]
12. 僕らが生きる MY ASIA [飯田圭織、安倍なつみ、後藤真希]
13. ガラスのパンプス [後藤真希 with アヤカ、里田まい]
14. ガダメキラ [稲葉貴子、後藤真希、アヤカ、里田まい]
15. ウソつきあんた [保田圭、矢口真里]
16. オシャレ! [松浦亜弥]
17. 三角関係 [稲葉貴子、大谷雅恵、柴田あゆみ、松浦亜弥]
18. 未来の扉 [中澤裕子、飯田圭織、安倍なつみ、保田圭、矢口真里]
19. 甘すぎた果実 [安倍なつみ]
20. 先輩~LOVE AGAIN~ [カントリー娘。、アヤカ、前田有紀]
21. 遠慮はなしよ! [メロン記念日、カントリー娘。、アヤカ、前田有紀]
22. SOME BOYS! TOUCH [後藤真希]
23. 好きすぎて バカみたい [後藤真希 / 2コーラス目から後浦なつみ]
24. Thanks! [全員]

2006年5月14日 (日)

安倍なつみ@市川市文化会館(2006年5月13日 夜公演)

いきなりですが、セットリストから。


[SET LIST]
01. F.O.
02. 夢ならば
03. スイートホリック
04. エレベーター二人ぽっち
05. だって 生きてかなくちゃ
06. 夕暮れ作戦会議
07. ちょっとずつね。
08. 夢の中(安倍・飯田&ピアノ・アコギ)
09. バラ色の人生(飯田&ピアノ・アコギ)
10. papillon(飯田&ピアノ・アコギ)
11. 空 LIFE GOES ON(安倍&ピアノ・アコギ)
12. 学生時代
13. 日曜日 What's Going On
14. 恋の花
15. あなた色
16. 恋のテレフォンGOAL
17. 東京みちくさ
--encore--
18. I'm in Love
19. 恋愛戦隊シツレンジャー(安倍・飯田)
20. 腕組んで帰りたい(安倍・飯田)


新作ツアー、ってことにすごいこだわってたな。実際2ndアルバムの曲全部やってたし。力入れてるなぁ。シングル曲も「22歳の私」とかやらねーしな。ま、ツアーの色と違うし。

やっぱりM-8~11のアコースティックセットが肝だね。ホントはここに中澤も加えた3人だとさらに最強なんだけど。「愛の種」とかアコースティックでやられちゃった日にゃ‥‥。

実際、鳥肌立つくらい出来がよかったよ。サビの掛け合いとか、見つめあって歌われると、 ホントに安倍さんなんであのタイミングで……とか思っちゃうけど、でもいいもの見れたのでヨシとする。

フルバンドでやれとは言わないけど、やっぱりあの規模のやつとか頻繁にやってほしいね。勿体ないもん、いろいろと。後藤もハロプロパーティとかじゃなくて、ソロでこういうのをやればいいのに。

2006年5月 8日 (月)

安倍なつみ『2nd 〜染みわたる想い〜』(2006)

 約2年ぶりのアルバムとなる安倍なつみの「2nd 〜染みわたる想い〜」。本来ならもう1年くらい早く出てたはずだけど、まぁあの「事件」のお陰でリリース自体が暗礁に乗り上げちゃったからね。恐らくこのアルバム自体、当時制作されていたものとは内容が大幅に変わってるはず。予定されていたシングル曲(TAKUI作曲で話題になったやつな)もリリースされることなく、そしてこのアルバムにも収録されてないし。レコーディング自体は終了してたはずなのに‥‥完全にお蔵入りですか。勿体ない。ま、いずれ発表される可能性はあるだろうし、そっちはそっちで楽しみにしておきましょうか。

 で、このアルバム。最近のシングルがつんく♂作&プロデュースではないのに、アルバム用の新曲制作&アルバムプロデュースがつんく♂なんですよね。そこまでは投げないんですね、他人に。でもね、これが予想外に(と言っちゃあ失礼かな)良かった。もっとも最近のつんく♂ワークスはアルバムに関してはハズレはそんなにないので、そこまで心配もしてなかったけど。普通に安心して聴けるJ-POPモノといった印象。シングル曲以上に出来が良い楽曲が多いし(かといって、じゃあそれらをシングルにするとちょっと弱いという。インパクト重視なんだろうな、やっぱり)、今の安倍にピッタリな曲‥‥等身大って意味では、今までで一番合ってるんだろうね。無理してないというか。"恋のテレフォンGOAL" とかリリース当時聴いた時はどうしようかと思ったけど、今こうやって聴くと全然違和感がない(単に慣れただけか?)。アルバムの中の1曲として聴くと、意外と馴染んでるような。

 こういうアルバムを聴いちゃうと、もうつんく♂は安倍をまるごと他人に預けてプロデュース任せちゃったらいいんじゃないかと、マジメに思うんだけど。それはそれで淋しいって思う人も多いのかもしれないけど、ちゃんと成長を見せてくれてる人を、このまま飼い殺しするのは勿体ないと思うんだけど。いや、このアルバムの出来が良かっただけに、余計にそう思うわけですが。



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2005年11月 8日 (火)

安倍なつみ@東京厚生年金会館(11/5)

 安倍なつみのソロツアー「コンサートツアー2005秋 〜24カラット〜」東京公演初日の夜公演に行ってきました。ハロプロもののライヴとしては5月の石川卒業公演以来だから、ほぼ半年振り。今年はまだ2本しか観てない計算になります(ま、ホントなら後浦なつみや美勇伝に行く予定だったんだけど、いろいろあって行けなかったんだよ)。俺自身がこの半年、ハロプロから離れ気味だったことも大きく影響してるとは思いますが‥‥やっぱり「現場」に行くのが、そして居るのが辛くなっちゃったんだよね、いろんな意味で。

 って、そういう話をしたいんじゃなかった、今回は。ライヴの感想を書きますよ。非常に簡単にですが。ここから先は長くなりますしセットリストも載ってるので、一旦区切りますね。これからライヴ観るって人はネタバレになるので気をつけるように。

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2005年10月19日 (水)

DEF.DIVA『好きすぎて バカみたい』(2005)

 さ、2日続けてハロプロ・ネタです。もはやここを観てる人の中には重度のモーヲタはいないかと思います(以前はいたんだろうけど。さすが離れてったんじゃないかな)が、単純に自分が楽しめる曲が続いたんで、んじゃいっちょ取り上げてみっかーみたいな肩の力の抜け具合で接しようかと思いまして。一部の「普通はもう聴かねーよ」とかウダウダ言ってるカッコ悪いヲタ崩れの方々はどうでもいいです。我が道を行きます。っていうかほっとけって話ですよ、ええ。

 2002年末に「ごまっとう」があって、あれはまぁ1位を記録したわけでして。んで去年は「後浦なつみ」っていうのがあって、そっちは曲がアレだったことも大いに災いし(ま、それ以前にハロプロ自体が下火だったってのが最大の敗因でしょうが)4位止まり、セールス的にも惨敗。しかもそのまま紅白に出て翌年にはツアー‥‥のはずが、安倍のあの件でうやむやになり、まぁツアーだけはこの4月に辛うじて開催。非常に中途半端な形で終らざるを得ませんでした。

 がしかし。まさか今年もやるとは思ってなかった。さすがに意表をつかれた。しかもメンツが‥‥「後浦なつみと石川梨華(美勇伝)」な仲間達による、その名も『DEF.DIVA』ですよ。『DEF.』はDeffinitiveを意味するスラングで、まぁDef Techにも使われてるので馴染みのある単語かもしれませんね。ただ個人的にはDEF LEPPARの方を思い浮かべたんですが(こちらはちょっと意味が違って、「deaf Leopard」=耳の不自由な豹を意味する造語)。となると‥‥『耳の不自由な歌姫』‥‥皮肉ですか? いやいや、そっちの意味じゃないよな、ゴメンゴメン。

 んで、安倍なつみ・後藤真希・松浦亜弥・石川梨華というメンツによるこのユニット。単なる紅白対策と取ることも出来るし、今年の夏のシャッフルに加わらなかった人気所を寄せ集めた「もうひとつのシャッフルユニット」とも受け取ることができる。どうせなら後浦なつみのままでいいんじゃねの?とも思うし、何故ここに石川が加わるのか、その必然性も感じられない。コンセプトもイマイチ中途半端だし。ま、ケチの付いた後浦なつみを立て直すために石川を引っ張って来ただけなんでしょうけど‥‥しかしよりによって石川かよ‥‥と皆一斉に思ったはず。だって『歌姫』なのにさ‥‥

 最初テレビで歌うを聴いた時も、石川が足を引っ張ってるなーって思ったのね。でも曲自体はなかなかだと思ったし、アレンジも嫌いじゃなかった。むしろこの4人が代わる代わる1フレーズずつ歌っていく様にはちょっと目を奪われたし。やはり一時代を築いた者達による、それなりのオーラと貫禄を感じるわけ。あと‥‥何だかんだで、石川がいる/いないでやっぱり大きく違うわけよ。しなやかさというか柔らかさが加わるわけね、このグループに。後浦なつみの時はどうしても「ガチンコ勝負!」的なものを感じてたけど、石川が入るだけでやっぱり空気が一変するんだわ。そこはさすがだと思った、うん。

 さて。早速CDの方を聴いてみたんですが‥‥うん、やっぱり印象良いよ。'80年代ユーロ歌謡をモチーフにしたアレンジも悪くないし、何度か転調するサビのアイディアもありきたりではあるけど面白いと思ったし。実はCDで聴いて初めて気づいたんだけど‥‥石川の歌声が入ることで、耳障りがよくなるというか、いい意味でアクセントになってるのね。他の3人がどちらかというとごっついイメージが強いから、そこにボーンとあの石川の声が飛び込んでくると、やはり耳を奪われるし、意識を持っていかれる。この起用は間違ってなかったのかもしれない。ていうか、石川が入るとしっかり『石川梨華の曲』になっちゃうのは相変わらずで、さすがだと思います。正直今の美勇伝の曲の13倍くらいは良いと思う。

 同時収録されたリミックステイクも悪くない。個人的には田中直による「CRAZY J-G JAZZリミックス」が気に入ったし、AKIRAによる「女王リミックス」もまずまずだと思うし。原曲の平田祥一郎といい、今のハロプロワークスを引っ張る名アレンジャー3人による豪華なディナーといった感じかしら、このシングル。

 でも難点も書いておかないと。石川の生かしどころは良かったとしても、他の3人が‥‥上手いだけで終ってる気がするのね。上手いこと個性が生かされてないというか。松浦は良くも悪くも埋もれちゃってるし(この子はこういうユニットになると、完全に「何分の一」に徹して埋もれちゃうんだよな)、安倍も後藤も(曲調のせいもあるんだろうけど)今回は肩の力が抜けてるような気が。ワーと割りが良くないのかなぁ‥‥う〜ん。それと、1曲ってのは勿体ない。ホントに単なるシャッフルの一環ならまだしも、『2005年を代表するスーパーユニット』とか何とかいうなら、もっと4人の個性を巧みに生かした曲を2〜3曲は用意して欲しかった。まぁこの手のスペシャルユニットの時は決まって1曲のみで、あとはリミックスで水増しするパターンなので判ってはいたけどさ(去年の後浦は例外だったんだな。本気でシツレンジャーに差し替えたのか‥‥その神経が理解できない)。

 「これが売れないともう後がない」とか「このメンツで1位取らなきゃ意味がない」とかいろいろ意見はあるだろうけど‥‥全部無意味でしょ。実際「もう終ってる」わけだし、1位だって‥‥今年に入って1位を取ったハロプロ楽曲、どれだけある? 去年はどうだった? ねっ、考えるだけ無駄だよ。単純にこの曲を好きか、楽しめるか。それで十分なんじゃないの? ホントにダメダメなら、もうとっくに消えてるって。



▼DEF.DIVA「好きすぎて バカみたい」(amazon

2005年10月18日 (火)

安倍なつみ『恋の花』(2005)

 最初、安倍なつみがつんく♂プロデュースを離れ、別の作家が楽曲制作・プロデュースをすると聞いても全然興味が湧かなかった。何故なら‥‥なんだかんだ言って、安倍や後藤真希、松浦亜弥といった歌い手こそが『つんく♂』という世界観を最大限且つ最良な形で具現化する表現者だ、と勝手に思い込んでたからさ。いや、『表現者』ってのは言い過ぎか。とにかく、モーニング娘。時代からずっと、ある意味では一番『つんく♂に近い存在』だったわけじゃないですか、安倍なつみって人は。

 昨年末からいろいろあって、スローペースながらも人前に出て歌う機会を得て、まぁ前程の勢いは感じられないものの、それでもいい歌を唄ってるなぁと思わせてくれてただけに‥‥でも、ほんの少しだけど‥‥誰もが心の奥底で感じてた‥‥『つんく♂以外のソングライターの曲を、つんく♂以外のプロデュースで聴けたら‥‥』という秘めたる思い。それがある意味では実現する瞬間でもあったんだよね。でもそれは同時にパンドラの箱みたいなものでもあるんじゃないかな、ヲタ的に‥‥例えば、あーつんく♂は枯渇しちまったんだなやっぱり、とか思わされるの、嫌じゃない?

 シングル曲 "恋の花" は、島谷ひとみやNaoといったシンガーに楽曲を提供している「BULGE」が作詞作曲アレンジのみならず、プロデュースまで手掛けてることから‥‥これまでのハロプロ楽曲には感じられない『音の太さ』が感じられるんだよね。前に知り合いのDJが言ってたのかな‥‥ハロプロの曲ってマスタリングの時点で、購入層のオーディオシステムに合わせた音質に変えられてる、って。つまり‥‥ヲタを除外すると‥‥小学生なり中学生だったわけじゃないですか、ちょっと前(=全盛期)までは。恐らく大半はCDラジカセですよね(偏見かな?)。で、そういったシステムでこそ発揮する音というか、「ならでは」の音作りをしてるんだ、とその人は言ってたわけ。今回この曲をCDラジカセやカーステレオ、CDJやシステムコンポ、果てはiPodで過去のつんく♂ワークスと聴き比べてみたんだけど、やっぱり違うのね。芯が鳴ってるっていうのかな。普通に「J-POP」してるんだわ。もしかしたら俺自身の偏見も多少は入ってるのかもしれないけど、それにしても‥‥コーラスの重ね方なんかもつんく♂ワークスと全然違うし、ちょっと聴いた限りではファン以外は「安倍なつみの新曲」って気づかないんじゃないかな‥‥それくらい普通にJ-POPなわけ。avexから新人デビュー、とか言ってこれ聴かせたら多分信じちゃうんじゃないかって程に。

 で、逆の言い方をすれば‥‥それくらい安倍なつみがサウンドプロダクションに埋もれちゃってるんじゃねーの、と。安倍らしさは後半のブリッジ部でバックトラックが薄くなる辺りでやっと‥‥あぁ俺の知ってる安倍だ、って気づくくらい。いい曲なだけに、それを上手く自分のものに出来てない歯痒さを感じました。勿体ないなぁ。

 話はカップリング曲 "恋ひとひら" に移りまして‥‥俺ね、このシングルを数日前に買ったんだけど、その切っ掛けとなったのが実はこの "恋ひとひら" をたまたま偶然に有線で耳にしたからなんですよ。アイドルチャンネル(B-4)で昼頃から延々ハロプロ曲が3〜4時間流れててね。懐かしいのから殆ど馴染みのない最近のシングルのカップリング曲まで、それはまぁ幅広くかかってたわけ。んで、その中に初めて耳にする「気になった曲」が幾つかあって、そのひとつがこの "恋ひとひら" だったと。聴けばすぐに安倍の歌だってわかったんだけど、曲調がすっげームーディーなシティーポップというか。これまでのハロプロにはない方向性だと思ったので、ちょっと驚いたのよ。つんく♂の曲じゃないのはすぐに判ったんだけど、これがまさか先の "恋の花" と同じ作者(「BULGE」)によるものだとは気づかなくて(ま、それも作詞のみだったんですが)。おー安倍、いい曲貰ったなー、つんく♂プロデュース離れて良かったなーって素で思って。

 それですぐにCD買いに走ったわけですよ。そこでカップリング曲のクレジットを見て愕然とするんですね‥‥そう、この曲だけ作曲とアレンジが‥‥「たいせー」作なんですよ。ってことは‥‥多分プロデュースもたいせー!? ん、んなアホな‥‥orz

 いやいや、でもたいせー作にしてはちゃんとサビもしっかりしてるし、凄くよく出来た曲だと思いますよ。手軽に打ち込みに走らなかったバックトラックの丁寧さも良かったし。恐らく一部の安倍ファンは両手上げて大喜びなんじゃないかな。実際、このシングルに収められた2曲はタイプこそ違うけど、非常に良質なポップソング・シングルだと思いますよ。今年リリースされたハロプロ関連の楽曲の中でもかなりの上位に入ると思います、個人的に。

 今後彼女の制作スタッフがこのメンツで続くのか、それともまた新しい血を導入していくのかは現時点では判りませんし、実際「あの事件」よりも前にレコーディングされていた楽曲も数あると思うんですよ(だってアルバム制作中だったはずだし、実際TAKUI作曲によるシングルも準備されてたわけですしね)。そういった楽曲が今後どういった形で世に出るのかも判らない‥‥良い解釈をすれば‥‥それだけ選択肢がある、自由度の高い活動ができるってことですよね。うん、そう信じてあげたいわ‥‥そしていつの日か、『つんく♂の呪縛』を振り払う時が来るんでしょうね‥‥それまで、この世界から消えずに、しっかりと歌い続けて欲しいものです。



▼安倍なつみ「恋の花」(amazon


▼安倍なつみ「恋の花」シングルV(amazon

2004年12月 5日 (日)

悲しいとき

番組冒頭で

 「この番組は平成16年11月17日に収録されたものです。」

ってテロップが挿入されたとき。


 ‥‥何が悲しいって、これに勝るものはないだろ、今日の放送の中じゃ。悲し過ぎて、まともに番組を直視できんかった‥‥

 がんばれ、なっち。がんばれ、俺。



▼安倍なつみ「だって 生きてかなくちゃ」(amazon

2004年10月 6日 (水)

後浦なつみ『恋愛戦隊シツレンジャー』(2004)

必ずしも「1+1+1」が「3」やそれ以上になるとは限らない。特に音楽の世界では常に共通の認識としてあるんじゃないのかな? 過去にいろんなバンドで名を馳せたアーティスト達が集ったスーパーバンドが誕生したからといって、それが必ず過去彼等が在籍したバンドを超えるような存在になるとは限らない。むしろそうなってしまうことの方が少ない。本当の意味での成功を手にするのは、ほんのひと握りの存在だけ。残念だけど、それが現実なんだよね。

 それはハロプロの世界においても同じ。過去「ごまっとう」というスーパーユニットを生み出したこともあったけど、あれはタイミング的にも絶妙だったんじゃないかな。ギリギリのタイミング‥‥ハロプロ人気がドンドン下り坂へと進み始める直前‥‥いや、その数歩を踏み出した後だったのかな。だからまだ成功を手にするできた。

 ところが今回はどうだろう‥‥明らかにタイミングとしては最悪だよね。もう後がない状況の中でのセッティング。周りからは「最後の最後に、一番やっちゃいけないことやっちゃった‥‥」みたいに言われる始末。しかもそのセンスも最悪だったもんだから、尚更批判的な声が目立つ。

 変なファッションで登場した「後浦なつみ」というユニット‥‥後藤真希、松浦亜弥、安倍なつみ、というハロプロ・ソロ組の稼ぎ頭3人をひとまとめにしてしまった、まるで「紅白対策」で即席に組ませてしまった感が強いこの組み合わせ。確かに「ごっちんとなっちの組み合わせがまた観れる!」という喜びはあったものの、今や既に時遅しといった印象は拭えないし‥‥

 これで曲が本気で素晴らしかったまだ良かったんだよね‥‥ところがさ‥‥

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2004年9月24日 (金)

安倍なつみ『安倍なつみ〜モーニング娘。卒業メモリアル〜』 (2004)

 DVDってものが普及してから、それまで以上に映像ソフトを気軽に購入できるようになりましたよね。例えば映画。ひと昔前だったらレンタル以外は考えられなかったのに、気づけば価格破壊が進み、現在ではCDアルバム1枚買うのと同じような値段で新作が買えてしまう。時々キャンペーンと称して1,500円で旧作品を再発したり、2,980円で1枚買うと、もう1枚好きなDVDが貰えたりとか、とにかく頑張ってる。で、こちら側もそう何度も観たりしないくせに、気軽に映画や映像ソフトを購入する。所有欲の強い人だったら尚更だし。ホント便利な世の中になったもんだ。

 映像ソフト‥‥特に音楽系なんて、昔は大金出してまで欲しいと思わせるような作品、少なかったよね。普段観る機会のない洋楽アーティストの場合はライヴビデオとか出ると、そりゃ有り難かったけどさ‥‥けどチケット代よりも高い金出してまでして観たいかと問われると、それもまた‥‥

 結局この手の映像ソフト‥‥DVDの躍進で一番恩恵を受けたのがアイドルやグラビア系の人達なのかな、と。写真集を買う感覚で(しかも同じような値段で)1時間程度の映像が観れるわけだし。イマジネーション働かせなくてもいいしね、いろんな意味で(いろんな意味?)。

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2004年6月 2日 (水)

安倍なつみ『だって 生きてかなくちゃ』(2004)

安倍なつみにとってモーニング娘。を卒業後、最初のシングルリリースとなるわけですが、まさか卒業後半年近く経ってからの発表になるとは思ってもみませんでしたね。だってさほら、安倍さんならきっと、出せばそれなりに売れるだろうからさ、もっと早くからバンバン連発するんだろうな、とか勝手に想像してたもんで。ところが卒業後、最初の仕事がミュージカルで、4月からはテレビの連続ドラマ初主演。そっち方面の実力もまぁそれなりに持ってるといえる彼女のことだから、この抜擢もまぁアリかな、歌はモーニング時代以下にペースを落として、そっち方面に力を入れていくのかな、とか思っちゃいましたよ。

ソロシンガー「安倍なつみ」名義としてはセカンドシングルとなる今回の『だって 生きてかなくちゃ』は、その初主演ドラマの主題歌に起用され、この春から毎週オンエアされている話題曲。アレンジにはお馴染み鈴木Daichi秀行を迎えた、アルバム『一人ぼっち』に収録された隠れた名曲「あなた色」にも通ずるラテン色が強いダンサブルなナンバー。潤いあるマイナーキーのメロディが結構ツボで、まぁ悪く言ってしまえばつんく♂の手癖で書かれた曲なわけですが、意外とこれが安倍に合ってるんだよね。「あなた色」の時にも感じたけど(特にライヴを観て余計にそう思えたんだけど)、やっぱりこういったタイプの曲が意外と合うのよね、安倍さんには。タイプがちょっと違うけど「Memory 青春の光」とか、モーニング時代の初期代表曲なんかも正にこの系統の楽曲といえると思うし、そういうイメージが強いから余計にそう感じちゃうのかもしれないけどさ。俺はこの曲、「なっちらしい」と思うよ。歌詞もこれまでの彼女の歌ってきたものと比べて、ちょっとだけ大人っぽいイメージがあって、また新しい発見があったりで。明らかにモーニング時代とは違った層に向けて歌われているよな、と。ま、今回はドラマ主題歌ってのがあるからそういう路線になったのかもしれないけど。「夢見る乙女」的路線もいいですが、こういうクールな路線もまたいいな、と。

一方、カップリング曲「恋にジェラシー申し上げます」は、タイトルトラックとは一転してメジャーキーの爽やかなポップソング。アレンジには湯浅公一を迎え、初夏を思わせるような従来のなっちらしいイメージの1曲に仕上がってます。恐らく多くのファンにとって、この曲は「正しい安倍なつみの曲」に感じられるんじゃないですかね。俺も実際、最初にこの曲を聴いた時「あーそうそう、こういう曲を待ってたんだよなー」って思いましたもん。歌詞にしても、ザッツ・安倍なつみ劇場といった感じで、微笑ましいし。うん、期待通りの1曲

そういえば湯浅公一アレンジ曲にもハズレって殆どないよなぁ(俺的にね)。勿論今回も大当たり。なんていうかね……過去の曲に例えると……モーニング時代の「男友達」の延長線上にある楽曲だよね、曲調的に。もっとアコースティックなものを望んでいた人には期待はずれなのかもしれないけど、俺におってはこれも「安倍なつみ」なんだよね、うん。あれだけが安倍なつみの全てだとは思わないし、あれだって彼女を形成する内の、ほんのひとかけらだと思うんだけどなぁ。ま、この辺の感じ方・考え方は人それぞれですし、議論するつもりはないですけどね。

2曲に共通していえるんだけど、珍しくつんく♂の声やコーラスが入ってないのね。そのせいだからか判らないけど……もしかしてこの2曲、つんく♂が書いてないんじゃないか?と感じたのね。それくらいすっきりした印象が強くて。ま、確かにメロディだけ追えばつんく♂の手癖っぽい作品なんだけど、でも、まぁ最近はレコーディングにも立ち会わないことが多い、なんて噂もあるくらいだからね。仮に彼のスタッフ(あるいはゴーストライター)が書いた曲だとしても、納得できるような出来なら、個人的にはアリですけどね。全肯定はしないけどさ。

正直、安倍の今後にはとても期待してるんですよ。モーニングという堅苦しい枠から離れた今だからこそ出来ること、沢山あると思うし。どんどんと低年齢化/そういう層へのアプローチが進んでいく中で、やはり安倍には年相応の、今しか歌えないいろんなタイプの歌を歌って欲しいし。その可能性はアルバム『一人ぼっち』で十分に感じさせてくれたわけだしね。そういう意味では、これこそが本当の意味での第一歩なんだろうね。聞くところによると、8月には早くもサードシングルのリリースが予定されているそうですね。今月半ばにはファーストソロコンサートも始まるし。残念ながら今回のライヴには行けそうにありませんが、秋のツアーには何をしてでも参加したいな、とさえ思ってます。モーニングへの熱が冷める一方、それと反比例するかのように俺の安倍に対する想いは募るばかり……へっ、これって恋、恋なの??



▼安倍なつみ『だって 生きてかなくちゃ』
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