星井七瀬『ナナナビゲーション』(2006)
一部の音楽ファンの間で、星井七瀬の「恋愛15シミュレーション」が隠れたヒットを飛ばしたのは、今から何年前の話でしょうか。当時、この曲はCCCDでのリリースだったため、俺はつい最近iTunes Music Storeで購入できるようになるまで手に入れることはなかったんですが。確かにこの曲の中毒性はものすごいものがありましたよね。自分の身の回りの、信頼できる人達が皆この曲にヤラレていく様を見ていただけに、遅れをとった自分はちょっと歯痒い思いを当時してました。
昨年末に星井七瀬は東芝EMIからavexに移籍し、第一弾シングル「パーマパビリオン」をリリース。これは俺もリアルタイムで購入しました。以前の彼女のパブリックイメージをなぞりつつも、ちょっとロック色の強い方向へと導こうとしてるのは、そのビジュアルイメージのみならずサウンドからも伺えました。しかし、今回のシングル「ナナナビゲーション」では更にそっち方向へと導こうとしているようです。しかもそれが上手い具合にいい方向に作用してるようですね。
タイトル曲「ナナナビゲーション」はちょっとモータウンっぽい色もありつつも(多分ストリングスやブラスのせいかな?)、これまで以上にロック調を色濃くした名曲に仕上がってます。いやはや、これは普通にいい曲じゃないですか? なんだろう、この聴いた時に胸にググッとくる感じは? ある意味では「恋愛15シミュレーション」すら超えてしまったんじゃないか‥‥そう思わせるだけのパワーとインパクトを持った1曲なんですよ。
カップリングの「青春しぼり汁」はタイトルこそアレですが、曲調自体はアッパーなビートロック。巻き舌で歌う彼女の歌唱方法が新鮮で、これまた新しい魅力を発見できる1曲。普遍的なポップさを持ったタイトルチューンとはこれまた違った意味で印象的な楽曲ですよね。すげえなぁ、このシングル。
もしかして星井七瀬って「恋愛15シミュレーション」の時もそうだったけど、すっげースタッフに恵まれてる? にも関わらず、東芝時代はそれを上手く作用することができなかった歯痒さが残るだけに、移籍後の今回は是非いいアルバム作って、一気にブレイクして欲しいなぁ。だって勿体ないもの。
今回も、自分の信頼できる連中が皆、この曲にノックアウトされてる様を見ると、ちょっと嬉しくもあります。今回だけはリアルタイムでその魅力を共有できたからね。これは暫くヘヴィローテーションになるだろうし、DJやる時にも結構使いそうです。