2006/02/27

モーニング娘。『レインボー7』(2006)

 モーニング娘。通算7作目、前作「愛の第6感」から数えて1年2ヶ月振りのアルバム。その前が1年8ヶ月のブランクがあっただけに「やっと出た」ってイメージがあったんだけど、実は‥‥個人的には今回の方が「やっと出た」っていう印象が強くて。

 ご存知の通り‥‥いや、ファン以外の人は知らないかもしれないけど、この1年2ヶ月の間に大幅なメンバーチェンジがあったのね。昨年1月末に最後のオリジナルメンバー、飯田圭織が卒業。寝耳に水の矢口真里、脱退('05年4月)。そして発表から1年がかりだった石川梨華の卒業(同年5月)。更に同年5月頭には第7期メンバーとして久住小春の加入。前作リリース時に12人だった娘。は、辛うじて10人を維持してるのが現状。15人体制を経験してるだけに、見た目的にはかなり安心して観れるようになったけど、やはり‥‥小粒感は否めないというか。

 いろんな意味でこの1年というのは、残されたメンバーにとっての試練の期間だったと思うわけですよ。実力的には決して最高とは言い難かった4期メンバーの中で唯一残った吉澤ひとみがリーダーを引き継ぎ、5期6期メンバーを引っ張って来た歴史。それが今度のアルバムに色濃く出てるんじゃないかな‥‥そう考えながら聴くと、このアルバムって非常に感慨深い1枚なんですね。

 あ、勿論そういった「ファン」以外の人にも、どこかしら響くポイントがいろいろと散りばめられてるんじゃないかな、って思うんですが。前作は出来はかなり良いながらも地味な印象は拭えなかった。でも今回は‥‥前作以上にバラエティー豊かかな、と。いきなり極太ファンクロックチューン "HOW DO YOU LIKE JAPAN? 〜日本はどんな感じでっか?〜" でスタートするこのアルバム。「GET A GRIP」期のAEROSMITHか、はたまたRED HOT CHILI PEPPERSかと思わせるような気持ち良さを感じさせる1曲で、スラップベースがやけにカッコいいなーと思ったら、またリズム隊が爆風スランプですか。成る程ね。

 その後もアルバムは名曲(迷曲?) "THE マンパワー!!!"、小気味良いポップチューン "青空がいつまでも続くような未来であれ!"、個人的にはものすごく大好きな歌モノ "大阪 恋の歌"、新垣・亀井・田中の3人で歌われるムーディーな "INDIGO BLUE LOVE" と、とにかくてんでバラバラ、いろんなジャンルの曲が矢継ぎ早に飛び出す。統一感のなさという意味では、もしかしたら過去最高かもしれない。そして‥‥

 個人的にはモーニング娘。史上最強、いや、最狂のナンバーに認定したい "レインボーピンク" の存在。人によってはこれがネックになるかもしれないけど、個人的にはこれがあるとないとでは、評価が大きく異なるのね。「重ピンク」こと道重さゆみと、「こはっピンク」こと久住小春の子弟コンビによるこの曲は、冒頭のセリフ(コントともいう)でまずいきなりヤラれる。所謂アイドルのコンサート会場でのMCを元にしたドラマ形式なんだけど‥‥もうこれが‥‥脳ミソが腐りかねない程の出来でして‥‥いや、最高に褒めてるんだよ、これ? もうね、これをこの2人にやらせたつんく♂と、完全にやり切った道重と久住、偉い! 曲自体はまぁありがちなアイドルポップチューンで、初期の松浦亜弥に歌わせても何ら違和感のない1曲。特別最高ってわけでもないんだけど、やはりあのセリフに誤摩化されちゃうんだよね、良くも悪くも。中盤とラストにもセリフがあるんだけど‥‥もう完璧ですわ。

 そしてクールダウンさせてくれる2曲‥‥地味ながらもムーディーで味わい深い "色っぽい じれったり"、大人チーム(吉澤・高橋・紺野・小川・藤本)による和テイストのバラード "無色透明なままで" でガラッとアルバムの印象が変わったところで、アッパーなR&B歌謡 "パープルウインド" がきて‥‥これもモーニング娘。ならではの1曲だろう "さよなら SEE YOU AGAIN アディオス BYE BYE チャチャ!"。こちらもセリフ回しの多い1曲で、まぁ今時こういう曲はモーニング娘。しかやらないだろうな、っていうちょっとおふざけ色の強いナンバー。けど、これが悪くない。全然アリだと思わせてしまうのは、多分ここまでの流れがメチャメチャだったから。でも、メチャメチャながらも1本筋が通ってる気がするのは、俺の思い過ごしかな? アルバムタイトル通り、虹の如くいろんな色/個性を放つ楽曲をひとまとめにした作品集って意味では大成功してると思うし、まぁトータルコンセプトとかそういったものはあってないようなものだけど、これはこれで全然アリなんだろうなーと。

 そういう意味では、最後の2曲‥‥過去の楽曲の焼き直しである "直感2 〜逃がした魚は大きいぞ!〜(全くその通りリミックス)" と "女子かしまし物語3" は蛇足かなぁ、という気も。リミックスの出来としては決して悪くない前者。でも原曲がなぁ‥‥シングル曲が多く収録されているって意味でのお得感は多少あるけどね。そして後者‥‥メンバーが変わる度にこの曲は「〜4」「〜5」とどんどんリニューアルされていくのでしょうか。まぁそれもアリっちゃあアリですけどね。

 確かにこの2曲を含めた全12曲で「レインボー7」なんですけどね。この満点取れない感じも、まぁ「モーニング娘。らしい」っちゃあらしいですね。うん、そう思うことにしますわ。

 多分いろんな所で言い尽くされてるのかもしれないけど、最近殆どその手のサイトを観てないので‥‥今更かもしれないけど。いやー、俺このアルバム好きですわ。前作の時も相当リピートしたし、今でも聴く頻度が非常に高い1枚なんですよ。今回もそれに匹敵する、いや、もしかしたらそれ以上に聴き込んじゃうアルバムかも。この1年で今の10人が経験してきた苦難が、ちゃんと形として、結果として表れてると思うんだけど‥‥どうでしょう?

 なんかね‥‥思い出深いメンバーがどんどんいなくなって、自分の中で完全に一周しちゃったからか、今のモーニング娘。を非常にピュアな気持ちで見ることができるのね。だから‥‥変なノイズも今は入ってこないし、眼中にないし。気持ちよく楽しむことができますよ、今は。

 うん、これは良いアルバムですよ。


 
▼モーニング娘。「レインボー7」(amazon:初回限定盤通常盤

投稿: 2006 02 27 11:57 午後 [2006年の作品, ハロー!プロジェクト, モーニング娘。] | 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

2005/07/27

モーニング娘。『色っぽい じれったい』(2005)

 えーっと、もう27枚目のシングルですか‥‥何度目かの「新生モーニング娘。」によるニューシングル、「色っぽい じれったい」。既に第何期なのかも判らないし、よくよく考えたら俺ですら現在何人なのかが判らない程なんですわ‥‥7期メンバーの久住小春加入後としては最初のシングルになるわけですが‥‥今年に入って既に3人ものメンバーを欠いた今、暫くはメンバーの増減よりも、如何に「LOVEマシーン後のモーニング娘。」を世間一般に印象づけるか、そしてそれに見合うだけの素晴らしい楽曲を手に出来るか。全てはここにかかってると思うんですが‥‥もうこの4年くらい、ずっと迷走してるわけですけどね。迷走こそ○○の美学、なんていうのは後藤真希だけで十分ですよ。ハロプロ全体が迷走してどうするよ(ま、実際は皆迷走しまくりなわけですが)。

 でね、肝心の楽曲です。テレビで初めて耳にしたタイトル曲ですが‥‥

これが意外に好印象でして、俺的に。路線的には前作「大阪 恋の歌」と同系統の、所謂「ラテンの要素を取り入れた歌謡曲チックなJ-POP」という‥‥ってなんだその例え。けど俺内ではそういうのが今ブームなわけ。早い話が‥‥T&Cボンバーがこの春頃からずっと大ブームなんですよ、今の俺には。あとメロン記念日の2ndアルバム前後とかその辺な。

 それを踏まえた上でこの "色っぽい じれったい" を聴くと‥‥モーニング娘。が歌う必然性が感じられないんですよ。言っちゃ悪いけど、いい曲なんだけどモーニングが歌うと平凡に聞こえちゃう、みたいな。多分これを今のメロン記念日が歌ったらすっげードンピシャなんだろうし、後期T&Cが歌っても絶対にハマってたと思うのね。アクの強いメンバーによって歌われれば歌われる程、曲時代がよりクドく、そして粘っこくなるんだけど‥‥悲しいかな、今のモーニング娘。が歌うことで箸にも棒にも引っかからないような、そんな平凡な出来になっちゃうんだよねぇ‥‥悪くないんだけどさ。ホント勿体ない。

 それはね、カップリングの "愛と太陽に包まれて" にしても同じことが言えて。これなんて‥‥タイプ的にはタンポポ辺りが歌いそうなボッサテイストの1曲なんだけど、これをさ‥‥例えばROMANS辺りに歌わせてみようよ(よりによってROMANSかよ!)。そうすると‥‥あら不思議、見事にハマるんですよ。まぁ‥‥要するにさ、この曲もメロン記念日に歌わせるべき楽曲だよね。アレンジャーのAKIRAが非常に頑張ってるんだけど、「モーニング娘。らしさ」が皆無だし、必然性が感じられないし、何よりも‥‥聴き終わった後に何も残らない。かろうじて、まぁいい曲だよねーという感想のみ。モーニング娘。の新曲を聴いた!っていう満足感なり、そういった多幸感を殆ど感じさせないという意味では凄いモノを感じるけど、それじゃマズいだろ‥‥

 もうさ、この2曲をメロン記念日に譲れや。どうでもいいよ‥‥そんな投げやり感さえ感じてしまう、聴き終えた後の空しさ。楽曲の出来が良ければ良い程、その空しさは更に深まるばかり。そして、セールスも‥‥

 あーあ。もういいや。

 久し振りにカップリング含めて気に入った楽曲だっただけに、非常に残念。



▼モーニング娘。「色っぽい じれったい」(amazon:初回盤通常盤シングルV

投稿: 2005 07 27 12:14 午前 [2005年の作品, ハロー!プロジェクト, モーニング娘。] | 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

2005/05/08

モーニング娘。@武道館(5/7昼)

石川梨華「娘。」卒業…1万本ピンクのペンライトに感涙(SANSPO.COM)
石川梨華 笑顔で涙でモー娘卒業(Sponichi Annex)
モー娘。石川 笑顔のサヨナラ(デイリースポーツonline)
「モー娘5年間は宝物」石川梨華涙の卒業(nikkansports.com)
最終公演 メンバーから石川への卒業メッセージ(もはアト)
石川梨華 コンサート後の記者会見内容(もはアト)

 というわけで、「モーニング娘。コンサートツアー2005春〜第六感 ヒット満開!〜」最終日の昼公演に行ってきました。そもそもモーニング娘。を生で観るの自体昨年のGW以来、1年振り。ミニモニ。ラスト公演だったんだっけ‥‥あれから辻加護が抜け、飯田が抜け、そして矢口が緊急脱退‥‥当時14人だったモーニングが既に10人。"I WISH" や "恋愛レボリューション21" をリリースした時期(2000年5月〜2001年4月)にまで人数が減っちゃってるんですよ。ていうか、もはや "LOVEマシーン" 以降、大ヒットを連発してた頃のメンバーが誰もいないんですよね。この日ご一緒した方なんて、「最後に観た時はまだなっちもごっちんもいた」って言ってたくらいですから、さぞや『器だけ一緒の、別物』に映ったんだろうなぁ‥‥俺が観ても違和感がある程だったんだから、尚更でしょうね。

16614627_186 今回のライヴは、自分がイチオシしてきた石川の、最後のステージってことで‥‥本来なら夜公演(最終公演)に行くべきだったんでしょうけど、さすがにそれは無理でしたね。いや、チケットなら別にどうにでもなったと思うんだけど、それでも‥‥あの「メンバーからの贈る言葉」なんてぇのを生で聞いちゃった日にゃあ、もうボロボロ泣いちゃうわけですよ、周りも気にせずに。保田の時安倍の時も思いっきりもらい泣きしてましたしね、俺。それともうひとつ。ちゃんと「歌」が聴きたかった、ってのも大きいかな。過去、やはり涙が伴ったりメンバーが感極まってまともに歌えてない公演があったりしたので、しっかり「今のモーニング娘。」を確認するためにも、その一歩手前の公演を選んだ‥‥というのは大袈裟かな。けどまぁ‥‥感傷に浸りたくなかった、ってのが一番の理由です。ええ。

 この日の自分の席は2階席北東A列‥‥丁度ステージ向かって右側にあったスクリーンの真横辺りだったんですよ。で2階席の最前列ってことで、座ったまま手すりに腕を乗せてじっくり観れる環境‥‥真下にはお立ち台。数メートルの距離でメンバーを堪能することが出来るという意味では、本当に有り難い席でした。

 ライヴがスタートして思ったのは‥‥10人という人数を非常に「少ない」と感じてしまったこと。そりゃ自分がライヴに行き始めた頃は既に13人だったし、その後も12人→16人→15人→14人と尋常じゃない人数がステージ上にいたわけですが、そこからすっぽり1年空いただけで4人減って10人。確かに少ないかもしれない(ま常識的に考えれば多いんですが)。あと‥‥これは現在の振り付けを担当している人(夏まゆみ先生じゃないですよね現在?)のセンスだと思うけど‥‥やはりここ最近の‥‥"Go Girl" 以降かなぁ‥‥振り付けって何だか小さくまとまっちゃってる印象が強くて。特に人数が減れば減る程、それが嫌という程目につく。15人とかいた頃は人数に圧倒されてた部分が強くてそこまで気にはならなかったけど、さすがに今は‥‥

 もひとつ。こんなに至近距離で(まぁ真横からですが)観てるにも関わらず‥‥吉澤や小川といった「体格で判断できる」メンバーを除くと、識別が難しくなってる‥‥多分前から見たら顔とかで判断できるんでしょうけど、今のモーニングって背丈とか身体の線の細さが似通った子が多いからか、ホントに見分けが付き難いよなぁ‥‥と。去年の時もそう感じてたけど、まぁあの時は会場の規模がデカかったってのが理由だと思ってたんですが‥‥石川や藤本が「埋もれてる」感強かったもんなぁ。

 えっと。セットリストとかには全然文句ないです。むしろ現時点での最新アルバム「愛の第6感」の曲を沢山堪能できるという意味で、俺は楽しみにしてたんだよね。且つ、古めの曲‥‥特に「3rd -LOVEパラダイス」からの "DANCEするのだ!" と "「、、、好きだよ!」" が聴けたのは、嬉しいを通り越して発狂モノなんですが‥‥後藤・安倍在籍時に、ちゃんとした形で聴きたかったなぁとも思うわけで。だってさ、同じ曲でも「別モノ」に聞こえてくるんだよね。

 そうなんだよ。"LOVEマシーン" や "ふるさと"、"モーニングコーヒー" を当時在籍していなかったメンバーによって歌われている事実。勿論、歌はそうやって歌い継がれていくべきだと俺は常々言ってきたわけなんだけどさ‥‥もはやここまでくると、モーニング娘。が別のアイドルグループにカバーされてるような錯覚に陥るというか‥‥そんなこと、重々理解してたはずなんだけど、久し振りに観て改めてそう強く感じてしまいましたね。

 多分、そういうところに多くの人達は違和感なり憤りを感じて、ファンを辞めていくんだろうなぁ‥‥と、今日初めてBerryz工房に流れていく元モーヲタの気持ちが理解できた気がしました。ま、ほんのちょっとだけ、ね。

 ってネガなことばかり書いてもあれなんで‥‥

 いや。ライヴとして、そして卒業公演として見たら非常に理想的な内容だったと思うし、最後の「1曲」も非常に石川らしい、笑顔の絶えない選曲だったと思いますよ。あー、これなら最終公演でも悲観的にならずに、笑顔で送り出すことができただろうなぁ‥‥と。

 あともうひとつ。夜公演はどうだったか判りませんけど、昼公演ではこの日18才の誕生日を迎えた紺野へハッピーバースデーを、お客を含めた全員で合唱したり等のハプニングもあり。そんな紺野、自分の目の前に来る機会が一番多かったんだけど、ホントカワイイわ‥‥あーこんなに可愛くなっちゃって‥‥と、数日前に加入当時のハロモニ映像を観た後だけに、時間は確実に流れているんだな、と当たり前のことを実感したり。あとさ、道重がホント頑張ってるよね。俺、ずっと一環して言ってるけど、この子はライヴで観るとホントに面白い。目が離せないというか。振りがね、微妙に違うのよ。"Go Girl" の旗振りパフォーマンスの時も、旗を降ろす位置とかちょっとしたアクションが、他のメンバーと違ってるのね。何だろ、自分流になっちゃってるっていうか‥‥んで、あの笑顔と、あの「うさちゃんピース」ですよ‥‥俺、今ちょっと心がぐらついてます(えー)。

 歌の面でも、いよいよ5期メンバーが本格的に頭角を現し始めてますね。高橋に関しては、"春の歌" で、アルバムでは矢口が担当してたであろうハーモニーパートを難なくこなしてたし、新垣なんて "声" の歌い出しでのフェイクがかなり良かった。ただ、彼女に合う曲/合わない曲があるのは確かで、この日の昼公演で "ふるさと" を新垣ソロで歌ったんだけど、これはちょっと違うかな、という気が。思い入れの部分も影響して素直に聴けてないってのもあるのかもしれない。けど新垣の声ってもっとグルーヴィーな印象があるので、こういうタイプの曲はちょっと違うんだよね。小川も一時期のスランプを脱しているように感じられたし(歌にも安定感が出てきたし、ダンスも良かった)、紺野も‥‥確かに歌、良くなってるわ。

 6期は‥‥道重に関しては前述の通り。歌も頑張ってた。田中の頑張りも相当なモンだと思ったし。亀井は "モーニングコーヒー" で、メインパートを歌う石川にハーモに−を付けてたし(原曲での安倍における飯田のパートね)。けど3人の中ではまだ弱いかも。ダンスは確実に2人に差をつけられてるように思えたし。

 藤本は‥‥ソロになるとバーンと前に出るんだけど、それ以外の時が完全に埋もれちゃってる。10分の1に徹するのはいいんだけど、そんな器じゃないよなぁ‥‥ホント勿体ない。歌が今まで聴いた中で一番安定してただけに、尚更そう感じましたね。

 なんかその他にも言いたいことが沢山あるんだけど‥‥久住小春のこととかさ。それはまた別の機会にしましょう。

 とにかく。自分の中で完全にひと区切りつきました。今後は完全に「ハロプロの中のいちグループ」という距離感で接していきます。そして‥‥久住を含む新生モーニング娘。がもの凄いことをやらかしてくれたら、俺は素直にそれに乗りたいな、と。それくらいの軽い気持ちで付き合っていきたいと思います。

 石川梨華さん、お疲れさまでした。そして本当にありがとう。


--SETLIST--
【昼公演】
01. THE マンパワー!!! ※
02. 浪漫 〜MY DEAR BOY〜
03. 独占欲 ※
--MC--
04. 涙が止まらない放課後
05. 声
06. ラヴ&ピィ〜ス! HEROがやって来たっ。 ※
07. LOVEマシーン [吉澤・高橋・小川・新垣・亀井・道重・田中]
08. いいことある記念の瞬間 [小川・亀井・田中]
--MC--
09. 紫陽花アイ愛物語 [美勇伝]
10. 色っぽい女 〜SEXY BABY〜 [カントリー娘。]
11. シャイニング 愛しき貴方
  [カントリー娘。に紺野と藤本(モーニング娘。)]
12. ロマンティック 浮かれモード [藤本美貴]
13. SHALL WE LOVE? [吉澤・高橋・小川・道重・田中]
14. ふるさと [新垣]
15. モーニングコーヒー [石川・紺野・藤本・亀井]
16. 恋愛レボリューション21
  [吉澤・石川・紺野・小川・藤本・亀井・道重・田中]
17. 直感 〜時として恋は〜 ※
18. そうだ!We're ALIVE(イントロのみ)〜 DANCEするのだ!
  [紺野・小川・新垣・藤本・亀井・道重・田中]
19. レモン色とミルクティ
  [紺野・小川・新垣・藤本・亀井・道重・田中]
20. 春の歌 [石川・吉澤・高橋]
21. 「、、、好きだよ!」
  [1コーラス目のみ石川・吉澤・高橋。後、全員]
22. そうだ!We're ALIVE
23. すき焼き ※
24. Go Girl 〜恋のヴィクトリー〜
--MC--
25. I WISH ※
--ENCORE--
26. 大阪 恋の歌 ※
--MC [石川]--
27. 初めてのハッピーバースディ!
  [1コーラス目のみ石川。後、全員] ※
--MC--
28. ザ☆ピ〜ス!

【夜公演】
01. THE マンパワー!!! ※
02. 浪漫 〜MY DEAR BOY〜
03. 独占欲 ※
--MC--
04. 涙が止まらない放課後
05. 声
06. ラヴ&ピィ〜ス! HEROがやって来たっ。 ※
07. LOVEマシーン [吉澤・高橋・小川・新垣・亀井・道重・田中]
08. いいことある記念の瞬間 [小川・亀井・田中]
--MC--
09. 紫陽花アイ愛物語 [美勇伝]
10. 色っぽい女 〜SEXY BABY〜 [カントリー娘。]
11. シャイニング 愛しき貴方
  [カントリー娘。に紺野と藤本(モーニング娘。)]
12. ロマンティック 浮かれモード [藤本美貴]
13. GET UP!ラッパー [吉澤・小川・新垣・道重・田中]
14. ふるさと [高橋]
15. モーニングコーヒー [石川・紺野・藤本・亀井]
16. 恋愛レボリューション21
  [吉澤・石川・紺野・小川・藤本・亀井・道重・田中]
17. 直感 〜時として恋は〜 ※
18. そうだ!We're ALIVE(イントロのみ)〜 DANCEするのだ!
  [紺野・小川・新垣・藤本・亀井・道重・田中]
19. レモン色とミルクティ
  [紺野・小川・新垣・藤本・亀井・道重・田中]
20. 春の歌 [石川・吉澤・高橋]
21. 「、、、好きだよ!」
  [1コーラス目のみ石川・吉澤・高橋。後、全員]
22. そうだ!We're ALIVE
23. すき焼き ※
24. Go Girl 〜恋のヴィクトリー〜
--MC--
25. I WISH ※
--ENCORE--
26. 大阪 恋の歌 ※
--MC [石川挨拶、ファンへの手紙]--
27. 初めてのハッピーバースディ!
  [1コーラス目のみ石川。後、全員] ※
--MC [メンバーから石川へ贈る言葉]--
28. ザ☆ピ〜ス!

※印はフルコーラス



▼「モーニング娘。コンサートツアー2005春〜第六感 ヒット満開!〜」[DVD](amazon/7/6発売)

投稿: 2005 05 08 03:28 午後 [2005年のライブ, ハロー!プロジェクト, モーニング娘。] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック

2005/05/02

モーニング娘。新メンバー決定

プロデューサーつんく♂より、モーニング娘。の新メンバー加入に関してのお知らせです。(つんく♂公式)

 本日放送の「ハロー!モーニング」にて、7期メンバーオーディションの結果が発表されました。

 最終選考に残ったのは、たった1人。そしてその子が7期メンバーとして合格しました。その子の名前は、久住小春。この春中学に入学したばかりの、12才。番組内でも新垣本人が言ってましたが、丁度彼女が5期メンバーとしてモーニングに加入したのと、同じ年ですよね。ま、久住がこれまでにタレント経験(子役やエキストラ等)があったのかどうかは判りませんけど。

 番組を観てていろいろ感じたことが。

 あれですよね、前回(1月)の「ラッキ−7オーディション」の時は同番組で90分スペシャルを組んだものの、今回は60分の通常放送で決まってしまった。まぁ合宿がつんく♂の我が儘でなくなってしまったり、最終候補者がたった1人に絞り込まれてしまった事等、いろいろあるとは思うんですが、何となく淋しいというか切ないものを感じましたね。だってさ、つんく♂のヤローが企画を途中で放棄しちゃった(合宿中止)もんだから、番組スタッフ側は泣く泣く「んじゃあ合格発表でひとつ(企画を)やらかしましょう」って‥‥感じなんですかね。「今までにない」とか「新しい」んじゃなくて、番組的にこれしかなかったのかなぁ‥‥と。う〜ん。まぁ俺の見方ですけどね。

 んでさ。俺自身はこの久住小春って子に対しては別にどうっていう感情もなく、ああそうなの、おめでとう、って感じなのよね。なんだろ、6期の3人の時と同じかな。いや、もっとフラットかも。だってさ、ここで判断できないじゃない? 後藤は特別だったにしろ、4期の4人にしろ、5期の4人にしろ、6期の(藤本を除く)3人にしろ、いろんな意味での「結果」は1年先だったり、あるいは2年先だったりするわけじゃない。今回の子が「ミラクル」連発で、まぁ後藤クラスなのかどうかは判らないけどさ‥‥次俺等の目の前に現れる時まで、最初の評価はすべきじゃないんじゃないの、とか思っちゃったりするんだけど‥‥ま、そんなのは無理な話だけどさ。

 で、ぶっちゃけ書かせてもらうと(ファンの皆さんゴメンなさい)、今回ここで7期メンバーが1人も決まらなかったら、モーニング娘。は多分年内には解散に追い込まれてたと思うのね。いや、7期メンバーが決まったからといって必ずしも年を越せるなんていう保証も確証もないし、じゃあもう上へ登り詰められないのかと問われれば、それも俺には判らない。ホント判んない。

 メンバーを入れ替える(=血を入れ替える)ことで新陳代謝を繰り返し、どんどんと変質していったグループでしょ。その血も完全に入れ替わり(=矢口の脱退によって、ラヴマ時代のメンバーは誰もいなくなった)、もはやスタート時とは全くの別物になってるわけじゃないですか。そういう意味で、今後どういう変質を繰り広げていくのかは、まぁ観るに値すると思うし、興味が湧くよね、と。

 そういうことです。ええ。

 だから今、この子が受かってどうとかっていう気持ちはあまりね‥‥今後どう変わっていくのか、成長していくのか、っていう方がむしろ興味がある。5期や6期がそうであったように。その成長の記録もまた、モーニング娘。そのものなわけだし。

 6期をタレントとして面白おかしく追ったのは「ハロモニ」だったけど、『モーニング娘。のメンバー』として我々に強くインパクトを与えたのは、やはり歌(= "シャボン玉")だったわけでしょ。だからさ‥‥今後また「ハロモニ」で彼女のレッスン姿とかを追うんだと思うけど、本当の意味での評価は、次の新曲‥‥新しい「10人」でリリースされる(恐らく夏頃?)新生モーニング娘。の新曲を聴いて、そのパフォーマンスを観て、まず判断したいと思います。話はそれからだ。



▼モーニング娘。「大阪 恋の歌」(amazon:初回盤通常盤シングルV

投稿: 2005 05 02 12:00 午前 [ハロー!プロジェクト, モーニング娘。] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/04/29

モーニング娘。『大阪 恋の歌』(2005)

モーニング娘。なるか!? 2年ぶりの首位!(ORICON STYLE)

 例の「石川梨華/モーニング娘。卒業コメント8cmCD」1万名様プレゼント・キャンペーンが効いてるのかね。コメントだけでしょ? それ、ホントに欲しいかなぁ‥‥

 さて‥‥

 矢口真里の電撃脱退から早くも3週間が経ちました。その直後は彼女をブラウン管の中で見つけることはなかったものの、ここ1週間くらいの間にまたポツポツとみかけるチャンスがありまして‥‥結局新曲のプロモーション用に既に収録済みだった分は、殆どそのまま放送されたようですね。ま、ここまでの飢餓感(本人が我々の前に出て、コメントする等が一切なし)の中だと、そりゃファンからすれば『矢口ラスト』とか『矢口真里、緊急卒業』とか新聞の番組ラテ欄で見つけたなら‥‥ねぇ。

 さて。本来なら自分が大好きな石川梨華の卒業を目前に、いろいろと感慨深い気持ちにならなきゃいけないんですが‥‥全然そんな気になれねぇ。矢口よ、そんなところまで持っていかなくても‥‥

 んで、その石川梨華のモーニング娘。在籍時ラストシングルとなるのが、この「大阪 恋の歌」という、非常に微妙なシングルなわけ。

 どこが微妙なのか‥‥というと‥‥いや、嫌いではないんですよ。むしろ好きな部類の曲。アレンジやバックトラックも意外と好きだし。鈴木Daichi秀行がやったアレンジの割りに、結構好きですよ。所謂R&B歌謡の部類に入ると思うんですが、これまで彼が手掛けてきた同系統のモーニングのシングル曲の中では、メロや雰囲気含め、個人的にはかなり上位にランキングするんですよ。でも微妙。何故なのか?

 恐らくその最大の理由は‥‥

 これを「何かこれから始まります!」って時ではなく、「ひとまずここでひと区切り」って時期に発表してしまったことなんじゃないかな、と。そう、曲には罪はないのよ。ただね、これを卒業シングルです、と提示されてもこちらは割り切れないし、しかもリリース直前にもうひとり別の卒業者(というか脱退者)まで生んでしまった後となると‥‥余計にね。なんだろ‥‥今度のラジオの中でも言ってるけど、後藤卒業/ハロプロ大改革という時期にドロップ、異色作 "そうだ!We're ALIVE" の「次」に発表してしまったがために、散々たる評価しか得られなかった "Do it! Now" の時と同じような微妙さを感じるんだよね‥‥

 あとさ‥‥これは多分いろんな人が言ってるかもしれないけど、あのオープニングでの大阪弁によるセリフ‥‥勿体ないなぁ‥‥あれいらないよ。今までのモーニングだったらあってもおかしくはないんだけどさ。何かね、ここでいきなりマイナスイメージ/マイナスポイントを聴き手に与えちゃってるんだよね。これなかったら、普通に聴けるのにさ。歌詞が大阪弁で歌われる分には全然違和感ないのよ。そういう歌、沢山あるじゃない。でもあの出だしだけはね、何となくダメ。

 アレンジとかメロとか歌詞とかは、つんく♂が最も得意とする手法なんだけどさ、かなり上手くいってる方だと思うのね。シャ乱Qが普通に好きだった人には、何となく懐かしい空気があるんじゃないかな‥‥これ、普通につんく♂がソロで歌っても全然「アリ」だもんね。むしろお前が歌え!くらいの曲だよね。それを藤本・高橋がメインとなって歌ってる。多分、次期モーニングを支えるであろうふたりが。だからこそ、石川の存在がね‥‥邪魔なのよ。ホントに。

 そうよ、これを石川卒業後に出せばよかったのにね‥‥売れる/売れないは別としてさ。それとも、7期メンバーを迎えた後の「次の一手」は既に見えてるんですかね? 何かさ‥‥それが見えるまでは、無闇矢鱈と音源を出さない方がいいんじゃないか‥‥そう思うのね。きっと次のモーニングは完全に生まれ変わると思うのよ。全然違う、別のユニットとして再デビュー‥‥くらいの気持ちで、メチャクチャやっちゃっていいと思うのよ。もう "LOVEマシーン" は完全に過去、あの曲を捨てちゃうくらいの気持ちで無謀なことをやってもいい時期だと思うのよ。だって‥‥一介のアイドルグループが、7年以上もこうやってヒットチャート上に生き残っちゃってるんだもん。普通に考えればもう限界はとうに越えてるわけじゃない。普通の人達からみたら、もう知ってるメンバーって殆どいないわけでしょ? 吉澤と藤本‥‥高橋とか紺野の名前を言えたら大したもんだ、くらいの存在なわけでしょ。もうさ、過去に囚われずに前進するのみでいいんじゃないかな。守るべきものはもう既になくなっちゃってるんだからさ‥‥

 そういう意味では、カップリング曲の "NATURE IS GOOD!" が無駄に「現在のモーニング娘。」を端的に表現しちゃってるような気がするね。中途半端なロック感、中途半端なポップさ。歌えてるんだか歌えてないんだか、微妙な感じ。元気に歌う矢口の声を聴いちゃうと余計に‥‥こう‥‥ね。

 もうさ、エコとか自然を守ろうとか、そういうのを止めてさ。ゴロッキーズなんだから、無茶苦茶やっちゃって欲しいわけよ。アナーキズムを追求して欲しいわけですよ。まぁ、完全に子供相手になってしまってるから、今回みたいなスキャンダル程度で脱退しなきゃならなかったわけだけど‥‥無理か。やっぱり無理なのか。

 何か無茶苦茶書いてるな、俺。けどさ、単に好きなわけですよ。"THE マンパワー!!!" の後だから、保守的且つ過渡期的な曲をね、卒業シングルに持ってくるとは誰も思わないじゃない。しかも当の石川を全然生かし切れてないわけだからさ‥‥勿体ない。



▼モーニング娘。「大阪 恋の歌」(amazon:初回盤通常盤シングルV

投稿: 2005 04 29 12:17 午前 [2005年の作品, ハロー!プロジェクト, モーニング娘。] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/04/15

あの娘に1ミリでもちょっかいかけたら殺す

 いやね、別に矢口の件を引きずってるってわけでもないんですよ。けどねぇ‥‥なんか可哀想だよなぁ。ネット上に落ちてる今日売りの「FRIDAY」の写真を見たんですが‥‥そんなドギツイものじゃないですよ。けどね‥‥確かにイメージ的なものはあるわな。アイドルなんてイメージ先行だしな。そういう意味ではあれはマイナス以外の何ものでもないか。でも矢口ひとり辞めたところで、誰も得しないと思うんだけどな。せいぜい「FRIDAY」が売れる程度じゃねぇの。

 まぁ‥‥下にも書いたけど、これからだよな、問題は。モーニング娘。のツアーはまだ続くわけだし、矢口だって今後ソロとして活動していくわけだからさ。謹慎期間とかあるのかどうかも判らないし、今やってるピン番組(「矢口ひとり」とかな)が放送継続するのか、またその他の番組(「ハロモニ。」とか)の扱いはどうするのか、とか全然見えてこない面が多過ぎるよな。

 って‥‥何冷静に語ってるんだ俺は。周りはこういった情報に対して目を、耳を閉ざしてしまっているというのに。何だかんだいって、一番引きずってるのはこの俺自身なのかもな。アハハ。

 運転中は全くモーニング娘。の歌が耳に入ってこなかったのに、帰宅してさっきの記事を書いてから、どうしても聴きたくなったアルバムがあって。さっきから爆音でこればかり聴いてるよ。

 ここまでやったんだから‥‥せめて今後の矢口には幸せになって欲しいな、と。マジヲタ/キモヲタっぽく書いてみたり。

 こんな時にこそ聴きたい‥‥そう思ったのは、銀杏BOYZだったのね。単純に "あの娘に1ミリでもちょっかいかけたら殺す" が脳裏を掠めたから、ってだけなんだけど。別に歌詞にモーニング娘。って単語が登場するから思い浮かべたのか、あるいはタイトルそのままなのか‥‥



▼銀杏BOYZ「君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命」("あの娘に1ミリでもちょっかいかけたら殺す" 収録)(amazon

投稿: 2005 04 15 12:45 午前 [モーニング娘。, 銀杏BOYZ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/04/14

矢口真里、本日付けで緊急脱退。

『モーニング娘。』リーダー「矢口真里」についての重要なお知らせ(公式)

 やっぱり書かなきゃダメですよね、ええ‥‥

 仕事で打ち合わせが終った後、友人からの携帯メールに気づいて見てみると、これについての第一報だったんですよ。ま、もっと詳しく、相手の名前とかまでハッキリと書かれてたわけですが。

 何だろ、ショックというよりは、ただただ驚いて、驚きすぎて言葉にならないってのが第一印象。そりゃいつか矢口も辞めるだろう、恐らく次に辞めるのが彼女なのかな‥‥と世間一般のヲタ達と同じように考えてたりもしましたが、まさか来月の頭に控えた石川梨華卒業よりも先に、こんな形でいきなり脱退することになるとは思いもしなかったよね。だって、「卒業」ではなくて、ハッキリと「『モーニング娘。』を辞し」って表現してるじゃない。脱退ってことですよね(ま、これまでも脱退には違いなかったわけですが、公式の表現としてはもっと柔らかく、あくまで笑顔で送り出そう的な「卒業」という表現だったじゃないですか)。

 信号待ちしてたら、何の前触れもなく、猛スピードで走って来た車にオカマ掘られた、みたいな‥‥そんな驚きというか、ホント寝耳に水ですわな。仕事からの帰りがけにしなきゃならないこと、全部忘れてそのまま帰ってきちゃったもん。

 んで更にタチが悪いことに、車の中に「ベスト!モーニング娘。2」のCDがあったんで、それを聴いて帰ろうとしたんですよ。いや聴いて帰ったはずなんですが‥‥全然耳に入って来ないのな、曲が。いつも聴いてるあの曲がガンガン流れてるはずなのに、全然耳に入って来ない。けど何を考えてるってわけでもない。完全に思考回路が停止しちゃってる。あちゃー、これじゃ俺、ただのマジヲタじゃないですか‥‥

 俺は別にアイドルが恋愛しようが、誰と付き合おうが、それは気にしてない。つーかむしろ、あの年齢の女の子が恋してない方がおかしいし、むしろみんな誰かしらと付き合ってて、それを上手くやりくりしてるだけなんだよね。そんなの、みんな気づいてるはずでしょ。けどまぁ、それを表に出さない、見せないのもまた「プロ」としてのお仕事なのかもしれないけどね(夢を壊すって意味では最悪の形だからねぇ)。

 こういう形でしか謝罪できなかったのかねぇ。もっと他にも方法はあったはずだと思うんだけど‥‥要するに、矢口の中にもやがてやってくる「辞め時」って意識が常にあったんだろうね。それがこういうタイミングで、最悪の形でやってきちゃった、と。

 う〜ん。何だか後味が悪い脱退劇だなぁ。しかもこれで終ったわけじゃなくて、むしろ雑誌が発売される明日以降から更にヒートアップするわけじゃないですか、いろんなことが、いろんな所で。矢口本人にも、そして矢口に代わってリーダーを務めることになってしまった吉澤ひとみにも、更にこんな形で先を越されてしまった石川梨華、そして残された他のメンバー、更に安倍なつみや中澤裕子、飯田圭織、保田圭といった元同僚達にも、いろんな形でその影響なり何なりが降り掛かって来るだろうし(そう、安倍の時みたいにね)。

 俺、5月7日に武道館に行くんですけど‥‥どういう気持ちで「矢口真里のいないモーニング娘。」と向き合えばいいんですかね。誰か教えてくださいよ?



▼タンポポ「TANPOPO 1」(矢口ソロ曲 "センチメンタル南向き" 収録)(amazon

投稿: 2005 04 14 09:36 午後 [モーニング娘。] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/12/26

モーニング娘。『愛の第6感』(2004)

 思ったよりも早くリリースされた、モーニング娘。通算6作目のオリジナルアルバム「愛の第6感」。世間的な評価がどうだとかっていうのは、正直あまり気にしてないのね。というのも‥‥セールスが全てを物語ってるじゃない。売れてないです、ハッキリ言って。リリースした時期が悪かったというのもあるんだろうけど、それ以前に世間から求められていない‥‥これが一番の原因ですよね。

 例えば、このアルバムには大ヒットといえるようなシングル曲が一切入っていない。既に人気が下降気味だった前作「No.5」でさえ、"ここにいるぜぇ!" や "Do it! Now" といったシングル曲が入ってたけど(いや、シングル曲はこれ2曲だけだったけど)、かろうじてチャートで1位を獲得したし、セールス的にもその前のアルバムの半分以下という結果だったものの、それでも20万枚近くは売れたようだし。

 それが今回、アルバムチャート初登場7位、5万枚弱しか売れなかったわけですよ‥‥シングル3曲も収録していながら。けどそのシングル曲("浪漫〜MY DEAR BOY〜"、"女子かしまし物語"、"涙が止まらない放課後")のどれもが大きなヒットを記録していないし、正直一般層にタイトルだけ言っても、絶対にどういう曲か伝わらない‥‥それが現状なんですよね。つまり、コア層であるところの5万人しか買っていない‥‥もはやコア層がそれだけしかいないという現実も悲しいものがありますが、それも仕方ないのかな、と‥‥

 とはいうものの、そういったセールスや人気の低下とは裏腹にこのアルバム、なかなか出来が良いんですよ。ていうかさ、今のモーニング娘。にこれ以上、何を望めというの? 何を基準としているわけ、君たちは?

 アルバム用の新曲のどれもが派手さは皆無だけど、ジワジワ効いてくる魅力を持った楽曲ばかりなんですよ。似非沖縄テイストな "すき焼き"、大人っぽくて落ち着いた雰囲気の "春の歌" や "声"、如何にもモーニングっぽいバカテイストの "直感〜時として恋は〜"、つんく♂色全開のR&B歌謡 "独占欲"、きらびやかなアイドルポップ "レモン色とミルクティ" 等々。どれもがシングル曲のような派手さに欠けるものの、楽曲としてはかなり「らしい」出来で、個人的には大満足だったんですけどね。

 いや、大満足というよりも‥‥最初にアルバムを通して聴き終えた時の安堵感‥‥アルバムを聴く前の不安感はそこにはなく、満足よりも先に「あー、(駄作じゃなくて)よかったー」という安心感の方が先に来たというね‥‥こう感じた人、意外と多いんじゃないの? 前作の出来がああだっただけにね‥‥

 既にミュージカルで披露されていた楽曲の初音源化となる "HELP!!" も "SHIP TO THE FUTURE" も、まぁミュージカルのテーマに沿った歌詞ってことで正直「?」な部分もあるものの、前作でのポッキー絡みのアレよりは全然マシですしね。いや、この2曲も悪くないですよ。

 更に、シングル曲 "女子かしまし物語" の続編的内容といえる "女子かしまし物語2" なんて、シングル版と対極にあるようなパート割り(シングルは名前を呼ばれた子は歌わず、ただ真ん中に立っていて、その周りの数人が歌うという構成なのに対し、"〜2" は名前を呼ばれた子がソロで歌うという構成)と、シングル版以上に張り切っているつんく♂の遊びがかなり耳について、「おい、これってモーニングのメンバーよりもつんく♂の方がレコーディングに時間かかったんじゃないの?」なんて思えちゃう程、「つんく♂の作品」に仕上がってるんだよね。これは "独占欲" という曲に関しても同様で、ここ最近のモーニングのシングル曲にはなかった程の手の込みようというか。恐らく、いろんな意味で「正念場」と感じたのかな‥‥凄く「音楽」で勝負してるように感じられるのね。気合いが伝わってくるというか。

 なんていうかね、立ち位置的にこの作品って実は「3rd -LOVEパラダイス-」にとても近いんじゃないかな、という気がしてね。状況的にも音楽性/内容的にも全然別ものだし、2000年当時のモーニングと2004年のモーニングを比較するのもバカバカしいとは思うんだけど‥‥

 何だろ‥‥背伸びしてないというか、非常に等身大で、身の長けに合った作品集だな、と。浮かれてないし、かといって悲壮感もないし。あー、今彼女達に出来ること/彼女達が得意なことをそのまま形として記録した作品集だな、と思うわけですよ。それは微妙さの残るシングル3曲についても同じことで、アルバム曲に関しては更にそれが特化していると。

 こうやってアルバム通して聴くと、逆にシングル曲の方がインパクト弱く聴こえるのは気のせいですかね‥‥何だろ、良くも悪くも作為的な面が鼻につくというか。悪くはないんだけど‥‥って面が、シングル単体で聴いた時以上に表出しちゃってるような。勿体ないなぁ。

 個人的には好印象で、かなりの頻度でリピートしているこのアルバム、皆さんにはどのように響いているんでしょうか‥‥



▼モーニング娘。『愛の第6感』
amazon

投稿: 2004 12 26 12:01 午前 [2004年の作品, ハロー!プロジェクト, モーニング娘。] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/12/03

ボーナスシーズンにボックスセット

 年末時期になると、日本でも海外でもそうなんですが、まぁ‥‥あれですよ、ベスト盤とかが多くリリースされるんですよね。特に海外の場合は「クリスマス・シーズン向け」ということもあり、パーティーでかけるもよし、プレゼントにあげるもよし、といった感じでリリースされることが多いみたい。実際、何かの記事で読んだんだけど、DEF LEPPARDのアルバム「HYSTERIA」が毎年年末になると数万枚売れるそうなんですよ。リリースから5年以上経ってからのお話ですよ。これ、厳密にはオリジナルアルバムですが、シングルヒットが全12曲中7曲も入ってるってことで、まだベスト盤が出る前は重宝されてたんでしょうね。

 というわけで、洋楽に限らず日本でも年末年始にベスト盤をリリースするというアーティストは意外と多いようで。

 ところが。ここ最近はベスト盤だけでは飽き足らず、ボックスセットをリリースするアーティストが増えてるんですよね。数年前にKISSが5枚組ボックスを出したかと思うと、昨年はSLAYERがDVD付き5枚組ボックスとか出したし、今年はBON JOVIやNIRVANAといった目玉商品が人気を呼んでるし。

 というわけで、幾つか気になるボックスセットを紹介。



▼NIRVANA「WITH THE LIGHTS OUT」[3CD+DVD](amazon

 その殆どが未発表テイクという貴重音源満載のボックス。ブートとかで流出した曲もあれば、代表曲のデモテイク、'80年代のライヴ音源まであるので‥‥正直クオリティが心配ではあるんですが、まぁ‥‥コアなファンには嬉しい1品かな、と。当然買いますが。



▼BON JOVI「100,000,000 BON JOVI FANS CAN'T BE WRONG」[5CD+DVD](amazon

 こちらも代表曲は殆ど入っておらず、あっても一部のヒット曲のデモテイクのみ。後は完全未発表のスタジオアウトテイクや映画のサントラにのみ収録された曲、去年出たアコースティック盤に収録される予定だった新曲2曲等、とにかく初聴きの音源てんこ盛り。更に日本盤はB面曲10曲入りのボーナスディスク付き。これも選曲かなり良いので、絶対に日本盤で買い!


▼岡村靖幸「岡村ちゃん大百科」[8CD+2DVD](amazon

 リリース自体は来年2月だけど、これから岡村ちゃんのアルバム揃えようって奴らは、正直これを買いなさい! エピック時代のオリジナルアルバム&未収録曲全部揃うし、DVDもレアなやつ満載だし。当然俺も予約済み!


▼モーニング娘。「モーニング娘。EARLY SINGLE BOX」[9CD](amazon

 8cmシングル時代("モーニングコーヒー" 〜 "恋のダンスサイト")までの8枚を12cm化、それぞれに貴重な未発表音源&テイクを収録。更に人気曲&アルバム曲のカラオケディスク付き。これもマニア向けですけど、"ふるさと" や "真夏の光線" のボーカル違いとか初期テイクとかって聞くと、それだけでもうヨダレものなんですが‥‥

 とりあえず、上の4つは全部予約済みのもの。アホだな相変わらず‥‥


投稿: 2004 12 03 12:40 午前 [2004年の作品, Bon Jovi, Nirvana, モーニング娘。, 岡村靖幸] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/11/23

最後の夜

 ゴメンなさい、3日連続でハロプロネタで。けど書かずにはいられないんです‥‥

 21日のモーニング娘。コンサート夏秋ツアーラスト。飯田圭織の娘。コン最後でもあったわけなんですが、もの凄いサプライズがあったようですね。

 開演前のS.E.としてタンポポの "聖なる鐘が響く夜" や娘。初期の "Good Morning"が流れたり。

 ラストの圭織MCの時に "タンポポ" が流れ(しかも本人も知らなかったらしい)そのままソロで歌い。最後の最後に "愛の種" をバックに万歳三唱って‥‥

 俺、その場にいたら間違いなく泣くわ。ホント、横アリのがDVDじゃなくて、こっちをDVDにすればいいのに‥‥矢口も石川も "タンポポ" の時は泣いていたらしいね。客席には中澤裕子の姿もあったそうで、彼女も泣いてたそうな‥‥もうそれ聞いただけで俺、涙ぐんでるから。

 それでさっきから道で拾った21日の音源を今聴いてるんだけど‥‥やっぱりいきなりの "タンポポ" の瞬間、泣きそうになった。ヤバい‥‥本当にサプライズだったんだな、これ‥‥それにしても、やはりオープニング前から "Good Morning" とか聴かされると、否が応でも涙腺緩むわな。そして大ラストでの "愛の種"‥‥こういう仕掛けができるのも、オリジナルメンバーである圭織だからこそなんだよね。そして‥‥これが最後なんだろうね、こういうサプライズ。いや、矢口の時も何かあるかもしれないけど‥‥でも‥‥

 ハロコン横アリラスト、行きたいけど‥‥本当に観たい人のためにも自分は行かないことにしようかと思案中。ま、来春の石川ラストには行くと思うけど。

 本当の本当に、終わりが近づいてるんだなぁ‥‥



▼モーニング娘。「ファーストタイム」(amazon

投稿: 2004 11 23 05:05 午後 [タンポポ, ハロー!プロジェクト, モーニング娘。, 飯田圭織] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/11/04

モーニング娘。『涙が止まらない放課後』(2004)

「涙止放」

‥‥と略さないとは思うけど。笑

 ええ、モーニングの新曲「涙が止まらない放課後」でございます。購入以来、久々のヘビーローテーションでございます(c/w共々な)。

 結局、俺は本体にこういったToo Muchでストレンジで冒険的なものを求めてたんだよね、「シャボン玉」以来ずっと。

 曲調こそほのぼのしたメルヘンチックなアレンジだけど、歌が入った瞬間に感じさせるある種の暴力性。この醍醐味(醍醐味?)こそ「モーニング娘。」だったんじゃないのかな、と。

 後藤が抜けて輝きを欠き、保田という一本の柱を失い、尚かつ安倍、辻加護と卒業していく中、「現状維持」を強いられてきた(かのように映る)ここ2年くらいのモーニング。冒険しようとしても「守り」が生じて、結果中途半端に終わり、逆効果。気づけば10万枚にも届かないシングルセールス(かしましが9万5千程度というのもある意味驚きだったけど)。

 そう。だからこそ、もう失うものなんてないんだから‥‥やりたいようにやって欲しかったのよ。そして、今回‥‥勿論大満足とは言わないけど、個人的にはかなりニンマリな仕上がり。何となくさ、「つんく♂は、これ作りながら(レコーディングとかパート割りとか)終始ニヤついてたんだろうなぁ」とか勝手に想像してるんですが。いや、間違いないよ。絶対にあの変態野郎は相当気合い入れて「遊んだ」はずだよ。それはアレンジの丁寧さとか、思った以上にボーカルのピッチいじってないことからも伺えるもの。

 世間的には絶対に売れない部類の楽曲だろうし、ヲタからもある意味敬遠されそうな楽曲かもしれない。けど俺は支持するわ。決してベストとは言わないけど、本体での今年一番のナイスワークだと思いますよ。



▼モーニング娘。『涙が止まらない放課後』
(amazon:初回限定盤通常盤DVD


※モー神通信。さんにもこの曲に関する文が。概ね同意です。ここからまた何かが始まるのかどうか、この目でしっかりと追っていきたいですね。

投稿: 2004 11 04 11:44 午後 [2004年の作品, ハロー!プロジェクト, モーニング娘。] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/07/23

モーニング娘。『女子かしまし物語』(2004)

  辻希美と加護亜依にとってモーニング娘。在籍時最後の作品となるのが、この通算23作目のシングル「女子かしまし物語」。卒業シングルがメンバー自己紹介的ナンバーというピントのズレ具合がまたつんく♂らしいといえば、確かにそうなんだけど‥‥やっぱり違和感を感じるわけよ、いろんな意味で。

  6分に渡ってメンバー14人個々について歌う、おニャン子クラブでいうところの "会員番号の唄" 的ナンバーという触れ込みだった表題曲 "女子かしまし物語" だけど、ちゃんと歌詞に耳を向けてみるとメチャクチャ違和感を感じるわけですよ。ファンにとっては特にそうなんじゃないですかね? 彼女達のことをよく知らない人からすると「へ~っ、そうなんだ?」とか信じちゃうかもしれない‥‥ある意味面白いとは思うけど‥‥でも、この2004年の7月に、モーニング娘。に対して興味を持つ人達って、本当に限られた属性の人達だけでしょ? そんな時期にこんな「濃い」曲をぶつけてきて‥‥自棄がまわったか、つんく♂!?とか本気で思えて来た程ですよ。まぁ最初は音の荒いラジオ音源だったので、余計にネガに感じた部分もありますけどね‥‥

  ところがね、その同じ曲をテレビでパフォーマンス付きで観たら‥‥印象がガラリと変わったわけよ。あー、つんく♂や周りのスタッフは本気で『"LOVEマシーン" よ、もう一度』とか思ってるんだな、と感じ取れたわけ。中途半端で豪華だかチープなんだかよく判らない似非ファンク調のバックトラック、所々にモーニング自身や他所のお笑い芸人のネタを仕込んでいる振り付け、そして基本的には同じコード進行の8小節を延々繰り返してるだけのメロディー、メンバーの事を歌ったと見せかけて、実は「一般の女子高生やOLの日常を歌にした」だけの歌詞(最初の紹介文のせいで、聴く前から我々にある種の固定観念を植え付けられてしまったわけですね。でも実際にはそういうことみたいですね)‥‥各小節頭でメンバー14人が代わる代わる紹介されていく(決してソロパートがあるわけではなく、だ)、しかも6分間も‥‥バカバカしさを越えて、思わず感動してしまった。いろんな意味で‥‥いや、ネガな意味で涙が出そうになった、というのが本音かな。あー、もう来るところまで来ちゃったなぁ、本格的末期症状だなこりゃ‥‥って。

  決して悪い曲だとは思いませんよ。けどこの単調なメロディを6分間延々繰り返すのは、今の彼ら/彼女等にとって如何に危険な行為か‥‥テクノや本場モノのファンクバンドならまだしも、今や世間から「モー娘。」ってだけで敬遠されがちの彼女等がこれをすることが如何にリスキーか、そして「すぐに飽きられてしまう」可能性を大いに秘めていることにスタッフは気づいてるんでしょうかね? こういう時期(安倍なつみ卒業後、明らかに失速し続けている中での辻加護の卒業、そして中途半端な時期での石川梨華と飯田圭織の卒業発表という、もはやメンバー卒業といった要素でしか話題を集められない時期)だからこそ、もっと慎重に、もっと気合いを入れた展開及びプロモーションが必要なんじゃないかい?と、元ファンとしては本気で心配してしまうわけですよ。

  今年に入ってリリースされた2枚のシングル‥‥ "愛あらば IT'S ALL RIGHT" と "浪漫 ~MY DEAR BOY" はもっと成功してもおかしくないだけの可能性を秘めた楽曲だったと、今になって思う俺ですが‥‥結局はタイミングだったり、売る側の姿勢だったり、そういった要素が上手く機能しなかったために、ヲタ以外の「市井の方々」の耳には届かなかった、あるいは届いても右から左にスルーしてしまった。勿論、過去の楽曲と比べれば弱くなってるのは事実以外のなにものでもないですけどね。

  カップリング曲にしてもそうですよ。アテネ・オリンピックやそれに出場する日本女子サッカーチームに絡めた(あるいは自分達が参加する女子フットサルに向けて歌った)"がんばれ 日本 サッカー ファイト!" という曲も、決して褒められた楽曲ではないと思うんですよ。ここ数作のカップリング曲が非常に意欲的で、ある面においてはシングルのタイトル曲を越えてしまっていたはずなのに、ここにきて急に‥‥とにかく "女子かしまし物語" にしろこれにしろ、共通して言えるのが「中途半端」ということ。バックトラックも「あと一歩」だし、メロディも「あと一歩」、アレンジも「あと一歩」なら歌詞も「あと一歩」。アイデアだけはいいと思うんだけど‥‥実力/能力がそれについてきてない。枯渇してしまったのか、それとも単に時間が足りないだけなのか‥‥どっちにしろさ‥‥この曲、オリンピックが終わったら聴かないと思うよ。なんかね、勿体ないよ。もっとさ‥‥いや‥‥もういいや‥‥はぁ‥‥

  最後にさ。"女子かしまし物語" での彼女達のパフォーマンスを観て感じたことを。つんく♂さん、今回の振り付けって誰がやってるんですか?? 正直、過去最低だと思います。あのね、「笑わせる」と「笑われる」のは全然違うんですよ? そんなの関西出身のあなたならよくご存知のはずでしょ? 実際、"LOVEマシーン" の時にそんなこと、言ってましたよね? 忘れちゃいましたか?? 今のモーニング娘。からは「笑わせよう」という空気ではなくて、「笑われてる」受け身っぽい空気を感じるんですが‥‥本人達の意気込みとは裏腹にね。

  もうさ‥‥モーニングは、年末まで音源出しちゃだめ! 12月の頭に紅白用に出せばそれでいいよ。それまではつんく♂さん、いろいろネタやアイデアを貯め込んでおいてくださいよ‥‥もう一度、最後にもう一度「最高にカッコいいモーニング娘。」を我々に「これでもかっ!?」って位に見せつけてやってくださいよ。お願いだからさ‥‥ 。



▼モーニング娘。『女子かしまし物語』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2004 07 23 12:00 午前 [2004年の作品, ハロー!プロジェクト, モーニング娘。] | 固定リンク

2004/05/17

モーニング娘。『ザ☆ピ~ス!』(2001)

  今やモーニング娘。のライヴでは欠かせない代表曲のひとつとなった "ザ☆ピ~ス!" も、リリース当時は「またダンス☆マンがアレンジかよ‥‥」とか「マンネリだよね、この路線も‥‥」なんて声が一部のファンの間で囁かれたみたいでして‥‥その後この曲がどんな運命を辿ったかは、ファンじゃなくてもご存知でしょう。テレビの歌番組での特番等で、新曲以外を歌う機会があった場合、"LOVEマシーン" の次に歌われる頻度が高いのがこの曲なんですよね。ある意味、ここ数年のモーニングの路線を決定づけた1枚だったのかもしれませんね(勿論、それまでの積み重ねあってこそ、ですが)。

  モーニング娘。にとって通算12枚目、2001年最初のシングル(前作 "恋愛レボリューション21" から約7ヶ月振りという、彼女達にとって最も長いブランクを経験した時期)というだけでなく、中澤裕子卒業(2001年4月)後、最初のシングルであり、また同年8月末には第5期メンバーが決定するという微妙な時期での、9人編成による最初で最後のシングルとなったのが、"ザ☆ピ~ス!" と "でっかい宇宙に愛がある" という名曲2曲から成る1枚。前者は前述したようにダンス☆マンのアレンジによる、歌謡ファンク路線をなぞった1曲で、後者は鈴木俊介アレンジによる、"I WISH" 路線を更に押し進めた歌謡ゴスペル路線といった1曲。共にその後もライヴで歌われる機会が多い楽曲で、2004年3月にリリースされたベストアルバム第2弾「ベスト!モーニング娘。2」にも2曲共収録される程。

  "ザ☆ピ~ス!" はダンス☆マンがアレンジに携わっていることから "LOVEマシーン" の括りで語られることが多いみたいですが、前作 "恋愛レボリューション21" の延長線上にある構成を持つ1曲で、似て非なるタイプの曲といえるかもしれません。"LOVEマシーン" が'70年代のファンクへのリスペクト&オマージュから始まり、そこにつんく♂の持ち味を振りかけた『歌謡ファンク』路線を決定づけた1曲だとすると、"恋愛レボリューション21" はそこから更に飛躍し、1曲の中にいろんな要素、いろんなタイプのメロディを詰め込んだ(あるいはコピー&ペーストした)『ヒップホップ要素を持った歌謡ファンク』路線と呼ぶことができると思います。この "ザ☆ピ~ス!" は正しくその路線を更に押し進めた作品で、次々といろんな要素が飛び出します。イントロでの歪んだドラムにラジオボイスでのアジテーション、続くチャールストン風メロディーを持った軽やかなポップ感覚、歌に突入すると急に従来の歌謡ファンク路線(ここではEARTH, WIND & FIREの "Boogie Wonderland" を元ネタにしてるのかな?)へと流れ、サビで再びメジャー感溢れるポップなメロディへと変化‥‥といったような感じで、イントロから1コーラス目だけでもこれだけの展開を持つんですね。しかもイントロで登場する「HO~ほら行こうぜ」というアジテーション風フレーズは所々に、いろんなアレンジを加えて登場するから、聴く人が聴けば「せわしない」とか「継ぎ接ぎだらけで、曲として成り立ってない」と酷評するかもしれません。しかし、この曲の凄みってやっぱりファンキーなバンドサウンドと豪華な生ブラスによって表現される、そういった継ぎ接ぎ感だと思うんですよね‥‥

  この曲でメインを取るのは、いつもの安倍なつみと後藤真希というツートップ、そして初のセンターとなる石川梨華の3人。歌う比重的には安倍・後藤のウエイトが高いんですが、何故か『石川のための歌』という印象が強いのは、彼女のフォトジェニック的要素の強さと、何よりも常に真ん中にいる時間が長いからでしょうね。そういったビジュアル面での強調と、歌中盤に登場するあのセリフ‥‥このインパクトが全てを決定づけているように感じます(逆にこのセリフ部分があるからダメ!って人もいるんでしょうね。初めてこの曲を聴いた頃の俺みたいに)。見方を変えれば、石川がいるからこそ成立する楽曲とも言えるでしょう。安倍・後藤だけじゃここまでの完成度(完成度?)に達しなかったんじゃないか‥‥そう思える程、石川の存在感が光る1曲。タイミング的にもバッチリだったんですよね、うん。

  一方、カップリング(というよりも既に両A面と呼べる) "でっかい宇宙に愛がある" は先にも書いたように、全員が終始ユニゾンで歌う歌謡ゴスペル調ナンバー。イントロのフェードインしてくるハモンドオルガンといい、ピアノが目立つバンドアレンジといい、曲中に挿入される手拍子といい、正しくゴスペルのそれをなぞっていると思われます。実際、"I WISH" にもその要素は十分感じられたんですが、あそこではその後のモーニングを担っていく若いメンバー(3期の後藤+4期の4人)を中心に据えて、各パート毎に代わる代わるソロを取っていく構成でした。しかし、ここでは常に全員(パートによっては半分に分けたり等してるが、常に大人数)でユニゾンを取る‥‥そこにこの曲の魅力があるんだと個人的には思っています。全員がユニゾンで歌うという意味では、"LOVEマシーン" のカップリング曲だった "21世紀" という楽曲がありますが、それともまた違った魅力がここには存在します(あれもある意味ゴスペルチックでしたしね)。歌の力、「歌う」ことの魅力、歌で何かを伝えるということ‥‥所謂「歌の原点」に立ち返った1曲であり、その歌詞の内容共々、当時のモーニングの全てを凝縮した1曲に仕上がっていると思います。単なるパーティーチューンでもなく、かといって説教じみてもいない。まぁ「24時間テレビ」という巨大な番組に起用されることで、またその意味合いも若干変わってしまったような気もしますが‥‥ぶっちゃけ、アイドル云々とか抜きにして泣ける曲だと思います。いや、俺は素で泣けるんだけどね、"I WISH" とかこの曲とか聴くと‥‥

  9人編成での唯一のシングルということで(=新メンバー加入前ということで)いろんなことが危惧されたと思うんですが、リリースから3年近く経った今でもファンから愛されているという事実を見れば、ここに収められた2曲は間違ってなかったということになるんでしょうね。そして、恐らくファン以外の層にとっても、この曲("ザ☆ピ~ス!")までが一般的に認知されている楽曲、モーニング娘。が国民的アイドルとして君臨していた時期最後の楽曲だったのかな、と‥‥。



▼モーニング娘。『ザ☆ピ~ス!』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2004 05 17 12:00 午前 [2001年の作品, ハロー!プロジェクト, モーニング娘。] | 固定リンク

2004/05/15

モーニング娘。『Mr.Moonlight ~愛のビッグバンド~』(2001)

  シンプルにカッコいい‥‥まさかアイドルグループの楽曲で、こんなに背筋がゾクッとする程のカッコよさを感じてしまうなんて思いもしなかった。最初チラッと聴いた時は「あちゃー、つんく♂迷走し過ぎだよ。モーニング娘。ヤバいんじゃないの!?」って感じたのに、いざCDを購入してちゃんと聴いてみると、これが‥‥本当、土下座して謝りたくなったもの。

  ‥‥これがリリース当時、2001年秋に俺が感じたこと。そう、このちょっと前に俺はモーニング娘。の世界にドップリ浸かり出しちゃったんだよね。で、この "Mr.Moonlight ~愛のビッグバンド~" はそんな俺が所謂「モーヲタ」の世界に足を踏み入れてから最初にリリースされたシングル。それだけでも思い出深いのに、更にこのシングルにはいろんな意味合いがあって‥‥例えば同年8月に加入した第5期メンバーの4人(高橋愛、紺野あさ美、小川麻琴、新垣里沙)を迎えての13人編成最初のシングルにして、通算13作目(!)のシングルでもある1枚。にも関わらず、その5期メンバーが一切ソロを取らない(コーラスのみで、実際にソロを取っているのは安倍なつみ、後藤真希、吉澤ひとみの3人のみ。他の10人は全てコーラスのみ)という異例の体制で臨んだ楽曲 "Mr.Moonlight ~愛のビッグバンド~"、それとは相反して13人が代わる代わるソロを取っていくポップでファンキーな "ポップコーンラブ!" の2曲から成るシングル。非常に面白い、且つ印象深い1枚です。

  鈴木俊介をアレンジに迎えた "Mr.Moonlight ~愛のビッグバンド~" は、ビッグバンドを迎えたロカビリーかスウィングジャズといった印象で、まぁぶっちゃけブライアン・セッツァーのイメージなんですよね。実際、そこを狙ってアレンジしたと思うんですが、これがかなり完成度が高い。当然リズム隊も生楽器だし(AIRのリズム隊をそのまま起用)ブラス隊も本物で、これがかなりゴージャス。ギターは鈴木本人によるものだけど、これがかなりブライアン・セッツァーを意識したプレイやフレーズの応酬で、聴いてて飽きさせない、というか単純にカッコ良い。うわー、って思ったもん。特にインスト・バージョン(CDシングルに入ってる、所謂カラオケ・バージョン)だけ聴いたら、何も知らなかったら絶対にモーニングの曲だと気づかなかっただろうなぁ(ま、今となってはそんなの不可能ですけど)。

  センターを安倍、後藤という安全パイの他に吉澤を起用したというのも面白い。歌唱力的にはふたりよりも相当劣る吉澤だけど、この楽曲のもうひとつのコンセプトである「宝塚チックなレビューショー」というビジュアル的要素を満足させるためには、どうしても必要だったパズルのピースが吉澤。この3人を男役にしてリードボーカルを取らせ、残りの10人に舞踏会で着るようなドレスを着せて、完全にコーラスとダンスに徹底させる。まぁコーラスとはいってもライヴ等ではリップシンクが殆どなんですけどね。

  ロカビリーやスウィングジャズ、ビッグバンドといった男性的な音楽アプローチと、宝塚を彷彿させるレビューショーと男役等といった女性的なビジュアルアプローチ。こういった徹底的なコンセプト重視の楽曲というのは、恐らくそれまでのモーニングのシングル曲では初めてだったと思いますが、個人的には大当たりだと思いますよ。まぁこの頃から世のモーニング離れがスタートしていったと言っても過言ではありませんが(5期メンバーに否定的な一部のファン、ネタ重視の楽曲、中澤裕子卒業後のアク抜きされたグループ、等々)、個人的にはこの曲から始まっているし(いや、正確にはこの直前のシングル "ザ☆ピ~ス!" から始まっているんですけどね)、所謂「"LOVEマシーン" 以降」あるいは「後藤加入以降(=第2期)」における、音楽的なピークへと達する一歩前なんですよね(そのピークとは、言うまでもなく名曲 "そうだ!We're ALIVE" のこと)。ま、勿論この曲も非常に完成度が高い、素晴らしい名曲のひとつなんですけどね。所謂コーラスグループとして成立していた「後藤加入前(=第1期)」、数々の初期メンバー脱退により主要コーラス要員を欠き、と同時に後藤という逸材を手に入れ、またキャラ重視の4期メンバーを得てビジュアル/コンセプチュアルな方向へとシフトチェンジしていった第2期は、この辺りでひとつの完成型にたどり着くのでした。と同時に、だからこそ初期の音楽的に優れていた、とよく言われる初期モーニング(例えばアルバム「セカンドモーニング」が最高と声高に叫ぶ輩等)を愛するファン達はこの前後からどんどん引いて行ってしまったのでしょうね。それも理解できますけどね。

  カップリング曲にも触れておきましょう。名アレンジャー・河野伸を迎えた意欲作 "ポップコーンラブ!" も生バンドに生ブラスを取り入れた、ファンキーな色合いを持つポップロック。実はこの曲、聞くところによると既に2000年末にはテレビで披露されていたようですね。2000年というと、まだ中澤在籍時。所謂「10人時代」ですが、何故当時の編成でこの曲をリリースすることがなかったのかが気になりますが‥‥まぁあれでしょう、中澤の卒業とか、ベスト盤(「ベスト!モーニング娘。1」)の記録的ヒット等でリリース自体が流れてしまったのか、単純に満足いく内容に達しなかったのでお蔵入りになったのか‥‥真実は闇の中ですが、最終的には1年の時を経て、13人編成で新たにボーカルを録音し直して世に出されたことを素直に喜ぶべきでしょうね。

  この曲での5期メンバーのボーカルを聴いてしまうと、何故今回シングルのタイトルトラックで彼女達がソロを取ることがなかったのか、そしてそういう曲を起用しなかったのかが何となく伺えます。思えば4期メンバーだって一番最初は "ハッピーサマーウェディング" で、同じようにコーラスだけでしたからね。加入決定からリリースまでほぼ2ヶ月、実質レコーディングに臨んだのは加入後1ヶ月辺りでしょうからね‥‥そりゃねぇ。まぁそんな裏事情は普通の人には計り知れませんし、文句のひとつも出るでしょう‥‥ま、だからこそ続く "そうだ!We're ALIVE" に狂喜し、感涙したわけですが。

  最近でこそ打ち込み主体の楽曲がシングル曲として起用され続けてますが、実はカップリング曲含めて「生バンドによるバックトラック」を起用したシングルって、"恋愛レボリューション21" から "そうだ!We're ALIVE" までの4作連続だったんですよね。勿論、その直前のシングル "I WISH" が2曲共打ち込みだったからダメかというと全然そんなことなく、むしろ先の4作に匹敵する名曲度なわけでして。個人的には "LOVEマシーン" がピークなのではなくて、むしろあれはひとつの起爆剤であり、本当の快進撃はこの "I WISH" からスタートしたんだと解釈しています。

  というわけで、未だに聴く機会が多いのも、この辺りのシングルや、それらを収録したアルバムばかり。どうしてもこの頃のインパクトが強いから、未だに「ソレ」を今の彼女達に求めちゃうんですよね‥‥酷だとは思うんですが。



▼モーニング娘。『Mr.Moonlight ~愛のビッグバンド~』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2004 05 15 12:00 午前 [2001年の作品, ハロー!プロジェクト, モーニング娘。] | 固定リンク

2004/05/13

モーニング娘。『浪漫 ~MY DEAR BOY~』(2004)

  安倍なつみ卒業後、最初のシングルとなる今回の「浪漫 ~MY DEAR BOY」。前作「愛あらば IT'S ALL RIGHT」から約4ヶ月振り、通算22枚目のシングル、という以上の重みを感じさせる1枚なわけだけど‥‥正直レビューしようかどうか、現物(CD)を聴くまで悩んでたのよ。いや、悩んでたというか、やらない方向で考えてたし。正直な話、「ヲタの神経を逆撫でるようなことしか書けねぇなー」とか思ってたもんで。

  で、今はどうかというと‥‥ぶっちゃけ、この曲のテレビパフォーマンスって最悪だよね? 口パクだとまだいいけど(いやよくないが)、実際に歌われちゃうと‥‥センターの3人‥‥藤本美貴、高橋愛、そして問題の石川梨華‥‥この最後の人が何故センターで歌ってるのかホント疑問で。いや、ルックス面でってのは理解できるんだけど、先の2人と比べると、実力的に明らかに数歩劣るわけじゃない? 藤本はもう一行歌っただけでその場の空気が一変するだけの魅力を持ってるし、高橋はまぁその域まで達していないものの、それでもかなり実力をつけてきたと思うし(この子の場合、同じ曲でも回数歌わせると最初の頃と全然違う位に成長してるしな)。なのに石川‥‥本当にこの曲に必要だったの!? 安倍抜きのモーニング娘。第4期(後藤加入前までを第1期、後藤加入後~卒業までを第2期、後藤卒業から安倍卒業までを第3期と考えた場合ね)最初の曲がこれで本当に良かったのかなぁ‥‥俺には未だにその答えが正しいのか間違っているのか、判断がつかずにいます。

  お馴染み鈴木俊介をアレンジャーに迎えたタイトルトラック、"浪漫 ~MY DEAR BOY"。特に30代の方々なら一聴して判るように、今回の曲調は明らかに'80年代中盤の、レベッカやバービーボーイズ、あるいは氷室京介のソロ楽曲からアイディアを拝借しています。今年に入ってからのつんく♂作品は松浦亜弥の "奇跡の香りダンス。"、モーニング娘。おとめ組の "友情 ~心のブスにはならねぇ!~" といった楽曲がそれぞれボウイ(というか布袋寅泰作品)やブルーハーツといった'80年代の日本を代表するロックからアレンジのアイディアを拝借しています。しかもおとめ組の楽曲同様、この曲の演奏をしてるメンツがね‥‥ギターとプログラミング(リズムトラックは打ち込み)が鈴木俊介、ベースが元リンドバーグの川添智久、ソプラノサックスが元バービーボーイズのKONTA、キーボードが元レベッカの土橋安騎夫という徹底振り。これでドラムが元ボウイの高橋まことだったらもっと笑えたんだけど(いや笑うとか笑わないの問題じゃないし)。

  KONTAのソプラノサックスのせいか、全体的な印象がどうにもバービーボーイズのそれっぽいんだよね。歌メロ(特にBメロ~サビの辺り)は氷室っぽいし、要所要所に挿入される印象的なパーカッションはレベッカっぽいし‥‥う~ん、この2004年という時代に、つんく♂は何がやりたいのでしょうか? 一周回って「新しいやん?」とでも言うのでしょうか? いや、違うから。一周どころか、既に3周くらいしちゃってて、ちょっと飽きがきてるから。

  いやね、テレビパフォーマンスでは印象最悪だったこの曲。ライヴにてフルコーラスで聴いたら、印象がかなり良くなったんだよね。あと、ああいうアリーナクラスのステージで観ちゃうと、どうにもね‥‥ぴったりっつうか? うん、上手いこと誤摩化されてるな俺。

  でもね‥‥やっぱり書いておくよ。決して悪い曲だとは言わないけど、正直これ聴いちゃうと "Go Girl ~恋のヴィクトリー~" や "愛あらば IT'S ALL RIGHT" ですら名曲に聞こえてきちゃうんだからホント不思議。そうか、今度の曲にはそういう効果があったのかっ!!!

  ‥‥いや、ホントさ。これ以上レベルを下げていってどうするよ? ミニモニ。やBerryz工房の楽曲が水準以上だったことを考えると(それでもモーニングが歌えば並止まりなんだろうけどさ)、明らかに不遇時代まっしぐらって感じだよね。本当、どうなっちゃうんだろう‥‥考えれば考える程に憂鬱になってくるよ。

  ところがね、そんな「もうだめぽ」的精神状態をほんのちょっとだけ回復させてくれたのが、カップリング曲の "ファインエモーション!" だったというね。これが「サイコー!」とまでは言い切れないものの、なかなか良い佳曲だったもんだからさ。アレンジはお馴染み鈴木Daichi秀行。"浪漫 ~MY DEAR BOY" にも通ずる'80年代色を若干みせつつも、小気味良いポップロック調に仕上がってて、これまでのモーニングから想定できる範疇内のイメージもあって、かなり好印象。まぁ決してシングルの表題曲になるタイプの曲とは言いがたいけどさ、それでもカップリングとしては十分合格といえる出来だと思うよ。まぁね、全盛期('99~'01年)のそれと比べればねぇ‥‥そりゃ比べるだけ酷ってもんですよ。個人的にはかなり好きなタイプの楽曲。これをもっと丁寧に仕上げてポップス調に味付けすれば、もしかしたらシングルのタイトルナンバーとしていけたんじゃないのかな‥‥なんて思えちゃう程、好き‥‥と書けば、判ってもらえるでしょうか。あー何かまた首の皮1枚で繋がった感じ。ちょっと嫌な感じだなぁ‥‥

  もうね、これはシングルとしては‥‥絶対にヒットしないと思う。いくら初回盤にポスター5枚&イベント券封入したところで、そんなの買うのはヲタだけだし、そのヲタにすら見捨てられつつあるからねぇ(そう考えると、ジャニーズのファンって本当に凄いと思う。毎回初動で10~20万枚以上記録してるんだから)。"Go Girl ~恋のヴィクトリー~" 並、いや、下手したらあれを下回る可能性もあるよな‥‥だって、今の彼女達にはマイナスポイントはいくらでもあるけど、セールスポイントは‥‥「負」の要素しかないんだから。もはや「負」の要素をセールスポイントにするしか道はないのかね‥‥いやね、こんなこと書いてるけど、こころのどこかでは「国民的アイドルよ、再び!」とか叶わないだろう夢を信じてるのよ。100%ないとは判ってるんだけどね‥‥。



▼モーニング娘。『浪漫 ~MY DEAR BOY~』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2004 05 13 12:00 午前 [2004年の作品, ハロー!プロジェクト, モーニング娘。] | 固定リンク

2004/01/25

モーニング娘。『愛あらば IT'S ALL RIGHT』(2004)

  いろいろ小難しいことでも書こうかとか、モーヲタ・サイドに寄りかかった生温い好意的なレビューを無理して書こうかとか、この日を迎えるまで散々悩んだのですが‥‥ゴメン、やっぱり無理! もう俺には無理だから!

  モーニング娘。21枚目、安倍なつみ在籍時正真正銘のラストシングル、「愛あらば IT'S ALL RIGHT」。タイトル曲 "愛あらば IT'S ALL RIGHT" はタイプとしては‥‥多分 "I WISH" や "でっかい宇宙に愛がある" といった名曲達と比較される運命にあると思うんですが‥‥アレンジは小西孝雄。彼のアレンジ曲にしては成功してる部類に入るんじゃないでしょうか。そしてカップリングに異色作 "出来る女" は鈴木俊介によるアレンジ。ちょっと風変わりで演劇チックというかオペラ風な雰囲気が漂った、まぁ早い話が「QUEEN」風。これまでだと永井ルイの十八番だったわけですが、最近ハロプロとの関係が切れたのか全く彼が参加することがないので、代わりに‥‥といったところでしょうか。ちゃんとブライアン・メイ風のギターまで登場するし。ま、カップリングとしては面白味を存分に感じた1曲でした。

  以上。


  ゴメン、本当に書くことがないんだ‥‥だってさ、少なくとも俺にとっての『なっちがいる「モーニング娘。」』は、前作 "Go Girl ~恋のヴィクトリー~" で一旦終了してるし、俺の中でも完結してるし。正直、あそこで終わった方がキレイだったと思う。なのに、ファンというのはいつでも自分勝手で我が儘なもんで、「あんな曲でなっちを卒業させるのか?」とか「もう1曲、なっちらしい曲で‥‥」とか言いたい放題。気持ちは判らないでもないけど‥‥そんなのは「安倍なつみのソロ」でやってくれ、俺は「モーニング娘。」が聴きたいんだよ。勿論、この "愛あらば IT'S ALL RIGHT" って曲もモーニング娘。なんだけど、何故こうも「聴き手に届かない」曲で彼女を送り出そうとするのか、そして「卒業」を「企画」として重んじるばかりに、残された14人の今後を蔑ろにしている点が凄く嫌な感じで気になるんですよ。

  "AS FOR ONE DAY" の時も少しは気になっていたんですが、何故メンバーが卒業する直前に新曲を出すのだろう?って。それって売る側としては「話題になるし、セールス的にも期待できる」ってことなんでしょう。送り出される側にとっても思い出になる1曲として記憶に残るでしょう。けど、モーニング娘。はその先もずっと続いて行く。その曲は卒業するまでの、ほんの数日の為の「中継ぎ」でしかなく、そのメンバーが抜けた後、我々は改めてその「穴」の大きさを思い知らされるわけです。幸い、"AS FOR ONE DAY" の時は保田圭の穴を藤本美貴が加入することでことなきを得ましたが、今回の場合は新しい要素で穴埋めすることはできません。残された14人でフォローするしかない。そうなると、絶対に、否が応でも思い知らされる「安倍なつみの喪失」。これって、今後のモーニング娘。にとってプラスになることなの?

  去って行く安倍には悪いけど‥‥この曲はむしろ、安倍が抜けてすぐに出すべき1曲だったんじゃないかな、と思いました。ま、歌詞の面で多くのファンが安倍と重ねて合わせて感涙してるのも理解できなくはないですが、何か俺、上手く誤摩化されているような気がするのよ。だから素直に受け入れることができない。「ひねくれ者!」とか「ファン失格」とか言われてもいいんだけど、やっぱり安倍体制で出すべきじゃなかったと思います。これは残された14人に対する裏切りだと思います。


  ‥‥なんてこと言っても、それは全部「モーヲタ」という狭く閉じた世界での話。一般の、モーニング娘。に必要以上の思い入れがない音楽ファンにとっては、正直どうでもいい話であり、またこの曲も「以前程伝わってこない」アイドル歌謡の1曲に過ぎないわけです。上に書いたように、この曲の歌詞に心揺さぶられるのって、結局モーニングにある一定以上の思い入れがある、あるいは彼女達を好意的に捉えている人達だけなんですよ。"ここにいるぜぇ!" 辺りから鼻につき始めた「躁過ぎる程の前向きさ・人生応援ソング」的歌詞。一見「意識革命」だったり「人生って素晴らしもんだよ」といった肯定的な内容で「外に」向かっているように取れるんですが、実際には「内に」向かっているように感じるんですよね。いや、リリース当時はそこまで考えもしなかった(そして俺もその「内側」のまっただ中にいたから気づきもしなかった)けど、その後リリースされたアルバム「No.5」を聴いて、どうにもそれが鼻につき始めて。だから、自分の中では "AS FOR ONE DAY" や "シャボン玉" は、そういった空気を打破する意欲作と受け取っていたんです。でも、実際にはそれさえも「内側」だけの話で終わってしまい、結局開き直って "Go Girl ~恋のヴィクトリー~" にたどり着く‥‥ま、相変わらず勝手に分析・妄想してるわけですが。そういった意味で、この "愛あらば IT'S ALL RIGHT" って同じように「内に」向かって歌われているように感じられるんですよ。だから「外側」には届かない。いや、届いたとしても正確には通じていない、曲解されて終わり。最初聴いた時にそういうイメージが強かった、だから呆れたし、怒りを覚えたんですよ、この曲に。

  ぶっちゃけ、世間一般では別に安倍なつみが卒業しようが「俺の生活が変わるわけでもない」し、もう名前知ってるメンバーも少ないし、辻加護もそろそろ辞めるようだし、ああ終わりだね‥‥程度の存在でしかない。何か面白いことをテレビでやっても、以前のように面白がられることもなく、歌われる楽曲に心動かされる人も少なく、安倍卒業企画で涙する矢口真里の姿を観て「卒業の度に嘘泣きとか大変そうですよね?」と醒めた感想をこぼす‥‥これが自分の周りにいる人達の、素直な感想なわけ。この半年で、本当に彼女達に対する世間の興味は薄らいでいます。卒業と増員でしか話題作りできないアイドルユニット、それが現在のモーニング娘。なんです。それが現実。


  ただ、以前程の興味は持てないものの、それでも「モーニング娘。」という存在と、彼女達が歌う楽曲は好きな自分が、まだここにいる。安倍の姿がないモーニングを実際に目撃して、その興味は更に弱いものになるのかもしれない。けど、苦言を呈しながらも、好きな者達を最期まで看取る覚悟はできてます。きっと今後の「とみ宮」での新曲レビューは、モーヲタにとって耳の痛い内容になるのかも‥‥一緒に地獄まで行く覚悟ができてる人だけ、今後もお付き合いいただければ、と思っております。興味があまりない、沢山あるレビューの中のひとつとして読んでいる方々は、暖かく見守ってやってください。立ち位置は以前と違うものの、2004年もモーニング娘。及びハロー!プロジェクトを応援していくつもりですので‥‥。



▼モーニング娘。『愛あらば IT'S ALL RIGHT』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2004 01 25 12:00 午前 [2004年の作品, ハロー!プロジェクト, モーニング娘。] | 固定リンク

2003/12/27

ハロー!プロジェクト『プッチベスト4』(2003)

  というわけで、毎年恒例となった「プッチベスト」シリーズの第4弾。年々、当初の意味合いから少しずつ外れてきてるような気がしてたんですが、今年の「プッチベスト4」収録曲を見てもらえば判るように、完全に『YOUNG PERSON'S GUIDE TO ハロー!プロジェクト』の役割を果たしていないと思うんですよ。単なるオムニバス、今年リリースした曲の寄せ集め。しかも、現時点ではモーニング娘。以上に影響力を持っていると言っても過言ではない松浦亜弥と、2003年最も活躍したといえるであろう後藤真希の楽曲が収録されていない。多分、来年早々彼女達のアルバムがリリースされるからカットされた‥‥という政治的理由があるのかもしれません。同じような理由で安倍なつみもソロシングルではなくて企画モノの方が収録されている、等々‥‥不透明な部分が多々あるんですが‥‥まぁ2003年のハロープロジェクトを振り返るという意味も込めて、1曲1曲簡単にコメントしていきますか(何か今年の年末って、振り返ってばかりだな、ハロプロに関しては)。


●M-1:壊れない愛が欲しいの / 7AIR
  7月リリースのシャッフルユニットEPより。レビューはこちら。個人的にはやはり3組の中で一番テンション的に落ちるかな、と。けどどれもここ数年のシャッフルの中ではかなりレベル高い方なんですけどね。そんな中での3番手。あくまで俺の中でね。

●M-2:GET UP! ラッパー / SALT5
  同EPより。レビューはこちら。バックトラックが一番好きなのがこの曲。EPのバックトラック(カラオケ)で一番聴いたのが、実はこの曲。松浦がサードアルバムの中でこの曲をソロで歌うようだけど(既にライヴでは披露済み。ま、あの時は稲葉貴子とのデュエットだったけど)、これをひとりで歌うのはかなりキツイんじゃないか‥‥と。

●M-3:BE ALL RIGHT! / 11WATER
  同EPより。レビューはこちら。一般的に一番人気があったのがこの曲みたいですね。最も「モーニング娘。らしさ」を伝承してるのがこの曲なのかな、と。俺も好きですけどね。

●M-4:晴れ 雨 のち スキ♡ / モーニング娘。さくら組
  9月リリースの「~さくら組」名義のファーストシングル。レビューはこちら。時間が経ってみて気づいたけど、音がちょっと良くない気が‥‥シンバル系の音にちょっと難あり。ま、それが楽曲の良さに影響するとは思いませんけど。やっぱりバンドサウンドで聴きたかった1曲。

●M-5:愛の園 ~Touch My Heart!~ / モーニング娘。おとめ組
  9月リリースの「~おとめ組」名義のファーストシングル。レビューはこちら。これもリズム隊、生バンドにすべきでしたよね。江川ほーじんがあんなに素晴らしいベースを聴かせてくれているのに。勿体ないです。曲もホントに良かったのにさ。

●M-6:行くZYX! FLY HIGH / ZYX
  8月リリースのファーストシングル。レビューはこちら。"白いTOKYO" を聴いてしまった今となってはちょっと個人的に軍配は後者に挙がるんだけど、それでも今年のハロプロを代表するナンバーだと思いますよ。いろんな意味で今年は「キッズの躍進」の年だったんだな、と。"がんばっちゃえ!" から始まってたんですよね、全部(その曲を外した時点で、このコンピ盤の意味合いが弱くなってる気が)。

●M-7:SEXY NIGHT ~忘れられない彼~ / ROMANS
  8月リリースのファーストシングル。レビューはこちら。何だかんだ言われながらも、やっぱり好きです、全てにおいて。勿論、カップリング曲 "ロマン" の方がもっと好みなんですけどね。第2弾は本当にあるんでしょうか‥‥

●M-8:FIRST KISS / あぁ!
  10月リリースのファーストシングル。レビューはこちら。文句なしの名曲。普通にポップスとして十分機能してると思う‥‥だけに、現状に泣けてくる。一般層からも無視され、ヲタからも無視され。多分2~3年後に大絶賛されてるような気が。つうかここまでのアルバムの流れ、かなり良くないですか? 自分が作ったCD-Rとほぼ同じ構成なのでビビッたもん(自分の場合、この後にミニモニ。の "CRAZY ABOUT YOU" を入れるんですけどね)。

●M-9:浮気なハニーパイ / カントリー娘。に紺野と藤本(モーニング娘。)
  7月リリースの「~紺野と藤本」名義のファーストシングル。レビューはこちら。怪作とか迷作とかいろいろ言われたこの曲、今更的ユーロビート&パラパラサウンドが玉に瑕だと思ってたけど、やっぱりこのバランス感が良かったんだね。意外とあさみの声がこういう曲に合ってることにも気づかされたし(って今気づいたんですが)。

●M-10:チャンス of LOVE / メロン記念日
  5月リリースの9枚目のシングル。レビューはこちら。よりによって、何でこの曲選ぶかなぁ~? 普通 "赤いフリージア" じゃねぇの? (メロン的に)大ヒット曲ですよ!? アルバム未収録曲を選んだ結果だというのはよく判るんですが、このセンスの駄目さ加減がハロプロ及びアップ・フロント・エージェンシー最大の欠点なんだよね。

●M-11:WOW WOW WOW / プッチモニ
  お蔵入りしていた、第3期プッチモニのファーストシングルとなる予定だった曲。今回初出にして、このアルバムの売り要素。'03年正月ハロプロコン及び同年春のモーニング娘。ツアーにて披露されていたこの曲、やはりアレンジが少し変わってる気が。ギターが重厚になってるし(多分)‥‥気のせいかしら? 最初の印象だと、もっとチープなイメージがあったんだけど‥‥まぁチープには違いないんですが、それでも許せるチープさだと個人的には思います。全部ギターに誤魔化されてる気がしないでもないけどね。

●M-12:ミニモニ。数え歌~お風呂ば~じょん~ / ミニモニ。
  5月リリースの7枚目(ミニハムず名義を含めれば9枚目)のシングル。ゆきどんを除けば俺が今年唯一買わなかったシングル‥‥かな? ミニモニ。ものは買ったり買わなかったりなんですが、正直この曲に対しては俺、かなりの嫌悪感があったんですよ。子供相手のユニットであるミニモニ。というのは理解できるのだけど、いくらなんでもこれは子供をバカにしてないかい?という疑問があって。未入学児あたりなら受け入れられなくもないだろうけど、小学生がこれ聴いてどう思うか‥‥結局彼女達のCDを買ってくれるのって、大人のファンか、そういった小学生児童なわけでしょ? その人達が買って恥ずかしくない作品かこれは!?っていうね‥‥ちょっと度が過ぎるぞ、つんく♂よ、とずっと感じてたわけ。
  けどね、今回このアルバムで、初めてちゃんとしたCD音源で聴いてみると‥‥思ってた程悪くなかったんですよ。まぁ確かにこの歌詞はやっぱりないよな‥‥って気持ちは変わらないですが、バックトラックや曲自体には特に文句ないんですよね。むしろミニモニ。にしては普通過ぎるくらい。そして "CRAZY ABOUT YOU" を通過した後だからこそ、この振り幅こそミニモニ。なんだな、と改めて実感したわけです。まぁだからといってシングルを買ったりはしないでしょうけど。

●M-13:母と娘のデュエットソング / おけいさんと安倍なつみ(モーニング娘。)
  5月リリースの企画ものシングル。レビューはこちら。改めて聴くと、なっちの歌声が凄く良いんですよ。"22歳の私" や "ピ~ヒャラ小唄" での歌声や歌唱法って、レコーディング方法の影響もあるでしょうけど、とにかく「重い」んですよ。ベッタリしてるというか。それと比べると、ここで聴けるなっちの歌声、本当に楽しそうで自然体。俺がこの曲を評価してるのって、実はそういった所が大きく影響してるのかもしれませんね。そして、今後はそういった「安倍なつみ」をもっと観たい/聴きたいと思うんですけどねぇ‥‥アルバム、期待してます!

●M-14:GET ALONG WITH YOU / 中澤裕子
  5月リリースの8枚目のシングル。レビューはこちら。最近ステージからまた離れつつありますが、来年2月には早くも新曲が。ホントに、ホントーに、そろそろアルバムお願いします。いい曲があんなに貯まったじゃないですか!

●M-15:東京きりぎりす / 前田有紀
  7月リリースの4枚目のシングル。「zetima」移籍後初の作品。移籍したからってわけじゃないでしょうけど、今年からシャッフルにも参加してるから、その兼ね合いもあってアルバムにも初収録。過去にもライヴオンリーであか組4に参加した経緯があるんですが、それを別としても今回の参加は興味深いですね。そしてこの曲。中澤の演歌時代の曲と比べると、演歌度が低い気が。バックトラックが薄っぺらいのは仕方ないとしても、メロとかは意外とポップス/歌謡曲の範疇なんですよね。勿論、そっち方面を狙った作品だとは思うんですが。これなら確かに若い子がハロコンとかで聴いても口ずさめるわな。

●M-16:夏 LOVE ロマンス / ハロー!プロジェクト
  今回初出の楽曲。ハロプロ勢全員で歌っていること、バックトラックが夏っぽい(スチールドラムやウクレレが登場したり、タイトルにも「夏」の文字が)ことから、"OH! BE MY FRIEND" ではなくて本来は実はこっちがシャッフルEPに収録される予定だったんじゃないかな?という気がするんですが、如何でしょう? で、この曲。いいんですよね、全体的に。飛び抜けて素晴らしいとは言いませんが、如何にも河野伸らしいアレンジで、非常に好感が持てる1曲。ピアノがカッコイイですよね、特に。モーニング娘。のアルバム曲として聴きたかったかも。

●M-17:シャボン玉(asia mix) / モーニング娘。
  7月リリースの19枚目のシングルの、リミックス・バージョン。オリジナル・テイクのレビューはこちら。毎回お馴染みのリミックスですが、これまでは原曲のイメージを残しつつ味付けするといった作風が多かったんですが、今回はかなり解体/再構築して遊んでる気が。いきなり石川のセリフから始まる辺り、ちょっとした悪意さえ感じてしまいますよ‥‥いやいや、俺はこれ好きですね。自分でDJの真似事とかする時には是非使いたいと思います。


●総評
  というわけで、全曲駆け足で解説してきましたが、如何でしたでしょうか? こうやって1枚にまとまって聴いてみると、必然的に今年を振り返ってしまうわけですが‥‥やはり何度も言うように、2003年って‥‥特に中盤辺りから‥‥そんなに悪い年でもなかったような気がするんですよ。初頭はアルバム連発で、ちょっと厳しい楽曲も多かったりしましたが、結果良ければ全て良しじゃないですが、個人的には2002年以上に平均的に楽しめたかも。ただ、突出した楽曲がなかったのも今年の象徴ですね。去年でいったら "そうだ!We're ALIVE" だったり "Yeah!めっちゃホリディ" だったり "さぁ!恋人になろう" といったタイプの曲がね。全体的に "香水" とかその辺の流れに行きつつあるという。それはそれでいいと思うんですが、やはり多くの人は前者的な楽曲を求めてるようですし、バランス的にもそろそろそういった「大きな一発」が欲しいところ。

  で、やっぱり選曲的にはこれが正解とは思えないよなぁ。去年の「プッチベスト3」の方が選曲だったらまだ良かったように思うんですが‥‥これからハロプロ聴こうって人に対してはオススメしません。ある程度好きで普段シングルとか買わない人、ある特定のユニットだけ追ってて他のユニットには興味もなければシングル1枚も持ってない人とか、そういった人にはオススメできるけど。

  でもね、いざ聴いてみると‥‥普通に聴けちゃう。いや、カタログとしての意味合いは薄いけど、ただ鳴らしておく分には凄くいいアルバムだと思います。だっていい曲ばかりだし。真剣に聴く作品集ではないけど、まぁパーティーアルバムですよね。これで松浦の "ね~え?" と後藤の "うわさのSEXY GUY" か "スクランブル" が入ってたら文句なしだったんですけどねぇ‥‥

  というわけで2003年、「最後のハロプロ論」をお送りしました。おしまい。



▼ハロー!プロジェクト『プッチベスト4』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2003 12 27 12:00 午前 [2003年の作品, ROMANS, ZYX, あぁ!, カントリー娘。に紺野と藤本(モーニング娘。), ハロー!プロジェクト, プッチモニ, ミニモニ。, メロン記念日, モーニング娘。, 中澤裕子, 安倍なつみ] | 固定リンク

2003/11/06

モーニング娘。『Go Girl ~恋のヴィクトリー~』(2003)

  いきなりこのサブタイトルを見て、驚く人が多いんじゃないでしょうか。けど早とちりしないで、ちゃんと最後まで読んでくださいね‥‥

  モーニング娘。通算20枚目のシングルは、初期メンバーである安倍なつみを含む15人編成での、恐らく最後になるであろう1枚。タイトル曲 "Go Girl ~恋のヴィクトリー~" は近々開催されるハロプロ運動会でのフットサルと連動した(また同時期に松浦亜弥主演のフットサルをテーマとしたドラマも放送)、ある種「企画モノ」と呼ばれても仕方ないかな‥‥というような楽曲。ま、内容自体はフットサルとあんまり関係ないんですけどね。カップリング曲 "恋 ING" 共々作詞・作曲・プロデュースはつんく♂、アレンジは両曲共にお馴染み鈴木Daichi秀行。まぁファンなら一聴してそれと判るアレンジなので、今更説明するまでもないですが‥‥

  本題に入る前に、各曲の簡単な説明を。タイトル曲 "Go Girl ~恋のヴィクトリー~" は各メンバーのソロパートが一切ない、最初から最後まで全員(パート毎に3~4人)でユニゾンで歌われる、「15人全員がセンター」なユーロビート調ダンスチューン。初めて聴いた時(10/5の横浜アリーナ)はもっと「レイヴ調」とか感じてたんだけど、完全に勘違い。あれは横浜アリーナという大会場で、大音量で体験したことによる影響かな、と。ライヴだともっと全体的にリバーブが強めに掛かってたような記憶があったし、更に低音もきいてた。けどこれがCDとなると、本当にスカスカなのね、良い意味でも悪い意味でも。確かに意図的に低音を強調して、ちょっと深めのリバーブをかけてあげると全体的に面白味が増すんだけどね。

  曲自体は悪いとは思わないよ。いや、第一印象はかなり悪かった。というより、全然印象に残らなかった。こうやってCDでのフルレングスで聴いてみると、何故印象に残らなかったのかが判った気がした‥‥メインとなるサビ(歌い出しのパートね)がライヴやテレビ等で歌われるショートバージョンだと、頭と最後にしか出てこないのね。ショートサイズだと「イントロ~サビ~Aメロ~Bメロ~間奏~Bメロ~サビ繰り返し~エンディング」という感じで、折角キャッチーなサビを持っていても殆ど反復されることがないので、そこまで頭に残らない。せめて間奏に行く前にもう1回このサビがあるだけでも全然違うんだけどね。個人的には "Mr.Moonlight~愛のビッグバンド" 以降のシングル曲ってショートサイズでは魅力が半減以下という傾向が強いと思ってるのね。それが上手く作用してくれればいいんだけど、今回に関しては(個人的には)最悪かな、と。

  そういうこともあって印象が悪かったタイトル曲とは相反して、カップリング曲 "恋 ING" ‥‥これがなかなかの佳曲で。「4th「いきまっしょい!」」 収録の "何にも言わずにI LOVE YOU" やさくら組の "晴れ 雨 のち スキ♡" の流れを組むバラードナンバーなんだけど‥‥悪い言い方をしてしまうと「さくら組のアウトテイク」かな、なんて気も。要するに、上記のようなバラード曲が気に入っている人なら間違いなく気に入る1曲だと。俺ですか? ええ、タイトル曲よりも気に入ってますよ。しかもこの曲って、メインを取ってるのが5期&6期メンバーなんですよね。高橋愛や藤本美貴、田中れいな辺りの声が目立ってますが、サビでのユニゾン以外はそういった「ゴロッキーズ」によって歌われているわけですよ。

  そうしたゴロッキーズによって歌われるこの曲、これがね、本当にいい感じなんですわ。新鮮というのもあるけど、それ以上に安心して聴いていられる。例えばここに4期が加わると‥‥個人的には苦手な部類に入る加護亜依の甘ったるい声や石川梨華による‥‥いや、止めておこう。そういった要素が加わることで確かに「モーニング娘。」らしくなるのかもしれないけど、俺は今回の冒険(ゴロッキーズがメイン)、評価したいと思います。


  ‥‥こんなもんでいいですか、曲解説は? というわけで‥‥ここからが本編。先に書いておきますが‥‥他人が書くことに対して「他者の意見」として冷静に受け止められないような人は、ハッキリ言ってこの先、読まない方がいいと思います。絶対に誤解すると思うんで。ここから先は‥‥俺個人の感想であり、妄想であり、そして身を切るような思いで綴るひとつのけじめです。


  この曲("Go Girl ~恋のヴィクトリー~")を最初に聴いた時、それはもう暗い気持ちになりました。けど「初見の印象が悪くても、CDでのクリア音源で聴けばまた印象も変わるだろう」と思い、とにかくリリースまでの1ヶ月、ネットで流出音源を拾うこともなく、静かに待つことにしました。

  しかし、リリースの数週前からテレビの歌番組への出演が始まり、意識的に観ないようにしていた俺も結局誘惑に負けて観て/聴いてしまうわけです。

  2度目、テレビで歌う姿を観て感じたこと。正直な気持ち/感想です。

  真面目な話、今この曲が
  「モーニング娘。のラストシングルです」
  と言われても、俺は信じてしまうよなぁ、と。

20枚目という「区切り」、敢えてソロパートやセンターポジションを設けない「15人によるユニゾン」、「モーニング娘。のマザーシップ」と例えられた安倍在籍時のラストシングル、何となく「地に足が着いた」ようなイメージ、等々‥‥そういった要素もあって、俺の中でこの曲が「モーニング娘。最後の曲」のように感じられたんです。

  これまでのモーニング娘。のシングル曲って(特に "LOVEマシーン" 以降)非常に振り幅の大きいものだったはずなんですよ。けどこの曲って彼女達特有の「過剰さ」が一切感じられない、「ド真ん中」にある曲なんですよね。良く言えば「親しみやすい/キワモノ要素が殆どない/キャッチー」、悪く言えば「毒がない/印象が薄い/聴き流せる」等(勿論この辺は個人の解釈ですからね)。少なくとも俺が彼女達に求めるのはそういった「過剰さ」‥‥KISS風に言えば『Larger Than Life』なわけですよ。

  この感覚こそが「今のモーニング娘。」なんだ、と言われてしまえばそれまでですし、何の反論もないんですが‥‥だからこそ、上に書いたような要素と相俟って「ああ、ラストシングルっぽいよな?」と思えてきたんですね。あの歌う姿やPVでの笑顔‥‥湿っぽいのが似合わない彼女達なりの、「モーニング娘。のお葬式」だな、と‥‥

  安倍なつみがモーニング娘。にとってどんなに偉大だったか、それは皆さんご存じの通り。現時点でまだ彼女は残っているので「安倍がいなくなったモーニング娘。」というのが想像つかないわけですが‥‥その片鱗を伺わせるのが、カップリング曲 "恋 ING" だったのかなぁ、と。初期メンバーや矢口真里、そして4期メンバーという今や誰もが思い浮かべることができる「モーニング娘。の顔」を敢えて外し、これからを支えていくであろう5期・6期にメインを取らせる‥‥もう後藤真希も保田圭もいない『モーニング娘。』。まだ飯田圭織や矢口は残っているものの‥‥やはり安倍の卒業はモーニング娘。に関わる全ての人々にとってひとつの節目であり、ひとつの区切りだと思うんですね。勿論、モーニング娘。自体はこの先もまだ続いていくでしょう。けど、少なくとも『モーニング娘。』はこのシングルで終わるんだなぁ‥‥と。そういった感慨深い想いが、テレビでこの曲を聴いた後からずっと付きまとっていたわけです。そしてこれを文章としてアップすることにずっと躊躇していたことも‥‥

  多分ここまで読んで、本気で怒っている人もいると思います。けど、これが俺の偽らざる気持ち。やはり「けじめ」として公開しておくべきだな、と判断してレビューにこの妄想ともいえる駄文を付け加えることにしました。

  さよなら、俺が大好きだった『モーニング娘。』。これからもずっと聴き続けるだろうけど、ここで一度ちゃんと言っておくよ。ありがとう。そして、さよなら‥‥。



▼モーニング娘。『Go Girl ~恋のヴィクトリー~』
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投稿: 2003 11 06 12:00 午前 [2003年の作品, ハロー!プロジェクト, モーニング娘。] | 固定リンク

2003/07/31

モーニング娘。『シャボン玉』(2003)

  前作「AS FOR ONE DAY」から約3ヶ月振り、通算19枚目にして6期メンバー(藤本美貴、亀井絵里、道重さゆみ、田中れいな)を含む15人体制での最初のシングルとなる「シャボン玉」。冒頭からいきなり言い切りますが、これはかなりいい曲。いや、かなりとかそんな柔らかい表現はいらないか‥‥いい曲。それで十分。

  まず、この曲ではサウンド、そして歌詞の両面において、過去のモーニング娘。からは考えられないような実験的要素を強く感じます。ま、実はその伏線というのは前作「AS FOR ONE DAY」から多少見え隠れしていたんですけどね。

  サウンド面。完全にロック調ですよね。しかも生ストリングスと生ブラスまで導入した豪華で分厚いサウンド。そういった装飾を取り除くと、実はチープな打ち込みだったりするのですが。今回のアレンジャーはお馴染み高橋諭一。実はモーニング娘。のシングルタイトル曲を手掛けるのは今回が初めて。更にブラス&ストリングスのアレンジに関しては河野伸が担当しているという豪華さ。この布陣に心動かされない人はいないでしょう。多くの人にとってこれらの名前が並ぶと、初期の高純度ポップスをやってた頃の彼女達を思い浮かべることでしょう。しかしここで披露されるサウンドは、それとは真逆のもの。如何にもつんく♂という、歌謡ロック路線。シャ乱Qでいうところの "いいわけ" 辺りの流れに通ずるものを持つ楽曲。しかし、このタイプの曲って実は過去にもあるにはあったんですよ‥‥その装飾こそ違うものの、実はファーストアルバム「ファーストタイム」収録の "どうにかして土曜日"、そして彼女達をトップスターへと導いた代表曲 "LOVEマシーン"。実はこういった楽曲達と同じ流れにあるんじゃないかな、と思ってます。前者2曲がポップス的だったりファンク風だったりしたのに対し、今回はもっと激しく重いロック調。根本にあるものはつんく♂本来が持っているもの、しかし装飾次第でいくらでもその形を変えていく。ここら辺が彼のプロデュースワークの面白味なのかもしれませんね。

  彼女達の歌い方はドスを利かせ、まるでがなるかのような歌声。ラ行の発音は完全に巻き舌。音程が外れる程の力み具合で、男っぽさを強調する表現方法。そして途中に何度も登場する「AI!」という掛け声のようなもの‥‥これってさ、ハッキリ言って西城秀樹だよね? 最近、つんく♂が西城秀樹を手掛けたことが影響したのか判りませんが、あの激しいダンスといい歌い方といい、そして'70年代的歌謡ロック風マイナーチューン。完全にヒデキ。違わない?

  更に歌詞。「愛する人はあなただけ」という行ではちょっと控え目な待つ女を演じ(これも演歌チックというか'70年代風だよね)、サビの「泣いて済むなら 泣きやがれ」ではそれとは正反対の男っぽさを感じさせ(この辺の歌詞なんてまんまヒデキ)、更に中盤に登場する石川梨華のセリフ‥‥あれこそヒデキのトレードマークですよ! 例えばヒデキに "ちぎれた愛" というヒット曲があります(そういえばこの曲もブラスが派手なマイナーチューンだよね)が、この曲では「僕の気持ちを信じて 君をはなすもんか すきだすきだよ すきなんだよ」というセリフが登場します。最後の「すきなんだよ」は正に石川の「抱きしめてよ~!」に匹敵する熱さ・ヒステリックさを感じますよね。同じように "ジャガー" という曲にもセリフがあって、ここでは"シャボン玉"と同じくらいの長台詞に挑戦しています(この曲もブラスがカッコいいマイナーキーの歌謡ロックだよね)。石川の長台詞は以前にも "ザ☆ピ~ス!" でも登場していますが、今回の場合は明らかに西城秀樹をモチーフにしてると思うんですよね。あの進むに連れてヒステリックになっていく様なんて、正に "ジャガー" のそれに近いし。

  えっと、ちょっと脱線しちゃいましたが‥‥今回言いたかったのは「ヒデキのパクリ」とかそういったことではなくて、最初の方に書いた「前作から見え隠れしていた実験的要素」ということね。まず、完全に歌謡ファンク路線からの脱却を図ること。何度でも書くけど「そうだ!We're ALIVE!」にて同路線を完成型に持っていってしまい、その後アレンジャーにダンス☆マンを全面的に使うことに躊躇してるように感じるつんく♂。似非R&Bだったりスカコア風ポップチューンだったりひょうたん島だったりいろいろ試行錯誤あったものの、ここで原点‥‥つまり「シャ乱Qロックボーカリストオーディション」からスタートしたところまで一度立ち返り、そこから新しい何かを始めようとしてるように感じるんですね。これが決して新しいものだとは思いませんが、間違いなくこれまでのモーニング娘。にはなかったカラーですよね。そういう意味では新メンバーを加えたことによって、そして彼女達に可能性を見出すことでつんく♂の中で何かが吹っ切れたのかもしれませんね。

  そしてもうひとつ。歌詞の面での変化。「ひょっこりひょうたん島」までに存在した、躁すぎる程の前向きな人生応援歌。モーニング娘。といえば‥‥という程に当たり前になっていたこの路線も、前作「AS FOR ONE DAY」では封印し、それまでになかったようなしっとりとした失恋ソング、しかもそれまでのローティーンやそれ以下の子供にも通ずるような歌詞作りから、もうちょっと上の層を意識したかのような内容。その傾向は"シャボン玉"で更に加速してるように感じられます。上にも書いたように、ひとつの曲の中に3つの顔‥‥控え目な女性、荒々しい男っぽさ、ヒステリックで押しつけがましい女‥‥が登場するという意味でも、つんく♂がそれまでとは違ったことをやろうとしてるのが汲み取れます。

  そういったことを踏まえてカップリング曲"涙にしたくない"を聴くと、ここではタイトル曲よりはインパクトが弱いものの、ここ数作のシングルc/w曲にあったような「普通の女の子の日常的な恋愛」を表現した安定路線になっています。アレンジャーは鈴木俊介。打ち込みメインですが、これはこれで彼らしいかな、と思えるような穏やかなポップチューンに仕上がってます。ちょっとファンキーでヒップホップ的な派手さを持ったアレンジなんですが、メロや歌詞はちょっと穏やかですよね。この曲にしても、本当にメロディがいいんですよね。特にサビでの盛り上がり方が、ちょっとここ最近のつんく♂にはなかった運び方ですよね。思わず「おおっ!」と唸ってしまった程で。まぁ捨て曲ではないものの、決してシングルタイトル曲になるタイプではない1曲ですが、こういう曲が入ってるとやはり安心してしまうんですよね。アルバムでいうところの4曲目とか7曲目辺りといった印象。

  ということで、新たな血を導入し、それに便乗して新たな波に乗ろうとするモーニング娘。とつんく♂。これはもう爆発的に売れるか、思いっきり転けるかのどちらかじゃないでしょうか? 一応現時点ではチャート誌のデイリーチャート2日連続で1位をキープしていますが‥‥個人的には今年に入ってリリースされた彼女達のシングルの中でも一番のセールスを記録すると思うんですよね。ま、決して一般受けするタイプではないし、実際に店頭なんかで流れてるとちょっと引いてしまいそうになるんですが‥‥

  これを「戦闘態勢が再び整った」と取るか、楽曲中盤に登場するような「断末魔」と取るか‥‥その辺で評価が大きく分かれるのかもしれませんね。ある種、ファンにとっても「踏み絵」的な1曲になるかもしれません。



▼モーニング娘。『シャボン玉』
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投稿: 2003 07 31 12:00 午前 [2003年の作品, ハロー!プロジェクト, モーニング娘。] | 固定リンク

2003/06/15

モーニング娘。『ファーストタイム』(1998)

  1997年晩夏結成、1998年1月にメジャーデビューを果たしたモーニング娘。が、同年7月にリリースした記念すべきファーストアルバム「ファーストタイム」。この時点でシングルが2枚("モーニングコーヒー"と"サマーナイトタウン")。アイドルとしては早過ぎるアルバムリリースかもしれないけど、その内容が非常に優れていて、正直「アイドルポップ」というよりも「普通のお洒落なJ-POP」としても十分通用する作品に仕上がっています。如何に当時のつんく♂がこのアルバムに力を入れていたかが伺えるのではないでしょうか。

  アルバムリリース時点でのメンバーはオリジナルメンバー(中澤・石黒・飯田・安倍・福田)と2期メンバー(保田・矢口・市井)の8人。この編成でのアルバムリリースは結局これ1枚となってしまうわけですから(福田が全面的に参加したのがこれのみというのも、ちょっと勿体ない話)、ある意味「貴重な歴史の断片」としても評価に値すると思います。また、今現在では飯田・安倍・矢口しか残っていない(他メンバー5人が卒業済)というのも興味深いのではないでしょうか。

  それでは、既にお約束となっている全曲解説を簡単に行っていきたいと思います。


M-1. Good Morning
  アルバムのトップナンバーは、その曲名からもお判りの通り、初期の彼女達にとってのテーマ曲のような1曲。アレンジには初期ではお馴染みの前嶋康明。ブックレットのクレジットによると、リードを取るのが安倍・石黒・福田・保田・市井で、ハーモニーが飯田・中澤・矢口とのこと。この時点ではまだ保田と市井の個性というのが全く見えず、むしろ安倍&福田のツートップに絡んでくる重心の低い石黒、高音が気持ちいい中澤&矢口の声が印象的。イントロのピアノを聴くと、ああこれから何かがスタートするぞ‥‥という高揚感が。昨年の中澤ソロツアーでも日替わりでこの曲が歌われていたそうですね。今やファーストアルバムの曲は完全に無視されているので、こうやって卒業メンバーによって歌い継がれるのは良い傾向ではないでしょうか。

M-2. サマーナイトタウン
  '98年5月リリースのセカンドシングル。詳しくはシングルレビューを参照のこと。お洒落なポップスから一転、如何にもつんく♂らしい下世話なダンス歌謡の世界へ‥‥ま、楽曲として優れているからいいんですけどね。

M-3. どうにかして土曜日
  当時放送されていた「ASAYAN」をご覧になっていた人ならご存じでしょうけど、彼女達のデビューに関しては、3曲の候補曲がありました。最終的には"モーニングコーヒー"に決定するわけですが、これはその候補曲の内のひとつとして当時紹介されていた楽曲。アレンジは高橋諭一、ブラスアレンジを森宣之が担当。バンドサウンドを基調としていて、ソウルフルなメロディに絡む生ブラスが非常に気持ちいいアレンジになっています。シングルとしては弱いけど、こうやってアルバムで聴くにはいい感じですね。リードボーカルはオリジナルメンバーの5人、ハーモニーは飯田・石黒、コーラスを全員で担当。恐らくデビュー曲用にレコーディングしたテイクをそのまま残したのでは‥‥この曲が後の "LOVEマシーン" に繋がっている、とつんく♂本人も言ってるような、その後のソウル/ファンク歌謡路線の試作的1曲。

M-4. モーニングコーヒー
  '98年1月リリースのデビュー曲。詳しくはシングルレビューを参照のこと。もはや言うまでもなく、名曲。時が経てば経つ程に、この曲に対する愛情が高まっていきます。

M-5. 夢の中
  しっとりとしたミディアムスローナンバー。アレンジは前嶋康明。リードは飯田・福田・保田、ハーモニーは中澤・矢口・石黒・安倍、コーラスを中澤・市井が担当。初期タンポポといい、後のソロアルバム「オサヴリオ」といい、こういったタイプの楽曲には飯田の声が非常に合ってますよね。そしてそこに絡む中澤&矢口のハーモニーが絶妙。飯田のリードに絡む矢口のハーモニー‥‥その後の片鱗がちょっとだけ見え隠れします。リードのメンバーの中に保田の名前もあるんだけど、その後の彼女を考えると‥‥全然目立ってないんですよね、残念ながら。仕方ないっていえば仕方ないけど(恐らく加入後1~2ヶ月でレコーディングしたものだろうからね)。名曲。今だからこそ聴きたい1曲。

M-6. 愛の種
  言うまでもなく、この曲からモーニング娘。が始まったわけですね。インディーズでリリースされたシングルナンバーであり、後の"モーニングコーヒー"カップリング曲。詳しくはシングルレビューを参照のこと。2期メンバーは一切参加していない、オリジナルテイクのまま。

M-7. ワガママ
  石黒の他に保田&市井をリードに迎えるという冒険に出た、ミディアムギターポップ。この曲、作詞はつんく♂ではなくて狩野亜希子という人が手掛け、アレンジには黒尾俊介という人が当たっています。リードは先の通り、ハーモニーが飯田・安倍、コーラスを福田・矢口・中澤という一風変わったメンツで担当してます。間違いなくこの当時でなければ有り得ないパート分け。当時のつんく♂の冴えが遺憾なく発揮されていると感じるのは俺だけ? 個人的にはファーストの中でも1、2を争う程好きな曲。

M-8. 未来の扉
  ちょっとヒップホップ的要素を強調したパーティーチューン。アレンジは今井了介。リードは福田・安倍・石黒・飯田・市井・保田、ハーモニーが中澤・矢口。その後のつんく♂のR&Bやヒップホップへの傾倒を考えると、この曲程度だとまだまだカワイイもんですね。それにしても、市井‥‥楽しくなさそうに「楽しんじゃえっ」って歌われても‥‥ねぇ? 意外と4期が加わった頃の10人編成で歌っても違和感ない内容じゃないですかね。いや、あのメンバーでのバージョンも聴いてみたかったなぁ。

M-9. ウソつきあんた
  先に書いたデビュー曲候補の3つの内のひとつ。アレンジは高橋諭一。リードは中澤・石黒・福田、ハーモニーは安倍、飯田、コーラスを矢口・保田・市井で担当。やはり初期の楽曲アレンジは時間とお金がしっかりかかってますよね。通して聴くとこぢんまりとした印象なんですが、ちゃんとひとつひとつの楽器が自己主張してるというか、とにかくバンドサウンドが気持ちいい。初期のライヴはカラオケではなくて生バンドを導入してたってのも、やはりこのアルバムで表現したものを再現するためには必要だったのかもしれませんね。非常に好きな1曲。

M-10. さみしい日
  アルバム最後を飾る、切ないバラード。アレンジは前嶋康明。8人全員が代わる代わるソロを取り、残りはユニゾンで歌っています。そして、後半に登場するつんく♂のフェイクはちょっと鳥肌モノ(いろんな意味で)。彼がコーラスで参加するのはこれ1曲のみ。今現在の「間違った自己主張振り」を考えると、ちょっと泣けてくる。いや、それがなくても切なすぎて泣ける1曲。アコースティックピアノだけをバックに歌う娘。なんて、今のメンバーじゃ考えられないですからねぇ。初期だからこそ成し得た奇跡とでもいいましょうか(それは言い過ぎか)。


◎総評
  当初、このアルバムに対する評価は俺内では非常に低かったんですよ。いや、単純に4期メンバー加入後以降の路線が好きだったというのもあるんですが、一旦距離を置いて客観的に見てみると非常に優れた作品だということに気づくんですよね。ファーストアルバムの時点でこれだけ高度なことをやってたのか、と。そして如何にこの当時のつんく♂が冴えまくっていたか、と‥‥これを聴きながら現状を考えると絶望的な気分になりますが、それはまぁ置いといて‥‥各メンバーの歌がまだぎこちないし、その後を考えると「個性」が弱いと言わざるを得ませんが、それを補って余る程の楽曲及びアレンジだと思います。

  もし "LOVEマシーン" 以降、あるいは "ザ☆ピ~ス!" 以降の彼女達しか知らない、あるいは興味がないという人がいたら、悪いことは言わないから無理してでも聴いてみて。もしあなたが「純粋な音楽好き」だったら絶対に気に入る1枚だから。



▼モーニング娘。『ファーストタイム』
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投稿: 2003 06 15 10:08 午後 [1998年の作品, ハロー!プロジェクト, モーニング娘。] | 固定リンク

2003/06/09

モーニング娘。『抱いてHOLD ON ME!』(1998)

  「ファーストシングルよりも順位が上に行かなかったら即解散」という如何にもテレビ企画らしい難題をぶつけられたモーニング娘。無事目標は達成され、この年の7月にはファーストアルバム「ファーストタイム」もリリースしています。そしていよいよ彼女達の人気を決定づける1曲が誕生します。そう、"抱いてHOLD ON ME!"ですね。9月に発表されたこの曲はチャート初登場1位を記録するだけではなく、年末のレコード大賞最優秀新人賞受賞、そして紅白歌合戦にも出演することになります。そういう意味では初期の代表曲と呼んで差し支えないと思います。

  実際作品の出来も素晴らしく、前作"サマーナイトタウン"の延長線上にある歌謡ダンスミュージックなのですが、メロディは更に磨きがかかり、バックトラックもハウス色が強いものになっているし(アレンジは前作同様、前嶋康明)、何よりも彼女達の歌がとても成長しているんですね。安倍と福田のツートップなんですが、それぞれに個性のようなものが見え始め、表現力も1年前の"愛の種"とは比べものにならない程成長しているんです。また、前作ではコーラスのみという屈辱を味わった2期の3人‥‥特に矢口が高音ハーモニーで良い仕事をしていて、もはやなくてはならない存在になりつつあります。そうそう、この曲といえば中盤で初挑戦したラップや、飯田の決めセリフ「ねぇ笑って」ですよね。これを欠かすことはできませんよね?

  一方カップリング"例えば"は、"モーニングコーヒー"路線のポップソング。アレンジには須藤豪&LH Projectというユニットが当たっています。如何にもつんくらしい泣きのメロディが心地よく、思わず鼻歌を歌ってしまいたくなる1曲。イントロ等で鳴っているラップスチールが気持ち良いんですが、地味といえば地味かもしれません。けれどアッパーなタイトルトラックの影でこういった「聴かせる」曲をちゃんとやっている事が評価に値すると思うのですが。その後、こういったタイプの曲は減る一方ですし、そういう意味では「ごく初期の集大成的作品」と呼べるかもしれませんね。



▼モーニング娘。『抱いてHOLD ON ME!』
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投稿: 2003 06 09 10:41 午後 [1998年の作品, ハロー!プロジェクト, モーニング娘。] | 固定リンク

モーニング娘。『サマーナイトタウン』(1998)

  デビューシングルがトップ10入りし、その風変わりなグループ名と相俟って世間的にも若干注目を受けたモーニングコ娘。しかしデビューして間もなく、今や恒例となった「メンバー増員」がつんくから言い渡されます。1998年4月に第2期メンバーとして保田圭、矢口真里、市井紗耶香の3人が加わり、このセカンドシングルからは8人編成へと進化します。

  前作の爽やかなポップス路線から一変し、今回の"サマーナイトタウン"は非常にシャ乱Qな、人工的なダンスミュージックで勝負に出ます。アレンジには初期のモーニング娘。ワークスではお馴染みの前嶋康明。ダンスミュージックとはいってもR&B的なものではなく、歌謡曲にラテンテイストを加味し、ハウスっぽい打ち込みで処理しただけなんですが。メインボーカルは主に安倍と福田が取っていて、その後暫く続くツートップ体制がここで初めて完成します。所々に飯田・中澤・石黒が加わり、いいアクセントを効かせています。当時加入したばかりの保田・矢口・市井はコーラスのみの参加でした。

  カップリング"A MEMORY OF SUMMER '98"は、アルバム未収録曲。アレンジはお馴染み高橋諭一。ストリングスを全面に打ち出したバラードナンバーで、特に誰がメインといった感じではない、各メンバーが順々に数小節ずつ歌っていく構成(第2期メンバーはここでもソロは与えられず)。その後誕生する「LOVEマシーン」のカップリング曲 "21世紀" のプロトタイプと呼べなくもないけど、あっちよりも温かみのある優しい曲に仕上がってます。

  こうやって2曲を改めて聴いていると、メロディが新鮮なんですよね。決してこの頃に戻れとは言わないけど、やはりこのレベルは保って欲しいよなぁ‥‥と難しい注文のひとつも出てきちゃいますよね、これ聴いちゃったら。



▼モーニング娘。『サマーナイトタウン』
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投稿: 2003 06 09 10:40 午後 [1998年の作品, ハロー!プロジェクト, モーニング娘。] | 固定リンク

モーニング娘。『モーニングコーヒー』(1998)

  記念すべきモーニング娘。のデビューシングル。当時のメンバーは中澤裕子、石黒彩、安倍なつみ、飯田圭織、福田明日香の5人。所謂オリジナルメンバーですね。テレビ番組のオーディション企画の最終選考に残ったものの、結局落選してしまった中から選ばれた5人で「CDを5日間手売りで5万枚売ったら即デビュー」という難題を見事クリアしてメジャーデビューに至った経緯は、今や風化されつつありますが、やはりこのハングリーさがモーニング娘。イズムの基本なわけですよ。

  その手売りで売られたのが、このシングルのカップリングに収録されている"愛の種"。以外にもこの曲のみ、つんく♂が関わっておらず(一応プロデュースはつんく名義になってますが)、作詞にサエキけんぞう、作曲&アレンジに桜井鉄太郎という意外なメンツで制作されています。サエキ氏はパール兄弟として、桜井氏はCOSA NOSTRA等で活躍してきた、その筋では有名なアーティスト。そういった人達が手掛けたこの曲は、非常に爽やかなポップソングに仕上がっていて、正直「手売り企画」用に作ったにしては豪華過ぎるんですよ。5人の歌もまだ素人のそれだし、ホントに普通に歌の上手い子が歌ってるだけといった印象。それにしても、本当によく出来た楽曲ですよね。この曲ももう歌われることなんてないんだろうなぁ‥‥勿体ない。

  そうしてデビューが決まった彼女達、数ある候補曲の中からデビュー曲に選ばれたのが"モーニングコーヒー"という曲。ここでようやくつんくが作詞・作曲を手掛けます。アレンジには"愛の種"を手掛けた桜井鉄太郎が引き続き当たっています。"愛の種"が生音を大切にした作風だったのに対し、この"モーニングコーヒー"は打ち込み中心といった印象が強く、生ギターやエレピといった楽器が入っているにも関わらず、どこか人工的な匂いがします。また前曲では特に誰がメインを取るといったことはなく全員で歌い分けていただけでしたが、ここからはメインボーカル争奪戦が始まります。この曲では安倍と飯田のツートップがメインで、他メンバーもソロパートがあるものの、基本的にはハーモニー&コーラスが中心。ただ、そのお陰で「歌を聴かせる」という点においてはかなり強い個性が感じられます。各メンバーの歌もだいぶ良くなっているし、歌割りも非常に凝ってます。だからか、最初にこの曲を聴いた時「これ、アイドルにしては高度じゃねぇか?」と『ASAYAN』を観ながら思ったものです。

  今となっては懐かしい2曲ですが、やはりデビュー時からその音楽性の高さは折り紙付きだったことが伺えると思います。



▼モーニング娘。『モーニングコーヒー』
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投稿: 2003 06 09 10:38 午後 [1998年の作品, ハロー!プロジェクト, モーニング娘。] | 固定リンク

後藤真希 ファーストコンサートツアー2003春 ゴー! マッキングGOLD@東京厚生年金会館(2003年6月7日 夜公演)

  各所で大絶賛されている後藤真希初のソロコンサートツアー。2月のミュージカルも大絶賛だったんだけど、彼女の場合いつも前評判が高くなくて、実際に公演がスタートしてその内容に驚愕するってパターンが多いみたいだけど‥‥やっぱりソロになってから与えられる楽曲があれだからかなぁ‥‥いや、俺はそんなに悪くないとは思うんですが(アルバム曲ももう一歩って曲が多かったものの、曲順さえちゃんとしてればかなり高水準の作品だと思ってるし)。

  そんなわけで、本来はゲスト出演するメロン記念日目当てだったこの日のライヴも、日が経つに連れ、俺内でのごっちん再評価に繋がりそうな気がしてとても楽しみにしていました。更にちょっと前に放送されたミュージカル特番でのステージングも圧巻だったしね。メロンも春ツアー後久し振りに観るし、どれだけ成長してるか気になってたしさ。

  珍しくファンクラブで取ったら、1階15列目というまずまずの席。ま、2,000人程度の中ホールなので、これでもかなり前の方なような気が(実際には1階の真ん中辺なんだけど)。前が通路ってこともあり、非常に踊りやすい場所だし、13番ってことでかなり左寄り。ステージ脇に花道みたいなのが伸びてるんで、運が良ければここまで来てるれるかも‥‥ってな淡い期待を胸に、開演を待つ俺なのでした。

  10分近く遅れてスピーカーから大爆音が。俺、気を抜いてたのでかなりビックリ。と同時に場内暗転。既に会場はヒートアップ状態。スクリーンに過去のハロコン同様、ごっちんやメロンの映像が流れ、ステージ後方にある高台に羽根の生えたごっちんのシルエットが。当然1曲目は"うわさのSEXY GUY"。ライヴ1曲目に持ってこいなアッパーチューンで、ごっちんも既にノリノリ。とにかくごっちん、細いのなんのって。スクリーンなしの肉眼でも頬のこけ具合が確認できる程痩せちゃってるのね。ツアーや映画等のハードスケジュールが原因じゃ‥‥なんて言われてるけど、俺はこの人、非常にストイックな人だと思うのよ。んで、ツアーを重ねていく中でどんどん自分を追い込んでいい状態に持って行ってるんじゃないかな、と感じています。人にもよるけど、ツアー中はとにかく痩せていって、その状態がステージで歌うにはベスト状態になるって人もいるし(自分もバンド時代はそうだったし。月に4~5本ライヴがあった時なんて5キロは痩せたしね)。実際、この日の彼女は昼公演も全力で歌っていたと聞いていたにも関わらず、一切手を抜かず、声量が落ちることもない非常に素晴らしい歌を聴かせてくれました。

  スクリーン前で歌ってることもあって、スクリーンにごっちんのシルエット×2の映像が映されるんだけど、時々それがごっちんと重なると‥‥金色の衣装に羽根ってこともあり、キングギドラに見えちゃうんだよね。いや、いい意味で(いい意味!?)。神々しいというか、女神よマジ。

  歌い終わると、簡単なMCで自己紹介。これがカワイイのなんのって。モーニング娘。時代は他にもカワイイ系メンバーがいたこともあり、結構クールなイメージが強調されてたように思うんだけど(そして、観る側のそういう色眼鏡もあったしね)、この日のごっちん、MCの時は常にカワイイのよ。17歳の普通の女の子って感じで。いや、ああいう場所であんなに凄いステージをやってる時点で普通ではないんだけどさ。

  MCの後、金の衣装を脱ぎ"溢れちゃう...BE IN LOVE"と"デート注意報"を歌う。前者はアルバムバージョンだったこともあって、個人的には良かったなぁ、と。単純にこっちが好きなんですよ。後者はアルバム曲の中でも最もヘヴィな音像を持った1曲。アルバムではそれほど印象に残った曲ではなかったんだけど、ライヴで聴くといい感じ。最近の「ライヴを想定して書いてる」というつんく♂発言が頷ける話だわ。

  歌い終わると、後方からメロンの4人が登場。ここで俺、凍り付く‥‥忘れてた、斎藤さんの髪‥‥光の加減でオレンジが入ってるのかは判らなかったけど、明らかに金髪。そしてパーマ。無駄にゴージャス過ぎ。ごっちんに次の曲の衣装を渡して着替えてる間「メロンきねぇ~んびぃ~♪」と例の"メロン記念日のテーマ"を歌う4人。終始和やかな空気が流れてるはずなんだけど‥‥結局歌が始まるまで俺、凍ったままでした。それだけあの髪型には殺傷力があるってことですよ!

  メロンを含めた5人で昨年のシャッフルユニット曲"幸せですか?"を「セクシー8」ならぬ「セクシー5」で歌う。5人でダンスをすると、ごっちんとメロンのダンスにおける力量の差が一目瞭然。いや、メロンが劣るというよりも、メロンはあの4人での「グルーヴ」や「ノリ」があるんだけど、そこにごっちんという異物が入ることで‥‥余計にごっちんが引き立っちゃうのよ。つうかごっちんのキレの良さ、凄すぎ。モーニング時代もこうだったっけ?と不思議に思った程。それだけこのツアーで自信を付けていったってことか?

  ごっちんが着替えで引っ込み、その間をメロンが大喜利で繋ぐ。まぁ‥‥いつものメロンでした。この日は終始柴ちゃんが可愛かったなぁ‥‥常に俺の前の方にいたってのもあるんだろうけど。あ、村っちの美しさもハンパじゃなかった。ヤバかった。

  着替えが終わり、スポーティーな格好で戻ってきたごっちん。歌うは6/18リリースの新曲"スクランブル"。これが既に名曲の仲間入りしそうな、ポップでアッパーな楽曲。路線的には"やる気!IT'S EASY"の流れなんだろうけど、ホントこういう曲をもっと彼女に歌わすべきだなと再認識。これが売れなかったらまた事務所は「似非セクシー路線」に戻すんだろうか‥‥だったら絶対にヒットさせるべき!これ、1位にしてあげたいよ‥‥それくらいよく出来た楽曲でした。ただ、ライヴで聴くとバックトラックの薄っぺらい音像が気になりましたが(Daichiだろうな、これ‥‥と思ってたら、ホントにそうらしい)。

  そのまま"SHALL WE LOVE?"(アルバムバージョン)と"愛ってどんな×××?"と、アルバム「マッキングGOLD(1)」から2連発。とにかくダンスがあれだけ激しいのに、声量が全く落ちないのは圧巻。曲が終わると多少息切れしてるのは確認できるんだけど、けどまた歌い出すと全然そんなこと感じさせないし。恐るべし、ごっちん!

  ここで最近のハロプロではお馴染みの「VTRコーナー」が。続く"彼、旅行中なり"へのネタ振りなんだけど、これが結構楽しめました。ライヴ自体が非常にピースフルなものであったこともあり、こういうネタひとつひとつにも愛を感じましたね、作り手の。単なる時間稼ぎになってないし。メロンといいごっちんといい、本当にスタッフに恵まれているように思いましたね。

  んで、VTRが終わるとその"彼、旅行中なり"なんですが‥‥これがライヴ中盤の見せ場のひとつになっていて、天上からブランコが降りてくるんですよ。で、2コーラス目でそこに腰掛けて歌うんですが、そのブランコが天に昇っていくという‥‥命綱もつけないごっちんが心配で目が離せませんでしたよ!(いや、本当はミニスカートの中から覗く「見せパン」から目が離せなかったわけだが。銀でしたよ銀!)曲のまったりした雰囲気に合った、非常に素晴らしい見せ場だったと思いました。こうなると、次のツアーではワイヤーアクションが取り込まれるんじゃないか‥‥なんてね。

  そして続く"LIKE A GAME"も大きな見せ場でして。曲後半でメロンの4人が加わりダンスバトルをするんですね。ソロで踊るパートがあるんですが、斎藤&大谷、柴田&村田の組み合わせで踊った後にごっちんがソロで踊り、最後に5人でまた踊るんですが、これが圧巻。メロンのダンスはこの際置いといて、語られるべきはごっちん様のダンスですよ! この人、何時からこんなに凄いダンスをするようになったのさ!? スゲエ、とにかくスゲエ! もう感動しまクリスティだね! 曲の良さもあって(シングルのカップリングってことで地味な存在かもしれませんが、これは名曲ですよ!)、本当に盛り上がった。

  中盤の山場終え、ここでごっちんのMC。後藤母より毎回ツアー先に応援ファックスが送られてきて、それを読んでMCに絡めるという内容なんだけど、まぁファックスは「仕込み」だとしても‥‥それ以外のごっちんの喋りが全て自分の言葉で語られているんですよ。ハロプロ関係は殆どがMC込みで台本の存在を指摘されているわけですが、まぁ今回も大まかな構成はあるんだろうけど、それを話すごっちんの言葉は明らかに「後藤真希の言葉」で、自然体で語られているんですね。今回のツアーが大絶賛される理由のひとつにこのMCも含まれているわけですが、それも納得のいく内容でした。しかもこのMCが長い長い。5分近くひとりで喋ってたんじゃないでしょうか? 「ひとりでの喋りは苦手」と以前テレビか雑誌で語っていた彼女。その彼女がふつうにお客に語りかけるわけですよ。まるで目の前にいる家族か友人にでも話しかけるように。こりゃクセになるわな、ファンなら。そんなに後藤ヲタではなかった俺も、これには参ったもんね。

  そんな長いMCを終えた後に、いよいよ我らがメロン記念日の登場。まずは新曲"チャンス of LOVE"を。ライヴで聴くのは初ですが、ごっちんコン等で歌い込んだせいか、テレビ披露の時よりいい感じでした。しかもフルコーラスだったので、2コーラス目の斎藤ソロも長く聴けたし。柴っちの歌も以前よりも安定感が感じられ好印象。ただ曲調のせいもあってか、客の方は中途半端なノリ。俺の隣なんか完全に休憩タイムに入ってたしな!(怒)しかし、それもこの曲だけの話。続く"赤いフリージア"では再び会場がヒートアップ。ヒット曲はやっぱ強いね。運命や連打じゃなくてもここまで盛り上がれるようになったメロン、ホンモノですよ! とにかくこの日は柴田ば常に良かった。メロンコンでは常に彼女の歌の弱さを指摘してきた俺だけど、この日は声も出てたようだし(PAのせいだろうけど)音程もしっかりしてた。他のメンバーもね。トップ10シングル2枚の力は偉大だね。ホント、夏コンが楽しみになってきたよ。

  メロンが一端引っ込み、再び後方高台からごっちん登場。"やる気!IT'S EASY"を歌うわけですが‥‥その高台が更に高くなり‥‥高台のごっちんがいる床のところだけ更に上にせり上がっていくんですよ。KISSにおけるピーター・クリスのドラムソロみたいに。そして着替えが終わったメロンがその下で踊るんですね。今回のライヴでメロンはかなりの頻度でごっちんのダンスをサポートするわけですが、これも単なるバックダンサーに終わらず、いい意味でごっちんをサポートし、尚かつごっちんもメロンを盛り上げてるんですよ。単なるゲストというよりも、一緒に作り上げてる感が強く伝わってくる内容で、メロンヲタも終始楽しめるライヴだったんじゃないですかね?(そしてメロン目当てだったのが、ごっちんに心奪われてしまうという、ねっ?)1コーラス終わると地上まで降りてきて、ステージ前方で5人歌い踊る。そのままモーニング娘。時代の隠れた名曲"パパに似ている彼"を披露。これがね‥‥いいんですよ! だってさ、この曲って後藤加入前の曲なわけでしょ? 単純に彼女が「一番思い出深い曲」って事でよく名前が挙がる1曲を、こうやってソロコンサートで歌えるってのはホントに恵まれてるよな、と。メロンもコーラスをしっかり務めてたし、ごっちんも気持ちよく歌ってたし、そしてそれを聴く我々も意外な曲が聴けて嬉しかったし。ホント、いいライヴだよなぁ。

  メロンが再び引っ込み、「後半戦もまだまだ行くよー!」との気合い入れの後に"盛り上がるしかないでしょ!"~"晴れた日のマリーン"~"赤い日記帳"という、アルバム後半と同じ怒濤の流れ。"盛り上がるしかないでしょ!"ではロックコンサートばりの盛り上がりを見せ、中盤で長めに取られたシンガロング・パートでの煽りに興奮し、更にステージ脇の俺側の花道までやって来たりしてドキドキし、"晴れた日のマリーン"ではただただカワイイごっちんに目を奪われ、"赤い日記帳"では自分が観た9/22@横アリでの卒業ツアーを思い出し目頭が熱くなったり。声量も落ちず、動きも更に激しくなるばかり。ホント圧巻。

  最後のMCの後、「心を込めて歌います」といって本編最後の曲"手を握って歩きたい"を披露。これはシングルバージョンの方でした。ホントいい曲だなぁ、これ‥‥2コーラス目のサビ辺りでメロンが再び戻ってくるんだけど‥‥ごっちんがこの曲の時に着てた衣装(アーミールックにベレー帽、ホットパンツといった感じ)の水色バージョンを着てるのよ、4人が。特に柴っちが‥‥その幼さと衣装が見事にマッチし、観てるこっちがドキドキものでしたよ! 誰だよ、柴っちにこんな衣装を着させたのは! お前偉いよマジ。
  それにしてもね‥‥やっぱりこの曲の後半静かになる「愛してるぅ~♪」以下の行は、何度聴いてもマジ泣きできる。娘。コンでも泣いたけど、久し振りに生で聴いて鳥肌立つわ涙出るわで‥‥しかも「出会ったみんな ありがとう」のところでちょっと詰まったようになって、そこの歌詞を絶叫するもんだから、ホントに泣いちゃったじゃないか。ごっちん、あんたスゲエよマジで。惚れたね、本気で(だろ、行ったみんな?)。しかもさ、この曲の最後のリフレイン、CDよりも長めになってて、客に歌わすのよ。スクリーンに歌詞もちゃんと出て。これがね‥‥客も良い仕事するのよ。大合唱でさ。たった2,000人前後なのに、モーニングのコンサートにも負けてない、いやそれ以上に感じられる程の歌声と愛情。パフォーマーとオーディエンスの見事な相乗効果がここで結果となって表れたわけ。この日最高の盛り上がりはやっぱここでしょ!

  そんな風に最高に盛り上がった本編。アンコールを求める「ごーっちん、オイ!」の掛け声も本気度150%って感じ。こんなに熱いライヴ、メロンのファーストライヴ以来かも。

  そして戻ってきたごっちん。つっかえながらもまた自分の言葉でいろいろと語ってくれました。台本がない分、それが必要以上に長々と語られるわけだけど、彼女自身の言葉で語ってるせいか、全く長さを感じさせず、その喋るごっちんに惹き付けられちゃうのね。話術云々ではなくて、彼女の魅力なんだろうね、そういう「自然体」がさ。

  最後の最後に選んだ曲は、彼女のソロデビュー曲"愛のバカやろう"。アンコール待ちでちょっと休んだせいもあってか、歌声は更に強く響き、更に全く衰えを感じさせないのね。デビュー曲ってこともあるんだろうけど、本当に大切に、丁寧に歌っているのがしっかり伝わってきた。もう最後は踊るのを止めて、その歌をじっくりと聴いちゃいましたよ。ホント、土下座したくなったね、意味もなく。凄いよ、後藤真希ってシンガーは‥‥

  最後の最後には「最後にみんなに一言だけ伝えたいことがあります‥‥好きっ!」なんて叫んでステージを後にしたごっちん。正味100分に及ぶ、非常に充実したライヴでした。これを楽しめない人はヲタ辞めた方がいいんじゃない!?って思える程に素晴らしいライヴ。こんな時期だからこそ、これをモーニング娘。のファンに観て欲しいなぁ。今のモーニングが得たもの・失ったもの、そして後藤真希というシンガーのポテンシャルの凄さを体感して欲しいものです。

  更には‥‥もう今後、モーニング娘。にはこういった「シンガー」は誕生しないんじゃないか、と悲しい気持ちになったね。なっちやかおり、矢口辺りまではソロライヴをやれるだけの力量が備わってるだろうけど(ごっちん程までとは言わないけど、少なくともそれをこなせるだけの力量は備わってるでしょうね)、それ以降‥‥4期以降のメンバーが卒業してソロとしてやっていくとなると‥‥結局はソロでやってきた藤本美貴だけかなぁ、と。残念ながら、こういった逸材はもう現れないのかもしれませんね。

  そういうことを踏まえた上で改めて考えると、やはり後藤真希という存在はホントに「異物」だったんだなぁ、と。彼女の登場でその後のモーニングも変わったし、また彼女を失ったことで再びモーニングは変わった(変わらざるを得なかった)。その存在の凄さをモーニング娘。のライヴで感じるのではなくて、ごっちんのソロコンサートで感じることが出来たのが嬉しかった。期待されていたようで実はそこまで期待されなくなっていただけに、これは大きな収穫ですよ。

  間違いなく、彼女は大丈夫。このまま突っ走っていれば大丈夫だよ。ああ、秋コン行くつもりなかったけど、一般で取って観に行こうっと。今度は数カ所回ってみようかな?


[SETLIST]
01. うわさのSEXY GUY
—MC—
02. 溢れちゃう...BE IN LOVE
03. デート注意報
—MC:メロン記念日登場—
04. 幸せですか? [with メロン記念日]
—MC:メロン記念日—
05. スクランブル
06. SHALL WE LOVE?
07. 愛ってどんな×××?
—VTR :絵日記コーナー—
08. 彼、旅行中なり
09. LIKE A GAME [with メロン記念日]
—MC:後藤母からのFAX紹介—
10. チャンス of LOVE [メロン記念日]
11. 赤いフリージア [メロン記念日]
12. やる気!IT'S EASY [with メロン記念日]
13. パパに似ている彼 [with メロン記念日]
14. 盛り上がるしかないでしょ!
15. 晴れた日のマリーン
16. 赤い日記帳
—MC—
17. 手を握って歩きたい [with メロン記念日]
—ENCORE—
—MC—
18. 愛のバカやろう



▼後藤真希『マッキングGOLD①』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2003 06 09 01:08 午前 [2003年のライブ, ハロー!プロジェクト, モーニング娘。, 後藤真希] | 固定リンク

2003/05/13

モーニング娘。『LOVE IS ALIVE! モーニング娘。CONCERT TOUR 2002春 at さいたまスーパーアリーナ』(2002)

  何を今更こんなDVDを取り上げるの!?とお思いの方も多いことでしょう。何故この時期にこのライヴDVDなのか‥‥きっとこんな疑問を持った人って、今のモーニング娘。に対して懐疑的になってる人達なんじゃないでしょうか? だったとしたら、その答えは全部このDVDの中に詰まってます。そう、この俺自身も改めてこのライヴDVDを観直してそれを悟ったのですから。

  言うまでもなく、このDVDは2002年3月末から4月末まで、約26万人もの動員を記録した彼女達の春ツアー最終日、さいたまスーパーアリーナでの公演を完全収録したもの。これを読めば当日の大体の内容は判ると思います。そんな「2日間に同じライヴを4回も観た」この俺が、何を今更そのライヴを収めたDVDをここで紹介するのかというと‥‥実はこのライヴって非常に特殊な状況下なんじゃないかな、と今になって思うからなんですね。

  これまでのモーニング娘。のライヴDVDって(ハロー!プロジェクトでのライヴを除く、単独公演のみ)、その殆どがメンバーの卒業ツアー最終公演を収めたものばかりなんですね。福田明日香然り、市井紗耶香然り、中澤裕子然り。そういったツアーを収めたDVDに続いてリリースされたライヴ収録DVDが今回紹介するツアーのものなのですが‥‥このツアーってご存じの通り、誰かの卒業ツアーではない、約2年振りにリリースされたオリジナルアルバム『4th「いきまっしょい!」』を引っ提げた、純粋なツアーなわけですよ。つまり、他の公演と違って悲壮感皆無、むしろ前進あるのみな姿勢の彼女達を余すところ無く収録してるわけです。

  ま、だからといって他のDVDが悲壮感漂うものかというと必ずしもそうではなく、まぁ最後の方になると涙なしでは観られなくなるという類のもので‥‥ライヴ自体がいくら素晴らしくても、最後の最後でそういった要素で全体像が何となくボヤけてしまうような気がするんですね、俺的に。だってさ、このライヴDVDの後にリリースされた(される予定の)ものって、全部卒業公演モノだしね(昨年9月の後藤真希、そしてもうじきリリースされる保田圭卒業公演)。

  よく「モーニング娘。にはマイナス要素が加わってこそ、そのパワーを遺憾なく発揮する」とか「常に死と再生の繰り返しをしてこそ、モーニング娘。」なんて声をネット上で目にするんですが、確かに言っている意味はよく判るんですよ。実際その通りかもしれないし。けどね、俺が好きになったモーニング娘。というのはそういった類のものではなく、あくまで前向き・ポジティヴで、観てるだけでこっちまで幸せな気分になる、元気を分けてもらえる。そういった存在なわけですよ。

  勿論、他のライヴでも俺はそういったものを受け取ってきたけど、今となってみると‥‥このツアーって本当に「笑顔」しか記憶に残ってないんですよ。それはステージ上のモーニング娘。だけでなく、この俺自身にとっても‥‥

  改めてこのライヴDVDを観てみると、確かに5期メンバーの4人はまだぎこちなさが残るしパフォーマンス的にも今より劣ります。加入してまだ1年経ってない時期、それは仕方ないのかもしれないし、今がそれだけ素晴らしいからこそそう感じるんだと思うんですね。他のメンバーにしても途中で息切れして声が枯れてるメンバー、ペース配分を考えてか多少手を抜いてるように見えるメンバー、常に全力疾走で疲れを見せないメンバー等、13人もいればホントにいろんな奴がいるわけですよ。ある意味、「13人娘。」としての完成型はその後の後藤卒業公演まで持ち越しとなるわけですが、俺はこの頃の13人が本当に大好きで。それは多分、あの悪夢の「7月31日」を通過する前だからかもしれませんし、当の本人達も「終わることなんて考えられない。この13人が離れるなんて考えられない。」なんて考えてたかどうかは知りませんが、とにかく向かうところ敵なしな状態なわけですよ。

  もうね、冒頭のパイロ爆発~舞台から炎が吹き上げ~"そうだ!We're ALIVE"の「努力!未来!A BEAUTIFUL STAR!」を13人が力強く歌うという‥‥あそこだけで何杯飯が食えることか‥‥ってくらい、本当に鳥肌モノなわけですよ。下手なロックバンドのライヴ観るより全然いい。絶対にあの時、あの頃の13人じゃなきゃ出来なかった、表現できなかったもの。それがあの「ひたすら前向きな力強さ」だったのではないでしょうか?

  勿論、その後や今を否定するためにこれを書いているんじゃないですよ。改めて「何で俺はモーニング娘。を好きになったんだろう、どこが好きだったんだろう?」という問いに対する答えを求めた結果、その回答をこのDVDの中から見つけることができた、ただそれだけなんですよ。

  もし今、あなたがモーニング娘。に対してのモチベーションが下がってたとしたら、迷わずこのDVDを観てください。感動し過ぎて涙することはあるかもしれないけど、絶対にそれまでの自分を、そしてこれからの自分を否定しない、全てを肯定するであろう「モーニング娘。」がそこにいるはずですから。

  この、ある種神がかったとさえ呼べる「13人時代」の、2002年4月を超えることは至難の業。今後どうやってこれを超えるようなスタイルを見つけるのか‥‥新しい「始まり」はすぐそこまでやってきてますよ‥‥。



▼モーニング娘。『LOVE IS ALIVE! モーニング娘。CONCERT TOUR 2002春 at さいたまスーパーアリーナ』
(amazon:国内盤DVD / 国内盤Blu-ray

投稿: 2003 05 13 12:00 午前 [2002年の作品, ハロー!プロジェクト, モーニング娘。] | 固定リンク

2003/04/22

モーニング娘。『AS FOR ONE DAY』(2003)

  前作「モーニング娘。のひょっこりひょうたん島」のチャート/セールス両面での惨敗からたったの2ヶ月で届けられた、モーニング娘。通算18枚目のシングルは、5月5日に卒業する保田圭を含む12人編成での最後のシングルとなります。まぁ前回はあくまでも「企画モノ」という意図があったので(それが理由か、先月リリースされたアルバム「No.5」にも収録されなかったし)、そういう意味からすれば「ここにいるぜぇ!」に続く、純然たる「12人娘。の新曲」となるのかもしれませんね。にしては‥‥これはちょっと面白いシングルだと思います。個人的には「そうだ!We're ALIVE」以降で、一番面白かったシングルですね。「ここにいるぜぇ!」はインパクト面では一番だったけど、トータル的に「面白い!」と素直に感じたのは間違いなくこの「AS FOR ONE DAY」の方。

  アレンジに鈴木Daichi秀行、ストリングス・アレンジに弦一徹という、「ここにいるぜぇ!」と全く同じ布陣にも関わらず、こうも正反対な路線でくるか‥‥というのが正直な第一感想。いや、これってワザと狙ったのかな、同じメンツで180度正反対のことをやろうっていう。だとしたら、それはまず大成功してると思います。誰もがイメージする「元気な人生応援歌を歌うモーニング娘。」というパブリックイメージを完全に覆す、切ないまでの失恋ソング。ポップスと呼ぶよりも、純粋な「歌謡曲」といったアレンジ/メロディ。つんく♂の持ち味の、最も悪趣味(演歌的)な面が強調された楽曲にも関わらず、これが意外としっくりくる。というより、新鮮。このメンツでこういう楽曲をやるなんて思ってもみなかったから、余計にそう感じるんでしょうね。

  オープニングでの加護のセリフ、そして歌い出しとエンディングの石川によるウィスパーボイス。上手い下手は別として、この「雰囲気もの」勝負なとこがこの楽曲のポイントでしょう。これまで「飛び道具」的配置だったメンバーがこういった雰囲気を演出する役割に回る。そしてセンターを取る機会が多かった主力メンバーの安倍や新機軸・高橋よりも、矢口や飯田といった「影の実力者」が所謂「Bメロ」を長く受け持つことで、歌に安心して聴き入ることができる。更にサビでは安倍や高橋、更には保田といった安定感あるメンバーがパンチの効いた歌を聴かせる(ま、時々石川も入ってくるんですが、それはご勘弁を)。基本的には12人がかりの、過去2作と同じパターンなんですが、ここでその構成の完成型を見たような気がします。敢えて元気溌剌な楽曲で「12人がかり」をアピールするのではなく、こういったじっくり聞かせる楽曲、そして独特な雰囲気を持った歌モノで勝負に出た点を、俺は高く評価したいと思います。

  そしてバックトラック。Daichi特有の、(いい意味でも悪い意味でも)安っぽい打ち込みサウンドを今回嫌味に感じないのは、生楽器を多用して尚かつそれが前面に出てるからでしょうね。ストリングスも非常に効果的な役割を果たしているし、何よりも間奏でのフルート。これがホントにいい味出してる。ちょっとだけ初期のモーニング娘。の香りを感じました(が、あそこまで高純度のポップスではなく、今回は'70年代末から'80年代初頭辺りの歌謡曲といったイメージ)。最後のピアノとストリングス、そして石川のウィスパーボイスで終わるパートなんでホント絶妙。ちょっとゾクゾクした。いい意味で石川の歌でゾクッとしたのは今回初かも。ホント、前のシングルが嘘のようです‥‥

  いや、「ひょっこりひょうたん島」も嫌いじゃないんですよ。テレビであのパフォーマンスを観る度に、やっぱりモーニング娘。ってスゲーやって思ったし。けど、やっぱりあのアレンジが解せないんですよね。だからこそ、今回の曲は余計に高く評価してしまってるのかもしれませんね。とにかく、この曲と出会えたお陰で、俺はまだモーニング娘。のことを好きでいられそうです。

  そして‥‥カップリングについても触れなくちゃいけませんね。名曲"Never Forget"のセルフカバー、今回は「Rock Ver.」という注釈付きです。アレンジには酒井ミキオと小西貴雄の名前が記述されてますが、恐らく殆ど酒井ミキオの手によるものでしょう。小西はあくまでオリジナル・バージョンの編曲者ということで名前が挙がってるんだと思います(あの印象的なメインリフとかあるからね)。

  基本的な構成は原曲のままで、演奏がバンドによるもの、ビートがより強調されている、ギターサウンドがメインとなっている点等が「ロック・バージョン」たる所以でしょう。クレジットを見て個人的に「!」となったのは、ギターに河口修司(‥‥で字は合ってるかな?)の名前を見つけた時。活動再開後のMr.Childrenにサポート・ギタリストとして参加、それ以外にもゆずのレコーディングやツアーにも参加した経験を持つこの人が、ハロプロ関係のレコーディングにまで参加することになるとは、正直ビックリ。いいギタリストだけに、今後もいろんな楽曲でギター弾いて欲しいなぁ、なんて思ったりして。

  話を元に戻して‥‥「旅立ち」「別れ」を歌ったこの曲、オリジナルでは福田明日香の卒業ソング的役割を果たしたのですが、今回はこの曲を保田がソロで歌い、他の11人がコーラスに回るという構成。ま、この曲をカバーすると発表した時点でこうなることは予測できましたが。

  今回この「保田バージョン」収録が発表された時点から、かなりネガティブな意見がネット上を飛び交ったわけですが、勿論俺みたいに好意的に受け入れた人間のポジティブな意見も多少はありました。しかし、これら全ては聴く前の勝手な意見なので、最終的にはラジオ等で流れ始めてからの意見を参考にしようと思ってました。

  発売数周前になって、ようやく俺もラジオで偶然聴けました。俺はね、「勿体ないな」とずっと思ってたんですよ。福田明日香の為に作られたといわれるこの曲、彼女の卒業後はただの一度としてステージで歌われることはありませんでした。けど、ベスト盤が出た時はちゃんと収録される程、人気はあるんですよね。実際この曲が好きだという現娘。メンバーもいるわけだし。

  俺が勿体ないと初めて感じたのは、昨年1月。初めて訪れた福井のビジネスホテルで観た(しかも初めてのハロプロライヴの後に観た)「BSジュニアのど自慢」で、出演した子供がこの曲を歌った時。その後ろにこの曲を口ずさむ後藤と加護の姿が映ったんですよ。この曲って後藤も加護も入る前の曲、彼女達がステージ歌ったことは勿論ないんです。そんな彼女達が普通に口ずさむモーニング娘。の曲。在籍時期の違いこそあれど同じモーニング娘。のメンバー、なのに歌われなままってのは勿体ない、と。変なしがらみに囚われず、モーニング娘。の曲なんだから、「モーニング娘。」として歌って欲しいなぁ‥‥ずっと心の片隅でそう思ってたんですよ。

  リリース前週、この曲のワンフレーズが「ミュージックステーション」で歌われた前後、「保田に合ってない」とか「福田のための曲なのに、何故保田に歌わす?」とか、そんなネガな声ばかりを目にします。つうかいい加減ウンザリ。みんな、器ばかり気にしすぎて、肝心の中身を見てないよ、「歌手・保田圭」を。何言ってんの? 歌い手としての保田の、この5年間の成果を発揮する最後の場でしょ。そして、そんな保田の成長を改めて確認する最後の場なわけじゃないか。ライヴ行ける人間なんて限られてるわけだし、多くの人にとってはこれが「聴き納め」なんだよ。なのに歌い手の評価以前にリメイクに関する不平不満ばかり。どこ見てんのさ!? 何が「保田が好きだから」だよ。それって結局「保田が好き」なんじゃなくて、「『保田圭が好き』だと思ってる、自分のことが大好き」なだけだよ。そんな自分が不憫で仕方ないだけだよ。バカバカしい。そうやって嘆いていた人は、このCDを手にして、フルコーラスでこの"Never Forget"を聴いて、どう思ったんだろうね。何を感じたんだろうね。是非それを聞いてみたい。

  結局、保田圭という歌い手はある時期を境に、常に過小評価を受けてきたような気がします。決してセンターを取ることもなく、酷い時にはソロパートさえない。それでも腐ることなく、常に前向きに、一生懸命自分の役回りを演じきった。そういう経験を積むことで、彼女は彼女なりに成長していった。そしてモーニング娘。加入から5年。最後の最後に与えられたソロナンバーで、彼女はこの5年間に蓄積したことを全てこの曲で出し切った。俺はこのテイクを聴いてそう感じました。ああ、保田はこんな風にも歌えるシンガーにまで成長してたんだなぁ、と。それを最後に確認できただけでも、このセルフカバーに意味はあった、とは思わないでしょうか?

  昨年9月23日以降、俺は今後どう「12人のモーニング娘。」と付き合っていこうか、ちょっと迷いがあったのね。だから「ここにいるぜぇ!」に対して過剰反応・大絶賛したり(勿論、今でもレビューに書いた内容には嘘偽りないけど)、「ひょっこりひょうたん島」に憤りを感じたり‥‥もうこれより下はないってところまで気持ちが落ち込んでた。けど、それってそういった彼女達の一挙手一投足に一喜一憂してたんじゃなくて、もしかしたらそれに過剰反応するモーヲタに対して一喜一憂してたのかもしれない。それを「モーニング娘。はもうダメかも‥‥」って錯覚してたのか俺は‥‥いや、それは言い過ぎだな。確かに最近の彼女達(というかつんく♂や事務所の判断)には疑問を感じることが多いけど、今度の"AS FOR ONE DAY"と保田バージョンの"Never Forget"を聴く限り、まだまだ彼女達のこと、好きでいられそう‥‥正直、気持ち的にもうこれ以下ってないと思うし。後は分裂までの約半年を存分に楽しんで、分裂後に「俺が知る」モーニング娘。の姿がこれっぽっちも感じられなかったら‥‥それでサヨナラするならサヨナラすればいいさ。「無理する必要はない。常に自分に正直でありたい。」‥‥俺が彼女達から学んだ、最も大切なこと。そんな態度で今後も彼女達と付き合っていきたいと思います。



▼モーニング娘。『AS FOR ONE DAY』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2003 04 22 11:03 午後 [2003年の作品, ハロー!プロジェクト, モーニング娘。] | 固定リンク

2003/03/26

モーニング娘。『No.5』(2003)

  前作「4th「いきまっしょい!」」からたったの1年で届いた、モーニング娘。通算5枚目のオリジナルアルバムはまんまのタイトルでちょっと肩透かし。それに、前作の時に感じた有り難みが今回はあまり感じられないんだよね‥‥例えば前作はベスト盤を挟んで、約2年振りのフルアルバムってことも大きかったし、新曲が8曲も入ってたのも嬉しかったし。けど今回の場合、全12曲(オープニングのイントロを除く)中、シングルが2曲、映画サントラで発表された楽曲2曲、昨年末リリース「プッチベスト3」収録のCMソングの別バージョン2曲の計6曲が既発曲。というわけで、残り6曲がこのアルバムの為に作られた完全未発表の新曲ということになるわけです。既発曲が前作よりも多く感じられるのは、特にここ数ヶ月の間に連続リリースされた楽曲が大半を占めるからってのも大きいかもしれませんね(って俺がそう感じてるだけかもしれないけど)。ま、CMソングのフルバージョンもボーカルトラックは録音し直されているようなので、これも新曲と呼べないことはないですが‥‥

  そんな感じで、現体制での最初で最後のアルバムとなるこの「No.5」。想像してたのとかなり違った内容だったことに、まずビックリ。もっと日和った、ある種「安っぽい」作りになると思ってたんですよねぇ‥‥それって結局、ここ数ヶ月の間に彼女達に対して感じていた「違和感」だったり「危機感」が原因だったんだなぁと。けどね、やっぱりモーニング娘。はその程度で終わるような存在じゃなかったわけですよ‥‥というわけで、恒例の全曲解説、行きます。

●M-1. Intro ~
 M-2. Do it! Now

  '02年7月リリースの通算15枚目のシングル。詳しいレビューはこちらを参照のこと。イントロはサビのコーラス部のみを抜き出して、そこにつんく♂のボイスパーカッションを加えた、文字通りただの導入部。この素っ気ない始まり方は、ある意味今のモーニング娘。に合っているのかも。大袈裟/劇的に盛り上げてスタートするライヴと違って、この唐突なスタートは後藤を含む13人でのラストでもあり、現体制での導入部でもあるわけだから‥‥クールで落ち着いた印象でスタートするアルバム。この時点で前作とは全く違うんだな、と。

●M-3. TOP!
  このアルバム用の新曲且つ「今のモーニング娘。」のテーマソングと呼んでも差し支えないであろう名曲(そう、既にね)。アレンジは守尾崇という人が担当。前曲からのクールでちょっとダウナーな空気を一変させる無機質なシンセサウンド。そしてコンピューターボイス‥‥メンバー全員の名前がコールされ、かなり攻撃的なダンスサウンドがスタート。これ、無条件でカッコイイ! そう、真の意味での「12人のモーニング娘。」のアルバムはここからスタートするんですよ。"Do it! Now" ですら単なる導入部でしかないわけ。このデジタル感覚のファンクサウンドが、今の「ロックな娘。」をより強調していて、そして彼女達の「新たな決意表明」、あるいは「宣戦布告」的な歌詞に思わずドキッとしてしまう。もうね、ここで完全にノックアウト状態。そうそう、俺達はこういうタフでワイルドなモーニング娘。を待ってたんだよ! ライヴのオープニングに持ってこいの、というよりもそれを想定して作られたとしか思えない1曲。今からどんなパフォーマンスをするのかを考えただけでドキドキするよ。

●M-4. 友達(♀)が気に入っている男からの伝言
  このアルバム用の新曲その2。アレンジは渡部チェル。如何にも彼らしいシュガーコーティングされたポップソングといった印象。頭2曲でクールでワイルドな「戦う娘。」の姿を強調して、ここでストーンと女の子らしい、可愛くて切ないポップチューンを持ってきて一息つかせる感じ。コーラスに5期メンの名前があることから、メインボーカルは他の8人がやってるのかな?‥‥って思ったけど、ちゃんと5期メンも歌ってますね。特に誰かがメインという形態を取らない、「12人がかり」のスタイル。ラジオで聴いた時はあんまりいい印象は残らなかったんだけど、うん、クリアな音源で聴くとそんなに悪くない。アルバムの中の1曲といった、文字通りの作品。

●M-5. ここにいるぜぇ!
  '02年10月リリースの通算16枚目、現体制で最初のシングル。詳しいレビューはこちらを参照のこと。もはや何も言うことはないでしょう‥‥小粒ながらも心に残るメロディとメッセージを持った、「今のモーニング娘。」をそのまま体現した1曲。

●M-6. 「すっごい仲間」
  このアルバム用の新曲その3。アレンジはダンス☆マン。「4th「いきまっしょい!」」以降、ダンス☆マンが本体に関わることが一切なかったのは、"そうだ!We're ALIVE" にてダンス☆マンとつんく♂とのコラボレーションがひとつの完成を見たからだ、という推測を何度か書いてきたわけですが、このアルバムにもダンス☆マンはこれ1曲しか関わっていない、そしてこの曲がごく普通の曲で、ある種過去の路線の焼き直し的サウンドであることから、何となく本体で彼等が絡まなくなったのは本当にそれが理由なんじゃないかと、個人的には確信してしまいました。タイプ的には "ハッピーサマーウェディング" の流れを組む曲調ですよね。クールというよりは、ハッピーなタイプの楽曲。悪くはないけど、最高とも言い難い‥‥何となく今の彼女達を、そしてつんく♂を象徴してる1曲。

●M-7. 強気で行こうぜ!
  アルバム用新曲その4。アレンジは鈴木俊介。ヤングチーム(辻加護+5期メン)で歌われている(追記:ライヴで観ると全員で歌ってます)、勢い一発のデジロック‥‥というか、打ち込みサウンドのメタル系アレンジ。ギターリフがモロにそれ。最近の俊介アレンジ、ホントにこの手の曲が多いね? あややではBON JOVI、ミキティではジャーマンメタル、そして今回は‥‥これ何? 様式美系でこんなサウンド、なかったっけか? ベースラインがいいね、暴れまくってて。この暴れ具合、無軌道な感じがヤングチームっぽくて◎。ライヴではっちゃける6人の姿が目に浮かびます。つうかここまで前半の流れ、かなり「攻め」の姿勢を感じました。曲のレベルは前作より劣るものの、それを帳消しにするだけのパワーを12人から感じるんですよね‥‥贔屓目ですかね?

●M-8. 女神~Mousseな優しさ~ (Original Long Ver.)
  '02年12月リリースのコンピレーション盤「プッチベスト3」に収録されていた曲の、ロングバージョン。アレンジは小西貴雄。CM用に作られた曲に2コーラス目を追加して、新たなパート割りで歌を再録音してるようです。メンバーは飯田・矢口・吉澤・後藤。元々好きな曲なだけに、こうやってロングバージョンで聴けるのは嬉しいんですが‥‥オリジナルアルバムに入れるまでの曲かなぁ?という疑問はやはり拭えないわけで。穿った見方をしてしまえば、やはり曲数稼ぎと言われても仕方ないかなぁ、と。

●M-9. YES! POCKY GIRLS (Original Long Ver.)
  前曲同様、「プッチベスト3」に収録されたCMソングのロングバージョン。アレンジは高橋諭一。これも2コーラス目を追加し、パート割りも新たにボーカルを再録音されています。メンバーは安倍・保田・石川・辻・加護・高橋・紺野・小川・新垣。CMバージョンではサビは全員で歌ってるようでしたが、今回は2人くらいで前半/後半と歌い分けてる感じ。こうやってアルバムの中の1曲として聴いてみると、確かにモーニング娘。のアルバム曲としても通用するかなぁ、という気も。前作でいうところの "好きな先輩" をもっと陽気にした感じ、かな?

●M-10. HEY!未来
  '03年1月リリースのシングルV収録曲。詳しいレビューはこちらを参照のこと。やはりアルバム向きの曲ですね、うん。こういう流れで聴くと、この曲の良さが増すように思います。前の2曲が上手く引き立ててくれてますよね。

●M-11. がんばっちゃえ!
  同上のシングルV収録曲。詳しいレビューはこちらを参照のこと。後藤が抜けた後の、12人での底力を見せつけるべき作品に、その後藤が参加した曲が3曲も入ってるのは、正直如何なものか?と思います。だって‥‥折角12人一丸となって頑張ってるのに、所々に後藤の影がちらつくんだもん‥‥ま、卒業という風に呼ばないで、例えば出入り自由なファミリー‥‥P-FUNK軍団とか、SOUL FLOWER UNIONに対する内海洋子みたいなもんと考えればいいんですかね? 物事、いいように考えればどうにでもなるもんです。ポジティブにいきますか。

●M-12. 「すごく好きなのに・・・ね」
  アルバム用新曲その5。アレンジは酒井ミキオ。"強気で行こうぜ!" がヤングチームで歌われていたのに対し、こちらはアダルトチーム‥‥飯田・安倍・保田・矢口・石川・吉澤の6人で歌われる、ちょっと背伸びをした大人っぽさを感じさせる、切ないナンバー(ライヴではコーラスで全員参加してます)。ああ、俺こういう曲大好きだわ。これもラジオで聴いた時はサウンドがやたらとチープに感じたんですが、まぁ許容範囲内でしたね、クリアな音源で聴くと。後半の流れは、それこそ「平和なモーニング娘。」といったところでしょうか。和み系ですよね。こういう路線を嫌ってた感があるんですが、思った程酷くなかったので一安心。

●M-13. 卒業旅行~モーニング娘。旅立つ人に贈る唄~
  アルバムラストを飾る、新曲その6。アレンジは河野伸。ラジオで聴いた時はチープな打ち込みサウンドだと思ってたんですが、これほぼ生演奏なんですね。ストリングス系はプログラムみたいですが、リズム隊とブラスは生でした。そうなんです、クリア音源で聴くとしっかりしてるんですよね。うん、確かにこれはいい曲だわ。どうしても歌詞にある物語性(今年頭、保田・矢口・石川の3人+家族で、オフを使って温泉旅行に行ったという実話がモチーフになっている)や、これを保田以外の11人で歌っているという点に感情的になってしまうのですが、そういう気持ちを排除して向き合ったとしても、アルバム最後を飾るに相応しい、実に「今のモーニング娘。」らしい1曲だと思います。


◎総評
  確かにこのアルバムは「4th「いきまっしょい!」」を超えられなかったと思うし、だからといって駄作というわけでもない、音楽的には非常に評価に困る作品集と言わざるを得ません。が、そこで切り捨ててしまうには惜しい内容だとも思います。前作にあったようなバラエティー豊かさは後退し、どちらかというと「想定しうる範囲内」といった印象が強く、個々の楽曲のクオリティは平凡なんだけど、そこに漲るパワーや勢いはハンパじゃないという‥‥多分、これこそが「後藤を欠いた、12人のモーニング娘。」の、そして今のつんく♂が抱える問題点なんじゃないでしょうか? 楽曲云々はつんく♂の復調を待つか、アレンジャーに頼るしかないのですが、肝心の娘。は‥‥本当は、まだまだこれからだと思うんですよ。やっと12人体制が板に付いてきて、抑制できなかった有り余るパワーも上手くコントロール出来るようになってきたところだったのに‥‥俺はね、まだ「12人モーニング娘。」は完成には至っていないと思ってるんですね。だからこそ、もう半年でいいから、彼女達の成長を、完成型を観てみたかったなぁと‥‥今更言っても仕方ないことですが。

  ここに更に4つの異物(ミキティを含む6期メン)が投入されることで、更に混沌とし、しかもそこからふたつに細胞分裂してしまうという‥‥そういう意味では、こういう大所帯ならではのパワーを感じさせるアルバムってのは、これが最後になってしまうんでしょうか‥‥完成を見ないまま終わってしまうのは、正直残念でなりません。

  あと‥‥よく俺はモーニング娘。をエンターテイメント集団として、アメリカのロックバンド・KISSと比較しますが、もしかしたら今の時期ってKISSでいうところの「UNMASKED」とか「THE ELDER」の時期なんじゃないかなぁ‥‥と勝手に思ってます。ラヴマ・バブルの時期は明らかに「ALIVE!」~「ALIVE II」の期間ですよね。で、前作まで‥‥後藤在籍時までを "I Was Made For Lovin' You" の時期‥‥アルバムなら「DYNASTY」期とすると‥‥自ずと次に彼女達が進むべき道が見えてくるはずです。

  ‥‥そうか、ミキティはエリック・カー、そして問題児・6期メンはヴィニー・ヴィンセントだったのか‥‥成る程、確かにその通りかも(えーっ!?)‥‥なんて考えたら、このアルバムも更に楽しめるんじゃないでしょうか?

  いや、そんなの関係なしに、暫くはこのアルバムをヘヴィローテーション状態で聴きまくってみたいと思います。だって、「好き」か「嫌い」か?と問われれば、間違いなく「好き!」と即答するはずですからね!



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投稿: 2003 03 26 12:00 午前 [2003年の作品, ハロー!プロジェクト, モーニング娘。] | 固定リンク

2003/02/18

モーニング娘。『モーニング娘。のひょっこりひょうたん島』(2003)

  2003年、モーニング娘。としての最初の音源リリースはCD形式ではなくて、DVDとVHSによる「シングルV」形式による「がんばっちゃえ!/ HEY!未来」だったわけですが、シングルCDとしてはこれが2003年一発目となります。当初、「ここにいるぜぇ!」が12人編成最初で最後のシングルと言われていましたが、何故か急にこの「企画モノ」シングルが出ることになったわけですが‥‥ご存じの通り、タイトル曲"ひょっこりひょうたん島"は、NHKで'60年代に放送された同名人形劇の主題歌。知らない人はいないんじゃないか?って程に有名な、既に名曲の域に達している1曲。これをお馴染み小西貴雄がアレンジ、つんく♂がプロデュースして新しい「2003年バージョン」として生まれ変わったわけです。

  モーニング娘。は過去にもカバー曲を発表してきていますが、それはあくまで「企画モノ」としてでした。しかも、「モーニング娘。」名義での正式なカバーソングというのは、過去なかったんじゃないでしょうか? 「GARAGE」にしろ当時の娘。メンバー全員で歌っている曲というのはないはずだし、「童謡ポップス」にしても全員で歌う曲はないし。セルフカバーはあっても("モーニングコーヒー2002" や「ハワイアン」等)、他人の、過去にヒットした楽曲を公式に発表するのはこれが初めてなんですよね‥‥で、個人的な考えを書かせてもらうと、俺はモーニング娘。には常にオリジナルソングを歌っていて欲しいんですね。昨今、「亜麻色の髪の乙女」とか「大きな古時計」といった曲がリバイバルヒットしてますが、逆にモーニング娘。には時代を超えて歌われるような名曲を新たに生み出して欲しいと思っていたんですよ。だから、安易にカバーに逃げて欲しくなかったなぁ、と。ま、これを単なる「NHKに癒着した企画モノ」と見なせば、それはそれで納得できなくもないですが‥‥

  ご存じの通り、俺は今回のシングルに対して否定的でした。実際、日記では今回のシングルはレビューしない、と書きました。ただ、「カップリング曲の出来次第では取り上げるかも」とも書きました。というわけで、今回はカップリング曲を中心としたレビューになることをご了承ください。

  当然、今回レビューするにあたって、このシングルは購入しました。「こんなのを嬉々として聴けるか!?」と思ってたわけですが、やはりカップリング曲が気になって、CDショップで視聴したわけですね、カップリングの"宝石箱"を。

  今回のシングルがリリースされるちょっと前に、ネット上に「4月上旬にもう1枚、現体制でのシングルがリリースされる」という情報が出回りました。俺は当初、この"宝石箱"が圭ちゃんの卒業ソングになるんじゃ‥‥と想像してたわけですが、4月にもう1曲でるなら、やっぱりそっちが圭ちゃん卒業ソングだよなぁ時期的に、と思うようになって、今回のシングルはスルーするつもりでいたんですよ。

  ところがここ数日の間に「4月リリースは延期」という情報が‥‥もっとも、その4月リリースの情報自体も公式アナウンスではないので、本当かどうかも怪しいんですが‥‥というわけで、結局"宝石箱"に注目せざるを得ない状態になったわけです。

  この曲のアレンジはお馴染み鈴木俊介。この人がアレンジしてるってだけで俺的にはマルなんですが、実際に聴いたらば‥‥オオッ!?と唸ってしまったわけです。レゲエ・タッチの、如何にも最近のモーニング娘。らしい1曲なんですが‥‥ほんのちょっとしたフレーズなんですが‥‥ダブの要素を取り入れてるんですね、これ。レゲエ、ダブ‥‥丁度昨年末にジョー・ストラマーが亡くなったこともあって、何故かその名前が頭に浮かんだんですね。で、もしかしたらこれって、鈴木俊介氏(あるいはつんく♂)のジョーに対するリスペクトなんじゃないか?と勝手に解釈したわけですよ。とはいっても、アレンジはCLASHのダブと比べれば全然幼稚だし、実際言われなければ気づかないような、ほんのちょっとしたアレンジなんですよ。全体のイメージとしてはやはり「普通にレゲエ」ってことになるんでしょうけど、どうにもカーステレオで大音量再生すると、その深いリバーブをかけたパーカッションやギター、娘。達のコーラスの部分が異常に耳に飛び込んでくるんですね。

  子供向けの音楽にアシッドテイストを混入する手法は決して珍しいことじゃないですよね。欧米ではそういう楽曲が1位を取っていたりするし、ここ日本でも「ウゴウゴルーガ」みたいな番組があったりしたし。で、最近のハロプロ・ワークスの中にもそういった「似非アシッド臭」を感じさせる瞬間ってのが、時々あったんですよ。イビツで妙にリアルなCGを駆使したアニメ「リリパッド王国」だったり、ミニモニ。の存在自体だったり、そして前のシングル「ここにいるぜぇ!」のミックスだったり(俺、密かに「つんく♂はジャンキーになったんじゃ‥‥」と邪推してたんですよ)。ま、これも立派な妄想なんですが‥‥ホントのところはプロデューサー様に伺ってみないと何とも言えないですけどね。

  さてさて‥‥タイトルトラックについても少し触れておきますか‥‥相変わらずバックトラックの安っぽさは拭えませんが、そういう見方をすると、実はこっちも若干そういった方向で制作されてるんじゃ‥‥なんて思えてくるからあら不思議。国営放送でアシッド臭プンプンさせるなんて、バカだなぁつんく♂、とかね。

  とかいいながらも俺、最初にNHKで聴いて絶望的なったあの日よりは前向きにこの曲を捉えてます。いや、好きですよ、ひとつの楽曲としては。それは多分前述の通り「企画モノ」として認識しているからかもしれませんね。実際、3月に出る予定のアルバムにはこの曲、収録予定曲にクレジットされてないんですよね。単なる記載漏れかもしれませんが‥‥個人的にはシングルのみの楽曲にして欲しいです。もっと言ってしまえば、近い将来に出るであろう「ベスト!モーニング娘。2」にのみ収録って形にするとかね(「同1」のみ収録の "ハッピーサマーウェディング" や "I WISH"、"SAY YEAH!~もっとミラクルナイト" みたいにね)。

  というわけで、結局1,020円払って買ってしまったこのシングル。自分としては"宝石箱"に1,020円払ったつもりでいます。それにしてもこの曲、バックトラックはギター以外全部打ち込みなんだよね‥‥ブラスの波形とか、すっげー手の込んだプログラムしてるし。鈴木俊介の職人芸にお金を払ったわけですね俺。

  まぁそうはいいながらも、やっぱり"宝石箱"はカップリング曲特有の「キラーチューンになりきれない」空気感を持った1曲なんですよね。ひょうたん島のTVパフォーマンスは確かに素晴らしいと思いますが、肝心の音楽ではまだ今年は満足させてもらってません。「がんばっちゃえ!/ HEY!未来」にしろ、今回の2曲にしろ、何かが足りないんですよ。全てがアルバムからのリカットみたいな印象。去年出たシングル3枚があれだけバラバラで、それでいてキラーチューンとして成り立っていたんだから、決して出来ないことではないと思うんですよ。実際、今年リリースされた他のハロプロ系アーティストの楽曲(メロン「赤いフリージア」やミキティ「ブギートレイン'03」)が名曲の域に達しつつある楽曲だっただけに‥‥ねぇ(更にそれらのカップリングも強烈に個性の強い名曲揃いだったし)。

  なんだかんだ言いながらもアルバム「4th『いきまっしょい!』」って、結構充実した作品集でしたよね。シングル曲然り、アルバム用新曲然り。ま、クオリティーのバラつきは多少ありましたが、それでも十分に我々の期待に応えてくれたアルバムでしたし。そういった意味で、次のアルバムはどうなるのか‥‥メロンやミキティへ提供した楽曲クラスのクオリティを維持してくれるのか、それとも「がんばっちゃえ!/ HEY!未来」や"宝石箱"レベルでお茶を濁すのか(勿論、これらが酷いって意味じゃないですよ。ただ、もっと良くできるはず、と個人的に思ってるだけで)‥‥泣いても笑っても、答えは1ヶ月後。それまではこのシングルを聴いて過ごすことに‥‥なるのでしょうか?



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投稿: 2003 02 18 01:00 午前 [2003年の作品, ハロー!プロジェクト, モーニング娘。] | 固定リンク

モーニング娘。『がんばっちゃえ!/ HEY!未来』(2003)

  2003年、モーニング娘。としての最初の音源リリースはCD形式ではなくて、DVDとVHSによる「シングルV」形式によるものでした。それがこの「がんばっちゃえ!/ HEY!未来」の、所謂ダブルAサイド・シングルなわけですが‥‥楽曲自体は昨年末から既に露出してるので、多くの人がご存じかと思いますが‥‥モーニング娘。&後藤真希が出演した映画「仔犬ダンの物語」の主題歌として使われた楽曲です。当初、映画のみの新曲として「リリース予定はない」とつんく♂Pは言っていましたが、そんなわけないですよね。というわけで、映画の公開が終わりつつある1月末にまずシングルVを、そして2月14日には映画のサウンドトラック形態のミニアルバム(これら2曲+インスト等を収録)、更には3月26日に予定されているモーニング娘。として通算5枚目となるオリジナルアルバムにも2曲共収録予定になってます(もしかしたら、アルバム用に別バージョンになる可能性がありますけどね)。

  今回のレビューにあたっては、当然アルバムはまだ出てないし、サントラ盤も買う予定はないので、唯一入手しているシングルVの音源を参考にいろいろ書いてみたいと思います(一応、当サイトとしてはこれを「通常のシングル」と同じように捉えてレビューしていきたいと思います)。

●がんばっちゃえ!(モーニング娘。とハロー!プロジェクト・キッズ+後藤真希)

  読んで字の如くのユニット名。要するに、映画製作が発表された時点ではまだごっちんはモーニング娘。のメンバーだったわけで(が、その製作発表記者会見が同時に卒業会見にもなったんですが)、そういう意味では「13人娘。+キッズ」と捉えることも出来ます。ま、確かにごっちんのパートは娘。時代と比べれば明らかに少ないので、あくまで主役は今の12人娘。だというのは歴然としてますが。
  作詞作曲は当然つんく、アレンジには昨年のシャッフルユニットや「Do it! Now」のC/W曲 "ちょっとイカしたPURE BOY" を手掛けてきたTATTOが担当。これまではラテン・テイストのアレンジが多かったものの、ここでは "でっかい宇宙に愛がある" に通ずるような、大らかなノリのポップソングに仕上がっています。恐らくバックトラックは打ち込み中心だと思うのですが、それほど安っぽさを感じさせない、ちゃんと「映画主題歌」というのを考えて作られているように感じます。
  ただ、正直映画の内容とはあまり関係のない歌詞なんですよね‥‥普通に、これまで通りの「モーニング娘。の新曲」といった印象。ただ、シングルのタイトルトラックになるようなタイプではなくて、どちらかというとカップリングやアルバムトラックといった、ちょっと地味目の1曲。勿論、悪くはないですよ。ただ、2002年の攻撃モードを考えると、ちょっと「??」って思うかも。アルバムの1曲として考えるなら、まっ、箸休めとしてアリかな、と思いますけどね。
  "でっかい宇宙に愛がある" との大きな違いは、まぁ楽曲の完成度というのも大いにありますが、それ以上にキッズが大きいと思います。個人的には、サビで入るキッズの無邪気な(ある意味、歌とはいえない)声がちょっと苦手なんですけどね‥‥ただ、これがなかったらもっと良くなるか、と問われれば、それも疑問なんですけど。ライヴでのパフォーマンスとか観ても、折角12人+1人も「娘。&元娘。」が広いステージ上にいるのに、キッズがいるお陰で全体の動きが小さくまとまって、モーニング娘。特有のダイナミズムのようなものがあまり感じられなかったんですよね。この辺は俺の中で、次の単独ツアーで披露された際での課題としておきましょう(とかいって、春コンでもキッズが出てきたりしてね)。

●HEY!未来(モーニング娘。)
  こちらは現編成、12人でのモーニング娘。のみの楽曲。作詞作曲はつんく、アレンジは既にハロプロではお馴染みの酒井ミキオが担当。と、ここで改めて考えてみると、酒井ミキオのモーニング娘。での初仕事ですね、これ。プッチモニに始まりミニモニ。、カン梨華、あややときて、やっと本体。俺、この人のポップセンスが以前から気に入ってたので、もっと早く聴きたいと思ってたんですよ。
  で、この曲。その酒井ミキオの名前から想像できるような、軽やかでポップなシャッフルナンバーとなっています。シャッフルというと、アルバム「4th『いきまっしょい!』」収録の "いいことある記念の瞬間" といった曲を思い出しますが、あそこまでモータウン色の強いものではなく、もっとモッタリした、ちょっと重いリズムなんですよね。多分、リズムトラックは生バンドによるものだと思うんですが、ドラムのタム回しとかが、チューニングや録音方法のせいもあって、非常にダイナミックで1音1音に重みを感じるんですね。例えば‥‥モータウンとサザンロック、それくらいの違いがあるように思います。そう、昔MY LITTLE LOVERにそのままズバリ "Shuffle" という楽曲がありましたが、正にあんなタイプの1曲です(実際、曲のイメージもあれに近いかも)。

  これら2曲の楽曲は12人編成のモーニング娘。特有の、「誰がセンター/リードを務めるでもなく、全員が一丸となって歌う」傾向にあるんですが、特にこっちはPVのイメージもあってか、本当に全員が入れ替わり立ち替わり歌ってるという印象ですね。ま、結局要所要所はなっちがキメるわけですけど、例えば「ここにいるぜぇ!」と比べると、あそこまでなっちの比重が高く感じないんですよね、この曲にしろ"がんばっちゃえ!"にしろ。本当に全員でパートを分け合って、仲良く歌ってるというイメージそのままの楽曲。ある人にとってはそれを「平和なモーニング」と感じ安心し、またある人にとっては「ぬるま湯に浸かった状態」と酷評する。受け取る側によって感じ方は様々かと思いますが‥‥確かに俺もその両方を感じるんですよね。"HEY!未来"はPVの印象もあって、12人が仲良さそうにしてるシーンを観ると「平和だなぁ~」と心休まるし、逆に"がんばっちゃえ!"を聴くと「‥‥鬱」ってなるし。複雑な2曲ですよね。けど、これがある意味「今のモーニング娘。」を端的に表した楽曲なのかもしれません。この表裏一体な感じが、ごっちんのいない、2003年2月時点でのモーニング娘。なんだと‥‥

  ただ、そうはいいながらも‥‥ここには本当の意味での「キラーチューン」がないんですよね。一応両A面みたいになってますが、そのどちらもこれまでのシングル・タイトルトラックと比べると、数歩劣るクオリティーだし。同じ両A面でも「ザ☆ピ~ス!/ でっかい宇宙に愛がある」は共にキラーチューン中のキラーチューンでしたからね。しかも "でっかい宇宙に愛がある" は24時間テレビにピッタリな壮大さがありましたが、"がんばっちゃえ!"にはそこまでの壮大さも、感動させる「何か」も足りないし‥‥決して駄曲というわけではないんですが、やはり勿体ないですよね、折角初のシングルVオンリーのリリースとなった楽曲達なのに。

  けど、そうはいっても、アルバムで聴いたら印象が変わるかもしれませんしね(逆に、他の新曲がこれよりもクオリティーが低いものだったら、更に凹みますが)。そういう意味では、ちょっと次のアルバム、期待してるんですけどねぇ‥‥あまり大きな期待をし過ぎても‥‥ねぇ?



▼モーニング娘。『がんばっちゃえ!/ HEY!未来』
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投稿: 2003 02 18 12:00 午前 [2003年の作品, ハロー!プロジェクト, モーニング娘。, 後藤真希] | 固定リンク

2002/10/09

モーニング娘。『ここにいるぜぇ!』(2002)

  正直、現在某巨大掲示板に出回っている音源は極悪状態のもので、これを使ってこういうレビューを書くというのは正直気が引けるのだけど‥‥どうしても何か書いておきたい、この時点での自分の気持ちを文章にしておきたいと思い、こうやって「更新活動無期限停止」を一時ぶち破ってまでして、日記にではなく「とみぃの宮殿」の中のひとつのレビューとしてアップすることにしました。

  まず‥‥前回のシングル "Do it! Now" のレビューを書いた時点では、あの曲は単に「前進する為の決意表明」的内容と書きました。しかし結果は後藤の卒業・ハロプロ構造改革への序章に過ぎなかった‥‥ということになるのでしょうか。

  ということは、後藤が卒業した後に発表されるこの曲は、これからのモーニング娘。をアピールする曲になる‥‥そう考えるのは至極自然な流れですし、実際卒業ライヴから数日しか経っていない時期に新曲タイトルやジャケット写真、新しい12人編成のアーティスト写真が公表されたことからも、「後藤卒業」=マイナスイメージと思われないための「攻めの姿勢」が伺えます。

  実際にそれらが発表になってから新曲の音源がネット上に流出するまでの約10日間に色々な情報が飛び交いました。例えば‥‥

  ・センターは矢口と辻
  ・打ち込みと生バンドを融合させたロックチューン
  ・アレンジャーは前作に引き続き、鈴木Daichi秀行が担当
  ・どうやら曲調はスカコア調らしい

等といったところでしょうか。

  さて‥‥既に聴いた人の中では「かっけー」「最低」「前よりマシ」「完全に終わった」等々いろいろ感想はあるでしょう。ま、こういうのは毎度のことなのでここでは無視します(だってまだ発売されてないわけだし)。

  曲調は噂通り、スカコア調のアッパーロックチューン。基本的には生バンド(ギター、ベース、ギター)が演奏しているものに、鈴木氏特有のチープなシンセサウンドが乗り、一部生ブラスを取り入れているようです(恐らく松浦亜弥の "The 美学" と同じ手法でしょう)。最初、デジタル+生バンドのスカコア調と聞いた時、"青いスポーツカーの男" や "ちょこっとLOVE" といった過去の曲を思い出しましたが、実際にはそれに近いようでちょっと違うものでした。生バンド導入の割には音が軽い、といった声もありますが、基本的にスカコアって軽くて低音抑え気味でスカスカした音ってイメージがあるし、"そうだ!We're ALIVE" みたいな極太リズム隊はこういう曲調だとモッタリしてしまい、却って悪影響を及ぼすと思っているので、これはこれで正解だと思います。ま、正規のクリア音源を聴くまでは、それも何とも言えないですけどね。

  では、以下に数回聴いた感想を書いていきます。

  まず、メロディーが良い。サウンドや演奏云々以前に、1回目聴いたときに一番印象的だったのはこのメロディーでした。「アニメの主題歌みたい」という声を幾つか目にしましたが、要するに「判りやすい/覚えやすいメロディー」なのだと解釈しました。俺自身「アニメソング=ロックより劣る」という考えは持ち合わせていないので、この点は特に気になりません。むしろ、現在の彼女達のファン層を考えれば、こういう判りやすい/覚えやすいメロを持った曲を "そうだ!We're ALIVE" ~ "Do it! Now"の後にドロップするのは自然な流れなのかなぁ、と思ったりもします。また個人的にも、最近のヒップホップを意識した曲調が続いたことにちょっと疑問を感じていたので(特に新生タンポポにまでそれを導入した点や、メロン記念日新曲 "香水" 中間部のラップパート等)、流行から遠ざかっていても松浦の新曲やこの曲を好意的に受け入れているし、実際一発で気に入りました。

  で、続いて歌詞なんですが‥‥これまでの流れを組む、前向きな応援歌的内容と呼べるでしょう。が‥‥個人的にはそれだけで終わってないな、と思ってます。前回の曲のレビューで俺は、モーニング娘。は常に既成概念をぶち壊してきたことを踏まえつつ、「今回つんく♂氏はヲタの既成概念をもぶち壊した」と書きました。前回は言葉にこそしなかったものの、曖昧な形でそれは楽曲に表現されていましたが、今回はどうでしょう? いきなり唄い出しのサビパートで「Break Through 自分をぶち破れ!」と唄われています。さぁ‥‥ここからいきなり俺の妄想が入りますが‥‥

聴き手自身がそれまで『モーニング娘。』に対して持っていた既成概念をぶち壊す
           ↓
  「Break Through 自分をぶち破れ!」

なのであり、更に

既に次のステップへと進み始めた娘。から、戸惑っているヲタに対してのメッセージ
           ↓
  「ここにいるぜぇ!」というタイトル、あるいは
  「「I'm Here」 今ここで叫ぶぜぇ!」という歌詞

というように、この曲にはいろいろ深読み出来るメッセージが含まれているように感じられます。他にも

  「何がしたい?」とか聞くけれど  話せばビックリするじゃん
  知らない事とか始めると 超不安な 顔するじゃん

なんて歌詞もいろいろ深読み出来る‥‥「歌は国境越えて 何処までも進むよ」って歌詞も額面通りに受け取ればそれまでだし、以上のポイントからいろいろ深読みすることも可能だし。浅いようで深い、あるいはその逆もある。どれが正解でどれが間違いか。この曲の中でも唄われているように「答えは幾つもあるんだ」。答えはみんなの心の中に‥‥それでいいと思います。

  とにかく‥‥長い文章でいろいろ分析することも可能だろうけど‥‥気に入っちゃったんだよね、うん。確かに "そうだ!We're ALIVE" と比べればまだまだなのかもしれないし、実際今年ドロップされた3枚のシングルはどれもタイプが違うので正直比較する気にはならないんだけど‥‥出されたものを楽しめるか、楽しめないか。それでいいんじゃない? 楽しめなきゃ、次に期待するなり、諦めるなり見捨てるなり。それくらいシビアでいいと思う。もしかしたら大きな影響力を持つサイトが「今回の曲は糞」って言えば、右にならえで「新曲は糞」ってのが一般的評価になるのかもしれない。けど、俺は好きだし、そういう意見に左右されることはないし、最初に感じた自分の気持ちを大切にしたいと思う。売れようが売れまいが、「好き」って気持ちには影響しないし、しちゃいけないと思う。皆さんも「自分をぶち破」って、気持ちを貫き通してくださいね。

  後藤の抜けた穴は確かに大きいでしょう。けど、それを代役を立ててカバーするのではなく、12人がかりで一丸となって攻める姿勢、俺は支持したいと思います。それだけでも気持ち的にスカッとしたし。恐らくライヴもこの曲からスタートするんだろうなぁ‥‥「モーニング娘。第三章」をスタートさせるにはもってこいの曲だと思う。だって、これはまだ結論ではないんだから。「全てはまだ学ぶ途中」なんだからさ‥‥

  最後に‥‥エンディングの「Wow Wow Wow みんなロンリーBoys&Girls」ってリフレイン。ウルってきた。娘。の曲で泣けそうになったのは久し振りだなぁ。



▼モーニング娘。『ここにいるぜぇ!』
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投稿: 2002 10 09 12:00 午前 [2002年の作品, ハロー!プロジェクト, モーニング娘。] | 固定リンク

2002/07/18

モーニング娘。『Do it! Now』(2002)

  何度も書いては削除して、そして違った視点から書き直しては削除、しまいには結論まで達する直前に保存しないままフリーズ‥‥なんてことの繰り返し。しかし、ようやくこの文をアップ出来そうな予感です。お疲れさま、俺(号泣)。

  さて、サブタイトルにもあるように、俺はこのサイトではネガな感情を題材にレビューをするつもりは基本的にはありません。唯一、例外もありましたが(言うまでもなく、市井ちゃんライヴの感想)、大半は「はじめに」にもあるように、「好きなものを、愛を持って取り上げる」のがこのサイトの趣旨。

   つうわけで、この賛否両論激しいモーニング娘。の新曲 "Do it! Now" に対しても、俺はこれまで同様の接し方でレビューしていきたいと思います。


  2ちゃんねるでの神光臨より早2週間近く経ち、最近ではテレビの歌番組でもそのパフォーマンスを目にする機会が増えたこの曲。それでもダメな人にとっては「糞・駄曲」でしかなく、既になかったことになっているようです。というよりも、この曲の発表により、いよいよ解散へのカウントダウンが進んだ、といったところでしょうか‥‥


そんな意見、それこそ糞くらえ。

おっと、失礼。それでは本題に‥‥

  まず最初に、俺はこの曲が好きですが、決して "そうだ!We're ALIVE" を越えたなんて言うつもりもないし、これっぽっちも思っていません。比較の対象として間違ってるのでは?なんて考え方もあるでしょうけど、例えばモーニング娘。の歴史を物語のような括りで表すとすると、手売り~ "ふるさと" までが第一章、後藤真希加入以降~ "そうだ!We're ALIVE" までを第二章と区切れると思います。その第二章の中に映画「ピンチランナー」&市井卒業までが第一節、4期メンバーが本格的に絡み始めた "I WISH" 以降~中澤卒業までが第二節、ミュージカル「LOVEセンチュリー」~ "ザ☆ピ~ス!" の9人時代を第三節、そして5期メンバー加入~さいたまスーパーアリーナ公演までが第四節。大まかに分ければこんな感じでしょうか?(ま、細かい区切りはその人の思い入れによってある程度変わってくると思いますが)

  では、この新曲はどの章の、どの節にあたるのか‥‥俺はこの新曲を「新しい展開への中継ぎ」、あるいは「過渡期的楽曲」というように捉えています。決して最高の楽曲でもないし、むしろこれまでのダンス☆マン路線を好んでいたファンを裏切るようなチープな楽曲と呼ぶことができるかもしれません。

  だけど、この時期に、このタイミングにつんく♂はこの曲をドロップした。そう、絶対に批判されることを判っていて彼はあえてそれを実行した。

  この曲のテーマは「決心」。「(恋愛・人生において)次に進む為の決意表明」的内容といえるでしょう。歌詞から受ける印象は、例えば "恋愛レボリューション21" や "そうだ!We're ALIVE" にあった「人生は素晴らしい」「日常の幸せ」のような溌剌とした前向きさではなく、どちらかといえばストレートな生真面目さ・重さを感じさせる作風になっているように感じられます。そういう意味では前作 "そうだ!We're ALIVE" とは対極にあると言えるでしょう。そう、今のつんく♂にはそうするしか為す術がなかったのです。

  常々書いていますが、間違いなく "そうだ!We're ALIVE" という楽曲は、つんく♂という作家、そしてダンス☆マンというアレンジャー/ミュージシャンとのコラボレーション作業の、良い意味でも悪い意味でも最高峰といえる内容でした。よく言えば「ブッ飛び過ぎ」で、悪く言えば「悪ふざけが過ぎる」1曲。細部までディテールが凝っていて、パフォーマンスにおいても完璧だったこの曲を越えるのは至難の業。恐らくこのウィアライが二人での共同作業の臨界点だったはずなのです。だから、それに続くアルバム『4th「いきまっしょい!」』にはそれを越えるようなテンションを持つ楽曲はなかった。それは仕方ないことなのです。このテンションの楽曲を連発されたら、間違いなくつんく♂はバーンアウトしていただろうし、それを表現する娘。自体にも影響が及んだはずなのです。

  娘。本体の新曲が7月後半に出ると知った時、俺は絶対にダンス☆マンとの作業はないな、と確信していました。もしそれをやってしまったら、それこそ "そうだ!We're ALIVE" という曲が嘘になってしまうから。あの時点で、ああいう曲をドロップしたことに何の意味もなくなってしまうから。だからつんく♂は新しい「道」を模索しなければならなかった。それには、これまで本体に導入したことのないアレンジャーを起用したり、毛色の違う楽曲を作ったり‥‥しかし、その結論‥‥答えは現時点では出せなかった。つまり、ここで提示された "Do it! Now" という曲は「答え」ではなく、ある意味つんく♂からの問題定義だったのではないでしょうか?

  つんく♂はモーニング娘。というユニットを使って、恐らくそれまでの歌謡界、あるいはロック界に根付いていた「既成概念」をぶち壊し続けました。メンバーのすげ替え・増減、ソロ・ユニット連発、そしてシャッフル。音楽的にも "LOVEマシーン" でのファンクミュージックへのオマージュ~ダンス☆マンの起用。そういう「ヒップホップ文化」的概念(音楽的なものだけでなく、そのスタイルも含めて。例えばWU-TANG CLANを思い出して欲しい)をひとつのヒントとして、モーニング娘。はその地位を確たるものにしていき、そのスタイルを最終的に "そうだ!We're ALIVE" という最強の楽曲で完成させた。つまり、みんなの知ってるあのモーニング娘。は、この曲で終わったのではなく、既に "そうだ!We're ALIVE" で終わっていたのです。しかしそれは決してネガなものではなく、清々しいまでの力強さと目映い程の光を放っていた。その光が強すぎて、受け止めきれない人も多々いた‥‥そんな中、我々の前に提示されたのは、それまでの路線を好んでいたファンも、そして前作が眩し過ぎて完全に中身を把握出来ずにいた人までをも困惑させる別路線。そういう意味では、つんく♂は「ヲタの既成概念をもブチ壊した」のかもしれません。つまり、それまで世間的には「変な/おかしな」と評されていた路線の楽曲が、いつの間にか当たり前に受け入れられるようにまで安定してしまった。と同時に、その路線も行き着く所までたどり着いてしまった。新しい第一歩を飾るような路線を模索するものの、その答えが出せないまま、現時点での苦悩・そしてその安定路線を好んだヲタへの問題提議をも形にしてしまったのが、この曲だった、と‥‥

  以上は俺の勝手な想像でしかないけど、俺はそういうことだと思っています。つまり、ここではまだ結論は出てないし、まだ始まってもいない。ここから何かを始めよう、新しい「モーニング娘。・第三章」をスタートさせるための決意表明なのですよ、この曲は。ここからまたモーニング娘。は更に大きくなる。そしてそれを娘。達本人に認識させる必要があった、と。"I WISH" という楽曲はその前後にリリースされたシングルと比べれば大ヒットしたとは言い難い1曲でしたが(それでも70万枚近いセールスを記録しているが)、あの曲が(歌詞の面でも、音楽的にも)果たした役割は大きかったと思うのです。そして今度の新曲は、もしかしたら後年同じように再評価されるようになるかもしれない。その可能性だけは秘めていると思うのです。

  音楽的遍歴だけ見れば、実験要素の強かった "Mr.Moonlight~愛のビッグバンド" や "そうだ!We're ALIVE" の方が「新しい始まり」を予感させるものだったのかもしれません。まぁその辺は人それぞれの受け取り方の違いこそありますが、俺はこの2曲も "I WISH" 以降の一連の流れと捉えています。その当時の在籍メンバーの違いこそあれど、やはり伝えたい事は基本的に同じだったと思うのです。

  しかし、今度の曲にはそういった実験的要素もないし、変わること・一歩前へ進むことの決意を唄っていたりする。まだつんく♂自身が見えていない「その先」を模索する最中にドロップしてしまったこの曲。そんなだから、万人の心を惹き付けるにはちょっと荷が重すぎるかもしれない。歌詞のストレートさの割りにアレンジはチープだし。いや、その対比があるからこそ、この曲は生きるのかもしれない。"I WISH" がその歌詞やテーマの割りに、ブラスアレンジ以外はチープなオケだったのと同じように、この曲もそこでバランスと取っているのだろうか?なんて思えてくるし。

  メロディーに関しては、ここ最近のつんく♂ワークスの中ではかなり潤いある哀メロだと思うのだけど、実際にはそう思わない・感じない人の方が多いようで‥‥俺の耳が腐ってるってことですかね? こういうマイナーメロにチープなオケを付けてしまったことが敗因だったのかなぁ(いや、まだリリース前なのに負けもなにも‥‥)。

  歌のパート分けにしても、つんく♂のマジックはまだ健在だと思います。たとえば、あの紺野がソロを取ったことでかなり「紺野がサブ・センター」というような強烈な印象を焼き付けたけど、実際には彼女、「一生忘れない」という1パートしかソロが与えられていない。あとは1番のサビ・コーラス後半と最後のリフレインでの同パートでの後藤とのユニゾンのみ。これだけで「あの紺野がセンター!?」という印象を与えてしまうのだから、これこそマジックではないでしょうか。それに加えて、相変わらず高橋と新垣は要所要所でポイントを押さえた好演を見せているし、小川も紺野同様出番が少ない割りにはインパクトが強いパートを与えられているし。石川も得意の台詞調パートで我々の耳を惹き付けるし、2コーラス目での矢口~飯田の長めのソロパートにはやはり安定感がある。勿論、メインを務める安倍・後藤には文句なんてあろうはずがないです。唯一残念といえば、保田のソロパートがないことですね。例えば、前回矢口は前に出る機会があったのだから、今回の矢口のソロパートを保田が唄っていたら、この曲はどうなっていただろう‥‥そういう意味では、よくよく考えるとやはりまだツメが甘かったのかなぁ?なんて気にもなってきたりして。

  昨日、某テレビ局の特番で、元SPEEDのhiroと今井絵里子の新曲と共に、この娘。新曲をオンエアされました。クオリティー的にどうだとか、どれが一番優れていたとか、そういうことを言うつもりは全くないです。しかし、これら3組の曲を聴き比べて‥‥何となくだけど、「その先」が少しだけ‥‥ほんの少しだけ見えたような気がしたのは、俺だけでしょうか? それが従来の楽曲を好むヲタにとって茨の道だとしても‥‥自分的にしっくりくる楽曲であるならば、そしてそれを表現する13人からまだ何かを感じることが出来るのなら‥‥俺は今後もモーニング娘。を応援していきたいと思ってます。決して俺はこの曲を無視しないし、これも「歴史のひとつ」として真剣に受け止めるつもりです。


‥‥とかいって、次の曲がまたダンス☆マン・アレンジのファンク歌謡路線だったとしても、俺を責めない方向でひとつ(爆)



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投稿: 2002 07 18 12:00 午前 [2002年の作品, ハロー!プロジェクト, モーニング娘。] | 固定リンク

2002/03/27

モーニング娘。『4th「いきまっしょい!」』(2002)

  さぁ、全宇宙待望の、モーニング娘。単体としては前作「3rd -LOVEパラダイス-」('00)から丁度2年振りとなる、4枚目のオリジナルアルバム。この2年の間にベスト盤やミュージカルのサウンドトラック、各ユニットの楽曲を集めた3枚のコンピレーション盤が発表されてきた。このような状況から、「純粋な新曲を沢山含んだオリジナルアルバムは、つんく♂の多忙振りを考えるともうありえないのではないか?」なんてファンの間では囁かれていた。さすがにここ何回かのコンサートツアーでのマンネリ振りを考えると、この時期に出しておかないと本当に毎年コンピ盤でお茶を濁すことになりそうだったのだが、今年に入って間もなくしてからプロデューサーのつんく♂自身が「現在、モーニング娘。のアルバムの準備をしている」とラジオで発言したことから、いよいよか‥‥と我々はこの日を待ち望んだのだった。

  全部で13曲というのは恐らく現在の13人編成を意識してのことだろう。シングルとしての既発曲が5曲なので、完全未発表の新曲は8曲ということになる("そうだ!We're ALIVE" も同時期に録音された新曲なので、正確には9曲ということになるか)。既発曲に関してもシングルとはバージョン違いだったり、5期メンバー加入以前の曲を13人で新たに振り分けしたりと、いろいろ手を加えられている。

  まぁ前説明はこの辺でいいだろう。今日はこの際なので、久し振りに全曲解説レビュー形式でやってみようと思う。モーニング娘。では初めてか? まぁいずれ過去のアルバムやシングルに関しても同様の形でレビューするつもりなので、既発曲については初出の所で詳しく触れるとして‥‥メインはあくまでアルバム用の新曲。

●M-1. ザ☆ピ~ス!(Complete Version)
  '01年7月リリースの通算12枚目のシングル。詳しいレビューはこちら。先日のハロプロ正月公演もこの曲からスタートしていたので、やっぱりこの曲がトップにくると「おお、始まるぞ!」というワクワク感、高揚感で胸がいっぱいになる。特に「Complete Version」ということで既発のシングルテイクとどこが違うのかというと‥‥基本的には何も手を加えられていないはずだ。ミックスもシングルと同じだと思うし。ただ、唯一の違いはエンディングだろう。あの、いつ終わるのか判らない、いつまた始まるのか‥‥というクドいくらいの繰り返し。シングルではフェードアウトになっているが、ここではフェードアウトしそうになるとまだデカい音で始まる、その繰り返し。まぁ早い話が、レコーディング時のバックトラックをそのまま完全収録した、ということなのだろう。というわけで「完全版」なのだ。ライヴやテレビで唄う時は既にこのテイクを用いているので(とはいっても繰り返しの回数が遙かに少ないが)、まさにここからスタートといったところだろう。

●M-2. いいことある記念の瞬間
  編曲にダンス☆マンが携わった、シュープリームスの名曲「恋はあせらず」(の、フィル・コリンズがカバーした方のバージョン)を彷彿させる、モータウン調のポップナンバー。「自分を信じて 強く生きよう/生まれ変わるような 記念の瞬間」って歌詞がいいなぁ。こういうタイプの曲、俺すごく好きなんだよなぁ‥‥アルバム中一番好きかも。シングルにはならないものの、決してアルバムの穴埋め的ナンバーでもない。この2曲の流れ、好きだなぁ~

●M-3. Mr.Moonlight ~愛のビッグバンド~(Long Version)
    '01年10月リリースの通算13枚目のシングル。詳しいレビューはこちら。ロングバージョンとはいっても曲が長くなったのではなくて、曲に入る前に3分程度のミュージカル風のセリフがプラスされている。PVを観たことある人ならわかるだろうし、テレビでのあの衣装からも察しがつくだろうけど、この曲は非常にミュージカル的な要素を持っている。こういう形でストーリーが明確になることに「クドい」と難色を示すか、より伝わりやすくなったと受け取るかで、このロングバージョンの評価って変わるんだろうな? とりあえず、今度のツアーではこの冒頭のパートをショートドラマ風に演じてから歌に入るんだろうな(去年の春ツアーでの "あこがれMY BOY" みたいに)。
  ただね、3曲目にしてこんなに3分もコントでアルバムの流れを止めてしまうってのは如何なものか? せめて真ん中辺りじゃないかな!? 楽曲的には3曲目でも問題なしなんだけど、折角頭からの流れがよかっただけに、そこがちょっと残念だったなぁ‥‥
  それにしても新垣、オイシイなぁ~。そして石川、相変わらず棒読みだなぁ~。そして何故にたいせー!?

●M-4. 初めてのロックコンサート
  娘。関係ではシングルのカップリングや後藤ソロ等を手掛けてきたAKIRAアレンジによる、ブリトニー・スピアーズとかあの辺の洋楽アイドルポップ的なサウンドを持ったR&Bテイストの1曲。後藤ソロ曲としてもそのまま発表できる程、彼女が唄うと違和感ないわ。それにしても、タイトルは「ロックコンサート」なのに曲調は「R&B」っていうズレ具合。狙ってる?
  この曲は飯田、保田、矢口、後藤、辻、小川の6人のみが唄う曲で、それぞれが交互に唄う構成。やはりごっちんと圭ちゃんは安心して聴いてられる。小川も頑張ってるんだけど、まだこれからって感じかな? この曲もかなりいい出来じゃないかな? 個人的には嫌いじゃないです。

●M-5. 男友達
  安倍のソロナンバー。5期メンバーがコーラスで参加。アレンジにはお馴染みの鈴木俊介の名が。ごっちんの加入後、なっちの歌を思う存分味わう機会がライヴ以外では殆どないので、この曲は非常に有り難い。しかも最近の曲はどれも黒っぽいテイストが多少なり取り入れられているので、こういうタイプの曲(ポップロック調の小楽曲)は新鮮だし、なっちの色に合っていると思う。
  中盤のギターソロがちょっとMR.BIGの "Green-Tinted 60's Mind" っぽいのは、気のせいかな?

●M-6. そうだ!We're ALIVE
    '02年2月リリースの通算14枚目のシングル。詳しいレビューはこちら。アナログでいえばA面ラストがこの曲ってことになるんだけど‥‥ちょっと前の曲からの流れに違和感というか、ギクシャクした印象を受けたなぁ。もしかしてMR.BIG~BON JOVI繋がり、とか?(と、勝手に想像して喜ぶのは世界中で俺ひとりだろう)この曲はシングルと同テイク。ただ、アルバム用にミックス(というかマスタリング)を若干柔らかくしてる印象が(多少、ドンシャリ感が強まったかな?)。アルバム全体のバランスを考えてのことだろうけど、個人的にはシングルの方が好きだな。

●M-7. でっかい宇宙に愛がある(Album Version)
    '01年7月リリースの通算12枚目のシングルのカップリング曲。詳しいレビューはこちら。アルバムバージョンってことだけど‥‥曲の後ろで娘。達が騒いでる音量がデカくなった程度?(それは気のせいかな??)‥‥(シングルバージョンと比べてみる)‥‥ああ、なるほど。1分程エンディングが短くなってるのか‥‥ってそれだけ?
  それにしても、鈴木俊介はこのアルバム内でもダンス☆マンに次ぐ貢献度の高さだなぁ。非常にいい仕事してると思います。

●M-8. いきまっしょい!
  初期から関わりのある小西貴雄アレンジの、ユーロビート調ハイパーチューン。既に娘。には "Say Yeah! -もっとミラクルナイト-" という同タイプの曲があるし、秋ツアーではアンコール1曲目に唄われる等非常にいいポジションで唄われていた曲だったので、このアルバムタイトルトラックが今度のツアーでは取って代わってその役割を果たすのかもしれない。ライヴでは間違いなく盛り上がるだろうし。
  正直な話、アルバムからの新曲が解禁になった時、最初に聴いたのがこの曲だったのだが‥‥「ああ、ヤバいなぁ‥‥」という暗い気持ちになった。こういう曲ばかりだったらどうしようって‥‥けど、このタイプの曲はこれ1曲なのでよかったけど。悪くはないんだけど、個人的にはタイプではないのよ、この曲調(てゆうかアレンジね)。ただ、唯一の救いは、石川のセリフだったりするのですが‥‥

●M-9. 電車の二人
  前嶋康明氏アレンジ。4曲目に参加してなかった残りの7人‥‥安倍、石川、吉澤、加護、高橋、新垣、紺野が交互に唄う曲。石川さん、下手なりに頑張ってるなぁ‥‥いきなり唄い出しだもん、そりゃビックリしますよ。
  高橋と新垣はここでも頑張ってるなぁ。"そうだ!We're ALIVE" といい、ホント新メンバーの中では優遇されてるというか、恵まれてるなぁ。しかもそのチャンスをちゃんとモノにしてるし。加護ちゃんもうかうかしてると追い越されちゃうぞ!?(それにしても、よりによってチャーミー、よっすぃー、コンコンの3人を一緒にしてしまうなんて‥‥冒険するよなぁ、つんく♂も)

●M-10. 本気で熱いテーマソング
  ダンス☆マンが携わる、如何にもモーニング娘。的なファンクナンバー。ラジオで聴いた時にもピンときたけど、ホントにいい曲。シングル向きだね。ただ、"ザ☆ピ~ス!" や "恋愛レボリューション21" と同系統なので、これを先行シングルにしてたら「また同じかよ!?」ってヲタに酷評されてたんだろうな‥‥って結局何出しても貶す奴は貶すだろうけど。
  このサビメロって‥‥何だっけ? 何かに似てるよね、昔のヒット曲だと思うけど‥‥歌詞を読むと、こっちの方がオリンピックの応援歌にピッタリだったんじゃないだろうか?という疑問も生じるんだけど(「いざ進め 世界の熱い奴ら」って歌詞なんか特にさ)‥‥最後の「いざ進め!」と「モーニング娘。!」をかけたとこもカッコイイよね? うん、純粋にカッコイイ曲。ただ悲しいかな、"Mr.Moonlight ~愛のビッグバンド" や "そうだ!We're ALIVE" を聴いた後となると、このレベルの曲でも「平均レベルかなぁ?」なんて思えてくるし‥‥

●M-11. 好きな先輩
  5期メンバーの4人がメインとなる曲。コーラスに先輩メンバー9人が参加。正しくタイトル通りの、ポップな小楽曲。娘。とは古い付き合いの高橋諭一がアレンジ。それにしても新垣。その少年っぽい節回しにソウルフルさを感じる。これまでの娘。にはいなかったタイプ‥‥てゆうか本当に子供だからこその味わいだと思う。あと1~2年したらどうなるのか判らないけど‥‥現時点では光るものがあるなぁと思うんだけど。こないだの「童謡ポップス2」といい "そうだ!We're ALIVE" といい、ホントにこれからが楽しみな娘。だと思う。
  それ意外だと、小川の頑張りも目に(耳に)つく。先輩の中に入ってしまうと埋もれがちだけど、同期4人が並ぶとやはり負けてられないって気持ちが強く出るのか、いい感じなんだよなぁ。この感じをもっと出せればと思うんだけど‥‥いや、新メン、みんないいよ!

●M-12. 恋愛レボリューション21(13人 Version)
  '01年12月リリースの通算11枚目のシングル。13人バージョンってことで、オリジナルバージョンから中澤のソロパートを消して、小川が替わりに唄い、5期メンバーの歌を足した(?)んだろうけど‥‥ミックスも若干変わってる気が‥‥変わってないか。この曲が一番古いものだんだけど、未だに飽きが来ないのは何故なんだろう‥‥ベスト盤にも入ってたし、こないだの「プッチベスト2」にもリミックスバージョンが入ってたのに。明らかに "I WISH" 以降の曲って何かが違うんだよなぁ‥‥ライヴでいうとここで盛り上げて本編終了ってとこだろうか。

●M-13. なんにも言わずにI LOVE YOU
  ライヴでいうならばアンコールナンバーであるアルバムラスト曲は、久し振りのバラードナンバー。アレンジは再び小西氏。AOR調に始まり、中盤のコーラス隊が加わる辺りからゴスペル調に変化していく盛り上げ方が好き。どうせなら打ち込みじゃなくて、生リズム隊でやって欲しかった気もするけど‥‥
  この曲に限らず、多くのアルバムトラックに言えることなんだけど‥‥やはりシングル曲並みの手の込みようは見られないんだよねぇ。中にはそれに肉薄する出来の曲もあるんだけど‥‥やはり "ザ☆ピ~ス!" 以降のシングル曲のレベルが並外れているってことなんだろうか? この曲だって、アレンジ次第ではシングルとして切ってもおかしくない曲なんだけどなぁ‥‥勿体ない。


‥‥というわけで、総評に入りますか。うん、想像してたよりはずっとよかった。正直なところ、もうちょっと散漫な内容になってるかなぁって思ってたんだけど(特に今朝、久し振りに「3rd -LOVEパラダイス-」を聴きながら通勤したから、余計にそう感じたんだろう)、バラエティーに富んでる割には1枚のアルバムとしてかなり評価できる作りになってると思う。

  ただ、何度か書いたように問題点も幾つかあって、それはアルバムの流れ(曲順)だったり、新曲と既発シングル曲とのアレンジにかける時間の違いだったりするんだけど、あれだけ忙しい中ここまでやったことを評価すべきなのか、「だったら各ユニットのリリースサイクルをもっと長く取って、その分娘。に費やせよ」と非難すべきなのか‥‥

  勿論、評価すべき点はそれ以上に沢山ある。加入後、目立つ機会の少なかった5期メンバーにチャンスが沢山与えられたことや、なっちのソロ、ドラマやコントを通じての演技力の向上等々。視点をいろいろ変えてみると、発見の多いアルバムだと思うよ、これ(ってまだ4回くらいしか聴いてないけどね)。

  個人的観点で言わせてもらえば、過去4枚のアルバムの中で一番いい出来じゃないかと思う。セカンドもかなり素晴らしいアルバムだけど、既にあの頃とはモーニング娘。自体が別物となってしまったので、比べること自体が無意味なんだけど‥‥じゃあ4枚の中で一番いいって表現も何だか違うよなぁ‥‥そう、13人編成となって新たに生まれ変わった「モーニング娘。」というグループのデビューアルバムとでも言えばいいだろうか? "Mr.Moonlight ~愛のビッグバンド" でデビューした新しいグループのファーストアルバムだろう、これは("恋愛レボリューション21" や "ザ☆ピ~ス!" はセルフカバーって感じかな?)そういう意味で、一番勢いみたいなものが感じられる作品集なんだよなぁ。

  ただ、それでもこれは決して最高傑作なんかじゃないと思う。娘。の歴史を考えた上で、一番出来の良い作品集だとは思うけど、娘。史上歴史に残るような曲を収録した前作がそうでなかったのと同様、このアルバムにも最強のキラーチューンが幾つも収録されているが、「かなりいい」けど「超超超超名盤」とはお世辞にも呼べない。

  でもね、ファンだから言うわけじゃないけど‥‥ずっと聴き続けると思うな、これ。何か知らないけど、聴いてると凄くポジティブな気持ちになってくるもの。いいアルバムだよね、何だかんだ言ってさ。

  願わくば、この編成でもう1枚アルバムを作って欲しいな、今すぐにでも。次も同じ13曲入りで、けど今回のアルバムとの大きな違いはシングル曲皆無で、しかも13人それぞれのソロ曲計13曲を収めたオリジナルアルバムを。いっそのこと、アレンジャーを13人使うとかして、もっとバラバラな、それでいて非常に統一感のある、矛盾しながらも暴力的且つ強引なまとまりのあるアルバムを。

‥‥なんて妄想をしつつ、既にアルバムは5周目も中盤に差し掛かっているのだった‥‥

結論:それでもやっぱり、モーニング娘。がだいすっき♪


‥‥もっと真面目にレビューするつもりだったんだけどなぁ‥‥。



▼モーニング娘。『4th「いきまっしょい!」』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2002 03 27 12:00 午前 [2002年の作品, ハロー!プロジェクト, モーニング娘。] | 固定リンク

2002/02/01

モーニング娘。『そうだ!We're ALIVE』(2002)

  これを書いている2/1の時点ではまだ発売されていない(2/20発売)音源の、最速レビューだ。そもそも一般公開も昨夜の「矢口真里のALL NIGHT NIPPON SUPER」内でたった一回のみ、放送されただけなのだから‥‥そんな新曲を、リリース3週間近くも前に「2月のオススメ盤」として紹介しようとしているのだから‥‥狂ってるって言われても仕方ないと思う。けど‥‥そんな外野からの声も蹴飛ばしてしまうくらい、今度の曲は凄すぎるのだよ‥‥いちモーヲタ以前に、いち音楽ファンとしてこの曲の素晴らしさを説きたいと思って、こうやって大絶賛文を書き始めたわけだ。


  ハッキリ言わせてもらう。いや、「とみぃの宮殿」という音楽サイトの管理人として、その管理人生命を賭けてでも言い切らせてもらう。



モーニング娘。の新曲

「そうだ! We're ALIVE」

は完全無欠の大傑作!

これを否定することは

即ち

「ロック」を否定する

のと同然だ!!!


  何故この俺にここまで言わせてしまうのか? 何故この曲はこんなにも聴き手の魂を揺さぶるのか? 何故この曲はこんなにも聴き手の曇った顔を明るくさせるのか? そして何故にこの曲はこんなにも聴き手の涙腺を緩くさせるのか?

  そう、この5分に満たない1曲の中に、我々が「モーニング娘。」というユニットに求めるもの、そして一般人が持つ彼女達へのパブリックイメージが全て凝縮されているだ。しかも、ある種ごった煮的コラージュ作品とも呼べなくもないこの曲は、それでもひとつの楽曲として成立している。もっと言えば、作り手であるつんく♂とアレンジャーのダンス★マン、そして表現者である娘。達13人‥‥送り手のパワーが最大限に発揮された、マックスレベルを振り切らんばかりの1曲なのだ。現時点ではまだダンスや振りを見ていないので、振り付け師である夏まゆみの力の入れ具合は確認できていないが、昨夜の矢口の発言「これまでの振りの中で一番激しいし、ある意味 "ミニモニ。ジャンケンぴょん!" にも匹敵する激しさ」からもこの曲の振り付けがもの凄いことになるのは、察することができる。


  どこがどう凄いのか‥‥これをまだ聴いていない人間に文字でどこまで伝わるのか疑問だが、可能な限り俺のつたない表現力で書き記してみたいと思う。

  の前に‥‥この曲の歌詞を最初に読んでみて欲しい。

(※掲載割愛)

  ちなみに繰り返される「努力 未来 A BEAUTIFUL STAR」の行がふたつあるサビの内の最初のサビ("恋愛レボリューション21" でいう「超×4いい感じ」、"ザ☆ピ~ス!" でいう「HO~ほら行こうぜ」みたいなものと思っていい)でBON JOVI等のアメリカン・ハードロックを彷彿させるシンガロングタイプ、「幸せになりたい」以下の行がふたつめのサビで、ポップでメロウな如何にもなアイドルポップメロディー。石川や加護辺りが唄ったらハマりそうなパートと言っていいだろう。

  このふたつの、ある意味相反する形のサビが同居するだけでも意外なのに、それ以外のパートでは白人ファンクバンドWILD CHERRYの大ヒット曲 "Play That Funky Music" をイメージさせる、骨っぽいミディアムヘヴィなファンクチューン。カッチリした演奏が時々THE POWER STATION('80年代中盤に活躍したスーパーユニット。ボーカルにロバート・パーマー、ギターとベースにそれぞれ当時DURAN DURANに在籍していたアンディ・テイラーとジョン・テイラー、ドラムにCHICのトニー・トンプソン、そしてプロデュースに同じくCHICのバーナード・エドワーズを迎えた、ファンクをハードロック的アプローチで再現したグループ。'90年代中盤にも一度再結成している)を思い出させる程、重量級のリズムパート(ドラムの重い音作り、そして独特なベースプレイ)が耳から離れない‥‥これがアイドルへ提供された楽曲のバックトラックか!?と信じられないくらい、完成度が高い。

  そう、モーニング娘。のシングル曲におけるバックトラックの完成度は、この2~3曲でかなりの飛躍を見せている。しかもそれを聴き手に意識させないように、至極自然にやってのけてきたのだ。"ザ☆ピ~ス!" イントロ部の歪みまくったシンガロングパートとそれに絡むインダストリアルノイズ、"Mr.Moonlight ~愛のビッグバンド~" での生ビッグバンドを導入した豪華な演奏とそのクオリティーの高さ(悪い事は言わない。可能ならCDを借りてきて、ヘッドフォンで聴いてみて欲しい。そのクオリティーにビックリするはずだから)。そして今回の新曲‥‥つんく♂と各アレンジャー陣(ここではダンス★マンン)は意図的にその仕事をより緻密で高品質なものに高めている。

  勿論、遊び心も忘れない。悪ノリと言われてしまえばそれまでだが、中間部でのロシア民謡をモチーフにしたパート‥‥段々とテンポが速くなっていく様、そしてそのバックに被さる「Wo, Ha!」という掛け声は "恋のダンスサイト" を思い出させるし、メロウな二段目のサビは初期の娘。とイメージが重なる。特にロシア民謡パート‥‥明らかにダンスが見せ場となるパートなのだが‥‥やはりここでコサックダンスとかしてしまうのだろうか?

  ハッキリ言って無茶苦茶だし、ここでロシア民謡が挿入される必然性は全く感じられない。けど、これまでのモーニング娘。だって十分に雑食性の高い、「何もこんなところでこんなことやらなくても‥‥」と思わせる存在だった。ただこれまではそれらの要素を1曲の中にこんなに詰め込んでいなかっただけなのだ。ということは‥‥明らかに送り手はこの曲に勝負をかけているのか、新たなステージへと駆け上がる為の実験作として発表したものと思われる。

  いや、実験だけはずっと行っていたはずだ。"LOVEマシーン" 以後、敢えて同じようなフォーマットを取りながら、毎回そこにはいろんな実験を組み込んでいたのだ。少なくとも昨年発表の2曲に関しては、その要素がそれまで以上に表面化しているように感じられる。そして、機は熟した、と‥‥そういうことなのだろう。

  先に紹介した歌詞にしてもそうだろう。一見意味がなさそうでバカバカしさ炸裂な感じだが、本当にそうだろうか? つんく♂という作詞家は、日常の他愛もない出来事をモチーフにしながら、実はかなりディープなテーマを根底に潜ませるという高度なテクニックを使う人だ。一読して無意味そうな "ザ☆ピ~ス!"でさえも、一言一言意味を考えながら読んでいくと、かなり興味深い作品だし。

  この "そうだ!We're ALIVE" でもそれは同様で、まぁ全てはそのタイトルに集結していると思うのだが‥‥早い話が「僕らはみんな生きている」なのだ。けど、その中には本当に他愛もないことに幸せを感じたり、がっかりして落ち込んだりする。生きているから恋もするし失恋もする。誰しもが幸せになりたいと感じ、他人に自分の気持ちを伝えようとする。それら全てが「THE 人間」なのだ、と。表面的にはこういう解釈だろう。今回の曲はオリンピックの応援歌となる曲、つまりは「人生応援歌」のような立ち位置を取る曲とならなければならない。確かに今回は "ザ☆ピ~ス!" や "I WISH" の時のような「深み」は感じられないが、それを補い余るようなサウンドと娘。達のパフォーマンスがある。

  そう、そのボーカルパフォーマンスも、これまで以上のもの、いや、これまでの集大成と言えるものとなっているだろう。前シングルでの男的発声に始まり、「Come on」を「カモンナッ!」と、「幸せ」を「しやわせ」と言わせたり等の「つんく♂節」炸裂。特に「カモンナッ!」の所は加護がGacktの物真似をした時のそれなのだ。所々に入る「ヒ・ホ・ハ」という無機質な掛け声といい、各メンバーのソロのパフォーマンス・クオリティーの高さといい、これまでとは比べようがない程にレベルが高い。「幸せになりたい」の行でも加護や飯田といったメンバーがそれまでとは間逆の、女の子女の子した甘い声で表現する‥‥このギャップも最高だ。


  ‥‥とここまで書いたところで、実際に曲を聴いていない人にとっては「何を熱くなってんの、この人?」の一言で流してしまう話題なのだろう‥‥けど、実際に聴いてみたなら、その後でいいのでもう一度この文を読んで考えて欲しい。

  現在の日本のヒットチャートで、ここまで実験性の高い、聴き手に喧嘩を売るような1曲がどれだけあるだろうか?という事を‥‥具体的な名前を挙げるのは控えるが、現在ヒットチャートを賑わしているアーティスト達の中で、常に前進する事を選ぶ人間はどれだけいるだろう? そのキャリアが長くなればなる程、我々がイメージする「パブリックイメージ」をトレースするような作品を再生産するに留まる。勿論、それも素晴らしいことだろう。しかし、本当にそれだけでいいのだろうか? そういう楽曲ばかりが大半を占めるヒットチャートだからこそ、我々は段々興味が薄らいできているのではないだろうか?

  この曲は、聴き手の「パブリックイメージ」を守りつつも、それまでにはない攻撃性や実験性を強く感じさせる。見方を変えれば「両刃の剣」にもなりえる1曲だ。恐らく今のモーニング娘。のアーティストパワーを考えれば(そして同日発売の他のシングルを見渡せば)、間違いなくヒットチャートの1位を取る曲だろう。しかし、一歩間違えばセールスに響く。1位を取ったものの、後はスルスルと落ちる一方。そういう曲であってはならないのだ、これは。その為には、モーニング娘。にこれまで興味が殆どなかったであろうロックファンをも巻き込む必要がある。そしてこの曲にはそれだけのパワーがある。だから俺はここでこうやって声を大にして叫んでいるのだ。

  俺は「モーニング娘。」という存在、そして彼女達が発表する歌が大好きだ。しかし、今回こうして書いている文は、そういう自分の想いを無視してでも伝えたかった事だ。だから最初に「管理人生命を賭けて」と書いた。これが理解されないなら、本気で辞めてもいい。そう言い切れるだけの楽曲だと信じて疑わない。



▼モーニング娘。『そうだ!We're ALIVE』
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投稿: 2002 02 01 10:49 午後 [2002年の作品, ハロー!プロジェクト, モーニング娘。] | 固定リンク

2001/02/18

モーニング娘。『ベスト!モーニング娘。1』(2001)

  はい、マジです第2弾(爆)。掲示板上でいろいろ物議を醸しだしたモー娘。関連ですが、正直な話をすると、1年前程彼女らに興味はない。理由は‥‥判ってるでしょ?(苦笑)市井紗耶香が抜けちゃったしね‥‥だから今回これをオススメ盤として取り上げるのは、純粋に音楽を取り上げようという事ですわ。こりゃちょっと難しいぞ‥‥こんな事書くと、絶対に反論が来るのは判ってるんだろうけど、やっぱり多くの方に喧嘩を売ったと思われてしまった?以上、けじめとして書いておかなきゃ♪(苦笑)

  モー娘。デビューしたのは'98年1月。その前から「ASAYAN」で『インディーズで5万枚売ったらメジャーデビュー』ってな企画をずっとやってたので、それなりに注目はされていた。最初は話題性だけで売ってる、そんな印象を受けた。例えばデビューにまつわる企画だとか、デビュー時は5人だったのに次の曲では8人になってたり、更にその曲が前の曲よりチャート的に悪い成績だったら解散とか。前も別のところで書いたけど「番組内視聴者参加型ロールプレイングゲーム」だったんだな、と感じる。だから、そんな話題性だけで売ってるグループなんてすぐに廃れて売れなくなる→解散。誰もがそう思っていたはずだ。実際、デビューから1年後にオリジナルメンバーの福田明日香が脱退した辺りから、低迷しつつある印象を受けた。それは楽曲のパワーだったりセールスだったり‥‥

  ところが、デビューから3年経った今でも彼女達は残っている。それだけではなく、現在はメンバーを10人にまで増やし、セールス的にも毎回100万枚近いセールスをあげている。このベスト盤も発売1週間でアルバムとしては初の100万枚突破、現在までに250万枚もの出荷を記録していると聞く。勿論ベスト盤というのも関係あるだろうが、正直ここまで売れてしまうとはあの頃誰も思わなかっただろう。何故彼女達は3年もの間、競争の激しい芸能界を生き抜いてこれたのだろうか?

  まず一番大きいのは、彼女達が「プロ意識」というモノを常に持っている事。それは例えばデビュー時と今残っているメンバーの顔つきや目を見れば一目瞭然だ。もっと言えば昨年5月に加入した4人。加入当時はいかにも素人的な、本当にその辺にいる女の子だったはずだ。けど、今はどうだろう。顔つき、目つきが全然違うのだ。これは間違いなくつんくの影響だろう。つんくという男は音楽面だけでなく、精神性までもを彼女達に教育している。この点がおニャン子クラブやチェキッ娘と違う点じゃないだろうか? 勿論、歌唱力やダンスのセンス等は本当のプロの方々の足下にも及ばない。が、そこに食い付こうという気持ちだけは負けていないのでは?

  最初、つんくは彼女達を完全な『アイドル』として売りだそうとしたはずだ。それはデビュー曲"モーニングコーヒー"を聴けばお判りいただけるだろう。明らかに彼の好きだったアイドル歌謡路線だった。それが何故、現在のようなダンス路線‥‥もっと言ってしまえば「シャ乱Qの後継者的」ダンスミュージックへとシフトチェンジしたのだろうか? 時代性や流行というのもあるだろうが、それだけではないような気もする。

  初期のモー娘。の楽曲には、中途半端なエロさがあった。いやらしいと感じさせない、中途半端なエロさ。これはシャ乱Qでのつんくが持っていたモノだ。それが100万枚セールスと引き替えに後退している。この辺はSPEED初期と共通するものを感じる。ファンの低年齢化。そう、後藤や加護といったローティーンメンバーが加入した事によって、彼女達は小学生のヒーロー/ヒロインへと成長していった。これを意識する事によって、つんくは自身の歌詞に責任感のようなものを感じたのかもしれない。
  歌詞の内容も、初期は子供と大人の狭間で揺れ動く女心(って男の俺が言うのも何だが/苦笑)を唄っていたものから、徐々に幅広い年代にアピールする内容へと変化していった。これも上と同じような理由からだろう。特定の層を狙う事よりも、もっと大きい‥‥万人に愛される楽曲作りへと、つんくの意識も変わったのだろう。それを実現させるにはシャ乱Qでは不可能だったのだ。あのバンドはある意味、役目を果たしてしまったのかもしれない。

  改めて、音楽性のシフトチェンジについて考えてみよう。本来アイドル歌謡好きのつんくは、シャ乱Qでは表現しきれない音楽性を「女性」を使う事で表現しようとした。しかし、番組の企画と二人三脚で進めていく中、物足りなさを感じたのかもしれない。と同時に、シャ乱Qの人気・セールスの低迷→バンドメンバーの不祥事による活動休止。自身が本当にやりたい音楽を発表する場を失った、ソングライターとしてのつんく。そこで彼はその思いをモー娘。に託す。
  いかにもシャ乱Q的なダンスチューン"サマーナイトタウン"はデビュー曲よりも成功し、続く3作目"抱いて HOLD ON ME!"では初の1位を獲得する。この曲で初期モー娘。のイメージが完成したといっても過言ではないだろう。
  そして4作目"Memory 青春の光"ではよりアーバンなブラックミュージックへと接近する。この曲では初めてバンドサウンドを導入し、そのバックを支えるのはアメリカ屈指のスタジオミュージシャン達ばかりだ。有名なところではベースのウィル・リーなんかがその名前を知られているはずだ。この辺のアプローチは、SMAPがやっている事に近いモノを感じる。
  ここで福田が脱退し、7人になったモー娘。は"真夏の光線"で再びアイドル路線にアプローチする。デビュー曲と違ってそこには「つんく色」が更に色濃く表れていた。しかし3枚目を頂点にセールスは失速しつつあった。そこでつんくは新たな挑戦に挑む。「普遍的楽曲」作りへの挑戦だ。

  安倍をリードボーカルに据えた6枚目のシングル"ふるさと"は、そういう普遍性を目的に書かれた楽曲であり、当時つんくは「(同じ事務所の)森高千里さんにも自身の故郷を唄った"この町"という曲がある。そろそろ彼女達にもそういう『将来大切になる楽曲』があってもいいかな、という思いを込めてこの曲を作った」と発言している。そういう事もあってか、この楽曲のアレンジャーには森高の楽曲のアレンジも手掛ける小西貴雄を迎えている(アルバムでは彼を起用してたのかもしれないが、シングルとしては初めてだった)。しかし、この曲はセールス的には大失敗で終わる。失敗とは言っても20万枚は売り上げていたのだが‥‥同じ日に発売された鈴木あみに100万枚近い差をつけられてしまう。

  この次からの彼女達、そしてつんくが凄かった。アレンジャーにダンス☆マンを起用、演奏も彼のバンドをそのまま使う事によって、よりダンスミュージック‥‥それもシャ乱Q的な人工的なものではなく、より本格的な‥‥に近付く事となる。更に現在のモー娘。の人気を支える事となる後藤の加入。
  そうして発表されたのが、"LOVEマシーン"という楽曲だった。この楽曲が全てを変えた。彼女達の意識も、彼女達を取り囲む状況も、そしてつんく自身をも。結果この曲は最終的に160万枚ものセールスを記録する。

  本格的なダンスミュージック。ぶっちゃけてしまえば、海外の'70年代にヒットしたダンスミュージックへのオマージュ。ダンス☆マン自体がそういう事を目的としてバンド活動をしている事もあり、モー娘。の楽曲も自然と「パクリ」と「オマージュ」の間を行ったり来たりする。例えば"LOVEマシーン"は「笑う犬」でもお馴染みの"Venus"であり、"恋のダンスサイト"は"Genghis Khan"、"ハッピーサマーウェディング"はドナ・サマーの"Hot Stuff"というように。その後にリリースされた楽曲も、ダンス☆マンが関わっていない楽曲でさえもそういう「確信犯的」なイメージを受ける。
  レトロなものがもてはやされる時代ではあるが、これはそういうものとはちょっと違うのではないだろうか? 最近そう思えてしかたない。つんく自身が目指した「普遍的楽曲」‥‥最初は「心に残る名曲」という意味合いだったはずだ。しかし"LOVEマシーン"を生み出した事によって、何かが弾ける。消費されて廃れていくだけがヒット曲ではない、消費される事によって更にパワーを増す楽曲だってあるはずだ‥‥それがこの"LOVEマシーン"だったのだ。俺はこういうつんくの姿勢に「ロック魂」みたいなものを感じる。

  現在、シャ乱Qは2000年12月に「休憩」という名の活動休止期間に再び突入した。最近は自身が唄う事さえも忘れつつあった彼だが、昨年末にはBEATLESの完全コピーアルバムをリリースし、更にはライヴまでやってのけた。最近彼は「まことと二人でバンドっていうか、ユニットでもやろうかと思ってる。今は唄いたくてしかたない」と発言している。"LOVEマシーン"発表後、つんくは自身が唄うオリジナル楽曲を1曲も発表していない。ソロシングルはその前だし、「ラーメン大好き小池さんの歌」はリメイクだ。そうなると、あの爆裂モードに突入してから自身が唄う為のオリジナル曲は発表していない事になる‥‥勿論、あれがモー娘。というキャラが唄う事によって大成功したんだという事はよく理解している。けど、今のつんくが唄うとどうなるんだろう‥‥純粋にそう思ってしまったのだ。

  先日、あるテレビ番組でつんくのインタビューを観た。シャ乱Q時代のような飢えた目つきとはまた違っていた。優しさを持ちつつ、それでいて何かを企んでいるような。個人的にはこの人の音楽センス、大好きなので是非今後に期待したい。ロックなんて真剣さとギャグが紙一重なのだ。前回のロマンポルシェ。にしろ、今回のモーニング娘。にしろ。そしてつんく‥‥プッチモニやタンポポでの楽曲センスには光るものを感じていたし、今度はミニモニだ。バカにするのもいい加減にしろとお思いかもしれないが、あの小馬鹿にした感じ。日本の音楽シーンを舐めきった態度には共感するものがある。だからこそ、今後もつんくから、そしてモーニング娘。から目が離せない。いちロックファンとして。



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投稿: 2001 02 18 12:00 午前 [2001年の作品, ハロー!プロジェクト, モーニング娘。] | 固定リンク