カテゴリー「曽我部恵一」の8件の記事

2006年1月 6日 (金)

COUNTDOWN JAPAN '05-'06@幕張メッセ(12/30)

 さて、前日にアップした「COUNTDOWN JAPAN '05-'06」簡易レポ初日編に引き続き、今回は2日目であるところの12/30の簡易レポ(というか、当日のメモ)をご紹介します。

 正直なところ、この日はあまりライヴを観ておらず、タイムテーブルを知ってる人にはお判りいただけるかと思いますが、POLYSICSと曽我部恵一バンドとの間に1時間半、曽我部さんからZAZEN BOYSまで約3時間以上もの間が空くんですよ。で、その間何やってたかというと‥‥友人達と、ただひたすら酒呑んでたという(苦笑)。ほぼ泥酔に近い状態でしたね。ま、ZAZENの前にはちょっとこれじゃあマズいと思って、さすがに酒を控えましたが(お陰でZAZENの時には踊りまくって酒は全部抜けましたけどね。多分)。

 まぁそういうのも、またフェスっぽくていいですよね。残念なのは、これが屋内で、しかも真冬に開催だということ。惜しいよなぁ‥‥ま、この辺の悔しさはまた今年の夏に持ち越しってことで。

 それでは、本編に突入したいと思います。ホント、レポートにもなってない、単なる箇条書きメモですので、長文を期待してる人には肩すかしかもしれません。申し訳ない。

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2005年12月25日 (日)

曽我部恵一『ラブレター』(2005)

 曽我部恵一の、ソロアルバムとしては通算5作目となるオリジナルアルバム。先頃一般流通されるようになった「sketch of shimokitazawa」も本人にとっては「オリジナルアルバム」という認識だそうなので、今年は2枚の、異なる作風のアルバムがリリースされたことになります。しかも共に素晴らしい内容なもんだから甲乙付け難いんですよね。2005年の10枚を選ぶ時にホント悩みますよ‥‥最後は各人の趣味が大きく影響するかと思いますが。とかいってたら、年末になってこれまた素晴らしいライヴアルバム「LIVE」(しかも「曽我部恵一BAND」名義)をドロップしてくれて‥‥ホント凄いわこの人は。同い年のミュージシャンとして、心の底からリスペクトしてます。

 さて、肝心の「ラブレター」の内容はというと、個人的には昨年リリースされた前々作「STRAWBERRY」の延長線上にありつつも、更に激しく、若々しくロックンロールしまくる1枚に仕上がってます。オープニングの "バタフライ" のサビでの爆裂振りからも伺えるように、とにかく初期衝動的な音がそこら中に詰め込まれていて、それでいて彼らしいポップでメロウな歌にしっかり仕上がっている。自主レーベルに移行したからってわけじゃないでしょうけど、とにかく「今やりたいことを、今この瞬間真空パックにする」かのような音作り/作品作りに見事に直結していて、それが今年の多作振りという結果に表れているんじゃないかと。メジャーじゃここまで軽いフットワークじゃできなかったんでしょうね。

 LED ZEPPELINの "Rock And Roll" を彷彿させるドライブ感を持ち合わせた "ハルコROCK"、最近の若手バンドにも全然負けてないギターポップナンバー "ねむれないあの娘のために" や "きみの愛だけがぼくの♥をこわす"、切ない弾き語り "抱きしめられたい" や "ラブレター" etc...とにかくいろんなタイプの曲が詰め込まれていて、前作・前々作にあったような統一感は感じられないんだけど、この「今やりたいことを〜」という『Do It Yourself精神』を真空パックしたアルバムは、荒々しいんだけど優しく心に響くという意味で、非常に奇跡的な作品なんじゃないか、と思ってます。こんなアルバム、そうお目にかかれるもんじゃないですよ。

 そして、こういうアルバムを聴かされてしまうと、どうしてもライヴが観たくなっちゃうんですよね‥‥実は俺、ここ最近は彼の弾き語りライヴしか観てないんですよ。それはそれでラッキーなんですけど、なんだかもの凄く損をしてる気もしないではないんで、来年はガンガン彼のライヴに参加できたらな、と思っております。

 とにかくね、多くの人にもっと届けたい1枚。



▼曽我部恵一「ラブレター」(amazon

2005年11月22日 (火)

「The Sound of Shimokitazawa〜弾き語りの夕べ〜」@Shibuya O-EAST(11/17)

 今、下北沢で起きている問題があるんですが‥‥これは見方さえ変えれば善とも取れるし悪とも取れる。そして立場・立ち位置によってもまた変わってくる。事実、以前自分が住んでいた町でも、区画整備によって慣れ親しんだ食堂や居酒屋やパチンコ屋がなくなった。朝や夕方の交通渋滞は解消され、駅前には立派な駐輪場が出来て不法駐車がなくなった。そこで生活する一部の人間にとっては非常にありがたい改革だったかもしれないけど、追いやられた店の方々やその「引っかかった場所」で生活していた人間、そして俺らみたいな奴らにとっては死活問題ですらあった(いや、そこに自分らみたいな恩恵を受けているだけの人間を含めるのはお門違いだけど)。この下北沢の問題も、ある意味ではそれに近いものがあるので、理解できなくもない。でも‥‥ここで問題となるのは、その場所が「下北沢」という町だった、ということでしょう。下北という独立した文化を持つこの町に手を加えること‥‥興味を持たない人間にとってはどうでもいい話なんだろうけど、さすがにこればかりは納得がいかない‥‥そう感じた人間は俺だけじゃないはず。ましてやその下北に在住するミュージシャンやアーティスト達、そこでいろんな商売を営む人達、そういった「文化」を愛する人達‥‥全てを敵に回してしまったわけだから。

 でも、この問題はまだまだ認識が低いんじゃないだろうか‥‥実際、都内に住んでいてもこの問題を把握している人間は限られているんじゃないだろうか。何故なら、こういった話は日常茶飯事だから。正直な話、音楽や演劇等下北文化に興味を持たない人間にとっては、「いいんじゃないの?」で済まされてしまう可能性が大きい。それがいいことなのか、悪いことなのかはまた別の話として‥‥

 音楽の力で政治や国を動かすことはできないだろう。それは歴史が証明してきている。でも、個々の人間を動かす「切っ掛け」には成り得る‥‥人を突き動かす原動力になる、それが音楽の力なんじゃないかな。これまでの人生において、いろんな局面でその「切っ掛け」を貰ってきた俺だもの、他の人達にとっても‥‥そう信じたい。

 今回の「The Sound of Shimokitazawa〜弾き語りの夕べ〜」というイベントは、正にそういうイベントだったと思う。このイベントに足を運んだ切っ掛けが銀杏BOYZの峯田くんだった、あるいはLOST IN TIMEの海北くんだった。それでもいいと思う。峯田くんや海北くんがそう言うんだから署名してみよう‥‥切っ掛けはそれでいいんだと思う。後はそれらを「受け取った」個々が、どう考え、どう動くか‥‥本来、市民運動ってそういうところから始まっていくんじゃないかな。小さな雑草がまばらに生えていき、それが気づいたら同じ場所に密集していき、最終的には一面を緑が覆う‥‥今回のイベントが来場したお客さん個々の胸に何かを植え付け、それが花開くことを、そしてその花が辺り一面に咲き誇ることを願って。

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2004年6月26日 (土)

曽我部恵一『世界のニュース light of the world』(2004)

  曽我部恵一が自主レーベル「ROSE RECORDS」から5/13にリリースした「ワンコイン・シングル(=500円)」、"世界のニュース light of the world"。これ、CDではなくてCD-Rでの発売なんです。というのも‥‥この曲が完成したのが5/11、それをライヴ会場で販売し始めたのが5/13‥‥普通のCD流通ならどう考えても無理な話でしょう。しかし、曽我部は「早くみんなに聴いてもらいたかった」から、ほぼ宅録デモテープ状態の音源2曲(タイトル曲の他に "雪" も収録)を完成した次の日にCD-Rに焼き、更に次の日には手売りを始める‥‥ぶっちゃけ、JASRACに登録とかそんな小賢しい真似をしていない、正しく「ゲリラ・ソング」。

  この曲("世界のニュース light of the world")が出来た経緯についてはこちらに曽我部本人のコメントが載っているので、それをまず読んでもらうとして‥‥彼は以前にも「9・11」テロを経て "ギター" という名曲(彼のソロ活動第一弾)をドロップしてるけど、これもある意味その流れにある楽曲かもしれません。全ては地続きで終わっていないわけだし‥‥そういう現実に対して感じたことをそのまま曽我部流の表現で真空パックした、そんな1曲。それが "世界のニュース light of the world" かな、と。チープなリズムトラック、いかにもライン録りなギター、ラフな多重録音コーラス‥‥普通だったら全てがマイナス要素になってしまうであろう「完成品に程遠い」過程の状態をそのまま放出してしまうというのは、作り手としては冒険以外のなにものでもないはずなんだけど‥‥全然そういう空気は感じられないんだよね。ただただ「いい曲が出来たんで、ファンにすぐ聴いてもらいたいんだ!」というポジティブな気持ちが前面に出ている。そういった曽我部のポジティブさと、楽曲が持つパワーに圧されて、聴き手である俺等もただ圧倒されっぱなし。初めてこの曲を聴いたときのインパクトといったら‥‥いや、その録音状態も衝撃だったけど、こういう曲をこういう形で発表したのが曽我部恵一だったというのも衝撃だったわけで。やっぱり信用できるカッコいい奴だな、と。惚れなおしたよ。

  そんなダンサブルで力強い "世界のニュース light of the world" とは相反し、カップリング "雪" は音数の少ない、至極シンプルなスローナンバー。リズムを刻むのはメトロノームのみ(終盤にドラムやギターが加わる)、メインは曽我部の歌と、これまた音数が極端に少ないシンプルなピアノ。途中からうっすらとシンセっぽい音が被さるものの、やっぱり印象としては隙だけで味わい深いメロウな1曲。最近の曽我部はギターの弾き語りで全国を回ってるようだけど、こういったピアノ弾き語り的ナンバーもまたいいね。彼の甘い歌声と甘いメロディが、このシンプルなアレンジにはまりまくってる。とにかくただ心地よくてウットリする。音響系っぽいエンディングも意外性があって、更にマル。いやー、素敵なシングルだなこれは。

  曽我部は8月に再びワンコイン・シングル(今度は4曲入り!)を、そして9月には待望のサードアルバムを同じインディーレーベルから発表します。今後はメジャーではなく、こういったフットワークの軽さを選ぶのかな‥‥輸入権だのCCCDだの、聴き手に規正を与えるような出来事が多くなった昨今のメジャーシーン。佐野元春にしろ、この曽我部恵一にしろ、もしかしたら彼らが今後新しい道しるべを作っていってくれるのかも‥‥そして我々は可能な限り、彼らをバックアップ‥‥つまり、素晴らしい作品に対して、それに見合ったお金をちゃんと落としていく=作品を購入‥‥していかなければね。



▼曽我部恵一『世界のニュース light of the world』
(amazon:国内盤アナログ

2004年6月21日 (月)

「REAL LIVE 2004」session 5@SHIBUYA BOXX(2004年6月19日)

  JASRAC主催の招待制イベント「REAL LIVE 2004 session 5」の抽選に当たったので、行ってきました。「300人をご招待」ってことになってますが、入場ハガキ1枚で2人まで入れるので、実質600人入れたことになるのでしょうか。この募集に対し、聞くところによると1900通もの申し込みがあったそうですよ(!)。しかしよく当たったもんだな‥‥

  出演者はflexlife、AMADORI、曽我部恵一(弾き語り)、スカポンタスの4組。それぞれ40分程度で、約3時間半に渡る長丁場でしたが特にダレることもなく、またハズレもない非常に稀なイベントだったように思います。ま、単純に自分の趣味に合ったってことでしょうね。それではそれぞれ簡単にコメントを書いていきますね‥‥


●flexlife

  初めて観ました。アルバムも最新作しか聴いたことなかったんだけど、ライヴならではの生々しさを持つ良い編成ですね(ボーカル+ギター(&キーボード)+リズム隊)。曲によってギターとキーボードを使い分けるアレンジもよかったし、何よりもユラユラした独特なグルーヴ感が心地よくて。この時点ではまだ酒呑んでなかったんだけど、本当にクラブで聴きたいタイプのサウンド。歌も気持ちよく届いてくるし、隙間を効果的に活かしたバックのアレンジも絶妙。あー、これはまた観てみたいバンドだなーと思いましたね。うん、今度はワンマンで観てみたいな。


●AMADORI

  ボーカルの女性によるソロユニットみたいなもんで、最初はアコギを抱えた女性が弾き語り、続いてリズム隊が加わって、3曲目にキーボードが加わって、っていう感じで徐々に音に厚みが加わっていく構成。けど基本にあるのはやはり「歌」。そのキャラとは裏腹な力強くてそれでいて繊細な歌がダイレクトに伝わってくる感じは、人によって評価が分かれるところだろうけど、個人的には嫌いじゃないな。ただ、この日はトラブルなんかもあったので、現時点での評価は次第点って感じかな。


●曽我部恵一

  今年に入って非常にフットワークが軽くなった印象が強い曽我部。ここ最近はギター1本を持って全国各地を弾き語りで回ってるようで、この日もそのスタイルでの演奏。これが非常に有り難かった。先日リリースされたライヴ盤「shimokitazawa concert」で味わえる「あの感じ」を今目の前で体験できるわけだからね。

  登場していきなり長めのMCから。JASRACのイベントなのに「音楽に規正をかけるようなことは一切許さない」というような趣旨の発言を連発。さすがだ。この日の朝、大阪から新幹線で東京に戻ってきて、そのホームで島倉千代子を見かけた(曽我部は愛を込めて彼女のことを「お千代さん」と呼んでいた)、オーラが見えた、とかいう話から「如何に自分がお千代さんが好きか」という話になり、何も考えていなかったというこの日のセットリストはまず島倉千代子の代表曲 "愛のさざなみ" からスタートという変化球。いい曲なのは勿論知ってるけど、これが曽我部の声にピッタリなんだわな。所々に取り入れられるファルセットも含め、ホントに曽我部らしい1曲になってました。

  その後は先のライヴ盤でも披露してたサニーデイサービスの曲や未発表の新曲等を披露。次のスタジオ盤に収録されるという "STORMY" という曲では途中でギターの弦が切れてしまい、弦の張り替え&他のギターを借りにスタッフが走り回ってる間にお客からの「アカペラーっ」の声に応え、次のシングルのカップリングとして収録されるという名曲 "リンゴ追分"(勿論美空ひばりの名曲中の名曲)を曽我部流アカペラでカバー。これもまた曽我部らしい節回しに変わっていたりして、凄く良かった(歌い終えた後の「(平井)堅さんかと思った」という自己突っ込みに思わず笑った)。スタジオ盤ではどんなアレンジになってるのか、非常に楽しみであります。

  その後はお馴染みの名曲の数々をシンプルなアレンジで、正しく「歌」を届けてくれました。最後はお馴染みの "おとなになんかならないで" で終了。ダブルオーテレサを引き連れたバンドスタイルも勿論最高なんだけど、それとは別に彼の原点を再確認することができたこのスタイルでのライヴも最高でした。どっちのスタイルで今後は続けます、とかじゃなくて、本当にこういうフレキシブルなスタイルでずっと音楽を、そして歌を続けて欲しいなと思います、同年代の人間として。


[SETLIST]
01. 愛のさざなみ(島倉千代子)
02. baby blue
03. ブルーのこころ(新曲)
04. STORMY(新曲/ギター弦切れて途中まで)
05. リンゴ追分(美空ひばり/アカペラ)
06. アジサイ
07. ギター
08. ラヴシック(新曲)
09. 愛のかけら
10. おとなになんかならないで


●スカポンタス

  大阪の10人組スカバンド。ブラスが5人、リズム隊+パーカッション+ギター+キーボードという編成で、狭いステージ上を皆が皆動き回って、とにかくエンターテイメント色豊かなバンドといった印象強し。これまでの3組がクラブでしっぽり、といったイメージが強かったのに対し、急にこのバンドで「ライヴハウス」といった本来の場所に引き戻された感があって、ちょっと新鮮。とにかく人を惹き付けるのが上手いな、と。曲の善し悪しは正直なところ、この手のバンドにありがちなイメージが強くてちょっと‥‥他のバンドとの差別化が難しいかな、と。曲に関してはね。けど、ライヴステージの面では彼ららしい個性が強く感じられたので、このままずっと突っ走って欲しいかな、と。何か気づいたらこっちまで上手いことノセられてたなー。CDを買ってまで聴きたいタイプではないけど、ライヴでなら何度も観たいかな‥‥そういうバンドでした。

2004年1月 5日 (月)

曽我部恵一『瞬間と永遠』(2003)

  サニーデイサービス解散後、2枚目となる曽我部恵一のセカンド・ソロアルバム「瞬間と永遠」。以前から何度も書いている通り、俺はサニーデイが非常に苦手なバンドで(ある時期までは普通に聴けたんですが、'98年頃から何故か苦手意識が出てきて、それ以降は完全にダメに)、だから曽我部のソロに対しても特に興味を持たなかったんですよ。だから俺が彼のソロと接することになったのは、このアルバムが最初でして。ま、その直前にライヴで接していたので、かなり好意的に耳を傾けることが出来たんですけどね。

  ここで聴けるのは非常にバラエティ豊かな楽曲ばかりで、例えばフォーキーなものからストレートなロック、ヘヴィなブルーズ、セクシーなソウル風、テクノやエレクトロニック調、等々。しかしどれもが「借り物」で終わっておらず、ちゃんと「曽我部恵一の音」として成立しているのは、さすがといったところでしょうか。アルバムは全9曲と少ない印象を受けるのですが、1曲が5分を越えるものが大半を占め、"浜辺" に関しては約9分にも及ぶ大作となっていることもあって、たった9曲ではなく「非常に濃密な9曲」と言うことができると思います。実際このアルバム、全く飽きがこないんですよね。

  所謂「ロック特有の躍動感」だとか「煌びやかで溌剌としたロック」といった要素は皆無に近いですし、実際そういったものを曽我部に求める人はいないと思うんですが‥‥そういったものだけが「ロック」じゃないわけですよ。ロックというのはある意味「現実離れ」したものなんだけど、それとはまた対極にある「より身近にあるリアリティ」を表現したものもまたロックなわけですよ。そういった意味で、サニーデイ時代から一貫して曽我部のロックというのは後者なんですね。ただ、それを表現する手段の違いだと思うんですよ、バンド時代とソロとでは。たまたま俺にとってよりリアルに感じられ、スッと入ってきたのがソロの方だったってだけで、多分バンド時代の方が劣っているというわけじゃないはずなんですね。

  曽我部恵一は自分と同年代。だからこそ理解できるという点がかなりあります。最初アルバムを聴いた時、ちょっとだけ「枯れすぎじゃない?まだまだ早いんじゃ‥‥」と思ったりもしましたが、それを補完してるのが実はライヴだったんだな、と何度か彼のステージを観る内に気づかされました。ライヴでは完全にロックンロールしてる。その手段は決して派手なものではないですが、完全にロックンロールしてる。別物とはでは言い切れませんが、これも表現手段の違いなんだな、と思うんですね。アルバムはアルバムとして楽しめる、けどライヴはその延長線上として表現しつつも「プラスα」を体験することができる。この辺が今の彼の面白味なのかな、という気はします。

  けど結局、そういう風に俺が彼を捉えるようになったのは、彼のステージを複数回観ているからであって、だからといってライヴを観なければこのアルバムの本当の良さが理解できないというわけではありません。アルバムはアルバムとして純粋に楽しむことができる、そういう完成度の高い作品だと思いますよ。2003年の夏、実は最もリピート回数が多かったのがこのアルバムかな‥‥と今ふと思い出したりして。2003年の10枚に選び忘れちゃったけど、実際には入れてもおかしくない1枚なんですよね。うん、本当にいいアルバムだと思います。若い子は勿論、最近ロックから離れつつある30代の方々にこそ聴いてもらいたい1枚。



▼曽我部恵一『瞬間と永遠』
(amazon:国内盤CD

2003年9月30日 (火)

「Camp in 朝霧 Jam It's a beautiful day」DAY 2@静岡・朝霧アリーナ(2003年9月28日)

  朝8時過ぎ起床。前日の腹痛が嘘のように絶好調。既にみんなは起きているよう。挨拶して、暫く夕べの話をしてからみんなで食事に出かけることに。

  この日は朝から晴天以外の何ものでもない天気。天気がいいせいか、食も進む。カレー食って、尚かつ朝霧名物「塩焼きそば」を食らう。テントに戻ってこの日最初の宴を始める俺ら‥‥何か間違ってるような気も。
 
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  9時半を回ったころでしょうか、急にラジオ体操がスタート。そういえば去年もやってたような気が(ま去年はこの時間、爆睡してたんだけどね。オールナイト公演だったしさ)。ラジオ体操してる奴らを肴に飲む俺達。「これで第2とかやったら笑っちゃうね」って言ってたら、本当にラジオ体操第2まで始まるもんだから、全員大爆笑。これでモッシュとか始まったら‥‥とか思ったけど、さすがにそれはありませんでした。残念。

  この後10時から地元の青年団による陣馬の滝太鼓が15分程。結構人が集まってて盛り上がってた模様。当然それでもひたすら呑み続けてたわけですが。途中で人も増えていき、酒の消費量も増えていく中、11時になりDonavon Frankenreiter Bandの演奏がスタートしたのでした。


◎Donavon Frankenreiter Band

  「~Band」って付く位だから、もっと大人数なのかと思ってたら‥‥ステージに現れたのはたった2人。ギター/ボーカルとパーカッションのふたりのみ。これがアコースティック形体の、本当にこの場に一番合った緩い感じの音楽でして。朝イチのまったりした空気にもってこいのバンドだったわけです。これ、いいバンドだよ。それはステージ前に集まった人の数を見れば一目瞭然でしょう。リアクションが全てを物語ってます。
 
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  最後の方で日本人女性が飛び入りで加わったんですが、あれは誰だったんですか? 名前をアナウンスしたんですが、聞きそびれてしまいました。その彼女がギター&ボーカルで加わり、かなり盛り上がった模様。結局、こういうバンドがこの地・このフェスにはピッタリなのがよく判りました。多分来年のフジロックにも出演してそうな予感(ORANGE COURT辺りにね)。
 
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Donavonの終わり辺りからテントを離れ、マツイくんと共に写真撮影に出かけました。とにかく天気が良いくて富士山が昨年以上によく見えたのが印象的でした。
 
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そうそう、Donavonのライヴ中に「ライヴ終了後に物販でメンバー本人がCDを手売りしてサインします」とかアナウンスしたら、凄い行列が出来てビックリ。サイン欲しさに大行列とは思わないけど、結局CDは途中で売り切れになる程だったとか。これって素直に音に反応した結果ですよね?
 
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  再び宴に戻る前に昼食を取ることにした我々。昨日うどんやそばを売っていた店では、急に「冷やしうどん&そば」の販売を始めててビックリ。ま、この熱さだもんなぁ。ちなみに食ってみたら美味かったです。

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  そのままテントに戻り、また酒を呑みながらライヴを観るわけですが‥‥ここで俺はひとまず断酒。帰りまでに酒を抜いておかないと。何せ運転手なもんですからね。


◎DOUBLE FAMOUS

  ユルユルのダブ/レゲエといった印象で、とにかく脱力しまくり。これ、酒呑みながら聴いたら気持ちいいんだろうなぁ‥‥と酒を基準にしか音楽を語れない俺なのでした。ラストにEGO-WRAPPIN'の中野がボーカルで加わり華を添えてました。

  DOUBLE FAMOUSが終わった辺りからテントに人がぞろぞろ集まり出し、少し話した後曽我部恵一を観る為にステージ前へ移動しました。この日初めての、そして唯一のステージ前移動。


◎曽我部恵一

  メチャメチャ良かった。約3ヶ月振りに観たわけですが、バンドとの一体感や演奏もかなりいい感じ。さすがツアーやフェスで鍛え上げられただけあるわな。曽我部も終始笑顔で、客や朝霧に向かってありがとうを連発。終始ピースフルな空気に包まれライヴを進行していくんですが、そんな中時々訪れるギターの爆音が本当にニール・ヤングみたいで痺れた。いや、見た目の話じゃなくてさ。

  個人的には"White Tipi"のバンド・バージョンにかなりやられ、"FIRE ENGINE"でのギターバトルにやられ、最後の"おとなになんかならないで"に涙腺を緩ませるという、ホントに心打たれるライヴだったなぁと。約1時間、納得の内容でした。


01. ふたり
02. ギター
03. NEW LOVE
04. She's a Rider
05. 浜辺
06. スワン
07. もしも
08. White Tipi
09. FIRE ENGINE
10. おとなになんかならないで


  一緒にいたマツイくん、中村くんも満足げ。特に中村くんはフジロックへの車中で俺が聴かせた「瞬間と永遠」で曽我部が気に入ったようで、これが初ライヴ。同じくカオリさんも。みんな絶賛していたのが印象的でした。

  ここでテントに戻り、俺はテントを畳み、後はゆっくり後方で観ることに。天気もちょっと悪くなってきたしね。
 
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◎JACK JOHNSON

  サーファーがやる音楽ってことで、もっとハワイアンぽいのを想定してたんですが、意外にもアコースティック色の強いまったりしたフォーキーなロック。ああ、これはいいわ。テンポ的に全部同じ感じで似たり寄ったりなところもあるんですが、これはこれでありだと思うな。進んで聴くタイプの音楽ではないけど、たまにCD棚から引っ張り出して聴きたくなるような、そんな音楽。ジャックの歌も枯れ過ぎもせず濃過ぎずといった味わい深さが印象に残ってます。これ、後でCD買って聴いてみよう。

  ライヴ後みんな戻って来て、本格的に帰り支度。最後のトニー・アレンは、シートの上で酒呑みながら鑑賞ということに(ま、俺だけ呑めないわけですが)


◎TONY ALLEN

  「フェラ・クティのバックを支えてきた名ドラマー」ということだけは予備知識として知ってたのですが‥‥正直甘く見てました。こんなにすっげーぶっとくてドス黒いファンクだと思ってもみなかった。もっと緩いレゲエ/ダブなのかと読んでたら、いきなりのファンクビートにやられまくり。ああ、これはトリにピッタリのバンドだわ。最初、てっきりトニー・アレンがボーカルも務めてるのかと思ったら、シンガーは別の人みたいですね(後で知った)。やっぱりあのドラムがトニーだったのか。どおりですっげーリズムなはずだわ。クラビネットの音も気持ちいいし、とにかくリズムがえげつなくて気持ちいい。オシャレでしなやかっていうのとは正反対の、とにかく原始的で人間の根元にあるものをそのまま表現したかのようなビート。ちょっとだけ前に行きたかったかも。

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  アンコールがあるのかと思ったら、予想以上に盛り上がった為か時間超過したっぽく、きっちり18時半に音出し終了。また来年逢いましょう!というスタッフのアナウンスと共に会場中の照明が着き、我々も帰路に着くことにしたのでした。

  帰りのシャトルバスはさすがに増発されてるようで、並んでから30分程度で乗れました。駐車場に着いたのが19時40分頃かな? そのまま荷物を積み込んで、今度は中央道で帰ることに。河口湖ICに着くまではスムーズに進み、このままいったら21時半には東京駅に着ける‥‥と思った矢先に、どうやら途中の小仏トンネルで19kmの渋滞が発生していることを知り、唖然。ああ、今年も大渋滞に巻き込まれる運命なのか、と(まぁ去年は首都高での話ですが)。

  高速に乗り、暫く進むと本当に大渋滞(途中で知りましたが、東名道を選んだとしても向こうも20km以上の大渋滞だったそうで、結局こうなる運命だったようです)。結局この渋滞に約1時間以上も巻き込まれ、予定より遅い22時40分頃に東京駅前に到着。マツイくんとカオリさんを降ろし、挨拶してお別れ。残った千葉組3人は何とか日付が変わる前に津田沼に着きたいね‥‥と思ってたら今度は箱崎で大渋滞とのこと。結局一般道と京葉道路を駆使して、何とか1時間で津田沼駅前に到着。無事木内くん中村くんを送り届けたのでした。

  そして俺‥‥高速を使って帰ろうかとも考えたんですが、途中で飯食って帰ろうと考えてたので、行きと同じ一般道でひたすら爆走。途中ウトウトしながらもノンストップ。結局飯食わずに約2時間後に自宅到着。そのまま死んだように眠りにつくのでした‥‥

  とまぁ、こんな感じで今年の朝霧JAMが終わっていったわけですが‥‥行き/帰りにいろいろイライラする出来事があったりしましたが(バス待ち/渋滞)、終わってみればいい想い出。いやマジで。それは愉快な仲間達とワイワイガヤガヤやりながら過ごせたからでしょうね。だから酒も美味かったし。

  今年のフジロックの時にも感じたんですが、何で俺が苗場や朝霧が大好きかというと、やっぱりライヴ以上にその環境なんですよね。ひたちなかやサマソニにはないもの、それがあの環境なんですよ。そして朝霧は特に別格だと。今年は8,000人と昨年の倍近くの人が入ったわけで、確かにテントの数とかハンパじゃなかったわけですが(去年の写真と比べると一目瞭然ですしね)、それでもそんなに過ごしにくかったわけでもなく、去年以上に楽しかったなぁと感じましたね。もうフジと朝霧はメンツとか関係なしに毎年行きたいですね。そう、出来れば今回のメンツでね。

  というわけで、これで俺の2003年・夏は完結。ホントいい夏だった‥‥

2003年6月30日 (月)

ROCK YOU LIVE SPECIAL@SHIBUYA-AX(2003年6月27日)

  週刊誌「Weeklyぴあ」が通巻1000号記念ってことで4夜連続で行われる今回のイベント。元々は3日目(6/28)しかチケット取ってなかったのね。ま、抽選申し込みでは第2希望でこの日(6/27)も申し込んでたんだけど、見事落選して。そしたらライヴ数日前になって、その数日前に申し込んでいた「ぴあカード」での無料招待に当選してしまって結局この日も行くことになってしまったという。急なんでバタバタしながらも休み取って宿取って、何とかこの日を迎えられたのでした。

  今回の出演者は俺的にもいろいろ注目してるアーティストばかりで、特に初めて観る曽我部恵一とフラワーカンパニーズは共にライヴを楽しみにしてたし、新メンバー&新編成では初見となるSOUL FLOWER UNIONもどんな感じになるのか非常に気になっていたし(しかも3月の単独ライヴ、ライヴの日間違えて観損ねたし)。

  では、各アーティスト毎に簡単に感想を書いていきたいと思います。


◎くるみ

  何の予備知識もなかったんだけど、いきなり登場してピアノバックに歌う曲からスタートして、とにかく聴き手を惹き付けることに成功してたんだけど、その後の曲がね‥‥いや、勿論曲は悪くないと思うんですが‥‥必要以上に絶叫してて、途中でキツく感じる瞬間が何度もあったんですよね。歌は非常に伸びがあって上手いと思うし、存在感もメチャメチャあるんですが‥‥例えば同じ枠で括られるだろうCocco辺りと比べちゃうと(いやホントは比べるべきじゃないんだろうけど)、凄さよりも不快感の方が強く残っちゃうタイプなのね。お客もどう反応していいのか正直判断に困ってたんじゃないかな?

  バンドメンバーが兎に角豪華で、ドラムにあらきゆうこ、ベースに新曲のプロデューサーである根岸孝旨(Dr.StrangeLove)が迎えられ、他にも見覚えのあるギタリストとキーボーディストの姿が。多分錚々たるメンバーなんだろうね。こういったメンバーに支えられ、後は誰にでも届く(あるいは誰をも惹き付ける)キラーチューンが1曲できればねぇ。歌は優れてるけど、ソングライティングまでは‥‥ってとこでしょうか。とにかく今後の動向に期待といったところでしょうか。


◎フラワーカンパニーズ

  個人的には最も期待してたバンドなんだよね。今年のフジロックでも絶対に観ようと思ってた程で。ま、今年に入ってYO-KINGのサポートでグレートマエカワを観て、絶対に良さそうだと感じたからってのもあるんですが(あと、うちのサイトのビジターさん何人かにオススメされたってのも大きいかな)。

  全員30代半ばくらいなんだろうけど、とにかく活きがいい、演奏上手い、曲がイイ! 3拍子揃ってるのに、何故にインディー落ち!?と不思議に感じた程。曲のパワーはハンパじゃないし、ボーカルのケイスケの声や歌い方も以前聴いた時は生理的にちょっと‥‥と感じてた程なのに、今回は全然気にならない。むしろライヴだったらこれくらいやらないと‥‥なんて思った程。凄くいい。間違いなくライヴで栄えるバンド。先に音源じゃなくてライヴ観て正解だったかも。

  MCもツボを得ていたし、パフォーマンス(履いてる靴や靴下を客席に投げ込んで、ライヴ終了後に回収するという)も大爆笑だったし、ホントにいいバンドだと思った。絶対に音源買います。んで、単独ライヴにも足運びます。ホント、いいバンドに出会えたもんだ。

  最後に‥‥このバンドのステージングを観て、きっと若き日のTHE WHOってこうだったんだろうなぁ‥‥なんてふと思ってしまいました。それくらい強烈。とにかく一度観とけって!


◎曽我部恵一

  ダブルオーテレサという既存のバンドをそのままバックに従えた曽我部。賛否あるようだけど、個人的にはこれで正解だと思います。素晴らしいミュージシャン達を集めたバンドよりも、息のあった若手バンドの中に自ら飛び込んでいく曽我部。その姿はまるでNEIL YOUNG & THE CRAZY HORSEみたいでした(誰がニール・ヤングか‥‥なんてことはこの際聞かないで下さいおながいします)。特にライヴ中、ストリングス隊(曽我部含めてギター3本!)4人が中央に集まり向かい合ってギターやベースを弾く姿には心奪われてしまう程。

  で、やってる曲も緩い感じで、結構ジャム度が高いものばかりだったので、更にそういう雰囲気が強く漂ってて。ライヴの時点で俺、新作「瞬間と永遠」を聴いてなかったんだけど‥‥アルバムを後で聴いて二度ビックリですね。アルバムはアルバム、ライヴはライヴという感じで個々に独立してる印象が強く、これは両方を体験して初めて双方の良さを深く堪能できるんじゃないかな、なんて思いました。もしアルバムを聴いて気になった人は、絶対にライヴ行くべき。いろんな意味でショック受けると思うからさ。

  個人的な山場はやはり"大人になんかならないで"かなぁ。とにかく5曲、多分30分にも満たない内容だったように思うけど‥‥もっと観たいね。正直、サニーデイサービス時代は苦手意識が強かったんだけど、ソロ2作は非常に楽しんでおります。まさかライヴまでこんなにも楽しめるなんて思いもしなかったよ。ホント、心洗われるいい曲・いい歌・いい演奏が楽しめたステージでした。


[SETLIST]
01. もしも
02. 瞬間と永遠
03. 浜辺
04. 大人になんかならないで
05. ?(曲名失念)


◎SOUL FLOWER UNION

  問題のソウルフラワー。今年でソウルフラワーユニオン名義での活動を始めて丸10年。にも関わらず、英坊は子育ての為未だにアイルランドから帰国せず、ベースの河村がギターにスウィッチ、新たにJIGEN(桃梨や頭脳警察に参加)をベースに迎え、5人+ゲストという形での活動をこの春から開始。しかも7月には早くもニューアルバムが出るというし、やはり新メンバー・新編成がどう新曲に影響してるのかが気になってたんですよ。

  1曲目はお馴染み"サヴァイヴァーズ・バンケット"。ベースのブリブリ具合といい、ベースラインといい、それまで馴染んでいた河村ベースのソウルフラワーと比べるとやはり違和感を感じたんですが、聴いてる内に特に気にならなくなりました。基本的には河村のベースラインをなぞってるんだろうけど‥‥やっぱりベースの歪み具合が頭脳警察で観た時と一緒なのね。既発曲に関してはそういう印象が強かったんだけど、これが新曲になると全然気にならない。当たり前か、初めて聴く曲ばかりだしね。

  新曲は2曲披露されて、ストレートなタイプの"うたは自由をめざす"、アイリッシュ風バラード"そら"共に素晴らしかったです。どんどんシンプルな方向に進んでるように感じてた近数作のアルバムですが、新作では更にその傾向が強まってるように感じられました(昨秋の「朝霧JAM」で聴いた曲もそんなタイプだったし)。あと、昨年末のライヴからよくやってるらしい高田渡の"自衛隊に入ろう"カバーも板についていて好印象。ま、歌詞はアレですけどね(中川自身も「数カ所『反吐が出そう』な歌詞があるんですが」と言ってたしね)。

  最後はお約束ともいえる"エエジャナイカ"と"海行かば 山行かば 踊るかばね"の究極お祭りソング2連発。そういえば、"エエジャナイカ"は最近やってなかったんじゃなかったっけ? 俺も久し振りに聴いた気がします。そうそう、これら2曲や"うたは自由をめざす"では桃梨のボーカルの女性(名前失念)がコーラスで参加。英坊のパートを見事に再現してました。元々はこういう歌い方をする人じゃないんだろうけど‥‥もう少しの辛抱だから、頑張って助けてあげてくださいね。

  曽我部や他のバンド目当てだったお客も、これら2曲を前にして堪らなくなったのか、気づくと皆踊り狂ってました。最後の最後に出てくる「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損損」というお馴染みのやり取りも上手くいき、終了後アンコールを求める拍手が暫く鳴りやまなかった程、この日の彼等は歓迎されたのでした。場内が明るくなっても、終了を告げるアナウンスが何度放送されても、その拍手は止むことがなく、如何に最後の最後で一気に爆発したかが伺える瞬間でしたね。最初は乏しかった客の入りも、最後の最後には8割近く埋まってたみたいだし。早く単独で観たいなぁ、今度は日にち間違えないからさぁ(涙目)。


[SETLIST]
01. サヴァイヴァーズ・バンケット
02. うたは自由をめざす [新曲]
03. 自衛隊に入ろう [cover of 高田渡]
04. そら [新曲]
05. エエジャナイカ
06. 海行かば 山行かば 踊るかばね

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