2005/11/27

FISHMANS@SHIBUYA-AX(11/22)

 正直な話をすると、実はリアルタイムでは一度もフィッシュマンズのライヴって観たことなくてさ。音は何となく‥‥「空中キャンプ」や「LONG SEASON」、「宇宙 日本 世田谷」辺りをリアルタイムで聴いてて。特にのめり込むこともなく、まぁ普通に気持ちいい音楽として通過しただけの、大きな思い入れもないバンドだったわけ。

 1999年の3月に佐藤さんが亡くなって。その後だったかな‥‥よく行ってたクラブイベントで "WALKING IN THE RHYTHM" がかかって‥‥その時、初めてピンときたというか‥‥遅過ぎだよね。

 それから6年後の夏。エゾロックで初体験したフィッシュマンズ。佐藤さんの姿はそこにはなかったけど、あれは紛れもなくフィッシュマンズだった。初めて観たためか、じっくりと、まったりと眺めるだけに終ったあの夏。俺にもう1度だけチャンスが訪れた。そう、11/22の単独公演「THE LONG SEASON REVUE」に足を運ぶことができたんだよ‥‥

 事前に欣ちゃんから「3時間以上やりたい」云々の発言が飛び出していたわけですが、まさか本当に3時間以上やるとは思わなかったよ‥‥だって定刻(19時)にスタートして、全部終ったら22時20分だよ!?  まぁあれだけのシンガーを揃えれば、そんくらい行くよな‥‥そしてあれだけギュウギュウに人が詰まったAXは久し振りかもしんない‥‥比較対象がアレで申し訳ないけど、市井紗耶香復帰のAX(「FOLK SONGS」アルバムのライヴで、中澤裕子と共演した時)以来かな‥‥うん。あ‥‥ホント申し訳ない‥‥比較対象がこんなんで。でもホント、それくらいギュウギュウだったんだってば。

 以下、ネタバレがあるんでワンクッション置きます。



 ライヴは最初に欣ちゃんが "Go Go Round This World!" を自ら歌ってスタート。新たなアレンジが施された、非常にカッコいいバージョンになってたと思う。そしてその後はゲストシンガーを迎え、各々3曲ずつ与えられた持ち歌を歌うといった構成(ひとりだけ違う人がいたけど、それは後程)。最初にクラムボンの原田郁子。いきなり "Weather Report" で大興奮。その後もらしい歌を聴かせてくれて、またそれがフィッシュマンズの演奏に合ってて気持ちよかった。

 続いてタイからやって来たPod。"BABY BLUE" とか良かったなぁ。3人目がbonobosの蔡くん。これが想像以上に佐藤さんぽくて思わず顔がほころんじゃった。別に物真似してたわけじゃないし、いつもの蔡くんらしいといえばそうなんだけど‥‥多分あの日歌ったシンガーみんなに言えたんだけど‥‥何かが降りてきてたよね、間違いなく。所々、瞬間的に降りて来てた。絶対に。"忘れちゃうひととき" で思わずゾクッとして、最後に "感謝(驚)" で盛り上がって次の人に交代。

 さかなのPOKOPENも、女性なのにこれまた佐藤さん生き写しな瞬間が多々あり。キャラ的な問題なんでしょうか‥‥とにかく最初から最後まで目が離せない。そして身体は素直にリズムに合わせ踊り続ける。ギュウギュウのフロアで、汗だくになって。

 UAとフィッシュマンズの組み合わせが最初からピッタリなのは、エゾで観る前から判ってたこと。この日の彼女もいろんな意味で神がかってた。どのシンガーにも言えるんだけど、フィッシュマンズのシンガーとしてステージに立ち、フィッシュマンズの名曲を歌ってるんだけど、気づくとそれらの名曲を自分のモノとして取り込んじゃってるんだよね。それだけ声に魂がこもってる、力強い色を持った人達ばかりってことなんだけどさ。UAなんて正にその代表例だよね。ホント、途中からUAのライヴ観に来たのかと錯覚したもの。

 同じような意味で、ハナレグミ・永積タカシのステージもまた、ハナレグミ以外の何ものでもなかったんだけど‥‥何だろ、キャラのせいかな‥‥途中で現実に引き戻される瞬間が何度かあったなぁ。あれは勿体ない。何でかは判らないけどさ。

 そして最後の最後に登場したのが‥‥かの山崎まさよし。彼のみ1曲だけ‥‥その1曲が、あの35分以上もある超大作 "LONG SEASON" なわけですよ。しかも本編最後。ちょっと居心地悪そうで、見るからに頼りなさそうなこの日の山崎まさよし。でもいざ歌い出すと間違いなくあの山崎まさよし(意味不明)。途中でASA-CHANGが加わり、欣ちゃんとドラムソロ。もの凄い緊張感。踊ることも忘れ、途中からずーっとステージを見つめるのみ。息をするのも忘れるくらいに見入ってた。スゲエ。ホントにやっちまった。って、リリース当時のライヴじゃ必ずやってたんだけどさ。でも2005年にフィッシュマンズのライヴが観れて、しかもこの曲をライヴで聴けるなんてさ‥‥そう考えただけでも感涙モノなのに‥‥やっぱり終った瞬間に胸に来るものがあったもんな。凄い良かった。この時点で22時。丁度3時間だもん!

 アンコールにはこの日の出演者全員が揃い、更に東京だけのスペシャルゲストとして、こだま和文がトランペットで参加。"チャンス" を全員で歌って踊って、長い夜は終わりを告げたのでした。

 勿論、これで全てが終ったわけじゃないよ。フィッシュマンズはまだ終ってない。もう新しいマテリアルを生み出すことはないだろうけど、でもフィッシュマンズは、フィッシュマンズの精神や魂はずっと続いてく。残されたメンバーが、新しい語り部と共に、新しい時代へと語り継いでいく。それが残ったフィッシュマンズに課せられた使命なのかもしれない。そして、フィッシュマンズを愛する人達にもね。また来年、あるいは数年後、こうやっていろんな仲間が集まって、あるいは新しい仲間を増やして、フィッシュマンズを語り継いでいくのもいいんじゃないかと思うな。ボガンボスにおける「どんと祭り」みたいにさ。


[SETLIST(カッコ内はボーカリスト)]
01. Go Go Round This World!(茂木欣一)
02. Weather Report
03. いい言葉ちょうだい
04. エヴリデイ・エヴリナイト(以上、原田郁子/クラムボン)
05. BABY BLUE
06. なんてったの
07. Smilin' Days Summer Holiday(以上、Pod)
08. 忘れちゃうひととき
09. MELODY
10. 感謝(驚)(以上、蔡忠浩/bonobos)
11. むらさきの空から
12. あの娘が眠ってる
13. Just Thing(以上、POKOPEN/さかな)
14. WALKING IN THE RHYTHM
15. 新しい人
16. 頼りない天使(以上、UA)
17. MAGIC LOVE
18. ナイトクルージング
19. いかれたBaby(以上、永積タカシ/ハナレグミ)
20. LONG SEASON(山崎まさよし/guest:ASA-CHANG)
--ENCORE--
21. チャンス(全員/guest:こだま和文)



▼FISHMANS「空中 ベスト・オブ・フィッシュマンズ」(amazon


▼FISHMANS「宇宙 ベスト・オブ・フィッシュマンズ」(amazon


▼FISHMANS「LONG SEASON」(amazon

投稿: 2005 11 27 12:30 午前 [2005年のライブ, フィッシュマンズ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック