2005/10/19

DEF.DIVA『好きすぎて バカみたい』(2005)

 さ、2日続けてハロプロ・ネタです。もはやここを観てる人の中には重度のモーヲタはいないかと思います(以前はいたんだろうけど。さすが離れてったんじゃないかな)が、単純に自分が楽しめる曲が続いたんで、んじゃいっちょ取り上げてみっかーみたいな肩の力の抜け具合で接しようかと思いまして。一部の「普通はもう聴かねーよ」とかウダウダ言ってるカッコ悪いヲタ崩れの方々はどうでもいいです。我が道を行きます。っていうかほっとけって話ですよ、ええ。

 2002年末に「ごまっとう」があって、あれはまぁ1位を記録したわけでして。んで去年は「後浦なつみ」っていうのがあって、そっちは曲がアレだったことも大いに災いし(ま、それ以前にハロプロ自体が下火だったってのが最大の敗因でしょうが)4位止まり、セールス的にも惨敗。しかもそのまま紅白に出て翌年にはツアー‥‥のはずが、安倍のあの件でうやむやになり、まぁツアーだけはこの4月に辛うじて開催。非常に中途半端な形で終らざるを得ませんでした。

 がしかし。まさか今年もやるとは思ってなかった。さすがに意表をつかれた。しかもメンツが‥‥「後浦なつみと石川梨華(美勇伝)」な仲間達による、その名も『DEF.DIVA』ですよ。『DEF.』はDeffinitiveを意味するスラングで、まぁDef Techにも使われてるので馴染みのある単語かもしれませんね。ただ個人的にはDEF LEPPARの方を思い浮かべたんですが(こちらはちょっと意味が違って、「deaf Leopard」=耳の不自由な豹を意味する造語)。となると‥‥『耳の不自由な歌姫』‥‥皮肉ですか? いやいや、そっちの意味じゃないよな、ゴメンゴメン。

 んで、安倍なつみ・後藤真希・松浦亜弥・石川梨華というメンツによるこのユニット。単なる紅白対策と取ることも出来るし、今年の夏のシャッフルに加わらなかった人気所を寄せ集めた「もうひとつのシャッフルユニット」とも受け取ることができる。どうせなら後浦なつみのままでいいんじゃねの?とも思うし、何故ここに石川が加わるのか、その必然性も感じられない。コンセプトもイマイチ中途半端だし。ま、ケチの付いた後浦なつみを立て直すために石川を引っ張って来ただけなんでしょうけど‥‥しかしよりによって石川かよ‥‥と皆一斉に思ったはず。だって『歌姫』なのにさ‥‥

 最初テレビで歌うを聴いた時も、石川が足を引っ張ってるなーって思ったのね。でも曲自体はなかなかだと思ったし、アレンジも嫌いじゃなかった。むしろこの4人が代わる代わる1フレーズずつ歌っていく様にはちょっと目を奪われたし。やはり一時代を築いた者達による、それなりのオーラと貫禄を感じるわけ。あと‥‥何だかんだで、石川がいる/いないでやっぱり大きく違うわけよ。しなやかさというか柔らかさが加わるわけね、このグループに。後浦なつみの時はどうしても「ガチンコ勝負!」的なものを感じてたけど、石川が入るだけでやっぱり空気が一変するんだわ。そこはさすがだと思った、うん。

 さて。早速CDの方を聴いてみたんですが‥‥うん、やっぱり印象良いよ。'80年代ユーロ歌謡をモチーフにしたアレンジも悪くないし、何度か転調するサビのアイディアもありきたりではあるけど面白いと思ったし。実はCDで聴いて初めて気づいたんだけど‥‥石川の歌声が入ることで、耳障りがよくなるというか、いい意味でアクセントになってるのね。他の3人がどちらかというとごっついイメージが強いから、そこにボーンとあの石川の声が飛び込んでくると、やはり耳を奪われるし、意識を持っていかれる。この起用は間違ってなかったのかもしれない。ていうか、石川が入るとしっかり『石川梨華の曲』になっちゃうのは相変わらずで、さすがだと思います。正直今の美勇伝の曲の13倍くらいは良いと思う。

 同時収録されたリミックステイクも悪くない。個人的には田中直による「CRAZY J-G JAZZリミックス」が気に入ったし、AKIRAによる「女王リミックス」もまずまずだと思うし。原曲の平田祥一郎といい、今のハロプロワークスを引っ張る名アレンジャー3人による豪華なディナーといった感じかしら、このシングル。

 でも難点も書いておかないと。石川の生かしどころは良かったとしても、他の3人が‥‥上手いだけで終ってる気がするのね。上手いこと個性が生かされてないというか。松浦は良くも悪くも埋もれちゃってるし(この子はこういうユニットになると、完全に「何分の一」に徹して埋もれちゃうんだよな)、安倍も後藤も(曲調のせいもあるんだろうけど)今回は肩の力が抜けてるような気が。ワーと割りが良くないのかなぁ‥‥う〜ん。それと、1曲ってのは勿体ない。ホントに単なるシャッフルの一環ならまだしも、『2005年を代表するスーパーユニット』とか何とかいうなら、もっと4人の個性を巧みに生かした曲を2〜3曲は用意して欲しかった。まぁこの手のスペシャルユニットの時は決まって1曲のみで、あとはリミックスで水増しするパターンなので判ってはいたけどさ(去年の後浦は例外だったんだな。本気でシツレンジャーに差し替えたのか‥‥その神経が理解できない)。

 「これが売れないともう後がない」とか「このメンツで1位取らなきゃ意味がない」とかいろいろ意見はあるだろうけど‥‥全部無意味でしょ。実際「もう終ってる」わけだし、1位だって‥‥今年に入って1位を取ったハロプロ楽曲、どれだけある? 去年はどうだった? ねっ、考えるだけ無駄だよ。単純にこの曲を好きか、楽しめるか。それで十分なんじゃないの? ホントにダメダメなら、もうとっくに消えてるって。



▼DEF.DIVA「好きすぎて バカみたい」(amazon

投稿: 2005 10 19 01:00 午前 [2005年の作品, DEF.DIVA, ハロー!プロジェクト, 安倍なつみ, 後藤真希, 松浦亜弥, 美勇伝] | 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

2005/09/25

松浦亜弥『気がつけば あなた』(2005)

 松浦亜弥の作品を、リリースに合わせて新品で買ったのって、一体何時以来かな?って考えてみたら、実は昨年1月末の "奇跡の香りダンス。" 以来だったという(後浦なつみは除く)‥‥いや、その後のシングル数枚はリリースから数ヶ月経ってから中古で購入してるのね。でも今年に入ってからの音源は‥‥ベスト盤含めて、全然チェックしてなくて。勿論、彼女が今年に入ってからのリリースが少なかったってのも大きな要因なんだけど、それ以上に‥‥やっぱりね、バラード系がここまで続くと厳しいよね。少なくとも自分は「アイドル・サイボーグ」呼ばれてた頃の「あやや」が気に入ってたわけであって、そういう意味じゃ今の「あがり」感の強い「松浦亜弥」には興味が持てないんだよね。

 ところがさ。つい最近なんだけど‥‥テレビの歌番組で、ふたつの松浦を観る機会があって。それは決して俺が知る「あやや」ではなかったんだけど、結構胸にズシーンと来るものがあってさ。

 ひとつは、宇多田ヒカルの "FIRST LOVE" を生ピアノやパーカッション(あとストリングスもだっけ?)バックにして歌うシーン。歌としては荒いものだったし、宇多田のそれをコピーしてるに過ぎないんだけど‥‥でも松浦が歌うと、やはり松浦亜弥の世界観がしっかり広がっていくのね、それが例え宇多田のコピーであっても。

 もうひとつは、名曲 "LOVE涙色" を生ストリングスバックにして歌い上げるシーン。これはたまたま録画してたんで何度も観返してるんだけど‥‥良いのよ。去年、NHKの音楽番組に出演した際にも代表曲をリアレンジして、それに順応する松浦の感の良さみたいなものを存分に堪能したんだけど、今回はあれともまた違った、純粋に「歌い手・松浦亜弥」としてシンプルに楽しむことができたのね。そういう意味じゃ‥‥ここ4作くらい続いてたバラード系シングルも、それなりに彼女の血となり肉となってたのかな、と。今改めてそう思ったりするわけ。

 で、今回のシングル。珍しくリリース日に買ったよ、しかもDVD付き初回盤を。

 既に「午後の紅茶」テレビCMで何度も耳にしてる、あの曲。CM用にサビだけ作ったら評判が良くて、結局フルコーラス無理矢理作り上げちゃったという代物なんだけど‥‥悪くないよね。つーか、つんく♂が丁寧に作ったなーというのは何となく伺える。ま、松浦に関しては‥‥特にここ最近は‥‥手を抜かないよね、あいつは。今回もC/W曲 "友情〜上カルビ〜" 含めて、非常に丁寧に作られてますよ。アレンジは共に(悪名高き)鈴木Daichi秀行氏なんだけど、無駄な音を省いた分、シンプルで判りやすいし、松浦のストレートで屈託のない歌い方にピッタリ合ってる。変にこねくり回した歌唱とか感情を込めすぎることもなく、ある意味じゃ第二のデビュー曲みたいな印象を受ける今回のシングル、悪くないと思うよ。話題性も十分だし、まぁ最近のシングルの中じゃ久々のヒットになるんじゃないかな?

 この "気がつけば あなた" をCDでフルコーラス聴いた時‥‥何故だか先の "LOVE涙色" を思い出しちゃったんだよね。ストリングスによるリアレンジじゃなくて、原曲の方。シンプルな作風があの曲に通じるものがあるのかもしれないけど‥‥なんだかさ、あそこにまで戻りたい(戻したい)んじゃないかな、なんて気がしてね。"LOVE涙色" や "100回のKISS" とか、あの辺りにさ。ま、違うとは思うんだけどさぁ‥‥何となく、空気感が似てるような気がするんだよね。

 勿論、あの頃に戻ることなんて不可能だし、それこそそういった行為に意味があるのかどうかも判らない。でも‥‥ある種の奇跡を感じさせた、それこそ人間離れしてるオーラを出してたあの頃に、地に足の着いた「ニンゲン」松浦亜弥がタイマン勝負を挑んでるような‥‥ってのは言い過ぎかしら?

 でも、第二のデビューってのは、あながち間違ってないように思える。ベスト盤をリリースしてから、最初のリリースになるわけだしね。暫く時間を置いたことで、更にそういった感じが強くなってるのかもしれないし。どちらにしろ、ちょっと様子を見てみたいと思うよ、今後の松浦亜弥のさ。



▼松浦亜弥「気がつけば あなた」(amazon:CD+DVD通常盤シングルV

投稿: 2005 09 25 01:00 午前 [2005年の作品, ハロー!プロジェクト, 松浦亜弥] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/01/14

松浦亜弥の次のアルバム。

 以前、このエントリで俺、「何となく、次の松浦のアルバムはベスト盤のような気がするんだけどね。これもタイミング的には今しかないと思うんだけど。」って書いたのね。去年の11月末に。

 そしたら、昨日こういう企画が立ち上がってたんですよ。そうかー、その手があったか。確かにこれまでにシングル15枚、来月には16枚目のシングルが出るようだし、それらを全部まとめようとすると、絶対に2枚組になってしまう。手軽な1枚モノのベスト盤として発表したいなら、そこから厳選した選曲になる。けど、松浦の場合は(まぁ他のハロプロ・ユニットに関しても同様だけど)シングルのc/w曲やアルバム曲に、ライヴでの定番曲/人気曲が結構な数ある。そうなると‥‥ファンに選ばせてしまえば手っ取り早い、と。ま、それも表面上の作業であって、実際には裏側で既に選曲が決まってるのかもしれませんが。いや判らないけど。

 これ、早速俺も投票してみました。ひとり3曲、1〜3位の順位を付けて投票するのね。1位に3pt、2位に2pt、3位に1ptが付いて、その総合点で収録曲を決めるみたい。現時点ではアルバムに何曲入るのか、またその結果がちゃんと発表されるのか、あるいはそれが完全に生かされるのか等の詳細が載ってませんが‥‥とりあえず、俺の3曲だけは紹介しておきましょう。


■1位:そう言えば(1stアルバム「ファーストKISS」収録)
 これは今でも大好きな曲だなぁ。もはや当時の面影があまり感じられない、今の松浦の歌声ではあの切なさは表現し切れないかもしれないけど。もう一度ライヴで聴いてみたい1曲ではあるよな、と。まぁ「ファーストKISS」自体が恐ろしいくらいに充実した内容なんで、あれをまるまる全曲ベスト盤に入れてしまえばいいと思う(それはあんまりか)。

■2位:I know(7thシングル「The 美学」c/w曲)
 モーニングでいうところの "真夏の光線" 路線といいましょうか、生ブラスを存分に生かしたファンク調のアレンジが素敵過ぎて。正直、このシングルに関しては「なんでA面曲と逆転しなかったかなぁ〜」とか思った時期もあったけど、結局はこのバランス感(A面にメジャー感の強いナンバー、B面に隠れた名曲的ナンバーという配置)が如何にもアイドルらしくて、素敵っちゃあ素敵なんですが。彼女のライヴに行ったことある人なら判るでしょう、今やなくてはならない1曲。

■3位:恋してごめんね(3rdアルバム「×3」収録)
 最近の松浦からも1曲選んでみました。ホントなら「ファーストKISS」収録曲か、"夕暮れ"、"デート日和"、"待ち合わせ" 辺りを選びたかったんだけど、バランスを考えるとこういうストロングな曲があってもいいよなー、と。同じファンク系でも "I know" にある柔らかさはここには希薄で、もっと泥臭くてやさぐれたイメージが強いかな。アイドル曲っぽくはないけど、こういう曲が歌えるからこそ、俺は今でも松浦に注目しちゃうんだよな、と。


 ‥‥とまぁ、こんな感じで。敢えてシングル曲は外してみました‥‥っぽく取られがちだけど、普通に好きな曲を選んだら自然とこういう選曲になっちゃったんだよね。まぁシングル曲で俺が好きなタイプは、"100回のKISS" とか "THE LAST NIGHT" みたいなタイプの曲だからなー。恐らく多くのあややヲタとはかけ離れてると思うので。まぁ前者は人気あるだろうけど、後者はね‥‥

 本当にこの投票が活かされるのか、そしてファンはどういった選曲をするのか。非常に気になるところです。〆切は2/5、リリースは3/24だそうです。どうせなら‥‥シングル曲から厳選した「シングルズ」と、それ以外(アルバム曲、c/w曲)から厳選した「裏ベスト」の2枚を作っちゃえばいいのにね。俺なら間違いなく後者を買うけどさ‥‥って俺、松浦の音源は全部持ってるから、新曲でも入らなきゃ買わないわ! アブネー、騙されて買っちまうところだった!!(って気づけよ俺)



▼松浦亜弥「ファーストKISS」(amazon

投稿: 2005 01 14 01:50 午前 [ハロー!プロジェクト, 松浦亜弥] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/11/22

松浦亜弥コンサートツアー2004秋 〜松◇クリスタル◇〜@神栖町文化センター(2004年11月21日)

 性懲りもなく、年に二度も行くことになろうとは‥‥

 って書くと、まるで行きたくて行ったように読み取れるけど、実際は違って‥‥今回はタダで行くことになりまして、しかも開演時間の90分前に。なんかうちの地元の近隣にやって来まして、コンサートで。その流れで、どういうわけかチケットがあるよ、みたいな話になりましてね。全然行く気はなかったのに、タダと言われるとね‥‥そのまま車飛ばして会場まで行きましたよ。

 9月末に代々木で観て以来、約2ヶ月振りなわけですが‥‥やはりツアー終盤ってこともあって、疲れの色は隠せませんね。会場が小さいし俺の席も6列目ってことで、かなり間近で表情を確認できたわけですが‥‥それでも以前(去年の秋コンかな?)よりは全然マシですけどね。

 でもなぁ‥‥今回は代々木には敵わなかったかも。なんつーか、あんなもの凄いモノを見せられちゃった後となるとね。嫌でもスケールダウンは否めないわけで。もうすぐその代々木公演のDVDが出るんで、そっちを買っていろいろ確かめてみようかな、とも思ってるんだけど。まぁそれは置いといて。




 俺ね、松浦の歌う "渡良瀬橋"、意外と好きなんですよ。森高千里の、あのシンプルな音数&アレンジの原曲とは違った、歌謡曲歌謡曲した「無駄に大袈裟に盛り上げようとしてる」アレンジ‥‥あれはあれでアリかな、と思ってる方でして。歌にしても‥‥バラードにありがちな「無駄に感情込め過ぎな暑苦しさ」もなく、思いっきり歌い上げる感じでもないし、どっちかっていうと淡々としてる印象が強いような‥‥それは今の松浦の歌い方とか声質とか、そういうのも影響してると思うんだけど。なんかね‥‥だからこの曲を選んだのかな、なんていう気もしたりしてね。

 松浦は今年、4枚のシングルをリリースしてるんだけど、その中の3曲がバラードあるいはバラード調のミディアム曲なんだよね。「あやや」っぽい曲は敢えて排除してるような気がしないでもないけど(それはアルバム「×3」からも伺えたし)‥‥要するに「ハロー!プロジェクトの中の、あやや」から脱皮させようとしてるんだろうね、首脳陣達は。それは決して間違ってないと思うし、タイミング的にも今しかないとは思うけど‥‥もうちょっとバランス良くやってもいいような気がしないでもないけどね。あんまり地味にやってると、世間的に「アイドル・あやや」と「歌手・松浦亜弥」とのバランスが取れなくなっちゃうよ。だから‥‥次はそろそろ‥‥ね?

 あとさ‥‥そろそろアルバムの準備してると思うんだけど‥‥何となく、次の松浦のアルバムはベスト盤のような気がするんだけどね。これもタイミング的には今しかないと思うんだけど。いや、遅いくらいだけど。そういやぁハロプロでベスト盤出してるのって、今んとこはモーニング娘。だけなんだよね。シングルは既に15枚くらい出てるわけだし。ヲタ的には別に要らないんだけど、世間的にはいい話題になるからねぇ。いろいろ仕切り直す意味でも、いい機会なんじゃないのかな?



▼松浦亜弥「渡良瀬橋」(amazon:CDシングルV

投稿: 2004 11 22 10:48 午後 [2004年のライブ, ハロー!プロジェクト, 松浦亜弥] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/10/06

後浦なつみ『恋愛戦隊シツレンジャー』(2004)

必ずしも「1+1+1」が「3」やそれ以上になるとは限らない。特に音楽の世界では常に共通の認識としてあるんじゃないのかな? 過去にいろんなバンドで名を馳せたアーティスト達が集ったスーパーバンドが誕生したからといって、それが必ず過去彼等が在籍したバンドを超えるような存在になるとは限らない。むしろそうなってしまうことの方が少ない。本当の意味での成功を手にするのは、ほんのひと握りの存在だけ。残念だけど、それが現実なんだよね。

 それはハロプロの世界においても同じ。過去「ごまっとう」というスーパーユニットを生み出したこともあったけど、あれはタイミング的にも絶妙だったんじゃないかな。ギリギリのタイミング‥‥ハロプロ人気がドンドン下り坂へと進み始める直前‥‥いや、その数歩を踏み出した後だったのかな。だからまだ成功を手にするできた。

 ところが今回はどうだろう‥‥明らかにタイミングとしては最悪だよね。もう後がない状況の中でのセッティング。周りからは「最後の最後に、一番やっちゃいけないことやっちゃった‥‥」みたいに言われる始末。しかもそのセンスも最悪だったもんだから、尚更批判的な声が目立つ。

 変なファッションで登場した「後浦なつみ」というユニット‥‥後藤真希、松浦亜弥、安倍なつみ、というハロプロ・ソロ組の稼ぎ頭3人をひとまとめにしてしまった、まるで「紅白対策」で即席に組ませてしまった感が強いこの組み合わせ。確かに「ごっちんとなっちの組み合わせがまた観れる!」という喜びはあったものの、今や既に時遅しといった印象は拭えないし‥‥

 これで曲が本気で素晴らしかったまだ良かったんだよね‥‥ところがさ‥‥

 後浦は完全に失敗だと思う、曲の差し替え。全然出来がいいもの、"LOVE LIKE CRAZY" の方が。「戦隊モノ」とかいう飾りが邪魔してる分、完全に一般リスナーを突き放してる感が強い "〜シツレンジャー" と比べれば、こっちの方が絶対にウケると思うんだけど。特に若い女の子達、こういうモダンR&B的な曲、好きじゃない。アレンジャーのAKIRAの仕事振りはさすがだと思うし、3人の個性のぶつかり合いという意味では完全にこっちの方が勝ってるよね?「LIKE CRAZY」だっけ、今回のコンセプト? 「CRAZY」の意味が違うもの、"〜シツレンジャー" と "LOVE LIKE CRAZY" とじゃ。

 あれでしょ、当初 "LOVE LIKE CRAZY" はデスチャ(DESTINY'S CHILD)とかあの辺の路線を狙ったわけでしょ。あの変なファッションといい。もっとちゃんとしたコンセプトを持ってれば、間違いなく成功したはずなのにね‥‥よりにもよって、あの「▼」な髪型はないよなぁ‥‥あれ、辻希美がコント(「ぴょ〜ん星人」とか「河童の花道」)でよくやる髪型と一緒じゃん。そりゃ3人とも嫌がるって。若い女の子なんだから。ビヨンセでも嫌がるよ、ありゃ。

 「1+1+1」が「3」やそれ以上になるには、勿論その「1」それぞれの力量も大切だけど、それを支える裏方の努力や才能も加味されるんじゃないの、こういう世界じゃ。だからこそ「3以上」になるんじゃないの? それに、「3」や「4」程度じゃ許されないよね、こんな最高の組み合わせなんだからさ‥‥ホント、安易な考えでいろいろ試みるのは面白いと思うけど、もうちょっとさ‥‥頑張ろうよ。尻に火着いてるんだからさ‥‥



▼後浦なつみ『恋愛戦隊シツレンジャー』
(amazon:初回盤通常盤シングルV

投稿: 2004 10 06 03:08 午前 [2004年の作品, ハロー!プロジェクト, 安倍なつみ, 後浦なつみ, 後藤真希, 松浦亜弥] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/01/28

松浦亜弥『奇跡の香りダンス。』(2004)

  松浦亜弥、通算12枚目、2004年一発目のシングルとなる「奇跡の香りダンス。」は、既に新年早々テレビCMソングとしてお披露目済みのタイトルナンバーと、昨年秋のツアーでも披露されていた太陽とシスコムーンのヒット曲 "宇宙でLa Ta Ta" のカバーを収録した1枚。元旦から「×3」という素晴らしいアルバムをリリースしたものの、以前のようなヒットを記録することが出来なかった松浦。このシングルがどこまでヒットするのか‥‥個人的には意地悪なものの見方をしてしまいそうですが‥‥ちょっとね、これまでにないタイプの楽曲だったのと、作り手側のお遊びが過ぎるのでね。このユーモアが聴き手(特に彼女のファン以外の、一般層)にどこまで通じるのかが気になるんですよ。

  タイトルトラック "奇跡の香りダンス。" は勿論つんく♂作品。アレンジには既にお馴染みの鈴木 Daichi 秀行が当たっています。楽曲のタイプとしては、ちょっとロック色の強いポップソング。そうね‥‥ハッキリ言っちゃえば、布袋寅泰へのオマージュというかパロディーというか。所謂「デジデジ」した感じのポップロックを基調としたアレンジで、ギターなんてバッキングの細かなフレーズやソロの運び方(ツインリード風ハーモニーを用いたフレーズそのものやメジャーからマイナーへと流れていくコード進行等)まで、とにかく布袋‥‥というか「ギタリズム」シリーズを意識したかのようなアレンジ。Daichiって以前にも後藤真希のアルバムで布袋っぽいアレンジの曲をやってたし、年齢的にいってもボウイ世代なんだろうね。けど、今回の場合はDaichi云々よりも、つんく♂の指示及び悪ふざけなんじゃないかな。コーラスの入れ方とか松浦のちょっとした節回しが、ホントに布袋っぽいし。つうかこれ、このまま布袋に歌わせてみたい。特にサビの最後のフレーズのところとかね。

  勿論、ただの布袋オマージュでは終わってません。そういったポップロック色を更に強める役割を果たしてるのが、そんなバックトラックの上に散りばめられているキラキラしたシンセの音色。イントロの'80年代テクノポップ的フレーズや、昨年の同CMソングに起用された "ね~え?" っぽいシンセのシーケンス(ピチカートっていうんですか、あの音色?)等が、かろうじて「従来の『あやや』っぽさ」を引き出してるような。けど、今回の場合は完全に機能してるとは言い難く、何かふたつの異なる色合い(布袋調ポップロックとカワイイ路線)が混じり合わずに平行線をたどってるような気がしないでもないかな、と。もうひと捻り欲しかったな‥‥うおっ!っt唸ってしまうような。そして、アレンジももうちょっとだけ時間をかけてあげれば、完璧なものになったと思うんですが。

  松浦の声質が完全に以前と変わってしまったことを受けて、こういった曲調を選んだのだと思いますが(じゃなかったら、過去あのCMに起用された路線‥‥"♡桃色片想い♡" や "ね~え?" の延長線上にある路線を選んだはずなんですよ。少なくともあのCMを観る限りではね‥‥しかし、それが出来ない事情が生じた(=松浦の声質の変化)。だったら「今出来ることを、今しか出来ないことを」ってことになったんでしょうね。それがアルバム「×3」での変化であり、この "奇跡の香りダンス。" だったのかな、と。

  そしてシングルのカップリング。今回は新曲ではなくて、昨年の秋ツアーでも披露されていた "宇宙でLa Ta Ta" のカバー、しかもご本家・稲葉貴子とのデュエット。これも今までにない形なので、面白いといえば面白いんですが‥‥単純に昨秋のツアー用に録音したものをそのままシングルに入れたのかな、と。だとしたらガッカリなんですが‥‥けど、こうやって稲葉の歌を堪能できるって意味では、個人的には有り難いんですけどね。ただね、バックトラックが太シスのオリジナルトラックそのままなんですよね(アレンジは河野伸)‥‥導入部での松浦の語りは日本語で新たに書き下ろしされてますけど(オリジナルは中国語)‥‥アルバムを出した後だから曲が少ないってのも理解できるんですが、それにしてもね‥‥バックトラックまで同じとなると‥‥最近はカントリー娘。やおとめ組・さくら組でのカバー&セルフカバーでバックトラックの再録音やリアレンジをちゃんとやってくれてたので安心してたんですが‥‥う~ん‥‥曲は勿論名曲なので文句ないのですが(松浦の「今の」声も意外とこの曲に合ってるしね?)‥‥

  いろいろと釈然としない面もありつつ、このシングルを延々リピートしてるわけですが‥‥そうなんだよね、この "奇跡の香りダンス。" をアルバム「×3」に入れればよかったんだよな。もうひとつメジャー感の強い楽曲が入ってれば、間違いなく名盤と呼ばれていたであろう1枚になったのに‥‥いや、今でも大好きですし、ホントによく聴く1枚ですよ? ただ、全体的なバランスを考えた時にね‥‥勿体ないな、と今でも思うわけですよ。レコーディング時期は一緒だったはずだから、作り手(スタッフ等の製作陣)がワザと「これはアルバム用」「こっちはシングル用」って振り分けたんだろうね。あと、CMタイアップとの兼ね合いもあって、この曲のみ早めに完成させなきゃならなかった(提出しなきゃならなかった)からアレンジがアルバム曲よりも雑だった、とか‥‥ま、邪推すればいくらでもできるので、この辺にしておきますけど‥‥ホント勿体ないですよ。

  とはいいながらも、ずっとリピートしてるってことは、間違いなく気に入ってるってことなんですけど。この曲、GLAYの新曲と同日リリースなんですよね‥‥まぁあちらは今回バラード調なんですが。どうせなら同系統の楽曲で対決して欲しかった‥‥なんて思ったりして。



▼松浦亜弥『奇跡の香りダンス。』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2004 01 28 12:00 午前 [2004年の作品, ハロー!プロジェクト, 松浦亜弥] | 固定リンク

2004/01/02

松浦亜弥『×3』(2004)

  既に入手してから1週間経つわけですが、実際には2004年1月1日発売作品なんですよね、これ。というわけで、本当に久し振りだ‥‥ハロプロ系のアルバムで、こんなに聴き込んだのは。

  というわけで、松浦亜弥の約1年振り、通算3作目となるオリジナルアルバム「×3」(「トリプル」と読む)。前作「T・W・O」がバラエティに富んだ反面、非常に散漫な内容だったことを考えると、これはある意味対照的な内容なのかな‥‥とにかく、一聴して感じたのは「傑作の予感」。ここ最近の彼女に対し少し疑問を感じていただけに、これは嬉しい誤算。そして‥‥つんく♂よ、まだまだここまで出来るのかお前は!という驚き。たった3枚のシングルを軸にアルバムを構成していくのではなく、あくまで「アルバム用の新曲」が軸となる作品。これは本当に興味深いです。

  さ、能書きはこのくらいにして‥‥恒例の全曲コメントにいきますか‥‥時間もあることですし、たっぷりお楽しみください。


●M-1:GOOD BYE 夏男
  '03年6月リリースの通算10枚目のシングル曲。詳しいレビューはこちら。アルバム1曲目には必ずシングル曲、しかも活きが良い曲を持ってくるハロプロ系ですが、やっぱり今回は‥‥これしかないよな。好き嫌いが非常にハッキリするタイプの曲ですが、彼女の歌はやっぱり凄いと思わされる、パワーゲーム的楽曲。

●M-2:GET UP! ラッパー(松浦 Version)
  '03年7月リリースのシャッフルユニットEPより、松浦が参加したSALT5の楽曲を彼女のソロ・バージョンで収録。原曲レビューはこちら。既に'03年秋ツアーでソロ(とはいっても稲葉貴子とのデュエット形式)で披露してたこの曲、音源として聴いてみると‥‥ちょっと弱い気が。歌い方の問題なんでしょうけど、前曲の力技の後だとどうしても霞んでしまう。楽曲的にはこっちの方が好みなんですけどね。それにしてもこのアルバム、頭2曲でここまでストロングスタイルな作風って、ちょっと異色かな。ちなみにここまでの2曲、お馴染みの鈴木Daichi秀行がアレンジ。

●M-3:可能性の道
  お馴染み河野伸アレンジによる、アルバム用新曲。イントロでのワウがかかったギターといい、クラヴィネットやピアノのフレーズ、そして打ち込みながらも太めのスネアドラムの音とソロパートでのハーモニカっぽいシンセの音色、どれもが自分好み。勿論楽曲的にも‥‥アレンジのせいか、ちょっと黒っぽいポップソングといった印象。例えばスティーヴィー・ワンダーとか、あの辺のポップソング。ファーストアルバム「FIRST KISS」の路線に近いようで実はかなり色合いが異なると思います。だってファーストの頃の彼女だったら、間違いなく歌いこなせてなかったと思うから。

●M-4:ね~え?
  '03年3月リリースの通算9枚目のシングル曲。レビューはこちら。小西康陽アレンジということで、ここにくるといきなりクオリティーがググーンと上がるのは気のせいではないですよね? 松浦のボーカルパフォーマンスもここまでの4曲、どれも違った色合いを見せていて、ちゃんと「歌い分けている」感を味わうことができます。うーん、やっぱりこれ、いい曲だわ。

●M-5:オリジナル人生
  鈴木俊介アレンジによるアルバム用新曲。あーとうとう来たか‥‥というジャズテイストの1曲。当然生バンド(ドラム・ウッドベース・ギター・ピアノ)での演奏。歌と演奏とのぶつかり合い的テイストを強く感じる楽曲で、彼女のボーカルパフォーマンスもなかなかのものだし、曲も悪くない。稲葉によるコーラスもかなり雰囲気出ててカッコイイし‥‥いやー恐れ入った。本当に凄い曲だわこれ。

●M-6:恋してごめんね
  更に続く新曲は、再び河野伸によるアレンジなんですが‥‥うわーっ、前曲での黒っぽいノリをそのまま受け継いだ、ドス黒いファンク・ポップ。爽やかさ以上にドス黒さの方が耳に残る、非常にカッコいいアレンジとメロディーと演奏とボーカル‥‥例えば一時期のTHE STYLE COUNCIL("Wanted" 辺り)なんかを彷彿させるファンキーさ、と言えばお判りいただけますか? ブラスも豪快で気持ちいいし、実はブリブリいってるベースが鈴木Daichi秀行による打ち込みだというのも非常に興味深い。中間部でのつんく♂&松浦によるスキャットも味があって、マル。結局さ、今こういう曲をここまで歌いこなせるのって、松浦しかいないんだよね‥‥改めて彼女の大物振り、そして「異質」感を実感させられましたね。いやー、お見事!

●M-7:THE LAST NIGHT
  ファンキーなノリで盛り上がった後、ここでしっとりと小休止。'03年9月リリースの通算11枚目のシングル曲。レビューはこちら。鈴木俊介アレンジ。アルバムのこの流れで聴くと、本当に盛り上がる。例えば1~2曲目で力技をまざまざと見せつけられ、2~4曲目で煌びやかなポップサイドで和ませ、5~6曲目で演奏と歌が一丸となってビートを刻み盛り上げ、ここでは5~6曲目とは違った形の「歌と演奏」で盛り上げる。ちょっと歌い上げ過ぎかな、という気もするけど、まぁそれも彼女の個性でしょう。好き嫌いは分かれるけど。

●M-8:私と私と私
  ここで再びポップサイドへ。お馴染み高橋諭一によるアルバム用新曲。ちょっと「FIRST KISS」路線に近いアレンジだけど、もっとこっちの方が黒っぽい。基本的に今回のアルバムを聴いて感じるのは、そういった「ブルーズ/ジャズ/R&B」といったブラックミュージックへの、松浦なりの歩み寄り。散漫さが印象的だった前作との違いは、この方向性の統一といった点に大きく表れているのです。同じようなポップソングでも、表現方法次第でこうも変わるんだよ、と言わんばかりに。アルバム用新曲群はとにかく力の入れ具合が半端じゃないこと、聴いてもらうとお判りかと思うんですが‥‥箸休め的ポジションにある楽曲なので軽視されがちかもしれませんが、とにかくこれ、いい曲ですよ。

●M-9:Yeah!めっちゃホリディ(HIGH TUNED mix)
  '02年5月リリースの通算6枚目のシングル曲のリミックス・バージョン。前のアルバムにも収録されていた曲をこういう形で収録するのは、単に曲数稼ぎ/水増しだと思ってたんですが‥‥いやね、これがいいんですよ。リミックスは平田祥一郎の手によるもの。他のハロプロ系だとカン紺藤 "先輩 ~LOVE AGAIN~" やZYX "白いTOKYO" といった楽曲のアレンジの他、実は「SHO-1」名義でメロン記念日の "夏"(「チャンス of LOVE」c/w曲)のアレンジやモーニング娘。の "Do it! Now" のリミックス(「プッチベスト3」収録)等も手掛けてきてる人なんですね(つい最近、同一人物だと知りました。驚きです。だってメチャ好みのアレンジする人だし)。で、そのリミックス。本当に「アリ」なんですよ。ちょっと違うかもしれないけど、アルバムでいうと4曲目の "ね~え?" に近い色合いを持つアレンジなんですね。こういう活かし方もあるんだな、と。全体的な雰囲気を考えると確かに浮いているかもしれませんが、アルバムに華を添えるという役割は十分に果たしているし、単なる「水増し」で終わっていないと思いますよ。ま、リミックスとか苦手な人にとっては全く受け付けない1曲でしょうけどね。

●M-10:涙のわけ
  再びアルバム用新曲に。アレンジはAKIRA。バックトラックやコーラスも全てAKIRAの手によるもの。R&Bテイストのダンサブルな1曲で、例えばBoAとかSPEEDといった辺りの流れを組む楽曲なんだけど‥‥歌詞にドキリとさせられるんですよね、これ。2コーラス目の歌い出し。「モーニング娘。の数の変化や 突然訪れるお天気雨 未来なんて誰もわからないけど」って‥‥こんなデリケートな時期にこんな歌詞を、対抗馬である松浦に歌わすなんて‥‥つんく♂もやるな、と。多分、冷静に聴けない人も多いんじゃないですかね? けどさ‥‥いい曲なのよ、これ。シングルにはならない、どちらかというとシングルのc/wやアルバム用なんだけど、だからこそ活きる曲かな、と。

●M-11:LOVE TRAIN
  そしてアルバム最後を飾るのは、鈴木Daichi秀行アレンジによる新曲。R&Bテイストのスローチューンなんですが‥‥彼が過去手掛けたアレンジの中でもトップ3に入る完成度ではないでしょうか。つうか、それ以上に松浦の歌な。歌うというよりは「囁き」に近い歌唱法。これが曲の切なさ、儚さに合っていて、二重マルなんです。音数が少ないバックトラック、その上で印象的に鳴っているオルガンの音がとにかく印象的。いやー、これは「夜」ですね。特にアルバムラスト2曲は「夜の曲」。R&B系のアルバムでいうところの「後戯」的な楽曲。ホントにこれを夜、ドライブしながら聴くとハマるんですよ(実験済み)。アルバムの中でも個人的にはベストトラックに挙げたい1曲。


●総評
  さて、新鮮早々幸先良いスタートを切れそうな2004年のハロプロ、そして松浦ですが、これ本当に素晴らしいアルバムだと思います。例えばアイドルヲタ以外の、普段J-POPを聴いてるような人にも胸を張ってオススメできる1枚。

  けど、大傑作だった「FIRST KISS」には1~2歩及ばない「傑作」止まりなんですよね、現時点では。何故か? それは‥‥残念ながらアルバムの頭2曲が足を引っ張ってるかな、という気がするんですわ、個人的に。楽曲単体としては好きなんですが、正直このアルバムの作風には合わないような。あとリミックスもね。カラフルさという意味では捨てきれないものがあるんですが、どうしてもこのアルバムの統一感(特にアルバム用新曲6曲の作風)を考えるとね。そこだけがマイナス要因。それ以外の面‥‥例えばつんく♂による楽曲面だとか各アレンジャーによるアレンジだとか、そういったものは全て合格点を軽く越えてると思います。ホント、前作が嘘みたい‥‥

  と、かなり手放しで絶賛しまくるのもアレなんで、もうひとつだけ苦言を。このアルバムをもし「面白くない」と片づけるなら‥‥それは「異物感」の不足、でしょうか。楽曲単位でいくとどれも素晴らしいし、実際絶賛に値するものばかりなんですが‥‥「いい曲」ばかりで「凄い曲」がないんですよね。年末にもこちらで書きましたが、 "そうだ!We're ALIVE" だったり "Yeah!めっちゃホリディ" だったり "さぁ!恋人になろう" みたいな曲がないわけですよ。だから "Yeah!めっちゃホリディ" をリミックスして入れたのかもしれないけど‥‥残念ながらそういった意味でのマジックはこのアルバムには見られません。そこだけかな、本当に惜しいなと思うのは。

  今後、そういったマジックをつんく♂に求めるのは酷なのかもしれないし、もしかしたら本当に彼はそういった「飛び道具」に頼らない『楽曲勝負』を望んでるのかもしれない。だけどさ‥‥要はバランスなわけでしょ? いくらつんく♂が「いい曲」を連発しても、世間的には「凄い曲」の方で認知されてしまっている。その結果がセールス面に如実に表れてる気がするんですが‥‥ま、だからこそこのアルバムには成功を収めて欲しいと願ってるんですけどね。

  最後はネガなことばかり書いてしまいましたが、とにかく良いアルバムなのには違いないです。久し振りにハロプロ系のアルバムでスカッとした作品だったのは確か。是非「普通のJ-POP」として接してみては如何ですか、非ヲタの皆様?



▼松浦亜弥『×3』
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投稿: 2004 01 02 12:00 午前 [2004年の作品, ハロー!プロジェクト, 松浦亜弥] | 固定リンク

2003/11/10

松浦亜弥コンサートツアー 2003秋 あややヒットパレード!@東京厚生年金会館(2003年11月8日 昼公演)

  松浦亜弥の今回の秋ツアーはそのタイトルの通り、正に「ヒットパレード」的内容になるはずでした。いや実際ツアーがスタートした当初はその名に相応しい、正しく「All of あやや」な内容だったはずなんです。

  ところが、10月上旬。事件は起こったのです。大幅な曲数カット。しかもカットされたのが大ヒット曲 "LOVE涙色" や新曲 "THE LAST NIGHT" だったという事実。それ以降も最初と比べて5曲もカットされた状態でライヴは行われていたそうです。13曲、90分にも満たないライヴ‥‥いくら殆どの曲がフルコーラスで歌われるからといっても、これは正直短いですよね。チケット代も決して安いわけではないし(ファンクラブで買うと5,250円、一般だったら6,300円ですよ)。これまでの松浦だったら、他のユニットのファンがジェラシーを感じるくらいに完成度の高いライヴをやってくれていたはずなんです。ところが、彼女に、あるいはその周辺に何かトラブルが起こった。その結果が大幅な曲数カット。それに伴い進行プログラムにも若干変化があったようですし(MCが異様に長くなった、等)。

  そんなことがあった後なので、今回のライヴには行かないつもりだったんですよ。チケットは持っていたものの、当日いろんな用事があったり夜には他のライヴもあったので、無理して観ることもないかな、と。けど、当日になっていろいろスケジュールが変わって時間的余裕が出来、気づけば厚生年金会館に足を運んでいたんです。

  ライヴの客入り状態は8~9割程度の入り。既に完売状態で、当日券が発売されていたかは気づきませんでしたが、この程度なら前回と同じでしょう。特に曲数カットによる影響は出ていないようでした(もっとも、そんな事実を知っているのは我々のようなコアなファンくらいでしょうしね)。

  定刻ピッタリにライヴはスタート。1曲目はデビュー曲 "ドッキドキ!LOVEメール"。まず最初にビックリさせられたのが、松浦のトーンの低さ。例えば曲間にある「Yeah!」等の掛け声。CDやこれまでのライヴだったら女の子らしい、如何にも「松浦亜弥」的なキー高めの声だったはずなんですが、歌に入る前の掛け声がオッサン声なんですよ! ビックリした。マジで退いたもん。貫禄とかそういった次元じゃなくて、単純に力が抜けてるか気合い入ってないか。そんな感じの「Yeah!」なわけですよ。けど歌に入るといつも通り、安定した歌声なわけ。で、ダンスにも以前のようなキレが感じられない。怠そうにやってる風には見えないんだけど‥‥過去、ハロコンや単独ライヴで何度も彼女の「神がかった姿」やオーラを実体験してきただけに、この日の松浦には「アイドルサイボーグ・松浦亜弥」的な完成度は全く感じられませんでした。

  続く "トロピカ~ル恋して~る" も同様。確かにセリフ箇所とかラストの目の動きなんかにはこれまで同様の「松浦亜弥」を見出すことができたんですが‥‥どうしても曲間の「Yeah!」のトーンの低さが気になって‥‥って俺だけなのか、これ?

  簡単なMCをした後、この曲が聴きたいがためだけに今日足を運んだといっていい新曲、"THE LAST NIGHT"。若干フラット気味だったものの、歌そのものは以前テレビで聴いた時よりも完成度が高まっていました。しかし歌ってる時の佇まい‥‥衣装のせいもあるんでしょうけど(前後に歌った曲を考えてみてくださいね?)、すっごいぶっきらぼうに歌ってるように感じられたのね。全然「気」が感じられないのよ‥‥存在感が弱まってるような。サビ最後の「ま~ま~」って伸ばす箇所、あるでしょ? あそこも早くに切り上げちゃうくらいに、荒っぽいし。何かね、藤本美貴を観てるかと思ったよ一瞬。それくらい荒々しいというか。なのにオーラが殆ど感じられない。凄くいい曲で、そして凄くいい歌うたってるのに、所々で嫌な面が目についてしまう‥‥勿体ないよ。

  結局この日は終始、こういった松浦のままライヴが進んでいきました。確かに上記のようなしっとり歌い上げる曲やデビュー時のアイドルアイドルした楽曲にはこの日の松浦が合っていたとは言い難いですが、逆に "The 美学" や "GOOD BYE 夏男" みたいな曲には妙に合ってるんですよね。勿論、以前のような松浦の姿はそこにはないわけですが。

  VTRを流して長めの休憩を取った後、稲葉貴子が登場。松浦と一緒にユニットの曲("GET UP!ラッパー"、"SHALL WE LOVE?")を歌うんですが、ここでも松浦以上に稲葉が目立っちゃって、さぁ大変。歌は声量/テクニック共に稲葉の方が勝っているんだけど、これまでだったら存在感で勝っていたはずの松浦が完全に稲葉の引き立て役に回ってる。辛うじて自分の曲 "I KNOW" で持ち返すものの、この曲の時は稲葉、完全にコーラス(ハモり)だけだしね。そうそう、この曲では生で稲葉がハーモニーパートを歌ってたんだけど、これがかなり良かった。歌える人間がコーラスをやったってのも大きいとは思うんだけど、これを観ちゃう(聴いちゃう)とやはり、モーニング娘。やメロン記念日にも頑張って欲しいよなぁと思うわけで。出来ないわけじゃないんですよ、やらせないわけですよ周りが。下手でもいいから絶対にやらせた方がいいと思うんだけどなぁ、今後の「音楽」との接し方とか考えてもさ。

  松浦が引っ込み、稲葉がヲタ相手のクイズ紛いのMCを始めて場を繋ぎ、次の "GOOD BYE 夏男" に繋げていきます。そういえばユニット曲以外の持ち歌で唯一これだけがショートサイズだったなぁ。やっぱり激しいからかしら? そのまま正反対な "ね~え?" を座ったまま歌ったり、途中で立ち上がってあのコミカルな振りをしてみせたり。そうそう、この曲でやっと従来の「松浦亜弥」が感じられたなぁ。こういう松浦が観たくでライヴのチケット取ったのにさ‥‥けどそんな従来の彼女を体感できたのも残念ながらここだけで、その後いくら代表曲が連発しても、残念ながら精細さを欠いたアイドルがそこにいるだけでした。だってさ、あの "桃色片想い" や "LOVE涙色" を歌ったの、全然記憶に残ってないんだぜ? この俺がよ!? それってどういうことさ?? 辛うじて "Yeah!めっちゃホリディ" は記憶に残ってるけどね。けどその記憶の残り方も「‥‥ダンスが‥‥弱い‥‥弱すぎる‥‥」っていうマイナス印象。あちゃー。

  ここで本編終了。12曲で約70分。決して長いとは言えないけど、短いとも感じなかったなぁ。曲数的にも少ないとは思わなかったし。ただ、以前まで感じてたような「最高に楽しいライヴ」ではなかったですね。正直退屈に感じる瞬間も多々あったし、それ以上に松浦を観てるのが辛い‥‥というか、痛々しかったなぁ。

  アンコールには意外と早く戻ってきて。最初に稲葉が出てきて、一緒に「あややコール」をするんだけど、松浦が戻って来るまでのインターバルもそんなに長くなかったし。で、最初に歌われたのが、てっきりカットされたとばかり思ってた "草原の人"。高音もしっかり伸びてるしちゃんと歌えてるんだけど‥‥セリフ、投げやり過ぎじゃないかい? 特に1回目のセリフ、あまりに乱暴過ぎてこっちがビビッた。2回目の方はちゃんと感情を込めてるように感じられたんだけど‥‥う~ん。

  この後、ちょっと長めのMCがあったんですが‥‥ここで明らかに松浦が何かに対して「苛ついている」なぁ、と実感しましたね。MCの内容はまぁ要約すると「前日まで沖縄に仕事で行っていて、デビュー前にやってた某ドラマのロケ地となった水族館に3年振りに訪れた。その水族館には透明な袋の中に缶やゴミが入ってる水槽があり、これは何ですか?と館員に聞くと、これは海に捨てられたゴミを食べて亡くなったイルカの胃袋です、と言われた。非常にショックを受けた。みんな、ゴミを海に捨てるなよ!」と、まぁこんな感じ。とにかくね、言い方が我々の知ってる松浦というよりも、もっとこう‥‥怒ってるというかイライラしてるというか、そんな感じの話し方なのね。最近の松浦はずっとこうですよ!と言われてしまうと「ああ、そうなんだ‥‥」と納得してしまいそうですが、それにしても‥‥ハロコンやテレビで観る松浦とのギャップが大き過ぎて、本気で退いちゃったんだよね俺。

  マジファンやヲタは平気なのかもしれないけど、少なくともテレビでの「あやや」を求めてライヴに来た一般客や子供達は、この日の松浦を観てどう感じたんだろうね? そんなMCやった後に唯一のアルバムトラックにして名曲のひとつでもある "笑顔に涙 ~THANK YOU! DEAR MY FRIENDS~" を歌われてもさ‥‥全然耳に入ってこないのよ。ホント、気づいたら終わってたって感じで。時計に目をやると丁度90分。当初のセットリストと比べると4曲("100回のKISS"、"チュッ!夏パ~ティ"、"絶対解ける問題X=♡"、"ナビが壊れた王子様(LOVE CHANCE)")カットされてはいるんですが、シングル曲も11曲中10曲は歌われたわけだし、ごまっとうやら今年のシャッフルユニット曲も歌われたし、それなりに満足のいくライヴではあったんですよ、贔屓目にみても。でもね‥‥ってもういいか。ホント凄い違和感が終始伴ったライヴでしたね。

  10月以降、松浦の体調不良が囁かれてますが、明らかにオーバーワークでしょうね。ツアーを行いながらドラマの撮影をしたり、来年元旦リリース予定のアルバム用レコーディングを行ったり、それ以外にも単発でいろいろ入ったりテレビやラジオのレギュラーがあったり。これがモーニング娘。やメロン記念日だったらひとり抜けてもフォローするメンバーがいるわけですが、松浦はソロ、ひとりですからね。藤本の場合、つんく♂が「藤本は松浦にはなれない」と思ったからこそ、モーニング娘。に入れて一呼吸おく場を与えたわけですし。これまでは順風満帆だった松浦ですが、これから更に厳しくなるんじゃないですかねぇ‥‥まぁ全ては本人次第ですが(勿論周りのスタッフもですけど)。

  それと‥‥METALLICAのライヴを観てしまった後だからこそ感じるんですが‥‥今の松浦も、ひょっとして「燃え尽き症候群」か何かじゃないのかなぁ‥‥と。仕事のひとつひとつはちゃんとこなすんだけど、それに対する精気が以前程感じられない。あるいは「ルーチンワーク」と化して少しずつ手を抜き始めている。以前ネット上で「後藤真希は10戦中10勝を目指していくタイプ、松浦はトータルで見て勝ち越しを狙ってくタイプ」とかそういうような例えを目にしたことがありましたが、この日俺が観た松浦がそういった「たまたま手を抜いた日」であることを祈るだけです(ま、そもそもそういう風に手を抜くのが見え見えなライヴをやること自体あるまじき行為なんですけどね)。

  はぁ‥‥後味悪いライヴだったなぁ‥‥。


[SETLIST]
01. ドッキドキ!LOVEメール
02. トロピカ~ル恋して~る
-----MC-----
03. THE LAST NIGHT
04. The 美学
-----VTR(衣装替え)-----
05. GET UP!ラッパー [w/稲葉貴子]
06. SHALL WE LOVE? [w/稲葉貴子]
07. I KNOW [w/稲葉貴子]
-----クイズ・オタック5 [稲葉]-----
08. GOOD BYE 夏男
09. ね~え?
10. 桃色片想い
11. LOVE涙色
12. Yeah!めっちゃホリディ
-----encore-----
13. 草原の人
-----MC-----
14. 笑顔に涙 ~THANK YOU! DEAR MY FRIENDS~



▼松浦亜弥『T・W・O』
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投稿: 2003 11 10 07:18 午後 [2003年のライブ, ハロー!プロジェクト, 松浦亜弥] | 固定リンク

2003/09/26

松浦亜弥『THE LAST NIGHT』(2003)

  松浦亜弥の3ヶ月振り、通算11作目のシングルとなる「THE LAST NIGHT」は、シングルとしては初の本格的バラードナンバー。これがね、もう‥‥なんつーかさ、完璧過ぎるのよ。手の込み具合だったり気合いの入れ具合あったり、もう全てにおいて。今年リリースされたつんく♂ワークスの中で、ここまで時間と手間をかけたであろう楽曲は他にないんじゃないかってくらいに。そう、モーニング娘。やメロン記念日に肩を入れてきた人間としては、これ程悔しいことはないんじゃないかってくらい‥‥ホント、完成度高すぎ。

  必要最低限の打ち込み(恐らく簡単なリズムトラックやエフェクト程度でしょう)の上にのるストリングス、アコースティックギター、ベース、ピアノ、そして松浦の声。ここに表現されているのは、完全に「松浦亜弥ひとりの世界」そのもの。最初この曲のテレビパフォーマンスを観た時、観てるこっちが凍りついちゃうくらいに引き込まれちゃうのね。なんていうか‥‥身動き取れなくなるのよ。それくらい‥‥俺にとっては異質なのね。

  そのアレンジを手掛けたのが、お馴染み鈴木俊介。ストリングス・アレンジもやはりお馴染み村山達哉。完全にストリングスがメインになっていて、リズムよりもそういったウワモノが強調されたバックトラックになっているんだけど、この曲はあくまで「松浦亜弥の歌」がメイン。それを劇的に盛り上げる為、まるでボレロのように徐々に、徐々にと盛り上がっていくわけ。そこに乗るのが松浦の歌なんだけど‥‥もう何も言うことないわ。目を瞑ってこの曲を聴いてたんだけど、珍しく彼女の歌に引き込まれて泣きそうになった程。多分、松浦の歌で涙腺が緩んだのって、「FOLK SONGS 2」で歌われた "さとうきび畑" 以来のことじゃないかな。今回は正直、それ以上だと思います。人によっては以前よりも癖が強くなった歌唱法に嫌悪感を示すかもしれませんが、もはやこれすら彼女の魅力のひとつだと俺は思ってるので、全然問題なし。

  最近、特にさくら組やおとめ組の楽曲に顕著なように、以前のバラエティ指向が強い方向から完全に楽曲指向が強くなりつつありますよね。で、この曲も当然その部類に入るわけですが、ある意味これってその最高峰というか、究極の形なのかなぁと聴いてて感じました。それはクレジットからも伺えるんですが‥‥コーラスとか一切なし。聞こえてくる声は松浦の歌のみ。当然つんく♂のあの変なコーラスもなし。今回はカップリング曲の"DO YOU LOVE ME?"にも参加してないんですよ、つんく♂。でもね‥‥珍しく"THE LAST NIGHT"にプログラミングで名前が挙がってるんですわ。これってホント珍しくないですか? つまり、それだけこの曲に肩入れをしてるってことなんじゃないですかねぇ‥‥

  けどさ、そのタイトルトラックに力を入れすぎたせいか、カップリング曲の方はちょっと‥‥あと一息って感じなんだよね。こっちはアレンジを高橋諭一が務めてるんですが、何となくね‥‥恐らく彼が手掛けた初期の楽曲‥‥ "ドッキドキ!LOVEメール" とか "トロピカ~ル恋して~る" みたいな路線を狙ったんだろうけど、ちょっとピントがずれてるかな、って気が。特にサビメロが弱いから、曲としてのピントが更にぼやけちゃうわけ。やろうとしてることは十分伝わるんだけど、詰めが甘いよね。タイトル曲の完成度が高い分、余計にそう感じちゃう。残念。

  とにかくこの"THE LAST NIGHT"。テレビサイズでは収まらない「物語性」を感じさせる歌詞なので、是非フルコーラスで聴いて欲しいです。レンタルでもいいから、一度しっかり自分の耳で聴いて、それから判断してみてください。今回はいつもよりも言葉少な目ですが‥‥これ以上何を書けばいいのか判らないんですよ。だって、本当にいい曲だと思うし、いいパフォーマンスしてると思うし、何よりもバックトラックの素晴らしさが(CDのカラオケ・バージョンだけでも聴く価値あるかも)。「松浦が歌うバラードをそろそろ聴きたいなぁ」と思ってたのは、何もつんく♂だけじゃなく、この俺もなんですよ。けど、ここまでのモノが来るとは思ってもみなかったよ‥‥

  恐れ入りました。



▼松浦亜弥『THE LAST NIGHT』
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投稿: 2003 09 26 12:00 午前 [2003年の作品, ハロー!プロジェクト, 松浦亜弥] | 固定リンク

2003/06/11

松浦亜弥『GOOD BYE 夏男』(2003)

  松浦亜弥の2003年度シングル第2弾は、前作「ね~え?」とは対極にあるような、ハードで男っぽい"GOOD BYE 夏男"。『夏男』は「なつおとこ」ではなくて「なつお」。架空の男性の名前なんだけど‥‥世の「夏男って名前のあややヲタ」はマジ凹みしたんじゃないでしょうか、このタイトルで‥‥俺が夏男って名前であややヲタだったら死にたいくらいに凹むような気がするけど、まぁそれはこの際放っておいて(こらこら)。

  あややもデビュー2年2ヶ月でシングル10枚ですかぁ。しかもリリースしたシングル・アルバム全てがトップ10入りしてるっていう‥‥正直凄いと思います。音楽的な変遷はいろいろありましたが、個人的にはどれも楽しませてもらってきたし。

  ‥‥なんてことを書くと、「ああ、きっととみぃは今度のシングル、ダメだったんだな?」とか「こういうピコピコした曲が苦手とか?」とか「へっ、とみぃって本名『夏男』なん?」とか勘ぐられそうですが(最後のは違うか)、いえいえ、俺この曲意外と気に入ってまして。ごっちんの「うわさのSEXY GUY」とか、こういう下世話なメロディの楽曲が好きなことに最近気づきまして。ま、言い方を変えれば「つんく♂の低迷振りに慣れてしまった」とも表現できるわけですが。いやいや、そんなに悪くないよな、メロディ? アレンジは一聴すれば判るように、最近のハロプロではお馴染み鈴木Daichi秀行。けど、彼が過去に手掛けてきた楽曲の中でもかなり好きな部類ですよ、これ。ミニモニ。の "アイ~ン!ダンスの唄" をもっと下世話にしたような印象。モーニング娘。の "SAY YEAH!~もっとミラクルナイト" とか "いきまっしょい!" のバックトラックは苦手なんだけど(共に小西貴雄アレンジだったりしますが)、Daichi氏が手掛けるこの手のタイプって全然平気、むしろ好意的に受け入れてるんですよ、不思議と。実は俺、周りが酷評する程Daichi氏のアレンジを悪いとは思ってなかったりしてね‥‥

  四打ちと呼べなくもないけど恐らく呼べない高速ビートに下世話なシンセサウンド、時々挿入されるオーケストラヒット音、中途半端なギターソロ。これだけ書いたら普通「‥‥。」って無言になっちゃうんだけど、これにあややの歌が乗ると、あら不思議。非常に高水準(みたい)な楽曲に聞こえちゃうんですからねぇ。今回は荒々しくて男っぽい歌い方が中心で、巻き舌連発、ミキティみたいなだらしない語尾等、とにかく徹底してます。「カワイイ」とも「カッコカワイイ」とも違う、明らかに「男っぽい」歌いっぷり。それが攻撃的なバックトラックと合わさると、とても力強く感じられるんですね。更にサビでの盛り上げ方や声の伸びも過去最高だと思いませんか? アルバム「T・W・O」でも感じられたのですが、ここではそれ以上。ここにきてまだまだ伸びるのか、この子は‥‥はぁ~(溜息)

  一方カップリング曲は"私の予定"(『私』は「わたくし」)は、鈴木俊介アレンジ曲。過去のあやや・カップリング曲にもあったような爽やかなポップチューンといった印象。ただ、それら同様に高水準かというと、実はそこまで素晴らしいとも言い切れない、平均的な出来。アレンジが平坦というか、他の鈴木俊介アレンジと比べると安っぽいんですよね。生楽器が少なくて、打ち込みメインになってしまってる点がそれに拍車を掛けてるんでしょうけど、もうちょっと頑張れなかったのかなぁ‥‥アコギの音色だけが耳に残って、後は全然‥‥聞き流しちゃうんですよ、悪いけど。勿体ないなぁ、メロディは全然悪くないだけに。

  今回のシングルね、最初聴いた時、あんまりパッとしなかったのよ。というのも、"GOOD BYE 夏男"を最初にテレビで聴いた時、殆ど聴き流し状態で真剣に聴く気になれなくて‥‥そのままCD聴いても同じような印象しか受けなくて。けど、日を改めて聴いたらそんなに悪いと感じなかった。で、続けて他のテレビ出演を観たら、更に良く感じた。そして聴き続けるうちに‥‥「悪くないじゃん、むしろイイじゃんか!」ってなっていったという、最近のハロプロ関係では珍しい曲なんですよ。多分、あややのパフォーマンスに圧倒されたというのが真相なんでしょうけど‥‥それにしても、本当にこの子は‥‥やっぱ今回のツアー、行ってみようかなぁ?



▼松浦亜弥『GOOD BYE 夏男』
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投稿: 2003 06 11 12:00 午前 [2003年の作品, ハロー!プロジェクト, 松浦亜弥] | 固定リンク

2003/04/10

松浦亜弥『T・W・O』(2003)

  2003年、ハロー!プロジェクトは年頭からアルバムのリリースラッシュが続きました。その第一弾が松浦亜弥のこのセカンドアルバム「T・W・O」。前作「ファーストKISS」から約1年1ヶ月という比較的短いブランクで発表されたことを考えると、やはり恵まれているというか、今やモーニング娘。以上に稼ぎ頭なのかしら‥‥なんて穿った見方をしてしまいがちですが‥‥リリースから早2ヶ月以上経ったものの、やはりというか何というか、他の皆さんと同様、ファーストと比べて聴く頻度は非常に低いと言わざるを得ません。何故か? その詳しい分析については最後に述べるとして‥‥

  全12曲中、シングルが4曲、ごまっとうのソロバージョンを含めて既発曲が5曲。それ以外の7曲が新曲という、ハロプロの中でも最も恵まれた環境(ちなみに新曲のみでいえば藤本美貴が4曲、後藤真希が4曲、メロン記念日が3曲、そしてモーニング娘。が6曲)。しかし、その贅沢さと内容の出来・不出来に関してはまた別の話。というわけで、他の4組同様、全曲レビューをしながら解説していきたいと思います。


M-1. Yeah!めっちゃホリディ
  '02年5月リリースの通算6枚目のシングル。詳しいレビューはこちらを参照のこと。アルバムの掴みとしては贅沢な1曲でしょう。頭から「あやや」印押しまくり状態。

M-2. The 美学
  '02年9月リリースの通算7枚目のシングル。詳しいレビューはこちらを参照のこと。ここに持ってきましたか‥‥正直4曲目とか7曲目くらいかな?と思ってたんですが。この2連発は結構強烈だなぁ。シングル云々を抜きにして、非常に個性が強すぎ、尚かつ音楽的にてんでバラバラな2曲が並ぶことで、この先一体どんな風になるんだ!?と予断を許さない空気に。

M-3. あなたの彼女
  アルバム用の新曲その1。アレンジャーは高橋諭一。中澤裕子の「東京美人」に通ずるアレンジ‥‥ということで、ナイアガラサウンドを意識したアレンジ。音楽オタクっぽい高橋らしい1曲。アルバムの中でもわりかしファーストに近い雰囲気/作風かも。しかし、そんな中でも「あやや」という個性が強烈に輝いているのはさすが。

M-4. ♡桃色片想い♡
  '02年2月リリースの通算5枚目のシングル。詳しいレビューはこちらを参照のこと。ここまでの4曲中、高橋諭一アレンジが3曲。2曲目で「おおっ!?」となったものの、この時点では比較的安定した色合いを見せていますね。

M-5. ダイアリー
  アルバム用の新曲その2。アレンジャーは酒井ミキオ。アルバムの新曲中、最も好きな曲は?と問われたら、間違いなくこれを挙げるでしょうね。単純に自分が酒井ミキオというシンガーソングライターに興味を持っているというのもあるけど、彼がこれまで手掛けてきたハロプロ・ソングがどれも好きな曲ばかりなんですよ。路線的にはファーストアルバムの延長線上なんだけど、もっと地に足が着いたイメージが。悪い言い方をすれば、前作は「オシャレ過ぎ」なのね。ま、贅沢だわな、そんな言い方。その点この曲の場合、そこまで贅沢でもなく、それでいて安過ぎずという、非常に普通な曲‥‥いい意味でね。如何にもアルバム用といった印象が強いけど、この位置にこういう曲を配置されるとやっぱり安心してしまうんですね。

M-6. SHINE MORE
  アルバム用の新曲その3。アレンジャーは小西貴雄。ラテン調のダンスチューンといったところでしょうか。何ていうか‥‥ここまでくると、逆に安っぽいんですよ。中途半端に打ち込みを使ったり、逆にアコースティック楽器‥‥アコギやパーカッションといった楽器が上手く活かされていないように感じるし。松浦なりに自分のものにしようと試行錯誤した後が節回しに伺えるんですが(とはいっても、それを考え指導するのはつんく♂でしょうけど)‥‥ちょっと空回りしてる感が。こういうダンスチューンに仕上げないで、それこそアコースティック楽器のみの、もっと落ち着いたアレンジにしてしまえば、松浦の歌い方も違ったものになっただろうし、何よりも彼女の声質に合っていたと思うんですが‥‥ちょっと残念な1曲。

M-7. SHALL WE LOVE?(松浦Version)
  '02年11月に「ごまっとう」がリリースした同名シングルの、松浦ソロバージョン。当然アレンジは全く変わっていて、ここでは鈴木Daichi秀行が担当。原曲よりも更に下世話なアレンジといった印象‥‥やはりAKIRAのアレンジって、ギリギリの一線を越えてないから素晴らしいんですよね。結局、松浦・藤本・後藤の各ソロバージョンでは、完全に違ったアレンジで勝負した藤本の一人勝ちといったところでしょうか。後藤の持ち歌というイメージが強いんで、やっぱり松浦ひとりで歌われても、ちょっと‥‥というか、こういうチキチキしたダンスチューンって彼女に合ってないよね、残念ながら。

M-8. From That Sky~替え玉は硬メンで~
  アルバム用の新曲その4。アレンジャーは鈴木俊介。イントロでのマウスワウを使ったギターを聴いた瞬間、誰もが思うことでしょう‥‥これってBON JOVIじゃねぇか!?と。明らかに "Livin' On A Prayer" からアイディアを拝借したアレンジ。ドラムのちょっとした叩き方やシンセの音色・フレーズ、そしてギターソロからもそれを感じ取ることができます。ハロプロ初のハードロックナンバーってとこでしょうか?(そして初のメタルは藤本の "涙GIRL")タイトルと歌詞の内容とのチグハグさをいろいろなところで指摘されているので、ここでは割愛。こうやって改めてつんく♂のメロディをハードロック調演奏に載せてみると‥‥まるでEARTHSHAKERじゃねぇか‥‥という気がしないでも。要するに演歌なんですよね。ま、そういう点ではBON JOVIにも通ずるものがありますが。これはこれで面白いと思います。

M-9. デート日和
  アルバム用の新曲その5。アレンジャーは高橋諭一。イントロのギターフレーズを聴いて、きっと誰もが思うことでしょう(ってまたかよ)‥‥これってCHEAP TRICKじゃねぇか!?と。しかも "I Want You To Want Me" のライヴ・バージョンまんまのアレンジ。そこに同じCHEAP TRICKがカバーした "Don't Be Cruel"(エルビス・プレスリーのカバー)風のフレーズやコーラス‥‥ロカビリー調ね‥‥が飛び込んできたり、また松浦の歌い方もまんまプレスリー調だったりで、なかなか面白い1曲。とうとうパワーポップにまで手を出したか‥‥と思ったりして。アルバム内でも1、2を争う出来だと思います。

M-10. 草原の人
  '02年12月リリースの通算8枚目となるシングル曲。詳しいレビューはこちらを参照のこと。この曲がアルバムに入ると知った時、一番のネックが曲順‥‥つまり、この曲の配置だろうな、と思ってました。実際にこうやって10曲目という、終盤に入ることで‥‥まぁ安泰かな、と。というか、逆にここ以外の場所はやっぱりマイナスに働いちゃうんだろうな、と思いますね。6曲目でも、12曲目でもダメ。いっそ入れないのが一番なんですが(ミュージカルのサントラも出たわけだしね)、結局バラードらしいバラードって今回少ないので、これはこれでいいアクセントになったのでは?

M-11. ナビが壊れた王子様(LOVE CHANCE)
  アルバム用の新曲その6。アレンジャーは小西貴雄。正直‥‥ガッカリな1曲。つうかこれ、アニソンじゃねぇか!?っていうね。前半が比較的いい流れ/クオリティーだと感じていたのに、中盤の似非ダンスチューン2曲にちょっと凹んで、"From That Sky~替え玉は硬メンで~"から"デート日和"で持ち返し、"草原の人"で小休止し、さぁラスト2曲‥‥っていう大事なポジションに、こんな曲を‥‥アレンジ次第ではもっと印象が変わったはずなのに。個人的には小西氏のアレンジって苦手なんですよね。この安っぽい打ち込みサウンドが。ミニモニ。くらいまでいっちゃうと逆に爽快なんですが、何かね‥‥うん。ダメでした。

M-12. 元彼
  アルバムラストを飾る新曲その7は、アレンジャーに河野伸を迎えたメロディアスなバラード風。みんなどうしてもファーストと比べてしまうだろうけど、やはりセカンドは全くの別物であって、そういう点からすれば俺はこの曲をラストに持ってきたことは決して間違ってないと思うし、つうかこの曲で終わるしかないじゃないか、そういうアルバムじゃないかこれは!?って思うんですが‥‥どうでしょう? けど‥‥そうはいいながらも、やっぱり詰めが甘いかなぁという気も。アレンジ次第では、もっと感動的な曲になれたはず。でも‥‥悪い曲ではないのよ。うん、むしろ好きな方ですね。


◎総評
  新曲に対してかなりネガなことを書いているんで、読んでる途中で気づかれたと思いますが‥‥そう、ファースト程は好きではないかな、と。曲のクオリティ云々もあるんですが‥‥それ以上にですね、クセが強いんですよ、楽曲にしろ、松浦の個性にしろ。

  何故「ファーストKISS」が名盤とされているのに、このアルバムは評判がそこまで良くないのか。それはアルバム制作の段階における「コンセプトの違い」でしょうね。ファーストは「松浦亜弥というシンガーをプロデューサー/アレンジャーが料理する」作品だったのに対し、このセカンドは「つんく♂やアレンジャーが用意したてんでバラバラな楽曲群を松浦亜弥が料理する」作品なんですよね。もうスタート時点から全く逆。ファーストはとにかく松浦亜弥を印象づけるために、とにかく完成度に拘った。その分、必要以上に丁寧に感じる部分もあった。しかし、今回は既に完成されてしまった「あやや」というパブリックイメージを増長させるためのブースターである、と。楽曲の出来にバラツキがあったりアレンジの完成度がまちまちだったりするけど、それを「あやや」が歌うことによって強引に聴けるモノにしてしまう。そういう意味では非常に暴力的で、ある種ロック的と言えなくもないです。

  しかし、そうはいってもファンの多くは「ファーストKISS」のような「完全無欠の名盤」を期待していたわけで、そういう点からすればこのセカンドは駄作なのかもしれませんね。ま、駄作というのは少々言い過ぎですが。けど、俺はこれはこれで受け入れたいと思います。DEEP PURPLEが「MACHINE HEAD」の後に「WHO DO WE THINK WE ARE」を出したようなもんだ、QUEENが「THE GAME」の後に「HOT SPACE」を作ったようなもんだと解釈しています‥‥ってことは「やっぱり駄作じゃん!」って突っ込まれそうですが、俺がそれら後者のアルバムを好きだということですよ、前者よりも。



▼松浦亜弥『T・W・O』
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投稿: 2003 04 10 12:00 午前 [2003年の作品, ハロー!プロジェクト, 松浦亜弥] | 固定リンク

2003/03/12

松浦亜弥『ね~え?』(2003)

  あやや2003年1発目のシングルは、年頭からテレビCMとして大量露出してた(らしい。俺は殆ど見かけなかったけど)楽曲。昨年の「♡桃色片想い♡」同様、某化粧品メーカーの新製品シャンプーのCMタイアップ。今回はそういった露出面のみではなく、楽曲そのものに対して新たなテコ入れが行われています。それは‥‥もう皆さんご存じの通り、タイトルチューン"ね~え?"のアレンジャーが元PIZZICATO FIVEの小西康陽という点でしょう。

  今回の楽曲に関しては昨年末から噂だけが先行していたんですが、いざ情報が解禁になると今度は「‥‥ホントに小西氏がやるの!?」という疑問の声が聞こえてくる始末。けどね、小西氏といえばこれまでも結構な数のアイドルソングを手掛けてきてるんですよね。代表的なところでは慎吾ママとか深田恭子辺りでしょうか‥‥って俺、それくらいしか知らないわ。反省(小西康陽ワークスについてはピロスエさんのサイトの「小西康陽ディスコグラフィ」を参考にしてもらうと手っ取り早いと思います)。

  さてさて、その楽曲なのですが‥‥確かに一聴してすぐに小西氏の手掛けた作品だと認識できる作風ですよね。ピチカートに疎い人でも小西氏がどんなサウンドを手掛けるかという大体の想像はつくと思うのですが、それをそのまま表現したかのようなサウンドプロダクションですし、つんく♂の書くメロディ自体はこれまでと何ら変わらないのに、いざこのアレンジに乗ってしまうともはや「作曲まで小西氏?」という錯覚に陥ってしまいそうになるんですね。不思議です。結局、どれだけ惰性で作ったメロディでも、アレンジ次第でどうにでもなってしまうってことですかね?(いえいえ、決して今回の楽曲がやっつけ仕事で作ったメロだと思いませんけどね)

  ただ、アレンジが最高に素晴らしいお膳立てをしてもらったにも関わらず、肝心のメロディが‥‥Bメロがメロン記念日「赤いフリージア」のそれとほぼ同じという‥‥いや、それに気づく前は結構「めっちゃくちゃのキラーチューンじゃねぇか!」とか張り切ってたんですがねぇ‥‥ちょっとしらけムードですね、俺の中で。

  けど、これまでのつんく♂ワークスを考えてみれば、こんなの当たり前というか、日常茶飯事ですしね‥‥って自分に言い聞かせてどうする俺。

  サビはホント素晴らしいと思いますよ。あとAメロの気怠さとか。そして何より、松浦のパフォーマンスですね。テレビで観た感じではまだ歌いこなすにはちょっと時間がかかるかな、といった印象を得ましたが(一部の番組では既に完璧なパフォーマンスを披露してましたが、やっぱりムラあり)、これを完全に自分のモノにしちまったら‥‥ホント怖い存在だ、この人。

  あえてこれを駄曲とは呼びませんが、やっぱりメロディに関しては75点、いや、オマケして80点として、残りの20点を上手いことアレンジで埋め合わせしてますね。俺、こういう手法もありだと思いますよ。けど、どうせならメロディもアレンジも100点な完全無欠の名曲を松浦に歌って欲しいですね。今回みたいなパターンだとファンは喜ぶけど、普通の方々にはクセが強すぎるんじゃないかなぁ、という気がするんですが(特に歌詞が)。そういう意味ではこの楽曲、既に「アイドル・ポップス」というジャンルすら超越して、「松浦亜弥」というひとつのジャンルを築いてしまったかのような錯覚すらしてしまいます。何だかんだいって、やはり恐るべしあやや。

  一方、カップリング曲"女の友情問題"にはお馴染み鈴木俊介がアレンジャーとして関わってます。カントリー&ウェスタン調の楽曲ということで、同じ鈴木俊介アレンジのタンポポ "やるときゃやらなきゃ女の子" とイメージがダブりますね。ただ、タンポポの方がもっとロック色が強かったように感じます(歌が弱い分、バックトラックでカバーといった印象)。逆に今回の場合は、松浦の声が完全に前に出ていて、バックトラックはそれを邪魔しないように、丸みのある音色で演奏されています。歌詞の方はもうタイトル通りなんですが‥‥恐らくこれ、松浦と藤本美貴とのことを題材にしてるんじゃないか?と邪推できる内容でして。ま、アイディアとして戴いたといった程度で、殆どがフィクションなんでしょうけど。これまでもつんく♂の歌詞には、歌い手のちょっとしたエピソードを挿入するという手法は何度かあったので、多分これもそうなんでしょうね。いや、そういう気がします。

  松浦のシングルではここ2作ほどタイトルトラックよりもカップリング曲の方が優れてる、なんて声をよく耳にしましたが(実際、俺もその意見にはほぼ同意。ただやはり、メジャー感という意味ではタイトルトラックの方が勝ってると思いますが)、今回は完全にタイトルトラックのひとり勝ちって感じですか。メロディの使い回し疑惑は拭えませんが、それでも一聴して「いい曲」だと思いましたし、その気持ちは今も変わってません(テンションダウンは否めませんが)。

  この曲でいよいよ念願の1位獲得か!?と騒がれていましたが(ちなみに松浦、これまで一度として1位を取ったことがありません。「ごまっとう」では1位でしたが、ソロではシングルも5作連続2位止まり、アルバムも2枚共2位なんですよねぇ)、残念ながら無理そうです(モンスターシングル、SMAP「世界にひとつだけの花」がいるもんなぁ)。下手したらトップ3入りも厳しそうですね‥‥セールス的には10万枚前後なんでしょうけど、SMAPとかバンプとか、訳の判らないI WISHとかがいるからねぇ‥‥こうなったら、息の長いヒットを期待します。



▼松浦亜弥『ね~え?』
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投稿: 2003 03 12 12:00 午前 [2003年の作品, ハロー!プロジェクト, 松浦亜弥] | 固定リンク

2002/12/29

松浦亜弥『草原の人』(2002)

  完全に異色作ですね。前のシングルのところで「もう普遍的な曲から脱却して、もっとひねくれた曲を歌って欲しい」と書いた後でリリースされたのが、この"草原の人"という曲。バラードらしいバラードという意味では初の試み、しかもセリフ入り。更に作詞が加藤和枝‥‥美空ひばりが残した詞を使ってつんく♂が作曲したという、話題の1曲。これはそのひばりさんが残した詞を元に作られた同名のミュージカルの主題歌となる曲で、アレンジを前作同様、鈴木Daichi秀行が、ストリングスアレンジを弦一徹が担当(娘。「ここにいるぜぇ!」と同じメンツですね)。俺の思惑とは裏腹に、あややはどんどんスタンダードな方向へ進んで行くのでしょうか‥‥ただ、残された歌詞を元に作曲したためか、これまでのつんく♂楽曲と比べればサラッとした淡泊な印象を受けますね。基本的にはAメロとBメロのみの構成で、これってバラードだからよかったものの‥‥うまいことセリフで誤魔化してる感もありますし。いや、決して悪い曲じゃないですよ、ただ、あややにしては平凡な曲だなぁと。まぁこれはあくまでもミュージカル用の曲ってことで割り切って聴けばいいんでしょうけど、世間はそう思うはずもなく、あくまで「あややの新曲」として受け入れてるわけで。評価が難しい1曲ですよね。

  カップリング曲はジャジーな空気感を持った"YOKOHAMA SING A SONG"。お馴染み高橋諭一がアレンジ。スイングジャズ的アレンジで、確かにこういう曲はいままであやや、歌ってないだけに新鮮ですね。「普遍的な曲から脱却して」と書きましたが、こういう一般的でない曲(=アイドルポップから外れたメロ/アレンジを持った曲)なら俺、大歓迎なんですよ。これまでもハロプロ関係ではジャズ的要素を持ったアレンジ曲って何曲かあるんですが、俺、それら全部好きなんですよね。昨年辺りからEGO-WRAPPIN'等が人気を得てますが、その辺を狙ったアレンジなのか、それともこれもミュージカル用の楽曲なのか‥‥確かにミュージカル用と考えると、そう聞こえなくもないですが‥‥うん、こういうあややもいいですね。

  やっぱり今後のあややに望むのは、「アイドル界のE.YAZAWA」として、もっと幅広い音楽に挑戦して欲しいんですよね。それこそ‥‥ハロプロがまだ手をつけてない「ビジュアル系」や「ハードコア/スラッシュ」、あるいは「ヘヴィメタル」等といったジャンル。そういうアレンジを持ったポップソング(そう、あくまでポップソングね)を作れるだけの技量が今のつんく♂にあるのかは甚だ疑問ですが、やっぱりもっと爆裂したあややを見たいですね。

‥‥なんて思ってるのは俺だけでしょうね、きっと。



▼松浦亜弥『草原の人』
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投稿: 2002 12 29 06:55 午後 [2002年の作品, ハロー!プロジェクト, 松浦亜弥] | 固定リンク

松浦亜弥『The 美学』(2002)

  あややの衣装からヘソ出しが消えたことでお馴染み、"The 美学"です。アレンジにはあややでは初登場の鈴木Daichi秀行。トランペットといった生ブラスも登場しますが、基本的にはDaichi氏による打ち込みが主体のアレンジ。曲調から郷ひろみの「GOLD FINGER '99」の悪ノリ・オマージュと取られがちですが、俺は最初に聴いた時、そっちよりも米米クラブの「SHAKE HIP!」を思い浮かべたのですが‥‥ま、早い話がマイナー調のラテンポップということですね。今更ヒロミ・ゴーを‥‥なんてみんな思ったでしょうけど、俺はそういうわけで「おお、今ここで米米ですか!? ナイアガラの次は米米かぁ‥‥'80年代のJ-POPをなぞってるのかね」なんて思ってひとり納得してたわけですよ。

  で、この曲。俺は人が言う程悪いとは思ってないんですよ。ま、楽曲全体のクオリティを考えれば、そりゃこれまでのシングル曲よりは劣ると思うんですが、これって結局秋ツアーのオープニング用に作られた、勢いのいいアップテンポの曲ってだけなんじゃないですかね? いや、実際ライヴでは1曲目でしたが、ライヴ観る前から「これって絶対にライヴ向けに作られた曲だよな」って思ってたもん。春ツアー以降、新曲は"Yeah!めっちゃホリディ"からの2曲しかないわけで、それこそやり尽くした感がある中での40数本ですよ。オープニングまで前回と同じだったら‥‥ねぇ? こういうロック調(いや、ロック調ではないな)のアッパーチューンがどうしても必要ってことで、考えに考えた末出来た1曲のような気が‥‥いや、そこまで考えてないかもね、きっと。とにかく、ライヴで聴くと更にカッコよさが増す1曲ですね。考えてみると、今年に入ってリリースされたシングル曲、ここまでの3枚って結局ライヴをある程度想定して作られてるような気がしますね。その辺が去年リリースされた「完璧なポップソング」との大きな違いなのではないでしょうか?(つまり、制作過程の段階でのコンセプトが違っている、と。だからってクオリティー下げてもいいとは言いませんが)

  一方、カップリング"I know"は初期の娘。関係でお馴染みの河野伸がアレンジ。彼らしい煌びやかなポップチューンに仕上がっていて、過去彼が手掛けてきた楽曲‥‥「真夏の光線」や「夏の夜はデインジャー!」といった、夏に聴きたくなるようなブラス主体の1曲。ファンの間でもかなり評価の高い曲みたいですね。うん、確かにここ数枚のカップリング曲の中ではかなりクオリティの高い曲。ライヴでも中盤の山場となるパートで歌われる1曲。ただ‥‥周りの声とは裏腹に、俺的には「今更あややがこういう曲をやらなくても‥‥他のユニット‥‥メロンとかミキティとかにあげてもよかったのに」なんて思いもあるんですよね。こういうオーソドックスなポップチューンから一歩踏み込んだ、もっとひねくれた曲を彼女には歌って欲しいな、と勝手に思ってるんですよ。だから俺の中でのこの曲の総合評価って周り程高くはないんですね。ファーストアルバムや「FOLK SONGS 2」でそういう普遍的なポップスを歌ってきた彼女、そこに留まることなくもっと先に進んで欲しいなという気持ちが強いんですね。俺的にここ数枚のシングル曲を楽しめたというのは、そういう気持ちもあるからなんでしょうね。ま、だからといって何時までもキワモノ的アイドルポップを歌い続けて欲しいとは思いませんが‥‥

  何だかんだいいながらも、俺はこのシングルの2曲も今年後半、通してよく聴きましたよ。



▼松浦亜弥『The 美学』
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投稿: 2002 12 29 06:53 午後 [2002年の作品, ハロー!プロジェクト, 松浦亜弥] | 固定リンク

松浦亜弥『Yeah!めっちゃホリディ』(2002)

  前作から3ヶ月強でリリースされた6枚目のシングル。タイトル曲"Yeah!めっちゃホリディ"は前作同様、高橋諭一アレンジで、ストリングスアレンジのみ村山達哉が担当(アルバムにも参加していた人ですね)。前作の延長線上にあるといえる、キワモノ的アイドルポップの極みがこれでしょう。音楽的にも非常に興味深いアレンジをしていて、まず聴いて多くの人が思い浮かべるのが、ナイアガラ・サウンドでしょう。小林旭を彷彿させるAメロでの歌いっぷりや、「すんげぇ」といった表現&歌い方、サビでのアレンジ等、 大滝詠一の楽曲的な表現がふんだんに使われています。これは高橋諭一というよりもつんく♂なりのリスペクトなのでしょうか? 個人的にはこの曲があややのシングル関係では一番好きですね。

  当然、単なる 大滝詠一リスペクトには終わっておらず、Bメロ~サビという如何にもなアイドルポップ感、つんく♂らしさ炸裂の「i@yume../(アイ・ユメ・ドット・ドット・スラッシュ)」等のフレーズにも冴えを感じさせます。初春以降の「つんく♂低調気味」といった空気からこの曲も同じような色眼鏡で見てしまいがちですが、間違いなくこれは過去のあややソングスと比べても聴き劣りすることのない楽曲だと思います。

  カップリング曲はReiji Matsumotoによる"つまんないよ…"。前のシングルc/w曲"遠距離の恋愛"に似たタイプの曲ですが、あっちがアコースティック基調なのに対し、こっちは打ち込み主体になっている違いがあります。R&B的アレンジですが、その後連発される「つんく♂流R&B」と比べれば全然それっぽくなく、もっと聴き応えのある「唄主体」アレンジになっています。ま、悪い曲じゃないけど、過去の楽曲と比べるとどうしても‥‥という気が。ボコーダー使ったりそれなりにいろいろ挑戦はしてるんですが、やっぱりあややの歌に頼りすぎな気も‥‥"Yeah!めっちゃホリディ"のインパクト&クオリティが高かっただけに、ちょっと‥‥ねっ?

  ちなみに"Yeah!めっちゃホリディ"、PVのクオリティも最高でした。今年作られたハロプロ関係のPVの中では3本指に入る出来だと思います。



▼松浦亜弥『Yeah!めっちゃホリディ』
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投稿: 2002 12 29 06:52 午後 [2002年の作品, ハロー!プロジェクト, 松浦亜弥] | 固定リンク

松浦亜弥『♡桃色片想い♡』(2002)

  あやや初のCMタイアップ曲となった"♡桃色片想い♡"は、お馴染み高橋諭一アレンジ曲。出だしの「あっ行くよ!あっ1、2、3ぃ!」や「ピーチッ!」といった掛け声がアクセントとなった、小気味いいロックンロール風ポップス。CMソングってことで、明らかにサビから作られたであろうこの曲、サビのインパクトは絶大だけど、それ以外のパートのメロディが過去の楽曲‥‥特にシングルナンバーと比べるとちょっとクオリティが落ちるかも。逆にいえば、これまでのシングル曲のクオリティが異常に高かったとも言えるんだけど‥‥この頃から「つんく♂楽曲全体のクオリティが下がった」とよく言われるようになったので、あややもその弊害を受けたのかも‥‥とはいいながらも俺、この曲大好きですよ。ライヴで聴いた人なら判ると思いますが、この曲はライヴでは完全なキラーチューンとなったわけですし、実際俺はいろんな場所でこの曲を聴いてきましたが、ハズレは一度もなかったですしね。高橋諭一ってことで、どことなく森高千里の楽曲を彷彿させるローファイチックなロックンロールと、そこに被さるストリングス系のシンセが気持ちいいですし。何となく森高の「ロックンオムレツ」を思い出しますよね。

  そしてカップリングは正反対なタイプの"遠距離の恋愛"。アレンジは松尾和博が担当。"♡桃色片想い♡"で完全なアイドルを演じたあややが、こちらではしっとりとした曲調に合わせた歌い方で「シンガー・松浦亜弥」をちゃんと提示してくれています。アコースティックギターをメインとしたAOR調の曲調なんですが、アルバムの延長線上として作られた曲なんでしょうね。ただ、アルバムに入れるまでの曲でもなかった感じで、こうやってシングルのカップリングに落ち着いたんでしょうけど。あややはシングル曲はカップリング曲も含めて、これまで相当クオリティの高い楽曲を発表してきたわけですが、やはりこの曲はそれまでと比べるとちょっと劣るかなぁ‥‥という気がしますね。勿論、決して捨て曲というわけでもないんですが、やっぱり「B面曲」という匂いが強いですね。

  ただ、そうはいってもこれら2曲を通して「松浦亜弥」の持つポテンシャルの高さを再確認できるという意味では、非常に意味のあるシングルだと思います。実際、このシングルがこれまでリリースされた8枚の中で最も売れたわけですし。CM効果が強かっただけでなく、それだけ一度聴いたら耳に残るメロディと声を持った1曲だったと思いますし。女の子とカラオケに行くと、必ずこの曲を歌う子がひとりはいたってのも、それを象徴してると思いますよ。ヲタだけのアイドルから、世間一般的に知られるアイドルへと成長する為の第一歩といったところでしょうか?



▼松浦亜弥『♡桃色片想い♡』
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投稿: 2002 12 29 06:50 午後 [2002年の作品, ハロー!プロジェクト, 松浦亜弥] | 固定リンク

2002/10/10

松浦亜弥 コンサートツアー2002秋“Yeah!めっちゃライブ”@新宿厚生年金会館(2002年10月6日 昼公演)

  春のツアーでさえ30本近くやったというのに、この秋に行われるツアーは9~12月の3ヶ月強、46本もあるその辺のツアーバンド並みの数。これってどうなのよ? ま、全てにおいて小~中規模ホールメインなのがファンにとっては嬉しい限りだけど。

  あややコンはこれで2度目。前回はブリッツのほぼ最前列といえるような距離から観てたわけだけど、強は2階席。ま、こうやって落ち着いた位置で全体を眺めることができるというのは、それなりに嬉しいもんですよ。

  ライヴは前回のオープニング映像や司会のMCもなく、S.E.の後いきなりスタート。「WAO!」という掛け声と共にあやや登場、初っ端は"The 美学"。この曲を最初に聴いた時からライヴのオープニング用の新曲だな?と思っていたので、思わずニヤリ。テレビと違って邪魔なバックダンサー(ごっちん「溢れちゃう...BE IN LOVE」時の使い回し?)がいない分、あややの独壇場。やっぱり存在感ありすぎ。ブリッツの時よりも広いこのステージを完全に自分のモノにしちまってる。王者の風格や余裕が感じられるステージングだけど、目はギラギラ(してるように、俺の位置からは見えた。ま、距離が距離なので見えた気がしただけかもね)。やっぱこの人、ハンパじゃねぇよ。

  そのまま"トロピカ~ル恋して~る"へ‥‥しかし、どうも今日のあやや、声の調子がイマイチ。ハードワークが原因なのか、それともこの無茶なツアースケジュールが原因なのか、完全にあの「声」に以前程の精細さを感じることができない。更に所々で音程を外すことも何度か見受けられた。右へ左へ動き回ることで上手くフォローしていたけど、後半にはとうとう息切れ。明らかに不調だ。しかし、次の"つまんないよ…"でクールダウンして、事なきを得る。

  MCで一旦稲葉貴子とメロン記念日が登場。全員で太陽とシスコムーンの名曲"ガタメキラ"を熱唱。稲葉はハロコンではただのアフロに成り下がっちまったけど、やはり歌わせたら一流だね。オープニングのフェイクとかハンパじゃなかったもん。悪いけどここではメロンも、そしてあややでさえも稲葉には敵わなかったわ。あややも団体の中に入ると上手く「自分を消す」ことが出来る人なのね。シャッフルの時も思ったけど、完全にとけ込んでしまって、あの「ギラギラ感」が完全に消えちゃってるし。ホント、恐ろしい存在だわ。

  その後は名曲"100回のKISS"、"オシャレ!"と続き、ライヴ初披露(かな?)となる"○○-女子校生の主張-"が登場。これが結構いい感じだった。他にもまだライヴで披露されていない初期のカップリング曲とかあるんで、その辺も小出しにしてって欲しいな。

  「徹子の部屋」パロディである「あつ子の部屋」での小芝居を経て、いよいよメロン記念日の登場‥‥フェイドインしてくるハモンドオルガンの音‥‥まずは新曲"香水"。この日初めて聴いたんだけど、純粋にいい曲だと思った。2ステップを取り入れたゴスペル歌謡、といった印象。オルガンの音が娘。「I WISH」を彷彿させる、感動的なバックトラック。けど‥‥完全に柴田のソロ曲。残りの3人はコーラスやハモリに回るのみ。唯一の見せ場は、中間部でのラップ‥‥ってかラップいらないってば。これがなければ普通に名曲の仲間入りしてただろうに‥‥残念。そんな複雑な気持ちのまま"さぁ!恋人になろう"へ突入。もうね、ノリ遅れた分を取り戻そうと、あり得ないくらいに弾けた。メロンではいつもあり得ないくらいに弾けるけど、この日はこれまでで一番。あ、そうそう。メロンは2曲共フルコーラス。あややも1曲("私のすごい方法")を除いて全部フルコーラスだったから、かなりの満腹感。つうかやっぱいいね、「連打」フルは。あり得ないくらいに最高。

  メロンであり得ない程の弾けっぷりで暴れた後に、ティアラを載せたお姫様スタイルのあやや登場。"私のすごい方法"、そして新曲のカップリング"I know"で盛り上がり、しっとりした名バラード"初めて唇を重ねた夜"で完全に俺、ノックアウト。つうかこの曲、前半部分のアレンジ、変わってなかった? 俺の気が動転してたせいでそう聞こえただけ!? とにかく、今日最大の山場。畜生、あれだけメロンが空気を一変させても、やはりあややには敵いっこないってことか!?

  稲葉+メロンで寒いダジャレショーで場を冷ました後、再びあややが会場を熱くする。"♡桃色片想い♡"、"絶対解ける問題X=♡"のアッパー2連発で大盛り上がり大会。これ、ライヴハウスだったらモッシュの嵐だったろうに‥‥"絶対解ける問題X=♡"はいいね、マジで。スクリーンに映る合いの手の歌詞とか、後半登場するギター持った着ぐるみウサギとか。ま、演出自体は春ツアーと全く同じなんだけど、あややのポテンシャルは完全に半年前よりも高くなってるわけで‥‥ホント、どこまで巨大化してくんですか、この人は!?

  ラストはヒット曲"LOVE涙色"と"Yeah!めっちゃホリディ"で締め。しっとり聴かす前者と、アホみたいに弾ける後者。このコントラストこそがあややの持ち味。シリアスに歌うあややもいいけど、キワもの的なあややも好き。いや、俺ってあやや好きなのかやっぱり‥‥

  アンコールでは「はいからさんが通る」もビックリな袴姿でデビュー曲"ドッキドキ!LOVEメール"を歌い、最後は前回のツアー同様"笑顔に涙 ~THANK YOU! DEAR MY FRIENDS~"で終了。いい曲を沢山持ったアーティストというのは、本当に恵まれているよね。ライヴになると、それが端的に表れるもの‥‥メロンは今後、どうなっていくんだろう‥‥

  さてさて。総評です。間近で観た春コンも良かったけど、曲のバリエーションが広がった今回のツアーも更に良かったと思います。メロンが2曲フルコーラスで歌わせてもらえたのもよかったし、"ガタメキラ"もいいアクセントになったと思います。前回でいう「チュッ!夏パ~ティ」みたいなもんなんだけど、今回の方が聴かせる要素が強くて、しかも稲葉再評価、そしてメロン大谷&斎藤の歌唱力を再確認するいい機会になったと思います。あ、村田も我々が思っている以上にいい歌い手ですよ。

  メロンヲタ的に‥‥やっぱり"香水"でしょう。これ、いい曲なんだけど‥‥売れるといいなぁ‥‥いや、判らないけどさ。今のメロンがどういう状況に置かれているのか判らないけど、柴田推しな今の環境は正直、「4人でメロン記念日」と信じてやまないファンからすれば、ちょっと厳しいなぁ‥‥と。ってまぁ、あややコンの感想で書くことでもないですけどね。

  前回のあややコンの時にも思ったんだけど‥‥いや、娘。の春コンを観た後に思ったのか‥‥どうしても娘。コンは見せる(魅せる)要素に頼って曲をないがしろにする、1曲を大切にしない傾向にあるんだけど(殆どの曲がショートバージョンで歌われる)、あややコンでは殆どの曲がフルコーラスで歌われ、しかもゲストのメロン記念日までもが全曲フルコーラス。これで同じ2時間近いステージなのに、満腹感に違いが出るのはどういうことだろう? いや、視覚的に13人(当時)の娘。とあややひとりとを比べるのがそもそも違うという声もあるだろうけど、人数多くて目まぐるしく変わる娘。もいいんだけど、やっぱり曲数減らしてでも、もっと1曲1曲を大切に歌って欲しいなぁ、今のモーニング娘。には。もしかしたら、今後あややも曲が増えていく過程で「もっと多くを提供したい」との考えの下、全てをショートバージョンで披露する日が来るのかもしれない。でも、あややという「存在」を考えた時、それは御法度だろう、やはり。そんな小細工は無用なのが、今の松浦亜弥なわけで‥‥って何を言ってるのか段々訳判らなくなってきたけど、要するに「このままじゃ、モーニング娘。、ヤバイぞ!?」ってことでしょうか。ライヴ終了後、何度も何度も「畜生!」と呟いたのは、そういったことからなのかもしれないな‥‥。


[SETLIST]
01. The 美学
02. トロピカ~ル恋して~る
03. つまんないよ…
--MC--
04. ガタメキラ [松浦+稲葉貴子+メロン記念日]
05. 100回のKISS
06. オシャレ!
07. ○○-女子校生の主張-
--MC:あつ子の部屋--
08. 香水 [メロン記念日]
09. さぁ!恋人になろう [メロン記念日]
10. 私のすごい方法
11. I know
12. 初めて唇を重ねた夜
--MC:稲葉+メロン--
13. ♡桃色片想い♡
14. 絶対解ける問題X=♡
15. LOVE涙色
16. Yeah!めっちゃホリディ
--アンコール--
17. ドッキドキ!LOVEメール
--MC--
18. 笑顔に涙 ~THANK YOU! DEAR MY FRIENDS~



▼松浦亜弥『ファーストKISS』
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投稿: 2002 10 10 07:15 午後 [2002年のライブ, ハロー!プロジェクト, メロン記念日, 松浦亜弥] | 固定リンク

2002/04/14

松浦亜弥 ファーストコンサートツアー2002春“ファーストデート”@赤坂BLITZ(2002年3月31日)

  松浦亜弥っていうのは、もはやアイドルという存在を超越しつつあるような気がするんだけど、みんなはどう思う? 例えばモーニング娘。と比べてみると、やっぱり全然違う地点にいるような気がするよね。今の娘。が完全なるエンターテイメント集団としてのKISSのような存在だとすると、あややは孤高のカリスマ、完璧なまでに演じきっているという意味で全盛期のデヴィッド・ボウイを彷彿させると思う。いや、違うな。もっとこう、「俺イズム」全開っていう感じ?‥‥長渕剛や矢沢永吉みたいな感じかなぁ。とにかく、あそこまで「自分が大好き」「私が、私が」と前面に出ていっても、全然嫌味じゃなくて、むしろ爽快感すら感じさせる存在。しかもそれをやってるのが、やっと芸歴1年に達しようという15歳の少女だという現実。実はこの辺が、俺があややに本気で入り込めなかった理由のひとつでもあったりしたわけです。曲は好きになっても、アイドルとしての「萌え要素」にまでたどり着かない。それは、俺が入り込む隙を感じさせない「ひとつの完成したサイボーグ」を観ているような感覚を受けたのです。

  さて、そうは言いながらも俺はあやや初のツアーをこの目で確認すべく赤坂ブリッツへ行ってきたわけです。整理番号A-300番台ってことで、かなり前まで行けたわけですが‥‥1~2メートル前にあややがいるわけですよ、あのへそ出した下着みたいな格好で。ここで普通だったら萌えるわけですが‥‥上記のように、俺はあややには萌えたためしがないんですよね、マジで。カワイイとは思いますよ。けど、何度か言ってるけど‥‥完璧過ぎるんですよね、彼女は。その表情・仕草、全てが。そういう見方しか出来なくなってる自分自身もどうかと思うんだけど、やっぱり唄ってる時の表情とかも自然さを感じない。"♡桃色片想い♡"みたいな曲なら判るんですよ、ああいうアイドルアイドルした動きや表情。けど、アルバムのバラード調の曲とかでシリアスで作った表情されると‥‥う~ん‥‥ってなってしまうんすよ。

  ライヴは上記の"♡桃色片想い♡"からスタートという、まさに理想型でした。客の熱気も凄いものがあって、最初の数曲ではかなり厳しかったです(ちなみに俺はステージ向かって左寄り、ほぼ2~3列目辺りをキープ)。スタンディングやライヴハウス慣れしてない客が多かったためか、ちょっと空いてる位置に移動しようものなら、鬼の形相で睨まれたり、ライヴが始まるともの凄い勢いで後ろから突進してきて前の人間潰そうとするし‥‥まぁそんなのは最初だけで、途中から息切れしたのか、かなり楽に観られましたが。こちとらWiLDHEARTSで最前陣取ってあばらにヒビ入れた経験の持ち主だってぇの!(笑)

  シングル曲以外は比較的ミディアム~スロウな曲が多いアルバム「FIRST KISS」。やはりというか、1曲目をピークにどんどんスロウに移行していき、聴かせる曲がメインに。歌の合間にフェイクとか入れるわけですが、それにどうも不自然さを感じてしまうのは、やっぱり先の先入観のせいかな?

  そうそう、この日のライヴでは平家のみっちゃんが司会進行をしていて、MCでもあややに質問を投げかけたりして、場の空気を和ませてました。途中、「クイズミチヨネア」なる某人気クイズ番組のパクリがあったりもしたっけ。そして当然、平家さんの歌コーナーも。やはり貫禄ですかね、聴いてて気持ちいいし、安心する歌唱力。当然あややの歌も上手いんだけど、平家さんとの違いは「歌の温かみ」かなぁ? これも先入観からくるものなのかも。最後の方でみっちゃん、歌詞間違えて苦笑いしてました。それくらいハッスルしたんでしょう。いやぁ、みっちゃん改めて見直した。もっとちゃんと応援しようよ、俺。

  そして、待望のメロン登場! 今回のライヴも、メロンがゲストで出るからチケット取ったようなもの。あやや単独のみだったら行ってなかったかもって位、今の俺の中ではメロンの評価は高いのです。下手したら娘。本体を追い抜く勢いさえある程に。で、メロンの4人+みっちゃん+あややで、三人祭の"チュッ!夏パ~ティ"を「6人祭」として披露。ピンクのヅラを被らないあややが唄うこの曲もまたいいなぁとか、柴田こそ三人祭に入れるべきだったなぁとか、目の前にいる斉藤さん、セクシーやなぁとか、そんなことばかり考えてました。あ、斉藤さんと目があった(笑)。何度か「ひとみちゃ~ん!」と呼びかけると、驚いたようにこっち向いて微笑んでくれました(間違いなく俺に/爆)。

  この後は、期待のメロンの歌。てっきり"さぁ!恋人になろう"のみだと思ってたら、嬉しいことに"This is 運命"とのメドレー形式でした。やっぱりクラブクラスで聴く"This is 運命"は最強ですね。4人は横浜で観た時よりもデカくなってました。やはり売れてきたり知名度が高くなってきたことに伴う自信でしょうか、すごく楽しそうに、しかも堂々と唄って踊ってました。そこが松浦亜弥のステージだろうが娘。のステージだろうがお構いなしに「私達メロン記念日、何か文句ある?」と言わんばかりのオーラで。お客もあややに対するのと同じだけの声援を送ってました(少なくともフロア前方では。が、やはりというか‥‥あやや相手ともなるとヲタ以外の一般客も多いわけで、後方や2階席は「?」って感じで冷え切ってたみたいです)。頑張れ、メロン記念日!

  後半戦はデビュー曲"ドッキドキ!LOVEメール"~"絶対解ける問題X=♡"という盛り上げナンバーでフロアを沸かせ、名曲"100回のKISS"を完璧に唄い上げ客のハートを鷲掴み。もはやロックアーティスト並の力技。
  などと感心してる中、この日唯一、ほんの一瞬「15歳の素の松浦亜弥という少女」を垣間見れた瞬間がありまして。"トロピカ~ル恋して~る"の2番のサビで歌詞を間違ってしまうわけですよ、あの完璧アイドルサイボーグあややが。すると、瞬時に表情が素の「わっ、やっちゃった♪ど、どうしよ~キャー(は~と)」みたいな慌てた表情になって、もうメロメロになって唄えなくなっちゃって。たった数行の歌詞だったけど、その飛んだ箇所での彼女を観た瞬間‥‥萌えたね、マジで。あ、変態とか言うなそこ。ライヴ中盤にメロン記念日が登場するまで、俺の中ではどこか冷静な部分が常にあって‥‥そういう理由から100%完全にライヴにのめり込めなかったんだけど、メロンではっちゃけて、そして数曲してからそのアクシデントがあって‥‥これがなかったら俺、「今後はあややは歌だけでいいや」って完全に決めつけてたかも。優等生過ぎる彼女が唯一見せた隙。そこに萌え要素を感じてしまう俺はやっぱりおかしいですか?(そりゃさ、チャーミーもドジしてる時の方が萌えるしね‥‥)

  たった一瞬の出来事だったけど、俺にはそれだけで十分だったね。ああ、まだ15歳だもんなぁ、って。矢沢でも長渕でもボウイでもないんだ、たった15歳の女の子なんだなぁって。それが判っただけでも満足だったなぁ。勿論、全体の出来も大満足だったよ。100%入り込めないって書いてるけど、実際には歌に聴き入ったりしてたわけだし。最後の"LOVE涙色"も、アンコールでの完全唄い上げ系バラード"初めて唇を重ねた夜"も、そして最後の最後に盛り上げた"笑顔に涙 ~THANK YOU! DEAR MY FRIENDS~"も。1時間50分、殆どの曲がフルコーラスで唄われた、娘。とは違った説得力を感じさせるいいステージだと思いました。行って正解だったね。

  そんなわけで、6月の国際フォーラム追加公演には行かないけど、次のツアーがあるようだったら‥‥また行ってみたいなと思うわけです。もうこんなに至近距離で観れる機会はないだろうけどね。そしてそういう距離感で彼女の素の部分をマジマジと観れたってのは、貴重だよね。

  今後、どんどんあややの「俺イズム」は巨大化していくと思うけど(既にその兆候は見えてますが)、そしてこの日目撃した「松浦亜弥という15歳の少女」はどんどん影を消していくだろうけど‥‥これからどんな風に大きくなっていくのか、ちょっと興味深いなぁ。娘。とは違った形で応援していきたいと思います。


[SETLIST]
01. ♡桃色片想い♡
02. オシャレ!
03. 待ち合わせ
--MC--
04. 私のすごい方法
05. そう言えば
06. S君
--MC:クイズミチヨネア--
07. ワンルーム夏の恋物語 [平家みちよ]
--MC:メロン記念日登場--
08. チュッ!夏パ~ティ [6人祭:松浦+平家+メロン]
09. メドレー/This is 運命 ~ さぁ!恋人になろう [メロン記念日]
10. ドッキドキ!LOVEメール
11. 絶対解ける問題X=♡
12. 100回のKISS
13. トロピカ~ル恋して~る
14. LOVE涙色
--アンコール--
15. 初めて口唇を重ねた夜
16. 笑顔に涙 ~THANK YOU! DEAR MY FRIENDS~



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投稿: 2002 04 14 07:11 午後 [2002年のライブ, ハロー!プロジェクト, メロン記念日, 松浦亜弥] | 固定リンク

2002/01/05

松浦亜弥『ファーストKISS』(2002)

  2002年最初に買ったCDというわけではないけど、とりあえず2002年1月1日発売の新譜です。新年を迎え、いよいよ「とみ宮」は更に混沌へと向かっております(笑)。もうここまで来たら、着いて来れない人は置いてけぼりってことでひとつ。そもそも無理してまで他人に合わせるのが嫌な人間だし、これまでもそんな暴走振りでこのサイトを運営してきたので、やれアイドルだ、アフォだ(笑)云々言うなら、こんなつまらんサイトに拘らずに、余所のすっばらすぃ~「ロック評論サイト」を覗いてあげてください。その方が互いの精神衛生上最も好ましいと思いますので。

  さぁ、洒落の判る人、偏見のない人、そして我がモーヲタ同志(爆)にお届けする今回の1枚。もうこれは、久し振りに感動した、10年に一枚あるかないかの、究極のアイドルポップ・アルバムをご紹介したいと思う次第で。そう、今回の主役はモーニング娘。ではなく、その妹分の松浦亜弥のファーストアルバムでございます。

  松浦亜弥の魅力・衝撃については後程、別ページに執筆すると思いますので、今回はこのアルバムが如何に優れた作品かについてを純粋に語ってみたいと思います。

  松浦亜弥は'01年4月のデビューからこの8ヶ月の間に、シングルを4枚リリースしています。最初の2枚("ドッキドキ!LOVEメール"と"トロピカ~ル恋して~る")は比較的今のモーニング娘。等が所属する「ハロー!プロジェクト」系アイドルの色‥‥ちょっと飛んだ感じのアイドルポップ‥‥で、そのビジュアル(衣装)のイメージと重なり、見る人が見れば「キショい」の一言で片づけられそうな印象でした。そして俺自身もそんな印象を受け、ちょっと無視気味でした(それ以前にまだこの頃は今ほど娘。関係にのめり込めなかったのも大きいですが)。

 そして秋以降の2枚("LOVE涙色"と"100回のKISS")で少し路線修正したのか、真っ当な歌謡路線‥‥いや、どちらかと言えばJ-POP路線とでもいいましょうか、とにかくそれまでのコッテコテ・アイドル路線と比べると異常に完成度が高いのです。で、俺が彼女に注目し出したのもこの頃からで、後者の"100回のKISS"の楽曲・アレンジ・パフォーマンスの完成度の高さにノックアウトされ、結局シングルを買うに至ったのです。

  当然この松浦亜弥の全楽曲及びプロデュースを手掛けるのも娘。同様つんく♂なわけですが、その力の入れ具合がちょっと異常‥‥というか、事務所を含め、相当金を時間をかけて彼女をプロモーションしてるな?ってのが、そういうシングル1枚とっても伺えるんですよ。そして、デビューから8ヶ月にして早くもアルバムですから。ヒットシングル4枚(全てオリコントップ10入り、しかも3枚目は第3位、4枚目は2位ですし)全てを網羅し、しかも各シングルのカップリング曲はアルバム未収録、全11曲のアルバム収録曲の内シングル曲以外は全て新たに書き下ろした新曲。同時期に発表されたカントリー娘。のアルバムが同じ収録曲数にも関わらず、完全未発表新曲は3曲のみだったのを考えると、その力の入れようが判って貰えると思います。あのモーニング娘。でさえ、アルバムには「へっ!?」と思えるような中途半端な出来の曲が入っていたりしたのに、この松浦亜弥のアルバムは隙のない、完璧な作りなんですよ。

  当時毛嫌いしていたファースト&セカンドシングルも、改めてちゃんと聴くと本当に完成度の高い楽曲なんですよね。これはある意味、松浦亜弥にしか唄えない楽曲ではないか、と。最近の2枚のシングルを、例えば他の娘。メンバーが唄ったとしても違和感ないと思うんですけど(それだけ普遍性の高い楽曲という意味)、最初の2曲は本当にスタッフやつんく♂が「どうやって聴き手に『松浦亜弥』を印象づけるか?」という事を真剣に考えた結果出来た曲なんだなと思うのです。

  アルバム用の新曲ですが、こっちもすっげー完成度高いポップソング満載なんですよ。如何にもつんく♂が好きそうな"オシャレ!"や、クラブでかけたらモッシュの嵐じゃないか!?なんて思えてしまうハイパーロックチューン"絶対解ける問題X=♡"(これなんて、メロン記念日"This is 運命"に匹敵するハロプロ的モッシュチューンではないでしょうか?)、そしてアルバムの最後を締め括る名曲(と言って差し支えないでしょう)"初めて唇を重ねた夜"等‥‥ホント、どれも捨て曲なし。"そう言えば"でのアコースティック+バンドサウンド+ストリングス=最近のタンポポに共通する色とか、本当取り上げればキリがない程、語り甲斐のある作品なんですよ。つんく♂、自身も今年は新しいバンドで動き出すっていうのに、しかも昨年夏以降のハロプロ関連のリリースラッシュ(しかもどれもが平均以上の完成度を保っていた)を考えると‥‥この松浦亜弥のアルバムで全ての力を使い果たしてしまっていてもおかしくないのに‥‥改めて、脱帽。そして、それを支える各アレンジャー陣にも。

  こういう「完成度の高いアイドルアルバム」はここ数年、久しくなかったような気がします。同じつんく♂関係でいえば、タンポポのファーストアルバム「TANPOPO 1」の完成度も素晴らしかったですし(あれはアイドルというよりも、コーラスグループって表現の方が合ってるような)、同時期に制作されたモーニング娘。「SECOND MORNING」もなかなかの出来でした。しかし、アルバムまるまる1枚隙のない作りとなると‥‥どれくらだろう? 俺自身もここ5年以上はこの手のアイドルから遠ざかっていたので何とも言えませんが、例えば小室哲哉が当時力を入れていた華原朋美や鈴木あみのファーストアルバムと比べても‥‥いや、個人的趣味から言えば、こっちの方が全然完成度高いと思うのですが。音楽的にも結構幅があるし、歌唱力という意味でも、華原や鈴木のような危うさは全く感じられないし。

  そう、そういう点からもこの『松浦亜弥』を「アイドルサイボーグ」と表現できると思うんですよね(この点については、また次回に)。やれ「15才の小娘に対して、何本気になってんねん?」とか「ヲタ、キショ!」とかいろいろ意見はあるでしょうが、純粋に音楽だけとってもこれだけ語るべき点が存在する。それだけ優れた「J-POPアルバム」(J-POPっていう表現は個人的には嫌いですが)なのですよ、これは。



▼松浦亜弥『ファーストKISS』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2002 01 05 12:00 午前 [2002年の作品, ハロー!プロジェクト, 松浦亜弥] | 固定リンク