2005/05/12

コンタクト『exit songs』(2005)

 昨年1月末にファースト・フルアルバム「君の夢を見たんだ」をリリースしたコンタクトの、1年1ヶ月振りとなる新音源集。ミニアルバムの形体を取っているけど、内容的には1曲1曲が長尺なため、6曲で約40分もある。世が世だったら、これでも立派なフルアルバムだよな。

 けどこれ、6曲で十分だわ。それくらい濃いのよ、この1枚。

 前作にあったような「ロックの躍動感」は後退し、ミドル〜スローを中心とした曲調、ムーディーで「歌」を支えるための、だけど自己主張するところでは自己主張しまくってる楽器隊。そして‥‥あくまで「日本的」なボーカル‥‥勿論良い意味でね‥‥前作の時に「RADIOHEADのフォロワー的バンド」とか俺書いた記憶があるんだけど‥‥

 いやいや、何か根本的なものが違ってるような気がしてきた。明らかに装飾の部分はRADIOHEADが「OK COMPUTER」以降押し進めていった方向性なんだけど、芯にあるものが違ってるんだもん、そりゃ独特な存在になるわな。そして‥‥それが良くも悪くも、今の日本のロックシーンで孤立する方に作用しちゃってるのかも。

 曲は全部素晴らしいと思う。個人的には文句のつけどころ、ないし。そりゃもっとハードコアなファンになれば、あそこが気に入らないとか、だからお前等ダメなんだよ、とか言いたいことも沢山あるんだろうけど、1年振りに彼等の音に接した身からすると、むしろ凄く新鮮に映るし、あれっ、コンタクトってこんなバンドだったっけ!?という新しい発見も多々あるのね。その新しい発見ってのが表現力だったり、「歌」を生かすための演奏やアレンジだったり、そういった要素が前作以上に優れてるのね。あと、たまたまミドル〜スローテンポの曲が揃ってしまったのかもしれないけど(いや、曲によっては若干アッパーなものもあるし、6曲目の "君のもとへ" みたいに後半テンポアップする曲もあるんだけど)、自分達の「ストロング・スタイル」を早くも見つけちゃったかな、という気も。思えばレディヘだって3rd以降はミドル〜スローが中心だしね。

 唯一のカバー曲である "Higher Than The Sun"(ご存知PRIMAL SCREAMの大名曲)、このセレクトも良いと思うし、そのアレンジセンスもなかなかだと思います。PRIMALの濃いファンからは反感買いそうな気がしないでもないけど、俺は全然アリだと思うし、むしろ「コンタクトの曲」にちゃんと昇華しちゃってる辺りに彼等の底力を見た気がしたし。

 多分レーベルメイトであるところのPolaris辺りとの比較が一番多いと思うんだけど‥‥似てるようだけど、また違うんだよね。恐らくレディヘ以上にPolarisの方が芯にあるものは似通ってると思うんだけど、結局は装飾の面が違うから、肌触りが違ってくる。俺はそれでいいと思うんだけどね。同じである必要なんて全然ないし、同じじゃつまんないしね。

 今のコンタクトって、実はMERCURY REV辺りのサイケでプログレ的要素を持ったバンドの方が近いんじゃないかな‥‥コンタクトの方がもっと現代的だけどさ。このアルバムを初めて聴いた時、俺が思い浮かべたのはレディヘでもなくPolarisでもなくて、MERCURY REVだったんだけどね‥‥



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投稿: 2005 05 12 12:31 午前 [2005年の作品, コンタクト] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/02/27

コンタクト@高円寺SHOW BOAT(2004年2月11日)

  先日、念願だったコンタクトのライヴを、やっと観ることができました。3~40分程度のイベント形式だったのですが、初めて観る側にとっては丁度いい長さの、正に「お手並みとくと拝見」なステージだったのです。

  この日は他にもトミーザグレート、anngou、ECD(出演順。コンタクトはトップバッター)といった多種多様なアーティストが出演したのだけど、今回は割愛。トミーザグレートはずっと観たいと思ってたのだけど、自分の期待に応えるような内容じゃなかったし、anngouに関してはもう何が何やら‥‥ECDが始まる前に帰りの時間の都合で途中退場してしまったのでした。ま、メインはあくまでコンタクトで後はおまけ程度だったからいいんだけど。

  で、肝心のコンタクト。とにかくメンバー全員、思ってた以上に若い。佇まい的にはごく普通なんだけど、一旦音が鳴り始めたらとにかく空気を伝って熱‥‥いや、これは氷で火傷するような感覚か‥‥をビンビン感じる。いきなり "my name is..." というライヴの頭に持ってくるにはリスキーな曲からスタート。個人的な意見を言わせてもらうと、この意外性にやられたというか、初見でこれかよ!といきなりカウンターを食らった感じ。ギターの(サウンド上での)暴れっぷりが気持ちいい。このバンドが結成当初「Banana Corp」と名乗っていたことを後で知って、思わずニヤリとしてしまったのだけど、正にそんなイメージ。けど物真似で終わっておらず、ちゃんと「彼ららしさ」も感じられたのが収穫でしょうか。

  2曲目 "wonderland" ではオープニングでトチってしまうという失態があったものの、このバンド特有の「グルーヴ」もちゃんと体感でき、安心‥‥というか妙に納得してしまいました。このバンドの肝って、表向きはボーカルや手弾きシーケンサーだったりするのかもしれないけど、実はベースがかなり重要な気がしますね。それって自分がベース弾くからってのもあるから余計に目が行ったんだろうけど、とにかくギターとベースには目を奪われっぱなしでしたね。で、結局はドラムがシンプルながらもちゃんと土台を支えているからこそなんだろうな、と。全体的に未熟な面も多々あるんだけど、それを補うに十分の魅力と可能性を実感できました。

  そしてこの日は、未発表の新曲 "虹" が演奏されました。Polaris辺りに通ずる世界観を持ったミディアムスローの曲で、一発で気に入りました(そういえば彼らの製作陣ってPolarisと被ってるんでしたっけ?)。早いとこ音源化希望! 無条件で大絶賛しそうな勢いですが。

  他にも "fish in the rain" といった独特な雰囲気を持つアルバム曲も披露されたり、俺が大好きな "水の音" もやってくれた。ラストは "バニッシング" と "ハチミツの花" という、これまた大好きな曲が連発。終盤はとにかく気持ちよくノッてました。噂に聞いていた「手弾きシーケンサー」は、文字通りホントに片手に持って残りの手で弾くという、確かに風変わりな光景でした。しかし、このサウンドが彼らだけの独特な世界観を生み出しているのもまた事実。これが打ち込みでも、他の高級シンセでもきっとダメなんだろうなぁ‥‥あの(俺も持ってる)QYを、ああいう形でステージ上で手弾きするからこそなんだろうなぁ。視覚が伴ったお陰で、アルバムの方もまた違った見方/楽しみ方が出来るようになったし。うん、本当に行ってよかったと思います。

  全体的な感想としては‥‥曲の良さや独特な世界観に助けられてはいるものの、演奏面での凡ミスや詰めの甘い箇所(特にリズム面)が気になったりしました。けど、これは場数次第かなと思ってます。また、そういった意味では‥‥ワンマンでどうなるのかが気になるところ。本当は3/3のワンマンライヴ、行きたいんだけどね‥‥絶対に無理なんだけど。

  ま、今後いくらでも観る機会はあるだろうし、タイミングさえあえば積極的に足を運ぼうと思います。

  で‥‥アルバムレビューに書いた「何か」がなんだか判ったか、というと‥‥うん、何となく判りました。それって‥‥何で俺がこのバンドに惹かれたのかという理由にも絡んでくるんだよね。あのさ‥‥これって、俺が昔、バンドでやりたかったことと被るんだよね。そう、こういうバンドがやりたいって思ってた時期があって。けど、自分にはその才能や力量もなく、仲間にも恵まれなかった。だから自分がやりたくても出来なかったことを上手に表現してるバンドに出会うと、無意識に惹かれてしまう‥‥というか、嫉妬するよね。ライヴの中盤、嫉妬しまくりだったもん。ま、後半は上手にのせられて有耶無耶になっちゃったけど。本当に、悔しいくらいにいいバンドだわ。ここ1~2年の間に登場したバンドの中で、一番気に入ってしまったかも。まだ「唯一無二」というところまではいかないけど、そこに到達するまでにそんなに長い時間は必要ないんじゃないか‥‥今彼らのアルバムを改めて聴きながら、そう考えています。


[SETLIST]
01. my name is...
02. wonderland
03. fish in the rain
04. 虹(新曲)
05. 水の音
06. バニッシング
07. ハチミツの花

投稿: 2004 02 27 12:00 午前 [2004年のライブ, コンタクト] | 固定リンク

2004/01/24

コンタクト『君の夢を見たんだ』(2004)

  お友達からその名前を初めて教えてもらったのが、昨年の夏頃。丁度シングル「バイオリズムep.」をリリースした頃。んで、フジロックにも出演したものの、うっかり寝過ごしてしまって観れず終い。その後、秋に「バニッシングep.」をリリース、今年に入って早速待望のファースト・フルアルバムをリリースすることとなった、2004年大期待のニューカマー、コンタクト。なんて書き方をするとちょっと大袈裟かもしれませんが、実際彼らの音を初めて聴いた時‥‥アルバム購入前に上記のシングル2枚を購入したんですが‥‥おおっ!と唸ってしまったんですね。これはもう、アルバム大期待だな、と。

  実際にリリースされたアルバムは、俺の期待を遥かに上回るもので、ホントによく出来た作品集でした。既出曲(シングル収録曲)が大半なのですが、殆どが別バージョンだったりするので、まぁ問題なし。実際、「バイオリズムep.」のタイトルトラックだった "バイオリズム" はシングルではエンディングがフェードアウトしてるんだけど、アルバムではその部分がノーカットで収録された「完全版」だし、同EPではライヴテイクだった "ハチミツの花" と "wonderland" はスタジオテイクでの収録。そりゃ「シングルもちゃんと持ってる!」って人にとっては「もっと新曲聴きたかった!」となるんでしょうけど、このアルバムから入って行く人にとっては、デビュー後の集大成的内容となってるので、正にうってつけの1枚かと。

  昨年辺りからASIAN KUNG-FU GENERATIONやレミオロメン、LOST IN TIMEといった新世代ギターバンドが注目を集めていますが、このコンタクトもその中に入れても引けを取らない、非常に個性的なバンドといえるでしょう。4ピースのギターロック、シーケンサーを導入した独特なバンドサウンド(しかも手弾きシーケンサーだってさ!)、メランコリック且つセンチメンタリズムを強調したメロディと歌詞、「ブリットポップ」以降の流れにあるアレンジ、等々‥‥確かにありがちといえばそうかもしれないんだけど、個人的には「プラスα」の部分を多いに感じるんですよね。人によっては「何だよ、またRADIOHEAD以降の『部屋で膝抱え苦悩』系の亜流登場か!?」と悪態つくかもしれませんし、実際その要素は持っているように感じますが‥‥それだけでは済まされない「何か」がある、と。その「何か」「プラスα」が何なのか、まだハッキリと見えてはいませんが、俺は上に挙げた新世代バンド達と同じように良いと感じた。そして「それ」を見極めたいと思ったし、だからこそライヴを一度観てみたいと思った。それが素直な感想です。

  実際、楽曲はどれもよく練り込まれていて、素晴らしい出来映えだと思います。過去、ライヴで何度も演奏されてきた楽曲が中心でしょうから、本当の意味での勝負は次のアルバムなのでしょうけど、その前にこの完成度の高いファースト・フルアルバムを素直に楽しみたいと思います。この時期に聴くと、心に沁み入りますね、彼らって。購入してから数日、家でも職場でもこればっかり聴いてます。

  一回しか言わないから、よく聞いてね。このバンド名、今年の大晦日まで覚えておいてください。間違いなく、今年いろんな意味で話題になるバンドだと思いますから。今後の活躍に期待しております。そして‥‥2月のライヴ、日程的に合うんで行こうかしら?(ホントは3月のワンマンに行きたいんだけど、予定がねぇ‥‥)



▼コンタクト『君の夢を見たんだ』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2004 01 24 12:00 午前 [2004年の作品, コンタクト] | 固定リンク