カテゴリー「ウルフルズ」の4件の記事

2007年9月 4日 (火)

SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2007(2007.9.2)

 昨年まで日比谷野音で開催されていたスペシャ恒例の野外イベント「SWEET LOVE SHOWER」が、今年は山中湖畔で開催。しかも初の2日間開催ということで、フェス並みに豪華なアーティストが勢揃い。諸々仕事でもお世話になっていることもあり、昨年に引き続き今年もお邪魔させていただきました。

 が……


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2005年4月21日 (木)

ウルフルズ『9』(2005)

 ウルフルズ、「ええねん」から約1年2ヶ月振り、そのタイトル通り通算9作目のオリジナルアルバムとなる「9」。前作ではベースにジョン・B・チョッパーが復帰したこともあり、何か特別な空気で包まれた中での発表となり、また受け手側である我々の方も、気持ちの面でこれまでとは違う受け入れ方をしちゃったんじゃないかな‥‥と思ったり思わなかったり。本来は深く考えずに楽しめるはずのウルフルズ・サウンドを、一歩突っ込んだ感じで、あるいはそれまでとは違った角度から覗いてみたりして、ちょっとだけ難しく考えちゃってた節があるかな、と。ま、俺に限ってのことかもしれませんが‥‥だからなのか、非常に良い作品であるにも関わらず、ちょっと聴く頻度が今までの作品と比べても低かったかな、と最近思うようになって。ま、結局はアルバム1曲目 "ええねん" に全てが集約されてるわけなんですが‥‥

 今回はあれから時間も経ってるし、バシバシ活動を続けてくれたこともあってバンド側もだいぶ肩の力が抜け、いつも通りの「らしい」1枚に仕上がってるのね。まんまウルフルズな "バカサバイバー" といい、ソウルフルな "ゼンシン・イン・ザ・ストリート"("Dancin' In The Street" の捩りだよね)といい、力強い "歌" といい‥‥ってもう、この頭3曲の流れでオールオッケー。

 先行リリースされたシングル2枚に収められた4曲が全てアルバムに収録されてしまってることから、シングルをちゃんと買ってるファンには不評だったようだけど(でも "暴れだす" は一応「full version」)、俺みたいな余程のことがない限りシングルまでは追わない微妙な立ち位置の人間にはまぁ有り難いんですけどね。あーCMで耳にしたあの曲も、有線でよく耳にしたあの曲も、全部入ってるのね、ってさ。

 力強さも、バカっぽい緩さも、訴えかける言葉も、耳に馴染むメロディも、心躍るファンキーなリズムも、ここには全部ある。確かに「ウルフルズ史上最高傑作」かと問われれば、それはどうかな‥‥とは思うけど、十分に平均点は超えてるし、むしろこのレベルのアルバムをコンスタントに出し続けてくれるなら、俺には文句は全くありませんよ。むしろこういうバンドには目先の物珍しさとか最先端の流行を追っかけるんではなく、いつ聴いても「そうそう、これこれ!」って安心できる「らしさ」を求めちゃうんだよね。それって俺が年を取ったからなのかな?

 でも‥‥それでもいいや。この11曲で40分にも満たないアルバムには、普遍的な魅力が沢山詰まってるから。



▼ウルフルズ「9」(amazon

2003年12月31日 (水)

MY BEST OF 2003

先日、無事5周年を迎えた当サイトですが、年末恒例のこの企画も今年で6回目ですか。この5年ちょいの間に、俺自身の音楽の趣味も相当変わったりしたわけですが、それでも根本にあるものはガキの頃からずっと変わっておらず、結局その「匂い」がするものを求めていたりするんですよね‥‥それがどんなジャンルであろうと。

さてさて、というわけでさっさと発表していきましょう。現在大晦日の19時。途中休憩入れるとして、一体何時に書き終えるのか‥‥非常に楽しみです。

今年も昨年と項目は全く一緒です。アンケート「BEST OF 2003」の募集を開始してから、ふと気づいたのが「映像部門を設けてもよかったかな?」ということくらいかなぁ、今後項目が増える要素としては。まぁとにかく、「ALBUM OF 2003」から発表していきたいと思います(ってこれ書いてる今現在も決まっていないんですけどね!)。尚、いつもの如く全てにおいて順位は付けてません。順番はアルファベット順ですので他意はありません。


Buffalo Daughter『Pshychic』

ポストロックだとかジャーマン・プログレ風だとかいろいろ言われる今作ですが、個人的にはそんなのどうでもよくて、ただひたすら気持ちいいロック・アルバム。ただそれだけなんですよね。ヘッドフォンで聴いても気持ちいい、そして大音量でフロアで鳴っていても気持ちいい、そんなアルバム。ライヴも最高に気持ちよかったです。後はこれを野外で聴きたいな、と。来年のフェス、期待してます。

DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN『MUSICAL FROM CHAOS』

個人的にはこれとスタジオ盤新作とどちらにするかで悩んだんですが、新作はまだ聴き込みが足りないなと感じたのと、やはりこのライヴ盤のディスク1における「同じ曲でも時と環境の違いでこうも変わるのか!?」と我々を唸らせた衝撃、これを考慮してこっちに。ま、デトコペに関してはホントにライヴを観て欲しいので、その意味もあってこの2枚組を選んだってのもあるんですが。凄いバンドです本当に。

THE MARS VOLTA『DE-LOUSED IN THE COMATORIUM』

有無を言わさぬ強烈な個性、どこにも属さない独特なサウンド。もし聴かず嫌いの人がいるなら、絶対に人生損してると思うよ。それくらい自分的にも衝撃度が強い1枚でした。AT THE DRIVE-INの幻影は、俺の中ではハッキリと断ち切れました。それくらい素晴らしい1枚だと思います。

METALLICA『ST. ANGER』

これも有無を言わさぬ凄みを持った1枚ですね。ヘヴィメタルとかラウドロックとか、そんな括り、糞食らえ。ウルサイから聴かないとかメロディが薄いからどうとか、そんな屁理屈こねてる奴ら、全部死刑! ロックは元々自由な音楽なんだ、その自由を取り戻したのが「自身の枠(METALLICAというブランド)に囚われていた」METALLICAだったというのも面白い話。このアルバムよりもLINKIN PARKやEVANESCENCEの方が受けがいいのは判るけど、そういう問題じゃないのね。とにかくこれも、聴かず嫌いの人に是非オススメしたいです。

THEE MICHELLE GUN ELEPHANT『SABRINA HEAVEN』

ミッシェルは「SABRINA NO HEAVEN」とかライヴ盤とかいろいろあったけど、これもファーストインパクトと、作品としての完成度の高さを重視して、これにしました。やっぱりアルバム最初の出音が全てでしょう。今更言うなって感じですが‥‥本当に惜しいバンドをなくしたな、と。各メンバー(特にチバ)の今後に期待。

Spaghetti Vabune!『summer vacation, sunset vehicle』

今年最高の出会いは、このバンドに巡り会えたことでしょう。インディーズながらもしっかりとした楽曲を書き、その辺のメジャーバンドに引けを取らないクオリティーを持ったメロディーには、俺もメロメロに。バンドの皆さんがご覧になってるから絶賛するわけではなく(ケージさん、メールありがとうございました!)、純粋にいいアルバムであり、もっと多くの人に知って/聴いてもらいたい作品だと思ってます。胸を張ってオススメしたい!

SPANK HAPPY『Vendome, la sick KAISEKI』

ライヴでベスト盤という反則合わせ技だけど、それを差し引いても「サヨナラCOLOR」は2001年に聴いておくべきだった1曲なわけで。これで踊れない奴は死んだ方がいいですマジで。

Theピーズ『Theピーズ』

もう1年以上も前のアルバムみたいな気がしますが、それくらい今年1年聴き込んだアルバム。間違いなく今年一番聴く回数が多かったでしょうね。このアルバムの完成度は確かに完璧とは言い難いですが、それをライヴで補完していく様はホント圧巻でした。アルバムリリース直後に、早くも新曲がバンバン出来てるのも、彼等の今のコンディションを物語ってるんじゃないでしょうか? 12月~'04年1月の東名阪ライヴの後、早くも3月にはアルバム発表。春には全国ツアーもあるそうなので、楽しみ!

藤本美貴『MIKI ①』

アイドル・ポップものを1枚くらい選ぼうと思っていろいろ聴き返してみたんですが、最後まで悩んだのがBON-BON BLANCO「BEAT GOES ON」、メロン記念日「1st ANNIVERSARY」、中島美嘉「LOVE」(ま、これはアイドルじゃないですけどね厳密には)辺りだったんですが、最終的には個人的思い入れでこれに。ま、仕方ないでしょ?(メロンはシングル8曲ってのがね。悪くないんですけど)多分、彼女のソロアルバムは今後暫く聴けないでしょうから、そういう意味も込めて。それにしても "涙GIRL" は今聴いても凄いな。

フラワーカンパニーズ『発熱の男』

フラカンとの出会いも2003年の大きな出来事のひとつかな。たった数十分のライヴだったのに、ずっと忘れられないインパクトを与えてくれた彼等。それはアルバムに関しても同様で、彼等も今年2枚リリースしたスタジオ盤どちらを選んでも良かったんですが、ファーストインパクトを重視してこちらに。来年こそは是非ワンマン・ライヴに行きたい。このまま変わらずに突っ走り続けてくれることを期待してます。


とまぁ10枚選んでみましたが、これはあくまで12/31現在ってことで。だって、年末に買ってまだ聴いてない/聴き込んでないアルバム、沢山あるからさ。ここに名前が挙がってないものでは他に‥‥RON RON CLOU「SECOND RUNNER」、MOGWAI「HAPPY SONGS FOR HAPPY PEOPLE」、MUSE「ABSOLUTION」、LED ZEPPELIN「HOW THE WEST WAS WON」、カーネーション「LIVING/LOVING」、MO'SOME TONEBENDER「TRIGGER HAPPY」、ウルフルズ「ええねん」、クラムボン「imagination」、ソニン「華」、JEFF BECK「JEFF」、ナンバーガール「サッポロ OMOIDE IN MY HEAD 状態」等々‥‥挙げればいくらでも出てくるんで、きりがないのでこの辺で。

個人的にはレビューした作品はどれも好きで、気に入っていて、今年よく聴いたものばかりですので、ええ。個人的には面白い1年だったと思いますよ。洋楽少な目なのは、それだけ邦楽アルバムが充実してたってことでしょうか? いや、本当にここに名前挙がらなかった以外の作品でも、いいのは沢山あったからね。


続いて「SONG OF 2003」の10曲を紹介します。


・METALLICA「St. Anger」

初めてこの曲をラジオで聴いた時の衝撃。多分今年一番の衝撃だったと思います。音楽を聴いて身動き取れなくなる程の衝撃、そんなこと滅多にないはずなのに‥‥期待してたからこそ、そして同時に期待してなかったからこそ(矛盾してますが、言いたいこと判ってもらえますか?)の衝撃。PVも格好良かったなぁ。勿論ライヴも。本当に20年目のバンドだとは思えない攻撃性と斬新さ。頭が下がります。

・THEE MICHELLE GUN ELEPHANT「エレクトリック・サーカス」

これはもう仕方ないでしょう。こういう曲をラストに持ってくること自体反則だと思うし、そしてその演奏や歌の熱さも反則。「ミュージックステーション」で歌う、涙目のチバが忘れられないッスね。解散効果でオリコン週間チャート3位(デイリーで1位)を記録しましたが、リリース日を解散に合わせずに普通に出してたら‥‥今更言っても仕方ないことですが。解散関係ないし、掛け値なしの名曲。

・Mr.Children「タガタメ」

「掌 / くるみ」でもよかったんですが、やっぱり衝撃度からいったらこっち。未だリリースの目処が立ってないこの曲、いろんな意味で今年の話題になりましたよね。この曲のレビューのお陰で、かなりアクセス数も伸びたし(それは蛇足ですが)。この振り幅があるからこそ、桜井和寿って男は信用できるわけですよ。どっちか一方だけじゃダメなのね。

・THE WiLDHEARTS「Someone That Won't Let Me Go」

ワイハーからも1曲選んでおきましょう。アルバムを選んでもよかったんですが、敢えて「もっと行けるだろ?」ってう期待も込めて、今回も選出外にしてみました。ホントに意地悪だな俺、ジンジャーに対しては。ま、'90年代以降に登場した、数少ないロックスターですからね、俺にとって。この曲はアルバム中、最も過去の彼等に近いスタイルだと思うし、実際これをシングルとして切って、もっと多くの人の耳に止まれば、間違いなくメタルファン以外にも受け入れられると思うんですが‥‥

・ZYX「白いTOKYO」

「第2回ハロプロ楽曲大賞2003」では "行くZYX! FLY HIGHT" を選びましたが、こっちではこの曲を選びたいと思います。今の俺がハロプロに求めているものが、結局この10曲の中に入った3曲にあるような気がします。正直、今のモーニング娘。には歯がゆさと不甲斐なさしか感じない、というのが正直な気持ち。1月の新曲もねぇ‥‥出さなきゃよかったのに、安倍態勢で。

・あぁ!「Jaded」

無駄に拘ります。だって本当に好きだから、この曲。全然飽きがこないし。誰が何と言おうと、今年のアイドル・ポップの中で一番の楽曲だと信じております。今後このユニットがどういう方向に進んでいくのかは誰にも判りませんが、とにかくアルバムまでこぎ着けて欲しい‥‥無理だとは思うけど。

・ウルフルズ「ええねん」

いや、これも何も言うことないでしょう。それくらいに名曲。ストロングスタイルの演奏は、どこかAC/DCっぽさを彷彿させ、歌詞の力強さはウルフルズ以外の何者でもない。もっとヒットすべき曲だよこれ。きっかけさえあれば、「第二の "ガッツだぜ!"」になれるはずなのに‥‥

・メロン記念日「赤いフリージア」

これも文句なしの完成度。「あぁ!」がいなかったら、今年一番のアイドル・ポップだと思ってたんですが。逆に、この曲が存在しなかったら、俺はこの位置に松浦亜弥の "ね~え?" を選んでたんでしょうね。本当にキラーチューンってこういう曲を指して言うんだな、とマジで思いましたね。素敵すぎて涙が出そう。

・Theピーズ「生きのばし」

"グライダー" と最後まで悩んだけど、歌詞が死ぬほど好き、ってことでこちらに。もはやピーズの曲に関してはどれ選んでもぶっちゃけ問題ないんですけどね。ここで理屈こね回す前に、まずは聴いて!お願い!

・レミオロメン「雨上がり」

意外な選出かもしれませんが、これも今年1年通してよく聴いた1曲。この高揚感、なかなか真似出来るもんじゃないですよ? ASIAN KUNG-FU GENERATION"と共に期待出来る新人バンドだと思ってたんですが‥‥それだけにメジャーからのファーストアルバムの内容と、そのCCCD化にはちょっと‥‥泣けた。けどさ、本当にBUMP OF CHICKENがブレイクしてったように、彼等にも‥‥っていう気持ちは強いんだけどね。


というわけで、こんな感じになりました。ハロプロを3曲に抑えたのは意識的です。本当なら「第2回ハロプロ楽曲大賞2003」で選んだ5曲をそのまま使ってもいいんですけどね。まぁ、ね?

他にも沢山いい曲はあったと思うんですが‥‥これも現時点で、ってことで。絶対に明日になれば気持ちが変わると思うし。


続きまして、今年観たライヴから選ぶ「LIVE OF 2003」を。


・Theピーズ(3/21@SHIBUYA-AX)
・イギー・ポップ(7/26@FRF'03)
・TMGE(10/11@幕張メッセ)
・岡村靖幸(10/14@Zepp Tokyo)
・METALLICA(11/7@代々木体育館)


観てもらえば判る通り、今年はロックンロールな1年でした。

まず3月のピーズは初めてのワンマン、しかも最前列で観れたってことも幸いして、本当に充実のライヴでした。続いて7月のイギー・ポップ@フジロック。俺がフジでのベストアクトに挙げることが多いのが、このイギーのライヴ。ホント久し振りに観たんですが、全然衰えておらず、むしろ以前よりも攻撃的で若々しくなってる気が。いやーまた3月に観たいですね! そして10月のミッシェル・ラストライヴ。これはもう理屈じゃないでしょう。日本のロック史に於ける、ひとつのピリオドであり、ひとつの通過点。まだDVD観てないんですが、やっぱり冷静に観たら‥‥泣くのかな? その3日後に観た岡村ちゃんも凄かった。個人的には8月の復活ライヴもインパクト大でしたが、内容的にはもう10月の単独公演の方が格段上。このまま浮上して欲しいです。最後はMETALLICA‥‥これはもう、仕方ないですよね。ホントにいいライヴだった。全公演観たかった程。観れなかった人、ご愁傷様でした!って言いたくなる程、凄いの連発。いやいや、いいもの観させて戴きました!

これ以外だと‥‥1月のMANIC STREET PREACHERS@NKホールとか12月のメロン記念日@渋谷公会堂、9月の後藤真希@市原、9月の「朝霧JAM」で観た曽我部恵一とか、とにかく数え切れない程にいいライヴを観れましたね。

今年は全部で36本(フェスは日数に関わらず1本とカウント)のライヴを観た計算になりますが‥‥全然減ってない‥‥2002年の大晦日に「来年は減らす傾向に~」とか言った記憶が‥‥そして既に2004年前半も数多くの予定が‥‥いい加減にしないと‥‥とは思ってるんですが、やっぱり俺、「現場」が好きなんですよね、家でCD聴いてるより。一時期、年間100数十本観た年とかありましたが(その殆どがライヴハウスで無名のインディーバンドだったりしたんですが)、あの雰囲気とか空気が大好きなんですよ。会場の大小に関わらずね。だから来年も‥‥行くんでしょうね、きっと。


来年も、素晴らしい音楽との出会いがありますように‥‥

2003年12月22日 (月)

ウルフルズ『ええねん』(2003)

  ジョン・B・チョッパー復帰後初となる、通算8枚目のオリジナルアルバム「ええねん」。ここ数作も悪くはなかったものの、どこかスッキリしなかったのがホントのところで‥‥ところがこのアルバムはどうだろう。久々の改心の一撃(一曲)となったシングル "ええねん" からスタートするんだけど‥‥まぁこの曲に関しては今更書くまでもないでしょう。全肯定ソングと呼ばれているこの曲、一聴すれば力強さ、ポジティヴさが十分に伝わってくるし、本当にここまで「歌」に励まされたのって、そしてそれが十分に機能したのって何時以来だろう!?って考えてしまう程に凄いわけで。彼等がカバーした "明日があるさ" という曲も、正にそういった類の楽曲だったものの、あれはあくまでカバーであり企画モノ。ここにあるのはウルフルズとしての、正真正銘の所信表明なわけですよ。

  そんな所信表明からスタートするこのアルバム。実はそのタイトルナンバーがアルバムの肝なのではなくて、それ以降‥‥ "たった今!" からスタートする2曲目以降こそが、このアルバムの、そして「ウルフルズ」本来の肝なんですよ。意外とここを見落としがちな人が多くて、個人的にはビックリしてるんですけどね(見方を変えれば、それだけ "ええねん" という楽曲から彼等に入っていった音楽ファンが多いってことか?)。ウルフルズの、そしてトータス松本の本質的な面を考えた場合、どう見ても "ええねん" ではなく、それ以降の14曲のスタイルの方がウルフルズらしく、そしてトータスらしいと思うんですけどね。彼等、そして彼の根本にあるソウルやブルーズといったブラック・ミュージックをルーツとしたオールド・スタイルのロックンロール‥‥多分、ここまで素直に原点回帰的シンプルなスタイルへとたどり着いたのは、今年初頭にリリースされたトータスのソロアルバム、そこで奏でられたロックやソウルのクラシックナンバーを通過し、灰汁抜きし‥‥そしてジョン・B復帰という特別な要素が加わったからこその、複合要素による結果なんでしょうね。良くも悪くもその後の彼等に影響した "ガッツだぜ!" やアルバム「バンザイ」の大ヒット、更には "明日があるさ" の予想外の大ヒット‥‥こういった事実が全て「過去のもの」として捉えることが出来たからこそ、"ええねん" やこのアルバムに辿り着けたのではないかな、と。このアルバムをヘヴィローテーションしながら、勝手にそう想像しています。

  ポップソング・クリエイターとしてのウルフルズはここには居ません。いや、そんなの最初っから居なかったんです‥‥勿論、トータスの生み出す楽曲やメロディにはポップな要素が豊富に含まれています。しかし彼は宇多田ヒカルでもなければ桜井和寿でも草野マサムネでも奥田民生でもない。トータス松本なんですよ。それを力強く証明し、自らを力強く肯定したのがこのアルバムなのですよ。他の誰かには決してなれないし、なる必要もない。自らのルーツを再確認し、結局それを再現しようとした時に偶然オリジナルメンバー4人が揃った。たったそれだけのことなんだけど、最終的にはそういった要素がこのアルバムにとって必要不可欠な要素となった。全てが偶然の産物なんだろうけど、やっぱりこれは必然だったんでしょうね。回り道したけど、ウルフルズはまた「ウルフルズ」になった。再デビュー盤なんて言い方はしたくないけど‥‥やっぱりまたここから何かが始まる予感はしますよね(って俺だけか?)

  とにかく、大音量で聴きたいアルバム。全てがライヴを想定して作られたであろう、必要最低限のサウンドで構築された非常にシンプル且つ判りやすいロック&ソウル・ナンバー。ある意味で山崎まさよしと同じような孤高さを感じるんですが、今後はそういった「真似できそうで誰にも真似できない高み/深み」を追求した、唯一無二の存在になってもらいたいもんです。

  そうそう、ディスク2(「A John B CD」)についてもコメントしておきますか‥‥まぁ早い話がジョン・B復帰を祝った2曲入りディスクなんですが‥‥1曲目 "Sleep John B" はかのBEACH BOYSの "Sloop John B" の替え歌で、実際にジョン・B自身が歌ってるんですね。上に書いたポップ要素をここで補ってるって言い方もできるんですが‥‥まぁあくまでこれはボーナスですからね。コーラスとして参加してるゲスト陣が兎に角豪華で‥‥って俺が書くまでもないか。長くなるので割愛。もう1曲は "風に吹かれている場合じゃない" はMC SQUAREDがヒューマン・ビートボックスで参加、メンバー全員がコーラスを取り、その上でジョン・Bが自身の詩の朗読をするという異色作。ちょっとヒップホップ色が強い、如何にも今風の1曲なんだけど‥‥結局これら2曲は番外編ですからね。本編(15曲入りのディスク1)とは別ディスク収録という事実を見るまでもなく、ね。ただ、こういう余裕があるってんも、今のバンドの状態を物語ってるようで、何だか嬉しくなるんですけどね。

  兎に角今、ウルフルズのライヴが観たいんです。このアルバムの曲を生で聴きたいんです。そしてアルバム聴いてライヴ観た後に、初めてこの作品が完結するんじゃないかな‥‥そう思うんですよね。



▼ウルフルズ『ええねん』
(amazon:国内盤CD

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