2005/03/15

ソニン@渋谷eggman(2/11)

 実は生ソニンというはこれが初めてだったんですね。これまでも何度か観る機会はあったはずなんだけど、何故か他のことを優先してしまっていて、気づいたらこれまD一度も観ていなかったと。特に今回は名曲 "あすなろ銀河" リリース後だっただけに「どうしても観たい!」という気持ちが打ち勝ってしまい、既にソールドアウトだったチケットを無理矢理入手したわけですよ。

 そのソールドアウト公演、ハコが渋谷eggmanだっていうんだから、これまたタチが悪すぎる。だって、いくら今のソニンとはいっても、こんな小さすぎる会場でライヴやるっていえば、確実に即日ソールドアウトですよね? そりゃ一時期よりも露出が少ないし、つんく♂プロデュースじゃなくなってからは歌の印象も薄いし(けどその分、彼女に合った「いい曲」がセレクトされてるとは思いますよ)。そんな状況でも、こんなに小さい会場でソニンが観れるなら、そりゃファンなら絶対に行くわな。ファンでもなかった俺ですら行きたいって思ったんだから。

 んで、チケット取ってから教えてもらったことなんですが、今回のライヴって初めて「バンド形態」‥‥つまり、生のバックバンドを付けてのステージになるとのことで。それ聞いたら余計に興奮しちゃってさ。MANICS翌日だったけど、前夜はなかなか寝付けなかったくらいですよ!(それは半分嘘だけど)

 さてさて。そんなライヴの感想を簡単に。約90分に渡る、完全生演奏のライヴで、約半数近くでソニンもギターを弾いてたし、更にはドラムまで披露(EE JUMPの "さよならした日から")。一体彼女がドラムを叩くことにどれだけの意味があるのか俺には判りませんが、きっと壮大な理由が隠されているのでしょう、和田マネージャーのことだし。

 セットリストを見てもらうと判るんですが‥‥まぁEE JUMP時代の曲をさっ引いても、半分近くがカバー曲なんですよね(この場合、より子のカバー "ほんとはね。" も含むわけですが)。音源としてリリースされている "誰より好きなのに"(「あすなろ銀河」C/W)や "I LOVE YOU" のハングル・バージョン(「ジグソーパズル」C/W)はまだしも、女子刑務所慰問で歌った中島みゆきの "化粧" とか、最近ご本家と共演した繋がりでフォークルの "悲しくてやりきれない" とか、如何にも泣かせる気満々な "言葉にできない" とか‥‥何故にこうも辛気くさい曲ばかりセレクトするんでしょうか?

 そりゃね、確かにソニンは幸薄ですよ。けどさ、それを前面に打ち出すような選曲はどうかと思いますよ。でそれを完全に自分のものにしてしまっているソニンの歌を聴くと、余計に複雑な心境になるわけですよ‥‥なんだろ、そんなにソニンをシンガーソングライター的な、あるいはフォークロック的な方向に進ませたいのかなぁ? 悪くはないし合ってるとは思うんだけど、そういう風に限定しない方が彼女のためでもあるし、彼女の多面性を活かせると思うんだけどなぁ。そう思ってるのは俺だけ?

 バンドは昨年秋の「ジグソーパズル」以降に結成されたメンバーのようですが、まだまだ息がぴったりとは言い難く、もっと場数を踏んだ方が良いような気がしました。ホント、今回って東京1公演だけなんだっけ? なんか勿体ないよね? ここまでやれるんだから、もっと沢山ライヴやって、もっとこなれて欲しいって思うんだけど。

 あと‥‥ステージ狭い分、ソニンの立ち位置が限定されちゃって勿体なかったなぁとも思いましたよ。ギュウギュウ詰めの狭いライヴハウスで、しかもフロアの真ん中に大きな柱があるから、場所によっては最後までソニンがよく見えなかった人も多いし、特に女の子のファンも多い彼女だから、後ろの方だと全く見えないって子もいたんじゃないかな。そういう意味で、eggmanという選択は失敗だったようにも思うんですが‥‥

 ってネガなことばかり書いてますが、じゃあ満足できなかったのかというと、実はそうでもなくて、最後までいろいろ楽しめましたよ。初ソニンってこともあったし、生バンドで聴くEE JUMP時代の曲や、完全にカッコ良く生まれ変わった "東京ミッドナイト ロンリネス" みたいなのもあって、いろいろ収穫はありましたよ。勿論、アンコールで演奏された(この日一番聴きたかったであろう)"あすなろ銀河" や、音源やテレビでのパフォーマンスを遙かに超えていた "ほんとはね。" なんて、ライヴならではの感動があったし。

 そういう意味で、やはり今後のことを考えると‥‥つんく♂楽曲に頼りたくないのなら、早いところ「オリジナル新曲」が沢山詰まったセカンド・ソロアルバムをリリースしてもらいたいんですが。もう出してもおかしくない時期ですし、むしろ今だからこそ出すべきだと思うんですけど。もしかしたら「ソニンが曲を書けるようになって、世に出しても恥ずかしくないものが生まれる」まで待ってるのかなぁ‥‥和田マネのことだし(って拘りすぎか俺)。

 別に「もうソロになって時間も経つし、つんく♂の元も離れたんだから」EE JUMP時代や「TOY'S FACTORY」時代の曲はやらなくてもいいとは思わないよ。むしろもっとやってもいいと思ってるくらいなので。けど、この日の選曲や曲順を見ると、嫌でもそんな風に勘ぐりたくなるじゃない? だってさ、最後の最後にオフコースの "言葉にできない" て‥‥いや、名曲だけどさ、なんかあざとくないかい? しかも、エンディングで客に「ラララ〜」って歌わせたり、手を左右に振らせたり‥‥妙な新興宗教じゃないんだから(ってあれを否定してるわけじゃないんだけどね)。もっと先に確立すべきものがあるんじゃないの?って思うんだけどなぁ‥‥勿体ないよ。

 って結局は不満な点ばかりが挙がってしまいましたが、それでも俺、もう一回ライヴ観たいと思ったね。次はもっと良くなってるはずだからさ‥‥そう確信したもん。ソニンが今の気持ちを忘れない限り、あの日口にした「これからは音をもっと楽しんで行こうと思う」って気持ちを忘れない限りは、更に良くなると思うからね。


■ソニン@SHIBUYA eggman SETLIST(05/02/11)
01. ジグソーパズル
02. カレーライスの女
03. WINTER 〜寒い季節の物語〜
04. 誰より好きなのに [古内東子]
05. 化粧 [中島みゆき]
06. さよならした日から [EE JUMP]
07. 悲しくてやりきれない [フォーク・クルセダーズ]
08. I LOVE YOU(ハングルVer.)[尾崎豊]
09. ほんとはね。[より子]
10. HELLO!新しい私
11. 東京ミッドナイト ロンリネス
12. 青春のSUNRISE [EE JUMP]
--Encore--
13. あすなろ銀河
14. 言葉にできない [オフコース]



▼ソニン「あすなろ銀河」(amazon

投稿: 2005 03 15 09:00 午後 [2005年のライブ, ソニン] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/11/14

ソニン『ジグソーパズル』(2004)

 数日前放送された「中居正広の金スマ」にて、ソニンが女子刑務所を慰問する模様が放送されました。これ自体がこの番組のメイン企画というわけではなく、あくまでメインは女子刑務所の実態を女性の立場/目から紹介する、といったような内容。いわばソニンはその中の、ひとつの小企画みたいなもの。

 番組中盤以降にスタジオにも登場したソニン。中居が感想等を軽く振った後にVTRへといくわけです。


 何でこんな企画がソニンのもとに行ったのかは正直判りませんし、まぁTBSのことですからねぇ‥‥和田マネなりに頑張ったのかもしれません。まぁそんな裏事情はどうでもいいんですが。

 困惑しながらも、とにかく今の自分自身を、判りやすい形で観客(収監されている人達)に伝えようとするソニン。まずは新曲 "ジグソーパズル" を自らもアコギを弾きながら、バンド演奏で披露。そう、噂通りちゃんとバンドで演奏してるんですね。俺、例の「ミュージックステーション」での生演奏を見逃していたので、これはちょっと嬉しかったですね。いや、この番組自体にソニンが出ること事も知らず、たまたまテレビをボーッと観てたらこの番組が始まって、しかもそういう内容ってことで見入ってしまってたわけなんですが。

 番組内で放送されたのは当日演奏された中の、恐らくほんの数曲でしょう。しかもさわり程度しか流れない。勿論「それ」がメインなわけではないですから、それは仕方ないんですが。少なくともこの日、5曲は演奏されているはず。まず放送された "ジグソーパズル"、"I LOVE YOU" の韓国語カバー、テレサ・テンの "時の流れに身をまかせ"、山口百恵の "秋桜(コスモス)"。そして放送はされなかったけど、当日のリハーサル風景の中で映った "ほんとはね。" の楽譜。恐らくこの5曲は演奏されたんでしょうね、間違いなく。

 ここで注目なのは、やはりテレサ・テンと山口百恵のカバーでしょうか。テレサ・テンの方はしっかりバンド演奏で披露され、まぁそのままコピーしましたっていうような内容でしたし、歌自体もまぁそつなくこなしてるかな、といった内容。けど、聴く側(収監者)にとってはいろんな思いがフラッシュバックするわけですよ。外の世界に残してきた家族や恋人、あるいは当時の生活‥‥こういった曲の方がよりそういう思いをフラッシュバックさせちゃうんじゃないですかね。それをまたソニンが無駄に感情を込めて歌い上げるもんだから(無駄って)。

 そして "秋桜(コスモス)"。当然リアルタイムでの山口百恵を知らない世代なわけですよ、ソニンは。「母親が凄く好きで〜」というエピソードを披露した後に、(恐らく女性マネージャ氏?の)ピアノだけをバックにしっとりと歌うわけです、また無駄に感情を込めて。ところが‥‥これが悪くない。いや、むしろいいんじゃないの?と。歌ってる本人も完全に歌に入り込んじゃってるし、聴いてる方も前のフラッシュバックが更にエスカレートして涙する者続出。それに戸惑いながらも、惹かれるようにスッと「そちら」に入り込んでいって、更に感情を高ぶらせて歌うソニン。正に相乗効果。決して最高に優れた歌手というわけでもないだろうし、聴き手も‥‥恐らく半分も彼女のことを知らないだろう。けど‥‥今その瞬間は、聴き手にとってソニンは最高の歌い手であり、と同時にソニンにとっても収監者達は最高の観衆である、と。

 本当なら常にこういう状態にお客を、そして自分を持っていくのが「歌い手」であり、それが「歌をうたう」ってことなんでしょうね。いや、判り切ったような言い方しちゃってちょっと偉そうですけど、ホントそんな単純で当たり前のようなことを、たまたま軽い気持ちで観たテレビ番組で思い知らされるとは‥‥

 "ジグソーパズル" って曲は、彼女にとっては決して「最高の楽曲」「ピッタリな1曲」とは思えないんですよ。むしろ今は「歌手としての自分探し」の最中なんじゃないかな、と。そういう意味で、つんく♂の元から離れたんだからもっといろんなシンガー/ソングライターの曲、いろんなタイプの曲を歌うべきだと思います。そんな中で、もしかしたら「自分の言葉」で、「自分のメロディー」で歌い出す日が突然訪れるかもしれませんしね‥‥いや、それがピッタリ似合っちゃうのがまたソニンの魅力でもあるんですが。

 けど‥‥間違って尾崎豊方面にだけは‥‥どうか‥‥それは‥‥痛い、痛いから。いろんな意味で。



▼ソニン『ジグソーパズル』
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投稿: 2004 11 14 11:43 午後 [2004年の作品, ソニン] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック