2004/12/14

飯田様。

 飯田圭織さんのモーニング娘。卒業があと1ヶ月半に迫ってるわけですが、そんな慌ただしい時期にまるで卒業を祝うかのように、彼女の通算3枚目のソロアルバムが今年の年末にリリースされます。

 しかし、このソロアルバム。これまでとは一線を画する内容なんですよ。勿論これまで同様「地中海レーベル」からのリリースなんですが、問題なのはその楽曲クレジット。カバーは1曲もなく、全曲日本語オリジナル楽曲。当然今年リリースされた2枚のシングル "エーゲ海に抱かれて" と "ドアの向こうでBellが鳴ってた" も収録されていて、恐らくそれらを軸にした内容になるかと想われます。

 それでは、現時点で判明している内容をこちらで確認してもらいましょう。

■飯田圭織3rdアルバム「アヴニール〜未来〜」

01. 未来図
 (作詞:佐藤純子 作曲:Rie 編曲:前野知常)
02. 歩いていこう・・・未来へ
 (作詞:飯田圭織 作曲:芦沢和則 編曲:前野知常)
03. ドアの向こうでBellが鳴ってた
 (作詞:三浦徳子 作曲:つんく 編曲:馬飼野康二)
04. 情熱のトビラ
 (作詞:渡辺なつみ 作曲:芦沢和則 編曲:前野知常)
05. 真珠貝
 (作詞:渡辺なつみ 作曲:金田一郎 編曲:前野知常)
06. 私の中にいて
 (作詞:並河祥太 作曲:羽場仁志 編曲:前野知常)
07. 旋律
 (作詞:岩里祐穂 作曲:たいせー 編曲:前野知常)
08. エーゲ海に抱かれて
 (作詞:三浦徳子 作曲:つんく 編曲:前野知常)
09. 世界で一番きれいな星空
 (作詞:岩里祐穂 作曲:松尾清憲 編曲:前野知常)
10. 真冬の輪舞曲
 (作詞:佐藤純子 作曲:芦沢和則 編曲:前野知常)
11. さよならまでにしたい10のこと
 (作詞:岩里祐穂 作曲:羽場仁志 編曲:前野知常)
12. ありふれた奇跡
 (作詞:佐藤純子 作曲:因幡晃 編曲:前野知常)


(参考)※作家陣
羽場仁志
 ‥‥最近ではタッキー&翼の「夢物語」や「愛想曲」等を手掛ける作家さんだそうな。
岩里祐穂
 ‥‥今井美樹作品等でお馴染みの作詞家。
渡辺なつみ
 ‥‥アイドルものを多く手掛けてる作詞家さん。あさみん(安倍麻美)の作詞もやってるのか。
松尾清憲
 ‥‥今更何も言うことはないでしょう。大御所!
・佐藤純子
 ‥‥20年前から活躍してる、アイドル系を多く手掛ける作詞家みたいですね。
芦沢和則
 ‥‥'80年代末に「JAG-TOY」というバンドのシンガーでデビュー。後に作家・ソロシンガーとして活躍。
金田一郎
 ‥‥柳ジョージ、池田聡といった人に曲を提供。
並河祥太
 ‥‥稲垣潤一、楠瀬誠志郎等の作詞。特に後者の 「ほっとけないよ」で有名なのかな。
因幡晃
 ‥‥UFA/地中海レーベル繋がり。


 全12曲中、既出はシングルの2曲のみ。新曲10曲の中につんく♂作は一切なし。たいせーは正直邪魔だけど、他の9曲は所謂「プロの世界」の方々ばかり。ま、最近活躍してるような若手皆無で新鮮さに欠けるけど、逆にこういう感じ('80年代歌謡曲的なノリ)の方が飯田さんの魅力を引き出すことが出来るのでは‥‥と勝手に想像。まぁ聴いてみないことには何ともいえないけど。それでも期待してしまうのは、やはりつんく♂曲がないからかな。

 俺ね、飯田さんのソロ曲の世界観、嫌いじゃないんですよ。「とみ宮」時代にも好意的に評価しましたけど、ホント個人的には懐かしい感じがして、また飯田さんの歌い方や声もあの時代を彷彿させるんだよね。松田聖子かどうかは疑問だけど(どっちかっていうと、完全につんく♂だけどな)彼女らしい歌を聴かせてくれるはずですよ、これらの新曲でも。

 飯田さんはライヴハウスや大きい会場でライヴをやるんじゃなくて、「Blue Note」みたいな超小規模のジャズクラブとか、あるいは中規模のホール‥‥日本青年館とかで、コンサートでもライヴでもない、「リサイタル」を是非やっていただきたい。いや、貶してるんじゃなくて、そういうことが出来そうなハロプロシンガーって、もう中澤さんか飯田さんしかいないんじゃない? そういう世界観も大切にして欲しいよな、と。ハロコンに来るようなガキンチョ(おっと失言)相手にするんじゃなくて、もっと上の世代‥‥歌をじっくり聴いてくれそうな層に向けて歌い続けてくれた方が、彼女のためにもなるように思ってます。勿論、そうなると今度はセールスや動員がどんどん厳しくなってくだろうけど、それでも歌い続けて欲しいし、周りの人間は彼女が歌えるだけの環境を常に維持していって欲しいな、と。切に願ってます。

 ここ最近のハロプロ系アルバム(メロン、娘。)がかなり良作続きだっただけに、まぁ色は違うものの、ここにも期待したいところ。いや、かなり期待してます。

 そして‥‥これが許されるんなら、松浦にはもっと金かけて、今「旬」な作家さんに沢山曲書いて与えてあげてくださいよ。自社のリサイクルカバーやらせとくには勿体ない逸材なんだからさ、歌い手としての彼女は。



▼飯田圭織「アヴニール 〜未来〜」(amazon

投稿: 2004 12 14 12:02 午前 [2004年の作品, ハロー!プロジェクト, 飯田圭織] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/11/23

最後の夜

 ゴメンなさい、3日連続でハロプロネタで。けど書かずにはいられないんです‥‥

 21日のモーニング娘。コンサート夏秋ツアーラスト。飯田圭織の娘。コン最後でもあったわけなんですが、もの凄いサプライズがあったようですね。

 開演前のS.E.としてタンポポの "聖なる鐘が響く夜" や娘。初期の "Good Morning"が流れたり。

 ラストの圭織MCの時に "タンポポ" が流れ(しかも本人も知らなかったらしい)そのままソロで歌い。最後の最後に "愛の種" をバックに万歳三唱って‥‥

 俺、その場にいたら間違いなく泣くわ。ホント、横アリのがDVDじゃなくて、こっちをDVDにすればいいのに‥‥矢口も石川も "タンポポ" の時は泣いていたらしいね。客席には中澤裕子の姿もあったそうで、彼女も泣いてたそうな‥‥もうそれ聞いただけで俺、涙ぐんでるから。

 それでさっきから道で拾った21日の音源を今聴いてるんだけど‥‥やっぱりいきなりの "タンポポ" の瞬間、泣きそうになった。ヤバい‥‥本当にサプライズだったんだな、これ‥‥それにしても、やはりオープニング前から "Good Morning" とか聴かされると、否が応でも涙腺緩むわな。そして大ラストでの "愛の種"‥‥こういう仕掛けができるのも、オリジナルメンバーである圭織だからこそなんだよね。そして‥‥これが最後なんだろうね、こういうサプライズ。いや、矢口の時も何かあるかもしれないけど‥‥でも‥‥

 ハロコン横アリラスト、行きたいけど‥‥本当に観たい人のためにも自分は行かないことにしようかと思案中。ま、来春の石川ラストには行くと思うけど。

 本当の本当に、終わりが近づいてるんだなぁ‥‥



▼モーニング娘。「ファーストタイム」(amazon

投稿: 2004 11 23 05:05 午後 [タンポポ, ハロー!プロジェクト, モーニング娘。, 飯田圭織] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/02/20

飯田圭織『エーゲ海に抱かれて』(2004)

  モーニング娘。の現リーダー、飯田圭織初のソロシングル「エーゲ海に抱かれて」はそのタイトルからも想像出来る通り、彼女が昨年リリースした2枚のアルバム(「オサヴリオ」と「パラディノメ」)で歌ったギリシア/フランス/イタリア等のポップスの延長線上にある作風。実際にアレンジもソロアルバム同様、前野知常がアレンジを手掛けているんだけど、今回最大の売りとなるのは恐らくつんく♂書き下ろしのオリジナル曲を、彼のプロデュースで歌うということなんでしょうね。安倍なつみ卒業の後だけに、ここでソロとしてもうちょっと前に出しておこうっていう気持ちが働いたのか、それとも卒業への第一歩なのか‥‥そんなことは誰にも判らないわけですが(少なくともつんく♂と事務所の首脳陣以外は)、とりあえずは届けられたこの2曲について書いてみたいと思います。

  タイトル曲 "エーゲ海に抱かれて" は作詞に三浦徳子('80年代以降の歌謡曲/ポップスを手掛けてきた大御所。市井紗耶香 in CUBIC CROSSでも歌詞書いてましたね)を迎え、作曲がつんく♂という形になってます。曲調は‥‥タイトルに誤摩化されそうになりますが、基本的には'80年代によくあったムード歌謡風ポップス。場末の飲み屋から流れる有線にピッタリ‥‥って書いたらファンに怒られそうですが、元々つんく♂の書くメロディの持ち味がそういった環境にピッタリということもあり、ある種「つんく♂歌謡劇場の集大成」と言うことも出来ると思います。中澤裕子以降、この手の楽曲を歌えるハロプロメンバーがいなかったわけですが、ここにきてまさか飯田がこういう路線に進まされるとは‥‥良くも悪くも、その辺がつんく♂らしいというか、ハロプロらしいというか、あの事務所らしいというか‥‥

  好きか嫌いかで問われれば、もう断然好きですね(えーーーっ!?)。いや、俺の中にはこういった音楽も染み付いてるわけですよ。ほら、実家がスナックやってるし、幼少の頃から演歌とか歌謡曲を普通に聴いて育った人間ですから(その反動で洋楽ロックに走ったのね‥‥とか言うなやそこ)。だから、なんていうか‥‥うん、凄く懐かしい空気を持ってるんですよね。で、飯田の歌い方も曲調やイメージに見事合致してる。ちょっとWINKの後期っぽい雰囲気・色合いも感じつつ、徹底的に歌謡曲してる。飯田の意思とは裏腹に‥‥その辺が切なさを倍増させてたりもするんですが。

  カップリングの "最後の接吻" も同系統のムード歌謡風。こっちは作詞もつんく♂。こっちの方がもっとムード歌謡色が強くて、さすがにこれはタイトルトラックには持ってこれないよなぁ‥‥的なイメージが強い。何度も書くけど、やはりこれを今歌えるハロプロ・メンバーは中澤と飯田だけだわ。本当は保田圭辺りに歌わせてみてもいいんだけど‥‥バックトラックなんかもさ、フレンチポップのカバーとかだったら非常にチープに感じたのに、つんく♂のメロディーだとこれが全然違和感ない。むしろピッタリというか‥‥良い意味でも、悪い意味でもね。逆にこれを全部生音/生演奏でやったとしたら‥‥中澤や飯田には合わないんだろうね。今度は松浦亜弥辺りに歌わせてみたくなるんだから‥‥って別にどっちが上とか下とかって話じゃないですよ? 合ってる/合ってないの話ですから‥‥

  まさか飯田もこういう曲調でソロデューシングルを出すことになるとは、思ってもみなかっただろうね。しかもこのカップリング曲、彼女が過去在籍したタンポポのデビュー曲とある意味同じタイトルだしね(あっちは "ラストキッス")‥‥非常に意味深なタイトルだ‥‥

  けどね、これはこれでアリかな‥‥とも思うわけでして。方や後藤真希や松浦みたいなシンガーがいて、もう一方に中澤や前田有紀、そして飯田みたいな歌い手がいる。その間にはいろんなユニットがあるんだから‥‥今後はこれを全部つんく♂が手掛けるとは限らないみたいだし、いい方向に転がってってくれるなら、演歌だろうがムード歌謡だろうが、俺は全然構わないけどね。そこまで心狭くないからさ。あと好きだしね、単純にこの手の歌謡曲。



▼飯田圭織『エーゲ海に抱かれて』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2004 02 20 12:00 午前 [2004年の作品, ハロー!プロジェクト, 飯田圭織] | 固定リンク

2003/10/22

飯田圭織『パラディノメ ~恋に身をゆだねて~』(2003)

  モーニング娘。の現リーダーである飯田圭織の、今年4月にリリースされたファーストソロアルバム「オサヴリオ ~愛は待ってくれない~」に続くソロ第二弾、「パラディノメ ~恋に身をゆだねて~」は前作同様'60~'70年代のイタリアンポップス、フレンチポップスの代表曲と、'90年代のギリシャの名曲を原語でカバーしております。この春のモーニング娘。のツアーでも前作からの曲が幾つか日替わりで歌われていましたが、今回のアルバムの曲もいずれ何らかの機会に歌われることがあるでしょう。いや、むしろそうしてもらわなくちゃ困っちゃうんですよね‥‥敬遠してる人にアルバムを聴いてもらえるような切っ掛けを与えてあげなきゃ‥‥ねぇ。

  内容に関しては、前回は初めての試みってことで聴く前からドキドキ・ハラハラしたりしてたわけですが、今回はそんな心配は無用。むしろ安心して臨むことができたんじゃないでしょうか。製作陣も前回と一緒、コンセプト・スタイルも一緒、後は飯田のコンディションさえ良ければ文句なしなわけですから。で、実際その安心は最後まで崩されることなく、アッという間に1枚通して聴けてしまったのでした。前作の延長線上というよりは、完全に第二弾であり、対となるような作品なわけですから、それも当然っちゃあ当然ですよね。

  歌に関しては勿論最後まで安心して聴いてられたし、むしろ他のモーニング娘。のメンバーと比べてここまでひとりのメンバーの歌を堪能できるって点においては文句なしでしょう。人によっては「日本語で、もっと圭織らしい選曲でアルバムが作れたんじゃないか?」って不満に感じてるかもしれませんが、逆にこっちの方が俺は「飯田圭織らしい」と思うんですよね。そう、「モーニング娘。の飯田圭織」じゃなくて、「歌い手・飯田圭織」としてね。

  ただ、今回の歌い方は前回よりもストレートに感じましたね。バリエーションが減ったというよりも、飯田自身がこなれてきたのかもしれません。曲毎に歌い方を変えたりして聴き手を驚かせた前作と実はそんなにやってることは変わってないとは思うんですが、そう感じさせない、悪い言い方をしてしまえば「平坦」に聞こえてしまうのは多分、そういった歌い方の個性以上に飯田自身の色や個性が以前よりも強く前に出てしまっているからなんじゃないでしょうか‥‥勿論、俺がそう感じたってだけで、実際に皆さんが聴いた時にはそう聞こえないかもしれませんが(あるいは前作を聴かずにいきなりこのアルバムから聴き始めたら、そういう風には感じず、もっと新鮮に聞こえるんでしょうね)。

  バックトラックも前作がちょっとチープかな!?と感じていたのに対し、同じような打ち込みメインなはずなのに今回は意外と自然に聞こえるのは、多分どの曲にも生楽器(ガットギターやストリングス、サックス等のブラス)をふんだんに取り入れているからかもしれませんね。前作でも同じようなアプローチだったはずなのに、何故今回は余計にそう感じてしまうんでしょうか‥‥多分、聴き手側にもある程度楽しむ余裕が出来てきたってことなのかも。いや、ホント俺だけかもしれないけど。

  個人的ハイライトとなるのは、超有名曲 "オー・シャンゼリゼ" ではなく5曲目の "マリン・ブルーの瞳" なんですよね。原曲はセルジュ・ゲーンズブルグの手によるもので、ここでは如何にも打ち込みというようなリズムトラックとシンフォニック調シンセをバックに飯田が切なそうに優しく歌うのですが、問題はそのバックで鳴っているエレキギター。個人的なツボだったんですが、これを弾いているのが「ジェットフィンガー」の愛称で知られるメタル系ギタリスト、横関敦なんですよね。BRONXというバンドでデビューした後、筋肉少女帯のレコーディングやツアーに参加したり、ZIGGYやVOW WOWのメンバーと共にLANCE OF THRILLというバンドをやったり等、その他にもいろんなミュージシャンとのセッションで有名なこの人が、まさかハロプロと絡む日が来ようとは‥‥15年前の俺に聞かせてあげたいね! と、ここまで書くと多分多くの人が「速弾きしまくり!?」とか心配するでしょうけど、ご心配なく。まぁ確かに結構雰囲気モノで如何にも「ジェットフィンガー」なプレイを聴かせてくれてますが、それでも曲の雰囲気に合ったトーンで弾いてますのでそんなに耳障りではない、はず。メタルと縁がない人が聴いたらどうか判りませんが‥‥

  というわけで、全体的に好印象なこのアルバム。前作が気に入ったという人なら間違いなく満足していただけると思いますし、飯田の声が好き!って人や彼女の声に癒されるって人、とにかくモーニングが好きで洋楽ポップスが好きな人なら間違いなく楽しめる作品です。



▼飯田圭織『パラディノメ ~恋に身をゆだねて~』
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投稿: 2003 10 22 12:00 午前 [2003年の作品, ハロー!プロジェクト, 飯田圭織] | 固定リンク

2003/04/24

飯田圭織『オサヴリオ ~愛は待ってくれない~』(2003)

  モーニング娘。の2代目リーダーである飯田圭織初のソロアルバムは、所属するレコード会社内にある「地中海レーベル」という、フレンチポップス、イタリアンポップスを原語でカバーしたアルバムをリリースするレーベルからリリースされた、文字通りそういった代表的な楽曲を10曲収めた、意外性タップリな内容となりました。飯田はこれまでもタンポポに'98年10月から'02年9月まで在籍し、その間にオリジナルアルバム1枚、ベスト盤1枚、シングル7枚をリリースした経験を持っていて、実際オリジナル作「TANPOPO 1」には彼女のソロナンバーも収められていたりもしました。また、'01年春には当時のモーニング娘。メンバー10人が同時にソロシングルを発表(ファンクラブ・オンリー)、そこでも彼女らしい歌声を聴かせてくれました。

  が、今回は全て飯田の歌声のみ、そしてノン・つんく♂プロデュース作、更に全て日本語以外の外国語(フランス語やイタリア語、更にはギリシア語まで!)の楽曲という、ある意味三重苦ともいえる課題を与えられたわけですが‥‥正直な話、ここまでやってくれるとは思ってもみなかったよ。いやいや、これは素晴らしいんじゃないでしょうか?

  正直なところ、俺は普段そんなにフレンチポップとか聴かないんで、原曲は勿論1曲も手元にないので比べようがないですが(とはいいながらも、10曲中の大半は耳にしたことのある楽曲ばかりでした)、それでも彼女の表現力にはただただ驚くばかりです。10曲10様というか、とにかく1曲1曲、見せる表情が違うんですよ。言語の違い、曲のタイプの違いも大きいとは思いますが、とにかくそれぞれに飯田らしさが溢れているし、自分が知ってる(つまり、パブリックイメージ通りの)飯田圭織がいたり、これまで見たことも聴いたこともないような飯田圭織が出てきたりで、全てにおいて「驚き」と「感動・感嘆」の連続なんですよ。

  上にも書いた通り、自分はこの手のジャンルに精通していないので、素人耳で判断するしかないのですが‥‥それでもね、苦言を呈しちゃっていいですか? あのね‥‥バックトラックが全部生音だったら、もっと素晴らしかったんだろうな、と。飯田には音数の少ない生音が合ってるように思うんだけど‥‥アコースティック楽器だったり、ギターもガットギターとかセミアコ・ギターとか。ベースは勿論ウッドベースで、そこにバイオリンとかフルートなんかが絡んだりして‥‥って、それでもこのアルバムでは結構生ストリングスが多用されてるので、まぁ満足っていやぁ満足なんですが。けど、視点を変えると‥‥チープなリズムトラックもまぁ悪くはないかなぁ、なんて思えたりして。やるならもっとチープでもよかったかなぁ、と。飯田圭織という歌い手には俺、極端に過剰なものを与えた方が映えるように思うのね。やるなら徹底的に、ね。

  まぁそうはいいながらも、この30分程度の作品集を今日もリピートしてるわけですよ。上に三重苦と書きましたが、改めて考えてみると‥‥モーニング娘。を、ハロー!プロジェクトを離れたからこそ、この三重苦が逆に有利に働くんじゃないかな、と。例えば「飯田の歌声のみ」というのは、まぁコーラスには他に専門の方々が参加してたりするんですが、基本的には飯田オンリーの曲が殆どで、例えばモーニング娘。の曲みたいにつんく♂の「アー、イェー」といったウザい合いの手も入らない。完全に歌に集中して聴ける。普段「つんく♂ウゼー」って言ってる人程、これは嬉しかったりするんじゃないでしょうか?(かといって、そういう人達がこういった音楽性に対して好意的かどうかは判りませんが)続いて「ノン・つんく♂プロデュース作」ってポイントも、新鮮さを保つという意味で非常に好意的に受け取ることができるし、今回のアレンジャーである前野知常という人は恐らくこの人だと思うのですが、こういう人選も「地中海レーベル」ならではのものなのか、それともあくまで飯田圭織が歌うことを前提として選ばれたのか、どちらかは判りませんが、これも昨年7月につんく♂が言った「意外性のある人とのコラボレート」の一環なのでしょうか。だとしたら(まぁこの手のジャンルにうるさい人には酷いものなのかもしれませんが)俺は今回大いに楽しませてもらいましたよ。最後に「全て日本語以外の外国語の楽曲」というポイント、これも日本語ではなかったお陰で飯田のいろんな面が表出したんじゃないでしょうか。だって日本語で歌えば絶対につんく♂風の歌い方になるの、みんなも判ってるでしょ?(伊達に5年も彼の下で歌ってるわけじゃないもの)そういった「つんく♂節」を排除した、丁寧な発音に発声に驚き、そして時々覗かせる「いつもの飯田圭織」にドキッとしたり、とにかく彼女の「歌」のみでここまでいろいろと感じることが多いとは‥‥いや、本当に驚きの多いアルバムですよ。

  飯田圭織ファンは間違いなく大絶賛するであろうこのアルバム。出来ればこの手のジャンルに興味があるポップス好きにも聴いて欲しいかな。多分普通に聴いても面白いだろうけど、「飯田圭織が歌ってる」ってのを認識して聴くと更に驚きが多い作品になるんじゃないかな。また、昨今のつんく♂不振に嘆いてるそこのあなたにも是非。飯田圭織だからこそ成し得た、美しい作品集。これからの時期、このアルバムは必需品になりそうな予感。安眠のお供に、清々しい目覚めに、雨降る休日の室内で、そして心地よい午後の日差しの中でそれぞれ堪能したいものです。その全てのシチュエーションで、全く違った顔を見せるアルバムになること間違いなし。



▼飯田圭織『オサヴリオ ~愛は待ってくれない~』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2003 04 24 12:00 午前 [2003年の作品, ハロー!プロジェクト, 飯田圭織] | 固定リンク