森重樹一『ROCK & ROLL SiNGER』(2004)
バンドのシンガーがバンド在籍中にソロ活動をする時って、幾つかのパターンがあると思うんですね。
(1)バンドが活動休止中で、その合間にソロ活動
(2)バンドとは違った方向の音楽をやってみたくてソロ活動
(3)とにかく違った人間と音を出してみたくてソロ活動
他にもあると思うけど、代表的なのはこの辺かしら。(1)のケースって、例えばその「活動休止」の理由が「○○がソロやりたいっていうからバンド活動休もうか」っていう場合もあれば、「ここ数年バンドとして走り続けたから、ちょっと小休止しようよ」みたいな場合もあるでしょう。前者の場合は‥‥って例を出すとマズいのかしら、各バンドのファンに対して?
(2)の場合は‥‥まぁ(1)と絡むことも多いですよね。バンドと違ったことがやりたいからソロやりたい、だからバンド休もう‥‥みたいな。逆にバンドが上手くいってるのに「創作意欲が凄くて収まらない。けどこの曲はバンドのイメージとは違うし、かといって他人にあげてしまうのも勿体ない。是非自分で歌ってみたい」って人もいるでしょう。誰とは言わないけど‥‥
そして(3)。厳密に言えば、全部(1)と絡む場合が多いのか。むしろ「バンドが休みだから、他の奴とやってみるか」的発想で始める場合とか、たまたま遊びで他所のバンドのメンバーと音出ししたら面白かったから、ちょっとやってみました的な。最初のROSSOもこの辺りに入るのかな(あ、具体的な名前出しちゃった‥‥)。
でさ。多かれ少なかれバンドのシンガーがソロやる場合って、バンドと違った方向で攻める場合が多いじゃない。むしろ「俺はこういう歌も歌えるんだぜ?」的な、これまでのパブリックイメージを覆すような。ハードなバンドで歌ってる奴が、ソロで急にスタンダードナンバー歌ってみたり、ビジュアル系のシンガーがソロで歌謡曲チックなこと始めてみたり。中には上のROSSOでのチバユウスケみたいな人もいますけど、まぁ大体の場合は「バンドとは違った側面を見せる」ためにソロ活動、ってケースですよね。んで、歌の上手さや表現力の豊かさを知らしめるために、バンドよりもソフトな路線を求めたりする、と。まさかバンドよりも更にハードな方向に進む人も少ないでしょう。