2002/07/07

ナンバーガール LIVE TOUR "NUM-HEAVYMETALLIC"@水戸ライトハウス(2002年7月5日)

  ナンバーガールのライヴレポートをするってのは、とても難しい。何故なら、その瞬間に鳴っている「音」が全てだから‥‥でもそれじゃあ、たった数行で終わってしまう。とにかく今回は、出来る限りいろいろ思い出して書いてみたいと思う。

  まず会場の水戸ライトハウス。家や会社から車で90~120分程度の距離。ま、千葉LOOKに行くのと同じくらいの距離感かな。初めて行ったんだけど、思ってた以上に狭かった。キャパ的には300人程度という話。2階ってのも実は存在するんだけど、当然ながらこの日は使用不可。真夏のクソ暑い夜、しかもこの日は湿度が滅茶苦茶高くて不快指数90%を遙かに超えていた‥‥そんな日に、これでもかって位にギュウギュウ詰め。約30分近くこの状態で待たされる。とりあえず俺は整理番号も後ろの方だったので、後方を陣取る。ま、それでもブリッツとかその辺のハコと比べれば全然近いんだけどね。

  スタートは19時半の予定なんだけど、ちょっと遅れ気味。すると、急に場内アナウンスが‥‥「Yo~Yo~Yo~Yo~、チェケラッチョ~」てな感じで、ZEEBRAの物真似をした向井がもうちょっとお待ちくださいのアナウンスを(爆)。会場、大爆笑。この状態で待たされ続け、いつ爆発してもおかしくないお客を和ませることに成功。その後、ローディーが楽器のセッティングを開始。ベース・テクの人、いきなりRAMONESの「電撃バップ」を弾き始めて、客に「Hey, Ho, Let's Go!」と歌わせ大満足。つうか何でもありかよ(笑)。

  そんな感じで、終始和んだ雰囲気でライヴは行われ‥‥るわけもなく。ステージに登場した4人は適当に音を鳴らし、向井がお約束の「福岡県博多区出身、ナンバーガール」というアナウンスをした後に、演奏開始‥‥って、実はここからの記憶がすっぽり抜けてる。いや、部分部分は覚えてるんだけど、本当に頭真っ白になった。もの凄い轟音、もみくちゃになる観客、そしてとにかく暑い‥‥って最悪じゃん(苦笑)。

Numbergirl_setlist  右の写真、とある人から貰った画像なんだけど、当日のセットリスト。これを見るといろいろ判る部分があるんだけど、アンコールってのは全然決められてなくて、決まったセットリストを完遂した後、まだ余力が残っていれば数曲やるという形みたい。この前後のライヴでも、アンコールやらない日は全然やってないし、たまたま水戸では1曲だけやってくれたんだよね。しかもアンコール時、メンバーがお客に振舞酒ならぬ振舞ビールをお裾分け。乾杯をした後に"タッチ"をやって終了。実質約100分という、思ってた以上に長丁場のライヴだったわけ。

  そりゃ、1曲1曲、曲目を見ればそれなりに思い出すことも多少あるんだけど‥‥とにかく音圧に圧倒され、各メンバーの演奏に圧倒され、向井の叫びに圧倒され、そしてMCにも圧倒され(笑)‥‥圧倒されっぱなしのライヴだった。ちょっと前に観た「FACTORY」でのライヴも相当な凄さだったけど、あれを遙かに超えた、本当に「BRUTAL NUMBER GIRL」だったわ。最強にして最狂のアルバム「NUM-HEAVYMETALLIC」を伴ったツアーをこういう限りなく小さい会場で観れたこと。とにかくラッキーだったとしか言いようがないね。次はいつ観ようか‥‥フジロック辺りにいきなり飛び入り参加してもらいたいんだけど‥‥無理か。秋にもツアーがあるみたいだから、そっちに期待しよう。


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※2002年10月7日 追記

  ‥‥って思ってたら、ナンバガ解散が決まってしまい、結局現時点ではこの水戸ライトハウスでのライヴが、俺が観た最後のナンバガになってしまった。あちゃー。結局、ライヴで見せてくれた「異形」の正体を見極めることもなく、そしてその「異形」が「完全変態」するまでを拝むことも出来なくなってしまった。「NUM-HEAVYMETALLIC」を聴けば判るように、あれはひとつの臨界点であり、もしその先があるのなら、バンドは何処に、どのように進んでいくのか、そしてどんな音を鳴らすのか‥‥それが現時点では全く想像つかなかった。実際に今回のアルバムに伴うライヴを2度観たが、アルバムは7月の時点では既に過去のものとなって、更に進化しようとしている最中に見えた。そう、手探りながらもバンドは更に前進していたように思う。だからこそ、勿体ないな、と。

  とはいっても、バンドなんてのは、個々それぞれに感情を持った生身の人間の集まり。永遠に同じメンバーで同じことを続けていることが奇跡的なのであって、これまた当たり前の流れなのかもしれない。インディーズから1枚、メジャーから3枚のアルバムを発表したナンバーガールはこれで終わってしまうけど、結局俺は最後の最後まで7月に観たライヴを上手く言葉にすることが出来ずにいる。それくらい、強烈なライヴだったことだけは間違いない。

  一度も彼等のライヴを観たことがなかった人。こんなライヴレポ読むくらいなら、過去のライヴビデオやライヴCDを聴きまくってください。その方が、よっぽど彼等のライヴの凄さを理解できると思います。そして‥‥観れなかったことを後悔しまくってください。


[SETLIST]
01. BRUTAL NUMBER GIRL
02. ABSTRACT TRUTH
03. SAMURAI
04. Tombo the electric bloodred
05. INUZINI ~ 祭囃子
06. 鉄風 鋭くなって
07. OMOIDE IN MY HEAD
08. NUM-AMI-DABUTZ
09. 性的少女
10. delayde brain
11. MANGA SICK
12. FIGHT FIGHT
13. BRUTAL MAN
14. 日常に生きる少女
15. 黒目がちな少女
16. I don't know
17. EIGHT BEATER
-ENCORE-
18. タッチ



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投稿: 2002 07 07 12:00 午前 [2002年のライブ, ナンバーガール] | 固定リンク

2002/05/05

ナンバーガール『NUM-HEAVYMETALLIC』(2002)

  最近音楽雑誌を全く目にしていないので、このアルバムがどのような位置付けで語られているのか判りませんが、間違いなく今年のロック界を代表する1枚ですよね、これは。まさかナンバーガールがこんなにスゲーアルバムを作るとは思ってもみなかったので、「やられた!」っていう軽く裏切られたっていう、いい意味での爽快感がありました。いや、先行シングル"NUM-AMI-DABUTZ"をPV込みで初めて聴いた時から既に予感めいたものはあったのですが‥‥まさかこんなに凄い内容だったとは。

  「SAPPUKEI」から早くも2年が経とうとしていたわけですが、その間にシングルが1枚単発で出ただけで、これといったリリースがなかった彼等(昨年映画のサントラに1曲提供してるけど)。その前作でも既にダブの要素は感じられたし、去年初めて観たフジロックでのライヴでもその要素は既発曲のダブ風アレンジという形で表れていたので、新曲を聴いた時、全ての点が一本の線で繋がったような気がした。そしてあのPVの不気味な雰囲気がまた、同じダブを取り入れたニューウェーブグループ、THE POP GROUPを思い出させたわけで。そう感じた人、意外と多かったんじゃないかな?

  民謡のビートやメロディーを取り入れた"NUM-HEAVYMETALLIC"とか"INUZINI"(冒頭の「やっぱりロックンロールやね」という、その曲調とは不似合いな掛け声にゾクゾクっときた)、ダブともファンクともラップともとれるけど、実はかなり独特なグルーヴも持った突然変異な"NUM-AMI-DABUTZ"、ダブやレゲエの要素をナンバガなりに消化した"delayed brain"といった新境地、勿論彼等らしいアップテンポな"CIBICCOさん"や"MANGASICK"もある。1曲の中で目まぐるしくテンポが変わる"FU・SI・GI"みたいなヘヴィな曲もある。こういういろんなタイプの曲がありながら、しっかり統一感があるのはそのサウンドプロダクションのせいなのかな?(いや、逆にとっ散らかってるからこその統一感という逆説的な捉え方もあるかな)

  上手い言葉が見つからないんだけど(考えれば考える程、ドツボにはまりそうな内容だよなぁ)‥‥このアルバムに対して俺は、最高の誉め言葉としてズバリ、「狂ってる。キチガイ。頭おかしい」という3拍子揃った最高の例えをした。今回の新曲の中にもその名前が出てくるけど("INUZINI")、もはや誰もナンバガの事を「PIXIESみたいなバンド」とか「NIRVANA以降」なんて呼ぶことはないだろう。いや、そんなのナンセンスだってば。だって、このアルバムからまた新しい歴史が始まるんだもん。今度は『「NUM-HEAVYMETALLIC」以降のロックシーン』なんて例えがバンバン飛び出すんだよ。じゃなきゃ嘘だね。ここまで騒がなかったら、雑誌メディアなんて嘘っぱちだと言いたいね。

  幸運にもアルバムを聴いてから数日後に、彼等のライヴを(40分程度だが)観ることが出来た。想像以上だった。去年のフジロックなんて比じゃない程に、バンドのポテンシャルは更に高いものになってた。客の反応も半端じゃなかった。みんな判ってるんだよ、オーディエンスは正直だよ。最高のアルバムに、最高のライヴだって事を直感で感じ取ってるんだもの。

  それにしても、購入後1週間も経ってないのにこんなに聴き込んだアルバム、何年振りかなぁ‥‥少なく見積もっても20回は聴いてるわけで。今日だけでも日中、町中をぶらつきながら常にディスクマンにはこのアルバムが入っていて、4回は聴いたと思うし。で、今もこれ書きながら聴いてるわけですが‥‥全く飽きが来ないし、逆にライヴを観たお陰で更に聴き込むようになったし。こんなに無条件で


  『お前ら、聴けっ!』


なんて言いたくなる作品、年に何枚ある!? 本当に洋楽ファン/邦楽ファン/モーヲタ関係なく、ロックを愛する人に是非とも聴いて欲しいアルバム。


  近年、俺の中で「ギターロック」が盛り下がりつつあったんだけど、そういう気持ちを持ち直させてくれたのがROSSOのアルバムとこれだった。まぁ「ギターロック」なんて狭い括りはしたくないけどさ。本当は今更うちのサイトで取り上げるまでもない作品だと思うし、言葉をダラダラ書くよりも実際に聴いてもらった方が早いんだけど‥‥躊躇してる人にとって、この駄文が出会いの切っ掛けになってくれたら‥‥と思って、急遽5月のオススメ盤として取り上げることにしました(本当は別の盤を取り上げる予定だったんだけど)。とみ宮的に、このアルバムを早くも『21世紀の名盤100選』の1枚として決定しました。



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投稿: 2002 05 05 12:00 午前 [2002年の作品, ナンバーガール] | 固定リンク