2016/08/03

KIRINJI『ネオ』(2016)

RHYMESTERがゲスト参加したオープニングのアフロファンク「The Great Journey」から明らかにこれまでと違う色が放たれており、いきなり腰を抜かしそうになる。しかし、聴いているうちに「間違いなくあのKIRINJI」と誰もが納得するはずです。

その後もコトリンゴや弓木英梨乃、千ヶ崎学がリードをとる楽曲(しかも今作ではコトリンゴ、千ヶ崎までもが作曲を担当)が飛び出し、新編成第1弾アルバムとなった前作『11』ですでに慣れていたとはいえ新鮮な驚きが度々訪れる(個人的には弓木が歌う「Mr. BOOGIEMAN」「あの娘のバースデイ」がツボ)。アレンジ的に「おっ?」と唸ってしまう新機軸も飛び出すものの、最終的には「あのKIRINJI」で腑に落ちてしまう。そういった、不自然さが皆無という事実は彼らが真の意味でバンドになったことを証明しています。

『11』とそのリアレンジ作『EXTRA 11』という習作(とあえて呼びたい)を経て、ここでようやく第二のデビューを迎えられたと言える。最初から最後まで彼らでしかありえない、音楽を奏でる喜びに満ち溢れた極上の1枚。

※このレビューは本作リリース時、『TV BROS.』に掲載されものを加筆・修正して掲載しています。



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投稿: 2016 08 03 12:00 午後 [2016年の作品, RHYMESTER, キリンジ] | 固定リンク

2004/07/25

キリンジ『Archives SINGLES BEST』(2004)

  「とみ宮」とキリンジ、って組み合わせ、人によっては妙に感じるのかもしれませんが、意外と過去からネタにしてたこと、多々あったんですよね。もう古い話ですが‥‥まだ日記書いてた頃とか。ま、モーニング娘。と絡めたネタだったんですけどね(例えば○○にキリンジの "Drifter" を歌わせてみたい、とか。キリンジのファンの皆様、申し訳ありません)。

  彼等との出逢いですか‥‥多分このサイトを始めた頃かと思いますが‥‥ネットを通じて仲良くなった方からキリンジの「ペイパードライヴァーズミュージック」を勧められたのが最初でしょうか。で、この時は確か別の友人からMDにダビングしてもらって聴いたんですよ。自ら進んで良く聴くタイプの音ではなかったけど、うん、たまに聴くにはいいよねー程度の感想だった記憶があるんですが‥‥

  彼等の音楽を「良い」「好き」と認識するようになって、自ら進んで聴くようになるには、それからもうちょっと時間がかかるわけですが‥‥結局切っ掛けはラジオで聴いた "エイリアンズ" だったんですね。一目惚れならぬ、一「耳」惚れってやつですか?(いやそんな言い方しないから) とにかくこれを切っ掛けに彼等のアルバム「3」を買って‥‥その後はアルバムが出る度に、ちゃんとリリース日に買っているという。へっ、そんなファンとかじゃないですけど‥‥本当のファンの皆さんに申し訳なくて。

  決してシングルを毎作買うような熱心なファンではないですし(ま、気に入った曲の時は買いますけどね)、アルバムも毎日聴き込むといったタイプの人間でもないですが、それでも「これは好きな音」と胸を張って言える。改めてワーナー自体の楽曲を集めたこのベスト盤「Archives SINGLES BEST」を聴いて、そう感じましたね。

  インディーズ時代の楽曲も含め、基本はワーナー在籍時('98~'02年)のシングル曲を中心として、そこにアルバム曲も幾つか絡めた構成になっていて、ほぼ年代順に収録されています(初回盤のボーナストラックとなる幻?の名曲 "さよならデイジーチェイン" のみ、時系列を無視して一番最後に、本当の「ボーナス」トラックとして収録されてますけど)。既に最初から完成度が高いポップスを奏でていた彼等が、作品を重ねる毎に更に高品質で純度の高い、それでいて心に沁みるポップスを連発していたことに改めて驚かされたり、自分がちゃんと聴いていなかった時期‥‥ファースト~セカンドの時期の曲でも、シングル曲はしっかり知ってたな、とか。彼等の過去の業績を再確認するだけでなく、自分のような浅いファンにとっては更に新しい発見がある1枚となってます。

  個人的にはやはり‥‥いろんな思い出や思い入れも重なって‥‥どうしても "アルカディア" や "エイリアンズ" や "Drifter" といった楽曲、アルバムでいうと「3」と「Fine」からの曲が印象深いですね。勿論、それ以外の楽曲も総じて素晴らしいわけですが。

  こういうコンピ盤って、どこかに出かける時には本当重宝するんですよね。例えば‥‥さっき、正にその状態だったわけですが‥‥夜のドライヴにピッタリだったり。時代錯誤な「シティポップ」なんて言葉は使いたくないですけど‥‥でも正にそんな言葉がピッタリなサウンドと世界観なんですよね。高速を突っ走ってたり、殆ど灯りのないような真っ暗闇の中をひとりで走ってる時、その歌詞の一言一言が心に入ってくる‥‥家で聴くよりも車の中で聴く機会の方が断然多いのが、俺にとってのキリンジなのであります。



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投稿: 2004 07 25 06:22 午後 [2004年の作品, キリンジ] | 固定リンク