2004/03/25

ミニモニ。『ミニモニ。ソングズ2』(2004)

  ミニモニ。約1年8ヶ月振りに発表されたセカンドアルバム。前作「ミニモニ。ソング大百科1巻」リリースからこのアルバムまでの間に大きな出来事がありました。そう、メンバーチェンジ。矢口真里から高橋愛へとバトンタッチされ、強制的に(?)路線変更も強いられました。良くも悪くも試行錯誤を続けるミニモニ。、といった印象が強かったのが、ここ1年くらいの彼女達でしょうか?

  このアルバム、全16曲中既出曲が7曲、シャッフルユニットのカバーが2曲、インタールードやリミックスが3曲。というわけで、純粋な新曲は4曲なんですね。前作が全16曲中7曲が新曲だったことを考えると、ちょっと厳しいかな?とか、既出曲も矢口卒業「以前」と「以後」の曲が入り交じっていて大丈夫?とか、シャッフルのカバーがここにもあるよ‥‥とか、とにかく聴く前はいろいろ思うことがあったんですが‥‥とりあえずちゃんと聴いて判断しよう、そう思い、聴く前に過度の期待をすること、あるいは難癖つけることは止めました。

  で、実際にリリースから1ヶ月経ち、まぁここ半月程は全然聴いてなかったんですが(‥‥オイオイ)、今久し振りに聴いてみて、やはり最初に聴いた時と同じ感想を持ちました。そう、全然悪くない、むしろかなり良いのですよ。

  既出シングル曲に関しては言うまでもないでしょう。矢口在籍時の3曲、高橋加入後の4曲は勿論なんですが、意外にシャッフルのカバーが良かった気がします。"壊れない愛がほしいの" は高橋&加護をボーカル、辻&ミカをラップに分けた編成はまぁ仕方ないとして‥‥本家シャッフル以上にパートの多い高橋、必要以上に甘ったるい歌声の加護、彼女達の声が意外にハマっていたのが意外でして。"BE ALL RIGHT!" はちょっと本家よりもパンチが足りないんですが、違った見方をすればこれはこれで可愛らしいのでいいかな‥‥という気がしてきて(オイオイ)、なかなか味わい深いな、と。

  で、アルバム用の新曲がどれもかなり良い出来なんですね。ロック色の強い煽り系 "WASSUP? 遠慮がテーマ" は単純にカッコいいし、"CRAZY ABOUT YOU" からの流れがクールでかなり良い。で、そのまま "ミラクルルン グランプリン!" への流れもまた自然で良い。頭3曲‥‥いや、オープニングSEのサウンドコラージュから含めて、掴みはかなり良い出来だと思います。

  他の新曲も素晴らしく、ある意味ではミニモニ。的なんだけど新境地とも言えるだろう可愛らしい "ズキュンLOVE"、一方それとは対照的でクールな "LOST LOVE"、いい意味でミニモニ。らしくないR&B系バラード調の "ぎゅっと抱きしめて " 等、とにかく良い意味で我々の期待を裏切る作風ばかりで、聴いてて飽きさせない。如何につんく♂が本気でミニモニ。を使って遊んでるかが伺える一面ではないでしょうか。

  あと、アルバムの流れも自然ですよね。これだけごった煮感が強いのに、違和感なく自然な流れで聴ける。前作同様「音のおもちゃ箱」という意味ではかなり散漫なアルバムなんだけど、それを感じさせないのはミニモニ。の個性によるものなのか、単に俺の贔屓目なのか‥‥とにかく驚きの連続でした。前半に新機軸、後半に比較的従来路線&矢口在籍時の曲を固めたのも成功の要因かな。

  あ、そうそう。このアルバムの中盤とラストに "ミニモニ。ジャンケンぴょん!" のリミックス(1分~1分半程度のリミックス)が収録されてるんですが、タイトルがそれぞれ "黒ミニモニ。ジャンケンぴょん!"、"白ミニモニ。ジャンケンぴょん!" と、思わずQUEENのセカンドアルバム「QUEEN II」における『BLACK QUEEN SIDE』『WHITE QUEEN SIDE』を思い出してしまうんですが‥‥丁度2枚目ですしね、両方共。恐らく意図的なものだと思うんですが、こういった辺りにも製作陣の遊び心を感じますね。で、実際にこのリミックスが結構面白かったんですよ。是非フルで聴いてみたいなぁ‥‥

  ‥‥なんてかなり褒めてきましたが。けど‥‥そうはいっても、普通の音楽ファンはミニモニ。なんて聴くわけもないわけで、単なるネタの対象でしかないわけですよね。ええ、判ってますよ。判ってますとも。まさかこの期に及んでまだ「ミニモニ。いいよね~!」とか書く事になろうとは、俺も思ってもみなかったからさ。

  けどさ‥‥やっぱり、イイものはイイんだわ。最近のハロプロ系の盛り下がり振りから、このアルバムをスルーした人が多かったようで、実際惨敗ともいえる程のセールスしか記録できませんでした。今からでも遅くないからさ‥‥気になる人はチェックしてみてよ。他の人には薦めないよ。うん、無理に薦めない。いいよ、ファンアイテムでも。残念だけど、それが現実だもん。贅沢なファンアイテム。だからさ‥‥ちゃんと聴いてよ、ファンの皆さん。



▼ミニモニ。『ミニモニ。ソングズ2』
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投稿: 2004 03 25 12:00 午前 [2004年の作品, ハロー!プロジェクト, ミニモニ。] | 固定リンク

2003/12/27

ハロー!プロジェクト『プッチベスト4』(2003)

  というわけで、毎年恒例となった「プッチベスト」シリーズの第4弾。年々、当初の意味合いから少しずつ外れてきてるような気がしてたんですが、今年の「プッチベスト4」収録曲を見てもらえば判るように、完全に『YOUNG PERSON'S GUIDE TO ハロー!プロジェクト』の役割を果たしていないと思うんですよ。単なるオムニバス、今年リリースした曲の寄せ集め。しかも、現時点ではモーニング娘。以上に影響力を持っていると言っても過言ではない松浦亜弥と、2003年最も活躍したといえるであろう後藤真希の楽曲が収録されていない。多分、来年早々彼女達のアルバムがリリースされるからカットされた‥‥という政治的理由があるのかもしれません。同じような理由で安倍なつみもソロシングルではなくて企画モノの方が収録されている、等々‥‥不透明な部分が多々あるんですが‥‥まぁ2003年のハロープロジェクトを振り返るという意味も込めて、1曲1曲簡単にコメントしていきますか(何か今年の年末って、振り返ってばかりだな、ハロプロに関しては)。


●M-1:壊れない愛が欲しいの / 7AIR
  7月リリースのシャッフルユニットEPより。レビューはこちら。個人的にはやはり3組の中で一番テンション的に落ちるかな、と。けどどれもここ数年のシャッフルの中ではかなりレベル高い方なんですけどね。そんな中での3番手。あくまで俺の中でね。

●M-2:GET UP! ラッパー / SALT5
  同EPより。レビューはこちら。バックトラックが一番好きなのがこの曲。EPのバックトラック(カラオケ)で一番聴いたのが、実はこの曲。松浦がサードアルバムの中でこの曲をソロで歌うようだけど(既にライヴでは披露済み。ま、あの時は稲葉貴子とのデュエットだったけど)、これをひとりで歌うのはかなりキツイんじゃないか‥‥と。

●M-3:BE ALL RIGHT! / 11WATER
  同EPより。レビューはこちら。一般的に一番人気があったのがこの曲みたいですね。最も「モーニング娘。らしさ」を伝承してるのがこの曲なのかな、と。俺も好きですけどね。

●M-4:晴れ 雨 のち スキ♡ / モーニング娘。さくら組
  9月リリースの「~さくら組」名義のファーストシングル。レビューはこちら。時間が経ってみて気づいたけど、音がちょっと良くない気が‥‥シンバル系の音にちょっと難あり。ま、それが楽曲の良さに影響するとは思いませんけど。やっぱりバンドサウンドで聴きたかった1曲。

●M-5:愛の園 ~Touch My Heart!~ / モーニング娘。おとめ組
  9月リリースの「~おとめ組」名義のファーストシングル。レビューはこちら。これもリズム隊、生バンドにすべきでしたよね。江川ほーじんがあんなに素晴らしいベースを聴かせてくれているのに。勿体ないです。曲もホントに良かったのにさ。

●M-6:行くZYX! FLY HIGH / ZYX
  8月リリースのファーストシングル。レビューはこちら。"白いTOKYO" を聴いてしまった今となってはちょっと個人的に軍配は後者に挙がるんだけど、それでも今年のハロプロを代表するナンバーだと思いますよ。いろんな意味で今年は「キッズの躍進」の年だったんだな、と。"がんばっちゃえ!" から始まってたんですよね、全部(その曲を外した時点で、このコンピ盤の意味合いが弱くなってる気が)。

●M-7:SEXY NIGHT ~忘れられない彼~ / ROMANS
  8月リリースのファーストシングル。レビューはこちら。何だかんだ言われながらも、やっぱり好きです、全てにおいて。勿論、カップリング曲 "ロマン" の方がもっと好みなんですけどね。第2弾は本当にあるんでしょうか‥‥

●M-8:FIRST KISS / あぁ!
  10月リリースのファーストシングル。レビューはこちら。文句なしの名曲。普通にポップスとして十分機能してると思う‥‥だけに、現状に泣けてくる。一般層からも無視され、ヲタからも無視され。多分2~3年後に大絶賛されてるような気が。つうかここまでのアルバムの流れ、かなり良くないですか? 自分が作ったCD-Rとほぼ同じ構成なのでビビッたもん(自分の場合、この後にミニモニ。の "CRAZY ABOUT YOU" を入れるんですけどね)。

●M-9:浮気なハニーパイ / カントリー娘。に紺野と藤本(モーニング娘。)
  7月リリースの「~紺野と藤本」名義のファーストシングル。レビューはこちら。怪作とか迷作とかいろいろ言われたこの曲、今更的ユーロビート&パラパラサウンドが玉に瑕だと思ってたけど、やっぱりこのバランス感が良かったんだね。意外とあさみの声がこういう曲に合ってることにも気づかされたし(って今気づいたんですが)。

●M-10:チャンス of LOVE / メロン記念日
  5月リリースの9枚目のシングル。レビューはこちら。よりによって、何でこの曲選ぶかなぁ~? 普通 "赤いフリージア" じゃねぇの? (メロン的に)大ヒット曲ですよ!? アルバム未収録曲を選んだ結果だというのはよく判るんですが、このセンスの駄目さ加減がハロプロ及びアップ・フロント・エージェンシー最大の欠点なんだよね。

●M-11:WOW WOW WOW / プッチモニ
  お蔵入りしていた、第3期プッチモニのファーストシングルとなる予定だった曲。今回初出にして、このアルバムの売り要素。'03年正月ハロプロコン及び同年春のモーニング娘。ツアーにて披露されていたこの曲、やはりアレンジが少し変わってる気が。ギターが重厚になってるし(多分)‥‥気のせいかしら? 最初の印象だと、もっとチープなイメージがあったんだけど‥‥まぁチープには違いないんですが、それでも許せるチープさだと個人的には思います。全部ギターに誤魔化されてる気がしないでもないけどね。

●M-12:ミニモニ。数え歌~お風呂ば~じょん~ / ミニモニ。
  5月リリースの7枚目(ミニハムず名義を含めれば9枚目)のシングル。ゆきどんを除けば俺が今年唯一買わなかったシングル‥‥かな? ミニモニ。ものは買ったり買わなかったりなんですが、正直この曲に対しては俺、かなりの嫌悪感があったんですよ。子供相手のユニットであるミニモニ。というのは理解できるのだけど、いくらなんでもこれは子供をバカにしてないかい?という疑問があって。未入学児あたりなら受け入れられなくもないだろうけど、小学生がこれ聴いてどう思うか‥‥結局彼女達のCDを買ってくれるのって、大人のファンか、そういった小学生児童なわけでしょ? その人達が買って恥ずかしくない作品かこれは!?っていうね‥‥ちょっと度が過ぎるぞ、つんく♂よ、とずっと感じてたわけ。
  けどね、今回このアルバムで、初めてちゃんとしたCD音源で聴いてみると‥‥思ってた程悪くなかったんですよ。まぁ確かにこの歌詞はやっぱりないよな‥‥って気持ちは変わらないですが、バックトラックや曲自体には特に文句ないんですよね。むしろミニモニ。にしては普通過ぎるくらい。そして "CRAZY ABOUT YOU" を通過した後だからこそ、この振り幅こそミニモニ。なんだな、と改めて実感したわけです。まぁだからといってシングルを買ったりはしないでしょうけど。

●M-13:母と娘のデュエットソング / おけいさんと安倍なつみ(モーニング娘。)
  5月リリースの企画ものシングル。レビューはこちら。改めて聴くと、なっちの歌声が凄く良いんですよ。"22歳の私" や "ピ~ヒャラ小唄" での歌声や歌唱法って、レコーディング方法の影響もあるでしょうけど、とにかく「重い」んですよ。ベッタリしてるというか。それと比べると、ここで聴けるなっちの歌声、本当に楽しそうで自然体。俺がこの曲を評価してるのって、実はそういった所が大きく影響してるのかもしれませんね。そして、今後はそういった「安倍なつみ」をもっと観たい/聴きたいと思うんですけどねぇ‥‥アルバム、期待してます!

●M-14:GET ALONG WITH YOU / 中澤裕子
  5月リリースの8枚目のシングル。レビューはこちら。最近ステージからまた離れつつありますが、来年2月には早くも新曲が。ホントに、ホントーに、そろそろアルバムお願いします。いい曲があんなに貯まったじゃないですか!

●M-15:東京きりぎりす / 前田有紀
  7月リリースの4枚目のシングル。「zetima」移籍後初の作品。移籍したからってわけじゃないでしょうけど、今年からシャッフルにも参加してるから、その兼ね合いもあってアルバムにも初収録。過去にもライヴオンリーであか組4に参加した経緯があるんですが、それを別としても今回の参加は興味深いですね。そしてこの曲。中澤の演歌時代の曲と比べると、演歌度が低い気が。バックトラックが薄っぺらいのは仕方ないとしても、メロとかは意外とポップス/歌謡曲の範疇なんですよね。勿論、そっち方面を狙った作品だとは思うんですが。これなら確かに若い子がハロコンとかで聴いても口ずさめるわな。

●M-16:夏 LOVE ロマンス / ハロー!プロジェクト
  今回初出の楽曲。ハロプロ勢全員で歌っていること、バックトラックが夏っぽい(スチールドラムやウクレレが登場したり、タイトルにも「夏」の文字が)ことから、"OH! BE MY FRIEND" ではなくて本来は実はこっちがシャッフルEPに収録される予定だったんじゃないかな?という気がするんですが、如何でしょう? で、この曲。いいんですよね、全体的に。飛び抜けて素晴らしいとは言いませんが、如何にも河野伸らしいアレンジで、非常に好感が持てる1曲。ピアノがカッコイイですよね、特に。モーニング娘。のアルバム曲として聴きたかったかも。

●M-17:シャボン玉(asia mix) / モーニング娘。
  7月リリースの19枚目のシングルの、リミックス・バージョン。オリジナル・テイクのレビューはこちら。毎回お馴染みのリミックスですが、これまでは原曲のイメージを残しつつ味付けするといった作風が多かったんですが、今回はかなり解体/再構築して遊んでる気が。いきなり石川のセリフから始まる辺り、ちょっとした悪意さえ感じてしまいますよ‥‥いやいや、俺はこれ好きですね。自分でDJの真似事とかする時には是非使いたいと思います。


●総評
  というわけで、全曲駆け足で解説してきましたが、如何でしたでしょうか? こうやって1枚にまとまって聴いてみると、必然的に今年を振り返ってしまうわけですが‥‥やはり何度も言うように、2003年って‥‥特に中盤辺りから‥‥そんなに悪い年でもなかったような気がするんですよ。初頭はアルバム連発で、ちょっと厳しい楽曲も多かったりしましたが、結果良ければ全て良しじゃないですが、個人的には2002年以上に平均的に楽しめたかも。ただ、突出した楽曲がなかったのも今年の象徴ですね。去年でいったら "そうだ!We're ALIVE" だったり "Yeah!めっちゃホリディ" だったり "さぁ!恋人になろう" といったタイプの曲がね。全体的に "香水" とかその辺の流れに行きつつあるという。それはそれでいいと思うんですが、やはり多くの人は前者的な楽曲を求めてるようですし、バランス的にもそろそろそういった「大きな一発」が欲しいところ。

  で、やっぱり選曲的にはこれが正解とは思えないよなぁ。去年の「プッチベスト3」の方が選曲だったらまだ良かったように思うんですが‥‥これからハロプロ聴こうって人に対してはオススメしません。ある程度好きで普段シングルとか買わない人、ある特定のユニットだけ追ってて他のユニットには興味もなければシングル1枚も持ってない人とか、そういった人にはオススメできるけど。

  でもね、いざ聴いてみると‥‥普通に聴けちゃう。いや、カタログとしての意味合いは薄いけど、ただ鳴らしておく分には凄くいいアルバムだと思います。だっていい曲ばかりだし。真剣に聴く作品集ではないけど、まぁパーティーアルバムですよね。これで松浦の "ね~え?" と後藤の "うわさのSEXY GUY" か "スクランブル" が入ってたら文句なしだったんですけどねぇ‥‥

  というわけで2003年、「最後のハロプロ論」をお送りしました。おしまい。



▼ハロー!プロジェクト『プッチベスト4』
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投稿: 2003 12 27 12:00 午前 [2003年の作品, ROMANS, ZYX, あぁ!, カントリー娘。に紺野と藤本(モーニング娘。), ハロー!プロジェクト, プッチモニ, ミニモニ。, メロン記念日, モーニング娘。, 中澤裕子, 安倍なつみ] | 固定リンク

2003/11/22

ミニハムず(ミニモニ。)/プリンちゃん(安倍なつみ)『ミラクルルン グランプリン!/ピ~ヒャラ小唄』(2003)

ここ数年、年末の恒例行事となっているアニメ『とっとこハム太郎』映画版へのミニモニ。参加。映画自体にも「ミニハムず」というキャラクターで出演し、更にはその主題歌まで務めるようになり今回で3回目。前作ではモーニング娘。のメンバーも参加していたが、今回はミニモニ。の他に安倍なつみがソロで参加していることもあり、新作映画用に企画された「ミニハムず」名義のシングルにはその安倍のソロ曲(映画でのキャラクターとなる「プリンちゃん」名義だが)も同時収録され、ダブルA面的なスプリットシングルとなっています。

まぁアニメ映画用の企画盤だし……ってことで軽く流そうと思ってたんですが、ミニモニ。の方は相変わらず面白いと思い、安倍の方には「……??」と疑問を感じたので、思い切って取り上げてみることにしました。取り上げたら取り上げたで、一部の属性の方々は喜ぶでしょうしね!

まず「ミニハムず」の方。「ミラクルルン グランプリン!」というGS風味のコミックソング調……といったイメージの小曲。比較的初期のミニモニ。のイメージに近いかな?というのが第一印象。それとメロン記念日のシングル『チャンス of LOVE』のカップリングだった「夏」を思い出しましたね、曲調から。ちょっとオペラっぽいファルセットコーラスが入る辺りは従来のつんく♂らしさを感じるし、冒頭部でのラップとも呼べないような語り口調の歌やバカバカしいまでの歌詞、所謂「声ネタ」満載な点等、たった3分の楽曲の中にいろんな要素が詰まったという意味では正しく「従来のミニモニ。らしさ」を上手く表現した完成度かと思います。アレンジを担当した高橋諭一氏もさすが勝手が判ってるようですね。思いっきりやってくれてます、いろんな意味で。歌に関してですが、加護や辻も前作「CRAZY ABOUT YOU」で聴けたような大人っぽいイメージ皆無だし、高橋に関しては存在感が希釈。ミカが唯一奮闘してるようですが、個人が目立つというよりは「4人でミニモニ。」的なイメージが強いかも。ちょっと歌ってる姿がイメージできないんだけど(ま、ミニハムず名義の曲がステージで歌われることはまずないですからね、これまでも)、ちょっと観てみたい気がするわ、これに関しては。

で、そういった好印象なミニモニ。とは相反して、安倍の方の曲「ピ~ヒャラ小唄」なんですが……アレンジャーが小西貴雄という時点で嫌な予感がしたんですが‥‥やはりですか。あのチープなシンセ音、チープな打ち込み、バラード調……「22歳の私」の流れを組む1曲といっていいでしょうね。ただこれまでと違う点がひとつ。タイトルの「ピ~ヒャラ」にひっかけてか、ピッコロが使われていたり、その他にも弦楽器としてバラライカやマンドリンが導入されていて、ちょっとだけ「生」っぽさが加わってます。これまで安倍がメイン(あるいはソロ)を取ってきた曲をみてみると、モーニング娘。での「ふるさと」や「22歳の私」といった打ち込みメインのスローナンバーと、「せんこう花火」「トウモロコシと空と風」といった生バンド(生楽器)主体のアップテンポナンバーに二分されると思うのですが……この「ピ~ヒャラ小唄」の場合、全体としての印象は前者なんですが、生楽器を積極的に導入している点においては後者の要素もあるんですよね。

肝心の曲ですが……可もなく不可もなくといった印象。悪くはないけど、特別良くもない。前回の「22歳の私」の場合は曲としてはそこまで最高というわけじゃないけど(という意味では今回と一緒)、「ソロデビューシングル」で「卒業発表後」という要素が強く(俺の感情に)影響して、ご祝儀的に評価を高めに下しましたが‥‥今回の場合はちょっと……という気がします。確かに企画モノ、映画のシーンに合った曲を作り歌ったという観点からみれば全然問題ないわけなんですが、これを「安倍なつみのソロ活動」としてみた場合、やはり評価が厳しくなると思うんですね。特に曲がね……安倍がしっとりとしたバラードを歌う姿は確かに観ていて(聴いていて)気持ちいいですが、それにしてもメロディーが穏やかすぎて、例えば「ふるさと」みたいな盛り上がりに欠ける、とかいろいろ不満なあるわけですよ、個人的には。安倍は悪くないんだけど……どうもつんく♂は安倍に対してある種のパブリック・イメージを植え付けようとしてる気がするんだよね。そういうの、後藤真希の時に失敗してるわけだから、全然必要ない要素だと思うんですけどね……まぁ安倍自身が「モーニング娘。そのもの」というイメージがこれまでは強かったわけですから、それとは違ったイメージを大衆に持たせようという気持ちは判るんですが……俺だけじゃなくて、多くのファンが「せんこう花火」とか「トウモロコシと空と風」とか、それこそ『FACTORY』で歌ったブルーハーツ・ナンバーのアコースティック調とか、そういった要素を求めてるんですよ。これ読んでたら寺田さん、今一度考え直した方がいいですよ、マジで。彼女の歌手としての才能をわざわざ潰すような真似だけは止めてください、ホントに。

というわけで……ミニモニ。のシングルなはずなのに、気づけば安倍に大半を注ぎ込んでしまったわけですが。ま、それだけ俺は彼女の今後に期待してるってことですよ。実力/才能共に備えたシンガーだと思ってますからね、ええ。



▼ミニハムず(ミニモニ。)/プリンちゃん(安倍なつみ)「ミラクルルン グランプリン!/ピ~ヒャラ小唄」
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投稿: 2003 11 22 12:00 午前 [2003年の作品, ハロー!プロジェクト, ミニモニ。, 安倍なつみ] | 固定リンク

2003/10/16

ミニモニ。『CRAZY ABOUT YOU』(2003)

  ミニモニ。約5ヶ月振りの新曲は、過去最大級の問題作と言えるでしょう。だって「器(『ミニモニ。』という名前)だけそのまま残して、中身(音楽性やスタイル)をそっくりそのまま取り替えてしまった」んですから、そりゃおこちゃまだけではなくて、普通にハロー!プロジェクトに興味を持つ者なら誰もが驚いたはず。いや、驚いたというよりも、怒った人の方が多かったのではないでしょうか?

  これまでの「現代版童謡」かつ「世の中を舐めきった」そのスタイルとは相反する、非常にありがちなR&Bスタイルの楽曲‥‥所謂『つんく♂歌謡』と呼べるような路線に変化してしまったわけですよ、この "CRAZY ABOUT YOU" という曲の中で。

  しかし、その「ありがちなR&Bスタイル」、無駄にクオリティが高いんですよね。もしかしてこれ、ホントは他のユニットの為に作られた楽曲だったんじゃないの?って疑ってしまう程、バックトラックの丁寧な作りやメロの冴えが素晴らしいんです、カップリング曲 "恋愛一周年" 含めて。

  SPEED辺りが歌っても何ら違和感のないR&B調のその楽曲は、確かに過去のミニモニ。と重ねてみると非常に違和感を感じるものです。がしかし、本来ミニモニ。ってそういった『音楽のおもちゃ箱』的側面を持ったユニットだったはずなんですよ。少なくともアルバムを発表した時点までは。そりゃ『子供向け』というポイントは非常に重要な要素ですよ。ここにはそういった配慮は殆ど感じられませんし。でも、固定した音楽スタイルを取らない、守りに入らないという意味では今回のシングル、俺は前向きに評価したいと思ってます。

  大体ね、楽曲の出来がいいんだもん。貶しようがないよ。高橋愛シフトに完全に移行したかのようなこの路線、当然ながらメインで歌うのも彼女。それを脇で固めるのが辻希美の歌であり、加護亜依とミカのラップであると。勿論、加護やミカもポイントポイントで印象深いフレーズを歌っているんだけど、やはり耳に残るのは高橋の歌声。"ロックンロール県庁所在地" や "ミニモニ。数え歌" といった楽曲でいろいろ試したものの、結局はこういう路線に至ったわけですか。けど、これだって最終地点ではないでしょうし、今後もミニモニ。はいろんなタイプの楽曲にチャレンジしていくと思うんですよね。でなきゃ他のユニットとの差別化がどんどん難しくなっていくでしょうし(特に最近はZYXやあぁ!、ROMANSといったユニットもあるわけですしね)。

  同じように、カップリングの "恋愛一周年" も非常に素晴らしい出来でして。これなんてEE JUMPやソニンのアルバムに収録されてたとしても何ら違和感のないタイプの楽曲。あるいは後藤真希とかね(それだったら "CRAZY ABOUT YOU" だって後藤向きだよな)。何でここ最近、こんなにクオリティーが高い楽曲が連発するんですかね‥‥そりゃ、2~3年前の楽曲と比べれば落ちるのかもしれませんよ。けど、少なくとも昨年夏以降でここ最近の充実振りはちょっと目を見張るものがあるはずなんですけどね‥‥ま、その辺の感じ方は人それぞれでしょうけど。とにかく個人的には最近のこの手の路線は非常に好みの楽曲が多いんで嬉しいですね、素直に。

  こういった路線変更は確かに勇気がいる実験だと思いますが‥‥作品がどれだけ充実しようが、やはり世間の目は「ああ、売れなくなったから~」とか「子供が見向きしなくなったから~」なんて見るわけで。その辺はやはり両刃の剣となってしまうわけです。今度の楽曲が仮に大人に受けたとしても、それまでミニモニ。の人気を支えてきた低年齢層が離れていく可能性も高いわけで。その辺のバランスをどう取っていくかが今後の課題でしょうね。

  まぁ、あれですよ。俺はこの2曲、とても気に入っていますよ、と。これなら恥ずかしげもなくヘヴィーローテーションできますしね!



▼ミニモニ。『CRAZY ABOUT YOU』
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投稿: 2003 10 16 12:00 午前 [2003年の作品, ハロー!プロジェクト, ミニモニ。] | 固定リンク

2003/04/13

ミニモニ。『ロックンロール県庁所在地~おぼえちゃいなシリーズ~』(2003)

  2002年7月に発表された「ハロプロ構造改革」。そこではタンポポやプッチモニといったユニットに対するテコ入れだけでなく、ハロプロの中でも一番人気といえるであろうミニモニ。にまで手が及び、正直多くのモーヲタが「??」と思ったことでしょう。何故矢口じゃだめなのか? 何でユニットの創立者である(と一般的に認識されている)矢口が辞めさせられるのか?? その理由は今でも判らない。多分、5期メンバーを一般的に浸透させる為のテコ入れだったのでしょう(現に5期の4人はそれぞれタンポポ、プッチモニ、ミニモニ。に振り分けられたわけだし)。そう考えると‥‥納得いく、とはとても胸張っては言えないけど‥‥ならば、「矢口抜きのミニモニ。」が実際にどんなもんなのか、そのお手並みを拝見しましょう‥‥という、ちょっと意地悪な見方をしてしまう俺なわけでして。

  まず最初に、俺はミニモニ。の音源って昨年6月のアルバム「ミニモニ。ソング大百科1巻」以降買ってないし、昨年末に出た高橋やキッズを含む新曲やミニハムず名義のシングルもテレビやラジオ、ハロコンで聴く程度。そんな人間が今回の新曲を評価するという点をまずご理解ください。

  今回のシングルは、森高千里が過去に発表した楽曲「ロックンロール県庁所在地」のカバー。当然、つんく♂流の味付けが加味されてるわけで、本来ならここで原曲との比較をするべきなんでしょうけど‥‥この曲を聴いたのってもう7~8年も前の話で、しかも俺は音源持ってないんですよ。だから過去の記憶を辿って比較するしかないんですが‥‥比較的原曲に近いアレンジのように思いますが‥‥記憶違いだったりして。ま、アレンジャーがその森高も手掛けた高橋諭一ってのも大きいでしょうね。ただ、中~後期の森高に見られた「ローファイ感覚」がほぼ皆無で、もっとデジタルで、それでいて可愛らしいサウンドで表現されてますね。我々が「ミニモニ。サウンド」と言われて想像できる範囲内のサウンド、といったところでしょうか。ま、我々はミニモニ。に対して特に革新的なものを求めているわけではないので、これはこれでいいんじゃないかと思います。後は子供達がこれをどう受け入れるか?ですから、大人の俺達がああだこうだ言ったところでねぇ。

  カップリングには歌詞に関西弁を用いた"おしゃべりすきやねん"を収録。これもアレンジは高橋諭一。これまでのカップリングと比べればちょっとインパクトが弱いような気がしないでもないけど、きっとアルバムに収録されると「ああ、これはこれでありだな?」って思えるような‥‥そんな1曲。サウンド的にはちょっとマーチ風で、ノリとしては好きなんですけどね。あと、曲間に挿入される関西弁のセリフとか。「ミニモニ。ソング大百科1巻」での "あいらぶぶる~す" をちょっと彷彿させますね。ここ最近のつんく♂ワークスの中では意外と良い出来に入るんじゃないでしょうか(‥‥って自分で書いてて、どこまでが「良い部類」でどこからが「ダメ」なのかの線引き曖昧になりつつあるんですが)。

  でね。これら2曲を聴いて、ちょっと嫌な自分に気づいたわけですよ。脳内で高橋のパートを矢口の声に置き換えて聴いてる自分がいるわけですよ‥‥現実を受け入れられないアホな奴だ、と思われるでしょうけど、ちょっと嫌な言い方をしてしまうと‥‥これらの楽曲に対しては「別に高橋が歌おうが、矢口が歌おうがどっちでも構わない」と俺は感じた、と。つまり「高橋である必要性が感じられない」わけです。まぁカバー曲だから仕方ないじゃん、とか言い訳はいろいろあるでしょうけど‥‥例えばね、新生タンポポの "BE HAPPY 恋のやじろべえ" には紺野や新垣、メロン記念日の柴田が必要と感じるし、逆にこれを飯田や矢口が歌う姿ってのが俺は想像出来ないんですね。同じようにプッチモニに関しても、現在ライヴのみで歌われている新曲 "WOW WOW WOW" は正しく小川を含むメンバーを想定して作られているわけで、あれを後藤や保田が歌う姿をまた思い浮かべることが出来ない。つまりそういうことなんです。

  現在のつんく♂がかなり酷い状態なのはファンでなくてもお判りでしょう。だったらカバーで乗り切る。モーニング娘。の「ひょっこりひょうたん島」といい、今回の"ロックンロール県庁所在地~おぼえちゃいなシリーズ~"にしろ、その選曲センスは面白いと思うんですが、プロデュースにおけるアイディアまで枯れつつある現状を見ると、ちょっと切なくなるなぁ。どんなに周りから「相変わらず酷い糞曲」と言われてもいいから、折角高橋を含むメンツでの再デビューだったんだから、ちゃんとしたオリジナル楽曲で勝負して欲しかったなぁ、と。その1点のみが非常に残念でなりません。

  「高橋にとって折角の晴れ舞台なんだから応援してやれ!」って声もあるでしょうけど、あくまで俺は「音楽」について書いてみました。現時点での俺にとって、音楽を語るのに「萌え」とか「推しメンバー」なんて必要ないんです。自分にとって「良い」か「悪い」か、「好き」か「嫌い」か。それで十分。そういう点で語ると、このシングルは自分にとっては非常に中途半端なんだけど、嫌いではない。むしろ"ロックンロール県庁所在地~おぼえちゃいなシリーズ~"に関して言えば、ミニモニ。の楽曲の中でもかなり好きな部類に入る、とだけはちゃんと書いておきますね。ただ悪口書いてるように思われるのもシャクなので。

  5月には早くも新しいシングルが出ます。数え歌ってことですが、どういった遊びを音楽でやってるのか、そしてどれだけ高橋が活かされているのか(と同時に、最近急激に成長を続けている辻がどの程度フィーチャーされているのか)が非常に気になるところです。



▼ミニモニ。『ロックンロール県庁所在地~おぼえちゃいなシリーズ~』
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投稿: 2003 04 13 12:00 午前 [2003年の作品, ハロー!プロジェクト, ミニモニ。] | 固定リンク

2002/12/13

ミニモニ。『ミニモニ。ソング大百科1巻』(2002)

  2002年のハロプロは(その出来・不出来は別として)とにかく音源を出しまくりでした。2001年はオリジナルアルバムは年末のカントリー娘。「カントリー娘。大全集1」のみだったけど(それすらアルバム用の曲はたった3曲のみだったが)、今年のハロプロはちょっと違う。まず元旦に松浦亜弥が「FIRST KISS」を(11曲中新曲が7曲)、3月にはモーニング娘。が2年振りのオリジナルアルバム「4th「いきまっしょい!」」を(13曲中新曲は8曲)、そして6月にはミニモニ。が今年唯一のユニットでのオリジナルアルバム「ミニモニ。ソング大百科1巻」(16曲中新曲は7曲)をリリースしました(他にもタンポポやプッチモニもアルバムを出しましたが、あれは共にベスト盤だったので、ここではカウントしていませんし、ハワイアンアルバムも既発曲のリアレンジなので同様でした)。

  ご存じの通りミニモニ。は幼稚園児や小学生を中心とした低年齢層に大人気のユニット。正直、ここまで大きくなろうとは当のつんく♂でさえ考えてもみなかったのではないでしょうか。このユニットの大成功が、後のモーニング娘。本体だけでなく、ハロープロジェクト全体にまで低年齢化を進めたわけですから。

  そんな「子供相手の阿漕な商売」と思われがちなミニモニ。ですが、ここに紹介するアルバム「ミニモニ。ソング大百科1巻」が意外に‥‥いや、かなり楽しませてくれる内容だったのは、今年一番の驚きだったかもしれません。こんなに充実した、狂ったアルバムは今年だと他にPRIMAL SCREAM「EVIL HEAT」くらいでしょうか?(ミニモニ。なんかと比べるな!という声が聞こえてきそうですが)

  ドラムンベース的イントロが印象的なデビュー曲 "ミニモニ。ジャンケンぴょん!" なんて、ある種ビッグビートですからね。そんな似非ビッグビートから始まるこのアルバム、続くミニハムず名義の "ミニハムずの愛の唄" では四つ打ちテクノ有り、THE DOORS "Light My Fire" 的サイケなオルガンフレーズ有り、THE VENTURES "Diamond Head"的フレーズ(あるいは寺内タケシのエレキじょんがらか?)有りなごった煮似非テクノ、更に3曲目はハロプロ初のトランスナンバー "アイ~ン!ダンスの唄" ですから。ま、トランスといっても非常にavexトランスですけどね。更に続くは "ミニモニ。ひなまつり!"。オールディーズ風な空気感を持ちながらも、ビッグビート的なノリを持ってますからね。リズムの緩急はあるものの、頭4曲を現代的ダンスチューンの自己流解釈で固めた子供向けアルバム‥‥ある種、「テレタビーズ」と同等の暴力性を感じます。

  更にアルバムはLED ZEPPELIN並みに拡散方向へ進みます。憂歌団的ブルースナンバー "あいらぶぶる~す" では、各メンバーの関西弁を聴くことができます。ミカちゃんが関西弁ですよ!? もうこの時点で狂ってるし。それに続くは "アイ~ン体操"。日本人なら誰もが知ってるコメディアンを迎え、どこまでがマジでどこからが冗談なのか判らなくなるような音楽を繰り広げます。元々音楽に強い志村けんがつんく♂と一緒になって悪ふざけするわけですが‥‥正直この曲だけ判断に困ります。

  音楽的拡散は更に進み、7曲目 "ビタミン不足解消交響曲" ではアヴァンギャルドなジャズ、天才・永井ルイをアレンジャーに迎えた "春夏秋冬だいすっき!" ではBEATLES、E.L.O.、更にはCHEAP TRICKにまで手を伸ばしています。そして9曲目 "すき・すき・きらい・きらい・きらい・すき" ではジェームズ・ブラウンや和田アキ子も真っ青な極太ファンクチューンに挑戦。このテンションは正直、娘。のダンス☆マン・ナンバーに匹敵、いや、ある意味超越してます。

  テクノから始まった音楽の旅は「ダンスミュージック」の原点を辿るという意味でいろいろ拡散方向に進みながらも最終的にはJB的ファンクチューンにたどり着きます。そしてミニモニ。の音楽紀行は更に世界中へと‥‥10曲目 "ミニモニ。のでっかい旅" では応援歌的なマーチ、"お菓子の街" ではタンゴに挑戦。12曲目 "ミニモニ。テレフォン!リンリンリン" で再び独自の路線にたどり着き、そこから更に "ちっちゃなちっちゃな女の子" ではレゲエに進んでいきます。スペイン~東京~ジャマイカ。そして "ミニ。ストロベリ~パイ" ではロックンロール/ポップミュージックの聖地、リバプールへ‥‥全ての音楽を飲み込んだ巨大な存在、ミニモニ。の旅はいよいよ終わりに近づきます。子守歌のような "おはようさん~また明日の唄~" でチルアウトし、"ミニモニ。バスガイド" で旅のガイド役を務めたミニモニ。4人から終着駅に到着したことを告げられる‥‥そこは天国なのか、地獄なのか‥‥

  全てのロックンロール、全てのダンスミュージック、そしてあらゆるポップミュージックを飲み込んだミニモニ。‥‥矢口・辻・加護・ミカの4人だからこそ成せた奇跡。それがこのアルバムであり、このアルバムこそが'80年代以降の日本のミュージックシーンをダイジェスト版にしたものであり、ある人にとっては非常に興味深い優れた作品であり、またある人にとっては最も忌むべきアンチテーゼなのです。

  ‥‥そんな大袈裟なと思ったあなた。確かに大袈裟かもしれません。けど、正直なところ俺はそのくらい曲解してもいい作品だと思ってるんですよ、これを。ある人にとってはとても切実な作品であり、一部の人にとっては非常に暴力的な作品集である、と。それくらい評価されるべきアルバムですよこれは。



▼ミニモニ。『ミニモニ。ソング大百科1巻』
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投稿: 2002 12 13 12:00 午前 [2002年の作品, ハロー!プロジェクト, ミニモニ。] | 固定リンク

2001/11/26

タンポポ・プッチモニ・ミニモニ。・中澤裕子『TOGETHER -タンポポ・プッチ・ミニ・ゆうこ-』(2001)

  この1月末にリリースされ200万枚以上を売り上げた、今年出たアルバムの中でも間違いなく5本の指に入ったであろうモーニング娘。のベストアルバム、「ベスト!モーニング娘。1」。あゆやヒッキーは別格として、対抗馬はCHEMISTRYくらいじゃなかろうか? そう考えると、ベスト盤とはいえこの売れ方はちょっと異常かなと思えてくる。
  そんな「ベストでボロ儲け」してる中、二匹目のドジョウを狙うべく4月にリリースされたのが、娘。の課外授業といえる各ソロユニットの最新ヒット曲を集めた企画盤、「TOGETHER -タンポポ・プッチ・ミニ・ゆうこ-」である。収録されたのは話題の「ミニモニ。」、ユニットとしては最も古株の「タンポポ」、市井脱退後は路線変更で生き延びた「プッチモニ」、そしてこのアルバム発表前後に脱退した中澤裕子(当時は「~ゆうこ」と表記)の4組。案の定アルバムは1位を記録し、ミリオンには達しなかったものの、それに近いセールスを記録。これも勢いだろうか?

  さて‥‥娘。の課外授業だが‥‥個人的には母体よりも音楽センスが高い楽曲があったり、趣味に近いアレンジの曲があったりで、なかなか侮れない存在なのだ。市井在籍時のプッチモニがそうだったように、母体の娘。では試せないような遊び心やおふざけ感が高く、それは現在にも受け継がれているように思う。では、各ユニット毎にそれぞれの特徴を分析してみたいと思う。


●ミニモニ。

  言うまでもなく、"ミニモニ。ジャンケンぴょん!"がアホみたいに売れまくった、幼稚園児~小学生にとってのスーパースター。正直、あの曲を聴いた時は「バカにするのもいい加減にしろ!」と思ったものの、毎朝寝起きに「おはスタ」つけると流れてくるあのメロディーに‥‥やられました(苦笑)。ついでにミニモニダンスだって踊れます(涙)
  徹底的にエンターテイメントに固執した姿勢は、市井在籍時のプッチモニと同様のものを感じるが、ミニモニ。の方がもっと低年齢層向け。楽曲アレンジもどこか間の抜けた、チープなシンセサウンドを用いて「それっぽさ」を醸し出している。が、実際にヘッドフォンで楽曲を聴くと、意外なほどに緻密なアレンジが施されていることに気付くし、カップリング曲"春夏秋冬だいすっき!"にも同様の拘りを感じる。各楽曲アレンジャーが違うのだが("~ジャンケンぴょん!"はハロプロ御用達の小西貴雄、"~だいすっき!"はローリー寺西との活動経験もある「日本のジェフ・リン」こと永井ルイ)、特に後者の方は永井氏特有の'70年代ブリティッシュ・グラムや職人ポップのような味付けや演奏を楽しむ事ができる。

  何となくだが、ミニモニ。は‥‥短命に終わるような気がする。そりゃ、今後新メンバーを加えて若さと身長(笑)を保てばいいのかもしれないが‥‥逆に長続きされると、見てるこっちがしらけるような。子供の飽きは早い。活動期間が短いのなら、せめてその最後まで大人を舐めきった姿勢と楽曲で、我々をむかつかせて欲しい(笑)。


●タンポポ

  ソロユニットの中では一番最初に誕生(1998年秋)し、初期メンバーの石黒脱退後は飯田、矢口に加え4期メンバーの加護、石川を加えた4人編成で活動している。ユニットのコンセプトも当初「モーニング娘。よりも大人っぽい、コーラスワークを駆使したグループ」でファン層も10代をターゲットにした娘。よりも上の、20代のOL辺りを狙ったものだったそうだ。が、加護や石川といった10代前半の娘達が加入したことによって、そのコンセプトは変えざるをえなかった。結局、前述の永井ルイ氏に発注した4人編成初のシングル"乙女 パスタに感動"のアレンジが完成した時にそのコンセプトが「ロンドン」に変わったそうだ‥‥何だ、ロンドンって!?(笑)まぁ何となく理解できる‥‥この楽曲、思いっきりQUEENやBAY CITY ROLLERSしてるのだ。そういえば、この曲での彼女らの衣装もタータンチェックだったし。
  個人的な趣味で言わせてもらえば、この新生タンポポの音楽性が最も自分の趣味にフィットしている。つうか滅茶苦茶好みだ。新生タンポポ第2弾の"恋をしちゃいました!"もガールズ・ポップの王道中の王道、ど真ん中という名曲。俺内「2001年名曲ランキング」ベスト3入りしてるもん。そしてこのアルバムには入っていないが、先日(2001年11月)リリースされた新曲"王子様と雪の夜"もそれに匹敵する程の名曲だし(こっちの曲もアレンジは永井ルイ氏。つうかこの人のセンスはずば抜けて凄い。QUEENだとかELOを彷彿とさせるギタープレイやシンセのフレーズに、頬の筋肉が緩みっぱなしだもの/笑)。

  この甘ったるいアレンジが、加護と石川の声質にマッチしてる点がまた最強。出来上がった感のある矢口、飯田と比べ、発展途上の加護&明らかに歌唱力が低い石川の幼さ&危うさが、逆に切なさを増してるような気が‥‥って明らかに俺だけだろうけど、そう思ってるの(苦笑)。とにかくこの路線で行く限り、応援し続けようと思ってる。願わくば、永井ルイがオール・プロデュースしたタンポポのアルバムを聴いてみたいのだが‥‥


●プッチモニ

  ソロユニットとしてはタンポポに続いて登場したのが、このプッチモニ。当初は保田と市井、そして当時加入したての後藤という3人で、"LOVEマシーン"成功の煽りを受けてデビュー曲"ちょこっとLOVE"はミリオンヒットを記録。恐らくソロユニットとしては最も売れた楽曲なのではないだろうか? 市井時代のプッチには「バカっぽくて元気、それでいて女の子らしい可愛さ」があったように思うのだが、市井が抜けた後、4期メンバーの吉澤が加入した後のプッチは、吉澤のクールさを取り入れた「カッコいいプッチモニ」をコンセプトに"青春時代1.2.3!"をリリースし、再び成功を手にする。が、両A面曲である"バイセコー大成功!"‥‥これが曲者だ。市井時代以上にバカ‥‥いや、バカを通り越して「狂って」いるのだ(笑)。こりゃ最初聴いた時、笑った笑った。"ちょこっと~"はコミカル以前にまず楽曲の完成度の高さがあったわけだが、"バイセコー~"はまず実験ありき、といった姿勢を感じずにはいられない。一瞬、「へっ、プッチもQUEENを!?」とか錯覚したが、それは俺の間違いだった(苦笑)。"青春時代~"を聴いて「ああ‥‥」と嘆いた俺にとってこの曲は正しく救世主だったと言っていいだろう(笑)。何となく、"~ジャンケンぴょん!"のアイデアの原型がここにあるような気がするのだが、どうだろう?

  思うに、つんくはまだこの頃、キャラの確立されていない吉澤をどう売り出そうか迷っていたのではないだろうか? この振り幅の大きい2曲が同居するシングルを聴くと、そう思えてならない。そして「男らしいよっすぃー」というキャラ(笑)がある程度確立された2001年、"BABY! 恋にKNOCK OUT!"でダサカッコいい路線へと移行し、最新曲"ぴったりしたいX'max!"ではいよいよ初期のバカっぽさが完全復活している(そして楽曲アレンジも、初期のかわいらしさが復活している)。後藤のソロがクール路線を選んだこともあり、今後のプッチが再びこの路線で行くのなら、まだまだ楽しませてくれるのではないだろうか?


●中澤裕子

  娘。がまだデビューしたての頃に、いきなり演歌歌手「中澤ゆうこ」としてソロデビューさせられた(という表現が正しいのだろう)中澤姐さん。しっかりアルバムまで出し、演歌歌手活動に一区切りをつけた2000年夏に、歌謡ポップス"上海の風"で路線変更。これはハロプロ・シャッフルユニット「あか組4」での成功も大いに関係しているような気がする。また、前年末からの"LOVEマシーン"効果によって、中澤のソロでもある程度のセールスが期待出来るのでは?という事務所側の思惑も見え隠れする。結果、それ以後のソロシングルは全てトップ20入り(演歌時代はせいぜい演歌チャート1位が関の山だった)を果たす。

  既に脱退してしまった彼女の今後についてとやかく言うつもりはないが、どうせならつんくの元を離れて、これまで娘。が交わることはないだろうと思われてきた作家・プロデューサーと一緒に仕事をしてはどうだろうか? 最近ではメロン記念日の新曲が作詞作曲をつんく以外の作家が手掛け(つんくはプロデュースのみ)、話題となっている。まぁこの人の場合は別に唄わなくても食っていけるモノを持っているので、そんな心配は無用かもしれないが‥‥個人的には、線の細い声をしてるので、アコースティック系の楽曲で勝負してみては?なんて思う。ファンクラブ向けソロシングルでは、野村義男アレンジでピアノメインのバラードを披露したが、つんく作の人工的なサウンドではなくああいう「生っぽさ」を全面に出した柔らかい曲の方が、姐さんの声を活かせると思うし、普段のキャラとは別の側面を魅せることも出来ると思うのだが‥‥だったら俺がプロデュースしてみるか?(爆)


  ということで、多少妄想が入り交じった各ユニットに対する俺の分析を書いてみたが、結局アルバムのレビューとは少し違った方向に進んでしまった気が‥‥まぁいずれこういう文は他の項目で書いていただろうから、丁度いい機会だったのかもしれない。後はこの分析を読んで、興味のあるユニットの音源に手を出してみればいい。そのサンプラーとして、このアルバムが役立つだろうから(って書いて、どれくらいの人が反応するのかね?/苦笑)



▼タンポポ・プッチモニ・ミニモニ。・中澤裕子『TOGETHER -タンポポ・プッチ・ミニ・ゆうこ-』
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投稿: 2001 11 26 12:00 午前 [2001年の作品, タンポポ, ハロー!プロジェクト, プッチモニ, ミニモニ。, 中澤裕子] | 固定リンク