カテゴリー「市井紗耶香」の5件の記事

2002年5月 7日 (火)

市井紗耶香 in CUBIC-CROSS@赤坂BLITZ(2002年5月6日・昼公演)

※以下、2ちゃんよりコピペ。

市井沙耶香
  目が腫れぼったい、太ってる、禿げてる、メイクが変、
  おばさん臭い、オタク、世界的なアーティストになりたいと言い出す、
  1年半たってもキーボードを弾けるようにならない、
  留学したいと言ってたのに英会話学校をすぐやめる、
  タンポポのオーディションに落ちる、歌が下手

市井紗耶香
  さわやか、美形、おしゃれ、知的、みんなから愛されている、
  後輩の面倒見がいい、もうダンスで教えることはないと夏先生のお墨付きをもらう、
  プッチモニで大人気、歌が下手

※コピペここまで。

‥‥どうやら、俺が今日観たいちーちゃんは、「市井沙耶香」の方だったらしい。そういえばファンクラブから来たチケットの封筒にも「市井耶香」って書いてあったしな。


‥‥そんなんで納得できるかよ。正直、レポートする気にもならないし、冗談言える気分でもない。微熱ある状態で無理してまた東京まで行ってこれかよ。

  正直、たいせーが市井に言った「これまでの事を忘れて、ゼロからスタートする」みたいな言葉、あれは何だったんだろう。結局、ライヴのハイライトとなったのが「娘。メドレー」だったって‥‥ごめんなさい、俺はこの曲の途中でライヴ会場を後にしました。ライヴの途中で帰るってのは何度かあったけど、それは帰りの時間とか都合の問題だったのに‥‥ライヴの半分も観ずにブリッツを出た俺はそのまま地下鉄に乗って帰路に着くのだけど‥‥初めて、ライヴ観て悔し涙が出た。あんなライヴ、観るんじゃなかったって‥‥

  昨年のフォークライヴの時はああいうコンセプトだし、また復帰1発目、そして俺自身がハロプロ関係のライヴ初体験ってこともあって、かなり好意的に捉えていた。けど、あれから半年。ハロプロ正月公演を2度、あややのソロコンサート、そして1週間前には娘。の単独ライヴを4回も体験した。その後となれば嫌でも比べてしまう‥‥いや、出来るだけ比べないように努めた。だけど‥‥あれはやっぱりアイドルのコンサートだったし、市井自身は何も変わってなかった。そう、変わってなかったからこそ、辛かった。

  ここで不満をつらつらと書き連ねても始まらない。市井自身の人生はもう始まってるのだろうけど、俺はどうやらそれに乗り遅れたようだ‥‥どうやら、ここで一旦別々の道を歩んだ方がいいのかもしれない。


  ゴメンね、いちーちゃん‥‥


[SET LIST]
 (セットリストは2ちゃんより。実際に途中までしか観てないし)

01. 人生がもう始まってる
02. 或る日突然(トワ・エ・モア)
 [MC]
03. サルビアの花(早川義夫)
04. Rock'n Rouge(松田聖子)
05. 17才(南沙織/森高千里)
06. メドレー: ちょこっとLOVE(イントロのみ)
  ~ 恋のダンスサイト
  ~ 真夏の光線
  ~ ズルい女(イントロのみ)
  ~ ふるさと
  ~ Memory 青春の光
  ~ DANCEするのだ!
  ~ LOVEマシーン
  ~ ちょこっとLOVE
 [MC]
07. 空(市井アコギ演奏)
08. Lovin' You(Minnie Riperton)
09. Material Girl(Madonna)
10. 夢の中へ(井上陽水)
11. 勝手にシンドバット(サザンオールスターズ)
12. タイムマシンにお願い(サディスティック・ミカバンド)
 [ENCORE]
13. なごり雪(イルカ)
 [MC]
14. 人生がもう始まってる

2002年4月25日 (木)

市井紗耶香 in CUBIC-CROSS『人生がもう始まってる』(2002)

  2001年11月にこのフォークカヴァー集「FOLK SONGS」をリリースし、シーンへの復帰を果たした市井紗耶香。その後、プロデューサーであるたいせー(シャ乱Q)と共にユニットを組んで正式再デビューする事がアナウンスされたが、なかなか続報が入ってこなくてやきもきしたが、ようやく3月に入るか入らないかの頃になって「4月にシングル発売決定」との一報が飛び込んできた。そして気付けば2人組から3人組になり、名前も「市井紗耶香 in CUBIC-CROSS」に決定。当初の「シンガーソングライター云々」という目標は完全に黙殺される形となった。

  というわけで、我らがいちーちゃんの本格的復帰作"人生がもう始まってる"なのだが‥‥現時点でオリコンのデイリーチャートで初日7位、2日目10位とまずまずの成績を残している。「FOLK SONGS」が8万枚のセールスを記録したが、じゃあシングルも8万枚行くかというと‥‥単純にそういうわけでもない。実際、CDが売れないこのご時世では10万枚でも売れたら万々歳なのだから。タンポポの前回のシングル「王子様と雪の夜」でさえ10万枚行くのがやっとだったのだから。これは俺の完全な読みでしかないのだが、ウィークリー10位以内は厳しいんじゃないかと。15位、良くて12位程度じゃないかな? 枚数的には5万枚‥‥ぶっちゃけてもっと言えば、メロン記念日程度(1~2万枚)売れれば上出来かなぁ、くらいにしか思ってないわけで。

  というのも、やはり曲の出来が酷すぎ。テレビやラジオで初めて聴いた時から心のどこかでそう感じていたのだけど、それを認めたくない自分との葛藤があったりで。それにしても、CDのクリアな音源で聴けば聴くほど萎える。いきなりなんちゃってELTか、それとも質の悪いアニソンか、はたまた林原めぐみのコピーか‥‥って感じで。たいせー才能なさすぎ。プロデュースはまだしも、アレンジまで奴ってのは‥‥はたけが全くダメだったように、シャ乱Qの中ではやはりというか、どう考えてもつんく♂が2~3歩抜きん出てたようで。つうか2002年じゃなくて1992年だったらヒットするサウンドなんだろうけど‥‥こりゃないだろ!?っていうサウンドプロダクション。ピッコロタウン(いちーちゃんの今回のレーベルね)って本当に金儲ける気があるのか!? 普通稼ぎたかったらもっと投資するんじゃない? それとも最初から「まぁ失敗してもいいように、最初はこのくらいで‥‥」とか躊躇したの? 今時、この程度の打ち込みだったらパソコンとソフトと音源さえあれば誰でも作れるよ!?

  それに対するいちーちゃんの歌唱力も「FOLK SONGS」と比べても、そんなに向上したとも思えなかったし。モーニング娘。時代のいちーちゃんを崇拝する旧ファンの幻想というか思い込みなのかもしれないけど‥‥やっぱり「ちょこっとLOVE」(プッチモニ)や「青いスポーツカーの男」(青色7)をピークとすると、それ以降‥‥1年半のブランクを境にして、どんどん下ってるような気がするんだよねぇ‥‥と最初は思ったんだけど、要するに娘。時代はつんく♂という名プロデューサーが傍にいたわけで、ご存じの通り彼の歌唱指導ってのはもう尋常じゃない世界なわけで。先日「HEY!×3」につんく♂プロデュース曲で出演した上沼恵美子でさえも、その唄い方につんく♂の影が見え隠れしたわけで。要するに、プッチや娘。でのいちーちゃんというのは、つんく♂が与えたヒントやサジェスチョンを上手い具合に飲み込んだいちーちゃんだったわけで。と、結局ここでもプロデューサーとしてのたいせーの力量を感じてしまうわけで。まぁゼロからスタートするって意味では、これは「市井紗耶香というシンガー」の今後にとって非常にいいことなのだと思うけど。

‥‥と酷評してばかりじゃ何なので、いい所にも目を向けてみよう。いちーちゃん作詞のカップリング曲"空"だが(って何だか長渕剛の曲みたいなタイトルだな、こりゃ)、こっちはとても安心して聴ける1曲となっている。打ち込み主体のタイトルトラックとは真逆の、生ドラムにアコギメイン、ミディアムテンポのじっくり聴かせる曲で、いちーちゃんの歌自体もこっちの方が丁寧に唄っているせいか安心して聴ける。正直インパクトはないけど、こっちの方がA面向きじゃないかなぁとか思ったりして(って最初はこっちをA面としてリリースするつもりだったんでしょ?)。そういう意味ではたいせーの読み、悪すぎ。やっぱり才能なさすぎ。凡人だよ。

  結局何が言いたいのかというと、これは売れるべき曲ではないということ。彼女の復活を2年間待った人には申し訳ないけど(って俺もそのひとりなのだけど)、俺はこんな歌を聴くために2年も彼女の復活を待ったんじゃない。市井紗耶香という「アーティスト」(と、あえてこう言わせてもらう)が娘。やプッチ、シャッフルユニットでのセンターを経て、ピークへと登り詰めようという時期に脱退してしまったために、実際のところ、いちーちゃんの本当の実力ってのは我々にも計り知れないところがある。だからこそ、我々ファンは過剰な期待を彼女にぶつけてしまうのだけど、それは酷なことなんだろうか?

  既に7月上旬にはセカンドシングルのリリースも決まり、5/6からは早くのファーストツアーがスタートする。持ち曲が2曲しかないのに1時間半のライヴって‥‥何もかもが空回りしてるような気がするのは、俺だけ!? とにかく、次は俺をいい意味で驚かせてくれよな、いちーちゃんよぉ!(この際たいせーは最初からいなかったことにしよう)



▼市井紗耶香 in CUBIC-CROSS『人生がもう始まってる』
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2001年12月12日 (水)

市井紗耶香 with 中澤裕子 -FOLK DAYS-@SHIBUYA-AX(2001年12月10日・夜公演)

  17時半に会場を追い出され、中では清掃等の整備が始まる。再び開場になるまでしばしコーヒータイム‥‥と呑気な事言ってられない程、寒い。マジで死ぬかと思った。身体が芯から冷え切って、息を吐いても白くならない‥‥死ぬのか、俺は!?(爆)

  1回目が30分遅れだったように、夜公演も入場スタートが18時半頃になってから。夜公演は「B500番台」だった為、更に30分以上外で待たされ、19時になった頃にフロアへ到着。もう前の方へは行けないだろうな‥‥と思ったら、たまたま入ったところが良かったらしく、さっきよりはちょっとだけ前で観れることとなった。今回は前回と反対側の左側‥‥市井側で観る。俺の隣には収録用のカメラがあって、覗き込むとモニターが確認できるので、市井や姐さんの顔のシワまで確認出来る、至れり尽くせり状態(笑)

  で、2回目なのだけど‥‥選曲や運びといい、MCの内容まで殆ど同じだった。だから特筆すべきこととなると‥‥1回目終盤喉が辛そうだった姐さんが回復してて、更に声が出てて、ピッチも最初からピッタリだった点。これは驚いた。娘。時代に1日2公演、3公演とか経験してる人だけどさ、ここまでフルで唄ってはいないわけだし、唄う比率は明らかに今回の方が高いにも関わらず、この好状態。これもミュージカル効果か?

  そうそう、これは書いておかなければ。アンコール1回目、"ふるさと"を唄い終えた後のMCにて。さっき同様、ここで再び戻ってこれた事に対する喜びと、待っていてくれたファンに対する感謝の言葉が述べられる。本当に嬉しかったです、と。そこへ姐さん、「私は、紗耶香が本当に戻ってきてくれた事が一番嬉しかったよ」と呟く。その瞬間、市井の顔が歪む。思わず泣き出してしまったのだ。それを観て俺ももらい泣き(苦笑)。畜生、まさか俺まで泣くとは。

  更に姐さんも、この日何度か「いろんな仕事を今年はやらせてもらったけど、やっぱり私は歌が好き。歌を唄える事が一番楽しいし、幸せだと思う」と漏らしていたが、"翼をください"を歌い終えた瞬間に、彼女も感極まって顔を歪めていた。本当に、本当に嬉しかったんだろうな‥‥娘。時代には味わえなかった満足感を、この日は十分味わったはず。そのお陰で、俺も姐さんに対する見方も変わったし。

  最後は1回目にやらなかった、バンドメンバー全員がステージ前方に並んでお辞儀。市井と姐さんは最後の最後まで、何度も何度も手を振って、名残惜しそうに袖へ戻っていった。この瞬間、丁度21時。正味100分に渡るライヴ×2公演の全てが終わった。

  モーニング娘。のライヴとは全く違うものだったのは言うまでもないが(とは言っても実際に体験した事はないわけで、ビデオでしか観たことないのでそれと比べての話)、とにかく「歌」ありきのライヴだった。娘。のように激しいダンスがあるわけでもなく、衣装で魅せる内容でもなかった。「歌」で繋がっていたふたりの、もの凄く力強い「ポジティヴ」を我々は受け取った。市井がこういう形で復帰した事に対して疑問の声が挙がっているのは知っている。実際、俺にも多少なりそういう感情はあった。けど、この日のライヴを観て、これは間違っていない、こういう形で再出発した事は正解だったと胸を張って言いたい。「芸能人」ではなく、「歌手」になりたかったふたりの、原点回帰と言える1日だったのではないだろうか。きっと来年からの市井、そして中澤姐さんの歌手活動に、この日のライヴは何かしらの影響を与えるだろう。もっと自身を持っていいと思う。そう言えるだけの内容だったのだから。

  最後に、これはモーヲタだとかロックファンだとか、そういうのを関係なく言いたい。まずそこに歌があって、それを唄う人間がいる。その歌い手がジョン・レノンだろうが市井紗耶香だろうが、俺にとっては同列なのだ。表現の仕方や力量の違いはあるものの、「いい歌があって、それを聴かせる歌い手がいる」という事には何ら違いはないのだから。その根本にあるものを忘れずに、これからも「音」を、そして「歌」を「楽」しんでいきたいと思う。


[SET LIST]
01. この広い野原いっぱい
02. 恋人もいないのに
03. 待つわ
04. あ~よかった
---MC---
05. かもめはかもめ(姐さんソロ)
06. 二人暮し(姐さんソロ)
07. サルビアの花(市井ソロ)
---MC---
08. なごり雪(市井ソロ)
09. ルージュの伝言(市井ソロ)
10. 木綿のハンカチーフ(姐さんソロ)
---MC---
11. 或る日突然(市井&ばんば)
---MC---
12. 秋止符(堀内:リード、ばんば&市井&姐さん:コーラス)
---MC---
13. 君の瞳は10,000ボルト(同上)
14. 夢の中へ
15. 白い色は恋人の色
---ENCORE---
16. ふるさと(娘。カバー)
---MC---
17. 翼をください
---ENCORE---
18. 恋人はサンタクロース

市井紗耶香 with 中澤裕子 -FOLK DAYS-@SHIBUYA-AX(2001年12月10日・昼公演)

  ぶっちゃけた話、最初は行く気はなかった。だっていくら「元」とはいえ、そこは「モーニング娘。」だった人、絶対にチケット争奪戦になるのは判っていたし(しかも熱望された復帰だし)、それに‥‥正直、モーヲタの皆様と同席するのも何かなぁ‥‥と消極的になっていたのも事実。

  が、発表からチケット発売まで日が経つにつれ、当初の気持ちとは裏腹に「どうしてもこの目で見たい」という気持ちが勝ってしまい、それと同時に自身も「モーヲタ」と化してしまっていたという泥沼状態(笑)。多少の躊躇はあったものの、もう怖いものなし状態に突入しつつあったので、何がなんでもって気持ちでチケットをゲットした(しかもヤフオクまで使って全2公演押さえる力の入れよう)。

  ライヴ10日前にアルバムがリリースされた。正直、たじろいだ。「だ、大丈夫なのか、市井ちゃんはよぉ?」と。1年半のブランクは、こんなにも大きいものなのか? と同時に、決して隠居していたわけじゃない中澤姐さんまで‥‥ライヴへの不安要素が、最も核となる「歌」だったというのも、如何なものだろうか?(苦笑)

  まぁ観たまんまの感想を書いていこうと思う。まずは1回目の昼公演から。入場時間が約30分近く遅れ、急激に寒くなったこの日は日中でも肌を刺すような冷気で、身体がガタガタ震えていた。しかも自分の整理番号は「B300番台」‥‥Aが800番台まであるらしいので‥‥結局、入場までに更に30分近く要し、結局開演予定時間にフロアへ‥‥おいおい、冗談だろ!? 先日のエレカシが嘘のように、後ろの壁まで人でギュウギュウだ。こんなライヴハウス、観たことねぇぞ!?って位に人、人、人。ミキサーを囲う金網にまでへばりついてる奴らもいる。とりあえず俺は、出来るだけ前へ移動しようとしたが、結局ステージ向かって右側、ミキサー卓の脇辺りを陣取る。段差が付いているとはいえ、かなり前が見えにくい状態。普段女性客が多いライヴにばかり足を運んでいたが、今日の客層はご存じの通り。が、意外と女性も目に付いた。1割いたかどうかは疑問だが、とにかく結構高校生以上の女の子~OLさんぽい人までいた。映画「ピンチランナー」で市井が着ていたジャージのコスプレをした女の子もいれば、「恋のダンスサイト」衣装を着た男の子(爆)もいる。あ、「ちょこっとLOVE」の水色パーカー&ホットパンツの娘もいた。かなり寒そうだったが。

  客入れのSEはカントリーだった。フォークライヴなのにカントリーかよ‥‥と思いながら開演を待つ。ステージ上には両脇にキーボードが各1台、中央にドラムセット。その両脇にギターアンプがある。エレキとアコギのサウンドチェックをしてたので、どうやらギタリストはふたりいるらしい。そしてベース‥‥6人編成バンドのようだ。フォークのわりに大所帯だなぁ‥‥まぁアルバムを完全再現するんだろうけどさ。ステージとフロアの間には薄い、透ける横断幕のようなもので仕切られていた。ちょっとALICE IN CHAINSの初来日を思い出したよ。

  さて、ようやく暗転し、幻想的なシンセサウンドが会場を包む。アルバムの冒頭をアレンジしたようなストリングス系の音を、ヲタ共の「さっ、やっ、っかぁ~!」コールが引き裂く。そしてステージ上にバンドメンバーが現れ、準備を始める。一通り準備終了した後に、更にステージ中央に人影がふたつ‥‥それまでのメンバーと比べれば小柄で、明らかに女性だというのが判った。いよいよだ‥‥シンセの音がそのままアルバム冒頭の"この広い野原いっぱい"へと続く。その音に合わせて市井が唄い出す。直線的な、クセの強くない彼女の歌声が会場内に響く。思ったよりも力強かった。そしてバンド全体が演奏に加わった時点で、例の横断幕が落ち、我々の目の前に市井紗耶香が登場する。ステージ向かって右側が中澤姐さん、左が市井だ。アルバムでは結構不安定だった市井のボーカルも、思ったよりも力強くて安心して聴いていられた。きっとレコーディング終了時点から反省点を生かして、練習に練習を重ねたのだろう。唄い込んだ事によって、感が戻ってきたのかもしれない。最初の2曲は市井がリードで姐さんがハーモニーをつける形で進む。が、姐さん。ピッチがずれてる‥‥聴いててちょっと気持ち悪く感じる瞬間が結構あった。テレビとかでもフラット気味で唄ってる事が多く、前半は「??」と思うことが多々あった(が、ソロで唄った辺りからエンジンがかかり始め、その後は特に気にする程ではなかった)。1曲唄い終えた後に、市井が「ただいま~!」と挨拶。大歓声、いきなりジンときてしまった。

  "待つわ"や"あ~よかった"はふたりでパートを分け合って唄う。特に後者はアルバムでは地味な印象のアレンジだったが、ライヴでは原曲に比較的近いアレンジに修正されていた。中盤のブリッジでのふたりの掛け合いも結構迫力があって、この日の聴き所のひとつとなった。

  その後MCが入り、ふたりで過去の娘。時代の幻のユニットについての話やたいせーについて触れた後、中澤姐さんコーナーへ突入。姐さんもそのままひとりでMCを続ける。夏のハロプロライヴでちょっと唄ったけど、実質本格的なライヴは娘。卒業の4月以来なので、前日から緊張していた、とか。ライヴハウスで唄うのは初めてなので、ド緊張してた、とか。そうか‥‥きっと冒頭のフラットは緊張からきたものなのかもしれない。

  そしてアルバムにも収録されている"かもめはかもめ"を披露。アルバムではちょっとヤバめな箇所もあるにはあったが、この日のライヴではすごくいい感じにキマッていた。いやらしくならない「艶っぽさ」は娘。では感じられない要素。この日の姐さんは自身の持ち味を思う存分発揮したと思う。それは続く自身の持ち歌"二人暮し"で更に浮き彫りに。たいせーがリアレンジした「ピアノ+ガットギター」バージョンは、彼女の儚く切ない唄い方にピッタリなのだ。正直、俺は姐さんの歌には何も期待していなかったのだけど、このライヴを通過した事によってかなり見方が変わった。やっぱりこの人、つんくと一緒に仕事してちゃダメだ。もっと外に出てっていろんなプロデューサー/ソングライターと仕事しなきゃ。かなりの人見知り屋らしいが、外に出ることを恐れちゃいけない。この人の魅力、まだ完全に出切っていないのだから。

  ここで衣装替えした市井とバトンタッチ。姐さんが引っ込み、ワルツのリズムに合わせて名曲"サルビアの花"が唄われる。姐さんと違って、少年のようなストレート歌唱。これを「下手」ととるか「素直」ととるかで、彼女への評価はかなり違うものになるだろう。俺は、こういったフォークの名曲群‥‥エヴァーグリーンと呼ばれるような楽曲に対して、彼女がこういう唄い方を選んだ事を支持するつもりだ。娘。の頃みたいなコミカルな唄い方だって出来る人なのだから。それに、市井はまだ「自分探し」の最中でもあるのだから。ここで出来上がってしまっては、今後が面白くない。まだまだ先は長いのだし、焦ることはない。外野が何を言おうがマイペースで、「これだ!」と胸を張れる「市井紗耶香スタイル」を見つけて欲しい。

  唄い終えると、市井がMCを始める。来年1月に写真集が出る事や、来春にはたいせーとユニットで再デビューする話など、初めて聞く話題から既に知ってる話題まで、とにかく「これからの市井は走り続けるので、みんなついて来てね」この一言に尽きるだろう。1年半の休憩後、彼女はやはり走る事を選んだ。けど、娘。時代のような「なりふり構わない/周りが見えてない走り」から、「余裕を持って、走る事を楽しむ」姿勢へと成長した彼女がそこにはいる。大丈夫だ、きっと彼女は更に飛躍するだろう。そんな彼女が「この曲は自分にとっても思い入れがある、大切な曲。この曲を皆さんに捧げます」と言って始まったのが、"なごり雪"。確かにファンにとっては「市井の復活」こそが「春」なのかもしれない。けど、俺にとっての「春」はまだお預け。焦ることはない。

  2曲続けてスローテンポの曲が続き、急に照明が明るくなる。アップテンポの曲のスタートだ。姐さんが衣装を替え後方に位置し、"ルージュの伝言"が始まった。アルバムには入っていないユーミンナンバーだ。姐さんはバックアップコーラスに回り、完全に市井の独壇場。こういう曲が市井には一番似合ってるな。やはりボーイッシュで元気な印象が強い分、こういう明るくてポップな曲の方がさっきのバラードよりも魅力的に感じられた。リズムの取り方が娘。時代と何ら変わってなくて、ちょっと微笑ましかったな(娘。の「真夏の光線」でのリズムの取り方、あれと一緒だった)。
  続いて今度は姐さんがフロントに立ち、市井が後方でタンバリンを持ってコーラス。"木綿のハンカチーフ"という意外な選曲。姐さんの声がまたこの曲にピッタリ。太田裕美と声が似てると思ったのだが、どうだろう? 彼女自身、初めて演歌でソロになった時、キャンペーンでよくこの曲を唄っていたそうだ。だから唄い慣れてるってのもあるのだろうけど、これまでのどの曲よりもハマッた。

  ここで一段落。アルバムにも参加してる人がゲストで来てるらしい。そして紹介されたのは、ばんばひろふみだった。「最初、この話をいただいた時、市井の事を知らなかった」とか「レコーディングスタジオに行った時、市井が『おはようございます』と挨拶しに来てくれたが、てっきりバイトの女の子だと思った」というファンにとっては顰蹙モノのMCの後、アルバムでもデュエットしてる"或る日突然"を披露。市井が急に緊張気味に。気心知れた姐さんと違って、さすがに大先輩を前にしては市井も怖じ気づいてしまったのか、急に声が小さくなったような気が‥‥単にばんばの声量があるだけか。そうそう、市井の声量がちょっと弱いかな、ともこの日は感じた。姐さんが気怠い感じの唄い方のイメージあるけど、実際には相当声量があったし(これもミュージカルをこの1年に2回も経験した賜物だろう)。ちゃんとボイストレーニング、やってたんだろうか?

  そして更にゲストがいるとの事で、紹介されたのが堀内孝雄。要するにふたりとも事務所の大先輩って事か。軽くオヤジギャグを挟んで、アルバムにも収録されているアリスの"秋止符"を、この日は大先輩を立てて市井はコーラスに回り、堀内がメインで唄った。それまでの「ライヴハウス」感覚が急にここで「NHK・堀内とばんばの、ふたりのビッグショー」状態になってしまったのは言うまでもないだろう。更に堀内は持ち歌をもう1曲"君の瞳は10,000ボルト"も熱唱し、「2回目もヨロシク!」と残しステージを去った。ここでMC込みで結構な時間を食ったなぁ。

  そのままの勢いで、アルバム未収録の井上陽水"夢の中へ"で盛り上げ、バンドメンバー紹介を挟んでフィナーレへ。続けて本編最後の曲"白い色は恋人の色"へ。アルバムよりもアップテンポで盛り上げ系アレンジになっていた‥‥ような。既にこの頃には俺もヒートアップして、我を忘れていたので(笑)正確な記憶が‥‥気付けば熱狂の中、市井と姐さんはステージを去っていた。あっという間だった。勿論、アンコールを求める大きな拍手と紗耶香&裕子コールが会場を包む。

  アンコールはモーニング娘。のセルフカバーとなる"ふるさと"。アルバムでは頼りないイメージが強かったこの曲も、更に練習したのか、かなり聴けるようになっていた。特にコーラスが工夫されていた‥‥というよりも、娘。バージョンのコーラスになっていただけだが。その方が違和感なく聴けて、こちらとしても嬉しかったな。この曲は娘。の曲の中でもかなり難しい部類の曲なのだが、ふたりはよく頑張ったと思う。そして、唯一選ばれた娘。の曲がこの"ふるさと"でよかったなぁとも思った。

  ここで再び戻ってこれた事に対する喜びと、待っていてくれたファンに対する感謝の言葉が述べられる。そして13人になった娘。同様、今後も市井と姐さんは走り続けていくので、今後も応援ヨロシクと締めて、そのままアルバムラストの"翼をください"へ。どうやらこの曲で終わるようだ。頭と最後はアルバムと同じ構成。盛り上げ方としてはかなりよかったな。ちょっと姐さんの喉がキツそうかなぁ、と感じる瞬間があったものの、そこまで気にする程でもなかった。感動の嵐の中、ふたりはステージを後にした。最高だ。もうここまできたら俺、モーヲタでもなんでもいいや。いいもんはいい、それだけだよ。

  これで終わりと思われたが、それでも拍手や歓声は鳴りやまず、そして客電も付かないまま。もしかしてダブルアンコールなのか? 時計に目をやると、既に17時を大幅に回っている。次の回の開場時間は18時‥‥夜公演もどうやら多少ずれ込むようだ。

  そんな事を考えていたら、急にステージが明るくなり、サンタの格好をしたふたりが‥‥か、可愛い‥‥(爆)そして「みんなへのクリスマスプレゼント」と称して、この日2曲目のユーミン"恋人はサンタクロース"を我々に送ってくれた。この曲は前半キーの低いパートがあるのだが、市井はまだいいけど、姐さんがキツそうだったな。まぁサビになるとふたりとも、かなりいい感じなんだけどさ。やっぱり市井にはこういう曲がいいな。たいせー、頼むよ(笑)

  結局17時半近くになってライヴは終了。さすがにこの後もあるせいか、終わりは淡々としたものだった気が。まぁ俺はもう1回観れるから気にはしないが。


[SET LIST]
01. この広い野原いっぱい
02. 恋人もいないのに
03. 待つわ
04. あ~よかった
---MC---
05. かもめはかもめ(姐さんソロ)
06. 二人暮し(姐さんソロ)
07. サルビアの花(市井ソロ)
---MC---
08. なごり雪(市井ソロ)
09. ルージュの伝言(市井ソロ)
10. 木綿のハンカチーフ(姐さんソロ)
---MC---
11. 或る日突然(市井&ばんば)
---MC---
12. 秋止符(堀内:リード、ばんば&市井&姐さん:コーラス)
---MC---
13. 君の瞳は10,000ボルト(同上)
14. 夢の中へ
15. 白い色は恋人の色
---ENCORE---
16. ふるさと(娘。カバー)
---MC---
17. 翼をください
---ENCORE---
18. 恋人はサンタクロース

2001年12月11日 (火)

市井紗耶香 with 中澤裕子『FOLK SONGS』(2001)

  企画盤とはいえ、「モーニング娘。」関係のアルバムでシングル・コンピレーション以外のフルアルバムがこうやって世に出るのは、もしかしたら2000年3月の娘。サードアルバム以来じゃなかろうか? とにかくそれくらい「久し振りにフルで聴く、初めて耳にする楽曲群」が沢山詰まった1枚。しかもそれを2000年5月に娘。を脱退した市井紗耶香と同じく2001年4月に脱退した中澤裕子のふたりで作っているのだから、非常に興味深い。

  2001年10月に市井の歌手活動再開及び11月にこのフォークカヴァー集をリリースする事、そして12月にはそのアルバムを引っ提げた初ソロライヴ(しかもライヴハウスで!)を行う事、更には来春には今回のプロデューサーでもあるシャ乱Qのたいせーと共にユニットとして本格的にデビューする事等が発表された。

  というわけで、今回発表された市井紗耶香復帰作は、あくまで「プレデビュー」作、今後彼女がどういう方向に進んでいくか、そしてたいせーが彼女にはどういった曲・メロディー・キーが合っているのかを確認する為の「はじめの一歩」に過ぎない。そういう意味では、我々リスナーはその「実験」、あるいは「リハビリ」にお金を払ってつき合わされているようなものか‥‥とはいうものの、収穫が多いのもまた事実。それは、市井の再出発の門出を祝う形で参加した中澤にも言えることだ。

  まず、アルバムを持っていない人の為に、カヴァーされた全収録曲とそのオリジナルを唄った人を明記しておく。


01. この広い野原いっぱい (森山良子)
02. 恋人もいないのに (シモンズ)
03. 秋でもないのに (本田路津子)
04. あの日にかえりたい (荒井由美)
05. 待つわ (あみん)
06. 花と小父さん (伊藤きよ子)
07. ふるさと (モーニング娘。)
08. かもめはかもめ (中島みゆき/研ナオコ)
09. 或る日突然 (トワ・エ・モワ)
10. 秋止符 (アリス/横山みゆき)
11. なごり雪 (伊勢正三/イルカ)
12. 時には母のない子のように (カルメン・マキ)
13. あ~よかった (花*花)
14. 白い色は恋人の色 (ベッツィ&クリス)
15. サルビアの花 (早川義夫/もとまろ)
16. 翼をください (赤い鳥)


見ての通り、'60~'70年代のフォークソングがメインとなっていて、その中に最近のヒット曲M-13やふたりの古巣のセルフカヴァー(とはいっても本家では安倍なつみがリードボーカルを取っていたので、ふたりがリードを取るのは実質初めて)といった曲も含まれている。大半の曲‥‥特にM-1やM-16等は学校の教科書にも載ってるような名曲だし、現在も第一線で活躍するユーミンや中島みゆきの初期の名曲‥‥は、若い子達にも判りやすいものではないだろうか? 思いっきり全曲口ずさめる自分もどうかと思うが(笑)とにかくそれくらい親しみやすい名曲を詰め込んだものだ。「FOLK SONGS」というタイトルに相応しいかどうか悩む選曲もあるが、そこは若い子達にアピールする為の戦略なのだろう。

  ゲストも豪華で、M-1とM-16ではモーニング娘。から安倍、飯田、保田、矢口、後藤の5人がコーラスで参加している。初期の娘。のコーラスワークには目を見張るものがあるので、ここでも当時を彷彿とさせるコーラスを堪能することができる。また、M-6にはフォークシンガーの杉田二郎、M-9にはばんばひろふみ、M-10には堀内孝雄がそれぞれデュエット(堀内はコーラス)で参加している。そういうこともあってか、このアルバムは我々若いモーニング娘。ファンだけに留まらず、「フォークソングが青春時代だった」年輩の方々にも好評だと聞く。うちの母親もこれらの曲の大半(M-7とM13以外ね/苦笑)を知っていたので、非常に親しみやすいと言っていた。音楽面で娘。関係がこれだけ広い層に影響を与えたのは、恐らく初めてのことではないだろうか?

  さて、肝心の内容の方だが‥‥フォークとはいうものの、我々がイメージする「アコースティック色が強い、弾き語り風」な曲というのは少なく、ディストーションギターを導入したバンド形態のロックアレンジあり、フレンチポップ風あり、打ち込みリズムにシンセを被せた雰囲気ものポップスあり‥‥といった感じで、厳密に言えば「フォークソングの名曲を2001年アレンジでカヴァーしてみました」といったところだろうか。まぁどの曲にも必ずアコースティックギターは入っているので、とりあえず聴いた感じの印象は「フォークっぽく」もあるのだが。

  曲によって市井がリード、中澤がリード、ふたりでハモりながら等の形態があるのだが、とりあえず市井メインとなってる曲が大半で、中澤が完全にリードを取るのは3曲。一応、市井の復帰作という名目にも関わらず3曲も入っていたのは、ちょっとした驚きだった。そして、この3曲がまたいいカヴァーだったりする。特にM-8"かもめはかもめ"が出色の出来だ。確かに中澤の歌は原曲の中島みゆきや研ナオコと比べれば、足下にも及ばない。が、これまで彼女がリリースしてきたどのソロシングルよりも「彼女らしさ」が出ているように思う。以前他のレビューで今後の中澤の活動に対し「他のライター/プロデューサーと仕事して、もっとアコースティック色の強いアレンジに挑戦して欲しい」と書いた。そしてそれがここで初めて現実のものとなったのだ。今回リードを取る曲は中澤が選んだのか、たいせーが選んだのかは判らないが、もしこれがたいせーの仕事だとしたら、いやいや、大したもんである。正直、たいせーという男がどこまでの仕事をする人間なのか、俺にとっては「未知の存在」なのだ。確かにシャ乱Q時代も曲を書いているとは思うのだが、どうしてもつんくやはたけ、まことといったブレインとなる人間の影に隠れ、キャラで勝負するといったイメージが強かった。プロデューサーとしては彼、意外といい仕事するかもしれないな?

  さて、肝心の主役、市井の方はというと‥‥これが、微妙なのである。市井は決して歌が上手い人ではない。それに加えて、声域も決して広いとは言えない。低音は厳しいし、中澤のようにファルセットが上手いわけでもない。中音域~ちょっと高めが最も「市井らしさ」を表現できる音域となるわけだが、それは卒業から1年半経った今もあまり変わっていないようだ。このアルバムでは、たいせーは彼女にいろんなキーの曲をぶつけている。"あの日にかえりたい"のような低音域メインの曲から、"ふるさと"みたいな唄うのに相当な技術を要する曲まで。それらはあくまで「実験」の名の下にレコーディングされ、作品としてリリースされてしまった‥‥正直なところ、市井は自分の歌を聴いてどう思っただろうか? と同時に、自分にはどういう曲調、キー、メロディー回しが向いているがが理解できただろうか? これはたいせーにとっての「確認作業」なだけでなく、市井紗耶香という今後「シンガーソングライター」を目指すアーティストにとっても大切な「確認作業」のはずなのだ。そこに気付かずに、ただ与えられた歌をこなしていっただけ、素通りしてしまっただけなら‥‥ちょっと厳しいな。

  勿論、悪い出来の曲ばかりではない。逆に彼女にピッタリな曲も沢山あるわけで。個人的には市井がソロで唄うものよりも、バックアップとして中澤がハーモニーを重ねる曲の方がより魅力的だった。"恋人もいないのに"や"待つわ"がその代表例といえるだろう。市井、ソロデビューじゃなくて、市井&中澤+たいせーでやればいいのに。これまで娘。関係でデュオってのはあまりいなかったから、そこにたいせーを加えて「女2+男1」という新しい形のグループが出来て、見た目的にも花があるし、話題性も十分だと思うのだけど(まぁ事務所的にはそうはいかないんだろうけど/苦笑)

  個人的にはこのアルバム、疲れた時によく聴く。決して市井のファンだからというわけではなく、彼女のクセのない歌声が心地よかったりするからだ。曲も気付けば口ずさんでしまうようなものばかりだし、いろんな意味で「癒し」のアルバムとして重宝させてもらっている。

  「ロックを扱う音楽サイトの管理人」の立場から言わせてもらえば、これはうちが扱うような内容の作品ではない。娘。本体には「ロック」は感じても、ここには「ロック」は感じられない(フォークだから、という理由ではない)。けどまぁ‥‥いちファンとしてこのアルバムをこのサイトで取り上げる事が、実は最もロックなのかなぁ‥‥なんて思いながら、今回のレビューを終えたいと思う。

  とにかく、これは「答え」ではない。全てはこらから始まっていくのだから。



▼市井紗耶香 with 中澤裕子『FOLK SONGS』
(amazon:国内盤CD

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