キュウソネコカミ『人生はまだまだ続く』(2015)
フルアルバムって3年ぶり?って意外に思うくらい、ここ最近の彼らの大躍進には驚かされるものがあります。しかもメジャー初のフルアルバム。「やっと」か「満を持して」かは受け手側の判断に任せますがが、ここまでお膳立てが揃った中でのリリースですもの、一気にシーンの頂点まで登りつめてくれることでしょう。
日常の喜怒哀楽を時にコミカルに、時に真面目に綴る歌詞、ドーピングを経てクラブアンセムから一気にアリーナや大会場が似合う世界観へと急速に進化したサウンドと、その内容もぶっちぎりの仕上がり。野外フェスで万単位の観客を掌握するだけのメジャー志向がありながらも、どこかでそれを俯瞰で見てるようなオルタナティヴさも存在する。そんな絶妙なバランス感を持ち合わせた彼らは今のシーンにおいて非常に稀有な存在なのではと、本作を聴いて実感しました。
この感覚をどこまで持ち続けられるかで今後進む道が変わりそうな気もしますがが、今はこの「10代のキッズから僕みたいな40超えたオッサンまで共感できるブルー」を全面的に支持したいと思います。
※このレビューは本作リリース時、『TV BROS.』に掲載されものを加筆・修正して掲載しています。