原田知世『音楽と私』(2017)
デビュー35周年を記念して、代表曲の数々を新たにセルフリメイクした1枚。ここ10年タッグを組む伊藤ゴローをプロデューサーに迎えた本作は、初期の楽曲では年相応の落ち着いた雰囲気を漂わせ、渋谷系/スウェディッシュポップに傾倒した90年代のヒット曲はより深みを増したアレンジに進化しています。
しかし、それ以上に透明感のある歌声がデビュー時から現在まで変わりなく、そこに存在することに驚かされます。懐かしさと新鮮さが同居する奇跡の1枚ではないでしょうか。
※このレビューは本作リリース時、『TV BROS.』に掲載されものを加筆・修正して掲載しています。