JOHN DIVA & THE ROCKETS OF LOVE『MAMA SAID ROCK IS DEAD』(2019)
アメリカ・カリフォルニア出身の5人組バンド、JOHN DIVA & THE ROCKETS OF LOVEが2019年2月にSPV Records傘下のSteamhammerからリリースした1stアルバム。
バンド名からをおわかりのように、フロントマンのジョン・ディーヴァ(Vo)を中心としたツインギター編成のバンドで、“自称・ヘアメタルバンド”と自ら名乗るほどの潔さを見せる彼らのサウンドはまんま80年代のLAメタル(ヘアメタル、グラムメタル)を彷彿とさせるもので、ある意味ではゼロ年代に登場したSTEEL PANTHERのフォロワーと言えなくもありません。
オープニングを飾る「Whiplash」の疾走感はまんまあの時代のハードロックだし、続く「Lolita」でのシンセを用いたポップ&キャッチーな路線と、どこかRATT「Round And Round」を思わせるアレンジには思わずクスッとしてしまうものがあります。
かと思えば、チープな打ち込みを同期させたブルースロック調「Rock 'n' Roll Heaven」にはどこか中期POISONを思わせる雰囲気も。そもそもジョン・ディーヴァの歌い方や声質が、そのPOISONのブレット・マイケルズに似ているのかな(WHITE LIONのマイク・トランプっぽくもあるけど)。そういえばルックスもそれっぽいし……と、ここまでは計算なのか天然なのか不明ですが、とにかく聴けば「ああ、LAメタルが好きなんだね」と微笑ましく思えてくるから不思議です。
ほかにも、オープニングにツインリードを用いたシャッフルビートの「Wild Life」は“サーペンス・アルバス”期のWHITESNAKE、アカペラコーラスから始まる「Blinded」はBON JOVIまんまだし、ピアノを用いたパワーバラード「Just A Night Away」もちゃんと用意されている。
聴けばすぐに「本当に好きなんだね(微笑)」とニンマリしてしまうこのアルバム。残念ながら「これ!」というキメの1曲はありませんが、どれも平均点以上の出来ではないかと。
最近、日本のThe Blue Scream含めこういった80’sヘアメタル・リバイバルが盛んになりつつありますが、個人的には大歓迎。ただ、単なる焼き直しのみで終わらない“プラスα”だけは必ず見つけてほしいなと、密かに思っています。だって、それがなければこのシーン、一過性のもので終わってしまうので。勿体ないですもん、こんなにきらびやかで素敵な世界があるってことが伝わる前に消えてしまうのは。
▼JOHN DIVA & THE ROCKETS OF LOVE『MAMA SAID ROCK IS DEAD』
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