INDIANHEAD『SONGS FROM THE DELUGE』(2019)
アメリカ・メリーランド州ボルチモア出身のハードロックバンド、INDIANHEADが2019年6月に発表した1stアルバム。
2016年に結成されたという彼らはグラント・ウォーカー(Vo, G)、エリス・ティンズレイ(B)、クリス・ウィール(Dr)からなるトリオバンド。デジタルシングル「Carry The Weight」を昨年発表しており、本作はそれに続く作品となります。なお、CDなどフィジカルでのリリースはなく、デジタルダウンロード販売とストリーミングのみで試聴可能です。
たまたまSpotifyのディスカバリー経由で見つけたバンドですが、これが意外と好みにドンピシャでした。トリオバンドとは思えぬ重量感の、埃臭いヘヴィロックが展開されており、ボーカルも中音域で叫ぶように歌っている。
サウンド的にもミドルテンポ中心で、どこかサザンロック的な要素も感じられる。しかも、ただヘヴィ一辺倒というわけではなく、「John Song」のようなアコースティックテイストの男臭いバラードも含まれている。そういった意味では、全体的にザック・ワイルドが在籍するBLACK LABEL SOCIETYや、その前進のPRIDE & GLORYに近いのかな。こう書けば、なんとなくサウンドの方向性が想像できると思います。
ただ、ザックほどエネルギッシュなギタープレイは聴くことができないので、そこはご了承ください。
スライドバーを使ったプレイを多用していてクラシック・ロック的な側面が強いのかと思いきや、ザクザクしたギターリフがグランジや90年代初頭のヘヴィロック的だったりと若干モダンな要素も含まれている。そのへんは一時期のSHINEDOWNに似ているところもあるのかな。
とまあ、他者との比較ばかりになってしまい恐縮ですが……正直、まだこのバンド特有の個性というのは確立されていないのか、と。悪くはないけど、平均的なラインを超えられていない。もちろん、デビュー作としてはかなりの高品質ですが、将来性という点においては及第点かな。
とはいえ、オープニングトラックの「Poison Well」や先の「Johns Song」、グルーヴィーな「Slackjaw Suzie」、いかにもなバイカーズロック「Life According To Buddha」、ドブロギターを用いたドヘヴィな「Molly From The Mill」、7分超のダーク&サイケなブルースロック「Fall And Fold」など聴きどころは多いと思います。先に挙げたようなアーティストが好きなリスナーなら絶対に気に入る1枚だと思います。
▼INDIANHEAD『SONGS FROM THE DELUGE』
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