SUPERGRASS『I SHOULD COCO』(1995)
1995年5月にリリースされた、イギリスのトリオ(当時の正式メンバーは3人、のちに4人組に)ロックバンドSUPERGRASSのデビューアルバム。日本では同年4月末に、2週間ほど早く先行発売されています。
1994年にシングル「Caught By The Fuzz」でデビューを果たした彼ら。同曲は当時全英43位という、新人のわりには好成績を残していますが、続く「Mansize Rooster」は20位、翌1995年発表の「Lenny」でついに初のTOP10入りを果たし、その後の代名詞的1曲となる「Alright」で全英2位という記録を樹立することになります。
これを受けて、アルバム自体も全英1位を獲得。世界中でのトータルセールスは100万枚を超え、まさに時代の寵児と呼ぶにふさわしい存在へと成長していきます。
オープニングを飾る「I'd Like To Know」を筆頭に、彼らは若さはち切れんばかりの勢いとキラキラしたポップさ、そして随所に散りばめられた“Very British”なひねくれ感が魅力。デビューしたタイミングもあり、ブリットポップ・シーンにおける代表格のひとつとカウントされていますが、もしデビューしたタイミングが異なれば純粋に「非常にイギリスらしいポップバンド」と評されたのかもしれません。ただ、その際にはここまでのヒットを飛ばしたのかどうかはわかりませんが。
大半の楽曲が2〜3分程度とコンパクトで、1曲1曲に複数のフックが用意されている。それは流麗なメロディラインであったり、耳障りの良いコーラス&ハーモニーであったり、あるいは疾走感あふれるバンドサウンドであったり、よくよく聴けば非常に寝られていることが伺えるアレンジであったり……シンプルなくせに、とにかく情報量が多いんですよ(笑)。
だからなのか、リリース当時このアルバムを初めて聴いたとき、妙に疲れたことをよく覚えています。聴きやすくてカッコいいのに、トータル13曲で40分程度なのに、それでもぐったりするこの感覚。それもあって、当時はアルバム全体を通して聴き込むよりも、好きな曲だけをピックアップして聴いていた記憶もあります。
今聴くとこの“ラフに聴こえるようで、実は緻密”なサウンドがたまらなくクセになるのですが、あの頃はあの頃でそういう思いがあったと……それもいい思い出です(笑)。
そんな彼らが2010年の解散から約10年を経て、再結成を果たします。すでにTHE POLICEのカバー「Next To You」をデジタルリリースしていますが(同曲は来年リリース予定のベストアルバムにも収録予定)、大人になっても抑えることを知らず突っ走ることを忘れない彼ら、大好きです。
▼SUPERGRASS『I SHOULD COCO』
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