BACKSTREET GIRLS『NORMAL IS DANGEROUS.』(2019)
ノルウェーのロックバンド、BACKSTREET GIRLSが2019年9月に発表したオリジナルアルバム。
今となってはなんともふざけた名前ですが、彼らの結成は1984年にまでさかのぼるので、世の中的に知られている“路地裏の少年たち”よりも歴史の長いバンドということになります(知名度的には圧倒的に“少年たち”のほうが上ですが)。
RAMONESとROSE TATTOOから強い影響を受けたという彼らは、その2組から想像できる“男臭くて疾走感に満ち溢れた、シンプルでパンキッシュなロックンロール”を展開。本作でもRAMONES顔負けの1曲2〜3分程度のショートチューンを次々に繰り出しています。
ボーカルのやさぐれた歌声はまさにROSE TATTOOのそれ。曲によってはROSE TATTOOと同郷のAC/DCを彷彿とさせるハードロック色も感じられ、そのへんのバリエーションはまあこの手のバンドにありがちなものなのですが、ここまでストレートに演奏されるともはやパクリだの単調だのという物言いが馬鹿らしくなってきます。
疾走感の強い楽曲もひたすらカッコいいのですが、個人的にはアンガス・ヤングにも匹敵するクールなギターリフを持つミドルチューン「Phenomenal」「Goat」のような楽曲がお気に入り。こういった楽曲をブライアン・ジョンソンみたいなハイトーンで表現するのではなく、がなるような野太いボーカルで歌うことで別のカッコよさが生まれている気がします。
かと思えば、スライドバーを用いたリフとMOTÖRHEAD(軍服ファッションもレニーへのリスペクトが感じられる)的疾走感が気持ち良い「Status Quolity」(タイトルも馬鹿げてる。笑)とか、気の利いた楽曲も含まれていて、実は意外と(この手にしては)幅を持っているんじゃないか、という気がしてきました。
まあ、あれです。これまでに挙げてきたバンド名で引っかかった人。間違いないです。“ハードロックに転向したRAMONES”、“ハイトーンで歌うことをやめたAC/DC”、“B級感が最高潮にまで達したMOTÖRHEAD”などいくらでも例えようはありますが、まずは“百聞は一見に如かず”。爆音にて、無心で楽しんでいただけたらと。
僕はこのアルバムで初めて彼らに触れたのですが、本作を機に過去作も掘り起こしてみたいと思います。きっと延々と同じことをやり続けているはずなので、そこもハズレはないはずなので(笑)。
▼BACKSTREET GIRLS『NORMAL IS DANGEROUS.』
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