COUNTERPARTS『NOTHING LEFT TO LOVE』(2019)
2019年11月初頭にリリースされた、COUNTERPARTSの6thアルバム。
彼らは2007年に結成された、カナダ・オンタリオ出身の5人組メタルコア/メロディックハードコア・バンド2010年に1stアルバム『PROPHETS』をリリースして以降、コンスタントにアルバムを発表しており、日本にもすでに何度かライブで訪れた経験を持っています。フロントマンのブレンダン・マーフィー(Vo)以外のメンバーチェンジが著しいですが、昨年初期メンバーのアレックス・リ(G, Clean Vo)が2013年以来の復帰を果たしたばかりです。
本作のプロデュースを手がけたのは、この手のバンドではすでにおなじみのウィル・パットニー(KNOCKED LOOSE、AFTER THE BURIAL、THY ART IS MURDERなど)。程よい疾走感を備えつつも、重心の低いヘヴィサウンドを存分に楽しませてくれます。
過去の作品と比べると、その突き抜けるような疾走感は若干後退しているかもしれません。が、そのぶんメタルコア的要素が増したことで、メタル耳リスナーにはより親しみやすい内容になったと言えるでしょう。
また、いわゆるメロコア的要素も随所に垣間見え、そちら側のリスナーにも引っかかる可能性も大。そういった点では、意外と日本のラウド系リスナーが入っていきやすいテイスト/方向性の1枚かもしれません。
ボーカルはシャウト中心で、クリーンパートは意外と抑え気味。味付け程度にフッと湧いて出てくるような、その程度の比率です。そのぶん、ギターがメロディアスに“泣き”まくっているので、メロウな要素はすべてギターが背負ってくれている。まあ、この手のバンドにそこまでメロディを求めるのもアレですが。
「Cherished」や「Imprints」のように静と動の対比をうまく用いたアレンジには古き良き時代のメタルコアを思わせるものがあり、個人的にはかなりお気に入り。実はこのへんの曲がもっとも日本人の琴線に触れるものなんじゃないでしょうか(クリーンボイスももっとも良い形で活かされてますしね)。
もちろん、それ以外のアグレッシヴなナンバーもグルーヴィーなナンバーもファストナンバーも、終始気持ち良く楽しめる。全10曲、トータル32分があっという間に過ぎ去っていき、気づけばリピートしている。そんな1枚だと思います。
▼COUNTERPARTS『NOTHING LEFT TO LOVE』
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