LAMB OF GOD『WAKE UP DEAD (feat. DAVE MUSTAINE)』(2022)
2022年4月1日にデジタルリリースされたLAMB OF GODの新録音源。
MEGADETHが1986年に発表した2ndアルバム『PEACE SELLS... BUT WHO'S BUYING?』(1986年)のオープニングトラックをカバーしたもので、ダウンチューニングこそ施されているもののアレンジは原曲に忠実。さらにタイトルからもわかるように、本家デイヴ・ムステインもボーカル&ギターで参加しています。
このコラボレーションはおそらく、2020年からアナウンスされていながらもコロナ禍で延期されていた2バンドのダブルヘッドラインツアー(ゲストにTRIVIUM、IN FLAMESが参加)が4月9日にスタートすることを受けて制作されたもの。LAMB OF GOD側がレジェンドに対する敬意を表して取り上げたのでしょう。かつてクリス・アドラー(Dr)がMEGADETHのレコーディングにゲスト参加し、そのまま加入〜LAMB OF GOD脱退〜なぜかMEGADETHからも離れるというハプニングもありましたが、2バンド間にはネガティブな感情は一切なく、むしろ1980〜90年代にアンダーグラウンドからメジャーへと駆け抜けたMEGADETHと、2000年代以降アンダーグラウンドからメジャーの頂点へと昇り詰めようとするLAMB OF GODの夢の共演が音源でも楽しめる、貴重な1曲となっています。
レコーディングにはキコ・ルーレイロ(G)やダーク・ヴェルビューレン(Dr)といった現MEGADETHメンバーも演奏で参加しているほか、脱退したデイヴィッド・エレフソン(B)に代わりライブに参加しているジェイムズ・ロメンゾ(B)もコーラスで加わっているとのこと。ギタリストの数がハンパないことになっていますが(笑)、MVを観ると誰がどのパートを弾いているか理解できます。
こうやって観る(聴く)と、キコって本当にすば抜けて個性的なギタリストですね。もちろんデイヴ本人もなんですけどね。そして、ランディ・ブライ(Vo)が歌うMEGADETHナンバーに最初は「えっ?」と疑問を覚えたものの、聴き終える頃には「ありあり! 全然あり!」と思えるから不思議なものです。こういうストレートなメタルクラシックを歌う&演奏するLAMB OF GOD、意外とアリでしたね。
お遊びとしては十分すぎるほどに豪華な1曲。ツアーではこのコラボレーションを毎回観ることができるのか、それとも音源のみなのかはわかりませんが、できることなら8月に決まったあのフェスでここ日本でも観たいものです。
▼LAMB OF GOD『WAKE UP DEAD (feat. DAVE MUSTAINE)』
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