オジー・オズボーンのステージを最初に観たのは、1991年10月の“引退”ツアー@日本武道館。ちょうどアルバム『NO MORE TEARS』をリリースした直後で、この日本公演から最後のワールドツアーが始まったんですよね。なので、自分にとってこれが最初で最後のオジーになる予定でした。あの時点でオジー42歳。今ならメタルをするには全然若いんですけどね。
で、その後に関してはご存知のとおり。最後の来日は2015年11月の『Ozzfest Japan 2015』になるのか。その2年前の『Ozzfest Japan 2013』はBLACK SABBATHでの来日でしたしね。2015年秋は自身がメニエール病の影響で大きな音を浴びることを避ける生活をしていたのですが、無理をして最後のオジーのステージに間に合うように会場へ向かい、かなり後方から無理せぬスタンスで観覧したことを覚えています。
セットリスト 1. Black Tongue 2. Blood And Thunder 3. Supernaut
■RIVAL SONS 個人的には好きなバンドだったけど今回バンド単体で出演する中ではもっとも人気も知名度も低いような気がするし、彼らはどちらかといえばLED ZEPPELIN寄りなのかなと思ったけど、この日演奏したオリジナル曲とサバス「Electric Funeral」カバーの相性も悪くなく、これはこれでアリだったな。
■HALESTORM 本日唯一の女性アーティストを含むHALESTORM。リジー姐さん(Vo, G)の華やかさと毒々しさがいい感じで伝わるファストチューン「Love Bites (So Do I)」で場の空気を温めると、8月発売の新作からの「Rain Your Blood On Me」を先行披露。ここで新曲か……と思ったものの、これはこれで今日という日にぴったりな選曲なのかな。で、気になるカバーですが……セッション以外では唯一オジーソロから、しかもマニアックな「Perry Maison」という選曲。で、これがリジー姐さんのパワフルボイスにぴったり。実は密かにザック・ワイルド(G)が飛び入りするんじゃないかと思ってたけど、そういったサプライズなしで終了。
セットリスト 1. Love Bites (So Do I) 2. Rain Your Blood On Me 3. Perry Mason
■LAMB OF GOD 最初に登場したドラマーを見て「あれ、クリス・アドラーじゃない」と気づく。そうか、クリスってだいぶ前に脱退したんだっけ。いきなり「Laid To Rest」から始まるのでテンション上がるも、その後にステージに姿を現したランディ・ブライ(Vo)のビジュアルに衝撃を受ける。なんでこんな“おとっつぁん”姿に……(苦笑)。しかも、線が細いから音のわりに軟弱に見えてしまう。悲しい。けど、音は最高の一言で、「Redneck」含め「まあこの2曲だよね」という選曲にニンマリ。が、その後のサバス「Children Of The Grave」では“歌う”ことに注力するがあまり……うん。シャウトだけで攻めてもよかったんじゃないかな。ランディの風貌と相まって、ちょっとだけずっこけたのはここだけの話。
■SUPERGROUP A さあ、お待ちかねのセッションタイム! まずはリジー・ヘイル(Vo)、デヴィッド・エレフソン(B/ex. MEGADETH)、ヌーノ・ベッテンコート(G/EXTREME)、ジェイク・E・リー(G/RED DRAGON CARTEL)、マイク・ボーディン(Dr/FAITH NO MORE)、アダム・ウェイクマン(Key)で「The Ultimate Sin」。ジェイク、元気そうでよかったけど、ヌーノのほうが目立ってた気が。にしても、リジー姐さんはこういうパワフルな曲歌うの合ってるね。続く「Shot In The Dark」ではリジー&ヌーノOUT、デヴィッド・ドレイマン(Vo/DISTURBED)IN。ドレイマン、こういう曲意外と合うんだなと再確認。ソロはヌーノがいない分、ジェイクのプレイをしっかり味わえました。
■JACK BLACK, ROMAN MORELLO, REVEL IAN 転換タイミングにステージ上に2人の少年が登場して、そのまま幕間映像へと続くのですが、これがオジーに扮したジャック・ブラック(映画『スクール・オブ・ロック』の人ね)が「Mr. Crowley」を歌うという映像。ギターをトム・モレロ(G/RAGE AGAINST THE MACHINE)の息子ローマン・モレロ、ベースをスコット・イアンの息子レヴェル・イアン、ドラムを日本人ドラマーYOYOKAが担当し、同曲の有名な映像を見事に(かつ大袈裟に)完全再現していました。これぞ完全に『スクール・オブ・ロック』! 面白かった!
■ALICE IN CHAINS 久しぶりにバンドとして動いている姿を観た。ショーン・キニー(Dr)が先日から体調不良でお休みしていましたが、この日は無事ステージ復帰。いきなり「Man In The Box」から始まったけど、配信におけるサウンドミックスが激悪で、ジェリー・カントレル(G, Vo)のボーカル/コーラスが一切聴こえない始末。しかも、続く「Would?」ではジェリーのリードボーカルから始まるのにまったく聴こえない。途中でうっすら聴こえてきた気がするけど、こんなんじゃ彼らの魅力半減。さらに、サバスカバーでは途中で音声がまったく聴こえなくなる大トラブル。途中で復旧したものの、配信組にとってはAICが軽視されているように映っても仕方ないような扱いでした(その後、ガンズ終了後の幕間映像で音声完全版の「Fairies Wear Boots」が再配信されましたが、にしてもねえ?)。
■GOJIRA 「Stranded」のオープニングのあのギターの音色を聴いた瞬間、「あ、GOJIRAきた!」とテンション上がる。が、直前のAIC同様ミックスがダメダメで、ボーカルがあまり聞き取れない。加えて、カメラワークもどんどん悪くなっている印象が強くて、早番(笑)があんないい仕事ぶりだっただけに「遅番、なってねえな!」とぼやき始める自分。「さすがにもうパリオリンピックネタは引っ張らないよね」と思ってたら、3曲目「Mea Culpa (Ah! Ça ira!)」では原曲同様にマリナ・ヴィオッテイを連れてきて(あの映像こそなかったものの)完全再現。イギリスでフランス革命の曲やるの、おもろすぎ。で、最後はサバスカバー「Under The Sun」。これは選曲も演奏もよかったな。いつかスタジオ音源出していただきたい。
セットリスト 1. Stranded 2. Silvera 3. Mea Culpa (Ah! Ça ira!) 4. Under The Sun
■DRUM OFF このあたりからセッションパート2に突入。まずは「Drum Off」と称してチャド・スミス(RED HOT CHILI PEPPERS)、ダニー・ケアリー(TOOL)、トラヴィス・バーカー(BLINK-182)のトリプルドラム、ルディ・サーゾ(B/ex. QUIET RIOT)、トム・モレロ(G)、ヌーノ・ベッテンコート(G)という布陣で「Symptom Of The Universe」インストセッション。随所にドラマー3人がソロをぶち込んでくるスリリングな構成は、非常に贅沢でした。
■SUPERGROUP B 続いて本格的なセッションパート再び。ビリー・コーガン(Vo/THE SMASHING PUMPKINS)、トム・モレロ(G)、アダム・ジョーンズ(G/TOOL)、K.K.ダウニング(G/KK'S PRIEST、ex. JUDAS PRIEST)、ルディ・サーゾ(B)、ダニー・ケアリー(Dr)という布陣で何やるかと思えば、いきなりプリースト「Breaking The Law」! 会場大盛り上がりで〈Breaking The Law!〉連呼しやがるし。サバスやオジー以外のカバー、ありなのか。続いて同じメンツでサバス「Snowblind」。前の曲といい、ビリーのボーカル厳し目だけど、トムが“歯ギター”弾いてる後ろではっちゃけてる絵は面白かった(笑)。
3曲目は「Flying High Again」。メンツはサミー・ヘイガー(Vo)、ヌーノ・ベッテンコート(G)、ヴァーノン・リード(G/LIVING COLOUR)、ルディ・サーゾ(B)、チャド・スミス(Dr)、アダム・ウェイクマン(Key)。ステージ上のアメリカ人率の高さとファンクメタル(死語)率の高さといったら……。こういう曲は確かにサミーの歌にも合うし、このメンツで演奏したらなんだか“VAN HAGAR”っぽく聞こえてきますね。で、ヴァーノンとトムが入れ替わってサミーの持ち曲「Rock Candy」(MONTROSEの代表曲)を披露。さすが自身の持ち曲とあって、サミーはさっきよりも歌えてる。カラッとしたアメリカンハードロックがどんより空気のバーミンガムに響き渡る絵、面白い。
5曲目は名曲「Bark At The Moon」。メンツは“Papa V Perpetua”ことトビアス・フォージ(Vo/GHOST)、ヌーノ・ベッテンコート(G)、ヴァーノン・リード(G)、ルディ・サーゾ(B)、トラヴィス・バーカー(Dr)、アダム・ウェイクマン(Key)。てっきりジェイクが弾くもんだと思ってたら、まだまだ体力的に不安定なのでしょうか、ヌーノがジェイクに敬意を表しながらオリジナルに忠実なプレイを見せてくれます。ここではトビアスのボーカルの存在感(やっぱり80'sカバーは彼に合ってる!)とトラヴィスの躍動感の強いドラミングが見どころだったかな。
最後のブロックは想像を超えたセッションが展開。ヌーノ、トム、ルディ、トラヴィスにアンドリュー・ワット(G/著名プロデューサー。オジーの近作をプロデュース)、ロニー・ウッド(G/THE ROLLING STONES)、そしてスティーヴン・タイラー(Vo/AEROSMITH)という布陣で「Train Kept A Rollin'」を披露。もうなんでもありだな(笑)。スティーヴン、ツアーは引退したものの単発ならまだまだ歌えそうですよね。そして、ロニーとトラヴィスが去り、チャドが再度加わって、ラストは「Walk This Way」〜「Whole Lotta Love」というエアロやスティーヴンソロでよくやるメドレー。本当はロバート・プラント(LED ZEPPELIN)を呼びたかったのかな、とか邪推したけど、まあこれはこれでロック/ハードロック/ヘヴィメタルの50年以上に及ぶ歴史の総括としてアリかもしれませんね。
■PANTERA ライブもいよいよ後半戦。さすがにリアルタイムで起きていると眠気が酷かった(苦笑)。印象的なリフレインSEに導かれるようにフィル・アンセルモ(Vo)&レックス・ブラウン(B)のオリメンにザック・ワイルド(G)&チャーリー・ベナンテ(Dr/ANTHRAX)という再集結後お馴染みの4人で「Cowboys From Hell」からライブスタート。あれ……さっきよりさらに音のミックスが酷くなってる……ほぼザックのギターしか聞こえない(笑)。しかもライン直みたいな音の質感だから臨場感皆無で、ザックの粗が目立ってしまう。これは勿体ない。ラストのサバス「Electric Funeral」カバーでなんとかバランスが形になり、ザックの本領発揮と言わんばかりのプレイを楽しむことに集中できましたが、PANTERAとしてのステージを満喫するまでには至らなかったな。彼らはやっぱり生で楽しんでこそなのかもしれない、と実感しました。
■TOOL 明るい中でのTOOLのライブっていうのも新鮮ですが、こうやって観ると皆さん改めて……歳取りましたね。でも、演奏や歌、パフォーマンスはバキバキで「Forty Six & 2」という長尺曲で見事に惹きつけてくれる。かと思えば、サバスカバーは「Hand Of Doom」というマニアックぶりを見せて、こちらもTOOLらしい解釈が加わっていて好印象。その流れから「Ænema」へと続く構成も非常にナチュラルで、“普通の”TOOLのステージとして楽しめました。が、予想通りとはいえ25分で3曲は多いのか、少ないのか(笑)。
■SLAYER 再始動後、初見。全体的に若干テンポがゆっくりめに感じられたけど、それはスピードよりも重さを取ったと良き方向に解釈しました。トム・アラヤ(Vo, B)、全然声出てるじゃん。シャウトも活休前と変わらず。ブランクをまったく感じさせません。持ち時間30分近くということもあって、ここから一気に曲数が増えます(単にTOOLが長尺曲ばかりだったのもあるけど)。SLAYERのサバスカバーは意外な「Wicked World」。トムが珍しくベースを指弾きして、落ち着いたトーンで歌っているのが面白かった。そこからイントロダクションなしで「South Of Heaven」へとつなぐアレンジも絶妙で、さらにこの曲のエンディングから「Wicked World」へと戻る構成もいろいろ考えられててよかった。ラストは「Raining Blood」「Angel Of Death」の力技でダメ押し。まだまだやれるよ。もっとライブ見せてくれ。
セットリスト 1. Disciple 2. War Ensemble 3. Wicked World 4. South Of Heaven 〜 Wicked World 5. Raining Blood 6. Angel Of Death
■METALLICA サバス、オジー前の単体出演としてはトリを務めるのは、当然のようにMETALLICA。SEなしでステージに登場すると、「Hole In The Sky」といういかにも彼ららしい選曲からスタート。新作に入っていても違和感ないくらいに馴染んでた。そこから「Creeping Death」で一気にギアが入り、「For Whom The Bell Tolls」と自分たちらしいモードに引き摺り込んでいく流れもさすがの一言。会場の盛り上がり、一体感も(主役であるその後の2組を除けば)この日一番だったように感じました。今回、彼らはもう1曲サバスカバーを用意したのですが、それが「Johnny Blade」という意外な1曲。ガンズといいMETALLICAといい、こういうときにファンが求める初期曲から“外して”くるのが実にらしくていいです。にしても「Johnny Blade」、こうやって聴くといい曲だなという再発見があってよかった。そして「Battery」「Master Of Puppets」の連発でフィニッシュ。ガンズも彼らも最新モードを無理してねじ込まず、この場にいるメタルヘッズが何を求めているかに100%応えているのがさすがでした。
セットリスト 1. Hole In The Sky 2. Creeping Death 3. For Whom The Bell Tolls 4. Johnny Blade 5. Battery 6. Master Of Puppets
■OZZY OSBOURNE いよいよメインアクトの時間。恒例となったオープニングSE「Carmina Burana」に乗せて玉座に座ったオジーが床から迫り上がると、会場の熱量も一気に高まる。オジーの「I can't hear you! Are you ready?」を合図に、ライブは「I Don't Know」からスタート。この日のバンドはザック(G)、トミー・クルフェトス(Dr)、アダム・ウェイクマン(Key)に90年代前半を支えたマイク・イネズ(B/ALICE IN CHAINS)という特別編成。ルディ・サーゾやロバート・トゥルヒーヨ(METALLICA)といった歴代ベーシストがいるんだから、彼らでもよかったのにね。もはやカエル跳びもバケツ水掛けも期待できない御年76歳のオジーですが、それでも今できる全力でステージに臨んでくれているその姿に涙が溢れそうになります。時ににこやかに嬉しそうな表情を浮かべるオジーですが、手拍子を促す際の動きがぎこちなかったりと、いろいろパーキンソン病の症状も表れている中、足をバタバタさせ、今にも立ち上がりそうなその動きからは彼の生命力の強さがしっかり伝わります。
選曲的には1st『BLIZZARD OF OZZ』(1980年)から4曲、6th『NO MORE TEARS』(1991年)から1曲と、2大ヒット作収録曲中心。今のオジーが歌える曲、体力的に最後まで維持できそうな曲と考えるとこの5曲でしょうね。いいんです、散々聴きまくって飽きがきそうな楽曲群ですが、オジーが生で歌うこれらの5曲はこの日が最後でしょうから。「Mr. Crowley」や「Mama, I'm Coming Home」では感傷的な気持ちに浸ってしまい、珍しく涙腺が刺激されましたし、特に後者を歌う際のオジーのどこか感極まっている様子にももらい泣きしてしまう始末。会場のお客さんもしっかり泣いてましたもんね……。ラストの「Crazy Train」ではランディ・ローズ(G)の演奏シーンとザックのソロがリンクして、そこでまた涙腺やられる。まさかオジーのライブでこんな気持ちになる日が来るとはね。自分も歳取ったなあ……(遠い目)。
BLACK SABBATHおよびオジーの生涯最後のライブで歌われたラストナンバーは「Paranoid」。わー、この曲でもこんな感傷的な気分になるのかと完全に喰らってしまいました。ビルのドラムはボロボロだけど、なぜか今まで聴いた中で一番響く「Paranoid」だった。そしてエンディング。打ち上がる花火を見上げるオジーのシルエットは、すべてやり切ったという満足感よりもどこか寂しげに映りました。
アーティストがキュレーターを務めるフェスは国内外多々存在しますが、特にここ日本で海外アーティストがそういったフェスをしようとすると(例:SLIPKNOTにおける『KNOTFEST』や、オジー・オズボーン関連の『OZZFEST』など)、プロモーターの力が強く発揮され、キュレーションを担当するアーティストのファンが「?」と感じてしまう国内アーティストが多数起用されることが多い。しかし、BRING ME THE HORIZONによるこの『NEX_FEST』に関してはごった煮感が強いもののそういった不信感が一切存在しない、稀有な存在だったのではないでしょうか。
セットリスト 01. Bow Down 02. Body Bag 03. Self-Destruction 04. Bad Thing 05. Come And Get It 06. Hurricane 07. There's Fest In Letting Go 08. Judgement Day 09. Choke 10. Gasoline
8月のサマソニ以来のベビメタ。セトリ的には大きな変化はなく、「Brand New Day」を久しぶりに聴けたことが大きな収穫だったかなと。会場には彼女たち目当てのメイツも多数いらっしゃいましたが、それ以外のお客さんは彼女たちに対してきっと初期のイメージで止まっていたんじゃないかな。だからか、「BxMxC」のような今のベビメタの真骨頂といえる楽曲に対して棒立ちで観ているという方も見受けられました。けど、終盤に向けて、特に「メタり!!」以降は上り調子で熱が高まっていき、「Road of Resistance」ではフロアが阿鼻叫喚の盛り上がり。ちょうどいい熱量でヘッドライナーへとつなげました。
セットリスト 01. BABYMETAL DEATH 02. ギミチョコ!! 03. PA PA YA!! 04. Distortion 05. BxMxC 06. MAYA 07. Brand New Day 08. Monochrome 09. メタり!! 10. メギツネ 11. Road of Resistance
セットリスト 01. Can You Feel My Heart 02. AmEN! 03. Teardrops 04. Happy Song 05. The House Of Wolves 06. MANTRA 07. Dear Diary, 08. Parasite Eve 09. Shadow Moses 10. Obey [feat. YUNGBLUD] 11. DiE4u 12. DArkSide 13. Follow You [Acoustic Version] 14. Sleepwalking 15. Chelsea Smile 16. LosT Encore 17. Itch For The Cure (When Will We Be Free?) 18. Kingslayer [feat. BABYMETAL] 19. Drown 20. Throne
M-5. Itch For The Cure (When Will We Be Free?) 本作で初めて公開された新曲その2。ようやくメタルテイストから離れ、ダンスミュージック寄りの楽曲へ移行……といっても、本曲は続くM-6への序章と呼べる1分半程度のインタールード。すでにこの時点で“あの2人”の声が聴こえてきたり……。
M-9. One Day The Only Butterflies Left Will Be In Your Chest As You March Towards Your Death (feat. Amy Lee) 本作で初公開となった新曲その5。EVANESCENSEのエイミー・リー(Vo)をフィーチャーした1曲で、エイミーはつい最近も和楽器バンドとのコラボ曲「Sakura Rising」を発表して話題になったばかり。こちらはゴシックテイスト強めの壮大なバラードとなっており、冒頭からエイミーの歌をしっかり楽しむことができます。2コーラス目からはオリヴァー・サイクス(Vo)がメインで歌い、その対比含めて非常に興味深い仕上がりです。にしても、エイミーやBABYMETALの場合はある程度共演者側に色を寄せているのが印象的。だからといってBMTH色が希薄になることもなく、ちょうどいいポイントをついてくるんですよね。カオスなエンディング含め、非常に素晴らしい仕上がりだと思います。
あと、アルバム冒頭を飾る「Die For The Hype」を筆頭に、そのサウンドは“EDM以降”の低音の鳴りが特徴的で、可能な限り大音量で鳴らせば鳴らすほど、アルバムが持つ暴力性が増すというのも興味深いポイント。「Psychotic Kids」のようなドラムンベース調のミドルナンバーも、「I Love You, Will You Marry Me」のようなアップテンポのロックチューンも、「Kill Somebody」みたいなアコースティック主体の楽曲も、「21st Century Liability」みたいにラウド寄りのナンバーも、この“EDM以降”の質感で構築されているからこそアルバムの中でも浮くことなく統一感を持って楽しむことができる。このミクスチャー感、個人的には非常に好みでグッとくるものがあります。だからこそ、ホールジーやマシン・ガン・ケリー、マシュメロ、BRING ME THE HORIZONのような幅広いアーティストからラブコールを受けるんでしょうね。
「Parasite Eve」は昨年のアルバム『amo』(2019年)以降のエレクトロニックミュージックをベースにした路線ながらも、若干ヘヴィさを復調させた路線でしたが、今回の「Obey」は『amo』というよりもそれ以前の『THAT'S THE SPIRT』(2015年)をさらにブラッシュアップ/ビルドアップさせた、メジャー感の強いモダンなヘヴィミュージック路線が打ち出されています。正直、YUNGBLUDと組むならもっとヒップホップ側に舵を切っても不思議じゃなかったものの、やはり近代のロックスター同士が組むのなら派手なサウンド&楽曲が似合いますものね。個人的にも、そしてパブリックイメージ的にも非常に納得の仕上がりではないでしょうか。