THE BRONX『BRONX VI』(2021)
2021年8月27日にリリースされたTHE BRONXの6thアルバム。
THE BRONXは2002年から活動する、LA出身の5人組パンクロックバンド。これまでに5枚のオリジナルアルバムのほか、MARIACHI EL BRONXという別名義で3枚のアルバムも発表している実力派です。
THE BRONX名義では前作『V』(2017年)から4年ぶりの新作。プロデューサーにTOOL、MELVINS、WEEZER、BAD RELIGIONなどで知られるジョー・バレッシを迎えて制作された本作は、20年選手とは思えないほどにエネルギッシュで初期衝動感の強い1枚に仕上がっています。
いわゆるカリフォルニア的パンクロックというよりは、北欧ガレージロック寄りのテイストが個人的にかなり好み。どの曲も非常にキャッチーで馴染みやすいメロディを持ちつつ、そのサウンドとバンドアンサンブルは鉄壁のガレージパンク。かつジョー・バレッシの手腕によるものか、その質感からはチープさがまったく感じられない。アリーナ/スタジアムロック級の図太いバンドサウンドを鳴らしながらも、そのスピード感は数百人クラスのクラブを唸らせるガレージパンクのそれ。そこに“一度聴いたら一緒に歌えそうなメロディ&シンガロング”が乗れば、もはや完全無欠のロックンロールの出来上がり。何これ、最高じゃん。
で、ルックスが気になるじゃないですか。さすが20年選手、それなりの年齢を感じさせる……王道のアメリカンバイカー!(笑) なるほど、そりゃこういう音になりますわ。
おそらくKISSやRAMONESのシンプル&キャッチーさがベースにあるので、どの曲も2〜3分台とわかりやすい形でまとめられており、スピード出して突っ走るのに最適(いけません)。名は体を表すじゃないけど、音が体をしっかり表す好例じゃないでしょうか。うん、嫌いになれない。
こういうバンドに関しては、しのごの言わず「まずは音を聴け!」と。文字数多めで読むのに無駄に時間を取らせるよりも、先に「Play Loooooud!!!」ですね。年間ベストに入れるタイプじゃないけど、常にそばにあって、気づいたら爆音リピートしてるやつですね。これ好きな人とは大体仲良くなれる気がします。
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