昨年7月から1年強で早くも実現したDEAFHEAVEN来日公演。確かに昨年の東京公演のMCで「これから新作制作に取り掛かる」とは言っていたものの、まさかそのアルバム『LONELY PEOPLE WITH POWER』が今年3月末には発売され、同作を携えた再来日ツアーまで決まるとは。『LONELY PEOPLE WITH POWER』はRoadrunner Records移籍作ということで、国内ではワーナーミュージック・ジャパンが配給するはずも国内盤CDのリリース予定がないことから、さすがに単独来日は厳しいかなと思っていたのですが、この決定は嬉しい限りです。
定刻を5分ほど過ぎた頃に会場が暗転し、『LONELY PEOPLE WITH POWER』のオープニングを飾るSE「Incidental I」が鳴り始めるとフロアの熱量もいきなりマックスに。メンバーがひとり、またひとりと登場し、最後にフロントマンのジョージ・クラーク(Vo)が姿を現します。去年の時点では長髪だったジョージ(ここ数年定着してましたよね)、。坊主は初期以来かな。今のいかつい体系とぴったりではないでしょうか。
ライブはアルバム同様、「Doberman」「Magnolia」と進行していくのですが、相変わらず音のバランスが抜群に良い。この手のバンドにしては爆音すぎず、むしろ若干抑えめかなと心配になってしまうほどでしたが、その不安も「Brought To The Water」あたりで解消。単にドラムの音量が大きくなっただけだと思いますが(かつ、こちら側の耳も慣れてきたのも大きい)、これくらい“鳴って”いるとむしろ生の現場ではより高揚感が増すので、結果オーライかな。
前回のツアーは2nd『SUNBATHER』(2013年)から当時の最新作『INFINITE GRANITE』(2021年)までの4作やEPから満遍なく選出されたオールタイムベストでしたが、今回は純然たる新譜ライブ。全12曲(オープニングSEIncidental I」含む)中9曲が『LONELY PEOPLE WITH POWER』からとあって、非常に新鮮な気持ちでライブと向き合うことができました。と同時に、過去作から厳選されたのが2nd『SUNBATHER』から「Sunbather」と「Dream House」という代表曲、そして前回のツアーでオープニングを飾った3rd『NEW BERMUDA』(2015年)からの「Brought To The Water」という事実も、新作がどういうモードで制作されたのかが伝わり、非常に興味深いものがありました。
で、バンドは「Amethyst」のエンディングから再び「Incidental II」へと流れる過程でステージを一旦あとにするのですが、構成的にはここからがアンコールということでいいのかな。「Incidental II」のエンディング付近でバンドが再び登場し、即興的な演奏を加えてから「Revelator」へとなだれ込む流れも圧巻でした。で、名曲「Dream House」で終了……ではなく、さらにもう一発「Winona」で正真正銘のエンディングを迎えるわけですが、この「Winona」が本当に素晴らしかった。多幸感満載の「Dream House」ではなく「Winona」で締めくくるのが今のDEAFHEAVEN、いや、『LONELY PEOPLE WITH POWER』で展開される世界観にぴったりということなんでしょう。見事なセットリストだと思います。
前回のツアーは全8曲で80分、今回は全12曲(SE含む)で85分と尺的にはほぼ一緒ですが、これくらいの長さが彼ららしいですし、腹八分目で終わるからこそ「早く次を!」と期待したくなるんでしょうね。もうさ、毎年来日してくださいよ。特に『LONELY PEOPLE WITH POWER』の楽曲は夕方以降の野外で聴いたときに、その魅力をより発揮すると思うので、次はフジロックで!(夕方以降のWHITE STAGEは難しいかもしれないので、FIELD OF HEAVEN……は色が違うか。結局RED MARQUEEになるのかな)
セットリスト SE. Incidental I 01. Doberman 02. Magnolia 03. Brought To The Water 04. Sunbather 05. The Garden Route 06. Heathen 07. Amethyst アンコール 08. Incidental II 09. Revelator 10. Dream House 11. Winona
オジー・オズボーンのステージを最初に観たのは、1991年10月の“引退”ツアー@日本武道館。ちょうどアルバム『NO MORE TEARS』をリリースした直後で、この日本公演から最後のワールドツアーが始まったんですよね。なので、自分にとってこれが最初で最後のオジーになる予定でした。あの時点でオジー42歳。今ならメタルをするには全然若いんですけどね。
で、その後に関してはご存知のとおり。最後の来日は2015年11月の『Ozzfest Japan 2015』になるのか。その2年前の『Ozzfest Japan 2013』はBLACK SABBATHでの来日でしたしね。2015年秋は自身がメニエール病の影響で大きな音を浴びることを避ける生活をしていたのですが、無理をして最後のオジーのステージに間に合うように会場へ向かい、かなり後方から無理せぬスタンスで観覧したことを覚えています。
セットリスト 1. Black Tongue 2. Blood And Thunder 3. Supernaut
■RIVAL SONS 個人的には好きなバンドだったけど今回バンド単体で出演する中ではもっとも人気も知名度も低いような気がするし、彼らはどちらかといえばLED ZEPPELIN寄りなのかなと思ったけど、この日演奏したオリジナル曲とサバス「Electric Funeral」カバーの相性も悪くなく、これはこれでアリだったな。
■HALESTORM 本日唯一の女性アーティストを含むHALESTORM。リジー姐さん(Vo, G)の華やかさと毒々しさがいい感じで伝わるファストチューン「Love Bites (So Do I)」で場の空気を温めると、8月発売の新作からの「Rain Your Blood On Me」を先行披露。ここで新曲か……と思ったものの、これはこれで今日という日にぴったりな選曲なのかな。で、気になるカバーですが……セッション以外では唯一オジーソロから、しかもマニアックな「Perry Maison」という選曲。で、これがリジー姐さんのパワフルボイスにぴったり。実は密かにザック・ワイルド(G)が飛び入りするんじゃないかと思ってたけど、そういったサプライズなしで終了。
セットリスト 1. Love Bites (So Do I) 2. Rain Your Blood On Me 3. Perry Mason
■LAMB OF GOD 最初に登場したドラマーを見て「あれ、クリス・アドラーじゃない」と気づく。そうか、クリスってだいぶ前に脱退したんだっけ。いきなり「Laid To Rest」から始まるのでテンション上がるも、その後にステージに姿を現したランディ・ブライ(Vo)のビジュアルに衝撃を受ける。なんでこんな“おとっつぁん”姿に……(苦笑)。しかも、線が細いから音のわりに軟弱に見えてしまう。悲しい。けど、音は最高の一言で、「Redneck」含め「まあこの2曲だよね」という選曲にニンマリ。が、その後のサバス「Children Of The Grave」では“歌う”ことに注力するがあまり……うん。シャウトだけで攻めてもよかったんじゃないかな。ランディの風貌と相まって、ちょっとだけずっこけたのはここだけの話。
■SUPERGROUP A さあ、お待ちかねのセッションタイム! まずはリジー・ヘイル(Vo)、デヴィッド・エレフソン(B/ex. MEGADETH)、ヌーノ・ベッテンコート(G/EXTREME)、ジェイク・E・リー(G/RED DRAGON CARTEL)、マイク・ボーディン(Dr/FAITH NO MORE)、アダム・ウェイクマン(Key)で「The Ultimate Sin」。ジェイク、元気そうでよかったけど、ヌーノのほうが目立ってた気が。にしても、リジー姐さんはこういうパワフルな曲歌うの合ってるね。続く「Shot In The Dark」ではリジー&ヌーノOUT、デヴィッド・ドレイマン(Vo/DISTURBED)IN。ドレイマン、こういう曲意外と合うんだなと再確認。ソロはヌーノがいない分、ジェイクのプレイをしっかり味わえました。
■JACK BLACK, ROMAN MORELLO, REVEL IAN 転換タイミングにステージ上に2人の少年が登場して、そのまま幕間映像へと続くのですが、これがオジーに扮したジャック・ブラック(映画『スクール・オブ・ロック』の人ね)が「Mr. Crowley」を歌うという映像。ギターをトム・モレロ(G/RAGE AGAINST THE MACHINE)の息子ローマン・モレロ、ベースをスコット・イアンの息子レヴェル・イアン、ドラムを日本人ドラマーYOYOKAが担当し、同曲の有名な映像を見事に(かつ大袈裟に)完全再現していました。これぞ完全に『スクール・オブ・ロック』! 面白かった!
■ALICE IN CHAINS 久しぶりにバンドとして動いている姿を観た。ショーン・キニー(Dr)が先日から体調不良でお休みしていましたが、この日は無事ステージ復帰。いきなり「Man In The Box」から始まったけど、配信におけるサウンドミックスが激悪で、ジェリー・カントレル(G, Vo)のボーカル/コーラスが一切聴こえない始末。しかも、続く「Would?」ではジェリーのリードボーカルから始まるのにまったく聴こえない。途中でうっすら聴こえてきた気がするけど、こんなんじゃ彼らの魅力半減。さらに、サバスカバーでは途中で音声がまったく聴こえなくなる大トラブル。途中で復旧したものの、配信組にとってはAICが軽視されているように映っても仕方ないような扱いでした(その後、ガンズ終了後の幕間映像で音声完全版の「Fairies Wear Boots」が再配信されましたが、にしてもねえ?)。
■GOJIRA 「Stranded」のオープニングのあのギターの音色を聴いた瞬間、「あ、GOJIRAきた!」とテンション上がる。が、直前のAIC同様ミックスがダメダメで、ボーカルがあまり聞き取れない。加えて、カメラワークもどんどん悪くなっている印象が強くて、早番(笑)があんないい仕事ぶりだっただけに「遅番、なってねえな!」とぼやき始める自分。「さすがにもうパリオリンピックネタは引っ張らないよね」と思ってたら、3曲目「Mea Culpa (Ah! Ça ira!)」では原曲同様にマリナ・ヴィオッテイを連れてきて(あの映像こそなかったものの)完全再現。イギリスでフランス革命の曲やるの、おもろすぎ。で、最後はサバスカバー「Under The Sun」。これは選曲も演奏もよかったな。いつかスタジオ音源出していただきたい。
セットリスト 1. Stranded 2. Silvera 3. Mea Culpa (Ah! Ça ira!) 4. Under The Sun
■DRUM OFF このあたりからセッションパート2に突入。まずは「Drum Off」と称してチャド・スミス(RED HOT CHILI PEPPERS)、ダニー・ケアリー(TOOL)、トラヴィス・バーカー(BLINK-182)のトリプルドラム、ルディ・サーゾ(B/ex. QUIET RIOT)、トム・モレロ(G)、ヌーノ・ベッテンコート(G)という布陣で「Symptom Of The Universe」インストセッション。随所にドラマー3人がソロをぶち込んでくるスリリングな構成は、非常に贅沢でした。
■SUPERGROUP B 続いて本格的なセッションパート再び。ビリー・コーガン(Vo/THE SMASHING PUMPKINS)、トム・モレロ(G)、アダム・ジョーンズ(G/TOOL)、K.K.ダウニング(G/KK'S PRIEST、ex. JUDAS PRIEST)、ルディ・サーゾ(B)、ダニー・ケアリー(Dr)という布陣で何やるかと思えば、いきなりプリースト「Breaking The Law」! 会場大盛り上がりで〈Breaking The Law!〉連呼しやがるし。サバスやオジー以外のカバー、ありなのか。続いて同じメンツでサバス「Snowblind」。前の曲といい、ビリーのボーカル厳し目だけど、トムが“歯ギター”弾いてる後ろではっちゃけてる絵は面白かった(笑)。
3曲目は「Flying High Again」。メンツはサミー・ヘイガー(Vo)、ヌーノ・ベッテンコート(G)、ヴァーノン・リード(G/LIVING COLOUR)、ルディ・サーゾ(B)、チャド・スミス(Dr)、アダム・ウェイクマン(Key)。ステージ上のアメリカ人率の高さとファンクメタル(死語)率の高さといったら……。こういう曲は確かにサミーの歌にも合うし、このメンツで演奏したらなんだか“VAN HAGAR”っぽく聞こえてきますね。で、ヴァーノンとトムが入れ替わってサミーの持ち曲「Rock Candy」(MONTROSEの代表曲)を披露。さすが自身の持ち曲とあって、サミーはさっきよりも歌えてる。カラッとしたアメリカンハードロックがどんより空気のバーミンガムに響き渡る絵、面白い。
5曲目は名曲「Bark At The Moon」。メンツは“Papa V Perpetua”ことトビアス・フォージ(Vo/GHOST)、ヌーノ・ベッテンコート(G)、ヴァーノン・リード(G)、ルディ・サーゾ(B)、トラヴィス・バーカー(Dr)、アダム・ウェイクマン(Key)。てっきりジェイクが弾くもんだと思ってたら、まだまだ体力的に不安定なのでしょうか、ヌーノがジェイクに敬意を表しながらオリジナルに忠実なプレイを見せてくれます。ここではトビアスのボーカルの存在感(やっぱり80'sカバーは彼に合ってる!)とトラヴィスの躍動感の強いドラミングが見どころだったかな。
最後のブロックは想像を超えたセッションが展開。ヌーノ、トム、ルディ、トラヴィスにアンドリュー・ワット(G/著名プロデューサー。オジーの近作をプロデュース)、ロニー・ウッド(G/THE ROLLING STONES)、そしてスティーヴン・タイラー(Vo/AEROSMITH)という布陣で「Train Kept A Rollin'」を披露。もうなんでもありだな(笑)。スティーヴン、ツアーは引退したものの単発ならまだまだ歌えそうですよね。そして、ロニーとトラヴィスが去り、チャドが再度加わって、ラストは「Walk This Way」〜「Whole Lotta Love」というエアロやスティーヴンソロでよくやるメドレー。本当はロバート・プラント(LED ZEPPELIN)を呼びたかったのかな、とか邪推したけど、まあこれはこれでロック/ハードロック/ヘヴィメタルの50年以上に及ぶ歴史の総括としてアリかもしれませんね。
■PANTERA ライブもいよいよ後半戦。さすがにリアルタイムで起きていると眠気が酷かった(苦笑)。印象的なリフレインSEに導かれるようにフィル・アンセルモ(Vo)&レックス・ブラウン(B)のオリメンにザック・ワイルド(G)&チャーリー・ベナンテ(Dr/ANTHRAX)という再集結後お馴染みの4人で「Cowboys From Hell」からライブスタート。あれ……さっきよりさらに音のミックスが酷くなってる……ほぼザックのギターしか聞こえない(笑)。しかもライン直みたいな音の質感だから臨場感皆無で、ザックの粗が目立ってしまう。これは勿体ない。ラストのサバス「Electric Funeral」カバーでなんとかバランスが形になり、ザックの本領発揮と言わんばかりのプレイを楽しむことに集中できましたが、PANTERAとしてのステージを満喫するまでには至らなかったな。彼らはやっぱり生で楽しんでこそなのかもしれない、と実感しました。
■TOOL 明るい中でのTOOLのライブっていうのも新鮮ですが、こうやって観ると皆さん改めて……歳取りましたね。でも、演奏や歌、パフォーマンスはバキバキで「Forty Six & 2」という長尺曲で見事に惹きつけてくれる。かと思えば、サバスカバーは「Hand Of Doom」というマニアックぶりを見せて、こちらもTOOLらしい解釈が加わっていて好印象。その流れから「Ænema」へと続く構成も非常にナチュラルで、“普通の”TOOLのステージとして楽しめました。が、予想通りとはいえ25分で3曲は多いのか、少ないのか(笑)。
■SLAYER 再始動後、初見。全体的に若干テンポがゆっくりめに感じられたけど、それはスピードよりも重さを取ったと良き方向に解釈しました。トム・アラヤ(Vo, B)、全然声出てるじゃん。シャウトも活休前と変わらず。ブランクをまったく感じさせません。持ち時間30分近くということもあって、ここから一気に曲数が増えます(単にTOOLが長尺曲ばかりだったのもあるけど)。SLAYERのサバスカバーは意外な「Wicked World」。トムが珍しくベースを指弾きして、落ち着いたトーンで歌っているのが面白かった。そこからイントロダクションなしで「South Of Heaven」へとつなぐアレンジも絶妙で、さらにこの曲のエンディングから「Wicked World」へと戻る構成もいろいろ考えられててよかった。ラストは「Raining Blood」「Angel Of Death」の力技でダメ押し。まだまだやれるよ。もっとライブ見せてくれ。
セットリスト 1. Disciple 2. War Ensemble 3. Wicked World 4. South Of Heaven 〜 Wicked World 5. Raining Blood 6. Angel Of Death
■METALLICA サバス、オジー前の単体出演としてはトリを務めるのは、当然のようにMETALLICA。SEなしでステージに登場すると、「Hole In The Sky」といういかにも彼ららしい選曲からスタート。新作に入っていても違和感ないくらいに馴染んでた。そこから「Creeping Death」で一気にギアが入り、「For Whom The Bell Tolls」と自分たちらしいモードに引き摺り込んでいく流れもさすがの一言。会場の盛り上がり、一体感も(主役であるその後の2組を除けば)この日一番だったように感じました。今回、彼らはもう1曲サバスカバーを用意したのですが、それが「Johnny Blade」という意外な1曲。ガンズといいMETALLICAといい、こういうときにファンが求める初期曲から“外して”くるのが実にらしくていいです。にしても「Johnny Blade」、こうやって聴くといい曲だなという再発見があってよかった。そして「Battery」「Master Of Puppets」の連発でフィニッシュ。ガンズも彼らも最新モードを無理してねじ込まず、この場にいるメタルヘッズが何を求めているかに100%応えているのがさすがでした。
セットリスト 1. Hole In The Sky 2. Creeping Death 3. For Whom The Bell Tolls 4. Johnny Blade 5. Battery 6. Master Of Puppets
■OZZY OSBOURNE いよいよメインアクトの時間。恒例となったオープニングSE「Carmina Burana」に乗せて玉座に座ったオジーが床から迫り上がると、会場の熱量も一気に高まる。オジーの「I can't hear you! Are you ready?」を合図に、ライブは「I Don't Know」からスタート。この日のバンドはザック(G)、トミー・クルフェトス(Dr)、アダム・ウェイクマン(Key)に90年代前半を支えたマイク・イネズ(B/ALICE IN CHAINS)という特別編成。ルディ・サーゾやロバート・トゥルヒーヨ(METALLICA)といった歴代ベーシストがいるんだから、彼らでもよかったのにね。もはやカエル跳びもバケツ水掛けも期待できない御年76歳のオジーですが、それでも今できる全力でステージに臨んでくれているその姿に涙が溢れそうになります。時ににこやかに嬉しそうな表情を浮かべるオジーですが、手拍子を促す際の動きがぎこちなかったりと、いろいろパーキンソン病の症状も表れている中、足をバタバタさせ、今にも立ち上がりそうなその動きからは彼の生命力の強さがしっかり伝わります。
選曲的には1st『BLIZZARD OF OZZ』(1980年)から4曲、6th『NO MORE TEARS』(1991年)から1曲と、2大ヒット作収録曲中心。今のオジーが歌える曲、体力的に最後まで維持できそうな曲と考えるとこの5曲でしょうね。いいんです、散々聴きまくって飽きがきそうな楽曲群ですが、オジーが生で歌うこれらの5曲はこの日が最後でしょうから。「Mr. Crowley」や「Mama, I'm Coming Home」では感傷的な気持ちに浸ってしまい、珍しく涙腺が刺激されましたし、特に後者を歌う際のオジーのどこか感極まっている様子にももらい泣きしてしまう始末。会場のお客さんもしっかり泣いてましたもんね……。ラストの「Crazy Train」ではランディ・ローズ(G)の演奏シーンとザックのソロがリンクして、そこでまた涙腺やられる。まさかオジーのライブでこんな気持ちになる日が来るとはね。自分も歳取ったなあ……(遠い目)。
BLACK SABBATHおよびオジーの生涯最後のライブで歌われたラストナンバーは「Paranoid」。わー、この曲でもこんな感傷的な気分になるのかと完全に喰らってしまいました。ビルのドラムはボロボロだけど、なぜか今まで聴いた中で一番響く「Paranoid」だった。そしてエンディング。打ち上がる花火を見上げるオジーのシルエットは、すべてやり切ったという満足感よりもどこか寂しげに映りました。
LINKIN PARKが再始動して新作を出して日本でライブをする未来なんて、2017年の時点ではまったく予想もしてなかったし、それこそ絶対にありえないことだと思ってました。でも、2024年夏にOASISが再結成し、その直後にLINKIN PARKまで匂わせを始めたところで「マジかよ!?」と、OASISの発表時以上に興奮したことは今でも昨日のことのように、新鮮な記憶として残っています。
チェスター・ベニントンに代わる新ボーカリストとしてエミリー・アームストロングという女性シンガーが、そして新たなドラマーにONE OK ROCKなどでのコラボレーションで名前を目にしたことがあったコリン・ブリテンが加わった新体制でオリジナルアルバム『FROM ZERO』(2024年)を発表し、翌年2月にはたまアリで2日限定の来日公演が実現。昨年配信された新体制お披露目ライブで一度向き合っていたとはいえ、やはり生で体験したらまた感じ方も変わるんだろうなと不安を抱えていたのですが、ギリギリで2日目公演のチケットを確保。500レベルとだいぶ上のほうでしたが、12年ぶりに彼らのライブを目撃することができました(といっても、12年前の『SUMMER SONIC 2013』はMETALLICAのラーズ・ウルリッヒ取材中で、ラーズと一緒に1〜2曲を観覧したのみ。しかも、インタビュー時間がどんどん減っていく恐怖に怯えながらだったので、悠長に楽しむことはできなかった)。
仰々しいオープニングに続いてステージに登場したメンバーは、代表曲のひとつ「Somewhere I Belong」からライブをスタート。とにかく観客が歌う、歌う。これはこの日どの曲でも感じたことだけど、日本で彼らの人気ってこんなに高かったのか……と再認識するいいきっかけになりました。エミリーの女性キーに合わせて、多くの過去曲ではキーが高くなっていて、時に違和感を覚えることもありましたが、そんなのも序盤だけ。そこにマイク・シノダのラップやボーカルが重なり、あのグルーヴィーで硬質なサウンドが響けばLINKIN PARKそのもの。そういう意味では、過去曲よりも最新作『FROM ZERO』からの楽曲で彼女の魅力がより活きたのではないでしょうか。
セットリスト的には新作を軸に……というよりは、キャリアを総括するようなグレイテストヒッツ的な側面が強かったかな。まあグレイテストヒッツというよりは、LINKIN PARKを再構築する上で必要なセットリストということなんでしょうけどね。そこにマイクのソロ曲「When They Come For Me」「Remember The Name」が含まれていたのも興味深く、これもチェスターがいない“今”だからこそなのかな。特に違和感なかったので、全然アリだと思います。
セットリスト 01. Somewhere I Belong 02. Points Of Authority 03. New Divide 04. The Emptiness Machine 05. The Catalyst 06. Burn It Down 07. Over Each Other 08. Waiting For The End 09. Castle Of Glass 10. Two Faced 11. Joe Hahn Solo 12. When They Come For Me / Remember The Name [Mike Shinoda Solo] 13. Keys To The Kingdom 14. One Step Closer 15. Lost 16. Good Things Go 17. What I've Done 18. Overflow 19. Numb 20. In The End 21. Faint アンコール 22. Papercut 23. Lying From You 24. Heavy Is The Crown 25. Bleed It Out
セトリは昨年までのものから変動あり。大阪と川崎初日の動向をチェックしてなかったので、いきなり「Power」から始まってびっくりしました。去年までは1曲目が「Crucify」だったんですよね。確かに「Crucify」始まりはアガるけど、後半にキラーチューンが少なくなってしまうので、個人的にはこの「Power」から「Destroyed」という2曲に「Do You Understand」の構成は大満足でした。
この日は大阪と川崎初日では演奏していなかった「Full Force Lovin' Machine」が追加されていたそうで、個人的にも好きな曲だけに嬉しかったな。セトリにはやはり代表作の4thアルバム『CRANK』(1994年)からの楽曲が中心なのは仕方ないとはいえ、5htアルバム『JUST ADD LIFE』(1996年)からの曲がもう1、2曲あってもよかったんじゃないかと思うのは僕だけでしょうか。この布陣なら「Ongoing And Total」とか「All Sussed Out」あたりも合うと思うんだけどなあ。
あと、個人的な嬉しい誤算はリッキーのボーカルに深みや表現力の幅が加わったことで、「Little Lost Sometimes」あたりのスローナンバーが映えまくっていたこと。特にタントラムのギタープレイがこういう曲で生き生きとすることもあってか、成熟感が半端なかった。
新曲ゼロでノスタルジックな懐メロ大会に終始しちゃうのだけが怖かったけど、リッキー含めそれぞれの成長と成熟ぶりが加わることで新鮮さが強まり、結果的に晴れやかな気分で会場を後にすることができました。今後がどうなるのかはわかりませんが、まあそこはツアータイトルの「Never Say Never」にあやかって... 次のアクションを気長に待ってます。
あと、過去にTHE ALMIGHTYに関わったレーベル各位は早急に彼らのカタログの国内サブスク配信を実現させてください。これに関しては「Never Say Never」ではなく...
絶対に!
セットリスト 01. Power 02. Destroyed 03. Do You Understand 04. Wrench 05. Ultraviolent 06. Addiction 07. Welcome To Defiance 08. Praying To The Red Light 09. Full Force Lovin' Machine 10. Little Lost Sometimes 11. Crank And Deceit 12. Way Beyond Belief 13. Jonestown Mind 14. Takin' Hold 15. Bandaged Knees 16. The Unreal Thing 17. Devil's Toy 18. Over The Edge 19. Wild & Wonderful アンコール 20. Crucify 21. Jesus Loves You... But I Don't 22. Free 'N' Easy