2017/09/20

CATHEDRAL『STATIK MAJIK』(1994)

1994年に発表された、CATHEDRALの4曲入りEP。直近の最新アルバム『THE ETHEREAL MIRROR』(1993年)からの代表曲「Midnight Mountain」をリードトラックに、未発表の新曲3曲を加えた構成なのですが、これがEPとかミニアルバムとは呼べないようなボリュームでして……4曲で40分超の、フルアルバム並みの内容なんです。

「Midnight Mountain」は今さら言うまでもなく、ダンサブルなビートを用いることで、CATHEDRALが単なるBLACK SABBATHフォロワーではないオリジナルな存在へと導くことに成功した1曲。発売から24年経った今聴いても、やっぱりカッコイイですもんね。

で、残り3曲が本作で初公開の新曲になるわけですが、「Hypnos 164」「Cosmic Funeral」は『THE ETHEREAL MIRROR』に収録されていても不思議じゃない、ドゥーミーなハードロック。1曲の中にいくつもの展開が用意されており、リー・ドリアン(Vo)のヘタウマボーカルが曲に合った安定感を放ち始めているから不思議です。特に「Cosmic Funeral」は途中で挿入される鍵盤(オルガン?)の音色が70年代の香りを醸し出しており、そこから突入する2本のギターバトルがハンパなくカッコイイ。1stアルバム『FOREST OF EQUILIBRIUM』(1991年)でのダークでドゥーミーで超低速な世界観がまるで嘘のように感じられるほどに。

ここまで1曲5分前後。「Cosmic Funeral」のみ7分もありますが、トータルでも17、8分です。ということは……そうです、ラストの「The Voyage Of The Homeless Sapien」が約23分もある超大作なのです!(笑)

序盤のヘヴィでダークで超スローな展開は、まさしく彼らが『FOREST OF EQUILIBRIUM』で表現していたスタイル。これをデス声ではなくヘタウマボーカルで表現することにより、『FOREST OF EQUILIBRIUM』とはまた異なる世界観が構築されていくのです。

しかもこの曲、単なるドゥームメタルではなく、曲が進むにつれてさまざまな展開を見せていく。もはやプログレッシヴロックのそれに匹敵する世界観なのです。アナログ時代でいえば、A面でシングルカットできそうな5分程度の楽曲を数曲並べておいて、B面で組曲風の超大作を入れる。世が世なら本作こそ『THE ETHEREAL MIRROR』に続く3rdアルバムになっていたかもしれません。

しかし、そこはリー・ドリアンとギャリー・ジェニングス(G。本作ではBも担当)のこと。ここで試したことはあくまで実験の一環で、あれこれ試した結果、次作『THE CARNIVAL BIZARRE』(1995年)はよりストレートで王道のハードロック路線を選ぶわけです。

アメリカでグランジ/グルーヴメタルが流行っていた中、イギリスからはCATHEDRALみたいな突然変異的バンドが登場していた。決して主流にはなれなかった音ではなるものの、当時の時代背景を考えると当時CATHEDRALが残した作品群は非常に興味深いものがあります。ぜひ「The Voyage Of The Homeless Sapien」1曲だけでもいいんで、聴いてもらいたいものです。

ちなみに、日本盤はさらにボーナストラック(日本未発売だった以前のEP収録曲など)を追加した、全9曲・70分超の大作となっております(笑)。



▼CATHEDRAL『STATIK MAJIK』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / MP3

投稿: 2017 09 20 12:00 午前 [1994年の作品, Cathedral] | 固定リンク

2006/10/19

LOUD PARK 06 : DAY 1 (2006.10.14)

 はい、すでに1週間経とうとしてますが、先週末10月14〜15日に幕張メッセで開催されたメタルフェス「LOUD PARK 06」の簡易レポートを書こうと思います。正直言って、すんげー長いです。だって1日の演奏時間が11時間ですからね! さすがに初日から寝坊してw開演時間の11時には間に合わず、海浜幕張駅に着いたときには14時を軽く回っていたわけですが……

 というわけで、ここで一回切ります。後は「続きを読む」でガッツリ読んでやってください。ま、言うほど長くはないと思うけど。あと、さすがに2日分をまとめてひとつのエントリーにすると、いつ書き終わるかわからないので1日目と2日目で2回に分けてレポート書きます。その辺もご了承くださいまし。

 さ、んじゃ気合い入れていきますよー。モニターの前のみんな、メロイックサインの準備しておけーw

■DRAGOMFORCE [BIG ROCK STAGE]
 会場に入ったら彼らのパフォーマンスだった。後ろまでビッシリ人が入っていてビックリしたんだけど、その間に演奏終了。うーんと、メロスピっつーの、こういうの? 無駄に速いだけっていう気がしないでもないけど……要するに、タイプじゃないってことですわ。


■BACKYARD BABIES [GIGANTOUR STAGE]
 久しぶりにライブ観たけど、ヤベーかっこよすぎ! ドレゲンは別格として、ニッケもフロントマンとしてもの凄いオーラを発してたし、曲も新作中心で良かった。ところどころに過去の代表曲を挟んでいって、それも効果的だったし。途中、ドレゲンがママをステージに連れ出して、オーディエンスにハッピーバースディを歌わすというハプニングも(当日誕生日だったそうな。カワイイママでしたよ)。うん、とにかく最後までめっちゃ良かった。曲のバリエーションも広がってるし、今度はフルで観たいなぁ……って次の来日はニューアルバム出すまでなしか……

[SET LIST]
01. Poeple Like People Like People Like Us
02. Mess Age (How Could I Be So Wrong)
03. Blitzkrieg Loveshock
04. Look At You
05. Star War
06. Cockblocker Blues
07. We Go A Long Way Back
08. Roads
09. Highlights
10. Brand New Hate
11. Dysfunctional Professional


▼BACKYARD BABIES「PEOPLE LIKE PEOPLE LIKE PEOPLE LIKE US」(amazon:US盤日本盤


■CATHEDRAL [BIG ROCK STAGE]
 うわー、彼らも初来日以来だから13年ぶりとか? すんげー久しぶりに観たんだけど、リー・ドリアンのオジー(・オズボーン)化が進んでた。勿論これは良い意味で、彼らのルーツであるBLACK SABBATHにより近づいていたってことね。単なるコピーではなく、彼ら流のオリジナリティもしっかりしてるし、何よりもステージパフォーマンスや演奏が良い。とか言いながら、実は彼らの最近のアルバムはほとんど聴いてなかったんだけど、それでも違和感なくライブを見せてくれるのはさすがというか。恐れ入りました! 最後の "Ride"、"Hopkins (The Witchfinder General)" という懐かしの名曲2連発でグッときました。いやー、ホント最高!

[SET LIST]
01. Utopian Blaster
02. Soul Sacrifice
03. North Berwick Witch
04. Trials
05. Autumn Twilight
06. Skullflower
07. Corpsecycle
08. Upon Azrael's Wings
09. Ride
10. Hopkins (The Witchfinder General)


▼CATHEDRAL「THE GARDEN OF UNEARTHLY DELIGHTS」(amazon:US盤日本盤


■Dir en grey [GIGANTOUR STAGE]
 噂どおり自傷するパフォーマンスをするのね(後でファンの子に聞いたら、あの血は血糊だということを知らされました。なるほど、毎回あれやってたら身体が保たないわな)。良くも悪くも日本のバンドだね。演奏は悪くないけど、やはり欧米の他のバンドと比べると線が細い。それを個性と呼ぶ向きもあるけど、やっぱりパワー不足かな。この日はCATHEDRALとARCH ENEMYというパワープレイヤーに挟まれてたから、興味本位で覗いてた洋楽メタルファンにどう響いたか……
 新曲も披露されてたけど、これをシングルで切っちゃうんだ……どうなるんだろう?という興味も湧いたり。でも、あれだ。やっぱりメロウな「いかにもビジュアル系」という曲になると、場が冷えるというか空気が一変する。良くも悪くもね……否定したくはないけど、キツいよなぁとも思った。それが率直な感想です。今度は別の機会に観てみたいなぁ。

[SET LIST]
01. 朔-saku-
02. Agitated Screams Of Maggots
03. Beautiful Dirt
04. THE FINAL
05. 孤独に死す、故に孤独。
06. Merciless Cult
07. dead tree
08. OBSCURE
09. 凌辱の雨
10. CLEVER SLEAZOID
11. THE III D EMPIRE


▼Dir en grey「Withering to death.」(amazon:US盤UK盤日本盤


■ARCH ENEMY [BIG ROCK STAGE]
 実は初めて観るARCH ENEMY。アルバム1枚聴くのも正直キツいなぁと感じるタイプのバンドなんだけど、ライブでもそれは一緒で……要するに、歌以外の曲部分(演奏だったりアレンジだったり)は素晴らしいのに、ボーカルのデス声が一辺倒でつまんない……というのが俺のこのバンドに対する評価。いくらベストヒット的な選曲であっても、あれじゃ最後まで観るのは俺はキツいかな。というわけで、インストナンバー辺りでステージを去り、休憩に入りました。ワンマンを観に行くほど好きでもないので、今後またこういうイベントに出ない限りは観ることもないのかな……

[SET LIST]
00. Intro
01. Nemesis
02. Enemy Within
03. Dead Eyes See No Future
04. Out For Blood
05. Bury Me An Angel
06. The Imortal
07. Dead Bury Their Dead
08. Snowbound
09. Ravenous
10. We Will Rise
11. B.O.D. Outro


▼ARCH ENEMY「DOOMSDAY MACHINE」(amazon:US盤日本盤


■UNITED [ULTIMATE STAGE]
 実はなにげにこの日初めての「ULTIMATE STAGE」。彼らも7〜8年ぶりに観るんだよね。前に観たときは2代目ボーカルが入ってメジャーから2枚目だか3枚目のアルバムを出した後。いわゆる「モダン・ヘヴィネス」路線へと移行していった頃ね。それはそれで好きだったけど、正直に言えば「う〜ん……」という気持ちもあり、ライブを観る度に複雑な新曲だったなぁ……
 その後ボーカルが数回入れ替わり、ドラムも2度にわたって交代。気づけばストリングス隊以外は初見という今回のステージ。いやー、ビックリするくらいカッコ良かった! とにかく新曲の激スラッシュ路線が気持ちいい! ボーカルのNOBはドスの利いたデス声なんだけど、まったく新曲でも往年の代表曲でも違和感なかった。むしろ "REVENGER" とか "VIOLENCE JACK" 辺りは彼によって新たに現代的に生まれ変わってるね。そして "SNIPER"!! まさか2006年にこの曲を聴けるとは思いもしなかった。いやー、日本にもこんなに最強のスラッシュバンドがいることを思い出させてもらえただけでも、このフェスに来た甲斐があったってもんですよ。久しぶりに単独公演に行こうと思わせてくれたし、何よりも会場で新作「NINE」を即買いしちゃったからね。ホント再会できて嬉しかったです。

[SET LIST]
01. KILL YOUR SENSE
02. DEATHTRAP
03. MOSH CREW
04. BAD HABIT
05. UNDERSEA SUFFERING
06. SNIPER
07. HELL BREAKS LOOSE
08. VIOLENCE JACK
09. REVENGER
10. CROSS OVER THE LINE
11. UNITED


▼UNITED「NINE」(amazon:日本盤


■ANTHRAX [BIG ROCK STAGE]
 実はNAPALM DEATHまでの繋ぎで頭数曲しか観てません……つうか俺、ジョン・ブッシュ断固支持派なので、この再結成には反対なんですよ。結局'80年代の曲がメインで、'90年代以降の曲を眠らせてしまうわけですからね。別にジョン・ブッシュが "Indians" とか歌えてなかったわけじゃないのにね。
 ベラドナはあんまり違和感なかったけど、やっぱりダン・スピッツがね……orz

[SET LIST]
01. Indians
02. Got The Time
03. Caught In A Mosh
04. Antisocial
05. A Skeleton In The Closet
06. Efilnikufesin (N.F.L.)
07. Medusa
08. Metal Thrashing Mad
09. I Am The Law
10. Bring The Noise


▼ANTHRAX「ANTHROGY : NO HIT WONDERS 1985-1991」(amazon:US盤


■NAPALM DEATH [ULTIMATE STAGE]
 うわ……やっぱり帝王は帝王のままだった!! もう冒頭からスゴいことになってて(俺はステージ前方の、モッシュピットギリギリの辺りで観戦)、終始ヘドバンしまくり。途中、ステージ上をボーッと観てたら、もういい歳したオッサン4人が本気だしてもの凄い音出してるのを観て、ゴクリと生唾飲み込んで……そうこうしてたら、終盤の秒殺ソングメドレーですよ! "Scum" とか "You Suffer" まで聴けるとは思ってもみなかった。「LOUD PARK」レポートサイトに載ってるセットリストをそのまま引用してますが、ラストは違ったような記憶が(もう最後は俺もモッシュに加わってたので訳わかんなくなってたw)。にしても、あまりに「速すぎ」て、持ち時間の60分にも至らない40分強で全部終わったのには笑ったなぁ。さすがです、帝王!

[SET LIST]
01. Unchallenged
02. Suffer The Children
03. Silence
04. Instrments
05. Fatalist
06. Narcoleptic
07. When All It Said And Done
08. Puritannical
09. The Code Is Red
10. Continuing
11. Scum
12. Life
13. The Kill
14. Deciever
15. You Suffer
16. Nazi Punks Fuck Off


▼NAPALM DEATH「SMEAR CAMPAIGN」(amazon:US盤日本盤


■MEGADETH [GIGANTOUR STAGE]
 というわけで、NAPALM DEATHがあまりにも早く終わりすぎたため、MEGADETHを最初から観ることができました。正直、全然観る気はしてなかったんだけど……いざ観たら、やっぱ良かった。1990年だか91年だかの来日公演を観て以来なんだけど、当日はメンバーも違うし、その後のヒット曲・代表曲も増えてるんだけど、俺はあの頃の奴らがいろんな意味で大嫌いで(ただし音楽は別)、ライブからずーっと遠ざかってたんだけど、俺もデイヴ・ムステインも大人になってwちゃんと受け入れられるようになったんだね、現実を。「デイヴも〜」というのは……全然変わってないように見えて、しっかり大人になってる、良い意味で「丸く」なってるように感じられたから。演奏中は相変わらずのムステイン節なんだけど、やっぱりね……うん。なんか良かったなぁって感じられた。受け入れられた、素直に今のMEGADETHを。
 再結成後のアルバムは正直あんまり好きじゃないけど、次のアルバムには期待したいなぁ。このメンバーなら大丈夫なんじゃないか、そういう気がしたからさ。

[SET LIST]
01. Blackmail The Universe
02. Set The World Afire
03. Wake Up Dead
04. Skin O'My Teeth
05. Tornado Of Soul
06. Take No Prisoners
07. Devil's Island
08. Symphony Of Destruction
09. She Wolf
10. Hanger 18
11. Washington Is Next!! (New Song)
12. Peace Sells
--encore--
13. Holy Wars...The Panishment Due


▼MEGADETH「GREATEST HITS : BACK TO THE START」(amazon:US盤日本通常盤日本初回盤


 ここまでが初日。ホント1日の拘束時間が長いフェスなんで、ここで一旦切りますね。続きはまた後で。まぁ大したこと書いてないんだけどね……

 (To Be Continued...)

投稿: 2006 10 19 11:38 午後 [2006年のライブ, Anthrax, Arch Enemy, Backyard Babies, Cathedral, DIR EN GREY, DragonForce, LOUD PARK, Megadeth, Napalm Death, 「フェス」] | 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

2005/06/13

CATHEDRAL『THE ETHEREAL MIRROR』(1993)

 イギリスを代表する(?)ドゥーム・メタルバンド、CATHEDRALの1993年にリリースした2ndアルバム「THE ETHEREAL MIRROR」。恐らく多くのファンにとっても、そして俺からしても『CATHEDRALの代表作』と呼べる1枚なんじゃないでしょうか。

 個人的には『元NAPALM DEATHのボーカルが作った、新しいバンド』というイメージで接して1st EPで非常に痛い目に遭ったバンドなんですよ‥‥だって、『世界最速!(曲の短さが)』が謳い文句だったあのバンドのボーカルが作るバンドですからね、そりゃ更に速いやつを期待してたわけ。ところが出てきたのは『世界最低速!』みたいな、地を這うか如く超スローな曲が延々と続くんですよ。

 リー・ドリアン(元NAPALM DEATH〜CATHEDRALのVo)がやってるバンドだから‥‥って理由だけで聴き始めたんだけど、まぁとにかく初期の音源は取っ付き難くて、その手のサウンド‥‥所謂『ドゥーム・メタル』と呼ばれるジャンルに慣れてない身としてはね。

 ところがさ。この2ndアルバムでこのバンド、いきなり化けるんですよ。

 理由は幾つかあると思うんですよ。メンバーチェンジだったり、ツアーを経験したことによる自信だったり。けど最大の理由は、メジャーから配給されるようになったことでしょう。このアルバム、本国イギリスや日本ではその筋では老舗と呼べる『Earache』からのリリース(当然インディー)なんですが、何故かアメリカではかの『Epic』からのリリース/配給だったんですよ。実はこの時期('93〜94年頃)の『Epic US』って結構他所の国のバンドに目を向けてた時期だったんですよ。多分アメリカ国内ではNIRVANAやPEARL JAMといったグランジ系、METALLICAやPANTERAのようなメタル寄りのバンドがそれぞれチャート上で大成功を収めていた時期。そろそろ新しい波を‥‥と考え、積極的に海外のバンドに目を向けていたんでしょうね。例えばこのCATHEDRALの他にも同じ『Earache』出身の爆走デスメタル・バンド、ENTOMBED(スウェーデン出身)が、『Roadrunner』所属の新世代デスメタル・バンド、SEPALTURA(ブラジル出身)が、それぞれワンスポット(アルバム1枚契約)でこの時期、アルバムをアメリカ国内でリリースしてるんですよ。CATHEDRALもその流れで見初められたんでしょうけど‥‥多分『Epic』のA&Rは「これからは‥‥デスメタルが来る!」と本気で思ってたんでしょうね。ま、結局どのバンドもチャート的な大成功を収めることはなかったんですが(かろうじてSEPALTURAがトップ50に入った程度かな)。

 話をCATHEDRALに戻しましょう。そういったメジャー配給が影響して、制作費を多く貰えたのか、とにかくサウンドプロダクションが数段上にレベルアップしてるんですよ。それ以前とも、そして再びインディー配給に戻ったそれ以後と比べても、このアルバムだけ異質なんですよ。良くも悪くも『アメリカン』というか‥‥いや、俺はそこがまた好きだったりするんですが。プロデュースやエンジニアを務めたのが、デイヴ・ジャーデンやリック・ルービンの下で仕事していたことがあるデヴィッド・ビアンコという人。この人のサウンドにはやはり癖があって、とにかくドラムサウンドが分厚いんですよ。例えばALICE IN CHAINSの初期作品辺りを思い浮かべてもらうと判りやすいかな‥‥そこに加えて、ギターのザクザク感も歯切れ良く録音されてて、如何にもメタルの人といった感じで、個人的にはこの組み合わせはベストマッチングだと思ってます。

 曲も、確かにスローな曲もあるにはあるんだけど、無駄に長くなくてコンパクトにまとまってるのが殆ど。長くてもせいぜい6分くらいまで。さすがに以前みたいに10分超えるようなのはなし。しかもアレンジにメリハリが利いてて、良い意味で洗練されてるのね。この辺はアメリカ人プロデューサーを迎えたことによる影響が大きいのかな。コンパクトな曲の中にもしっかりと展開が盛り込まれていて、その辺はブリティッシュ・メタル的かな、と。

 やはりハイライトとなるのは前半‥‥頭の "Ride" から始まる怒濤の流れでしょう。明らかにBLACK SABBATHの影響下にあるサウンドで、前作ではただ「引き摺る」だけだったアレンジが、このアルバムでは更に「聴かせる」方向に意識がいってるんじゃないかと。同じスラッジ系でも前作の曲と今作の "Enter The Worms" とでは雲泥の差じゃないかな。ま、真性マニアはこっちよりも1st時の路線の方が好きなんでしょうけど。そしてその後にくる "Midnight Mountain" の名曲振りといったら‥‥これこそヘヴィメタル・ディスコですよ。そしてメロウなバラード調と言えなくもない "Fountain Of Innocence" のような曲まである。この前半だけでも彼等がこの1年ちょっとで如何に成長したかが手に取るように判るんじゃないでしょうか。

 このアルバム時期に初来日、当時はまだツインギター編成だったんですよね。その後、BLACK SABBATHと同じシングルギター編成(4人組)になり、アルバムの制作を重ねていくわけですが、やはりこの2ndが雛形となってその延長線上にある作品を量産してるように映ります。そういう意味でも、このアルバムが彼等にとってその後の路線を決定づける布石になったのは間違いないようです。所謂アメリカの『ドゥームメタル』とはまた違った、独特な個性を持ったアルバムなので、是非一度聴いてみてください。



▼CATHEDRAL「THE ETHEREAL MIRROR」(amazon:日本盤US盤

投稿: 2005 06 13 01:25 午前 [1993年の作品, Cathedral] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック